JPH07319024A - カメラのフィルム室開閉蓋ロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムのローディング中は、開閉蓋が開か
ないフィルム室開閉蓋ロック装置を得ること。 【構成】 フィルムカセットの挿脱口を開閉する開閉蓋
と；この開閉蓋のロック機構と；フィルムカセットから
フィルムが引き出されたローディング状態であるか否か
を検出するローディング検知スイッチと；ローディング
検知スイッチがフィルムローディングを検知していると
きには、このロック機構のロック解除を不能とし、ロー
ディングを検知しないときに、このロック機構のロック
を解除するロック機構制御機構と；を有するカメラのフ
ィルム室開閉蓋ロック装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、フィルムカセットを挿脱するた
めの開閉蓋のロック装置に関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】従来のカメラには、フィ
ルムカセットを挿脱するための開閉蓋として裏蓋が設け
られており、この裏蓋にはロック機構が備えられてい
る。ところがこのロック機構は、フィルムがフィルムカ
セットから引き出されて撮影可能状態であるとき。つま
りフィルムのローディング状態であっても、手動でその
ロックを解除することができる。このため、誤操作で裏
蓋を開き、ローディング中のフィルムを駄目にすること
があった。

【０００３】また、フィルムの全撮影駒の撮影を終了し
たとき巻戻スイッチが自動的にオンになり、あるいは撮
影途中で意図的に巻戻スイッチをオンにして、フィルム
をフィルムカセット内に巻き戻したとき、従来のカメラ
では、ロック機構を手動操作して開閉蓋を開かなければ
ならなかった。

【０００４】

【発明の目的】本発明は、従来のフィルムカセット挿脱
用の開閉蓋についての以上の問題意識に基づき、フィル
ムのローディング中は、開閉蓋が開かないフィルム室開
閉蓋ロック装置を得ることを目的とする。また本発明
は、フィルムがフィルムカセット内に巻き戻されたと
き、自動的に開閉蓋が開くフィルム室開閉蓋ロック装置
を得ることを目的とする。

【０００５】

【発明の概要】本発明のフィルム室開閉蓋ロック装置
は、フィルムカセットの挿脱口を開閉する開閉蓋と；こ
の開閉蓋のロック機構と；フィルムカセットからフィル
ムが引き出されたローディング状態であるか否かを検出
するローディング検知スイッチと；ローディング検知ス
イッチがフィルムローディングを検知しているときに
は、このロック機構のロック解除を不能とし、ローディ
ングを検知しないときに、このロック機構のロックを解
除するロック機構制御機構と；を有することを特徴とし
ている。

【０００６】さらに、本発明は、フィルムカセットの在
中検知スイッチと；開閉蓋の電動開閉機構と；フィルム
の巻戻スイッチと；を備えることが望ましい。これらに
より、在中検知スイッチがフィルムカセットの在中を検
知している状態で、フィルムの巻戻スイッチがオンにな
った後ローディング検知スイッチがローディングを検知
しなくなったとき、電動開閉機構が開閉蓋を開く制御を
行なうことができる。つまり、フィルムをフィルムカセ
ットに巻き戻すと、自動的に開閉蓋が開くロック装置を
得ることができる。

【０００７】このような開閉蓋の制御は、正逆に回転駆
動することによりフィルムの送出と巻取ができるフィル
ム駆動スプールを備えた、新しいフィルムカセットを用
いるカメラにおいて特に容易に行なうことができる。こ
のカメラには、このフィルム駆動スプールを正逆に駆動
してフィルムをフィルムカセットから出し入れする制御
機構が備えられる。

【０００８】

【発明の実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説
明する。図示実施例は、上述の新しいフィルムカセット
を用いるカメラに本発明を適用したものであり、図６
は、このフィルムカセットの概念図である。フィルムカ
セット１１は、フィルム１２の一端が固着されたフィル
ム駆動スプール１３を備えている。このフィルム駆動ス
プール１３は、その正転動作と逆転動作により、フィル
ム１２をフィルムカセット１１内に巻き込む巻込動作
と、フィルムカセット１１から送り出す送出動作とを行
なうことができるものである。フィルムカセット１１の
フィルム進退口１１ａには遮光手段が備えられている。
フィルム１２には、その一側に、磁気記録バンド１４が
形成され、他側に、一撮影駒当り２つのパーフォレーシ
ョン１５が穿設されている。磁気記録バンド１４には、
少なくとも、撮影駒毎に、撮影済駒か未撮影駒かの撮影
駒情報が記録されている。カメラ側に備えられた磁気ヘ
ッド１６は、この磁気記録バンド１４の撮影駒情報を読
み取る読取機能と、磁気記録バンド１４に撮影駒情報を
書き込む書込機能とを有する。パーフォレーション１５
は、フィルム巻取のためではなく、光学的位置検出手段
を介してフィルム上の撮影駒を正確に定位置に停止させ
るために用いられる。

【０００９】本発明のカメラ２０は、図１ないし図３に
示すように、カメラボディ２１の底部一側に、フィルム
カセット収納室（フィルム室）２２を開閉する開閉蓋２
３が設けられている。フィルムカセット収納室２２は、
フィルム通路２４を介してフィルム巻取室２５に連なっ
ている。フィルム通路２４には、その上下にそれぞれフ
ィルムをガイドする周知の内レール２６ａと外レール２
６ｂが設けられており、これらのレールの間に、レンズ
を通った被写体光を導く撮影開口２７が開口している。
図２は、従来のカメラの裏蓋を開放したように描いてい
るが、ハッチングを付したように、この実施例のカメラ
には裏蓋は存在しない。

【００１０】カセット収納室２２には、フィルム駆動ス
プール１３を正逆に駆動するための駆動系が備えられて
いる。図３は、その一例であって、駆動モータＭ１の回
転はギヤ列３０を介して、正逆回転軸３１に伝達され
る。正逆回転軸３１は、カセット収納室２２内に臨んで
いて、フィルム駆動スプール１３と噛み合う。正逆回転
軸３１を介してフィルム駆動スプール１３を例えば正転
させると、フィルム１２は、フィルム進退口１１ａから
外部、つまりフィルム通路２４を経てフィルム巻取室２
５に送られる。

【００１１】フィルム通路２４には、フィルム１２がカ
セット１１から引き出されて撮影可能状態にあるか否か
を検出するフィルムローディング検知スイッチＳＷ１が
設けられ、カセット収納室２２には、フィルムカセット
が装填されているか否かを検出するフィルムカセット在
中検知スイッチＳＷ３が設けられている。

【００１２】フィルム巻取室２５には、フィルム通路２
４からフィルム巻取室２５に送られたフィルム１２を巻
き取る巻取スプール３３が配設されている。この巻取ス
プール３３は、巻取モータＭ２によって回転駆動され
る。巻取スプール３３は、単にフィルムを巻き取るもの
で、フィルムの送り量の制御は、磁気記録バンド１４に
記録された撮影駒情報を読み取る磁気ヘッド１６、及び
パーフォレーション１５の位置を検出する光学検出手段
の出力に基づき、駆動モータＭ１の回転を制御して行な
われる。

【００１３】図３は、開閉蓋２３の電動開閉機構及びロ
ック機構を同時に示している。平板状の開閉蓋２３は、
スライド移動してカセット収納室２２を開閉するもの
で、その裏面に、ラック２３ａが形成され、このラック
２３ａに、蓋開閉モータＭ３によって回転駆動されるピ
ニオン３４が噛み合っている。蓋開閉モータＭ３は、非
通電状態ではブレーキ作用を有するモータであり、開閉
蓋２３を手動で開閉することはできない。このような蓋
開閉モータＭ３に代えて、あるいは加えて、電磁ソレノ
イドＭ３’を設け、この電磁ソレノイドＭ３’のプラン
ジャにより、開閉蓋２３をロックすることもできる。

【００１４】カメラボディ２１には、開閉蓋２３を開く
ための蓋開放スイッチＳＷ２と、巻戻スイッチＳＷ４が
設けられている（図１）。図示した巻戻スイッチＳＷ４
は、フィルムの途中で撮影者が意図的にフィルムを巻き
戻すとき押して駆動モータＭ１を駆動するスイッチであ
るが、本カメラには、通常のカメラと同様に、全撮影駒
の撮影が終了したとき（フィルム巻き上げが不能となっ
たとき）に自動的に作動する巻戻スイッチも備えられて
いる。巻戻スイッチＳＷ４は、このような自動巻戻スイ
ッチを含む概念である。

【００１５】図４は、本発明カメラの制御系を示すもの
で、ローディング検知スイッチＳＷ１、蓋開放スイッチ
ＳＷ２、カセット在中検知スイッチＳＷ３、巻戻スイッ
チＳＷ４のスイッチ情報は制御回路３５に入力される。
制御回路３５は、モータドライブ回路Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３
を介して、それぞれ駆動モータＭ１、巻取モータＭ２、
蓋開閉モータＭ３に接続されており、また、ヘッド切替
回路３６を介して磁気ヘッド１６に接続されている。ヘ
ッド切替回路３６は、制御回路３５からの指令に基づ
き、記録回路３７と再生回路３８のいずれかに接続され
る。制御回路３５にはまた、ＡＥ／ＡＦ制御回路３９、
表示ドライバ回路４０が接続され、表示ドライバ回路４
０は各種の表示素子４１を駆動する。

【００１６】上記構成に係る本発明カメラの動作を図５
に従って説明する。まず、カセット在中検知スイッチＳ
Ｗ３のオンオフによってフィルムカセット１１がカセッ
ト収納室２２内に在中しているか否かが検出される。カ
セット１１が在中していないときに、蓋開放スイッチＳ
Ｗ２がオンされれば、蓋開閉モータＭ３によって開閉蓋
２３が開く（ステップＳ１〜Ｓ３）。カセット収納室２
２にフィルムカセット１１が挿入されると、カセット在
中検知スイッチＳＷ３がオンになるから、これを検出し
て蓋開閉モータＭ３により開閉蓋２３を閉め、さらに、
駆動モータＭ１、巻取モータＭ２によってフィルムをロ
ーディングする（ステップＳ４〜Ｓ６）。一方、開閉蓋
２３を開いてもカセット在中検知スイッチＳＷ３がオン
にならないとき、つまりフィルムカセット１１が装填さ
れないときは、タイマー１によって決定される時間だけ
待ってから、蓋開閉モータＭ３を駆動して開閉蓋２３を
閉める（ステップＳ４、Ｓ９、Ｓ１０）。

【００１７】ステップＳ１において、フィルムカセット
１１の在中が検知されると、次にローディング検知スイ
ッチＳＷ１のオンオフによってフィルムがローディング
状態であるか否かが検出される（ステップＳ１２）。ロ
ーディングされていなければフィルムを適当枚数分巻き
上げた後、ローディングが検出されればそのまま、それ
ぞれ撮影を許可する（ステップＳ１３〜Ｓ１５）。

【００１８】その後、全撮影駒の撮影が終了するか、撮
影者が強制的に巻き戻すために巻戻スイッチＳＷ４がオ
ンにされると、駆動モータＭ１によりフィルム１２がフ
ィルムカセット１１内に巻き戻される（ステップＳ１
７、Ｓ１８）。そして、ローディング検知スイッチＳＷ
１がオフになったことを条件に、蓋開閉モータＭ３によ
って開閉蓋２３が開く（ステップＳ１９、２０）。開か
れたカセット収納室２２からフィルムカセット１１が取
り出された否かをカセット在中検知スイッチＳＷ３によ
って検出し、カセット１１が取り出されれば、タイマー
２によって決定される所定時間の後、蓋開閉モータＭ３
により開閉蓋２３を閉じる（ステップＳ２１〜Ｓ２
３）。一方、開かれたカセット収納室２２からフィルム
カセット１１が取り出されない場合には、警告を発する
（ステップＳ２５）。警告は例えば、音又は（及び）光
によって行なうことができる。

【００１９】開閉蓋２３が閉じている状態において、開
閉蓋２３を開ける方向の力を加えても、非通電状態の蓋
開閉モータＭ３のブレーキ作用により、開閉蓋２３はロ
ックされており、開くことができない。蓋開閉モータＭ
３に代えて、又は加えて、電磁ソレノイドＭ３’のよう
な別のロック手段を設けることができるのは上述の通り
であり、この場合には、電磁ソレノイドＭ３’への通電
制御を、ローディング検知スイッチＳＷ１、蓋開放スイ
ッチＳＷ２、カセット在中検知スイッチＳＷ３のスイッ
チ状態によって、フィルムがローディングされていると
きにはロック解除を不能とし、ローディングされていな
いときにロックを解除するように行なえばよい。

【００２０】以上の実施例は、フィルムの巻戻終了によ
って自動的に開閉蓋２３を開くようにしたものである
が、単に開閉蓋２３のロックを解除するシーケンスとし
てもよい。また以上は、新しいフィルムカセット１１を
利用するカメラに本発明を適用したものであるが、裏蓋
を有するタイプのカメラにも、フィルムがローディング
されているときにはロックを解除できないようにすると
いう本発明の技術思想は適用できる。さらに、以上の実
施例では、強制巻戻スイッチＳＷ４を別途設けたが、蓋
開放スイッチＳＷ２によってこれを兼用することも可能
である。つまり、蓋開放スイッチＳＷ２がオンされたと
きには、まず巻戻を行ない、その後、開閉蓋２３を開く
動作を行なわせるのである。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
のローディング中は、開閉蓋が開かないので、不用意に
開閉蓋を開けることによってローディング中のフィルム
を無駄にすることがない。またフィルムがフィルムカセ
ット内に巻き戻されたとき、自動的に開閉蓋が開く、使
い勝手のよいカメラが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカメラのフィルム室開閉蓋ロック
装置の実施例を示す、カメラ底部の開閉蓋部分の斜視図
である。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】フィルムカセット装填状態における図１のIII
−III 線に沿う断面図である。

【図４】本発明カメラの制御系の一例を示すブロック図
である。

【図５】本発明カメラの動作の一例を示すフローチャー
トである。

【図６】新しいフィルムカセットを示す概念図である。

【符号の説明】

１１ フィルムカセット １１ａ フィルム進退口 １２ フィルム １３ フィルム駆動スプール １４ 磁気記録バンド １５ パーフォレーション １６ 磁気ヘッド ２１ カメラボディ ２２ フィルムカセット収納室（フィルム室） ２３ 開閉蓋 ２３ａ ラック ３１ 正逆回転軸 ３３ 巻取スプール ３４ ピニオン ３５ 制御回路 Ｍ１ 駆動モータ Ｍ２ 巻取モータ Ｍ３ 蓋開閉モータ ＳＷ１ フィルムローディング検知スイッチ ＳＷ２ 蓋開放スイッチ ＳＷ３ フィルムカセット在中検知スイッチ ＳＷ４ 巻戻スイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムカセットの挿脱口を開閉する開
   閉蓋と；この開閉蓋のロック機構と；フィルムカセット
   からフィルムが引き出されたローディング状態であるか
   否かを検出するローディング検知スイッチと；上記ロー
   ディング検知スイッチがフィルムローディングを検知し
   ているときには、このロック機構のロック解除を不能と
   し、ローディングを検知しないときに、このロック機構
   のロックを解除するロック機構制御機構と；を有するこ
   とを特徴とするカメラのフィルム室開閉蓋ロック装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、さらにフィルムカセ
   ットの在中検知スイッチと；開閉蓋の電動開閉機構と；
   フィルムの巻戻スイッチと；が備えられ、 この在中検知スイッチがフィルムカセットの在中を検知
   している状態で、フィルムの巻戻スイッチがオンになっ
   た後ローディング検知スイッチがローディングを検知し
   なくなったとき、電動開閉機構が開閉蓋を開くカメラの
   フィルム室開閉蓋ロック装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、フィルムカ
   セットは、正逆に回転駆動することによりフィルムの送
   出と巻取ができるフィルム駆動スプールを備え、 カメラは、このフィルム駆動スプールを正逆に駆動して
   フィルムをフィルムカセットから出し入れする制御機構
   を備えているカメラの裏蓋ロック装置。