JP3432917B2 - 画像重ね合せ方法およびエネルギーサブトラクション方法 - Google Patents

画像重ね合せ方法およびエネルギーサブトラクション方法

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JP3432917B2
JP3432917B2 JP25090994A JP25090994A JP3432917B2 JP 3432917 B2 JP3432917 B2 JP 3432917B2 JP 25090994 A JP25090994 A JP 25090994A JP 25090994 A JP25090994 A JP 25090994A JP 3432917 B2 JP3432917 B2 JP 3432917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一被写体の放射線画
像情報を担持する複数の画像信号の加算処理を行う放射
線画像の重ね合せ処理方法、およびそれら複数の画像信
号の減算処理を行うエネルギーサブトラクション方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録された放射線画像を読み取って画像
信号を得、この画像信号に適切な画像処理を施した後、
画像を再生記録することが種々の分野で行われている。
たとえば、後の画像処理に適合するように設計されたガ
ンマ値の低いフイルムを用いてX線画像を記録し、この
X線画像が記録されたフイルムからX線画像を読み取っ
て電気信号に変換し、この電気信号(画像信号)に画像
処理を施した後コピー写真等に可視像として再生するこ
とにより、コントラスト,シャープネス,粒状性等の画
質性能の良好な再生画像を得ることの出来るシステムが
開発されている(特公昭61−5193号参照)。
【0003】また本出願人により、人体等の被写体の放
射線画像を一旦シート状の蓄積性蛍光体に撮影記録し、
蓄積性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝
尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読
み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて被写体
の放射線画像を写真感光材料等の記録材料、CRT等に
可視像として出力させる放射線記録再生システムがすで
に提案されている。
【0004】一方、従来より放射線画像の重ね合せ処理
が公知となっている(例えば特開昭56-11399号参照)。
一般に、放射線画像は診断用その他の目的に使われる
が、その使用に当たっては被写体の微小な放射線吸収差
を良好に検出することが要求される。放射線画像におけ
るこの検出の程度をコントラスト検出能または単に検出
能と呼ぶが、この検出能の高いもの程診断性能も高く、
実用的価値が高い放射線画像であると言うことができ
る。したがって診断性能を高めるため、この検出能を高
くすることが望まれるが、その最も大きな障害要因は各
種ノイズである。
【0005】例えば、前述した蓄積性蛍光体シートを使
用する放射線画像記録方式においては、放射線画像を蓄
積性蛍光体シートに蓄積記録し、読み出すステップにお
いて次のようなノイズの存在が認められている。
【0006】(1) 放射線の量子ノイズ (2) 蓄積性蛍光体シートの蛍光体塗布分布もしくは蛍光
体粒子分布の不均一によるノイズ (3) 蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された画像を輝尽発
光させる励起光のノイズ (4) 蓄積性蛍光体シートから発せられ、集光、検出され
る輝尽発光光のノイズ (5) 電気信号を増幅、処理する系における電気的ノイズ 重ね合せ処理は、これらのノイズを大幅に減少させ、被
写体の僅かな放射線吸収差も最終画像において明確に観
察可能にする、すなわち検出能を大幅に向上させる方法
である。重ね合せ処理の一般的な手法および作用は、次
の通りである。
【0007】複数枚重ねた記録媒体に放射線画像を撮影
(記録)し、この複数枚の記録媒体を読取処理にかけて
得た複数の画像信号を重ね合わせる。このことにより、
前述の各種ノイズを減少させることができる。すなわ
ち、前述の蓄積性蛍光体シートのノイズ(1) 〜(5) は各
シートの画像ごとに異なった分布を示す場合が多いの
で、これらのシートの画像を重ね合わせることにより各
ノイズは平均化され、重ね合せ処理をした画像ではノイ
ズが目立たなくなる。つまり、S/Nの良い画像信号が
得られる。X線フイルムに記録された放射線画像を読み
取った場合にも、これと同様のことがいえる。さらに詳
しくは、ノイズ(1) 〜(5) には、ポアソン統計で近似で
きるノイズが多く、特に放射線画像のノイズの中で支配
的な要因の1つである放射線の量子ノイズはその一例で
ある。ここで、ノイズがポアソン統計で近似できると
し、2枚の放射線画像がそれぞれ同等の大きさの信号S
1 、S2およびノイズN1 、N2 を持つと考えた場合、
2枚の画像を重ね合せた場合の信号とノイズの大きさ
は、信号がS1 +S2 、ノイズが
【0008】
【数1】
【0009】となる。一方、放射線画像の検出能を表す
一つの指標であるS/Nを考えた場合、重ね合せる前の
各画像のS/Nはそれぞれ、S1 /N1 、S2 /N2
あるが、重ね合せ処理を行うことによりS/Nは、
【0010】
【数2】
【0011】となり、S/Nが向上する。また、重ね合
せ処理を行う際に、それぞれの信号に重み付けを行うこ
とにより、S/N向上の最適化が可能である。
【0012】従来、実際にこの重ね合せ処理を行うため
には、例えば、蓄積性蛍光体シートを用いた場合には、
カセッテに蓄積性蛍光体シートを2枚重ねて入れて被写
体の撮影を行い、2枚の蓄積性蛍光体シートに対して通
常の読取処理と同様の読取処理を逐次行って2組の画像
信号を得る、という方法が用いられている。
【0013】一方、従来より放射線画像のサブトラクシ
ョン処理が公知となっている。この放射線画像のサブト
ラクションとは、異なった条件で撮影した2つの放射線
画像を光電的に読み出してデジタル画像信号を得た後、
これらのデジタル画像信号を両画像の各画素を対応させ
て減算処理し、放射線画像中の特定の構造物を抽出させ
る差信号を得る方法であり、このようにして得た差信号
を用いれば、特定構造物のみが抽出された放射線画像を
再生することができる。
【0014】このサブトラクション処理には、基本的に
次の2つの方法がある。即ち、(1) 造影剤注入により特
定の構造物が強調された放射線画像の画像信号から、造
影剤が注入されていない放射線画像の画像信号を引き算
(サブトラクト)することによって特定の構造物を抽出
するいわゆる時間サブトラクション処理と、(2) 同一の
被写体に対して相異なるエネルギー分布を有する放射線
を照射し、あるいは被写体透過後の放射線をエネルギー
分布状態を変えて2つの放射線検出手段に照射して、そ
れにより特定の構造物が異なる画像を2つの放射線画像
間に存在せしめ、その後この2つの放射線画像の画像信
号間で適当な重みづけをした上で引き算(サブトラク
ト)を行って、特定の構造物の画像を抽出するいわゆる
エネルギーサブトラクション処理である。
【0015】先に述べた蓄積性蛍光体シートを利用する
放射線画像情報記録再生システムにおいては、該シート
に記録されている放射線画像情報が直接電気的画像信号
の形で読み取られるから、このシステムによれば、上述
のようなサブトラクション処理を容易に行うことが可能
となる。この蓄積性蛍光体シートを用いてエネルギーサ
ブトラクション処理を行うためには、例えば2枚の蓄積
性蛍光体シートに特定の構造物に対応する部分の画像情
報が異なるように画像記録(撮影)を行えばよく、具体
的には、エネルギー分布の異なる2種類の放射線を用い
て撮影を2回行う2ショット法と、例えば被写体を透過
した放射線を、重ねられた2枚の蓄積性蛍光体シート
(それらは互いに接していても、離れていてもよい)に
同時に曝射することによって、両シートに互いにエネル
ギー分布が異なる放射線を照射するようにした1ショッ
ト法が知られている。
【0016】また、上述した輝尽発光光を光電的に読み
取る方法として、蓄積性蛍光体シートの両面に上述した
光電読取手段を配して、蓄積性蛍光体シートの両面また
は片面にのみ励起光を走査し、この励起光走査により発
せられた輝尽発光光を蓄積性蛍光体シートの両面から光
電的に読み取る両面集光読取方法が提案されている(例
えば、特開昭55-87970号参照)。このような両面集光読
取方法は、蓄積性蛍光体シートに1つの放射線画像が蓄
積記録され、かつ蓄積性蛍光体シートの両面から輝尽発
光光を集光するようにしたものであるので、集光効率が
向上し、S/N比がより改善される。
【0017】上記特開昭55-87970号に開示された両面集
光読取方法においては、透明なホルダー上に蓄積性蛍光
体シートを装着し、その上下に光電読取手段を配置して
いる。すなわち、ホルダーの上に配置された光電読取手
段では、蓄積性蛍光体シートの表面から射出した輝尽発
光光を読み取り、ホルダーの下に配置された光電読取手
段では、蓄積性蛍光体シートの裏面から射出した輝尽発
光光を読み取ることとなる。
【0018】上述した重ね合せを行うための画像信号を
得る場合、複数枚重ねた蓄積性蛍光体シートに放射線画
像を記録する必要があるが、この際、放射線源から遠い
位置にある蓄積性蛍光体シートから得られる画像信号
は、放射線源に最も近い位置にある上側シートから得ら
れる画像信号と同様に低周波数帯域における画像情報を
含むものであるが、上側シートと比べて高周波数帯域の
周波数依存特性が低く、高周波数帯域については画像情
報が少なくなり、散乱光等の影響によるノイズ成分が多
くなるものである。したがって、このまま上側、下側シ
ートから得られる画像信号に同一の重み付けをして加算
を行ったのでは、加算された画像信号の低周波数帯域で
は画質が良くなるが、高周波数帯域ではノイズ成分も強
調されてしまうため、画質の低下を招くこととなる。ま
た、前述した1枚の蓄積性蛍光体シートの両面から画像
信号を読み取る方法により得られたシートの上側から得
られた画像信号とシートの下側から得られた画像信号の
場合にも同様の画質の低下を招くおそれがある。さらに
は、前述したエネルギーサブトラクションを行う画像信
号についても画像信号の周波数帯域によりノイズ成分の
割合が異なるため、画像信号間で減算処理を行った際に
も、各画像信号の重み付け係数により差信号のノイズ成
分が多くなってしまう場合がある。
【0019】そこで本願出願人により、上述した重ね合
わせ画像、エネルギーサブトラクション画像において、
ノイズ成分が少ないより高画質の画像を得ることができ
る放射線画像の重ね合せ方法およびエネルギーサブトラ
クション方法が提案されている(特願平6-62476 号)。
【0020】この方法は、重ね合せを行う画像信号に対
して、フーリエ変換、ウェーブレット変換等を施し、複
数の周波数帯域ごとの変換係数信号を得、画像信号の周
波数特性に応じて信号対ノイズ比の低い周波数帯域の重
み付け係数を信号対ノイズ比の高い周波数帯域の重み付
け係数に比して相対的に小さくして各周波数帯域ごとの
係数信号を加算し、加算された係数信号に逆フーリエ変
換、逆ウェーブレット変換等を施して最終的な加算信号
を得るようにした方法である。この方法により画像の重
ね合せ処理、サブトラクション処理を行うことにより、
加算信号、またはサブトラクション信号は全周波数帯域
に亘って信号対ノイズ比が高いものとなり、この加算信
号またはサブトラクション信号を再生することにより高
画質の重ね合せ画像またはエネルギーサブトラクション
画像を得ることができる。
【0021】また近年、放射線画像情報の読取りにおい
ては、読取速度の高速化を図ることが望まれており、本
出願人により蓄積性蛍光体シートから高速に放射線画像
情報を読み取ることができる放射線画像情報読取装置が
提案されている(特開昭60-117212号、同62-90615
号)。
【0022】また、放射線画像の読取速度を向上させる
ために、蓄積性蛍光体にセリウムを付加する等の方法に
より、励起光に対する蓄積性蛍光体の応答速度すなわち
励起光の照射による輝尽発光光の発光レスポンスの速度
を高速にすることが行われている。この蓄積性蛍光体シ
ートの応答速度の高速化に伴い、シートを走査するため
の励起光としての光ビームを光出力にすることが必要と
なり、50mW以上の高出力のレーザ光により高速に蓄積
性蛍光体シートを走査するようにしている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た放射線画像の重ね合せ方法においては、フーリエ変換
やウェーブレット変換により画像信号を複数の周波数帯
域ごとの係数信号に分解したり、分解された周波数帯域
ごとに別に加算を行うものであるため、計算に長時間を
要し、また装置の構成も複雑なものとなり、さらには装
置のコストもかかるものとなっていた。
【0024】さらに、上述した放射線画像の高速読取り
を行う場合には、励起光は非常に高速でシート上を移動
するため、蓄積性蛍光体シートの蛍光体の種類によって
は、励起光がシートに照射されてもすぐには輝尽発光光
が発光せず、励起光の照射から輝尽発光光の発光までの
間に時間遅れが生じてしまうことがある。そしてこの時
間遅れにより、輝尽発光光の発光量が急激に変化する画
像の輪郭部分等において、画像信号の主走査方向におけ
る変化の仕方が鋭いはずのものが鈍くなってしまい、こ
の画像信号を再生することによって得られる再生画像が
主走査方向にボケてしまい、再生画像の鮮映度が劣化し
てしまう。
【0025】本発明は上記事情に鑑み、簡易、低コスト
かつ高速に周波数別に画像信号の加算を行うことができ
る放射線画像の重ね合せ方法を提供することを目的とす
るものである。
【0026】さらに、本発明は、上述した高速読取りを
行う場合であっても、再生画像の鮮映度が劣化しない放
射線画像の重ね合せ方法を提供することをも目的とする
ものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線画像
の重ね合せ方法は、前述した放射線画像の重ね合せ方法
において、加算信号の信号対ノイズ比が高くなるよう
に、複数の画像信号のうち所望とする画像信号について
該画像信号の周波数特性を変化させる画像処理を施した
後に、画像処理が施された画像信号とそれ以外の画像信
号との加算を行って加算信号を得ることを特徴とするも
のである。
【0028】また、複数の画像信号のすべてに前記画像
処理を施すようにしてもよい。
【0029】さらに、前記画像処理を、所定の周波数特
性を有するマスクフィルタにより所望とする画像信号を
コンボリューションするようにしてもよく、このコンボ
リューションを行う処理を、複数の画像信号のすべてに
対して施すようにしてもよい。
【0030】また、すべての画像信号のコンボリューシ
ョンを行う処理を行う場合において、マスクフィルタの
周波数特性の和を任意の周波数において1であるように
してもよい。
【0031】また、本発明による放射線画像の重ね合せ
方法においては、前記複数の画像信号を、前記放射線画
像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により
主副両方向に走査し、該励起光の走査により前記シート
から発せられる輝尽発光光を光電的に検出することによ
り得、前記画像処理が、前記画像信号の主走査方向の高
周波成分を強調する処理であることが好ましい。
【0032】さらに、この処理が、前記画像信号の主走
査方向の高周波成分を強調する周波数特性を有するマス
クフィルタにより前記所望とする画像信号を主走査方向
にコンボリューションする処理であることが好ましい。
【0033】さらに、単一のマスクフィルタにより各画
像信号にコンボリューションによる画像処理を施すよう
にしてもよい。
【0034】また、本発明による他の放射線画像の重ね
合せ方法は、同一被写体の放射線画像を担持する周波数
特性が互いに異なる2つの画像信号に対して相対応する
画素についての信号間で加算を行って加算信号を得る放
射線画像の重ね合せ方法において、前記加算信号の信号
対ノイズ比が高くなるように、2つの画像信号間の差信
号を求め、所定の周波数特性を有する2つのマスクフィ
ルタであって、周波数特性の和が任意の周波数において
1であるマスクフィルタのうちいずれか1のマスクフィ
ルタにより差信号をコンボリューションし、コンボリュ
ーションされた差信号と、2つの画像信号のうちいずれ
か1の画像信号との加算を行って前記加算信号を得るこ
とを特徴とするものである。
【0035】また、本発明によるエネルギーサブトラク
ション方法は、前述したエネルギーサブトラクション方
法において、差信号の信号対ノイズ比が高くなるよう
に、複数の画像信号のうち所望とする画像信号について
該画像信号の周波数特性を変化させる画像処理を施した
後に、画像処理が施された画像信号とそれ以外の画像信
号との減算を行って差信号を得ることを特徴とするもの
である。
【0036】また、本発明によるエネルギーサブトラク
ション方法においては、すべての画像信号に前記画像処
理を施すようにしてもよい。
【0037】さらに、前記画像処理を、所定の周波数特
性を有するマスクフィルタにより所望とする画像信号を
コンボリューションするようにしてもよく、このコンボ
リューションを行う処理を、複数の画像信号のすべてに
対して施すようにしてもよい。
【0038】
【作用および発明の効果】本発明による放射線画像の重
ね合せ方法は、加算信号の信号対ノイズ比が高くなるよ
うに、複数の画像信号のうち所望とする画像信号につい
て画像信号の周波数特性を変化させるようにしたため、
周波数特性をノイズを低減させるように変化させること
により、加算信号により表される放射線画像はノイズが
低減された高画質なものとなる。しかも本発明による放
射線画像の重ね合せ方法は、画像信号の全体に周波数特
性を変化させる処理を施すようにしたため、ウェーブレ
ット変換、フーリエ変換等の周波数変換を行う必要がな
くなり、計算量を少なくすることができ、また、本発明
を実施するための装置の構成を簡易なものとすることが
できる。したがって、高速かつ低コストで高画質の重ね
合せ画像を得ることができる。
【0039】また、複数の画像信号のすべてに周波数特
性を変化させる画像処理を施すようにすれば、より高画
質の加算信号を得ることができる。
【0040】さらに、画像処理を、マスクフィルタを用
いて画像信号をコンボリューションすることにより行う
ようにすれば、マスクフィルタの周波数特性を変化させ
ることにより、様々な周波数帯域のレスポンスが強調さ
れた加算信号を得ることができる。
【0041】また、複数の画像信号のすべてにコンボリ
ューションによる画像処理を施すようにすれば、より高
画質の加算信号を得ることができる。
【0042】さらに、マスクフィルタの周波数特性の和
を任意の周波数において1となるようにすれば、画像処
理が施された画像信号を加算する際に、各画像信号の加
算比が1となるような重み付けをする必要がなくなるた
め、より演算時間を短縮して高速に加算処理を行うこと
ができる。
【0043】また、マスクフィルタを単一なものとする
ことにより、本発明による重ね合せ方法を実施するため
の装置に記憶すべきマスクフィルタの数を少なくするこ
とができるため、装置の構成をより簡易なものとするこ
とができる。
【0044】さらに、2つの画像信号の重ね合せを行う
場合において、2つの画像信号間の差信号を求め、周波
数特性の和が任意の周波数において1である2つのマス
クフィルタのうちいずれか1のフィルタにより差信号を
コンボリューションし、コンボリューションされた差信
号と、2つの画像信号のうちいずれか1の画像信号との
加算を行う、すなわち、式 Sadd =S1 +F2 *(S2 −S1 ) Sadd =S2 +F1 *(S1 −S2 ) 但し、S1 ,S2 :画像信号 Sadd :加算信号 F1 ,F2 :F1 +F2 =1となるマスクフィルタ により表される処理を行うことにより、画像信号の差分
値に対して1回のみコンボリューションを行えばよく、
また装置に記憶すべきマスクフィルタの数を少なくする
ことができるため、演算時間を短縮できるとともに、装
置の構成をより簡易なものとすることができる。
【0045】また、複数の画像信号を、放射線画像が蓄
積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により主副両
方向に走査し、これによりシートから発せられる輝尽発
光光を光電的に検出することにより得た場合に、画像信
号の主走査方向の高周波成分を強調する周波数特性を有
するマスクフィルタにより画像信号を主走査方向にコン
ボリューションするとともに、所定の周波数特性を有す
るマスクフィルタにより画像信号を副走査方向にコンボ
リューションする処理とすることにより、画像信号の主
走査方向の高周波成分すなわち、画像の輪郭部分等の画
像信号値が急激に変化する部分の強調がなされることと
なる。これにより、高速読取りにより鈍ってしまった画
像信号が大きく変化している部分が強調されて、変化の
鈍りが解消された画像信号が得られることとなる。した
がって、高速読取りを行う場合であっても、画像信号の
主走査方向におけるボケがなくなり、鮮映度が高い再生
画像を得ることができる。
【0046】さらに、上述した処理をエネルギーサブト
ラクション処理にも適用することができ、これによりサ
ブトラクション処理により得られる差信号はノイズが低
減された高画質なものとなるとともに、画像信号の全体
に周波数特性を変化させる処理を施すようにしたため、
ウェーブレット変換、フーリエ変換等の周波数変換を行
う必要がなくなって、計算量を少なくすることができ、
また、本発明を実施するための装置の構成を簡易なもの
とすることができる。したがって、高速かつ低コストで
高画質のサブトラクション画像を得ることができる。
【0047】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。
【0048】図1は2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4
Bに、同一の被写体1を透過した放射線2を照射する状
態を示す図である。
【0049】図1に示すように、第1の蓄積性蛍光体シ
ート4Aおよび第2の蓄積性蛍光体シート4Bとを重ね
て配置して放射線源3を駆動させて、放射線2を発せし
めることにより、被写体1を透過した放射線2は第1お
よび第2の蓄積性蛍光体シート4A,4Bに照射され、
被写体1の放射線画像情報が蓄積性蛍光体シート4Aお
よび4Bに蓄積記録される。
【0050】次にこれら2枚の蓄積性蛍光体シート4
A,4Bから、図2に示すような画像読取手段によって
放射線画像を読み取り、放射線画像を表す画像信号を得
る。まず蓄積性蛍光体シート4Aをエンドレスベルト等
の副走査手段9により矢印Yの方向に移動させながら、
レーザー光源10からのレーザー光(励起光)11を走査ミ
ラー12によって偏向させ、シート4A上をX方向に主走
査させる。この励起光走査により蓄積性蛍光体シート4
Aからは、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた
光量の輝尽発光光13が発散する。輝尽発光光13は、透明
なアクリル板を成形して作られた光ガイド14の一端面か
らこの光ガイド14の内部に入射し、その中を全反射を繰
返しながら進行して、フォトマルチプライヤー(光電子
増倍管)15に受光される。このフォトマルチプライヤー
15からは、輝尽発光光13の発光量に対応した、つまり上
記画像情報を示す出力信号SA が出力される。
【0051】この出力信号SA は、対数増幅器16により
対数増幅され、次いでA/D変換器17に入力されて、デ
ジタルの画像信号S1 に変換される。この画像信号S1
は例えば磁気ディスク等の記憶媒体18に記憶される。次
に、全く同様にして、もう1枚の蓄積性蛍光体シート4
Bの記録画像情報が読み出され、その画像情報を示すデ
ジタルの画像信号S2 が記憶媒体18に記憶される。
【0052】次に、このようにして得られた画像信号S
1 ,S2 を用いて重ね合せ処理を行う。図3はこの重ね
合せ処理を行う装置の概略を表す図である。まず記憶媒
体18内の画像ファイル18Aと画像ファイル18Bとから画
像信号S1 ,S2 が読み出され画像処理手段19に入力さ
れる。画像処理手段19に入力された2つの画像信号
1 ,S2 には後述する画像処理が施され、この画像処
理が施された画像信号S1,,S2 は重み付け重ね合せ
手段20に入力されて重み付け加算がなされる。重み付け
重ね合せ手段20において得られた加算信号はCRT等の
再生手段21に入力され、ここで可視像として再生され
る。
【0053】以下、画像処理手段19において行われる画
像処理について詳細に説明する。
【0054】2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4Bから
得られた画像信号S1 ,S2 はそれぞれ図4(a) ,(b)
に示すようなMTF(Modulation Transfer Function,
周波数依存特性)を有する。ここで、MTFはCTFチ
ャート(Contrast TransferFunction Chart)を撮影す
ることにより得られるものであり、各周波数帯域ごとの
画像信号の解像度の大きさを表すものである。すなわ
ち、図4(a) に示すように、放射線源に近い上側の蓄積
性蛍光体シート4Aから得られた画像信号S1 のMTF
1は、高周波数帯域まで大きいため、画像信号S1 は高
周波数帯域までの情報を有するが、図4(b) に示すよう
に放射線源から遠い下側の蓄積性蛍光体シート4Bから
得られた画像信号S2 は、画像信号S1 と比較して高周
波数帯域側のMTF2が小さくなっており、高周波数帯
域の情報が少ないものとなっている。これは、画像信号
2 の高周波数帯域の情報は、撮影時の散乱線等のノイ
ズを含み、さらには、高周波数帯域側の細い情報が放射
線源から遠いことに起因してボケていることを表してい
る。
【0055】ここで、図4(a) ,(b) に示す各画像信号
の周波数特性MTF1,2と併せて、図5(a) ,(b) に
示すように各画像信号のノイズの周波数特性Winer1,
2を求める。ここでWiner1,2は、前述した撮影装置
において、ノイズだけの画像すなわち被写体を置かない
で撮影を行って得られたノイズ画像信号の周波数ごとの
分散を求めたものをいう。すなわち、Winer1について
みてみると、ノイズだけの画像を撮影して上側の蓄積性
蛍光体シート4Aから得られたノイズ画像信号Image
(X1)について、
【0056】
【数3】
【0057】により得られたRMS2 を周波数ごとにプ
ロットしたものが図5(a) ,(b) に示すWiner1,2と
なる。
【0058】ここで、DQEなる指標を以下の式(4) に
より定義する
【0059】
【数4】
【0060】式(4) はDQEが高いほど画質が良いこと
を示している。また、DQEは周波数ごとに求められる
ものである。
【0061】次いで、上述したMTF1,2を得た際に
得られる周波数帯域ごとの画像信号Image 1(X),Im
age 2(X)を、 add (t) =t×Image 1(X)+(1−t)×Image 2(X) …(5) により加算した加算画像信号add(t)について、tを0〜
1まで変化させることにより、複数の加算画像信号add
(t)を得る。そして、各加算画像信号add(t)についてD
QEを算出し、tを横軸に、DQEを縦軸にとってプロ
ットする。図6は、複数の周波数帯域ごとに得られた、
tとDQEとの関係を表す図である。図6(a) 示すよう
に周波数帯域が1サイクル/mm(図6においては1c/
mmと表示)のときはt=0.5 でDQEが最大となる。ま
た、図6(b) に示すように、周波数帯域が2サイクル/
mmのときはt=0.7 で、図6(c) に示すように周波数帯
域が3サイクル/mmのときはt=0.9 でそれぞれDQE
が最大となる。
【0062】このように、各周波数帯域ごとにDQEが
最大となるtをプロットすることにより、図7に示すよ
うに重み付けテーブルを得ることができる。
【0063】このように、画像の指標であるDQEを最
大にする最適加算比は周波数ごとに異なるものである。
また前述したように、画像信号S1 は高周波数帯域まで
の情報を有するが、画像信号S2 の高周波数帯域の情報
はノイズ成分が支配的である。したがって、画像信号S
1 については高周波数帯域のレスポンスを強調し、画像
信号S2 については高周波数帯域のレスポンスを低下さ
せて各画像信号S1 ,S2 を加算すれば、得られた加算
信号により表される放射線画像は高画質のものとなる。
【0064】以下、画像信号S1 ,S2 に施す処理につ
いて説明する。
【0065】まず、画像信号S1 についてのボケマスク
信号Sus1 が求められる。このボケマスク信号Sus1
求め方を以下に説明する。
【0066】図8は、画像上の画素と、各画素に対応す
る画像信号S1 を表した図である。図にSij等で示した
記号が対応する各画素点の画像信号S1 を表している。
【0067】
【数5】
【0068】の演算により求められ、この演算を各画素
について行うことにより画像全体のボケマスク信号Sus
1 が求められる。なお、M、Nは、画像信号S1 を得る
際のサンプリング間隔や放射線画像の性質、所望とする
画像処理の種類等により適宜選択される値である。
【0069】ボケマスク信号Sus1 が求められると、こ
のボケマスク信号Sus1 について以下の処理を行う。
【0070】 S1 ′=S1 +β(S1 −Sus1 ) …(7) 但し、β:強調度 すなわち、βの値を画像信号S1 の高周波数帯域を強調
する値として式(7) に示す処理を画像信号S1 に施すこ
とにより、画像信号S1 の高周波数成分が強調される。
【0071】一方、画像信号S2 については、前述した
式(6) により画像信号S2 のボケマスク信号Sus2 を求
め、これを画像信号S1 と加算すべき信号S2 ′とす
る。すなわち、画像信号S2 について式(6) によりボケ
マスク処理を施して画像をぼかすことにより、画像信号
2 の高周波数帯域のレスポンスが低下せしめられるこ
ととなる。
【0072】このようにして画像信号S1 ,S2 に処理
を施して画像信号S1 ′,S2 ′を得、各画像信号
1 ′,S2 ′に所定の重み付けをして加算を行う。す
なわち、 Sadd =t・S1 ′+(1−t)・S2 ′ …(8) により加算信号Sadd を得る。
【0073】このようにして得られた加算信号Sadd は
再生手段21において可視像として再生される。
【0074】この再生手段は、CRT等のディスプレイ
手段でもよいし、感光フイルムに光走査記録を行う記録
装置であってもよい。
【0075】このようにして、2つの画像信号S1 ,S
2 にそれぞれ前述したような周波数強調処理、ボケマス
ク処理を施して加算することにより、実質的に画像信号
の低周波数帯域と高周波数帯域とで異なる加算比で加算
を行ったこととなり、下側の蓄積性蛍光体シートから得
られたノイズ成分が低減されるとともに、上側の蓄積性
蛍光体シートから得られた高周波数帯域の情報が強調さ
れた加算信号が得られるため、この加算信号を再生する
ことにより、ノイズ成分が低減された高画質の再生画像
を得ることができる。さらに、ウェーブレット変換やフ
ーリエ変換のように計算量も多くないため、本発明を実
施するための装置の構成を簡易なものとすることがで
き、さらには高速に演算を行うことが可能となる。
【0076】なお、上述した実施例においては、画像信
号S1 ,S2 の双方に上述したような画像処理を施すよ
うにしているが、これに限定されるものではなく、画像
信号S1 ,S2 のいずれか一方にのみ上述した画像処理
を施すようにしてもよいものである。しかしながら、画
像信号S1 ,S2 の双方に画像処理を施した方がより高
画質の加算信号を得ることができる。
【0077】また、上述した実施例においては、前述し
た式(6) によりある所定範囲のマスク内の画像信号の平
均値を用いてボケマスク信号を求めるようにしている
が、これに限定されるものではなく、画像信号の周波数
特性を制御するために、マスク内の重み付け平均値であ
ってもよく、マスク内の中央値(メジアン)等、マスク
内の画素値を代表する値であれば、いかなる値を用いる
ようにしてもよい。
【0078】さらに、上述した実施例においては、ボケ
マスク処理、ボケマスク信号を用いた周波数強調処理に
より画像信号S1 ,S2 に対して画像処理を施すように
しているが、他の周波数処理を施すようにしてもよいも
のである。以下、本発明の他の実施例による画像信号S
1 ,S2 に対する周波数処理について説明する。
【0079】前述した画像信号S1 ,S2 に施す画像処
理をF1 (S1 ),F2 (S2 )で表すと、前述した実
施例における加算信号Sadd は、 Sadd =t・F1 (S1 )+(1−t)・F2 (S2 ) …(9) となる(すなわちF1 (S1 )は、画像信号S1 に対す
る周波数強調処理を、F2 (S2 )は画像信号S2 に対
するボケマスク処理を表している)。ここで、各処理F
1 (S1 ),F2 (S2 )のかわりに、所定の周波数特
性を有するマスクにより各画像信号S1 ,S2 をコンボ
リューション、すなわち畳み込み積分することにより、
加算信号の信号対ノイズ比を高くすることができる。
【0080】すなわち、図9に示す特性のフィルタF2
を用いて画像信号S2 をコンボリューションするととも
に、図10に示す特性のフィルタF1 を用いて画像信号S
1 をコンボリューションすることにより、画像信号S2
の高周波数帯域のレスポンスが抑えられ、画像信号S1
の高周波数帯域のレスポンスが強調されるため、得られ
る加算信号は高画質なものとなる。
【0081】ここで、図9に示す特性のフィルタF2
1次元フィルタであり、 -2/122 -1/122 17/122 31/122 17/122 -1/122 -2
/122 の係数を持ち、この1次元フィルタをA(i) 、2次元フ
ィルタをAijとすると、画像に対しては Aij=A(i) ×A(j) /ΣA(n) …(10) となる。すなわち、1次元フィルタA(i) により画
像信号をX方向にコンボリューションした後、Y方向に
もコンボリューションし、その後1次元フィルタの総和
で割ることにより2次元フィルタは求められ、その値は
以下に示すものとなる(このとき総和は59/122であ
る)。
【0082】
【表1】
【0083】また、前述した実施例においては、式(9)
に示すように、tおよび1−tを処理後の画像信号に乗
じることにより、加算信号の信号値のエネルギーが元の
画像信号S1 ,S2 と同一となるようにしているが、本
実施例においては、フィルタF1 ,F2 の値を適当に設
定することにより式(9) に示すように処理後の画像信号
にt,1−tを乗じなくてもよいようにすることができ
る。すなわち、本実施例においては、F1 +F2 =1と
なるようにフィルタF1 ,F2 を設定するものである。
ここで、フィルタF2 の値は上述したように設定されて
いるため、F1+F2 =1となるようなフィルタF1
値の設定について説明する。
【0084】まず、フィルタF2 の中央値(31/122)を
(1−中央値)に変更するとともに、それ以外のフィル
タ要素の符号を反転する。これにより、フィルタF1 は 2/122 1/122 -17/122 91/122 -17/122 1/122
2/122 となり、図10に示すような特性を表すものとなる。
【0085】また、2次元のフィルタも同様にして、フ
ィルタの中央値を(1−中央値)に変更し、それ以外の
フィルタ要素の符号を反転することにより、以下に示す
ような2次元フィルタF1 を得ることができる。
【0086】
【表2】
【0087】このようにして、フィルタF1 ,F2 を得
た後、このフィルタF1 ,F2 により2つの画像信号S
1 ,S2 のそれぞれをコンボリューションした後、加算
することにより前述した実施例と同様に画像信号S1
高周波数帯域のレスポンスが強調された画像信号を得る
ことができる。この処理を式で表すと以下に示す式(11)
となる。
【0088】 Sadd =F1 *S1 +F2 *S2 …(11) 但し F1 *S1 はS1 をF1 でコンボリューションす
ることを意味する。
【0089】このようにフィルタF1 ,F2 により画像
信号S1 ,S2 をコンボリューションして加算を行うこ
とにより、 0cycleについては S1 :S2 =0.516 :0.484 1cycleについては S1 :S2 =0.515 :0.485 2cycleについては S1 :S2 =0.620 :0.380 3cycleについては S1 :S2 =0.845 :0.155 4cycleについては S1 :S2 =0.987 :0.013 となる周波数別加算を行うことができる。
【0090】なお、画像信号S1 ,S2 について、X方
向とY方向とで周波数特性が異なる場合、各方向につい
て異なるフィルタを用いてもよい。この場合、異なるフ
ィルタをB(j) とすると、2次元のフィルタは、 Aij=A(i) ×B(j) /ΣA(n) …(12) により表される。但し、この場合、ΣA(n) =ΣB(n)
とする必要がある。
【0091】一方、装置のメモリの容量が少ない等装置
の制約上、2つの画像信号S1 ,S2 に同一のフィルタ
によりコンボリューションを行いたいときがある。この
場合 Sadd =(S1 −F2 *S1 )+(F2 *S2 ) …(13) (F1 +F2 =1であるから、 Sadd =F1 *S1 +F2 *S2 =(1−F2 )*S1 +F2 *S2 =(S1 −F2 *S1 )+(F2 *S2 )) または Sadd =F1 *S1 +S2 −F1 *S2 …(14) により加算を行えば、メモリに記憶させるフィルタを1
種類のみとすることができるとともに、前述した式(11)
と全く同一の結果を得ることができる。
【0092】さらにこの場合、式(13)および式(14)を変
形すると、 Sadd =S1 +F2 *(S2 −S1 ) …(13 ′) Sadd =S2 +F1 *(S1 −S2 ) …(14 ′) となる。すなわち、画像信号S1 ,S2 の差分を求め、
この差分値をフィルタF1 またはフィルタF2 でコンボ
リューションすることにより前述した式(11)と全く同一
の結果を得ることができる。この場合、装置のメモリに
記憶させるフィルタは前述した式(13),(14)による演算
の場合と同様に1種類のみでよく、さらに画像信号
1 ,S2 の差分値に対してフィルタF1 またはF2
より1回のみコンボリューションを行えばよいため、装
置の構成を簡易かつ低コストにすることができるととも
に、高速に演算を行うことができる。
【0093】なお、上述した実施例において、画像信号
1 ,S2 を所望とする加算比で加算するためには、フ
ィルタF2 の周波数特性が所望の特性となるフィルタ係
数を決定する必要がある。以下、フィルタF2 の決定方
法について説明する。
【0094】まず、第1の方法として、任意のフィルタ
係数をフーリエ変換し、その周波数特性をみる。そし
て、フィルタ係数を変更してさらにフーリエ変換して周
波数特性をみる。このようにフィルタ係数を微調整し
て、試行錯誤を繰返して所望の周波数特性を有するよう
にフィルタを決定する方法が挙げられる。
【0095】また、第2の方法として、所望とする周波
数とレスポンスの組から、フィルタ係数を未定数として
方程式を作成することにより、連立一次方程式が得られ
る。ここで、周波数をf0 、所望とするレスポンスをR
(f0 )、フィルタ係数をa(n) 、サンプリング間隔を
Tとすると、
【0096】
【数6】
【0097】なる連立1次方程式が求められる。この連
立1次方程式を満たすフィルタ係数a(n) の近似解を最
小二乗法により決定する方法が挙げられる。
【0098】また、上述した実施例においては、図1に
示すように、2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4Bに放
射線画像を蓄積記録し、各シート4A,4Bから得られ
た画像信号を加算するようにしているが、図11に示すよ
うに、1枚の蓄積性蛍光体シート4Aに被写体1の放射
線画像を蓄積記録し、図12に示すようにこの蓄積性蛍光
体シート4Aの両面から重ね合せるべき画像信号を得る
ようにしてもよい。以下この両面読取りの詳細について
説明する。
【0099】蓄積性蛍光体シート4Aが、図示しないモ
ーターにより回転せしめられるエンドレスベルト9a、9b
上に配置される。このシート4Aの上方には、励起光を
発するレーザ光源10と、そのレーザ光を反射偏向し、シ
ート4Aを主走査する図示しないモータにより回転され
る回転多面鏡12が配されている。さらに、レーザ光が走
査される位置の上方には、そのレーザ光の走査により発
せられる輝尽発光光を上方より集光する集光ガイド14a
が近接して配置され、その位置の下方には、輝尽発光光
を下方より集光する集光ガイド14b がシート4Aと垂直
に配置されている。各集光ガイド14a 、14b は、それぞ
れ輝尽発光光を光電的に検出するフォトマルチプライヤ
(光電子増倍管)15a 、15b が接続されている。このフ
ォトマルチプライヤ15a 、15b は対数増幅器16a 、16b
に接続され、さらにこの対数増幅器16a 、16b は、A/
D変換器17a 、17b に接続され、各A/D変換器17a 、
17b は記憶装置18に接続されている。
【0100】被写体の放射線画像が蓄積記録された蓄積
性蛍光体シート4Aがエンドレスベルト9a、9b上にセッ
トされる。この所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シ
ート4Aは、エンドレスベルト9a、9bにより、矢印Y方
向に搬送(副走査)される。一方、レーザ光源10から発
せられた光ビームは図示しないモータにより駆動され矢
印方向に高速回転する回転多面鏡12によって反射偏向さ
れ、シート4Aに入射し副走査の方向(矢印Y方向)と
略垂直な矢印X方向に主走査する。この光ビームが照射
されたシート4Aの箇所からは、蓄積記録されている放
射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光13a 、13b (こ
こで、輝尽発光光13a 、13b はそれぞれシート4Aの上
方、下方から発散されたものを示す)が発散される。こ
の輝尽発光光13a は集光ガイド14a によって導かれ、フ
ォトマルチプライヤ(光電子増倍管)15a によって光電
的に検出される。入射端面から集光ガイド15a 内に入射
した輝尽発光光13a は、集光ガイド14a の内部を全反射
を繰り返して進み、出射端面から出射してフォトマルチ
プライヤ15a に受光され、放射線画像を表す輝尽発光光
13a の光量がフォトマルチプライヤ15a によって電気信
号に変換される。同様に、輝尽発光光13b は集光ガイド
14b によって導かれ、フォトマルチプライヤ(光電子増
倍管)15b によって光電的に検出される。
【0101】フォトマルチプライヤ15a から出力された
アナログ出力信号SAは対数増幅器16a で対数的に増幅
されてA/D変換器17a に入力され、ここでデジタル画
像信号S1 に変換されて記憶媒体18に入力される。また
同様に、フォトマルチプライヤ15b から出力されたアナ
ログ出力信号SBは対数増幅器16b で対数的に増幅され
てA/D変換器17b に入力され、ここでデジタル画像信
号S2 に変換されて記憶媒体18に入力される。これら2
つの画像信号S1 ,S2 は、前述した実施例と同様に加
算され、このようにして得られた加算信号を再生するこ
とにより、前述した実施例と同様にノイズ成分が低減さ
れた高画質の再生画像を得ることができる。
【0102】なお、上述した両面読取りの実施例では、
1つのレーザ光源10から発生せられたレーザ光により蓄
積性蛍光体シート4Aを走査するようにしているが、こ
れに限定されるものではなく、図13に示すように蓄積性
蛍光体シート4Aの表面側、裏面側にそれぞれレーザ光
10a ,10b 、回転多面鏡12a ,12b をそれぞれ設け、蓄
積性蛍光体シート4Aの両面にレーザ光を走査して輝尽
発光光を読み取って2つの画像信号を得るようにしても
よい。
【0103】また、上述した実施例において、読取速度
向上のための高速読取りを行う場合は、励起光は非常に
高速でシート上を移動するため、蓄積性蛍光体シートの
蛍光体の種類によっては、励起光がシートに照射されて
もすぐには輝尽発光光が発光せず、励起光の照射から輝
尽発光光の発光までの間に時間遅れが生じてしまうこと
がある。そしてこの時間遅れにより、輝尽発光光の発光
量が急激に変化する、例えば画像の輪郭部分において、
画像信号の主走査方向における変化の仕方が鋭いはずの
ものが鈍くなってしまい、この画像信号を再生すること
によって得られる再生画像が主走査方向にボケてしま
い、再生画像の鮮映度が劣化してしまうことがある。
【0104】このような場合であっても、本発明による
放射線画像の重ね合せ方法は、フィルタの種類を変化さ
せることによって、再生画像の鮮鋭度が劣化しないよう
にすることができる。以下、その詳細について説明す
る。
【0105】図1に示すように、互いに重ね合せられた
2枚の蓄積性蛍光体シート4A,4Bに放射線画像を同
時に照射して、各シート4A,4Bに放射線画像を蓄積
記録し、図2に示すような放射線画像読取装置により各
シート4A,4Bから得られた2つの画像信号S1 ,S
2 については、画像信号S1 が高周波数帯域までの情報
を有するが、画像信号S2 の高周波数帯域の情報はノイ
ズ成分が支配的である。
【0106】さらに、励起光をシート4A,4B上にお
いて高速(例えば読出しクロックが1.2 μs以上)に走
査して放射線画像の読取りを行った場合は、画像信号S
1 ,S2 の主走査方向(X方向)における信号値の変化
の仕方が鈍くなり、再生画像が主走査方向にボケてしま
う。とくにこのボケは、画像信号S1 について顕著であ
る。
【0107】したがって、再生画像の主走査方向のボケ
をなくすためには、高周波成分の情報を有する画像信号
1 の高周波成分を主走査方向にさらに強調するよう
に、画像信号S1 については主副両方向でそれぞれ異な
るフィルタにより画像信号S1をコンボリューションす
る。高周波帯域についてはノイズ成分が支配的な画像信
号S2 は、画像信号は主副両方向とも画像信号S1 と比
べて変化の程度が鈍くなっているため、高周波成分のレ
スポンスを抑えるようなフィルタにより画像信号を主副
両方向にコンボリューションする。
【0108】すなわち、画像信号S1 の主走査方向につ
いては、図14に示すようなフィルタF3 により、画像信
号S2 の主走査方向については、図15に示すようなフィ
ルタF4 によりコンボリューションを行う。また、画像
信号S1 ,S2 の副走査方向については前述した図9お
よび図10に示すようなフィルタF1 ,F2 を用いる。こ
こで、図14および図15に示すフィルタF3 ,F4 を加算
した結果(F3 +F4))はその高周波帯域において図1
6に示すように、F3 +F4 >1となっている。したが
って、画像信号S1 ,S2 の主走査方向に、図14および
図15に示すようなフィルタF3 ,F4 によりコンボリュ
ーションを行うことにより、処理後の画像信号S1 ,S
2 を加算すると、加算信号の主走査方向については、高
周波帯域が非常に強調されることとなる。よって、画像
信号S1 ,S2 が主走査方向にボケている場合であって
も、加算信号の高周波成分が強調されて、主走査方向の
鮮鋭度が高くなり、再生画像が主走査方向にボケがなく
なって高鮮鋭度のものとなる。
【0109】また、上述した両面読取りを行う際に、高
速に主走査を行う場合は、重ね合せ処理の場合と同様
に、画像信号の主走査方向の高鮮鋭度が低下する。した
がって、シートの両面から得られる画像信号S1 ,S2
に対してフィルタF3 ,F4 によりコンボリューション
を施すようにすれば、重ね合せの場合と同様に主走査方
向におけるボケのない、高鮮鋭度の再生画像を得ること
ができる。
【0110】また、上述した実施例においては、2つの
画像信号の重ね合せについて説明しているが、これに限
定されるものではなく、2つの画像信号の差分をとるエ
ネルギーサブトラクションを行う場合であっても上述し
たような処理を施すことができるものである。以下、エ
ネルギーサブトラクションを行う画像信号に対する画像
処理について説明する。
【0111】図17は2枚の蓄積性蛍光体シート4A、4
Bに、同一の被写体1を透過した放射線2を、それぞれ
エネルギーを変えて照射するいわゆる1ショットエネル
ギーサブトラクションを行うための撮影装置を表す図で
ある。すなわち放射線源3に近い方に第1の蓄積性蛍光
体シート4Aを配し、それと若干の距離を置いて第2の
蓄積性蛍光体シート4Bを配置し、これら両シート4
A、4Bの間には、銅板からなる放射線エネルギー変換
用フィルター5を配置して、放射線源3を駆動させる。
それにより、第1の蓄積性蛍光体シート4Aには、いわ
ゆる軟線も含む放射線2により、一方第2の蓄積性蛍光
体シート4Bには、軟線が除かれた放射線2により被写
体1の放射線画像が蓄積記録される。このとき蓄積性蛍
光体シート4Aと4Bとで被写体1の位置関係は同じと
する。
【0112】上記のようにすると、2枚の蓄積性蛍光体
シート4A、4Bには、被写体1の少なくとも一部の画
像情報が互いに異なる放射線画像が記録される。
【0113】次にこれら2枚の蓄積性蛍光体シート4
A、4Bから、前述した図に示すような画像読取手段に
よって放射線画像を読み取り、画像を表すデジタル画像
信号S1 ,S2 を得る。得られた画像信号S1 ,S2
記憶媒体18に記憶される。
【0114】次に、上述のようにして得られたデジタル
画像信号S1 ,S2 を用いてサブトラクション処理を行
う。図18はこのサブトラクション処理の概略を表す図で
ある。まず記憶媒体18内の画像ファイル18Aと、画像フ
ァイル18Bから、画像信号S1 ,,S2 が読み出され、
画像処理手段30に入力される。画像処理手段30は入力さ
れた2つの画像信号S1 ,S2 に対して前述した重ね合
せの実施例と同様に、ボケマスク、周波数強調処理、マ
スクによるコンボリューション等の処理を施し、これに
より処理済画像信号S1 ′,S2 ′を得る。
【0115】このようにして得られた画像信号S1 ′,
2 ′は重み付けサブトラクション手段31に入力され
る。重み付けサブトラクション手段31においては、各画
像信号S1 ′,S2 ′についてサブトラクション処理が
なされる。
【0116】すなわち、以下の式(16) Ssub =t1 ・S1 ′−t2 ・S2 ′ …(16) 但し t1 ,t2 :重み付け係数 により重み付けサブトラクション処理を行う。
【0117】重み付けサブトラクション手段31において
サブトラクション信号Ssub が得られると、このサブト
ラクション信号Ssub は再生手段32に入力されて可視像
として再生される。
【0118】なお、上述したサブトラクション処理の実
施例では、1回の撮影によりサブトラクションすべき2
つの画像信号S1 ,S2 を同時に得るいわゆる1ショッ
ト法について説明したが、これに限定されるものではな
く、2枚の蓄積性蛍光体シートにエネルギー分布が異な
る2種類の放射線を用いて撮影を行ういわゆる2ショッ
ト法により得られた画像信号をサブトラクション処理す
る場合についても、本願発明は適用できるものである。
【0119】このようにして、2つの画像信号S1 ,S
2 にそれぞれ前述したような周波数強調処理、ボケマス
ク処理、フィルタによるコンボリューションの処理を施
してサブトラクション処理することにより、実質的に画
像信号の低周波数帯域と高周波数帯域とで異なる比で減
算を行ったこととなり、下側の蓄積性蛍光体シートから
得られたノイズ成分が低減されるとともに、上側の蓄積
性蛍光体シートから得られた高周波数帯域の情報が強調
された加算信号が得られるため、この加算信号を再生す
ることにより、ノイズ成分が低減された高画質の再生画
像を得ることができる。さらに、ウェーブレット変換や
フーリエ変換のように計算量も多くないため、本発明を
実施するための装置の構成を簡易なものとすることがで
き、さらには高速に演算を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像重ね合せ方法の実施例におけ
る蓄積性蛍光体シートへの放射線画像の記録を説明する
ための図
【図2】蓄積性蛍光体シートからの放射線画像の読取り
を行うための装置を表す図
【図3】重ね合せを行う装置の該略を表す図
【図4】画像信号のMTFを表す図
【図5】画像信号のウィナースペクトルを表す図
【図6】複数の周波数帯域におけるDQEを表す図
【図7】重み付けテーブルを表す図
【図8】ボケマスク信号の作成を説明するための図
【図9】画像信号S2 に用いるフィルタの周波数特性を
表す図
【図10】画像信号S1 に用いるフィルタの周波数特性
を表す図
【図11】一枚の蓄積性蛍光体シートに放射線画像を蓄
積記録する状態を表す図
【図12】蓄積性蛍光体シートの両面から放射線画像を
読み取る装置を表す図
【図13】蓄積性蛍光体シートの両面から放射線画像を
読み取る別の装置を表す図
【図14】画像信号S1 に用いるフィルタF3 の周波数
特性を表す図
【図15】画像信号S2 に用いるフィルタF4 の周波数
特性を表す図
【図16】フィルタF3 ,F4 を加算したときの特性を
表す図
【図17】本発明によるエネルギーサブトラクション方
法の実施例における蓄積性蛍光体シートへの放射線画像
の記録を説明するための図
【図18】エネルギーサブトラクションを行う装置の概
略を表す図
【符号の説明】
1 被写体 2 放射線 3 放射線源 4A,4B 蓄積性蛍光体シート 10 レーザ光源 11 レーザ光 12 ミラー 13,13a ,13b 輝尽発光光 14,14a ,14b 光ガイド 15,15a ,15b フォトマルチプライヤ 16,16a ,16b 対数変換器 17,17a ,17b A/D変換器 18 記憶媒体 19,30 画像処理手段 20 重み付け重ね合せ手段 21,32 再生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G06T 5/00 A61B 6/00 350S H04N 5/325 G06F 15/62 390A 15/68 350 (56)参考文献 特開 平4−318775(JP,A) 特開 昭57−95759(JP,A) 特開 平5−245131(JP,A) 特開 平2−287887(JP,A) 特開 平2−1079(JP,A) 特開 平4−156689(JP,A) 特開 平4−180056(JP,A) 特開 昭60−246189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 42/02 - 42/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一被写体の放射線画像を担持する周波
    数特性が互いに異なる、重ね合せ処理またはエネルギー
    サブトラクション処理が未処理の複数の画像信号に対し
    て相対応する画素についての信号間で加算を行って加算
    信号を得る放射線画像の重ね合せ方法において、 前記加算信号の信号対ノイズ比が高くなるように、前記
    複数の画像信号のうち所望とする画像信号について該画
    像信号の周波数特性を変化させる画像処理を施した後、
    該画像処理が施された画像信号とそれ以外の画像信号と
    の加算を行って前記加算信号を得ることを特徴とする放
    射線画像の重ね合せ方法。
  2. 【請求項2】 前記画像処理が、所定の周波数特性を有
    するマスクフィルタにより前記所望とする画像信号をコ
    ンボリューションする処理であることを特徴とする請求
    項1記載の放射線画像の重ね合せ方法。
  3. 【請求項3】 前記各画像信号における前記マスクフィ
    ルタの周波数特性の和が任意の周波数において1である
    ことを特徴とする請求項2記載の放射線画像の重ね合せ
    方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の画像信号を、前記放射線画像
    が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを励起光により主
    副両方向に走査し、該励起光の走査により前記シートか
    ら発せられる輝尽発光光を光電的に検出することにより
    得、前記画像処理が、前記所望とする画像信号につい
    て、該画像信号の主走査方向の高周波成分を強調する処
    理であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像の
    重ね合せ方法。
  5. 【請求項5】 前記処理が、前記所望とする画像信号に
    ついて、該画像信号の主走査方向の高周波成分を強調す
    る周波数特性を有するマスクフィルタにより該所望とす
    る画像信号を主走査方向にコンボリューションする処理
    であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像の重
    ね合せ方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の画像信号のすべてについて前
    記周波数特性を変化させる処理を施すことを特徴とする
    請求項1から5のいずれか1項記載の放射線画像の重ね
    合せ方法。
  7. 【請求項7】 同一被写体の放射線画像を担持する周波
    数特性が互いに異なる2つの画像信号に対して相対応す
    る画素についての信号間で加算を行って加算信号を得る
    放射線画像の重ね合せ方法において、 前記加算信号の信号対ノイズ比が高くなるように、前記
    2つの画像信号間の差信号を求め、所定の周波数特性を
    有する2つのマスクフィルタであって、該各マスクフィ
    ルタの周波数特性の和が任意の周波数において1である
    マスクフィルタのうちいずれか1のマスクフィルタによ
    り前記差信号をコンボリューションし、該コンボリュー
    ションされた差信号と、前記2つの画像信号のうちいず
    れか1の画像信号との加算を行って前記加算信号を得る
    ことを特徴とする放射線画像の重ね合せ方法。
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