JPH07318413A - 絶縁固体中の音速測定法と音速測定装置 - Google Patents
絶縁固体中の音速測定法と音速測定装置Info
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- JPH07318413A JPH07318413A JP11154894A JP11154894A JPH07318413A JP H07318413 A JPH07318413 A JP H07318413A JP 11154894 A JP11154894 A JP 11154894A JP 11154894 A JP11154894 A JP 11154894A JP H07318413 A JPH07318413 A JP H07318413A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 絶縁固体2に直流電圧を印加し、前記絶縁固
体2表面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧を印
加し、前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じた振
動波のうち、絶縁固体2を通過することなく圧電素子7
に到達した振動波と、絶縁固体2を通過して圧電素子7
に到達した振動波とによって、圧電素子7に生じたそれ
ぞれの電気信号の発生時間の差を求め、前記発生時間の
差と絶縁固体2の厚みとから、音速を算出する。また、
前記音速測定にあたって、絶縁固体2を挟む1組の電極
と、前記電極5の一方に接続された直流電圧用電源3お
よびパルス電圧用電源4と、もう一方の電極6に接合さ
れた圧電素子7と、圧電素子7に接続された検出器9と
からなる音速測定装置1を使用する。 【効果】 測定時の温度や湿度の影響が低減され、誤差
やばらつきの少ない測定結果を得ることができる。ま
た、熟練した技術を必要とせず、簡単に音速を求めるこ
ともできる。
体2表面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧を印
加し、前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じた振
動波のうち、絶縁固体2を通過することなく圧電素子7
に到達した振動波と、絶縁固体2を通過して圧電素子7
に到達した振動波とによって、圧電素子7に生じたそれ
ぞれの電気信号の発生時間の差を求め、前記発生時間の
差と絶縁固体2の厚みとから、音速を算出する。また、
前記音速測定にあたって、絶縁固体2を挟む1組の電極
と、前記電極5の一方に接続された直流電圧用電源3お
よびパルス電圧用電源4と、もう一方の電極6に接合さ
れた圧電素子7と、圧電素子7に接続された検出器9と
からなる音速測定装置1を使用する。 【効果】 測定時の温度や湿度の影響が低減され、誤差
やばらつきの少ない測定結果を得ることができる。ま
た、熟練した技術を必要とせず、簡単に音速を求めるこ
ともできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁固体中の音速を測
定する方法に関する。
定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、音速を測定する方法として、
クント法が知られている。クント法とは、弾性棒を擦
り、弾性棒中に生じる縦振動により気柱に定常波をつく
り、その波長を測定することにより、空気中の音速、弾
性棒中のヤング率、弾性棒中の音速を求めるものであ
る。
クント法が知られている。クント法とは、弾性棒を擦
り、弾性棒中に生じる縦振動により気柱に定常波をつく
り、その波長を測定することにより、空気中の音速、弾
性棒中のヤング率、弾性棒中の音速を求めるものであ
る。
【0003】ところが、前記クント法を用いた測定法
は、物理的に振動を起こさせるものであるので、測定者
によって若干の相違が生じ、測定結果にばらつきが生じ
やすく、操作が煩雑であるばかりか、測定にあたって熟
練した技術が必要であるなどの問題があった。さらに、
前記クント法は、気柱の共鳴を利用して弾性棒の音速を
求めるものであるので、温度や湿度の影響を受けやすい
などの難点もあった。
は、物理的に振動を起こさせるものであるので、測定者
によって若干の相違が生じ、測定結果にばらつきが生じ
やすく、操作が煩雑であるばかりか、測定にあたって熟
練した技術が必要であるなどの問題があった。さらに、
前記クント法は、気柱の共鳴を利用して弾性棒の音速を
求めるものであるので、温度や湿度の影響を受けやすい
などの難点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情に鑑みてなされたものであって、操作が容易で、温度
や湿度の影響か少なく、精度のよい音速の測定法を提供
することを目的としている。
情に鑑みてなされたものであって、操作が容易で、温度
や湿度の影響か少なく、精度のよい音速の測定法を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、絶縁固体
に直流電圧を印加し、前記絶縁固体表面に電荷を誘起さ
せた後、これにパルス電圧を印加し、前記表面に誘起さ
れた電荷を振動させ、生じた振動波を圧電素子にて感知
し、圧電素子に生じた電気信号を、圧電素子に接続した
検出器から出力する音速測定法であって、前記振動波の
うち、絶縁固体を通過することなく圧電素子に到達した
振動波と、絶縁固体を通過して圧電素子に到達した振動
波とによって圧電素子に生じたそれぞれの電気信号の発
生時間の差を、前記検出器の出力結果により求め、前記
発生時間の差と絶縁固体の厚みとから、音速を算出する
ことで解決できる。また、音速の測定にあたって、直流
電圧を印加する直流電圧用電源と、パルス電圧を印加す
るパルス電圧用電源と、被測定物である絶縁固体を挟む
1組の電極と、振動波を感知し、電気信号を発生する圧
電素子と、前記電気信号を検知し、電気信号を出力する
検出器とからなる音速測定装置であって、前記直流電圧
用電源と、パルス電圧用電源とが、前記電極の一方に接
続され、さらにもう一方の電極には圧電素子が接合さ
れ、前記圧電素子には検出器が接続されている音速測定
装置を用いることが好ましい。また、前記音速測定装置
に、振動波の反射を防止する反射防止層を、前記圧電素
子の電極と接合していない側に接合することが好まし
い。
に直流電圧を印加し、前記絶縁固体表面に電荷を誘起さ
せた後、これにパルス電圧を印加し、前記表面に誘起さ
れた電荷を振動させ、生じた振動波を圧電素子にて感知
し、圧電素子に生じた電気信号を、圧電素子に接続した
検出器から出力する音速測定法であって、前記振動波の
うち、絶縁固体を通過することなく圧電素子に到達した
振動波と、絶縁固体を通過して圧電素子に到達した振動
波とによって圧電素子に生じたそれぞれの電気信号の発
生時間の差を、前記検出器の出力結果により求め、前記
発生時間の差と絶縁固体の厚みとから、音速を算出する
ことで解決できる。また、音速の測定にあたって、直流
電圧を印加する直流電圧用電源と、パルス電圧を印加す
るパルス電圧用電源と、被測定物である絶縁固体を挟む
1組の電極と、振動波を感知し、電気信号を発生する圧
電素子と、前記電気信号を検知し、電気信号を出力する
検出器とからなる音速測定装置であって、前記直流電圧
用電源と、パルス電圧用電源とが、前記電極の一方に接
続され、さらにもう一方の電極には圧電素子が接合さ
れ、前記圧電素子には検出器が接続されている音速測定
装置を用いることが好ましい。また、前記音速測定装置
に、振動波の反射を防止する反射防止層を、前記圧電素
子の電極と接合していない側に接合することが好まし
い。
【0006】
【作用】電気的に振動波を発生させ、前記振動波を圧電
素子により検知し、前記振動波の力学的エネルギーを圧
電素子により電気信号に変換し、前記電気信号を検出器
により検出する。また、前記振動波のうち、絶縁固体を
通過した振動波は、絶縁固体を通過しなかった振動波よ
り遅れて圧電素子に達する。
素子により検知し、前記振動波の力学的エネルギーを圧
電素子により電気信号に変換し、前記電気信号を検出器
により検出する。また、前記振動波のうち、絶縁固体を
通過した振動波は、絶縁固体を通過しなかった振動波よ
り遅れて圧電素子に達する。
【0007】次に、本発明の音速測定装置の一例を図1
を利用して詳しく説明する。前記音速測定装置1は、電
圧付与部と、検知部と、検出部とから概略構成されてい
る。
を利用して詳しく説明する。前記音速測定装置1は、電
圧付与部と、検知部と、検出部とから概略構成されてい
る。
【0008】前記電圧付与部は、被測定物である絶縁固
体2に電圧を印加するもので、直流電圧用電源3と、パ
ルス電圧用電源4と、これらと電気的に接続された1組
の電極A5、電極B6とからなる。この例においては、
直流電圧用電源3およびパルス電圧用電源4の一方の出
力端は、電極A5に接続されており、直流電圧用電源3
およびパルス電圧用電源4の他方の出力端ならびに電極
B6はそれぞれアースに接続されている。前記電極A
5、電極B6としては、ポリイミド、ポリエチレン、エ
ポキシ樹脂などからなる絶縁板に、銅箔をパターニング
したり、銀ペーストで印刷したり、真空蒸着法やスパッ
タリング法などにより導電性金属薄膜を形成させたもの
など、任意の方法で作製したものを用いることができ
る。
体2に電圧を印加するもので、直流電圧用電源3と、パ
ルス電圧用電源4と、これらと電気的に接続された1組
の電極A5、電極B6とからなる。この例においては、
直流電圧用電源3およびパルス電圧用電源4の一方の出
力端は、電極A5に接続されており、直流電圧用電源3
およびパルス電圧用電源4の他方の出力端ならびに電極
B6はそれぞれアースに接続されている。前記電極A
5、電極B6としては、ポリイミド、ポリエチレン、エ
ポキシ樹脂などからなる絶縁板に、銅箔をパターニング
したり、銀ペーストで印刷したり、真空蒸着法やスパッ
タリング法などにより導電性金属薄膜を形成させたもの
など、任意の方法で作製したものを用いることができ
る。
【0009】また、検知部は、前記絶縁固体2表面に生
じた振動波を感知し、電気信号に変換するもので、圧電
素子7と反射防止層8とからなる。圧電素子7の両面に
は、アルミニウム、銅などからなる電極(図示せず)が
形成されている。また、圧電素子7の一面には、反射防
止層8が接合されている。
じた振動波を感知し、電気信号に変換するもので、圧電
素子7と反射防止層8とからなる。圧電素子7の両面に
は、アルミニウム、銅などからなる電極(図示せず)が
形成されている。また、圧電素子7の一面には、反射防
止層8が接合されている。
【0010】また、検出部は、検知部にて生じた電気信
号をキャッチし、記録紙やモニター上にデータを出力す
るもので、オシロスコープなどの検出器9からなる。
号をキャッチし、記録紙やモニター上にデータを出力す
るもので、オシロスコープなどの検出器9からなる。
【0011】このうち、電極B6は、圧電素子7の反射
防止層8が接合されていない面に接合されており、圧電
素子7の両面の電極と検出器9とはリード線により接続
されている。
防止層8が接合されていない面に接合されており、圧電
素子7の両面の電極と検出器9とはリード線により接続
されている。
【0012】また、前記圧電素子7としては、圧電性を
有するものであれば特にその種類は限定されず、例え
ば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラ
フルオロエチレンとトリフルオロエチレンとの共重合体
などの合成樹脂製圧電材料や、チタン酸金属塩、ジルコ
ン酸金属塩などのペロブスカイト構造を持つセラミック
ス製圧電材料などを使用することができる。
有するものであれば特にその種類は限定されず、例え
ば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラ
フルオロエチレンとトリフルオロエチレンとの共重合体
などの合成樹脂製圧電材料や、チタン酸金属塩、ジルコ
ン酸金属塩などのペロブスカイト構造を持つセラミック
ス製圧電材料などを使用することができる。
【0013】さらに、前記反射防止層8は、圧電素子7
に到達した振動波が反射して、再度圧電素子7にて感知
されるのを防ぐために設けられたもので、前記圧電素子
7と同程度の硬度のものを用いることが好ましく、ポリ
メタクリル酸メチル、塩化ビニル、ポリカーボネートな
どの中から選択することができる。反射防止層8の厚み
は、10〜30mm、さらに15〜25mmであること
が好ましい。これは、10mm以下だと剛性に劣り、3
0mm以上であっても、振動波の反射防止効果に寄与し
ないからである。
に到達した振動波が反射して、再度圧電素子7にて感知
されるのを防ぐために設けられたもので、前記圧電素子
7と同程度の硬度のものを用いることが好ましく、ポリ
メタクリル酸メチル、塩化ビニル、ポリカーボネートな
どの中から選択することができる。反射防止層8の厚み
は、10〜30mm、さらに15〜25mmであること
が好ましい。これは、10mm以下だと剛性に劣り、3
0mm以上であっても、振動波の反射防止効果に寄与し
ないからである。
【0014】次に、前記音速測定装置1を用いた音速測
定法を、音速測定装置1内に生じた現象を交えながら説
明する。まず、被測定物である絶縁固体2を電極A5、
電極B6で挟む。ついで、電極A5側から電圧10K〜
20KVの直流電圧を印加しつつ、パルス電圧を印加す
る。前記直流電圧の印加によって、絶縁固体2の電極A
5に接触している面が正または負の電荷に帯電し、電極
B6は負または正の電荷に帯電し、分極が起こる。ここ
で、パルス電圧の印加により、前記絶縁固体2表面に誘
起された電荷が振動し、振動波が発生する。パルス電圧
としては、パルス電圧1K〜4KV、パスル幅50ns
ec程度のものが使用される。
定法を、音速測定装置1内に生じた現象を交えながら説
明する。まず、被測定物である絶縁固体2を電極A5、
電極B6で挟む。ついで、電極A5側から電圧10K〜
20KVの直流電圧を印加しつつ、パルス電圧を印加す
る。前記直流電圧の印加によって、絶縁固体2の電極A
5に接触している面が正または負の電荷に帯電し、電極
B6は負または正の電荷に帯電し、分極が起こる。ここ
で、パルス電圧の印加により、前記絶縁固体2表面に誘
起された電荷が振動し、振動波が発生する。パルス電圧
としては、パルス電圧1K〜4KV、パスル幅50ns
ec程度のものが使用される。
【0015】このとき、絶縁固体2の電極A5に接して
いる面に生じた振動波(以下、振動波Aと略記する)
は、絶縁固体2および電極B6を通過して圧電素子7に
到達する。一方、絶縁固体2の電極B6に接している面
に生じた振動波(以下、振動波Bと略記する)は、電極
B6のみを通過して圧電素子7に到達する。圧電素子7
に到達した振動波Aおよび振動波Bは、圧電素子7によ
って検知され、圧電素子7と電気的に接続されているオ
シロスコープなどの検出器9によって、ピークの形で検
出される。ここで、振動波Aは振動波Bより遅れて圧電
素子7に到着するため、検出器9には、図2および図3
に示すように、出現時間の異なり、かつ符号の異なる2
本のピークが出現する。
いる面に生じた振動波(以下、振動波Aと略記する)
は、絶縁固体2および電極B6を通過して圧電素子7に
到達する。一方、絶縁固体2の電極B6に接している面
に生じた振動波(以下、振動波Bと略記する)は、電極
B6のみを通過して圧電素子7に到達する。圧電素子7
に到達した振動波Aおよび振動波Bは、圧電素子7によ
って検知され、圧電素子7と電気的に接続されているオ
シロスコープなどの検出器9によって、ピークの形で検
出される。ここで、振動波Aは振動波Bより遅れて圧電
素子7に到着するため、検出器9には、図2および図3
に示すように、出現時間の異なり、かつ符号の異なる2
本のピークが出現する。
【0016】ここで、検出器9に出現した2つのピーク
の位置と、検出器9の時間軸から、前記2つのピークの
出現時間の差を求め、下記(I)式によって、絶縁固体
2中の音速を求める。 被測定物である絶縁固体2の厚み/振動波A、振動波Bのピーク検出時間の差 …(I)
の位置と、検出器9の時間軸から、前記2つのピークの
出現時間の差を求め、下記(I)式によって、絶縁固体
2中の音速を求める。 被測定物である絶縁固体2の厚み/振動波A、振動波Bのピーク検出時間の差 …(I)
【0017】このような音速測定法は、絶縁固体2が誘
電体であれば特に種類は限定されず、様々なものの音速
を測定することができるが、被測定物である絶縁固体2
の厚みを使って、計算により求めるものであるので、厚
みが均一なものが好ましい。また、絶縁固体2は、1〜
5mm、さらに好ましくは2〜3mmの厚みのものを用
いることができる。これは、1mm未満になると、ピー
ク検出時間の差が小さくなりすぎて測定誤差が大きくな
る可能性が生じ、また、5mmを越えると、絶縁固体2
を通過している間に、振動波の減衰がおこり、ピークが
小さくなりすぎて、ノイズとの区別が困難になるからで
ある。また、検出器9による検出結果には、ノイズが含
まれているが、ノイズシュミレーターを用いることでノ
イズを低減することもできる。
電体であれば特に種類は限定されず、様々なものの音速
を測定することができるが、被測定物である絶縁固体2
の厚みを使って、計算により求めるものであるので、厚
みが均一なものが好ましい。また、絶縁固体2は、1〜
5mm、さらに好ましくは2〜3mmの厚みのものを用
いることができる。これは、1mm未満になると、ピー
ク検出時間の差が小さくなりすぎて測定誤差が大きくな
る可能性が生じ、また、5mmを越えると、絶縁固体2
を通過している間に、振動波の減衰がおこり、ピークが
小さくなりすぎて、ノイズとの区別が困難になるからで
ある。また、検出器9による検出結果には、ノイズが含
まれているが、ノイズシュミレーターを用いることでノ
イズを低減することもできる。
【0018】このような絶縁固体2中の音速測定法で
は、絶縁固体2に直流電圧を印加し、前記絶縁固体2表
面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧を印加し、
前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じた振動波を
圧電素子7にて感知し、圧電素子7に生じた電気信号
を、圧電素子7に接続した検出器9から出力する音速測
定法であって、前記振動波のうち、絶縁固体2を通過す
ることなく圧電素子7に到達した振動波と、絶縁固体2
を通過して圧電素子7に到達した振動波とによって、圧
電素子7に生じたそれぞれの電気信号の発生時間の差
を、前記検出器9の出力結果により求め、前記発生時間
の差と絶縁固体2の厚みとから、音速を算出するので、
電気的に振動波を発生させ、前記振動波を圧電素子7に
より検知し、圧電素子7により電気信号に変換し、前記
電気信号を検出器9により検出するため、測定操作が簡
単で、誤差が少なく、測定時の温度や湿度の影響が少な
くなる。
は、絶縁固体2に直流電圧を印加し、前記絶縁固体2表
面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧を印加し、
前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じた振動波を
圧電素子7にて感知し、圧電素子7に生じた電気信号
を、圧電素子7に接続した検出器9から出力する音速測
定法であって、前記振動波のうち、絶縁固体2を通過す
ることなく圧電素子7に到達した振動波と、絶縁固体2
を通過して圧電素子7に到達した振動波とによって、圧
電素子7に生じたそれぞれの電気信号の発生時間の差
を、前記検出器9の出力結果により求め、前記発生時間
の差と絶縁固体2の厚みとから、音速を算出するので、
電気的に振動波を発生させ、前記振動波を圧電素子7に
より検知し、圧電素子7により電気信号に変換し、前記
電気信号を検出器9により検出するため、測定操作が簡
単で、誤差が少なく、測定時の温度や湿度の影響が少な
くなる。
【0019】以下、具体例を示し、本発明の効果を明ら
かにする。 (実施例1)図1に示す音速測定装置1を用いて、上述
の方法で厚さ2mmの変性高密度ポリエチレンの音速を
測定した。振動波A、振動波Bをオシロスコープ9で検
出したピーク図を図2に示す。図2中は振動波B、
は振動波Aのピークを指す。図2に示した2つのピーク
を元に、(I)式によって音速を求めたところ、変性高
密度ポリエチレン中の音速は約2000m/sであっ
た。この結果は、クント法で測定したものとほぼ一致し
た。
かにする。 (実施例1)図1に示す音速測定装置1を用いて、上述
の方法で厚さ2mmの変性高密度ポリエチレンの音速を
測定した。振動波A、振動波Bをオシロスコープ9で検
出したピーク図を図2に示す。図2中は振動波B、
は振動波Aのピークを指す。図2に示した2つのピーク
を元に、(I)式によって音速を求めたところ、変性高
密度ポリエチレン中の音速は約2000m/sであっ
た。この結果は、クント法で測定したものとほぼ一致し
た。
【0020】(実施例2)実施例1と同様にして、厚さ
2mmのエチレンプロピレンラバーの音速を測定した。
結果を図3に示す。計算により、音速を求めたところ、
エチレンプロピレンラバーの音速は約1500m/s
で、クント法で測定したものとほぼ一致した。
2mmのエチレンプロピレンラバーの音速を測定した。
結果を図3に示す。計算により、音速を求めたところ、
エチレンプロピレンラバーの音速は約1500m/s
で、クント法で測定したものとほぼ一致した。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の絶縁固体
中の音速測定法は、絶縁固体に直流電圧を印加し、前記
絶縁固体表面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧
を印加し、前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じ
た振動波を圧電素子にて感知し、圧電素子に生じた電気
信号を、圧電素子に接続した検出器から出力する音速測
定法であって、前記振動波のうち、絶縁固体を通過する
ことなく圧電素子に到達した振動波と、絶縁固体を通過
して圧電素子に到達した振動波とによって、圧電素子に
生じたそれぞれの電気信号の発生時間の差を、前記検出
器の出力結果により求め、前記発生時間の差と絶縁固体
の厚みとから、音速を算出するので、電気的に振動波を
発生させ、前記振動波を圧電素子により検知し、圧電素
子により電気信号に変換し、前記電気信号を検出器によ
り検出するため、測定時の湿度や温度の影響が低減さ
れ、さらに、物理的なロスが生じないことから、誤差や
ばらつきの少ない測定結果を得ることができる。また、
絶縁固体を通過した振動波が、絶縁固体を通過しなかっ
た振動波より遅れて圧電素子に到達するため、前記2種
類の振動波の時間差と絶縁固体の厚みより、簡単に音速
を求めることができる。よって、熟練した測定技術を必
要とせず、簡単に音速を測定できるなどの効果も得られ
る。
中の音速測定法は、絶縁固体に直流電圧を印加し、前記
絶縁固体表面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧
を印加し、前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じ
た振動波を圧電素子にて感知し、圧電素子に生じた電気
信号を、圧電素子に接続した検出器から出力する音速測
定法であって、前記振動波のうち、絶縁固体を通過する
ことなく圧電素子に到達した振動波と、絶縁固体を通過
して圧電素子に到達した振動波とによって、圧電素子に
生じたそれぞれの電気信号の発生時間の差を、前記検出
器の出力結果により求め、前記発生時間の差と絶縁固体
の厚みとから、音速を算出するので、電気的に振動波を
発生させ、前記振動波を圧電素子により検知し、圧電素
子により電気信号に変換し、前記電気信号を検出器によ
り検出するため、測定時の湿度や温度の影響が低減さ
れ、さらに、物理的なロスが生じないことから、誤差や
ばらつきの少ない測定結果を得ることができる。また、
絶縁固体を通過した振動波が、絶縁固体を通過しなかっ
た振動波より遅れて圧電素子に到達するため、前記2種
類の振動波の時間差と絶縁固体の厚みより、簡単に音速
を求めることができる。よって、熟練した測定技術を必
要とせず、簡単に音速を測定できるなどの効果も得られ
る。
【図1】 本発明の音速測定装置の一実施例を示す概略
構成図である。
構成図である。
【図2】 図1に示す音速測定装置を用いて測定した結
果を示すピーク図である。
果を示すピーク図である。
【図3】 図1に示す音速測定装置を用いて測定した結
果の他の例を示すピーク図である。
果の他の例を示すピーク図である。
1…音速測定装置、2…絶縁固体、3…直流電圧用電
源、4…パルス電圧用電源、5・6…電極、7…圧電素
子、8…反射防止層、9…検出器
源、4…パルス電圧用電源、5・6…電極、7…圧電素
子、8…反射防止層、9…検出器
フロントページの続き (72)発明者 丹羽 利夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁固体に直流電圧を印加し、前記絶縁
固体表面に電荷を誘起させた後、これにパルス電圧を印
加し、前記表面に誘起された電荷を振動させ、生じた振
動波を圧電素子にて感知し、圧電素子に生じた電気信号
を、圧電素子に接続した検出器から出力する音速測定法
であって、 前記振動波のうち、絶縁固体を通過することなく圧電素
子に到達した振動波と、絶縁固体を通過して圧電素子に
到達した振動波とによって、圧電素子に生じたそれぞれ
の電気信号の発生時間の差を、前記検出器の出力結果に
より求め、前記発生時間の差と絶縁固体の厚みとから、
音速を算出することを特徴とする絶縁固体中の音速測定
法。 - 【請求項2】 絶縁固体中の音速が、下記(I)式で求
められることを特徴とする請求項1記載の絶縁固体中の
音速測定法。 絶縁固体の厚み/電気信号発生時間の差 (I) - 【請求項3】 直流電圧を印加する直流電圧用電源と、
パルス電圧を印加するパルス電圧用電源と、被測定物で
ある絶縁固体を挟む1組の電極と、振動波を感知し、電
気信号を発生する圧電素子と、前記電気信号を検知し、
電気信号を出力する検出器とからなる音速測定装置であ
って、 前記直流電圧用電源とパルス電圧用電源とが、前記電極
の一方に接続され、さらにもう一方の電極には圧電素子
が接合され、前記圧電素子には検出器が接続されている
ことを特徴とする絶縁固体中の音速測定装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の絶縁固体中の音速測定装
置であって、前記振動波の反射を防止する反射防止層
が、前記圧電素子の電極と接合していない側に接合され
ていることを特徴とする絶縁固体中の音速測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154894A JPH07318413A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 絶縁固体中の音速測定法と音速測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154894A JPH07318413A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 絶縁固体中の音速測定法と音速測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07318413A true JPH07318413A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=14564180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11154894A Pending JPH07318413A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 絶縁固体中の音速測定法と音速測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07318413A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6861020B2 (en) | 2001-09-20 | 2005-03-01 | Araco Kabushiki Kaisha | Methods for manufacturing press molded articles |
JP2018128362A (ja) * | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 横浜ゴム株式会社 | 音波透過特性測定装置および音波透過特性測定方法 |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP11154894A patent/JPH07318413A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6861020B2 (en) | 2001-09-20 | 2005-03-01 | Araco Kabushiki Kaisha | Methods for manufacturing press molded articles |
JP2018128362A (ja) * | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 横浜ゴム株式会社 | 音波透過特性測定装置および音波透過特性測定方法 |
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