JPH07320327A - 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置 - Google Patents

光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置

Info

Publication number
JPH07320327A
JPH07320327A JP6107065A JP10706594A JPH07320327A JP H07320327 A JPH07320327 A JP H07320327A JP 6107065 A JP6107065 A JP 6107065A JP 10706594 A JP10706594 A JP 10706594A JP H07320327 A JPH07320327 A JP H07320327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
semiconductor laser
recording medium
triangular prism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6107065A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Musha
徹 武者
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP6107065A priority Critical patent/JPH07320327A/ja
Priority to US08/447,208 priority patent/US5804814A/en
Publication of JPH07320327A publication Critical patent/JPH07320327A/ja
Priority to US08/840,723 priority patent/US5814807A/en
Priority to US09/105,009 priority patent/US5898167A/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型軽量で低コストにできると共に、フォー
カスサーボを安定にできる正確なFESを検出できる光
学ヘッドを提供する。 【構成】 半導体レーザ101 と対物レンズ104 との間の
光磁気記録媒体105 からの戻り光の収束光路中に、第
1,第2の三角プリズム202,203 を貼り合わせてなり、
第1の三角プリズム202 は、戻り光をほぼ等しい強度の
常光および異常光に偏光分離するようにその光学軸を設
定すると共に、半導体レーザ101 からの光束および戻り
光が入射する面に偏光膜103 を設け、第2の三角プリズ
ム203 は、その光学軸を第1の三角プリズム202 の光学
軸と所定角度β異なるように設定した多像平行平面板20
1 を、非点収差の方向が、光磁気記録媒体105 の情報ト
ラック106 に対してほぼ45°となるように配置し、こ
の多像平行平面板201 に、偏光ビームスプリッタ機能、
偏光分離機能および非点収差発生機能を持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光記録媒体、特に光
磁気記録媒体に対して情報の記録・再生を行う光記録媒
体装置に用いる光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光学ヘッドとして、例えば、図1
3に示すようなものが提案されている(第1の従来
例)。この光学ヘッドは、光磁気記録媒体に対して情報
の記録・再生を行うもので、半導体レーザ101からの
直線偏光の発散光束を偏光ビームスプリッタ102に入
射させ、その接合面に形成された偏光膜103で反射さ
れる光束を対物レンズ104を経て光磁気記録媒体10
5の情報トラック106上に微小スポットとして照射し
ている。偏光ビームスプリッタ102の偏光膜103
は、紙面垂直方向の振動成分(s偏光)は60〜90%
透過し、紙面内の振動成分(p偏光=信号成分)は、ほ
ぼ100%透過する特性を有するように、誘電体多層膜
をもって構成され、半導体レーザ101からの直線偏光
は、s偏光で偏光膜103に入射するようになってい
る。
【0003】光磁気記録媒体105で反射され、その偏
光面が記録情報に応じて光軸回りに±θk回転された戻
り光は、対物レンズ104を経て収束ビームとして再び
偏光ビームスプリッタ102に入射し、その偏光膜10
3を透過することによって、往路に対して空間的に分離
されて多像プリズム107に入射する。多像プリズム1
07は、それぞれ複屈折性結晶からなる第1の三角プリ
ズム108および第2の三角プリズム109を接合して
構成され、戻り光が最初に入射する第1の三角プリズム
108の光学軸は、光磁気信号(以下、MO信号と言
う)を差動方式で検出するために、戻り光の光軸に対し
て垂直で、かつ紙面垂直方向に45°傾いて設定され、
第2の三角プリズム109の光学軸は、第1の三角プリ
ズム108の光学軸に対して、例えばさらに光軸垂直方
向に45°傾いて設定されている。したがって、多像プ
リズム107に入射した戻り光は、実質上3本の光束に
分離されて多像プリズム107から射出される。
【0004】多像プリズム107から射出される3本の
ビームは、トーリックレンズ110を経て信号検出用光
検出器111に入射する。トーリックレンズ110は、
透過光の焦点距離を延ばす凹レンズ機能と、フォーカス
エラー信号(以下、FESと言う)を検出するために非
点収差を発生する円柱レンズ機能とを有する。また、信
号検出用光検出器111は、図14に示すように、非点
収差を有する3本の光束を分離して受光する3個の受光
部112,113および114を有し、中央の受光部1
14は、4分割受光領域をもって構成され、受光部11
2および113の出力の差に基づいてMO信号を、受光
部114の対角の受光領域の出力の和の差に基づいてF
ESをそれぞれ検出するようにしている。なお、トラッ
キングエラー信号(以下、TESと言う)については、
図示しないが、例えばプッシュプル(以下、PPと言
う)方式によって検出することができる。
【0005】また、従来の他の光学ヘッドとして、例え
ば、特開平5−314563号公報には、光磁気記録媒
体からの戻り光の集光光束中に、光学異方性をもつ平行
平面板を配置して、この平行平面板に、往・復路分離機
能、MO信号を差動検出するための偏光分離機能および
FESを検出するための非点収差発生機能をもたせ、こ
の平行平面板で偏光分離された常光および異常光を信号
検出用光検出器で分離して受光するようにしたものが提
案されている(第2の従来例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1の従来例には、以下のような問題がある。 往路と復路とを分離する偏光ビームスプリッタ10
2と、MO信号を差動検出するために戻り光を偏光分離
する多像プリズム107と、FESを検出するための非
点収差発生機能を有するトーリックレンズ110とが、
別体に設けているため、小型軽量化および低コスト化が
困難になる。 光学的に共役な位置関係にある半導体レーザ101
と、信号検出用光検出器111とが空間的に大きく分離
されているため、温度変化や経年変化等に弱く、良好な
耐環境特性が得られにくい。また、この問題を解消しよ
うとすると、光学系を保持するハウジングが大型で高価
になる。 トーリックレンズ110の凹レンズ機能により検出
光学系の光路長を稼ぐようにしているので、信号検出用
光検出器111の調整作業が容易になる利点があるが、
光路長が長くなる分、小型化に限度が生じる。
【0007】これに対し、第2の従来例においては、光
学異方性をもつ平行平面板に、往・復路分離機能、MO
信号を差動検出するための偏光分離機能およびFESを
検出するための非点収差発生機能をもたせるようにして
いるので、第1の従来例における上記のおよびの問
題を解決することができる。
【0008】しかし、この第2の従来例にあっては、以
下のような問題がある。 FES検出のための非点収差発生方向が、情報トラ
ックと同方向および直交方向であるため、PP信号がF
ESに漏れ込んでサーボ系が不安定になる。 偏光分離された一方の偏光成分のみからFESを検
出しているため、光磁気記録媒体の基板の複屈折により
FESの振幅が揺らぎ、正確なフォーカスサーボが困難
になる。 信号検出用光検出器の位置決めが困難である。
【0009】この発明の第1の目的は、小型軽量で低コ
ストにできると共に、フォーカスサーボを安定にできる
正確なFESを検出できるよう適切に構成した光学ヘッ
ドを提供しようとするものである。
【0010】また、第2の目的は、耐環境特性に優れ、
容易に組み立てできるよう適切に構成した集積型光学ユ
ニット装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、この発明の光学ヘッドは、直線偏光光束を放射
する半導体レーザと、この半導体レーザからの光束を光
磁気記録媒体上にスポット状に集光させる対物レンズ
と、前記半導体レーザと前記対物レンズとの間で、前記
光磁気記録媒体で反射される戻り光の収束光路中に配置
され、前記半導体レーザからの直線偏光光束を反射させ
て前記対物レンズに導き、前記戻り光を屈折透過させて
非点収差を与えて偏光分離するそれぞれ複屈折性結晶か
らなる第1および第2の三角プリズムを貼り合わせてな
る多像平行平面板と、この多像平行平面板から射出され
る光束を受光し、互いに直交する偏光成分の出力に基づ
いてMO信号を検出すると共に、ほぼ等しい常光および
異常光成分を含む出力に基づいてFESを検出する信号
検出用光検出器とを有し、前記多像平行平面板は、前記
非点収差の長軸および短軸方向が、前記光磁気記録媒体
の情報トラックに対してほぼ45°となるように配置
し、前記第1の三角プリズムは、前記戻り光をほぼ等し
い強度の常光および異常光に偏光分離するようにその光
学軸を設定すると共に、前記半導体レーザからの直線偏
光光束および前記戻り光が入射する面に偏光膜を設け、
前記第2の三角プリズムは、その光学軸を前記第1の三
角プリズムの光学軸と所定角度異なるように設定したこ
とを特徴とするものである。
【0012】前記対物レンズによる前記光磁気記録媒体
上でのスポット形状が、前記情報トラックに対してほぼ
45°の方向に長軸を有する楕円状となるように前記半
導体レーザを配置すると共に、前記光磁気記録媒体上に
集光される前記半導体レーザからの直線偏光光束の偏光
方向が、前記情報トラックと平行となるように、前記偏
光膜と前記対物レンズとの間に1/2波長板を配置する
のが、PP信号の振幅を最大化する点で好ましい。
【0013】前記対物レンズによる前記光磁気記録媒体
上でのスポット形状が、前記情報トラックに対してほぼ
直交する方向に長軸を有する楕円状となるように前記半
導体レーザを配置すると共に、前記光磁気記録媒体上に
集光される前記半導体レーザからの直線偏光光束の偏光
方向が、前記情報トラックと平行となるように、前記半
導体レーザと前記偏光膜との間および該偏光膜と前記対
物レンズとの間にそれぞれ1/2波長板を配置するの
が、分解能を高くする点、振幅の大きいPP信号を得る
点および部品共通化の点で好ましい。
【0014】前記第1の三角プリズムの光学軸と前記第
2の三角プリズムの光学軸とが、前記戻り光の光軸回り
になす角度βを、45°≦β(≠90°)≦135°と
して、前記多像平行平面板から常光および異常光成分が
ほぼ等しく含まれる1本の光束と、偏光方向が互いに直
交する2本の光束とをそれぞれ分離して射出させ、前記
信号検出用光検出器には、前記常光および異常光成分が
ほぼ等しく含まれる光束を受光する4分割受光領域と、
前記偏光方向が互いに直交する2本の光束を分離して受
光する2個の受光領域とを設けて、前記4分割受光領域
の対角和出力の差に基づいて前記FESを、前記2個の
分離した受光領域の出力差に基づいて前記MO信号をそ
れぞれ検出するのが、S/Nの良好なMO信号を得る点
および正確なFESを検出する点で好ましい。
【0015】前記第1の三角プリズムの光学軸と前記第
2の三角プリズムの光学軸とが、前記戻り光の光軸回り
になす角度βをβ=90°として、前記多像平行平面板
から偏光方向が互いに直交する2本の光束を分離して射
出させ、前記信号検出用光検出器には、前記偏光方向が
互いに直交する2本の光束を分離して受光する2個の4
分割受光領域を設けて、各4分割受光領域の総和出力の
差に基づいて前記MO信号を、各4分割受光領域の対角
和出力の差の和に基づいて前記FESをそれぞれ検出す
るのが、小型な信号検出用光検出器で、S/Nの良好な
MO信号を得ると共に、正確なFESを検出する点で好
ましい。
【0016】また、第2の目的を達成するため、この発
明は、半導体レーザからの光束を光記録媒体に照射し、
その戻り光を信号検出用光検出器で受光して、前記光記
録媒体に対して情報の記録・再生を行う光記録媒体装置
に用いる集積型光学ユニット装置であって、前記半導体
レーザと、前記信号検出用光検出器と、前記半導体レー
ザからの光束を前記光記録媒体側に導くと共に、前記光
記録媒体からの戻り光を前記信号検出用光検出器側に導
く往・復路分離素子とを、フォトリソグラフィー工程に
より形成した位置決めガイドを有する基板上に位置決め
実装してなることを特徴とするものである。
【0017】前記基板として、単結晶シリコンウエハを
用いるのが、高精度の位置決めガイドを得る点で好まし
い。
【0018】前記基板の位置決めガイドに位置決めし
て、前記半導体レーザの出射光量をモニタする光量モニ
タ用光検出器を設けることが、半導体レーザの出射光量
を所望の光量に制御する点で好ましい。
【0019】前記往・復路分離素子は、それぞれ複屈折
性結晶からなる第1および第2の三角プリズムを貼り合
わせてなる多像平行平面板で、前記第1の三角プリズム
は、前記戻り光をほぼ等しい強度の常光および異常光に
偏光分離するようにその光学軸を設定すると共に、前記
半導体レーザからの光束および前記戻り光が入射する面
に偏光膜を設け、前記第2の三角プリズムは、その光学
軸を前記第1の三角プリズムの光学軸と所定角度異なる
ように設定するのが、S/Nの良好なMO信号を得ると
共に、正確なFESを検出する点で好ましい。
【0020】前記基板は、それぞれ単結晶シリコンから
なる下基板と上基板とを有し、前記下基板には異方性エ
ッチングにより前記位置決めガイドを構成する溝部を形
成し、前記上基板には異方性エッチングにより前記溝部
と協働して前記位置決めガイドを構成する開口部を形成
して、これら下基板および上基板を接合することによ
り、前記溝部および前記開口部により異なる角度方向を
位置決めするよう構成するのが、所望の素子を容易かつ
確実に位置決めして装着する点で好ましい。
【0021】
【作用】この発明の光ヘッドにおいて、半導体レーザか
らの直線偏光光束は、多像平行平面板の偏光膜で反射さ
れ、対物レンズを経て光磁気記録媒体上にスポット状に
集光される。この光磁気記録媒体で反射される戻り光
は、対物レンズを経て多像平行平面板に入射し、ここで
往路と分離され、さらに偏光分離されると共に、光磁気
記録媒体の情報トラックに対してほぼ45°の長軸およ
び短軸方向の非点収差が与えられて信号検出用光検出器
で受光され、その互いに直交する偏光成分の出力に基づ
いてMO信号が検出されると共に、ほぼ等しい常光およ
び異常光成分を含む出力に基づいてFESが検出され
る。
【0022】また、この発明の集積型光学ユニット装置
においては、光記録媒体に照射するための光束を出射す
る半導体レーザと、光記録媒体で反射される戻り光を受
光する信号検出用光検出器と、前記半導体レーザからの
光束を前記光記録媒体側に導くと共に、前記光記録媒体
からの戻り光を前記信号検出用光検出器側に導く往・復
路分離素子とが、フォトリソグラフィー工程により形成
した位置決めガイドにより位置決めされて基板上に実装
される。
【0023】
【実施例】図1は、この発明の第1実施例を示すもので
ある。この実施例では、半導体レーザ101からの直線
偏光した発散光束を、偏光膜103を有する多像平行平
面板201に入射させ、これら偏光膜103および多像
平行平面板201を透過する光束を光量モニタ用光検出
器204で受光して、その出力に基づいて半導体レーザ
101の出射光量を制御し、多像平行平面板201で反
射される光束を、45°ローテータ205で偏光方向を
45°回転させて、対物レンズ104により情報トラッ
ク106上に微小スポットとして照射する。また、光磁
気記録媒体105で反射される戻り光は、対物レンズ1
04により収束して45°ローテータ205を経て偏光
膜103に入射させ、この偏光膜103を透過させるこ
とにより往路と空間的に分離して多像平行平面板201
に入射させ、この多像平行平面板201を屈折透過させ
ることにより非点収差を与えて偏光分離し、その偏光分
離された光束を信号検出用光検出器206で受光して、
MO信号、FESおよびTESを検出するようにする。
【0024】半導体レーザ101は、その出射光の直線
偏光の方向が、偏光膜103にs偏光で入射するように
配置する。多像平行平面板201は、これにより戻り光
に発生させる非点収差の長軸および短軸方向が、光磁気
記録媒体105の情報トラック106に対してほぼ45
°となるように配置する。この多像平行平面板201
は、それぞれ複屈折性結晶、この実施例ではニオブ酸リ
チウムからなる第1の三角プリズム202および第2の
三角プリズム203を貼り合わせて構成し、半導体レー
ザ101からの発散光束および光磁気記録媒体105か
らの戻り光が入射する第1の三角プリズム202の面に
偏光膜103を形成する。偏光膜103は、例えば、紙
面と直交方向の振動成分(s偏光)は60〜90%反射
し、紙面内の振動成分(p偏光=信号成分)は100%
透過する特性を有するように誘電体多層膜をもって構成
する。
【0025】半導体レーザ101は、楕円ビームを発す
るので、ビーム整形を行わなければ光磁気記録媒体10
5上でも楕円スポットとなる。この楕円スポットの長・
短軸方向は、多像平行平面板201が紙面垂直面内で4
5°傾いて配置されているので、情報トラック106に
対して45°傾くことになる。したがって、そのままで
は、偏光方向も情報トラック106に対して45°傾く
ことになる。この実施例では、光磁気記録媒体105に
照射する直線偏光の偏光方向を、情報トラック106と
平行となるように、45°ローテータ205により45
°回転させて、PP信号の振幅が最大になるようにす
る。
【0026】45°ローテータ205は、例えば、z軸
を含むxまたはy軸断面カットの水晶材を用い、常光線
と異常光線との間の位相差が180°となるような厚み
に研磨された、いわゆる1/2波長板をもって構成する
か、あるいはz軸断面カットの水晶材を用い、左廻り円
偏光と右廻り円偏光との間の位相差が90°となるよう
な厚みに研磨された、入射直線偏光方向に依存しない4
5°ローテータをもって構成する。
【0027】この実施例では、図2に示すように、多像
平行平面板201を構成する第1の三角プリズム202
および第2の三角プリズム203のそれぞれの頂角α
を、α<45°とし、第1の三角プリズム202の光学
軸は、戻り光をほぼ等しい強度の常光および異常光に偏
光分離するように、戻り光の光軸に対して垂直で、かつ
紙面垂直方向に45°傾斜させ、第2の三角プリズム2
03の光学軸は、第1の三角プリズム202の光学軸に
対して、さらに光軸垂直面内、すなわち光軸回りに角度
β、この実施例ではβ=45°傾斜させる。
【0028】このように、第1および第2の三角プリズ
ム202および203の光学軸を設定すると、図3に示
すように、入射光(戻り光)の直線偏光は、第1の三角
プリズム202によって、ほぼ等しい強度の常光Oおよ
び異常光Eに偏光分離され、さらに第2の三角プリズム
203によって、各光線が常光OO,EOと異常光O
E,EEとに偏光分離されて、合計4本の光束となる。
ここで、光束OOおよびEEは、ほぼ重なっており、光
束OEおよびEOは、互いに逆方向に屈折透過するの
で、多像平行平面板201からは、実質上3本の光束が
分離されて出射されることになる。
【0029】図1において、信号検出用光検出器206
は、その受光面が多像平行平面板201による非点収差
の最良像面に位置するように配置する。この検出器20
6には、図4に平面図を示すように、多像平行平面板2
01からの光束EOを受光する受光領域207と、光束
OEを受光する受光領域208と、光束OOおよびEE
を受光する4分割受光領域209とを設ける。
【0030】このように構成すれば、互いに直交する偏
光成分を分離して受光する受光領域207および208
の出力の差に基づいてMO信号を検出することができる
と共に、ほぼ等量の直交する偏光成分を受光する4分割
受光領域209の対角和出力の差に基づいてFESを検
出することができる。また、図1では、2点鎖線部分も
便宜上同一平面内に示しているが、実際には、z軸回り
にx’,y’方向に45°傾いているので、図4に示す
ように、4分割受光領域209上での情報トラック10
6の像は、x方向分割線と一致している。したがって、
この4分割受光領域209のx方向分割線を境とする両
側の和出力の差に基づいて、PP方式によりTESを検
出することができる。
【0031】この実施例によれば、4分割受光領域20
9上での情報トラック106の像がx方向分割線と一致
しているので、PP信号がFESに悪影響を及ぼすのを
有効に防止することができると共に、この4分割受光領
域209には、ほぼ等しい強度の直交する偏光成分が入
射するので、光磁気記録媒体105の基板の複屈折の影
響を受け難い。したがって、FESを高精度かつ高感度
で検出することができる。
【0032】また、多像平行平面板201を構成する複
屈折性結晶としてニオブ酸リチウムを用いているので、
多像平行平面板201と信号検出用光検出器206との
間に凹レンズを配置することなく、これら間の距離を1
〜2mmとして、偏光分離された光束を確実に分離して
受光することができる。したがって、光学ヘッドを小型
かつ薄型化することができる。すなわち、複屈折性結晶
として水晶を用いる場合には、その常光の屈折率no
異常光の屈折率ne との比の差が、0.6%程度である
ため、凹レンズを用いないと、分離に必要な距離を得ら
れないが、ニオブ酸リチウムの場合には、no =2.2
86、ne =2.2で、no とne との比の差が4%程
度あるので、多像平行平面板201と信号検出用光検出
器206との間の距離が1〜2mmで、偏光分離された
光束を確実に分離して受光することができる。
【0033】なお、第1実施例では、有限光学系とした
が、多像平行平面板201が戻り光の収束光路中に位置
するように、多像平行平面板201と対物レンズ104
との間にコリメータレンズを配置して無限光学系として
も、同様の効果を得ることができる。また、上記の実施
例では、偏光膜103を第1の三角プリズム202の面
に直接設けるようにしたが、該面に結像性能に影響を及
ぼさない範囲の厚みを有する平行平面ガラス板を設け、
このガラス板に偏光膜103を設けることもできる。こ
のようにすれば、偏光膜103の設計を容易にできる利
点がある。
【0034】さらに、第1,第2の三角プリズム20
2,203の光学軸は、多像平行平面板201を構成す
る複屈折性材料に応じて、任意に設定することができ
る。第1実施例の場合、それぞれの光学軸を、戻り光の
光軸に対して垂直で、両者の光学軸の光軸回りになす角
度βが、β=45°となるように設定しているので、受
光領域207,208および4分割受光領域209に入
射する光束(EO)、(OE)および(OO+EE)の
強度比は、(EO):(OE):(OO+EE)=1:
1:2となるが、例えば、45°<β(≠90°)<1
35°の範囲に設定すれば、OO=EE<OE=EOと
なって、受光領域207,208への入射光量が増加
し、MO信号のS/Nを改善することができる。
【0035】また、多像平行平面板201は、ニオブ酸
リチウムに限らず、他の複屈折性結晶、例えば、KDP
やADPを用いて構成することもできる。これらの結晶
の屈折率は、KDPがno =1.51、ne =1.4
7、ADPがno =1.52、ne =1.48で、no
とne との比の差が2%以上あるので、ニオブ酸リチウ
ムを用いる場合と同様に、多像平行平面板201と信号
検出用光検出器206との間に凹レンズを配置すること
なく、これら間の距離を1〜2mmとして、偏光分離さ
れた光束を確実に分離して受光することができ、光学ヘ
ッドを小型かつ薄型化することができる。
【0036】この発明の第2実施例では、図1に示す構
成において、45°ローテータ205を除去して、光磁
気記録媒体105に照射される楕円ビームの長・短軸方
向および直線偏光方向を、図5に示すように、情報トラ
ック106に対して45°傾斜させる。この場合、PP
信号の振幅がやや低下するが、部品点数を削減できるの
で、より小型・軽量化できると共に、安価にできる利点
がある。
【0037】この発明の第3実施例においては、図1に
示す構成において、半導体レーザ101を光軸廻りにさ
らに45°回転して配置すると共に、半導体レーザ10
1と多像平行平面板201との間に、半導体レーザ10
1からの直線偏光が偏光膜103にs偏光で入射するよ
うに45°ローテータを配置して、光磁気記録媒体10
5に、図6に示すように、楕円ビームの短軸方向および
直線偏光方向が情報トラック106に対して平行となる
楕円ビームを照射する。
【0038】この第3実施例によれば、第1実施例と同
様の効果が得られる他、情報トラック方向におけるスポ
ット径が短くなるので、分解能を高くできる利点があ
る。また、多像平行平面板201と対物レンズ104と
の間に配置する45°ローテータ205と、半導体レー
ザ101と多像平行平面板201との間に配置する45
°ローテータとを同一構成とすることができ、部品の共
通化が図れるという利点がある。
【0039】この発明の第4実施例においては、図1に
示す構成において、多像平行平面板201を構成する第
1,第2の三角プリズム202,203の両光学軸間の
光軸回りになす角度βを、β=90°に設定すると共
に、信号検出用光検出器206を、図7に平面図を示す
ように、2個の4分割受光領域207’,208’をも
って構成する。このように、β=90°とすると、いわ
ゆるウォラストンプリズムとなり、図8に示すように、
OO+EEの強度はゼロとなって、多像平行平面板20
1からは偏光方向が互いに直交する2本の光束OE,E
Oが分離して射出されることになる。
【0040】この実施例では、多像平行平面板201か
らの光束EOを4分割受光領域207’で受光し、光束
OEを4分割受光領域208’で受光して、各4分割受
光領域207’,208’の総和出力の差に基づいてM
O信号を検出し、各4分割受光領域207’,208’
の対角和出力の差の和に基づいてFESを検出する。な
お、TESについては、第1実施例におけると同様に、
PP方式により検出する。
【0041】この発明の第5実施例においては、図1に
示す構成において、半導体レーザ101と多像平行平面
板201との間に、半導体レーザ101からの光束を1
本のメインビームと2本のサブビームとに分割する3ビ
ーム発生用のグレーティングを配置して、これら3本の
ビームを光磁気記録媒体105の情報トラック106に
公知の位置関係で照射する。また、信号検出用光検出器
206には、2本のサブビームの戻り光を受光する受光
領域を付加し、メインビームの戻り光を第1実施例と同
様に受光して、MO信号およびFESを検出し、2本の
サブビームの戻り光をサブビーム用の受光領域でそれぞ
れ検出して、3ビーム法によりTESを検出する。
【0042】次に、この発明に係る集積型光学ユニット
装置について説明する。上述した光学ヘッドにおいて、
ビーム整形機能なしの場合の実用的な設計値としては、
無限系ではコリメータレンズ、有限系では対物レンズの
半導体レーザ側のNAが0.15、対物レンズの記録媒
体側のNAが0.55の約3.7倍率の光学系が考えら
れる。ビーム整形機能を有する場合には、コリメータレ
ンズのNAが小さくなるので、倍率はさらに高くなる。
【0043】かかる光学系において、記録媒体面での焦
点深度を±1μmとすると、記録媒体は反射系であるか
ら、信号検出用光検出器上での対応する光軸方向の像の
動きは、±1μm×2×3.72 ≒±27μmとなる。
この範囲内で、信号検出用光検出器を3軸方向に調整す
るのは困難であり、これがため従来は凹レンズを用いて
倍率を稼ぐことにより、位置決め精度を拡大して光軸方
向の調整を可能にしていた。しかしながら、上記の第1
〜5実施例に示したような光学系を実装する場合、凹レ
ンズの挿入は、小型・薄型化の点で好ましくない。
【0044】また、信号検出用光検出器を、少なくとも
平面内の2軸方向の調整で済ませようとすれば、半導体
レーザの発光点の仮想共役位置に対する信号検出用光検
出器の光軸方向の位置決め精度が要求される。しかも、
この場合には、調整によって光軸方向の他の誤差を吸収
することができないので、光軸方向での半導体レーザ
の位置決め精度、多像平行平面板の厚み誤差、多像
平行平面板の位置決め精度、信号検出用光検出器の位
置決め精度、その他の誤差は、正規分布のばらつきを
考慮して、それぞれ±10μm以下に抑えるのが望まれ
る。
【0045】図9は、半導体レーザ101、信号検出用
光検出器206および往・復路分離素子、この場合は多
像平行平面板201との位置関係を示すものである。半
導体レーザ101から偏光膜103までの距離をa、偏
光膜103から多像平行平面板201を経て信号検出用
光検出器206までの距離をb+c、多像平行平面板2
01の屈折率をnとすると、半導体レーザ101と、多
像平行平面板201を介した信号検出用光検出器206
との光学的共役点の位置関係は、a=b(2−1/n)
+cとなる。
【0046】ここで、小型・薄型化を考慮した場合の実
用的数値として、a=2.5mm、多像平行平面板20
1の厚みtをt=2mm、n=2.2とすると、多像平
行平面板201の出射点から信号検出用光検出器206
までの距離cは、1.5mm程度となる。このため、通
常の機械加工されたハウジングに、上記の、および
の必要精度を確保して実装するのは難しくなると共
に、このスペース内で3軸調整を行う場合には、調整工
数の増加を招くことになる。
【0047】なお、上記の多像平行平面板201の厚
み誤差については、厚みtがΔtの誤差を有すると、共
役点の位置b(2−1/n)+cは、およそb・Δt/
t変化する。したがって、Δtを±10μm以下に抑え
れば、の要求はほぼ満たすことができる。この多像平
行平面板201の厚みは、それぞれの三角プリズムを接
合する際に、接合面をスライドさせて調整することによ
り、必要精度を確保することができる。
【0048】図10は、この発明の第6実施例を示すも
のである。この実施例では、上記の光軸方向での半導
体レーザの位置決め精度、多像平行平面板の位置決め
精度および信号検出用光検出器の位置決め精度を確保
するために、これらを実装する基板701として、前工
程で光縮小法による写真製版技術を用い、後工程でエッ
チング等の除去加工や、メッキに代表される電鋳技術の
付加加工を利用したフォトリソグラフィー工程により形
成した突起状の位置決めガイド702を有するものを用
いる。図10では、この基板701に、図1に示した光
学系と同様の光学系の一部、すなわち半導体レーザ10
1、多像平行平面板201、信号検出用光検出器20
6、光量モニタ用光検出器204および45°ローテー
タ205を、位置決めガイド702により位置決めして
実装する。
【0049】半導体レーザ101は、放熱を考慮したス
テム703に、発光点を端面に一致させて装着し、この
ステム703を位置決めガイド702により、光軸方向
と、光軸と直交する面内の2次元方向の一方の方向とを
それぞれ位置決めし、残りの一方向のみを位置調整して
実装する。信号検出用光検出器206、光量モニタ用光
検出器204および45°ローテータ205は、それぞ
れ光軸方向のみを位置決めガイド702により位置決め
し、光軸と直交する面内の2次元方向の位置を調整して
実装する。また、多像平行平面板201は、第1の三角
プリズム202の偏光膜103を有する面の位置と、第
2の三角プリズム203の出射面の位置とを位置決めガ
イド702により位置決めし、これら各面内での第1,
第2の三角プリズム202,203の2次元方向の位置
を調整して実装する。なお、光学系の作用については、
前述した通りなので、ここでは説明を省略する。
【0050】このように、基板701として、フォトリ
ソグラフィー工程によって形成した位置決めガイド70
2を有するものを用いれば、通常の機械加工では得られ
ない加工精度を確保することができるので、所要の光学
部品を容易かつ精度良く実装することができる。また、
この実装法によれば、図1に2点鎖線で示す全ての光学
部品は、一辺が7mmの四角形状の基板701に実装す
ることができるので、小型・軽量化することができる。
【0051】なお、この実施例では、所要の光学部品を
位置決めガイド702に沿って挿入実装するため、特
に、半導体レーザ101、多像平行平面板201および
信号検出用光検出器206において、各部品の基板底面
から光軸までの距離をh、光軸に対する倒れ角をθとす
ると、θ・hのいわゆるアッベ誤差が、上記その他の
誤差として付加されることになる。このθ・hをそれぞ
れ±10μm以下に抑えるには、h=1mmとすると、
θは±0.5°以下に抑えれば良い。
【0052】また、信号検出用光検出器206を2次元
方向、図10ではx’およびy’方向に位置調整するに
あたっては、例えば、無限光学系を考えれば、コリメー
タレンズ704までを集積型光学ユニットと一体化し、
コーナーキューブプリズム、レンズおよびその焦点位置
に置かれたミラーを有するキャッツアイ光学系のよう
な、平行光をそのまま光源側に戻す光学系を使用するの
が好適である。この場合、コリメータレンズ704を2
点鎖線で示すように、基板701と一体化しておけば、
この集積型光学ユニットを分離光学系に使用する際に、
後工程を容易にできる利点がある。
【0053】この実施例では、フォトリソグラフィー工
程により形成した位置決めガイド702を有する基板7
01上に、所要の光学部品を位置決めして実装するた
め、基板701の加工精度が最も重要なファクタとな
る。この基板701の加工法としては、概念的にアンダ
ーカット(サイドエッチング)を伴う等方性加工と、ほ
とんど一方向にのみ加工が進む異方性加工とがある。
【0054】等方性加工による場合には、精度を確保す
るために、除去加工にあってはアンダーカットされる部
分を見越したエッチングしろを、付加加工にあってはめ
っきしろを、それぞれ写真製版段階のサイズに予め含め
ておくのが好適である。同時に、モニタ用の基準パター
ンを用い、被加工材に形成される仕上がり寸法をモニタ
しながら、必要寸法に加工するのが良い。
【0055】また、異方性加工による場合には、基板材
料として、例えば、単結晶シリコンを用い、そのエッチ
ング速度がエッチャントのKOH(水酸化カリウム)水
溶液等に対して大きな結晶方位依存性を持つのを利用す
る。この場合、シリコンの結晶面(111)のエッチレ
ートは、他の結晶面のそれに比べて極めて小さく、結晶
面(110)が最大値を示し、その両者のエッチレート
の比は、1:180にも及ぶ。この特性を利用すれば、
図11に示すように、(110)ウエハ801の表面
に、<1−12>あるいは<−111>方向にマスク開
口を設けてエッチングを行えば、{111}を側壁80
2とするサイドエッチが少なく、開口から真下に削れた
深溝803を得ることができる。
【0056】このように、基板701として、(11
0)ウエハ801を用い、{111}面が垂直壁802
に、{110}面が底面となるようにエッチングを施せ
ば、例えば、溝深さ500μmの加工で、幅方向誤差を
3μm以下に抑えられる、高精度で高アスペクト比の深
溝加工を行うことができる。なお、このような単結晶シ
リコンの異方性エッチングについては、佐藤:「単結晶
シリコンの異方性エッチング技術」精密工学会誌53巻
6号(1987年)、pp.849〜852に詳しく説
明されている。
【0057】図10に示す構成では、破線で囲んだ部分
でμmオーダの精度が必要となり、全体としてx’z平
面内で、x’方向、z方向および斜め45°方向の3方
向で精度が必要となるので、必要精度方向に異方性エッ
チングを施せば良い。
【0058】図12(a)〜(c)は、この発明の第7
実施例を示すものである。この実施例は、それぞれフォ
トリソグラフィー工程により作成した下基板901と上
基板906とを貼り合わせて、一枚の基板911を得る
ようにしたものである。下基板901は、図12(a)
に示す方向に結晶面を有する厚さ1mm程度のシリコン
単結晶ウエハからなる。この下基板901には、異方性
エッチングにより所要の光学部品を位置決め実装するた
めの深さ500μm程度の溝部を形成する。この実施例
は、図10に示した光学系を実装するもので、半導体レ
ーザ101を実装するための溝部902、多像平行平面
板201を実装するための溝部903、信号検出用光検
出器206を実装するための溝部904および光量モニ
タ用光検出器204を実装するための溝部905を形成
する。したがって、溝部902、904および905
は、<−111>方向に必要精度が確保される。なお、
溝部903は、実装する多像平行平面板201よりも一
回り大きく形成する。
【0059】上基板906は、図12(b)に示す方向
に結晶面を有する厚さ0.1〜0.3mm程度のシリコ
ン単結晶ウエハからなる。この上基板906には、異方
性エッチングにより上記の光学部品を位置決め実装する
ための貫通した開口部を形成する。すなわち、半導体レ
ーザ101を実装するための切り欠き開口部907、多
像平行平面板201を実装するための開口部908、信
号検出用光検出器206を実装するための開口部909
および光量モニタ用光検出器204を実装するための開
口部910を形成する。したがって、多像平行平面板2
01を実装するための開口部908は、<−111>方
向に必要精度が確保される。なお、開口部907、90
9および910は、それぞれ実装する光学部品よりも一
回り大きく形成する。
【0060】上記の下基板901および上基板906
は、予め形成した位置合わせマークを用いて位置合わせ
し、その後、直接接合や陽極接合等の手法により貼り合
わせてから所要の寸法に切断して、図12(c)に示す
ように、一枚の基板911を得る。この実施例によれ
ば、2方向において必要精度を確保することができる。
なお、さらに基板を重ねることにより、3方向において
必要精度を確保するよう構成することもできる。
【0061】この発明の第8実施例においては、図10
に示す基板701として、異なる3方向に対して同時に
μmオーダの精度を確保できる位置決めガイドを形成し
たものを用いる。このような基板は、例えば、リソグラ
フィー技術においてLIGAプロセスと呼ばれる加工法
によって形成する。このLIGAプロセスは、シンクロ
トロンから放射されるSOR光と呼ばれるX線が、直線
性・解像度・透過性に優れ、最終的に望む溝の深さとな
るレジスト厚さが1mm程度であっても、μm程度の精
度で露光が可能であるのを利用したもので、これにより
高アスペクト比・高精度の深溝加工が実現でき、所望の
基板を得ることができる。
【0062】なお、この発明は上述した実施例にのみ限
定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能で
ある。例えば、上記の各実施例では、多像平行平面板2
01を透過する半導体レーザ101からの光束を光量モ
ニタ用光検出器204で受光するようにしたが、偏光膜
103で反射される半導体レーザ101からの光束を受
光するように光量モニタ用光検出器204を配置するこ
ともできる。
【0063】また、集積型光学ユニット装置の基板とし
て、(110)シリコン単結晶ウエハを用る場合には、
異方性エッチングを施すと、(111)面が2方向に現
れるので、これら2つの(111)面の垂直壁をそれぞ
れ位置決め用のサイドとすることもできる。ただし、こ
の場合の2つのサイドの成す角度は90°とはならな
い。また、これを利用して、3方向の必要精度を確保し
た基板を形成することもできる。
【0064】さらに、この発明に係る集積型光学ユニッ
ト装置は、光磁気記録媒体に対してのみでなく、光磁気
効果を利用しない光記録媒体に対して適合するよう構成
することもできる。また、上述した各実施例において、
半導体レーザからの断面楕円ビームを、断面円形となる
ように、ビーム整形機能を付加することもできる。
【0065】
【発明の効果】この発明の光学ヘッドによれば、偏光膜
を有する多像平行平面板に、往路と復路とを分離する偏
光ビームスプリッタ機能、戻り光からMO信号を差動検
出するための偏光分離機能およびFESを検出するため
の非点収差発生機能とを持たせると共に、非点収差の発
生方向を情報トラックに対して45°の方向としたの
で、小型軽量で低コストにできると共に、PP信号のF
ESへの漏れ込みを有効に防止でき、したがって正確な
FESを検出でき、フォーカスサーボを安定にできる。
【0066】また、この発明の集積型光学ユニット装置
によれば、フォトリソグラフィー工程により形成した位
置決めガイドを有する基板上に位置決めして、半導体レ
ーザ、信号検出用光検出器および往・復路分離素子を実
装するようにしたので、組み立てを容易にできると共
に、優れた耐環境特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示す多像平行平面板の構成を示す図であ
る。
【図3】同じく、多像平行平面板の作用を説明するため
の図である。
【図4】同じく、信号検出用光検出器の構成を示す図で
ある。
【図5】この発明の第2実施例を説明するための図であ
る。
【図6】同じく、第3実施例を説明するための図であ
る。
【図7】同じく、第4実施例を説明するための図であ
る。
【図8】第4実施例における多像平行平面板の作用を説
明するための図である。
【図9】光学系の位置関係を説明するための図である。
【図10】この発明の第6実施例を示す図である。
【図11】第6実施例の基板を得るためのエッチング処
理を説明するための図である。
【図12】この発明の第7実施例を説明するための図で
ある。
【図13】従来の光学ヘッドを示す図である。
【図14】図13に示す信号検出用光検出器の構成を示
す図である。
【符号の説明】
101 半導体レーザ 103 偏光膜 104 対物レンズ 105 光磁気記録媒体 106 情報トラック 201 多像平行平面板 202 第1の三角プリズム 203 第2の三角プリズム 204 光量モニタ用光検出器 205 45°ローテータ 206 信号検出用光検出器 701 基板 702 位置決めガイド 911 基板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線偏光光束を放射する半導体レーザ
    と、 この半導体レーザからの光束を光磁気記録媒体上にスポ
    ット状に集光させる対物レンズと、 前記半導体レーザと前記対物レンズとの間で、前記光磁
    気記録媒体で反射される戻り光の収束光路中に配置さ
    れ、前記半導体レーザからの直線偏光光束を反射させて
    前記対物レンズに導き、前記戻り光を屈折透過させて非
    点収差を与えて偏光分離するそれぞれ複屈折性結晶から
    なる第1および第2の三角プリズムを貼り合わせてなる
    多像平行平面板と、 この多像平行平面板から射出される光束を受光し、互い
    に直交する偏光成分の出力に基づいて光磁気信号を検出
    すると共に、ほぼ等しい常光および異常光成分を含む出
    力に基づいてフォーカスエラー信号を検出する信号検出
    用光検出器とを有し、 前記多像平行平面板は、前記非点収差の長軸および短軸
    方向が、前記光磁気記録媒体の情報トラックに対してほ
    ぼ45°となるように配置し、前記第1の三角プリズム
    は、前記戻り光をほぼ等しい強度の常光および異常光に
    偏光分離するようにその光学軸を設定すると共に、前記
    半導体レーザからの直線偏光光束および前記戻り光が入
    射する面に偏光膜を設け、前記第2の三角プリズムは、
    その光学軸を前記第1の三角プリズムの光学軸と所定角
    度異なるように設定したことを特徴とする光学ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記対物レンズによる前記光磁気記録媒
    体上でのスポット形状が、前記情報トラックに対してほ
    ぼ45°の方向に長軸を有する楕円状となるように前記
    半導体レーザを配置すると共に、前記光磁気記録媒体上
    に集光される前記半導体レーザからの直線偏光光束の偏
    光方向が、前記情報トラックと平行となるように、前記
    偏光膜と前記対物レンズとの間に1/2波長板を配置し
    たことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記対物レンズによる前記光磁気記録媒
    体上でのスポット形状が、前記情報トラックに対してほ
    ぼ直交する方向に長軸を有する楕円状となるように前記
    半導体レーザを配置すると共に、前記光磁気記録媒体上
    に集光される前記半導体レーザからの直線偏光光束の偏
    光方向が、前記情報トラックと平行となるように、前記
    半導体レーザと前記偏光膜との間および該偏光膜と前記
    対物レンズとの間にそれぞれ1/2波長板を配置したこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1の三角プリズムの光学軸と前記
    第2の三角プリズムの光学軸とが、前記戻り光の光軸回
    りになす角度βを、45°≦β(≠90°)≦135°
    として、前記多像平行平面板から常光および異常光成分
    がほぼ等しく含まれる1本の光束と、偏光方向が互いに
    直交する2本の光束とをそれぞれ分離して射出させ、 前記信号検出用光検出器には、前記常光および異常光成
    分がほぼ等しく含まれる光束を受光する4分割受光領域
    と、前記偏光方向が互いに直交する2本の光束を分離し
    て受光する2個の受光領域とを設けて、 前記4分割受光領域の対角和出力の差に基づいて前記フ
    ォーカスエラー信号を、前記2個の分離した受光領域の
    出力差に基づいて前記光磁気信号をそれぞれ検出するよ
    う構成したことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記第1の三角プリズムの光学軸と前記
    第2の三角プリズムの光学軸とが、前記戻り光の光軸回
    りになす角度βをβ=90°として、前記多像平行平面
    板から偏光方向が互いに直交する2本の光束を分離して
    射出させ、 前記信号検出用光検出器には、前記偏光方向が互いに直
    交する2本の光束を分離して受光する2個の4分割受光
    領域を設けて、 各4分割受光領域の総和出力の差に基づいて前記光磁気
    信号を、各4分割受光領域の対角和出力の差の和に基づ
    いて前記フォーカスエラー信号をそれぞれ検出するよう
    構成したことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  6. 【請求項6】 半導体レーザからの光束を光記録媒体に
    照射し、その戻り光を信号検出用光検出器で受光して、
    前記光記録媒体に対して情報の記録・再生を行う光記録
    媒体装置に用いる集積型光学ユニット装置であって、 前記半導体レーザと、前記信号検出用光検出器と、前記
    半導体レーザからの光束を前記光記録媒体側に導くと共
    に、前記光記録媒体からの戻り光を前記信号検出用光検
    出器側に導く往・復路分離素子とを、フォトリソグラフ
    ィー工程により形成した位置決めガイドを有する基板上
    に位置決め実装してなることを特徴とする集積型光学ユ
    ニット装置。
  7. 【請求項7】 前記基板として、単結晶シリコンウエハ
    を用いることを特徴とする請求項6記載の集積型光学ユ
    ニット装置。
  8. 【請求項8】 前記基板の位置決めガイドに位置決めし
    て、前記半導体レーザの出射光量をモニタする光量モニ
    タ用光検出器を設けたことを特徴とする請求項6または
    7記載の集積型光学ユニット装置。
  9. 【請求項9】 前記往・復路分離素子は、それぞれ複屈
    折性結晶からなる第1および第2の三角プリズムを貼り
    合わせてなる多像平行平面板で、前記第1の三角プリズ
    ムは、前記戻り光をほぼ等しい強度の常光および異常光
    に偏光分離するようにその光学軸を設定すると共に、前
    記半導体レーザからの光束および前記戻り光が入射する
    面に偏光膜を設け、前記第2の三角プリズムは、その光
    学軸を前記第1の三角プリズムの光学軸と所定角度異な
    るように設定したことを特徴とする請求項6,7または
    8記載の集積型光学ユニット装置。
  10. 【請求項10】 前記基板は、それぞれ単結晶シリコン
    からなる下基板と上基板とを有し、前記下基板には異方
    性エッチングにより前記位置決めガイドを構成する溝部
    を形成し、前記上基板には異方性エッチングにより前記
    溝部と協働して前記位置決めガイドを構成する開口部を
    形成して、これら下基板および上基板を接合することに
    より、前記溝部および前記開口部により異なる角度方向
    を位置決めするよう構成したことを特徴とする請求項
    6,7,8または9記載の集積型光学ユニット装置。
JP6107065A 1974-09-26 1994-05-20 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置 Withdrawn JPH07320327A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6107065A JPH07320327A (ja) 1994-05-20 1994-05-20 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置
US08/447,208 US5804814A (en) 1994-05-20 1995-05-22 Optical pick-up head and integrated type optical unit for use in optical pick-up head
US08/840,723 US5814807A (en) 1994-05-20 1997-04-25 Optical pick-up head and integrated type optical unit for use in optical pick-up head
US09/105,009 US5898167A (en) 1974-09-26 1998-06-26 Optical pick-up head and integrated type optical unit for use in optical pick-up head

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6107065A JPH07320327A (ja) 1994-05-20 1994-05-20 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07320327A true JPH07320327A (ja) 1995-12-08

Family

ID=14449605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6107065A Withdrawn JPH07320327A (ja) 1974-09-26 1994-05-20 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07320327A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0840302A2 (en) * 1996-11-01 1998-05-06 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Recording or replay device and method for recognition of a focussing status
US7065009B1 (en) 1999-05-14 2006-06-20 Fujitsu Limited Optical information storage apparatus and optical device including a beam splitting surface with a convex surface side and a concave surface side
CN112462457A (zh) * 2020-12-17 2021-03-09 无锡太空力量科技有限公司 一种可实现光场复制变换操作的微透镜集合

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0840302A2 (en) * 1996-11-01 1998-05-06 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Recording or replay device and method for recognition of a focussing status
EP0840302A3 (de) * 1996-11-01 1998-09-16 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Vorrichtung zur Aufnahme oder Wiedergabe und Verfahren zur Erkennung des Fokussierungszustandes
US6249493B1 (en) 1996-11-01 2001-06-19 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Recording or replay device and method for recognition of a focussing status
US7065009B1 (en) 1999-05-14 2006-06-20 Fujitsu Limited Optical information storage apparatus and optical device including a beam splitting surface with a convex surface side and a concave surface side
CN112462457A (zh) * 2020-12-17 2021-03-09 无锡太空力量科技有限公司 一种可实现光场复制变换操作的微透镜集合
CN112462457B (zh) * 2020-12-17 2023-07-25 无锡太空力量科技有限公司 一种可实现光场复制变换操作的微透镜集合

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5898167A (en) Optical pick-up head and integrated type optical unit for use in optical pick-up head
US4667316A (en) Information recording-reproducing apparatus
US5903529A (en) Optical pickup device and disk player apparatus
JPH0731837B2 (ja) 光ピツクアツプ装置
JPH0455243B2 (ja)
JPS60124035A (ja) 光ヘッド装置
JPH07320327A (ja) 光学ヘッドおよび集積型光学ユニット装置
JPH0587548A (ja) 姿勢角検出装置
JPH07121899A (ja) 光ピックアップ装置
JPS63291238A (ja) 光メモリ−装置
JPH07244865A (ja) 光ピックアップ
JP2001216659A (ja) 光ピックアップ装置の光学部品組付調整方法,レーザユニットの光学部品組付調整方法および光学部品位置ずれ検知装置ならびに光学部品組付装置
JP3101504B2 (ja) 光学ピックアップ装置
JPH0836780A (ja) 集積型光学ユニット
JPH0656673B2 (ja) 光ピツクアツプ
JPH0831005A (ja) 集積型光学ユニット
KR0135859B1 (ko) 광헤드
JPH09265655A (ja) マルチビーム生成方法及びマルチビーム光ピックアップ
JPH06259790A (ja) 光ピックアップ装置
JPH0973656A (ja) 光ヘッド
JPH05334760A (ja) 光ヘッド
JPH03278330A (ja) 光ピックアップ装置
JPS63279448A (ja) 光磁気記録再生装置
JPS61267940A (ja) 光学ヘツド
JPH07176097A (ja) 光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010731