JPH07319092A - 画像重ね合せ方法およびエネルギーサブトラクション方法 - Google Patents

画像重ね合せ方法およびエネルギーサブトラクション方法

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JPH07319092A
JPH07319092A JP6249614A JP24961494A JPH07319092A JP H07319092 A JPH07319092 A JP H07319092A JP 6249614 A JP6249614 A JP 6249614A JP 24961494 A JP24961494 A JP 24961494A JP H07319092 A JPH07319092 A JP H07319092A
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裕昭 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の重ね合せおよびエネルギーサブトラク
ション方法において、信号対ノイズ比を高くする。 【構成】 メモリ18A ,18B に記憶された2つの画像信
号S1,S2をウェーブレット変換手段19に入力してウ
ェーブレット変換を施し、複数の周波数帯域ごとの係数
信号に分解する。次いで重み付け加算手段20において画
像信号の周波数特性に応じて信号対ノイズ比の低い周波
数帯域の重み付け係数を信号対ノイズ比の高い周波数帯
域の重み付け係数に比して相対的に小さくして各周波数
帯域ごとの係数信号を加算する。加算された係数信号を
逆ウェーブレット変換手段21において逆ウェーブレット
変換し、画像処理手段22において所定の画像処理を施
し、再生手段23において可視像として再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一被写体の放射線画
像情報を担持する複数の画像信号の加算処理を行う放射
線画像の重ね合せ処理方法および同一被写体の放射線画
像情報を担持する複数の画像信号の減算処理を行うエネ
ルギーサブトラクション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録された放射線画像を読み取って画像
信号を得、この画像信号に適切な画像処理を施した後、
画像を再生記録することが種々の分野で行われている。
たとえば、後の画像処理に適合するように設計されたガ
ンマ値の低いフイルムを用いてX線画像を記録し、この
X線画像が記録されたフイルムからX線画像を読み取っ
て電気信号に変換し、この電気信号(画像信号)に画像
処理を施した後コピー写真等に可視像として再生するこ
とにより、コントラスト,シャープネス,粒状性等の画
質性能の良好な再生画像を得ることの出来るシステムが
開発されている(特公昭61−5193号公報参照)。
【0003】また本出願人により、放射線(X線,α
線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの
放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の
励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じた光量
の輝尽発光光を放射する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)
を利用して、人体等の被写体の放射線画像を一旦シート
状の蓄積性蛍光体に撮影記録し、蓄積性蛍光体シートを
レーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、
得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を
得、この画像信号に基づいて被写体の放射線画像を写真
感光材料等の記録材料、CRT等に可視像として出力さ
せる放射線記録再生システムがすでに提案されている
(特開昭55-12429号,同56-11395号,同55-0163472号,
同56-164645 号,同55-116340 号等)。
【0004】一方、従来より放射線画像の重ね合せ処理
が公知となっている(例えば特開昭56-11399号参照)。
一般に、放射線画像は診断用その他の目的に使われる
が、その使用に当たっては被写体の微小な放射線吸収差
を良好に検出することが要求される。放射線画像におけ
るこの検出の程度をコントラスト検出能または単に検出
能と呼ぶが、この検出能の高いもの程診断性能も高く、
実用的価値が高い放射線画像であると言うことができ
る。したがって診断性能を高めるため、この検出能を高
くすることが望まれるが、その最も大きな障害要因は各
種ノイズである。
【0005】例えば、前述した蓄積性蛍光体シートを使
用する放射線画像記録方式においては、放射線画像を蓄
積性蛍光体シートに蓄積記録し、読み出すステップにお
いて次のようなノイズの存在が認められている。
【0006】(1) 放射線の量子ノイズ (2) 蓄積性蛍光体シートの蛍光体塗布分布もしくは蛍光
体粒子分布の不均一によるノイズ (3) 蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された画像を輝尽発
光させる励起光のノイズ (4) 蓄積性蛍光体シートから発せられ、集光、検出され
る輝尽発光光のノイズ (5) 電気信号を増幅、処理する系における電気的ノイズ 重ね合せ処理は、これらのノイズを大幅に減少させ、被
写体の僅かな放射線吸収差も最終画像において明確に観
察可能にする、すなわち検出能を大幅に向上させる方法
である。重ね合せ処理の一般的な手法および作用は、次
の通りである。
【0007】複数枚重ねた記録媒体に放射線画像を撮影
(記録)し、この複数枚の記録媒体を読取処理にかけて
得た複数の画像信号を重ね合わせる。このことにより、
前述の各種ノイズを減少させることができる。すなわ
ち、前述の蓄積性蛍光体シートのノイズ(1) 〜(5) は各
シートの画像ごとに異なった分布を示す場合が多いの
で、これらのシートの画像を重ね合わせることにより各
ノイズは平均化され、重ね合せ処理をした画像ではノイ
ズが目立たなくなる。つまり、S/Nの良い画像信号が
得られる。X線フイルムに記録された放射線画像を読み
取った場合にも、これと同様のことがいえる。さらに詳
しくは、ノイズ(1) 〜(5) には、ポアソン統計で近似で
きるノイズが多く、特に放射線画像のノイズの中で支配
的な要因の1つである(1) 放射線のノイズはその一例で
ある。ここで、ノイズがポアソン統計で近似できると
し、2枚の放射線画像がそれぞれ同等の大きさの信号S
1 、S2およびノイズN1 、N2 を持つと考えた場合、
2枚の画像を重ね合せた場合の信号とノイズの大きさ
は、信号がS1 +S2 、ノイズが
【0008】
【数1】
【0009】となる。一方、放射線画像の検出能を表す
一つの指標であるS/Nを考えた場合、重ね合せる前の
各画像のS/Nはそれぞれ、S1 /N1 、S2 /N2
あるが、重ね合せ処理を行うことによりS/Nは、
【0010】
【数2】
【0011】となり、S/Nが向上する。また、重ね合
せ処理を行う際に、それぞれの信号に重み付けを行うこ
とにより、S/N向上の最適化が可能である。
【0012】従来、実際にこの重ね合せ処理を行うため
には、例えば、蓄積性蛍光体シートを用いた場合には、
カセッテに蓄積性蛍光体シートを2枚重ねて入れて被写
体の撮影を行い、2枚の蓄積性蛍光体シートに対して通
常の読取処理と同様の読取処理を逐次行って2組の画像
信号を得る、という方法が用いられている。
【0013】一方、従来より放射線画像のサブトラクシ
ョン処理が公知となっている。この放射線画像のサブト
ラクションとは、異なった条件で撮影した2つの放射線
画像を光電的に読み出してデジタル画像信号を得た後、
これらのデジタル画像信号を両画像の各画素を対応させ
て減算処理し、放射線画像中の特定の構造物を抽出させ
る差信号を得る方法であり、このようにして得た差信号
を用いれば、特定構造物のみが抽出された放射線画像を
再生することができる。
【0014】このサブトラクション処理には、基本的に
次の2つの方法がある。即ち、(1) 造影剤注入により特
定の構造物が強調された放射線画像の画像信号から、造
影剤が注入されていない放射線画像の画像信号を引き算
(サブトラクト)することによって特定の構造物を抽出
するいわゆる時間サブトラクション処理と、(2) 同一の
被写体に対して相異なるエネルギー分布を有する放射線
を照射し、あるいは被写体透過後の放射線をエネルギー
分布状態を変えて2つの放射線検出手段に照射して、そ
れにより特定の構造物が異なる画像を2つの放射線画像
間に存在せしめ、その後この2つの放射線画像の画像信
号間で適当な重みづけをした上で引き算(サブトラク
ト)を行って、特定の構造物の画像を抽出するいわゆる
エネルギーサブトラクション処理である。
【0015】先に述べた蓄積性蛍光体シートを利用する
放射線画像情報記録再生システムにおいては、該シート
に記録されている放射線画像情報が直接電気的画像信号
の形で読み取られるから、このシステムによれば、上述
のようなサブトラクション処理を容易に行うことが可能
となる。この蓄積性蛍光体シートを用いてエネルギーサ
ブトラクション処理を行うためには、例えば2枚の蓄積
性蛍光体シートに特定の構造物に対応する部分の画像情
報が異なるように画像記録(撮影)を行えばよく、具体
的には、エネルギー分布の異なる2種類の放射線を用い
て撮影を2回行う2Shot法と、例えば被写体を透過した
放射線を、重ねられた2枚の蓄積性蛍光体シート(それ
らは互いに接していても、離れていてもよい)に同時に
曝射することによって、両シートに互いにエネルギー分
布が異なる放射線を照射するようにした1Shot法が知ら
れている。
【0016】また、上述した輝尽発光光を光電的に読み
取る方法として、蓄積性蛍光体シートの両面に上述した
光電読取手段を配して、蓄積性蛍光体シートの両面また
は片面にのみ励起光を走査し、この励起光走査により発
せられた輝尽発光光を蓄積性蛍光体シートの両面から光
電的に読み取る両面集光読取方法が提案されている(例
えば、特開昭55-87970号公報参照)。このような両面集
光読取方法は、蓄積性蛍光体シートに1つの放射線画像
が蓄積記録され、かつ蓄積性蛍光体シートの両面から輝
尽発光光を集光するようにしたものであるので、集光効
率が向上し、S/N比がより改善される。
【0017】上記特開昭55-87970号公報に開示された両
面集光読取方法においては、透明なホルダー上に蓄積性
蛍光体シートを装着し、その上下に光電読取手段を配置
している。すなわち、ホルダーの上に配置された光電読
取手段では、蓄積性蛍光体シートの表面から射出した輝
尽発光光を読み取り、ホルダーの下に配置された光電読
取手段では、蓄積性蛍光体シートの裏面から射出した輝
尽発光光を読み取ることとなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した重ね合せを行
うための画像信号を得る場合、複数枚重ねた蓄積性蛍光
体シートに放射線画像を記録する必要がある。この際、
放射線源から遠い位置にある蓄積性蛍光体シートから得
られる画像信号は、放射線源に最も近い位置にある上側
シートから得られる画像信号と同様に低周波数帯域にお
ける画像情報を含むものであるが、上側シートと比べて
高周波数帯域の周波数依存特性が低く、高周波数帯域に
ついては画像情報が少なくなり、散乱光等の影響による
ノイズ成分が多くなるものである。したがって、このま
ま上側、下側シートから得られる画像信号に同一の重み
付けをして加算を行ったのでは、加算された画像信号の
低周波数帯域では画質が良くなるが、高周波数帯域では
ノイズ成分も強調されてしまうため、画質の低下を招く
こととなる。また、前述した1枚の蓄積性蛍光体シート
の両面から画像信号を読み取る方法により得られたシー
トの上側から得られた画像信号とシートの下側から得ら
れた画像信号の場合にも同様の画質の低下を招くおそれ
がある。さらには、前述したエネルギーサブトラクショ
ンを行う画像信号についても画像信号の周波数帯域によ
りノイズ成分の割合が異なるため、画像信号間で減算処
理を行った際にも、各画像信号の重み付け係数により差
信号のノイズ成分が多くなってしまう場合がある。
【0019】本発明は上記事情に鑑み、上述した重ね合
せ画像、エネルギーサブトラクション画像において、ノ
イズ成分が少ないより高画質の画像を得ることができる
放射線画像の重ね合せ方法およびエネルギーサブトラク
ション方法を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の画像
重ね合せ方法は、同一被写体の放射線画像を担持する周
波数特性が互いに異なる複数の画像信号に対して相対応
する画素についての信号間で各画像信号に所定の重み付
け係数を乗じて加算を行って加算信号を得る放射線画像
の重ね合せ方法において、前記各画像信号の周波数特性
に応じて信号対ノイズ比の低い周波数成分の重み付け係
数を信号対ノイズ比の高い周波数成分の重み付け係数に
比して相対的に小さくさせることを特徴とするものであ
る。
【0021】また、本発明による第2の画像重ね合せ方
法は、本発明による第1の画像重ね合せ方法において、
前記各画像信号にフーリエ変換を施して該各画像信号を
複数の周波数帯域ごとのフーリエ変換係数信号に分解
し、該各フーリエ変換係数信号ごとに重み付け係数を変
化させて該各フーリエ変換係数信号の加算を行って各周
波数帯域ごとの加算フーリエ変換係数信号を得、該加算
フーリエ変換係数信号を逆フーリエ変換することにより
画像の重ね合せを行うことを特徴とするものである。
【0022】さらに、本発明による第3の画像重ね合せ
方法は、本発明による第1の画像重ね合せ方法におい
て、前記各画像信号を多重解像度空間に変換して該各画
像信号を複数の周波数帯域ごとの変換係数信号に分解
し、該各変換係数信号ごとに重み付け係数を変化させて
該各変換係数信号の加算を行って各周波数帯域ごとの加
算変換係数信号を得、該加算変換係数信号を逆変換する
ことにより画像の重ね合せを行うことを特徴とするもの
である。
【0023】ここで、多重解像度空間への変換とはウェ
ーブレット変換、サブバンド変換等のフーリエ変換と比
較して短いフィルタにより画像信号を複数の周波数帯域
の信号に分解する変換をいう。
【0024】また、ここで、ウェーブレット変換につい
て説明する。
【0025】ウェーブレット変換は、周波数解析の方法
として近年開発されたものであり、ステレオのパターン
マッチング、データ圧縮等に応用がなされているもので
ある(OLIVIER RIOUL and MARTIN VETTERLI;Wavelets a
nd Signal Processing,IEEESP MAGAZINE,P.14-38,OCTOB
ER 1991、Stephane Mallat;Zero-Crossings of a Wavel
et Transform,IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEO
RY,VOL.37,NO.4,P.1019-1033,JULY 1991 )。
【0026】このウェーブレット変換は、図22に示すよ
うな関数hを基底関数として、
【0027】
【数3】
【0028】なる式において信号を複数の周波数帯域ご
との周波数信号に変換するため、フーリエ変換のような
偽振動の問題が発生しない。すなわち、関数hの周期お
よび縮率を変化させ、原信号を移動させることによりフ
ィルタリング処理を行えば、細かな周波数から粗い周波
数までの所望とする周波数に適合した周波数信号を作成
することができる。例えば、図23に示すように、信号So
rgをウェーブレット変換し、各周波数帯域ごとに逆ウェ
ーブレット変換した信号と、図24に示すように信号Sorg
をフーリエ変換し、各周波数帯域ごとに逆フーリエ変換
した信号で見てみると、ウェーブレット変換はフーリエ
変換と比べて原信号Sorgの振動と対応した周波数帯域の
周波数信号を得ることができる。すなわち、フーリエ変
換において原信号Sorgの部分Bと対応する周波数帯域7
の部分B′には振動が発生しているのに対し、ウェーブ
レット変換では原信号Sorgの部分Aと対応する周波数帯
域W7の部分A′には原信号と同様に振動は発生してい
ないものとなる。
【0029】また、本発明による第4の画像重ね合せ方
法は、本発明による第3の画像重ね合せ方法において、
前記多重解像度空間への変換を上述したウェーブレット
変換により行うことを特徴とするものである。
【0030】さらに、本発明による第5の画像重ね合せ
方法は、上述した本発明による第1第3または第4の画
像重ね合せ方法において、前記放射線画像に含まれる前
記被写体の部位に応じて到達線量の大きい部位の重み付
け係数を到達線量の小さい部位に比して相対的に大きく
させることを特徴とするものである。
【0031】さらに、本発明による第6の画像重ね合せ
方法は、上述した本発明による第1から第5の画像重ね
合せ方法において、前記複数の画像信号を、放射線画像
が蓄積記録された1枚の蓄積性蛍光体シートの両面また
は片面に励起光を走査して前記放射線画像を輝尽発光光
に変換し、該蓄積性蛍光体シートの両面から得られる輝
尽発光光を各々光電的に読み取ることにより得ることを
特徴とするものである。
【0032】また、本発明による第7の画像重ね合せ方
法は、前記各画像信号がアナログ画像信号であり、該各
アナログ画像信号のすべてについて、該画像信号の周波
数特性を変化させる重みを有するフィルタにより、該す
べてのアナログ画像信号をフィルタリングし、該フィル
タリング後の各アナログ画像信号の加算を行うことによ
り画像の重ね合わせを行うことを特徴とするものであ
る。
【0033】さらに、本発明による第8の画像重ね合せ
方法は、前記各画像信号をアナログ画像信号とし、該各
アナログ画像信号のうち所望とするアナログ画像信号に
ついて、該画像信号の周波数特性を変化させる重みを有
するフィルタにより、該所望とするアナログ画像信号を
フィルタリングし、該フィルタリング後のアナログ画像
信号とそれ以外のアナログ画像信号との加算を行うこと
により画像の重ね合わせを行うことを特徴とするもので
ある。
【0034】また、本発明による第9の画像重ね合せ方
法は、本発明による第1から第8の画像重ね合せ方法に
おいて、前記複数の画像信号を、放射線画像が蓄積記録
された2枚の蓄積性蛍光体シートそれぞれに励起光を走
査して前記放射線画像を輝尽発光光に変換し、該輝尽発
光光を光電的に読み取ることにより得ることを特徴とす
るものである。
【0035】さらに、本発明はエネルギーサブトラクシ
ョンにも適用できるものであり、本発明による第1のエ
ネルギーサブトラクション方法は、同一被写体を透過し
たそれぞれエネルギー分布が互いに異なる放射線により
得られた少なくとも一部の画像情報が互いに異なる複数
の放射線画像を検出することにより得られた複数の画像
信号に対して相対応する画素についての信号間で各画像
信号に所定の重み付け係数を乗じて減算を行って前記被
写体の特定構造物の画像を形成する差信号を得るエネル
ギーサブトラクション方法において、前記各画像信号の
周波数特性に応じて信号対ノイズ比の低い周波数成分の
重み付け係数を信号対ノイズ比の高い周波数成分の重み
付け係数に比して相対的に小さくさせることを特徴とす
るものである。
【0036】また、本発明による第2のエネルギーサブ
トラクション方法は、上述した本題1のエネルギーサブ
トラクション方法において、前記各画像信号にフーリエ
変換を施して該各画像信号を複数の周波数帯域ごとのフ
ーリエ変換係数信号に分解し、該各フーリエ変換係数信
号ごとに重み付け係数を変化させて該各フーリエ変換係
数信号の減算を行って各周波数帯域ごとの減算フーリエ
変換係数信号を得、該減算フーリエ変換係数信号を逆フ
ーリエ変換することにより前記差信号を得ることを特徴
とするものである。
【0037】さらに、本発明による第3のエネルギーサ
ブトラクション方法は、本発明による第1のエネルギー
サブトラクション方法において、前記各画像信号を多重
解像度空間に変換して該各画像信号を複数の周波数帯域
ごとの変換係数信号に分解し、該各変換係数信号ごとに
重み付け係数を変化させて該各変換係数信号の減算を行
って各周波数帯域ごとの減算変換係数信号を得、該減算
変換係数信号を逆変換することにより前記差信号を得る
ことを特徴とするものである。
【0038】さらに、本発明による第4のエネルギーサ
ブトラクション方法は、本発明による第3のエネルギー
サブトラクション方法において、前記多重解像度空間へ
の変換をウェーブレット変換により行うことを特徴とす
るものである。
【0039】また、本発明による第5のエネルギーサブ
トラクション方法は、本発明による第1、第3または第
4のエネルギーサブトラクション方法において、前記放
射線画像に含まれる前記被写体の部位に応じて到達線量
の大きい部位の重み付け係数を到達線量の小さい部位に
比して相対的に大きくさせることを特徴とするものであ
る。
【0040】さらに、本発明による第6のエネルギーサ
ブトラクション方法は、前記各画像信号がアナログ画像
信号であり、該各アナログ画像信号のすべてについて、
該画像信号の周波数特性を変化させる重みを有するフィ
ルタにより、該すべてのアナログ画像信号をフィルタリ
ングし、該フィルタリング後の各アナログ画像信号の減
算を行うことにより前記差信号を得ることを特徴とする
ものである。
【0041】また、本発明による第7のエネルギーサブ
トラクション方法は、前記各画像信号をアナログ画像信
号とし、該各アナログ画像信号のうち所望とするアナロ
グ画像信号について、該画像信号の周波数特性を変化さ
せる重みを有するフィルタにより、該所望とするアナロ
グ画像信号をフィルタリングし、該フィルタリング後の
アナログ画像信号とそれ以外のアナログ画像信号との減
算を行うことにより前記差信号を得ることを特徴とする
ものである。
【0042】
【作用および発明の効果】本発明による画像重ね合せ方
法は、上述した放射線画像の重ね合せ方法において、各
画像信号の周波数特性に応じて信号対ノイズ比の低い周
波数成分の重み付け係数を信号対ノイズ比の高い周波数
成分の重み付け係数に比して相対的に小さくするように
したため、加算された画像信号は全周波数帯域に亘って
信号対ノイズ比の高いものとなり、この加算画像信号を
再生することにより高画質の重ね合せ画像を得ることが
できる。
【0043】具体的には、各画像信号にフーリエ変換を
施して各画像信号を複数の周波数帯域ごとのフーリエ変
換係数信号に分解して、上述したように重み付け加算を
行うようにすることにより、信号対ノイズ比の低い周波
数成分の重み付け係数を信号対ノイズ比の高い周波数成
分の重み付け係数に比して相対的に小さくさせることが
でき、これにより高画質の重ね合せ画像を得ることがで
きる。
【0044】また、各画像信号をウェーブレット変換あ
るいはサブバンド変換等の多重解像度空間に変換して該
各画像信号を複数の周波数帯域ごとの変換係数信号に分
解して加算信号を得ることにより、上述したように短い
フィルタで画像信号を複数の周波数帯域に分解すること
ができるため、本発明を実施するための装置の構成を簡
易なものとすることができる。
【0045】さらに、上述したように画像信号を多重解
像度空間に変換することにより得られる周波数帯域ごと
の画像信号は、変換前の画像信号を縮小した画像信号と
なっている。したがって各変換信号ごとにヒストグラム
解析等を行うことにより、画像信号に含まれる部位の到
達線量を知ることができ、このうち到達線量の大きい部
位を表す画像信号の重み付け係数を到達線量の小さい部
位に比して相対的に大きくさせることができることとな
り、より高画質の画像を得ることができる。
【0046】さらに、各画像信号をアナログ画像信号と
し、アナログ画像信号のすべてあるいは所望とするアナ
ログ画像信号について、この画像信号の周波数特性を変
化させる重みを有するフィルタによりフィルタリングす
ることにより、アナログ画像信号の所望とする周波数帯
域について重み付けがなされ、このフィルタリング後の
画像信号を加算して得られた加算信号を再生することに
より、上述したフーリエ変換、ウェーブレット変換ある
いはサブバンド変換と同様に、高画質の重ね合わせ画像
を得ることができる。
【0047】また、上述したような蓄積性蛍光体シート
の両面集光により画像信号を得る場合のシートの下側
(放射線源よりも遠い側)から得られた画像信号、ある
いはシートを重ね合せて放射線画像を記録した場合の放
射線源より遠い側から得られた画像信号の高周波成分
は、散乱光等のノイズ成分が多く含まれているため、こ
の下側のシートから得られた画像信号の高周波数成分に
乗じる重み付け係数を上側のシートから得られた画像信
号の高周波数成分に乗じる重み付け係数に比して小さく
することにより、ノイズ成分が低減された重ね合せ信号
を得ることができる。
【0048】さらに、上述した周波数帯域ごとに画像信
号の重み付け係数を変化させる処理をエネルギーサブト
ラクション処理にも適用することができ、サブトラクシ
ョンすべき各画像信号の周波数特性に応じて信号対ノイ
ズ比の低い周波数成分の重み付け係数を信号対ノイズ比
の高い周波数成分の重み付け係数に比して相対的に小さ
くさせるようにすることにより、減算された画像信号は
ノイズ成分の割合が少ないものとなり、この減算画像信
号を再生することにより高画質のサブトラクション画像
を得ることができる。
【0049】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。
【0050】図1は2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4
Bに、同一の被写体1を透過した放射線2を照射する状
態を示す図である。
【0051】図1に示すように、第1の蓄積性蛍光体シ
ート4Aおよび第2の蓄積性蛍光体シート4Bとを重ね
て配置して放射線源3を駆動させて、放射線2を発せし
めることにより、被写体1を透過した放射線2は第1お
よび第2の蓄積性蛍光体シート4A,4Bに照射され、
被写体1の放射線画像情報が蓄積性蛍光体シート4Aお
よび4Bに蓄積記録される。
【0052】次にこれら2枚の蓄積性蛍光体シート4
A,4Bから、図2に示すような画像読取手段によって
放射線画像を読み取り、放射線画像を表す画像信号を得
る。まず蓄積性蛍光体シート4Aをエンドレスベルト等
の副走査手段9により矢印Yの方向に移動させながら、
レーザー光源10からのレーザー光(励起光)11を走査ミ
ラー12によって偏向させ、シート4A上をX方向に主走
査させる。この励起光走査により蓄積性蛍光体シート4
Aからは、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた
光量の輝尽発光光13が発散する。輝尽発光光13は、透明
なアクリル板を成形して作られた光ガイド14の一端面か
らこの光ガイド14の内部に入射し、その中を全反射を繰
返しながら進行して、フォトマルチプライヤー(光電子
増倍管)15に受光される。このフォトマルチプライヤー
15からは、輝尽発光光13の発光量に対応した、つまり上
記画像情報を示す出力信号SA が出力される。
【0053】この出力信号SA は、対数増幅器16により
対数増幅され、次いでA/D変換器17に入力されて、デ
ジタルの画像信号S1 に変換される。この画像信号S1
は例えば磁気ディスク等の記憶媒体18に記憶される。次
に、全く同様にして、もう1枚の蓄積性蛍光体シート4
Bの記録画像情報が読み出され、その画像情報を示す出
力信号SB が得られ、対数増幅器16により対数増幅さ
れ、次いでA/D変換器17に入力されて、デジタルの画
像信号S2 に変換され、この画像信号S2 が記憶媒体18
に記憶される。
【0054】次に、このようにして得られた画像信号S
1 ,S2 を用いて重ね合せ処理を行う。図3はこの重ね
合せ処理を行う装置の概略を表す図である。まず記憶媒
体18内の画像ファイル18Aと、画像ファイル18Bから、
画像信号S1 ,S2 が読み出され、ウェーブレット変換
手段19に入力される。ウェーブレット変換手段19は入力
された2つの画像信号S1 ,S2 をウェーブレット変換
し、複数の周波数帯域ごとの変換係数信号に分解する。
以下ウェーブレット変換の詳細について説明する。
【0055】図4は、画像信号S1 ,S2 に対するウェ
ーブレット変換の詳細を表す図である。ここでは、簡単
のため画像信号S1 のウェーブレット変換について説明
する。
【0056】なお、本実施例においては、ウェーブレッ
ト変換の各係数が直交する直交ウェーブレット変換を行
うものであり、前述したMarc Antonini らの文献に記載
されているものである。
【0057】図4に示すように、画像信号S1 の主走査
方向に基本ウェーブレット関数より求められる関数gと
関数hとによりフィルタリング処理を行う。すなわち、
このような関数g,hによる主走査方向に並ぶ画素の一
列ごとのフィルタリング処理を副走査方向に一画素ずつ
ズラしながら行い、原画像データSorgの主走査方向のウ
ェーブレット変換係数信号Wg0,Wh0を求めるものであ
る。
【0058】ここで、関数g,hは基本ウェーブレット
関数より一意に求められるものであり、例えば、関数h
は、以下の表1に示すものとなる。なお、表1において
関数h′は、ウェーブレット変換がなされた画像データ
に逆ウェーブレット変換を行う際に用いる関数を表すも
のである。また以下の式(4) に示すように関数gは関数
h′から求められ、逆ウェーブレット変換を行うための
関数g′は関数hから求められる。
【0059】
【表1】
【0060】 g′=(−1)n h g =(−1)n h′ …(4) このようにして、ウェーブレット変換係数信号Wg0、W
h0が求められると、ウェーブレット変換係数信号Wg0、
Wh0について、主走査方向の画素を1画素おきに間引
き、主走査方向の画素数を1/2 にする。ついで、この画
素が間引かれたウェーブレット変換係数信号Wg0、Wh0
それぞれの副走査方向に関数g,hによりフィルタリン
グ処理を行い、ウェーブレット変換係数信号WWU0,W
U0,VWU0およびVVU0を得る。
【0061】次いでウェーブレット変換係数信号W
U0,WVU0,VWU0およびVVU0について、副走査方
向の画素を1画素おきに間引くことを行い、副走査方向
の画素数を1/2 とする処理を行う。これにより、各ウェ
ーブレット変換係数信号VVU0,WVU0,VWU0,WW
U0の画素数は画像信号S1 の画素数の1/4 となる。次い
で、ウェーブレット変換係数信号VVU0の主走査方向に
関数g,hによりフィルタリング処理を行う。
【0062】すなわち、関数g,hにより主走査方向に
並ぶ画素の一列ごとのフィルタリング処理を副走査方向
に一画素づつズラながら行い、ウェーブレット変換係数
信号VVu0の主走査方向のウェーブレット変換係数信号
Wg1およびWh1を求めるものである。
【0063】ここでウェーブレット変換係数信号VVU0
は主副両方向について画素数が原画像データの1/2 とな
っているため、画像の解像度は原画像データと比較して
半分となっている。したがって、ウェーブレット変換係
数信号VVU0を関数g,hでフィルタリング処理を施す
ことにより、原画像データの周波数成分のうちウェーブ
レット変換係数信号VVU0が表す周波数成分よりも低周
波数成分を表すウェーブレット変換係数信号Wg1,Wh1
が求められる。
【0064】このようにして、ウェーブレット変換係数
信号Wg1,Wh1が求められると、ウェーブレット変換係
数信号Wg1,Wh1について、主走査方向の画素を1画素
おきに間引き、主走査方向の画素数をさらに1/2 とす
る。次いでウェーブレット変換係数信号Wg1、Wh1それ
ぞれの副走査方向に関数g,hによりフィルタリング処
理を行い、ウェーブレット変換係数信号WWU1,W
U1,VWU1およびVVU1を得る。
【0065】次いでウェーブレット変換係数信号W
U1,WVU1,VWU1,VVU1について、副走査方向の
画素を1画素おきに間引き、副走査方向の画素数を1/2
とする処理を行う。これにより、各ウェーブレット変換
係数信号WWU1,WVU1,VWU1,VVU1の画素数は画
像信号S1 の画素数の1/16となる。
【0066】以下、上述したのと同様にして、画素が間
引かれたウェーブレット変換係数信号VVU1の主走査方
向に関数g,hによりフィルタリング処理を行い、さら
に得られたウェーブレット変換係数信号の主走査方向の
画素を間引き、この画素を間引いたウェーブレット変換
係数信号について、副走査方向に関数g,hによりフィ
ルタリング処理を行い、ウェーブレット変換係数信号W
U2,WVU2,VWU2,VVU2を得る。
【0067】このようなウェーブレット変換をN回繰り
返すことによりウェーブレット変換係数信号WWU0〜W
UN,WVU0〜WVUN,VWU0〜VWUN,およびVVUN
を得る。ここで、N回目のウェーブレット変換により得
られるウェーブレット変換係数信号WWN ,WVN ,V
N ,VVN は、原画像データと比較して主副各方向の
画素数が(1/2)N となっているため、各ウェーブレット
変換係数信号はNが大きいほど周波数帯域が低く、原画
像データの周波数成分のうち低周波成分を表すデータと
なる。
【0068】したがって、ウェーブレット変換係数信号
WWUi(i=0〜N、以下同様)は、画像信号S1 の主
副両方向の周波数の変化を表すものであり、iが大きい
ほど低周波信号となる。またウェーブレット変換係数信
号WVUiは画像信号S1 の主走査方向の周波数の変化を
表すものであり、iが大きいほど低周波信号となる。さ
らにウェーブレット変換係数信号VWUiは画像信号S1
の副走査方向の周波数の変化を表すものであり、iが大
きいほど低周波信号となる。
【0069】ここで、図5にウェーブレット変換係数信
号を複数の周波数帯域ごとに表す図を示す。なお、図5
においては便宜上3回目のウェーブレット変換を行った
状態までを表すものとする。なお、図5においてウェー
ブレット変換係数信号WW3 原画像を主副各方向が(1/
2)3 に縮小したものとなっている。
【0070】同様にして画像信号S2 についてもウェー
ブレット変換を施し、複数の周波数帯域ごとのウェーブ
レット変換係数信号WWL0〜WWLN,WVL0〜WVLN
VWL0〜VWLNおよびVVLNを得る。
【0071】このように画像信号S1 ,S2 にウェーブ
レット変換を施すことによって得られたウェーブレット
変換係数信号は、重み付け重ね合せ手段20に入力され
る。重み付け重ね合せ手段20においては、信号対ノイズ
比が低い周波数帯域の重み付け係数を信号対ノイズ比が
高い周波数帯域の重み付け係数に比して相対的に小さく
させて重み付け処理がなされる。まず、この重み付け係
数の決定について説明する。
【0072】2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4Bから
得られた画像信号S1 ,S2 はそれぞれ図6(a) ,(b)
に示すようなMTF(Modulation Transfer Function,
周波数依存特性)を有する。ここで、MTFはCTFチ
ャート(Contrast TransferFunction Chart)を撮影す
ることにより得られるものであり、各周波数帯域ごとの
画像信号の解像度の大きさを表すものである。すなわ
ち、図6(a) に示すように、放射線源に近い上側の蓄積
性蛍光体シート4Aから得られた画像信号S1 のMTF
1は、高周波数帯域まで大きいため、画像信号S1 は高
周波数帯域までの情報を有するが、図6(b) に示すよう
に放射線源から遠い下側の蓄積性蛍光体シート4Bから
得られた画像信号S2 は、画像信号S1 と比較して高周
波数帯域側のMTF2が小さくなっており、高周波数帯
域の情報が少ないものとなっている。これは、画像信号
2 の高周波数帯域の情報は、撮影時の散乱線等のノイ
ズを含み、さらには、高周波数帯域側の細い情報が放射
線源から遠いことに起因してボケていることを表してい
る。よって、このMTFに応じて各ウェーブレット変換
係数信号の重み付け係数を変化させ各ウェーブレット変
換係数信号の加算を行うものである。ここで、各ウェー
ブレット変換係数信号の重み付け係数を決定する方法に
ついて説明する。
【0073】まず、図6(a) ,(b) に示す各画像信号の
周波数特性MTF1,2と併せて、図7(a) ,(b) に示
すように各画像信号のノイズの周波数特性Winer1,2
を求める。ここでWiner1,2は、前述した撮影装置に
おいて、ノイズだけの画像すなわち被写体を置かないで
撮影を行って得られたノイズ画像信号の周波数ごとの分
散を求めたものをいう。すなわち、Winer1についてみ
てみると、ノイズだけの画像を撮影して上側の蓄積性蛍
光体シート4Aから得られたノイズ画像信号Image (X
1)について、
【0074】
【数4】
【0075】により得られたRMS2 を周波数ごとにプ
ロットしたものが図7(a) ,(b) に示すWiner1,2と
なる。
【0076】ここで、DQEなる指標を以下の式(6) に
より定義する
【0077】
【数5】
【0078】式(6) はDQEが高いほど画質が良いこと
を示している。また、DQEは周波数ごとに求められる
ものである。
【0079】次いで、上述したMTF1,2を得た際に
得られる周波数帯域ごとの画像信号Image 1(X),Im
age 2(X)を、 add (t) =t×Image 1(X)+(1−t)×Image 2(X) …(7) により加算した加算画像信号add(t)について、tを0〜
1まで変化させることにより、複数の加算画像信号add
(t)を得る。そして、各加算画像信号add(t)についてD
QEを算出し、tを横軸に、DQEを縦軸にとってプロ
ットする。図8は、複数の周波数帯域ごとに得られた、
tとDQEとの関係を表す図である。図8(a) 示すよう
に周波数帯域が1サイクル/mm(図8においては1c/
mmと表示)のときはt=0.5 でDQEが最大となる。ま
た、図8(b) に示すように、周波数帯域が2サイクル/
mmのときはt=0.7 で、図8(c) に示すように周波数帯
域が3サイクル/mmのときはt=0.9 でそれぞれDQE
が最大となる。
【0080】このように、各周波数帯域ごとにDQEが
最大となるtをプロットすることにより、図9に示すよ
うな重み付けテーブルを得ることができる。図9に示す
ような重み付けテーブルに基づいて、前述した各ウェー
ブレット変換係数信号の加算が行われる。
【0081】すなわち、各周波数帯域ごとのウェーブレ
ット変換係数信号について、 WWi =t・WWUi+(1−t)WWLi WVi =t・WVUi+(1−t)WVLi …(8) VWi =t・VWUi+(1−t)VWLi VVi =t・VVUi+(1−t)VVLi により重み付け加算を行う。例えば、周波数帯域の加算
係数信号WW1 を得る場合は、係数信号WWL1は係数信
号WWU1と比較してノイズが大きく情報量が少ないた
め、tの値を大きくする。すなわち、 WW1 =0.8 ×WWU1+0.2 ×WWL1 …(9) により係数信号WW1 を得る。なお、加算係数信号WV
1 ,VW1 についても加算係数信号のWW1 を得る場合
と同様の重み付けにより求めればよい。
【0082】一方、ウェーブレット変換係数信号WW1
よりも低周波数帯域の加算係数信号WW2 を求める場合
は、係数信号WWL2は係数信号WWU2と比較しても係数
信号WWL1ほどノイズが大きく情報量が少ないこともな
いため、tの値を0.6 程度にし、 WW2 =0.6 ×WWU2+0.4 ×WWL2 …(10) により加算係数信号WW2 を得る。加算係数信号W
2 ,VW2 についても加算係数信号WW2 を得る場合
と同様の重み付けにより求めればよい。
【0083】また、ウェーブレット変換係数信号WW2
よりも低周波数帯域の加算係数信号WW3 を求める場合
は、係数信号WWL2,WWU2はともに略同程度の情報を
有するものであるため、tの値を0.5 とし、 WW3 =0.5 ×WWU3+0.5 ×WWL3 …(11) により加算係数信号WW3 を得る。加算係数信号W
3 ,VW3 についても加算係数信号WW3 を得る場合
と同様の重み付けにより求めればよい。
【0084】さらに、ウェーブレット変換係数信号WW
3 よりも低周波数帯域の加算係数信号WW4 〜WWN
得る場合については、係数信号WWU4〜WWUN,WWL4
〜WWLNはともに略同程度の情報を有するものであるた
め、tの値を0.5 として加算係数信号WW4 〜WWN
求めればよい。
【0085】このように重み付け係数を決定することに
より、原画像のMTFおよびWinerがどのような特性で
あっても、周波数ごとに最適な重み付け係数を決定する
ことができる。
【0086】以上のようにして重み付け重ね合せ手段20
において加算ウェーブレット変換係数信号WW1 〜WW
N ,WV1 〜WVN ,VW1 〜VWN ,VV1 〜VVN
が得られると、各加算ウェーブレット変換係数信号は逆
ウェーブレット変換手段21において逆ウェーブレット変
換が施される。以下、逆ウェーブレット変換の詳細につ
いて説明する。
【0087】図10は、逆ウェーブレット変換の詳細を表
す図である。
【0088】図10に示すように、まず各加算ウェーブレ
ット変換係数信号VVN ,VWN ,WVN ,WWN につ
いて副走査方向に並ぶ画素間に1画素分の間隔をあける
処理を行う(図では×2と表示)。次いでこの間隔があ
けられた加算ウェーブレット変換係数信号VVN を副走
査方向に前述した関数hとは異なる関数h′により、加
算ウェーブレット変換係数信号VWN を副走査方向に前
述した関数gとは異なる関数g′によりフィルタリング
処理を行う。すなわち、関数g′,h′による加算ウェ
ーブレット変換係数信号VVN ,VWN の副走査方向に
並ぶ一列の画素ごとのフィルタリング処理を主走査方向
に一画素ずつズラしながら行い、加算ウェーブレット変
換係数信号VVN ,VWN の逆ウェーブレット変換係数
信号を得、これを2倍して加算することにより逆ウェー
ブレット変換係数信号WhN′を得る。
【0089】このようにウェーブレット変換を行う関数
と逆ウェーブレット変換を行う関数とを異なるものとし
ているのは、以下のような理由からである。ウェーブレ
ット変換と逆ウェーブレット変換で同一の関数となる、
すなわち、直交する関数を設計することは難しく、直交
性、連続性、関数の短さ、対称性のいずれかの条件を緩
める必要がある。そこで、直交性の条件を緩めることに
より他の条件を満たす関数を選択したものである。
【0090】以上より、本実施例ではウェーブレット変
換を行う関数h,gと逆ウェーブレット変換を行う関数
h′,g′とを双直交の異なるものとしている。したが
って、加算ウェーブレット変換係数信号VVi ,V
i ,WVi ,WWi を関数h′,g′で逆ウェーブレ
ット変換することにより、画像信号S1 ,S2 の加算信
号を完全に復元できることとなる。
【0091】一方、これと並列して、加算ウェーブレッ
ト変換係数信号WVN を副走査方向に関数h′により、
加算ウェーブレット変換係数信号WWN を副走査方向に
関数g′によりフィルタリング処理を行い、加算ウェー
ブレット変換係数信号WVN,,WWN の逆ウェーブレ
ット変換係数信号を得、これを2倍して加算することに
より逆ウェーブレット変換係数信号WgN′を得る。
【0092】次いで、逆ウェーブレット変換係数信号W
hN′,WgN′について主走査方向に並ぶ画素間に1画素
分の間隔をあける処理を行う。その後逆ウェーブレット
変換係数信号WhN′を主走査方向に関数h′により、逆
ウェーブレット変換係数信号WgN′を主走査方向に関数
g′によりフィルタリング処理し、ウェーブレット変換
係数信号WhN′,WgN′の逆ウェーブレット変換係数信
号を得、これを2倍して加算することにより加算逆ウェ
ーブレット変換係数信号VVN-1 ′を得る。
【0093】次いでこの加算逆ウェーブレット変換係数
信号VVN-1 ′、加算ウェーブレット変換係数信号VW
N-1 ,WVN-1 ,WWN-1 について副走査方向に並ぶ画
素間に1画素分の間隔をあける処理を行う。その後この
加算逆ウェーブレット変換係数信号VVN-1 ′を副走査
方向に前述した関数h′により、加算ウェーブレット変
換係数信号VWN-1 を副走査方向に前述した関数g′に
よりフィルタリング処理を行う。すなわち、関数g′,
h′による加算ウェーブレット変換係数信号V
N-1 ′,VWN-1 の副走査方向に並ぶ一列の画素ごと
のフィルタリング処理を主走査方向に一画素ずつズラし
ながら行い、加算ウェーブレット変換係数信号V
N-1 ′,VWN-1 の逆ウェーブレット変換係数信号を
得、これを2倍して加算することにより逆ウェーブレッ
ト変換係数信号WhN-1′を得る。
【0094】一方、これと並列して、加算ウェーブレッ
ト変換係数信号WVN-1 を副走査方向に関数h′によ
り、加算ウェーブレット変換係数信号WWN-1 を副走査
方向に関数g′によりフィルタリング処理を行い、加算
ウェーブレット変換係数信号WVN-1 ,WWN-1 の逆ウ
ェーブレット変換係数信号を得、これを2倍して加算す
ることにより加算逆ウェーブレット変換係数信号WgN-
1′を得る。
【0095】次いで、逆ウェーブレット変換係数信号W
hN-1′,WgN-1′について主走査方向に並ぶ画素間に1
画素分の間隔をあける処理を行う。その後逆ウェーブレ
ット変換係数信号WhN-1′を主走査方向に関数h′によ
り、逆ウェーブレット変換係数信号WgN-1′を主走査方
向に関数g′によりフィルタリング処理し、ウェーブレ
ット変換係数信号WhN-1′,WgN-1′の逆ウェーブレッ
ト変換係数信号を得、これを2倍して加算することによ
り加算逆ウェーブレット変換係数信号VVN-2′を得
る。
【0096】以下、順次加算逆ウェーブレット変換係数
信号VVi ′(i=−1〜N)を作成し、最終的に加算
逆ウェーブレット変換係数信号VV-1′を得る。この最
終的な加算逆ウェーブレット変換係数信号VV-1′が画
像信号S1 ,S2 の加算画像信号Sadd となる。
【0097】このようにして得られたウェーブレット変
換係数信号VV-1′は画像処理手段22で所定の画像処理
が施され、再生手段23において放射線画像の再生に供せ
られる。
【0098】この再生手段は、CRT等のディスプレイ
手段でもよいし、感光フイルムに光走査記録を行う記録
装置であってもよい。
【0099】このようにして、2つの画像信号S1 ,S
2 をウェーブレット変換し、複数の周波数帯域ごとのウ
ェーブレット変換係数信号を得、各周波数帯域ごとのウ
ェーブレット変換係数信号について、高周波数帯域の係
数信号については上側の蓄積性蛍光体シートから得られ
た画像信号の重み付け係数を下側の蓄積性蛍光体シート
から得られた画像信号の重み付け係数よりも大きくする
ことにより、下側の蓄積性蛍光体シートから得られた画
像信号に含まれるノイズ成分が低減された加算ウェーブ
レット変換係数信号が得られるため、各加算ウェーブレ
ット変換係数信号を逆ウェーブレット変換することによ
り得られる加算信号を再生することにより、ノイズ成分
が低減された高画質の再生画像を得ることができる。
【0100】なお、上述した実施例においては、ウェー
ブレット変換を行うための関数h,h′として表1に示
すものを用いたが、これに限定されるものではなく以下
に示す表2、表3に示すものを用いてもよい。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】また、これ以外にもウェーブレット変換を
行うことのできる関数であれば、いかなる関数を用いて
もよく、例えば双直交ではなく対称ではないが直交する
ものを用いてもよい。
【0104】さらに、表1,2および3に示すようにn
=0の軸に関して左右対称な関数のみではなく、n=0
の軸に関して左右非対称な関数を用いてウェーブレット
変換を行うようにしてもよいものである。このように左
右非対称な関数を用いてウェーブレット変換を行った場
合は、ウェーブレット変換を行った関数をn=0の軸に
関して左右を反転させた関数を用いて逆ウェーブレット
変換を行うものである。すなわち、左右非対称な関数
g,hについて、逆ウェーブレット変換を行う関数
g′,h′は、 g[n]=g′[−n] h[n]=h′[−n] …(12) 但し、[−n]は左右反転を表す。
【0105】となる。
【0106】また、上述した実施例においては、ウェー
ブレット変換により画像信号S1 ,S2 を複数の周波数
帯域の変換係数信号に分解しているが、サブバンド変換
により画像信号S1 ,S2 を複数の周波数帯域の変換係
数信号に分解するようにしてもよい。サブバンド変換
は、ウェーブレット変換が1種類の関数により画像信号
をフィルタリングすることにより複数の周波数帯域ごと
の変換係数信号を順次得るのに対し、周期が異なる複数
の関数により画像信号をフィルタリング処理することに
より1度の処理で複数の周波数帯域ごとの変換係数信号
を得るものである。
【0107】例えば、上述した実施例においては、関数
g,hにより画像信号をフィルタリング処理することに
より複数の周波数帯域ごとの画像信号を得るようにして
いるが、サブバンド変換は図11に示すように画像信号S
1 をサブバンド変換する場合は、関数g,hの周期が2
倍,4倍,……2n 倍となる複数の周波数g1
1、、g2 ,h2 、……、gN ,hN により画像信号
1 をフィルタリング処理することにより複数の周波数
帯域ごとの係数信号WWU1〜WWUN,WVU1〜WVUN
VWU1〜VWUN,VVU1〜VVUNを得ることができ、ま
た同様にして画像信号S2 についての複数の周波数帯域
ごとの係数信号WWL1〜WWLN,WVL1〜WVLN,VW
L1〜VWLN,VVL1〜VVLNを得ることができる。
【0108】そしてこのようにして得られた各周波数帯
域ごとの係数信号に対し、前述したウェーブレット変換
の場合と同様に重み付け係数を周波数帯域ごとに変化さ
せて周波数帯域ごとに係数信号の重み付け加算を行って
加算係数信号を得、この加算係数信号を逆サブバンド変
換することにより、ウェーブレット変換の場合と同様
に、重み付け加算がなされた加算信号Sadd を得ること
ができる。
【0109】さらに、上述した実施例においては、ウェ
ーブレット変換、サブバンド変換により画像信号を複数
の周波数帯域ごとの画像信号に変換するようにしている
が、フーリエ変換により画像信号を複数の周波数帯域ご
との画像信号に変換するようにしてもよいものである。
但し、フーリエ変換は例えば図12に示すように複数周波
数帯域の長いフィルタを用いる必要があり、たとえ高速
フーリエ変換法を用いても、短いフィルタにより画像信
号を分解することができるウェーブレット変換、サブバ
ンド変換の方が、本発明を実施するための装置の構成を
簡易なものとすることができる。
【0110】なお、前述した蓄積性蛍光体シートに照射
される放射線量によっても得られる画像の周波数依存特
性が異なるので、読取装置から読取り時の中心線量を
得、線量別に保持している加算比テーブルを参照して周
波数帯域ごとの画像信号の加算比を決定するようにして
もよい。
【0111】また、上述したウェーブレット変換、ある
いはサブバンド変換により得られた変換係数信号は、元
の画像信号を縮小した画像信号となっており、例えば、
人間の胸部の撮影により得られた画像信号をウェーブレ
ット変換あるいはサブバンド変換した変換係数信号は図
13に示すように、原画像を縮小した画像のようなものと
なっている。このような胸部画像においては、観察の対
象となるのは蓄積性蛍光体シートへの到達線量が大きい
各変換係数における肺野部(係数信号WW1 に対応する
位置における肺野部30)である。また、上述したように
画像の周波数依存特性は蓄積性蛍光体シートに照射され
る放射線の量によっても異なるものである。したがっ
て、ウェーブレット変換、サブバンド変換により得られ
た変換係数信号について、例えばヒストグラム解析等を
行い、画像内における部位ごとの放射線の到達線量を求
め、到達線量の大きい部位を表す変換係数信号の重み付
け係数を、到達線量の小さい部位を表す変換係数信号に
比して大きくすることにより、観察読影適性に優れた画
像を得ることができる。すなわち、各変換係数信号につ
いて到達線量を求め、到達線量の大きい肺野部の画素に
対応する係数信号については、重み付け係数を大きくす
る。例えば、図13に示す係数信号WWU1においては、肺
野部30については係数信号WWL1との重ね合せの比を
2:1とし、肺野部3D以外の部分31においては1:1
とするように、重要な観察領域である到達線量の大きい
肺野部30についての重み付け係数にさらに重み付けをし
て係数信号の加算を行うようにすればよい。
【0112】このように、画像信号の部位にも依存して
加算時の重み付け係数を変化させることにより、到達線
量ごとに重み付け係数を変えた加算信号を得ることがで
き、より観察読影適性に優れた高画質の画像を得ること
ができる。
【0113】また、上述した実施例においては、図1に
示すように、2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4Bに放
射線画像を蓄積記録し、各シート4A,4Bから得られ
た画像信号を加算するようにしているが、図14に示すよ
うに、1枚の蓄積性蛍光体シート4Aに被写体1の放射
線画像を蓄積記録し、図15に示すようにこの蓄積性蛍光
体シート4Aの両面から重ね合せるべき画像信号を得る
ようにしてもよい。以下この両面読取りの詳細について
説明する。
【0114】蓄積性蛍光体シート4Aが、図示しないモ
ーターにより回転せしめられるエンドレスベルト9a、9b
上に配置される。このシート4Aの上方には、励起光で
あるレーザ光11を発するレーザ光源10と、そのレーザ光
11を反射偏向し、シート4Aを主走査する図示しないモ
ータにより回転される回転多面鏡12が配されている。さ
らに、レーザ光11が走査される位置の上方には、そのレ
ーザ光11の走査により発せられる輝尽発光光を上方より
集光する集光ガイド14a が近接して配置され、その位置
の下方には、輝尽発光光を下方より集光する集光ガイド
14b がシート4Aと垂直に配置されている。各集光ガイ
ド14a ,14b は、それぞれ輝尽発光光を光電的に検出す
るフォトマルチプライヤ(光電子増倍管)15a ,15b が
接続されている。このフォトマルチプライヤ15a ,15b
は対数増幅器16a ,16b に接続され、さらにこの対数増
幅器16a ,16b は、A/D変換器17a ,17b に接続さ
れ、各A/D変換器17a ,17b は記憶装置18に接続され
ている。
【0115】被写体の放射線画像が蓄積記録された蓄積
性蛍光体シート4Aがエンドレスベルト9a,9b上にセッ
トされる。この所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シ
ート4Aは、エンドレスベルト9a,9bにより、矢印Y方
向に搬送(副走査)される。一方、レーザ光源10から発
せられたレーザ光11は図示しないモータにより駆動され
矢印方向に高速回転する回転多面鏡12によって反射偏向
され、シート4Aに入射し副走査の方向(矢印Y方向)
と略垂直な矢印X方向に主走査する。このレーザ光11が
照射されたシート4Aの箇所からは、蓄積記録されてい
る放射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光13a ,13b
(ここで、輝尽発光光13a ,13b はそれぞれシート4A
の上方、下方から発散されたものを示す)が発散され
る。この輝尽発光光13a は集光ガイド14a によって導か
れ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)15a によっ
て光電的に検出される。入射端面から集光ガイド14a 内
に入射した輝尽発光光13a は、集光ガイド14a の内部を
全反射を繰り返して進み、出射端面から出射してフォト
マルチプライヤ15a に受光され、放射線画像を表す輝尽
発光光13a の光量がフォトマルチプライヤ15a によって
電気信号に変換される。同様に、輝尽発光光13b は集光
ガイド14b によって導かれ、フォトマルチプライヤ(光
電子増倍管)15b によって光電的に検出される。
【0116】フォトマルチプライヤ15a から出力された
アナログ出力信号SA は対数増幅器16a で対数的に増幅
されてA/D変換器17a に入力され、ここでデジタル画
像信号S1 に変換されて記憶媒体18に入力される。また
同様に、フォトマルチプライヤ15b から出力されたアナ
ログ出力信号SB は対数増幅器16b で対数的に増幅され
てA/D変換器17b に入力され、ここでデジタル画像信
号S2 に変換されて記憶媒体18に入力される。これら2
つの画像信号S1 ,S2 は、ウェーブレット変換、サブ
バンド変換あるいはフーリエ変換により複数の周波数帯
域ごとの係数信号に分解され、前述した実施例と同様に
蓄積性蛍光体シート4Aの上側から得られた画像信号S
1 の高周波数帯域の係数信号の重み付け係数を、蓄積性
蛍光体シート4Aの下側から得られた画像信号S2 の高
周波数帯域の係数信号の重み付け係数に比して大きくし
て各周波数帯域ごとの係数信号が加算され、加算された
加算係数信号は逆ウェーブレット変換、逆サブバンド変
換あるいは逆フーリエ変換される。このようにして得ら
れた加算信号を再生することにより、前述した実施例と
同様にノイズ成分が低減された高画質の再生画像を得る
ことができる。
【0117】なお、上述した両面読取りの実施例では、
1つのレーザ光源10から発生せられたレーザ光11により
蓄積性蛍光体シート4Aを走査するようにしているが、
これに限定されるものではなく、図16に示すように蓄積
性蛍光体シート4Aの表面側、裏面側にそれぞれレーザ
光源10a ,10b 、回転多面鏡12a ,12b をそれぞれ設
け、蓄積性蛍光体シート4Aの両面にレーザ光11a ,11
b を走査して輝尽発光光を読み取って2つの画像信号を
得るようにしてもよい。
【0118】また、両面読取りの実施例により得られた
画像信号S1 ,S2 にウェーブレット変換、サブバンド
変換を施す場合は、前述した実施例と同様に、画像信号
の部位に依存して係数信号の加算時の重み付け係数を変
化させることができ、これにより画像信号の到達線量ご
とに重み付け係数を変えた信号を得ることができ、より
観察読影適性に優れた高画質の画像を得ることができ
る。
【0119】なお、上述した実施例においては、A/D
変換器17,17a ,17b によりデジタル化された画像信号
1 ,S2 についてウェーブレット変換、フーリエ変換
により各画像信号S1 ,S2 の周波数特性に応じて信号
対ノイズ比の低い周波数成分の重み付け係数を信号対ノ
イズ比の高い周波数成分の重み付け係数に比して相対的
に小さくする処理を施すようにしているが、これに限定
されるものではなく、図2,図15あるいは図16に示す放
射線画像読取装置により蓄積性蛍光体シート4A,4B
から得られたアナログの出力信号SA ,SB に対して上
記処理を施すようにしてもよいものである。
【0120】以下、アナログの出力信号SA ,SB に対
して上記処理を施す実施例について説明する。
【0121】図17はアナログの出力信号SA ,SB に対
して上記処理を施す実施例を説明するための図である。
図17に示すように、上述した図2,図15あるいは図16に
示す放射線画像読取装置により蓄積性蛍光体シート4
A,4Bから得られたアナログの出力信号SA ,SB
対数変換器16a ,16b に入力される。対数変換器16a ,
16b において対数増幅された出力信号SA ,SB は、周
波数処理回路40a ,40bに入力される。周波数処理回路4
0a ,40b においては、以下に示す処理がなされる。
【0122】ここで、上述したような蓄積性蛍光体シー
トの両面集光により画像信号を得る場合のシートの下側
(放射線源よりも遠い側)から得られた画像信号、ある
いはシートを重ね合せて放射線画像を記録した場合の放
射線源より遠い側から得られた画像信号の高周波成分
は、散乱光等のノイズ成分が多く含まれているため、こ
の下側のシートから得られた画像信号の高周波数成分に
乗じる重み付け係数を上側のシートから得られた画像信
号の高周波数成分に乗じる重み付け係数に比して小さく
することにより、ノイズ成分が低減された重ね合せ信号
を得ることができる。したがって周波数処理回路40a に
おいては図18に示すフィルタにより、出力信号SA の高
周波成分を強調するフィルタリング処理を行い、周波数
処理回路40b においては、図19に示すフィルタにより、
出力信号SB の高周波成分を低減させるフィルタリング
処理を行う。なお、出力信号SA ,SB はアナログ信号
であるため、出力信号SA ,SB の主走査方向について
のみ上記フィルタリング処理がなされるものである。
【0123】このようにして、周波数処理回路40a ,40
b において周波数処理がなされた出力信号SA ,S
B は、エリアジング除去フィルタ41a ,41b によりエリ
アジングによる誤差が除去されてA/D変換器17a ,17
b に入力されて、デジタルの画像信号S1 ,S2 に変換
される。このようにして得られたデジタルの画像信号S
1,S2 は加算され、上述した実施例と同様にして加算
信号Saddに対して画像処理手段において所定の画像処理
が施され、再生手段において可視像として再生される。
【0124】なおここで図18,19に示すフィルタはデジ
タルの画像信号S1 ,S2 が加算したときの加算信号Sa
ddのDQEが最高となるように、加算比が、1サイクル
/mmにおいてはSA :SB =0.5 :0.5 、2サイクル
/mmにおいては0.7 :0.3、3サイクル/mmにおい
ては0.9 :0.1 となるように設定されている。このこと
は、出力信号SB に対してフィルタリング処理を施すた
めの周波数処理回路40b 、エリアジング除去フィルタ41
b 等の手段のレスポンスは、出力信号SB の3サイクル
/mm程度の高周波成分においては、低周波成分(1サ
イクル/mm)と比べて20%程度でよいことを表してい
る。したがって、周波数処理回路40b 、エリアジング除
去フィルタ41b 等の出力信号SB を処理する手段は、通
常の読取りを行う装置に用いられている手段よりも狭い
処理可能帯域の回路で十分に処理可能となる。
【0125】このように、アナログの出力信号SA ,S
B に対して出力信号SA ,SB の周波数特性に応じて信
号対ノイズ比の低い周波数成分の重み付け係数を信号対
ノイズ比の高い周波数成分の重み付け係数に比して相対
的に小さくする処理を施すことにより、デジタルの画像
信号S1 ,S2 に対して上記処理を施す場合と同様に、
加算信号は全周波数帯域に亘って信号対ノイズ比の高い
ものとなり、この加算信号を再生することにより、高画
質の重ね合せ画像を得ることができる。また、出力信号
B の高周波成分を十分に低減させることにより、エリ
アジング除去フィルタ41b のカットオフ周波数を下げる
ことができ、A/D変換器17b によりA/D変換する際
のエリアジングをより低減することができる。さらに、
出力信号SB のログアンプ、エリアジング除去フィルタ
を構成するパーツにそれほど高速処理を必要としなくな
るため、高速処理を行うことができない廉価のオペアン
プ、トランジスタ等のパーツを使用することができ、装
置のコストを低下させることができる。
【0126】なお、上述したアナログ出力信号SA ,S
B に対して処理を施す実施例においては、周波数処理回
路40a ,40b により周波数処理を施すようにしている
が、対数増幅器16a ,16b 、エリアジング除去フィルタ
41a ,41b の周波数特性を変化させることにより、エリ
アジング除去フィルタ41a ,41b で行われるような出力
信号SA の高周波成分を強調し、出力信号SB の高周波
成分を低減させるようにしてもよいものである。
【0127】また、上述したアナログ出力信号SA ,S
B に対して処理を施す実施例においては、双方のアナロ
グ出力信号SA ,SB に対して処理を施すようにしてい
るが、これに限られるものではなく、いずれか一方のア
ナログ画像信号に対して周波数処理を施し、処理後のア
ナログ出力信号と、未処理のアナログ出力信号とをデジ
タル変換して加算を行うようにしていもよい。
【0128】上述した実施例においては、2つの画像信
号を重ね合せるときに画像信号を複数の周波数帯域ごと
の係数信号に分解して重み付けを行うようにしている
が、これに限定されるものではなく、2つの画像信号の
差分をとるエネルギーサブトラクションを行う場合であ
っても上述したように重み付けをすることができるもの
である。以下、エネルギーサブトラクションを行う画像
信号の重み付けについて説明する。
【0129】図20は2枚の蓄積性蛍光体シート4A、4
Bに、同一の被写体1を透過した放射線2を、それぞれ
エネルギーを変えて照射するいわゆる1ショットエネル
ギーサブトラクションを行うための撮影装置を表す図で
ある。すなわち放射線源3に近い方に第1の蓄積性蛍光
体シート4Aを配し、それと若干の距離を置いて第2の
蓄積性蛍光体シート4Bを配置し、これら両シート4
A、4Bの間には、銅板からなる放射線エネルギー変換
用フィルター5を配置して、放射線源3を駆動させる。
それにより、第1の蓄積性蛍光体シート4Aには、いわ
ゆる軟線も含む放射線2により、一方第2の蓄積性蛍光
体シート4Bには、軟線が除かれた放射線2により被写
体1の放射線画像が蓄積記録される。このとき蓄積性蛍
光体シート4Aと4Bとで被写体1の位置関係は同じと
する。
【0130】上記のようにすると、2枚の蓄積性蛍光体
シート4A、4Bには、被写体1の少なくとも一部の画
像情報が互いに異なる放射線画像が記録される。
【0131】次にこれら2枚の蓄積性蛍光体シート4
A、4Bから、前述した図2に示すような画像読取手段
によって放射線画像を読み取り、画像を表すデジタル画
像信号S1 ,S2 を得る。得られた画像信号S1 ,S2
は記憶媒体18に記憶される。
【0132】次に、上述のようにして得られたデジタル
画像信号S1 ,S2 を用いてサブトラクション処理を行
う。図21はこのサブトラクション処理の概略を表す図で
ある。まず記憶媒体18内の画像ファイル18Aと、画像フ
ァイル18Bから、画像信号S1 ,S2 が読み出され、ウ
ェーブレット変換手段30に入力される。ウェーブレット
変換手段30は入力された2つの画像信号S1 ,S2 をウ
ェーブレット変換し、前述した重ね合せの実施例と同様
に、複数の周波数帯域ごとの画像信号に分解する。これ
により、画像信号S1 より得られるウェーブレット変換
係数信号WWU0〜WWUN,WVU0〜WVUN,VWU0〜V
UNおよびVVUNならびに画像信号S2により得られる
ウェーブレット変換係数信号WWL0〜WWLN,WVL0
WVLN,VWL0〜VWLNおよびVVLNを得る。
【0133】このようにして得られたウェーブレット変
換係数信号は重み付けサブトラクション手段31に入力さ
れる。重み付けサブトラクション手段31においては、ノ
イズ成分が多い周波数帯域の重み付け係数をノイズ成分
が少ない周波数帯域の重み付け係数に比して相対的に小
さくさせてサブトラクション処理がなされる。ここで、
画像信号S2 の高周波数帯域の情報は、撮影時の散乱線
等のノイズを含み、さらには、高周波数帯域側の情報が
遠いことに起因してボケているため、2つの画像信号S
1 ,S2 は前述した図6(a) ,(b) に示すような周波数
特性を有する。したがって、2つの画像信号S1 ,S2
のサブトラクション処理をする際の重み付け係数は、前
述した図9に示すような重み付けテーブルに従って定め
られ、この重み付け係数に基づいて各ウェーブレット変
換係数信号のサブトラクション処理が行われる。
【0134】すなわち、各周波数帯域ごとのウェーブレ
ット変換係数信号について、 WWi =t・WWUi−(1−t)WWLi WVi =t・WVUi−(1−t)WVLi …(13) VWi =t・VWUi−(1−t)VWLi VVi =t・VVUi−(1−t)VVLi により重み付けサブトラクション処理を行う。
【0135】重み付けサブトラクション手段31において
サブトラクション係数信号WW1 〜WWN ,WV1 〜W
N ,VW1 〜VWN ,VV1 〜VVN が得られると、
各サブトラクション係数信号は逆ウェーブレット変換手
段32において、前述した重ね合せの実施例と同様に逆ウ
ェーブレット変換が施される。逆ウェーブレット変換が
施されたサブトラクション信号は画像処理手段33に入力
され、所定の画像処理が施された後、再生手段34に入力
されて可視像として再生される。
【0136】このようにして、2つの画像信号S1 ,S
2 をウェーブレット変換し、複数の周波数帯域ごとのウ
ェーブレット変換係数信号を得、各周波数帯域ごとのウ
ェーブレット変換係数信号について、高周波数帯域の係
数信号については上側の蓄積性蛍光体シートから得られ
る画像信号の重み付係数を下側の蓄積性蛍光体シートか
ら得られた画像信号の重み付け係数よりも大きくするこ
とにより、ノイズが低減されたサブトラクション信号が
得られ、これを再生することによりノイズ成分が低減さ
れた高画質の再生画像を得ることができる。
【0137】なお、上述したサブトラクション処理の実
施例では、1回の撮影によりサブトラクションすべき2
つの画像信号S1 ,S2 を同時に得るいわゆる1ショッ
ト法について説明したが、これに限定されるものではな
く、2枚の蓄積性蛍光体シートにエネルギー分布が異な
る2種類の放射線を用いて撮影を行ういわゆる2ショッ
ト法により得られた画像信号をサブトラクション処理す
る場合についても、得られた画像信号を複数の周波数帯
域ごとの係数信号に分解して各周波数帯域ごとの係数信
号について重み付けサブトラクション処理を施すように
してもよいものである。この場合の重み付け係数は2枚
の蓄積性蛍光体シートに放射線画像を蓄積記録する際の
2種類の放射線のエネルギー分布により得られるMTF
等に基づいて決定すればよい。
【0138】さらに、上述した実施例においては、ウェ
ーブレット変換により画像信号を複数の周波数帯域ごと
の画像信号に変換するようにしているが、サブバンド変
換,フーリエ変換により画像信号を複数の周波数帯域ご
との画像信号に変換するようにしてもよいものである。
但し、フーリエ変換は例えば図12に示すように複数周波
数帯域の長いフィルタを用いる必要があるため、短いフ
ィルタにより画像信号を分解することができるウェーブ
レット変換、サブバンド変換の方が、本発明を実施する
ための装置の構成を簡易なものとすることができる。
【0139】また、上述したウェーブレット変換、ある
いはサブバンド変換により得られた係数信号は、元の画
像信号を縮小した画像信号となっており、例えば、人間
の胸部の撮影により得られた画像信号をウェーブレット
変換あるいはサブバンド変換した変換係数信号は図13に
示すように、原画像を縮小した画像のようなものとなっ
ているため、前述した重ね合せの実施例同様に画像信号
の部位にも依存してサブトラクション処理時の重み付け
係数を変化させるようにしてもよい。これにより画像信
号の到達線量ごとに異なる重み付けをしたサブトラクシ
ョン信号を得ることができ、より観察読影適性に優れた
高画質の画像を得ることができる。
【0140】さらに、上述したエネルギーサブトラクシ
ョンを行う実施例においても、図17に示すようにアナロ
グの画像信号SA ,SB に対して図18,19に示すフィル
タにより周波数処理を施した後に画像信号SA ,SB
デジタル変換し、このデジタル変換された画像信号
1 ,S2 に対してサブトラクション処理を施すように
してもよいものである。
【0141】また、双方のアナログ出力信号SA ,SB
に対して処理を施すのみならず、いずれか一方のアナロ
グ画像信号に対して周波数処理を施し、処理後のアナロ
グ出力信号と、未処理のアナログ出力信号をデジタル変
換してサブトラクション処理を施すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像重ね合せ方法の実施例におけ
る蓄積性蛍光体シートへの放射線画像の記録を説明する
ための図
【図2】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像の読取り
を行うための装置を表す図
【図3】重ね合せを行う装置の概略を表す図
【図4】ウェーブレット変換の詳細を表す図
【図5】ウェーブレット変換係数信号を表す図
【図6】画像信号のMTFを表す図
【図7】画像信号のウィナースペクトルを表す図
【図8】複数の周波数帯域におけるDQEを表す図
【図9】重み付けテーブルを表す図
【図10】逆ウェーブレット変換の詳細を表す図
【図11】サブバンド変換の詳細を表す図
【図12】フーリエ変換を行うためのフィルタを表す図
【図13】ウェーブレット変換あるいはサブバンド変換
により得られた係数信号を表す図
【図14】1枚の蓄積性蛍光体シートの放射線画像を蓄
積記録する状態を表す図
【図15】蓄積性蛍光体シートの両面から放射線画像を
読み取る装置を表す図
【図16】蓄積性蛍光体シートの両面から放射線画像を
読み取る別の装置を表す図
【図17】アナログ出力信号に対して周波数処理を施す
実施例を説明するための図
【図18】出力信号SA に周波数処理を施すフィルタを
表す図
【図19】出力信号SB に周波数処理を施すフィルタを
表す図
【図20】本発明によるエネルギーサブトラクション方
法の実施例における蓄積性蛍光体シートへの放射線画像
の記録を説明するための図
【図21】エネルギーサブトラクションを行う装置の概
略を表す図
【図22】ウェーブレット変換に用いられる基本ウェー
ブレット関数を表す図
【図23】ウェーブレット変換を説明するための図
【図24】フーリエ変換を説明するための図
【符号の説明】
1 被写体 2 放射線 3 放射線源 4A,4B 蓄積性蛍光体シート 10 レーザ光源 11 レーザ光 12 ミラー 13,13a ,13b 輝尽発光光 14,14a ,14b 光ガイド 15,15a ,15b フォトマルチプライヤ 16,16a ,16b 対数変換器 17,17a ,17b A/D変換器 18 記憶媒体 19,30 ウェーブレット変換手段 20 重み付け重ね合せ手段 21,32 逆ウェーブレット変換手段 22,33 画像処理手段 23,34 再生手段 40a ,40b 周波数処理手段 41a ,41b エリアジング除去フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/325 G01N 23/04 G06T 1/00 5/00 G06F 15/68 350

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一被写体の放射線画像を担持する周波
    数特性が互いに異なる複数の画像信号に対して相対応す
    る画素についての信号間で各画像信号に所定の重み付け
    係数を乗じて加算を行って加算信号を得る放射線画像の
    重ね合せ方法において、 前記各画像信号の周波数特性に応じて信号対ノイズ比の
    低い周波数成分の重み付け係数を信号対ノイズ比の高い
    周波数成分の重み付け係数に比して相対的に小さくさせ
    ることを特徴とする画像重ね合せ方法。
  2. 【請求項2】 前記各画像信号にフーリエ変換を施して
    該各画像信号を複数の周波数帯域ごとのフーリエ変換係
    数信号に分解し、 該各フーリエ変換係数信号ごとに重み付け係数を変化さ
    せて該各フーリエ変換係数信号の加算を行って各周波数
    帯域ごとの加算フーリエ変換係数信号を得、 該加算フーリエ変換係数信号を逆フーリエ変換すること
    により画像の重ね合せを行うことを特徴とする請求項1
    記載の画像重ね合せ方法。
  3. 【請求項3】 前記各画像信号を多重解像度空間に変換
    して該各画像信号を複数の周波数帯域ごとの変換係数信
    号に分解し、 該各変換係数信号ごとに重み付け係数を変化させて該各
    変換係数信号の加算を行って各周波数帯域ごとの加算変
    換係数信号を得、 該加算変換係数信号を逆変換することにより画像の重ね
    合せを行うことを特徴とする請求項1記載の画像重ね合
    せ方法。
  4. 【請求項4】 前記多重解像度空間への変換をウェーブ
    レット変換により行うことを特徴とする請求項3記載の
    画像重ね合せ方法。
  5. 【請求項5】 前記放射線画像に含まれる前記被写体の
    部位に応じて到達線量の大きい部位の重み付け係数を到
    達線量の小さい部位に比して相対的に大きくさせること
    を特徴とする請求項1,3または4のいずれか1項記載
    の画像重ね合せ方法。
  6. 【請求項6】 前記各画像信号がアナログ画像信号であ
    り、 該各アナログ画像信号のすべてについて、該画像信号の
    周波数特性を変化させる重みを有するフィルタにより、
    該すべてのアナログ画像信号をフィルタリングし、 該フィルタリング後の各アナログ画像信号の加算を行う
    ことにより画像の重ね合わせを行うことを特徴とする請
    求項1記載の画像重ね合せ方法。
  7. 【請求項7】 前記各画像信号がアナログ画像信号であ
    り、 該各アナログ画像信号のうち所望とするアナログ画像信
    号について、該画像信号の周波数特性を変化させる重み
    を有するフィルタにより、該所望とするアナログ画像信
    号をフィルタリングし、 該フィルタリング後のアナログ画像信号とそれ以外のア
    ナログ画像信号との加算を行うことにより画像の重ね合
    わせを行うことを特徴とする請求項1記載の画像重ね合
    せ方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の画像信号を、放射線画像が蓄
    積記録された1枚の蓄積性蛍光体シートの両面または片
    面に励起光を走査して前記放射線画像を輝尽発光光に変
    換し、該蓄積性蛍光体シートの両面から得られる輝尽発
    光光を各々光電的に読み取ることにより得ることを特徴
    とする請求項1から7のいずれか1項記載の画像重ね合
    せ方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の画像信号を、放射線画像が蓄
    積記録された2枚の蓄積性蛍光体シートそれぞれに励起
    光を走査して前記放射線画像を輝尽発光光に変換し、該
    輝尽発光光を光電的に読み取ることにより得ることを特
    徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の画像重ね
    合せ方法。
  10. 【請求項10】 同一被写体を透過したそれぞれエネル
    ギー分布が互いに異なる放射線により得られた少なくと
    も一部の画像情報が互いに異なる複数の放射線画像を検
    出することにより得られた複数の画像信号に対して相対
    応する画素についての信号間で各画像信号に所定の重み
    付け係数を乗じて減算を行って前記被写体の特定構造物
    の画像を形成する差信号を得るエネルギーサブトラクシ
    ョン方法において、 前記各画像信号の周波数特性に応じて信号対ノイズ比の
    低い周波数成分の重み付け係数を信号対ノイズ比の高い
    周波数成分の重み付け係数に比して相対的に小さくさせ
    ることを特徴とするエネルギーサブトラクション方法。
  11. 【請求項11】 前記各画像信号にフーリエ変換を施し
    て該各画像信号を複数の周波数帯域ごとのフーリエ変換
    係数信号に分解し、 該各フーリエ変換係数信号ごとに重み付け係数を変化さ
    せて該各フーリエ変換係数信号の減算を行って各周波数
    帯域ごとの減算フーリエ変換係数信号を得、 該減算フーリエ変換係数信号を逆フーリエ変換すること
    により前記差信号を得ることを特徴とする請求項10記
    載のエネルギーサブトラクション方法。
  12. 【請求項12】 前記各画像信号を多重解像度空間に変
    換して該各画像信号を複数の周波数帯域ごとの変換係数
    信号に分解し、 該各変換係数信号ごとに重み付け係数を変化させて該各
    変換係数信号の減算を行って各周波数帯域ごとの減算変
    換係数信号を得、 該減算変換係数信号を逆変換することにより前記差信号
    を得ることを特徴とする請求項10記載のエネルギーサ
    ブトラクション方法。
  13. 【請求項13】 前記多重解像度空間への変換をウェー
    ブレット変換により行うことを特徴とする請求項12記
    載のエネルギーサブトラクション方法。
  14. 【請求項14】 前記放射線画像に含まれる前記被写体
    の部位に応じて到達線量の大きい部位の重み付け係数を
    到達線量の小さい部位に比して相対的に大きくさせるこ
    とを特徴とする請求項10,12または13のいずれか
    1項記載のエネルギーサブトラクション方法。
  15. 【請求項15】 前記各画像信号がアナログ画像信号で
    あり、 該各アナログ画像信号のすべてについて、該画像信号の
    周波数特性を変化させる重みを有するフィルタにより、
    該すべてのアナログ画像信号をフィルタリングし、 該フィルタリング後の各アナログ画像信号の減算を行う
    ことにより前記差信号を得ることを特徴とする請求項1
    0記載のエネルギーサブトラクション方法。
  16. 【請求項16】 前記各画像信号がアナログ画像信号で
    あり、 該各アナログ画像信号のうち所望とするアナログ画像信
    号について、該画像信号の周波数特性を変化させる重み
    を有するフィルタにより、該所望とするアナログ画像信
    号をフィルタリングし、 該フィルタリング後のアナログ画像信号とそれ以外のア
    ナログ画像信号との減算を行うことにより前記差信号を
    得ることを特徴とする請求項10記載のエネルギーサブ
    トラクション方法。
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