JPH07317708A - 建設機械の油圧回路 - Google Patents

建設機械の油圧回路

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JPH07317708A
JPH07317708A JP11802494A JP11802494A JPH07317708A JP H07317708 A JPH07317708 A JP H07317708A JP 11802494 A JP11802494 A JP 11802494A JP 11802494 A JP11802494 A JP 11802494A JP H07317708 A JPH07317708 A JP H07317708A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大慣性および小慣性アクチュエータからなる
油圧回路において、これら両者の複合操作始動時に、後
者が過度に減速されるのを防止する。 【構成】 油圧回路は、ポンプライン12の吐出圧油
を、大慣性アクチュエータ32にはバイパス通路70a
付オープンセンタ型の切換弁70を介して、小慣性アク
チュエータ34、36にはクローズドセンタ型の切換弁
22,24および補助弁46、48を介してそれぞれ給
排する。圧油バイパスライン72上には、圧力補償付流
量制御弁74と、圧力発生手段76とを設け、切換弁2
2、24の検出ポート22a、24aから信号ライン5
4、56に導いた各対応する小慣性アクチュエータの負
荷圧力の中から小慣性最大負荷圧力を高圧選択手段80
を介し選択して小慣性最大信号ライン82へ導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設機械の油圧回路、
特に比較的大慣性のアクチュエータを含む油圧回路に係
り、さらにこのような回路における複合操作性およびエ
ネルギ効率の向上を達成することができる油圧回路の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設機械の油圧回路は、複数の
アクチュエータを同時に駆動する際の操作性、いわゆる
複合操作性を向上するために、例えば補助弁を備えたロ
ードセンシング回路として構成されている。
【0003】図3は、この種の油圧回路を示すものであ
る。なお、図示例においては、3つのアクチュエータ系
統からなるものが示されている。しかるに、図3におい
ては、ネガティブ制御可変容量ポンプ10のポンプライ
ン12から吐出圧油を、各アクチュエータ32、34、
36に対して、それぞれの分岐ポンプライン14、1
6、18と、クローズドセンタ型の方向切換弁20、2
2、24と、アクチュエータライン26、28、30と
を介して給排すると共に、その戻り油をそれぞれの前記
方向切換弁20、22、24およびそれぞれの分岐タン
クライン38、40、42と、絞り補助弁44、46、
48とを介してパラレルにタンク50へ排出するよう構
成されている。各方向切換弁20、22、24には、そ
の対応するアクチュエータ32、34、36の負荷圧力
を検出する信号ライン52、54、56と、これら全負
荷圧力の中の全最大負荷圧力を高圧選択手段58、60
を介して選択する信号ライン62とが設けられている。
これにより、各絞り補助弁44、46、48には、その
開方向にそれぞれの信号ライン52、54、56を介し
て前記各対応するアクチュエータ32、34、36の負
荷圧力と、各ばね44a、46a、48aの圧力とを印
加すると共に、閉方向には信号ライン62を介して前記
全最大負荷圧力をそれぞれ印加し、さらに前記信号ライ
ン62を介して前記最大負荷圧力を可変容量ポンプ10
の流量制御手段10aにも印加するように構成されてい
る。なお、図中の参照符号64はリリーフ弁を示す。
【0004】従って、このような構成によれば、各方向
切換弁20、22、24を操作すると、一般的に、その
開度に見合ったポンプ油量がそれぞれのアクチュエータ
32、34、36へ供給されるので、油圧回路の操作
性、特に複合操作性を向上することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の油圧回路は、特にこの回路内に比較的大慣性のアク
チュエータが含まれている場合に、以下に述べるような
難点を有していた。
【0006】すなわち、前記従来の油圧回路(図3)に
おいて、例えばアクチュエータ32が大慣性の旋回用で
あり、この旋回用アクチュエータ32と小慣性アクチュ
エータ34(例えばブーム用)とを同時駆動すべく、そ
れらの対応する両方向の切換弁20、22を同時操作す
る場合を想定する。この操作直後においては、ポンプラ
イン12内の圧力が上昇しても、アクチュエータ32は
その大慣性のために即座には動作しないので、前記上昇
圧力に対応する大慣性アクチュエータ32の昇圧負荷圧
力が信号ライン62を介して対応する両絞り補助弁4
4、46の一側面、すなわち閉方向にそれぞれ印加され
る。しかるに、この時、旋回用補助弁44は、その他側
面、すなわち開方向にも信号ライン52を介する前記大
慣性アクチュエータ32の昇圧負荷圧力(およびばね4
4aの圧力)が印加されているので、全開位置を保持し
ているが、一方のブーム用補助弁46は、その他側面、
すなわち開方向には信号ライン54を介して小慣性アク
チュエータ34の負荷圧力(およびばね46aの圧力)
が印加されている。この場合、大慣性アクチュエータ3
2の昇圧負荷圧力は小慣性アクチュエータ34の負荷圧
力に比較して極めて大きいことは明らかであるので、前
記補助弁は極度に絞られている。従って、ブーム用アク
チュエータ34は、旋回用アクチュエータ32が所定速
度まで増速される間(通常、2秒前後)は、極く低速で
しか駆動されず、エネルギ損失も生じていた。
【0007】そこで、本発明の目的は、大慣性および小
慣性のアクチュエータからなる建設機械の油圧回路にお
いて、これら両者の複合操作の始動時に、後者が過度に
減速されることのない油圧回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本発明に係る建設機械の油圧回路は、ネガティブ制
御可変容量ポンプのポンプラインの吐出圧油を各アクチ
ュエータに対してそれぞれの分岐ポンプライン、方向切
換弁、アクチュエータラインを介して給排すると共に、
その戻り油をそれぞれの前記方向切換弁および分岐タン
クラインを介してタンクへパラレルに排出する建設機械
の油圧回路において、前記方向切換弁は1つのバイパス
通路付オープンセンタ型と1つもしくは複数のクローズ
ドセンタ型とからなり、前記オープンセンタ型の方向切
換弁には、その前記バイパス通路にポンプラインからタ
ンクへ連通するバイパスラインを接続すると共に、この
バイパスライン上に上流側から順に圧力補償付流量制御
弁と圧力発生手段とを設け、前記クローズドセンタ型の
方向切換弁には、その下流側に前記分岐タンクライン上
にそれぞれ絞り補助弁を設けると共に、検出ポートから
それぞれ対応するアクチュエータの負荷圧力を検出し、
さらにこれら負荷圧力の中から最大負荷圧力を選択し、
前記圧力補償付流量制御弁には、その開方向にこの制御
弁の上流側バイパスラインの圧力を印加すると共に、閉
方向には前記最大負荷圧力およびばね圧をそれぞれ印加
し、前記各絞り補助弁には、その開方向に当該対応する
アクチュエータの負荷圧力およびばね圧を印加し、閉方
向には前記最大負荷圧力をそれぞれ印加して、前記圧力
発生手段の上流側圧力を介して前記ネガティブ制御可変
容量ポンプを制御するように構成することを特徴とす
る。
【0009】この場合、必要に応じて、バイパスライン
上にオープンセンタ型の方向切換弁とは別に補助オープ
ンセンタ型の方向切換弁を直列に配置し、前記オープン
センタ型の方向切換弁の分岐ポンプラインを並列に接続
するよう構成することができる。
【0010】また、一般的には、オープンセンタ型の方
向切換弁は大慣性用アクチュエータに対応させると共
に、クローズドセンタ型の方向切換弁は小慣性用アクチ
ュエータに対応させることができる。さらに、最も一般
的には、大慣性アクチュエータは旋回アクチュエータか
ら構成し、小慣性アクチュエータはブーム、アームおよ
び/もしくはその他のアクチュエータから構成すること
ができる。
【0011】
【作用】本発明においては、小慣性アクチュエータ用の
絞り補助弁に対する閉方向に印加する圧力が、従来の大
慣性アクチュエータの負荷圧力を含む高圧の最大負荷圧
力(全最大負荷圧力)から、大慣性アクチュエータの負
荷圧力を除く低圧の負荷圧力(小慣性最大負荷圧力)に
変更されるよう構成されており、これにより大慣性およ
び小慣性アクチュエータの複合操作始動時には、小慣性
アクチュエータ用の各絞り補助弁が開放状態に保持され
ると共に、可変容量ポンプはその吐出流量が増大される
よう構成される。従って、本発明によれば、複合操作始
動時には、先ず小慣性アクチュエータがその対応する駆
動圧力で順次駆動され、その後大慣性アクチュエータが
ゆっくりと加速される。すなわち、従来のこの種の油圧
回路において発生していた、小慣性アクチュエータの過
度の速度低下およびこれに伴うエネルギ損失を防止する
ことができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る建設機械の油圧回路の実
施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。なお、説明の便宜上、図3に示す従来の構造と同一
の構成部分には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0013】図1において、先ず、本発明に係わる油圧
回路は、基本的には、ネガティブ制御可変容量ポンプ1
0のポンプライン12の吐出圧油を、各アクチュエータ
32、34、36に対して、それぞれの分岐ポンプライ
ン14、16、48と、方向切換弁70、22、24
と、アクチュエータライン26、28、30とを介して
給排すると共に、その戻り油をそれぞれの前記方向切換
弁70、22、24および分岐タンクライン38、4
0、42を介してタンク50へパラレルに排出するよう
構成されている。なお、ここで前記アクチュエータは、
実際的には、1つの比較的大慣性の、最も一般的には旋
回用のアクチュエータ32と、1つもしくは複数(図示
の実施例では2つ)の比較的小慣性の、例えばブームお
よびアーム用のアクチュエータ34、36とから構成さ
れる。
【0014】前記構成において、さらに大慣性アクチュ
エータ32系統の方向切換弁70は、バイパス通路70
a付オープンセンタ型に形成すると共に、小慣性アクチ
ュエータ34、36系統の方向切換弁22、24は、ク
ローズドセンタ型に形成する。そして、オープンセンタ
型の方向切換弁70には、そのバイパス通路70aにポ
ンプライン12からタンク50へ連通するバイパスライ
ン72を接続すると共に、このバイパスライン72上に
は、上流側から順に圧力補償付流量制御弁74と圧力発
生手段76とを設ける。また、クローズドセンタ型の方
向切換弁22、24には、そのそれぞれの下流側分岐タ
ンクライン40、42上にそれぞれ絞り補助弁46、4
8を設けると共に、検出ポート22a、24aからは、
それぞれの対応する小慣性アクチュエータ34、36の
負荷圧力を信号ライン54、56に導き、さらにこれら
信号ライン54、56の負荷圧力の中から小慣性最大負
荷圧力を高圧選択手段80を介し選択して小慣性最大信
号ライン82へ導くよう構成する。そして、圧力補償付
流量制御弁74には、その開方向に信号ライン74aを
介してこの制御弁74の上流側バイパスラインの圧力を
印加すると共に、閉方向には小慣性最大信号ライン82
を介して前記小慣性最大負荷圧力とばね74bの圧力と
を印加する。また、各絞り補助弁46、48には、その
開方向にそれぞれの信号ライン54、56を介して当該
対応するアクチュエータ34、36の負荷圧力と各ばね
46a、48aの圧力を印加すると共に、閉方向にはそ
れぞれ小慣性最大信号ライン82を介して前記小慣性最
大負荷圧力を印加する。さらに、圧力発生手段76の上
流側圧力を信号ライン78を介して流量制御手段10a
に印加して、制御圧力の減少に伴ってポンプ吐出流量を
減少させて、可変容量ポンプ10の吐出流量をネガティ
ブ制御するように構成する。
【0015】すなわち、本発明は、要約的に説明すれ
ば、前述した従来の油圧回路(図3)において、その大
慣性アクチュエータ32系統の方向切換弁をクローズド
センタ型20からバイパス通路70a付オープンセンタ
型70に変更して、絞り補助弁44を省略すると共に、
この方向切換弁70のバイパス通路70aに接続した圧
油バイパスライン72上に圧力補償付流量制御弁74と
圧力発生手段76とを設けることにより、小慣性アクチ
ュエータ34、36系統の絞り補助弁46、48に対す
る閉方向の負荷圧力を、前記従来の全最大負荷圧力(大
慣性アクチュエータ32の負荷圧力を含む最大負荷圧
力)から小慣性最大負荷圧力(大慣性アクチュエータ3
2の負荷圧力を除く最大負荷圧力)へ変更すると共に、
可変容量ポンプ10を圧力発生手段76の上流側圧力で
制御できるよう構成したものである。
【0016】従って、本発明の油圧回路は、以下のよう
に作動する。
【0017】先ず初めに、各アクチュエータ32、3
4、36が駆動されておらず、すなわち各方向切換弁7
0、22、24が全て中立位置にある状態では、クロー
ズドセンタ型の方向切換弁22、24の信号ライン5
4、56は、それぞれ分岐タンクライン40、42へ接
続されているので、小慣性最大信号ライン82の圧力は
低圧に保持されている。従って、圧力補償付流量制御弁
74は、信号ライン74aを介してバイパスライン72
の圧力により開放状態に維持され、信号ライン78の圧
力は高圧に保持され、この高圧が可変容量ポンプ10の
流量制御機構10aに導かれ、制御圧力が高圧のときポ
ンプ吐出流量を減少させるネガティブ制御により可変容
量ポンプ10の吐出流量はミニマムに維持されている。
【0018】次に、前記状態において、各アクチュエー
タ、すなわち大慣性旋回用アクチュエータ32および小
慣性ブーム、アーム用アクチュエータ34、36を同時
駆動すべく、その各方向切換弁70、22、24を同時
操作する場合を想定する。この場合、前述したように、
アクチュエータ32は、その大慣性のために即座には動
作しないので、前記操作直後においては、ポンプライン
12には大慣性アクチュエータ32に基因する上昇圧力
が発生する。しかるに、この上昇圧力は、本発明におい
ては、前記従来技術の場合とは異なり、小慣性アクチュ
エータ34、36系統の絞り補助弁46、48には影響
されない。
【0019】すなわち、本発明においては、小慣性アク
チュエータ34、36系統の絞り補助弁46、48は、
その閉方向負荷圧力を、前述したように前記従来の全最
大負荷圧力(大慣性アクチュエータ32の負荷圧力を含
む最大負荷圧力)から小慣性最大負荷圧力(大慣性アク
チュエータ32の負荷圧力を除く最大負荷圧力)へ変更
される。従って、この負荷圧力は、各対応小慣性アクチ
ュエータ34、36の負荷圧力および各ばね46a、4
8aの圧力からなる開方向負荷圧力と対応しているの
で、前記各絞り補助弁46、48は、いずれも開放状態
が保持される。なお、この時、圧力補償付流量制御弁7
4は、開放状態を保持されていることは明らかである
が、方向切換弁70はそのバイパス通路70aが絞られ
ているので、圧力発生手段76の上流側圧力、すなわち
信号ライン78の圧力は低下して、従って、流量制御機
構10aを介して可変容量ポンプ10の吐出流量は増大
するようにネガティブ制御制御される。
【0020】このように、本発明においては、大慣性お
よび小慣性アクチュエータの複合操作始動時には、小慣
性アクチュエータ系統の各絞り補助弁が開放状態に保持
される。すなわち、前記従来の油圧回路におけるよう
に、大慣性アクチュエータの作用によって絞られること
がないと共に、可変容量ポンプはその吐出流量が増大す
るようネガティブ制御されるので、前記複合操作始動時
には、先ず小慣性アクチュエータがその対応する駆動圧
力で順次駆動され、その後大慣性アクチュエータがゆっ
くりと加速される。従って、本発明によれば、複合操作
始動時においても、前記従来の油圧回路におけるよう
な、小慣性アクチュエータの過度の速度低下およびこれ
に伴うエネルギ損失は生じない。従って、この種の油圧
回路における複合操作性およびエネルギ効率を大幅に向
上することができる。なお、前記実施例の説明におい
て、小慣性アクチュエータがブームもしくはアーム等の
1つだけである場合にも同様に作動することは、極めて
容易に理解されるところである。
【0021】図2は、本発明に係る油圧回路の別の実施
例を示すものである。本実施例は、先の実施例におい
て、そのバイパスライン72上にオープンセンタ型の方
向切換弁(主方向切換弁)70とは別に、補助オープン
センタ型の方向切換弁90を直列に配置し、これに主方
向切換弁70の分岐ポンプライン14のさらに分岐ライ
ン(補助分岐ライン)92を並列に接続して構成したも
のである。このように構成することによっても、先の実
施例の場合と同等に作動することは明らかであるので、
このように構成した上で、補助方向切換弁90に補助ア
クチュエータライン94を接続することにより、必要に
応じて複数の大慣性および小慣性アクチュエータを良好
な操作性で且つ効率良く複合操作することが可能とな
る。なお、補助分岐ライン92には、適宜絞り手段を設
けることができる。
【0022】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建設
機械の油圧回路は、大慣性のアクチュエータを含む全て
のアクチュエータに対して、ネガティブ制御可変容量ポ
ンプのポンプライン吐出圧油を、それぞれの方向切換弁
およびその絞り補助弁を介してパラレルに給排する油圧
回路において、方向切換弁は、大慣性アクチュエータ用
のバイパス通路付オープンセンタ型と小慣性アクチュエ
ータ用のクローズドセンタ型とから形成し、オープンセ
ンタ型の方向切換弁に対しては、その絞り補助弁を省略
すると共にそのバイパス通路に連通したポンプラインか
らのバイパスライン上に圧力補償付流量制御弁と圧力発
生手段とを設け、クローズドセンタ型の方向切換弁に対
しては、その検出ポートからそれぞれの対応する小慣性
アクチュエータの負荷圧力を検出すると共にこれらの中
から小慣性最大負荷圧力を選択し、圧力補償付流量制御
弁には、その開方向にこの制御弁の上流側圧力を印加す
ると共に、閉方向には小慣性最大負荷圧力およびばねの
圧力を印加し、各絞り補助弁には、その開方向に当該対
応する小慣性アクチュエータの負荷圧力およびばねの圧
力を印加すると共に、閉方向には小慣性最大負荷圧力を
印加して、圧力発生手段の上流側圧力を介してネガティ
ブ制御可変容量ポンプを制御するように構成することに
より、従来のこの種の油圧回路において、小慣性アクチ
ュエータ系統の絞り補助弁に対する閉方向の負荷圧力
を、従来の大慣性アクチュエータの負荷圧力を含む全最
大負荷圧力から大慣性アクチュエータ負荷圧力を除く適
宜低圧の小慣性最大負荷圧力へ変更すると共に、可変容
量ポンプを圧力発生手段の上流側圧力で制御できるよう
に構成され、これにより大慣性および小慣性アクチュエ
ータの複合操作始動時には、小慣性アクチュエータ系統
の各絞り補助弁が開放状態に保持されると共に、可変容
量ポンプはその吐出流量が増大されるように制御され
る。従って、前記複合操作始動時には、先ず小慣性アク
チュエータがその対応する駆動圧力で順次駆動され、そ
の後大慣性アクチュエータがゆっくりと加速される。
【0024】すなわち、本発明によれば、従来のこの種
の油圧回路において発生していた、複合操作始動時にお
ける小慣性アクチュエータの過度の速度低下およびこれ
に伴うエネルギ損失が防止される。また、本発明は、比
較的簡単に構成し得る利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の油圧回路の一実施例を
示す油圧系統図である。
【図2】本発明に係る建設機械の油圧回路の別の実施例
の要部を示す油圧系統図である。
【図3】従来の建設機械の油圧回路を示す油圧系統図で
ある。
【符号の説明】
10 可変容量ポンプ 10a 流量制御機構 12 ポンプライン 14、16、18 分岐ポンプライン 22、24 クローズドセンタ型方向切換弁 26、28、30 アクチュエータライン 32 大慣性(旋回)アクチュエータ 34 小慣性(ブーム)アクチュエータ 36 小慣性(アーム)アクチュエータ 38、40、42 分岐タンクライン 46、48 絞り補助弁 46a、48a ばね 50 タンク 54、56 信号ライン 64 リリーフ弁 70 (主)オープンセンタ型方向切換弁 70a バイパス通路 72 バイパスライン 74 圧力補償付流量制御弁 74a 信号ライン 74b ばね 76 圧力発生手段 78 信号ライン 80 高圧選択手段 82 小慣性最大信号ライン 90 補助オープンセンタ型方向切換弁 92 補助分岐ライン 94 補助アクチュエータライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネガティブ制御可変容量ポンプのポンプ
    ラインの吐出圧油を各アクチュエータに対してそれぞれ
    の分岐ポンプライン、方向切換弁、アクチュエータライ
    ンを介して給排すると共に、その戻り油をそれぞれの前
    記方向切換弁および分岐タンクラインを介してタンクへ
    パラレルに排出する建設機械の油圧回路において、 前記方向切換弁は1つのバイパス通路付オープンセンタ
    型と1つもしくは複数のクローズドセンタ型とからな
    り、 前記オープンセンタ型の方向切換弁には、その前記バイ
    パス通路にポンプラインからタンクへ連通するバイパス
    ラインを接続すると共に、このバイパスライン上に上流
    側から順に圧力補償付流量制御弁と圧力発生手段とを設
    け、 前記クローズドセンタ型の方向切換弁には、その下流側
    に前記分岐タンクライン上にそれぞれ絞り補助弁を設け
    ると共に、検出ポートからそれぞれ対応するアクチュエ
    ータの負荷圧力を検出し、さらにこれら負荷圧力の中か
    ら最大負荷圧力を選択し、前記圧力補償付流量制御弁に
    は、その開方向にこの制御弁の上流側バイパスラインの
    圧力を印加すると共に、閉方向には前記最大負荷圧力お
    よびばね圧をそれぞれ印加し、前記各絞り補助弁には、
    その開方向に当該対応するアクチュエータの負荷圧力お
    よびばね圧を印加し、閉方向には前記最大負荷圧力をそ
    れぞれ印加して、前記圧力発生手段の上流側圧力を介し
    て前記ネガティブ制御可変容量ポンプを制御するように
    構成することを特徴とする建設機械の油圧回路。
  2. 【請求項2】 バイパスライン上にオープンセンタ型の
    方向切換弁とは別に補助オープンセンタ型の方向切換弁
    を直列に設け、これに前記オープンセンタ型の方向切換
    弁の分岐ポンプラインを並列に接続してなる請求項1記
    載の建設機械の油圧回路。
  3. 【請求項3】 オープンセンタ型の方向切換弁は大慣性
    用アクチュエータに対応し、クローズドセンタ型の方向
    切換弁は小慣性用アクチュエータに対応する請求項1記
    載の建設機械の油圧回路。
  4. 【請求項4】 大慣性アクチュエータは旋回アクチュエ
    ータであり、小慣性アクチュエータはブーム、アームお
    よび/もしくはその他のアクチュエータである請求項1
    記載の建設機械の油圧回路。
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