JPH07319941A - 構造物の数値仮組方法 - Google Patents

構造物の数値仮組方法

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JPH07319941A
JPH07319941A JP6107269A JP10726994A JPH07319941A JP H07319941 A JPH07319941 A JP H07319941A JP 6107269 A JP6107269 A JP 6107269A JP 10726994 A JP10726994 A JP 10726994A JP H07319941 A JPH07319941 A JP H07319941A
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block
measurement
dimensional coordinate
blocks
dimensional
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JP6107269A
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Yasuo Yakeno
保雄 焼野
Yoshikazu Wakizaka
義数 脇坂
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各ブロックの仮組を実際に行なうことなく、
3次元計測とコンピュータによるシミュレーションのみ
により、従来、仮組によって得ていた情報を得る。 【構成】 各ブロックBLK上の複数の特定点の3次元
座標値を3次元計測装置1によって計測し、この3次元
座標値を用いてブロックの仮組を行なった状態をシミュ
レーションし、仮組状態が正常か否かの判断、現場での
芯出しのためのブロックのマーキング等を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば連結されて組
み立てられる橋梁ブロック等、大型の構造物の仮組方法
に係り、特に実際の組み立てを行うことなく、コンピュ
ータシミュレーションのみにより仮組を行う数値仮組方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のブロックにより橋梁等の大型の構
造物を組み立てる場合、各ブロックが設計通りの寸法、
形状で製作されれば何等問題は生じず、設計通りの大型
構造物を組み立てることが可能である。しかしながら、
通常は僅かではあるが何等かの誤差、形状の歪等を含ん
だブロックが製作される。従って、このようなブロック
により大型構造物を組み立てると、各ブロックの寸法誤
差、歪等が累積することにより全体として大きな寸法誤
差、歪が生じてしまい、設計通りの大型構造物が得られ
ないこととなる。
【0003】かかる不都合を回避し、設計通りの大型構
造物を精度良く組み立てるため、いわゆる仮組作業を行
っていた。具体的には次の通りである。 (1)製作を終えたブロックを仮組現場に搬入する。 (2)この搬入したブロックと、仮組現場内にて仮組作
業中のブロックとを、各々のブロック芯を一致させた状
態で端面同士を突き合せる。 (3)上記突き合わせを行った状態において、両ブロッ
クの目違いは許容範囲内か否か等の検査を行う。 (4)両ブロックをスプライスおよびボルトによって連
結し、正常に連結されるか否かを確認する。 (5)ボルトおよびスプライスを外して両ブロックの連
結を解く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、橋梁ブロッ
ク等は数m〜数十mオーダーにも達するものであるた
め、ブロックを移動させてブロック同士の突き合わせた
り、連結したり、分離する作業は極めて大きな労力が必
要であった。また、このようなブロックの移動に要する
作業時間の他、極めて多数のボルトを締めたり取外した
りするために極めて長時間の作業時間を要していた。
【0005】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、上記のような多大なる労力および時間の必
要な仮組作業を行うことなく、コンピュータによるシミ
ュレーションによって仮組作業を行う構造物の数値仮組
方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る構造物の
数値仮組方法においては、構造物を構成するための複数
のブロックの各々について当該ブロック上の複数の特定
点の3次元座標値を計測し、前記各3次元座標値に基づ
いて、各ブロックを連結させた状態を演算する。請求項
2に係る構造物の数値仮組方法においては、構造物を構
成するための複数のブロックの各々について当該ブロッ
ク上の複数の特定点の3次元座標値を計測し、理想形状
の前記ブロックの前記特定点の3次元座標値との差が最
小となるように、前記計測により得られた各特定点の3
次元座標値の座標変換を行い、この座標変換後の前記特
定点の3次元座標値に基づいて、各ブロックを連結させ
た状態を演算する。請求項3に係る構造物の数値仮組方
法においては、請求項2に係る方法において、前記座標
変換の後、前記理想形状のブロックの中心線を共有する
水平面および鉛直平面と前記ブロックとの交差箇所を前
記ブロックにマーキングする。請求項4に係る構造物の
数値仮組方法においては、請求項1〜3のいずれかに記
載の方法において、前記ブロックと同じ温度膨張係数を
有するスケールバーの長さを測定し、この測定結果と該
スケールバーの標準温度での長さとの比に基づき、前記
標準温度における前記3次元座標値の値を求め、各ブロ
ックを隣接させた状態を演算する。請求項5に係る構造
物の数値仮組方法においては、請求項1〜4のいずれか
に記載の方法において、計測環境を構成する物理量を適
宜測定し、この測定により大きな計測環境の変化が認め
られた場合に前記ブロックの特定点の計測を再実行す
る。請求項6に係る構造物の数値仮組方法においては、
請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、3次元
空間内を移動するタッチセンサーにより前記ブロックと
接触する位置を検出し、前記ブロックの特定点の3次元
座標値を求める。
【0007】
【作用】請求項1または2に係る発明によれば、ブロッ
クを実際に組み立てることなく、組み立てた状態をシミ
ュレーションするので、多大なる労力と作業時間を費や
すことなく仮組の目的を達成することができる。請求項
3に係る発明によれば、2個のブロックを実際に連結す
るに際し、各ブロックのマーキング箇所同士が一致する
ようにスプライス孔にドリフトピンを打って各ブロック
の姿勢を調整することにより、演算によって求めた連結
状態と全く同じ連結状態にすることができる。請求項4
に係る発明によれば、一定の標準温度において各ブロッ
クを連結させた状態を演算することができる。請求項5
に係る発明によれば、計測環境に大きな変化が認められ
た場合にブロックの計測が再実行されるので、信頼性の
高い計測結果が得られる。請求項6に係る発明によれ
ば、タッチセンサーによりブロックの特定点の3次元座
標値を求めるので、光学的な3次元計測に比し、準備作
業の労力が少なくて済み、また、精度良く座標値を求め
ることができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の一実施例によ
る構造物の数値仮組方法ついて説明する。
【0009】A.実施例の構成 図1は本実施例において使用する3次元計測装置1の全
体構成を示す図であって、図中符号2はフレーム、3は
クロスガーダー、4は計測軸、5はタッチセンサー、6
はシステムコントローラ(制御装置)、Bは数値仮組の
対象物である橋梁ブロック(構造部材)である。
【0010】図1に示すように、工場の床面上には一対
のフレーム2、2が一定距離離間して互いに平行に立設
されている。各フレーム2は梯子状のものであり、各フ
レーム2の上面にはガイドレール7がそれぞれ固定され
ている。そして、一対のフレーム2、2の間にはクロス
ガーダー3が架設されており、クロスガーダー3はケー
ブルベア8を介してクロスガーダー駆動機構(図示せ
ず)と接続されている。したがって、クロスガーダー3
はクロスガーダー駆動機構の作動によりフレーム2上の
ガイドレール7に沿って水平走行するようになってい
る。
【0011】また、各フレーム2の上部にはガイドレー
ル7を覆うように伸縮自在の蛇腹状のカバー9がそれぞ
れ設けられており、カバー9の端部側は各フレーム2の
端部に固定され、クロスガーダー3側はクロスガーダー
3の両側面に固定されている。したがって、クロスガー
ダー3が一対のフレーム2、2上を走行する際には、カ
バー9のクロスガーダー3を挟む一方側が伸張すると他
方側が収縮することで、クロスガーダー3は支障なく移
動し得るようになっている。カバー9は、フレーム2と
クロスガーダー3との摺動面に塵埃等が堆積することを
防止してクロスガーダー3を常に円滑に走行させるため
のものである。
【0012】クロスガーダー3には、これと直交して鉛
直方向に延びる計測軸4が取り付けられている。計測軸
4は、ケーベルベア10を介して計測軸駆動機構(図示
せず)と接続されており、計測軸駆動機構の作動により
クロスガーダー3に沿って水平走行するようになってい
る。計測軸4は、支柱11と、支柱11に内挿されてそ
の下方に延びる内部軸12と、センサーヘッド13とか
らなるものであり、内部軸12は支柱11に対して内部
軸昇降機構(図示せず)により上昇下降可能とされてい
る。また、内部軸12の下端には、センサーヘッド13
がセンサーヘッド回転機構(図示せず)により内部軸1
2に対して水平面内で回転可能に、かつ後述するマーキ
ング装置と交換可能に取り付けられている。
【0013】センサーヘッド13の下部には、タッチセ
ンサー5がタッチセンサー回動機構(図示せず)により
支点14を中心として鉛直面内で回動可能に取り付けら
れている。タッチセンサー5は、図1に示す状態で支点
14に連結した支持部15側から見て互いに直交する
前、上、下、右、左の5方向に延びるプローブ16を有
しており、プローブ16の先端が被計測物に接触するこ
とによりその接触点の3次元座標が検出できるようにな
っている。
【0014】また、上記のクロスガーダー駆動機構、計
測軸駆動機構、内部軸昇降機構、センサーヘッド回転機
構、タッチセンサー回動機構の各々は、フレーム2の外
方に設置されたシステムコントローラ6と電気的に接続
されており、これら機構の作動は全てシステムコントロ
ーラ6の制御に基づいて行なわれるようになっている。
また、システムコントローラ6には、3次元計測装置1
外部のコンピュータ(図示せず)から例えば計測ポイン
ト、計測順路等、種々の計測条件に関するデータが転送
されるようになっている。したがって、転送されたデー
タに基づくシステムコントローラ6の判断により、クロ
スガーダー3の水平走行、計測軸4全体の水平走行、内
部軸12の上下動、センサーヘッド13の回転、タッチ
センサー5の回動の各作動を組み合わせることで、タッ
チセンサー5のプローブ16は一対のフレーム2、2で
囲まれた空間の移動可能範囲内の任意の位置に任意の角
度で到達できるようになっている。
【0015】また、一対のフレーム2、2、クロスガー
ダー3、計測軸4を構成する各部材の摺動面を除く全て
の外面は断熱材で被覆されており、各部材の内部にはヒ
ータ(温度制御手段)およびヒータの温度を制御するた
めのサーモスタット(温度制御手段)が埋設されてい
る。図2は一例としてフレーム2の上部部材を示す断面
図であるが、ガイドレール7が設置され、クロスガーダ
ー3との摺動面となる上面を除く側面および下面が断熱
材17で被覆されている。また、上部と下部にヒータ1
8がそれぞれ埋設されるとともに、ヒータ18にはサー
モスタット19が接続されている。そして、前記各部材
の温度が40±5℃の範囲内で任意の温度となるように
設定することができ、ヒータ18およびサーモスタット
19の作用により設定温度に対して±1℃以内の精度で
温度を加熱制御することができる。
【0016】また、図3に示すように、計測軸4の支柱
11下面とセンサーヘッド13上面の各角部には、それ
ぞれレーザ発光部20(干渉防止手段)とレーザ受光部
21(干渉防止手段)が設置されており、装置作動時に
はこれらの間にレーザ光が出射されることにより計測軸
4の縦方向に沿ってレーザバリアSが形成されるように
なっている。そして、レーザ受光部21がシステムコン
トローラ6と接続されており、計測軸4の移動中にレー
ザバリアSが橋梁ブロックBLKや障害物等で遮断され
たような場合にはシステムコントローラ6が計測軸4の
作動を停止するように構成されている。なお、レーザ発
光部20およびレーザ受光部21に代えて、レーザ光以
外の種類の光の発光部および受光部を設け、レーザバリ
ア相当の機能を果してもよい。
【0017】また、図1に示すように、一方のフレーム
2の端部下方には、センサーヘッド交換装置22(自動
交換装置)が設置されている。このセンサーヘッド交換
装置22は、計測軸4下部に取り付けられたセンサーヘ
ッド13をけがき針または図4に示すようなインクジェ
ット式のマーキングヘッド23(マーキング装置)に自
動交換するためのものである。そして、マーキングヘッ
ド23は、橋梁ブロックBLKの計測終了後、その橋梁
ブロックBLKに対して従来のケガキ作業に相当する、
すなわち隣接する橋梁ブロックBLK同士の芯合わせの
目印とすべきマーキングを、橋梁ブロックBLKの表面
にインクを噴射することにより行なうためのものであ
る。
【0018】さらに、図1に示すように、一対のフレー
ム2、2の端部付近には、スケールバー24が固定され
ている。このスケールバー24は橋梁ブロックBLKと
同一の線膨張係数を有する材料で形成されており、基準
温度における正確な寸法を予め計測しておき、実際に橋
梁ブロックBLKの計測前後、すなわち橋梁ブロックB
LKの計測環境と同一な状態で再度寸法を計測すること
により、橋梁ブロックBLKの温度変化による計測値の
誤差を補正する際の基準尺とするためのものである。
【0019】一方、フレーム2の端部付近には、超音波
発生器25とその上部に置かれた洗浄液入りの洗浄槽2
6とからなるプローブ洗浄装置27(クリーニング装
置)が設置されている。このプローブ洗浄装置27は、
タッチセンサー5のプローブ16に塵埃等が付着すると
計測精度が低下するため、3次元計測装置1が一定時
間、または一定の計測ポイント数の計測を終了した後
に、システムコントローラ6の指示により自動的にタッ
チセンサー5をプローブ洗浄装置27の位置まで移動さ
せ、洗浄槽26内で超音波洗浄を行なうためのものであ
る。
【0020】B.実施例の動作 上記構成の3次元計測装置1を用いた橋梁ブロックBL
Kの数値仮組方法の実施例について、図5および図6の
フローチャートを用いて以下、説明する。まず、予めシ
ステムのコンピュータに数値仮組の対象となる各橋梁ブ
ロックBLK,B,…の原寸データを入力し(図5のス
テップS1)、基準、許容値、計測順路等の計測データ
を作成したうえで(図5のステップS2)、3次元計測
装置1のシステムコントローラ6に計測データを転送す
る。
【0021】ついで、橋梁ブロックBLKを3次元計測
装置1の一対のフレーム2、2間に搬入し(図5のステ
ップS3)、橋梁ブロックBLKに温度計を取り付けた
後、計測環境の変化をモニターするために気温、装置温
度および橋梁ブロック温度をそれぞれ測定する(図5の
ステップS4)。その後、手動によりタッチセンサー5
を移動して橋梁ブロックBLK内の基準点、例えば底面
の角部4点というように基準となる点の3次元座標を計
測し(図5のステップS5)、予め入力された原寸デー
タを橋梁ブロックBLKが実際に置かれた位置および向
きに対応するように座標変換を行なう(図5のステップ
S6)。
【0022】ついで、橋梁ブロックBLKを計測する前
段階でスケールバー24の長さの計測を行ない、標準温
度での長さを計測によって得られた現在のスケールバー
24の長さによって除算し温度補正係数を求める(図5
のステップS7)。以後、3次元計測装置によって測定
された橋梁ブロックBLKの座標値、寸法等は、この温
度補正係数が乗じられ、標準温度での値に換算される。
この温度補正計算を終えた後、橋梁ブロックBLKの計
測を開始する。この際には、システムコントローラ6の
指示によりタッチセンサー5が予め入力された計測ポイ
ント、計測順路に従って移動していき、以下の各点の3
次元座標の計測を行なう(図5のステップS8)。
【0023】a.橋梁ブロックBLKに形成された各ボ
ルト孔の3次元座標値 b.橋梁ブロックBLKについて予め決められた複数の
特定点 これらの特定点は当該ブロックの3次元形状を特定する
情報として使用されるものであり、以下、便宜上、評価
点と呼ぶ。例えば図7に示すようなボックス型のブロッ
クの場合、その形状を特定するため、ブロックの8個の
頂点A〜Hが評価点として選ばれる。各評価点の3次元
座標値は、当該評価点を形成する3面を特定することに
より求められる。例えば図7の例において、評価点A
は、図8に示す平面A1,A2およびA3が交わる点で
ある。そこで、これらの平面A1,A2およびA3につ
いて、各平面上の3点の3次元座標値をプローブ16に
よってタッチすることによって求め、各平面A1,A
2,A3を表わす方程式を求める。そして、これらの方
程式を連立方程式として解くことにより交点である評価
点Aの座標を求める。他の評価点B,C,…についても
同様である。
【0024】その後、再びスケールバー24の計測を行
なって温度補正係数を求め、ブロック計測前後の温度補
正係数の平均値を求める。そして、この平均化された温
度補正係数を用いることによりステップS8において求
めた各3次元座標値を補正し直す(図5のステップS
9)。そして、気温、装置温度、橋梁ブロック温度を測
定する(図5のステップS10)。この測定は、計測環
境の大きな変化があったか否かを確認するために行うも
のであり、計測環境の大きな変化が認められた場合には
ブロック基準点の計測(ステップS5)からやり直すこ
ととなる。本実施例では計測環境を表わす物理量として
温度を選んだが、振動等、他の物理量を加味し、信頼性
を向上させてもよい。
【0025】次に、橋梁ブロックBLKの評価点の3次
元座標値に対する最適化計算(自動芯出し処理)を行な
う(図5のステップS11)。すなわち、計測により得
られた橋梁ブロックBLKの各評価点の3次元座標値に
対して座標変換(座標軸の平行移動および回転)を施
し、図9に示すように、座標変換後の各評価点A〜Hの
3次元座標値と原寸データによって表わされた各評価点
a〜hの3次元座標値との差が最小となるようにする。
この最適化計算により平行移動および回転の施された橋
梁ブロックBLKのブロック芯(ブロックの中心線)
は、原寸データによって定義された理想的な橋梁ブロッ
クBLK0のブロック芯AXと一致することとなる。ま
た、ステップS11では、上記評価点以外のものの座標
値、例えば橋梁ブロックBLKのボルト孔等の3次元座
標値に対しても上記評価点に対して施した座標変換と同
じ座標変換を施しておく。
【0026】次にブロックの調整配置処理へと進む(ス
テップS11)。この調整配置処理では、上述のように
して最適化計算(座標変換)のなされた各点の3次元座
標値を橋梁ブロックBLKの実際の3次元形状を表わす
情報(以下、便宜上、仮組用3次元情報という。)とし
て使用し、各ブロックを配置した状態をシミュレーショ
ンする。具体的には次の通りである。
【0027】a.主桁ブロックの場合 既に配置された主桁ブロックの隣に、仮組用3次元情報
の得られた新たな主桁ブロックを配置した状態をシミュ
レーションする。ここで、新たな主桁ブロックBLKの
向きは、図10に示すように、そのブロック芯AXと既
に配置された主桁ブロックBLK’のブロック芯AX’
とが計画線に沿うような向きにする。このように配置シ
ミュレーションを行った状態で以下のことを行う。 ブロックの配置位置の予定位置からのずれは許容範囲
内か否かの判断。 ブロック間の接続のために各ブロックに明けられたボ
ルト孔(上記ステップS8において3次元座標値の計測
を行い、ステップS11において座標変換を行なったも
の)の位置関係を算出する。この算出結果によってスプ
ライス孔の孔明加工を行う。
【0028】b.横桁ブロック、縦桁ブロック等の2次
部材の場合 これらの2次部材は、2個の主桁ブロック間に介挿さ
れ、その両端が各主桁ブロックの仕口に接続されるもの
である。従って、これらの2次部材については、既に配
置を終えた主桁ブロックの仕口に連結した状態をシミュ
レーションする。横桁ブロックは、両端の仕口に対し
て、横桁ブロックの評価点を最適化し配置する。各主桁
ブロックが原寸データ通りに作成されていないと、2次
部材の一端を一方の主桁ブロックの仕口に連結した場合
に、2次部材の他端と他方の主桁ブロックの仕口との間
で位置ずれが生じる。上記シミュレーションを行うこと
により、この位置ずれが許容範囲内か否かを判断する。
【0029】c.スプライスの場合(拡大孔の場合) スプライスは、図11に符号SPによって示すように2
個の主桁ブロックBLK,BLK’を相互に連結するた
めのブロックである。この処理においては、当該スプラ
イスによって2個の主桁ブロックの連結を行った状態を
シミュレーションする。そして、スプライスに設けられ
たボルト孔の位置と両主桁ブロックに設けられたボルト
孔の位置との位置ずれが許容範囲内に収っているか否か
を判断することにより、スプライスによる主桁の連結が
正常に行われるか否かを判断する。
【0030】配置調整処理を終えると、各ブロックに応
力が加わった状態を求める構造解析行う(図5のステッ
プS13)。次に橋梁ブロックBの形状が適正であるか
否かの判定を行ない(図5のステップS14)、仮に適
正でない、例えば橋梁ブロックBLKの理想的な形状に
対する実際の形状のずれが許容範囲を越えているような
場合には、手直し指示書を発行し(図5のステップS1
5)、橋梁ブロックBLKを搬出した後(図5のステッ
プS16)、手直しを行なって(図5のステップS1
7)、図5のステップS3に戻り、再度計測を行なうよ
うにする。
【0031】また、橋梁ブロックBLKの形状が適正な
場合には、橋梁ブロックBLKの芯合わせを行うための
目印のマーキングをするか否かの判断を行ない(図6の
ステップS18)、この判断結果が「Yes」の場合は
マーキング処理(ステップS19)に進む。このマーキ
ング処理において、以下の手順に従ってマーキングすべ
き箇所を求める。まず、図9に示すように原寸データに
よって定義された理想的なブロックBLK0のブロック
芯AXをY軸とし、このY軸を含む水平面(X−Y平
面)および鉛直平面(Y−Z平面)を想定する。そし
て、ブロックBLKの辺AD,BC,FGおよびEHが
水平面(X−Y平面)と交差する点I,K,PおよびM
と,辺AB,DC,HGおよびEFが鉛直平面(Y−Z
平面)と交差する点J,L,QおよびNの合計8点をマ
ーキング箇所として求め、これらの3次元座標値を各々
算出する。図9において、点i,k,p,m,j,l,
qおよびnは、理想的なブロックBLK0について上記
と同様な手順に従って求めたマーキング箇所である。実
際のブロックと理想的なブロックとで各々のマーキング
箇所を対比した場合、点I,K,PおよびMと点i,
k,pおよびmはいずれも同一水平面内の点であるた
め、同じZ座標値を有する。また、点J,L,Qおよび
Nと点j,l,qおよびnはいずれも同一鉛直平面内の
点であるため、同じX座標値を有する。従って、各ブロ
ックについて上記のマーキング箇所にマーキングを行な
っておけば、実際に2個のブロックBLKを連結する場
合、一方のブロックの点I,Kと他方のブロックの点
M,PとがZ方向の位置が一致し、かつ、一方のブロッ
クの点J,Lと他方のブロックの点N,QとがX方向の
位置が一致するようにスプライス孔にドリフトピンを打
ってブロックの姿勢を調整することにより両ブロックの
ブロック芯を一致させることができる。
【0032】マーキングを行う場合には、計測軸4にそ
れまで取り付けられていたセンサーヘッド13が、図4
に示すように、センサーヘッド交換装置22によりマー
キングヘッド23に交換される。そして、システムコン
トローラ6の指示によりマーキングヘッド23が橋梁ブ
ロックBLKの所定の位置に移動してマーキングが行な
われる(以上、図6のステップS19)。
【0033】このようにして全ての作業終了後、橋梁ブ
ロックBを3次元計測装置1から搬出する(図6のステ
ップS20)。その後、種々の計測結果の出力を行な
う。すなわち、橋梁ブロックBLK毎の計測成績表を出
力するとともに(図6のステップS21)、橋梁ブロッ
クBLKの孔計測データから算出した、隣接する橋梁ブ
ロック同士を連結するためのスプライスプレートの孔加
工に必要なデータを出力する(図6のステップS2
2)。そして、数値仮組立結果を出力するか否かの判断
を行ない(図6のステップS23)、出力する場合に
は、仮組立成績表の出力を行ない(図6のステップS2
5)、ディスプレイ画面上で仮組立状況の確認を行なっ
た後(図6のステップS26)、種々のデータを保存し
て(図6のステップS27)全ての処理を終了する。ま
た、数値仮組立結果を出力しない場合には、次の橋梁ブ
ロックを計測するか否かの判断を行ない(図6のステッ
プS24)、続けて計測する場合には、図5のステップ
S3に戻り、再度同様の手順で計測を行なう。一方、計
測しない場合には、データを保存して(図6のステップ
S27)全ての処理を終了する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
に係る発明によれば、ブロックを実際に組み立てること
なく、計測により得られたブロックの各特定点の3次元
座標値を用いた演算のみにより各ブロックを組み立てた
状態をシミュレーションするので、多大なる労力と作業
時間を費やすことなく仮組の目的を達成することができ
る。また、請求項3に係る発明によれば、2個のブロッ
クを実際に連結するに際し、各ブロックのマーキング箇
所同士が一致するように各ブロックの姿勢を調整するこ
とにより、演算によって求めた連結状態と全く同じ連結
状態にすることができる。従って、シミュレーションに
よって求めた仮組状態を現場において忠実に再現するこ
とができる。請求項4に係る発明によれば、計測により
得られた3次元座標値を一定の標準温度での値に換算し
て使用するので、計測中の温度変化の影響を防止し、正
確なシミュレーションを行なうことができる。請求項5
に係る発明によれば、計測環境に大きな変化が認められ
た場合にブロックの計測が再実行されるので、信頼性の
高い計測結果が得られる。請求項6に係る発明によれ
ば、タッチセンサーによりブロックの特定点の3次元座
標値を求めるので、光学的な3次元計測に比し、精度良
く座標値を求めることができる。また、光学的手段によ
っては計測が困難なボルト孔の位置等、仮組状態をシミ
ュレーションするのに必要なすべての3次元座標値を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において使用する3次元計測
装置を示す概略構成図である。
【図2】同、装置のフレームの断面構造を示す図であ
る。
【図3】同、装置の計測軸の要部を示す斜視図である。
【図4】同、計測軸にマーキングヘッドを取り付けた状
態を示す斜視図である。
【図5】同、装置を用いて計測およびマーキング作業を
行なう手順を示すフローチャートの前半部分である。
【図6】同、後半部分である。
【図7】同実施例において計測する評価点を説明する図
である。
【図8】同評価点の求め方を説明する図である。
【図9】同実施例における最適化計算を説明する図であ
る。
【図10】同実施例において行なう配置シミュレーショ
ンを説明する図である。
【図11】スプライスと主桁ブロックとを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 3次元計測装置 2 フレーム 3 クロスガーダー 4 計測軸 5 タッチセンサー 6 システムコントローラ(制御装置) 16 プローブ 17 断熱材 18 ヒータ(温度制御手段) 19 サーモスタット(温度制御手段) 20 レーザ発光部(干渉防止手段) 21 レーザ受光部(干渉防止手段) 22 センサーヘッド交換装置(自動交換装置) 23 マーキングヘッド(マーキング装置) 24 スケールバー 27 プローブ洗浄装置(クリーニング装置) BLK 橋梁ブロック(構成部材) S レーザバリア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物を構成するための複数のブロック
    の各々について当該ブロック上の複数の特定点の3次元
    座標値を計測し、 前記各3次元座標値に基づいて、各ブロックを連結させ
    た状態を演算することを特徴とする構造物の数値仮組方
    法。
  2. 【請求項2】 構造物を構成するための複数のブロック
    の各々について当該ブロック上の複数の特定点の3次元
    座標値を計測し、 理想形状の前記ブロックの前記特定点の3次元座標値と
    の差が最小となるように、前記計測により得られた各特
    定点の3次元座標値の座標変換を行い、この座標変換後
    の前記特定点の3次元座標値に基づいて、各ブロックを
    連結させた状態を演算することを特徴とする構造物の数
    値仮組方法。
  3. 【請求項3】 前記座標変換の後、前記理想形状のブロ
    ックの中心線を共有する水平面および鉛直平面と前記ブ
    ロックとの交差箇所を前記ブロックにマーキングするこ
    とを特徴とする請求項2記載の構造物の数値仮組方法。
  4. 【請求項4】 前記ブロックと同じ温度膨張係数を有す
    るスケールバーの長さを測定し、この測定結果と該スケ
    ールバーの標準温度での長さとの比に基づき、前記標準
    温度における前記3次元座標値の値を求め、各ブロック
    を隣接させた状態を演算することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1の請求項に記載の構造物の数値仮組方
    法。
  5. 【請求項5】 計測環境を構成する物理量を適宜測定
    し、この測定により大きな計測環境の変化が認められた
    場合に前記ブロックの特定点の計測を再実行することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の
    構造物の数値仮組方法。
  6. 【請求項6】 3次元空間内を移動するタッチセンサー
    により前記ブロックと接触する位置を検出し、前記ブロ
    ックの特定点の3次元座標値を求めることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載の構造物の数
    値仮組方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006195713A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 橋梁の耐震補強部材の設計支援方法
JP2021095817A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 鹿島建設株式会社 プレキャスト部材を用いた構造物の形状を予測する方法

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