JPH07316896A - めっき液中への金属イオンの補給方法およびその装置 - Google Patents
めっき液中への金属イオンの補給方法およびその装置Info
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- JPH07316896A JPH07316896A JP11706594A JP11706594A JPH07316896A JP H07316896 A JPH07316896 A JP H07316896A JP 11706594 A JP11706594 A JP 11706594A JP 11706594 A JP11706594 A JP 11706594A JP H07316896 A JPH07316896 A JP H07316896A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属イオンの濃度管理を精度よく行う。
【構成】 不溶性陽極を用いるめっきセル1との間でめ
っき液を循環させるめっき液循環タンク2を有する金属
ストリップの連続めっき設備において、めっき液内で消
費された金属イオンを補給する金属溶解槽5とめっき液
循環タンク2との中間にクッションタンク7を設け、め
っき液循環タンク2とクッションタンク7にそれぞれの
タンク内のめっき液のイオン濃度を測定する分析計9、
10を備えて構成する。
っき液を循環させるめっき液循環タンク2を有する金属
ストリップの連続めっき設備において、めっき液内で消
費された金属イオンを補給する金属溶解槽5とめっき液
循環タンク2との中間にクッションタンク7を設け、め
っき液循環タンク2とクッションタンク7にそれぞれの
タンク内のめっき液のイオン濃度を測定する分析計9、
10を備えて構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不溶性陽極を用いる鋼
帯等の金属ストリップの連続めっき設備において、消費
される金属イオンをめっき液中に補給する金属イオンの
補給方法ならびにその装置に関する。
帯等の金属ストリップの連続めっき設備において、消費
される金属イオンをめっき液中に補給する金属イオンの
補給方法ならびにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品等において耐食
性向上の要求が高まり、従来から使用されている亜鉛め
っき鋼板に加え、亜鉛−ニッケルめっき鋼板等の合金め
っき鋼板の需要が著しい増加を見せている。こうした需
要増に対処するため、高能率生産の可能な高電流密度に
よる高速めっき法が採用されているが、高速めっき法に
おいては陽極交換を頻繁に行わねばならない可溶性陽極
方式よりも、陽極交換を必要としない不溶性陽極を用
い、消費される金属イオンをめっき液中へ連続的に補給
する方式の方が有利であることはいうまでもない。
性向上の要求が高まり、従来から使用されている亜鉛め
っき鋼板に加え、亜鉛−ニッケルめっき鋼板等の合金め
っき鋼板の需要が著しい増加を見せている。こうした需
要増に対処するため、高能率生産の可能な高電流密度に
よる高速めっき法が採用されているが、高速めっき法に
おいては陽極交換を頻繁に行わねばならない可溶性陽極
方式よりも、陽極交換を必要としない不溶性陽極を用
い、消費される金属イオンをめっき液中へ連続的に補給
する方式の方が有利であることはいうまでもない。
【0003】めっき液としては通常、硫酸系の電解液が
使用される。また、めっき液中への亜鉛、ニッケル等の
金属イオンの補給方法としては、塊状あるいは粉状の金
属粒をめっき液に接触させて直接溶解させる方法と、炭
酸亜鉛、酸化ニッケル、炭酸ニッケル等の金属塩(薬
剤)の形で溶解させる方法とがあり、こうした金属イオ
ンの補給はライン内のめっきセルとの間で常時めっき液
を循環させているめっき液循環タンクではなく、このめ
っき液循環タンクとは別に設けられる金属溶解槽におい
て行われ、めっき液は送液ポンプによりこれらのタンク
間を送液されるのが普通である。
使用される。また、めっき液中への亜鉛、ニッケル等の
金属イオンの補給方法としては、塊状あるいは粉状の金
属粒をめっき液に接触させて直接溶解させる方法と、炭
酸亜鉛、酸化ニッケル、炭酸ニッケル等の金属塩(薬
剤)の形で溶解させる方法とがあり、こうした金属イオ
ンの補給はライン内のめっきセルとの間で常時めっき液
を循環させているめっき液循環タンクではなく、このめ
っき液循環タンクとは別に設けられる金属溶解槽におい
て行われ、めっき液は送液ポンプによりこれらのタンク
間を送液されるのが普通である。
【0004】金属塩は溶解性はよいが、薬品であるから
きわめて高価でコスト低減を妨げる要因となるばかりで
なく、粉体であるため発塵等の環境問題もあり、さらに
これら金属塩に通常含有されるナトリウム、カルシウ
ム、塩素、珪素等の不純物はめっき操業上有害であるか
ら、これら不純物を除去するための専用設備を設ける必
要もある。
きわめて高価でコスト低減を妨げる要因となるばかりで
なく、粉体であるため発塵等の環境問題もあり、さらに
これら金属塩に通常含有されるナトリウム、カルシウ
ム、塩素、珪素等の不純物はめっき操業上有害であるか
ら、これら不純物を除去するための専用設備を設ける必
要もある。
【0005】一方、塊状、あるいは粉状の金属粒は安価
で、環境問題もなく、不純物除去の必要もないが、通常
のめっき液に対しては溶解速度がきわめて低く、かつめ
っき液の状態によって溶解速度が大きく変化するという
問題点がある。直接溶解の場合のめっき液の濃度制御
は、たとえば特公昭53-24897号公報に記載されているよ
うに、めっき液循環タンクと金属溶解槽との間にめっき
液を循環させ、めっき液循環タンクにおけるめっき液濃
度の上限ならびに下限によって液の循環ポンプをオン−
オフしたり、循環流量を調整したりすることにより行わ
れている。そして、この場合の循環タンクへの金属イオ
ンの供給量は、めっき電流と時間との積からめっきによ
って金属ストリップに持ち去られる金属イオンの消費量
を算出し、まためっき液循環タンク内の金属イオン濃度
の実測値と目標濃度との差から金属ストリップによる持
ち出し量を算出し、これら金属イオンの消費量を必要供
給量と見なしていた。
で、環境問題もなく、不純物除去の必要もないが、通常
のめっき液に対しては溶解速度がきわめて低く、かつめ
っき液の状態によって溶解速度が大きく変化するという
問題点がある。直接溶解の場合のめっき液の濃度制御
は、たとえば特公昭53-24897号公報に記載されているよ
うに、めっき液循環タンクと金属溶解槽との間にめっき
液を循環させ、めっき液循環タンクにおけるめっき液濃
度の上限ならびに下限によって液の循環ポンプをオン−
オフしたり、循環流量を調整したりすることにより行わ
れている。そして、この場合の循環タンクへの金属イオ
ンの供給量は、めっき電流と時間との積からめっきによ
って金属ストリップに持ち去られる金属イオンの消費量
を算出し、まためっき液循環タンク内の金属イオン濃度
の実測値と目標濃度との差から金属ストリップによる持
ち出し量を算出し、これら金属イオンの消費量を必要供
給量と見なしていた。
【0006】しかしこの方法では、濃度測定と流量調整
等のアクションとのタイミングのずれや、めっき条件の
変更に伴う目標濃度の変更等に対する追随性が悪く、い
わゆるハンチング現象を生じて濃度の変動が大きいとい
う問題点があった。こうした点を改善するものとして、
特公昭62-46640号公報に記載されているめっき液濃度制
御方法を図2により簡単に説明する。図2はこの公報記
載の発明の装置構成を示し、1はめっきセル、2はめっ
き液循環タンク、3は原料ホッパ、4は原料切り出し装
置、41は投入量制御装置、5は金属溶解槽、52はレベル
計、8は沈殿槽、11は速度計、12は設定器、13は演算
機、Sは金属ストリップである。
等のアクションとのタイミングのずれや、めっき条件の
変更に伴う目標濃度の変更等に対する追随性が悪く、い
わゆるハンチング現象を生じて濃度の変動が大きいとい
う問題点があった。こうした点を改善するものとして、
特公昭62-46640号公報に記載されているめっき液濃度制
御方法を図2により簡単に説明する。図2はこの公報記
載の発明の装置構成を示し、1はめっきセル、2はめっ
き液循環タンク、3は原料ホッパ、4は原料切り出し装
置、41は投入量制御装置、5は金属溶解槽、52はレベル
計、8は沈殿槽、11は速度計、12は設定器、13は演算
機、Sは金属ストリップである。
【0007】上記の構成において、一定の周期毎に、一
定時間経過後におけるめっき液循環タンク2内の金属イ
オン濃度が目標値となるよう、金属溶解槽5への金属投
入速度を算出し、算出した金属投入速度に対応して原料
切り出し装置4を制御することにより、めっき液濃度の
予測制御が効果的に行われるとしている。しかし、この
方法では、ライン内のめっきセル1における操業条件が
大きく変化するときなどに迅速な対応が困難である。そ
の場合、めっき液循環タンク2の容量を大きくすればあ
る程度対応できるが、不経済である。
定時間経過後におけるめっき液循環タンク2内の金属イ
オン濃度が目標値となるよう、金属溶解槽5への金属投
入速度を算出し、算出した金属投入速度に対応して原料
切り出し装置4を制御することにより、めっき液濃度の
予測制御が効果的に行われるとしている。しかし、この
方法では、ライン内のめっきセル1における操業条件が
大きく変化するときなどに迅速な対応が困難である。そ
の場合、めっき液循環タンク2の容量を大きくすればあ
る程度対応できるが、不経済である。
【0008】また、亜鉛、ニッケル等の溶解性の悪い金
属の場合、めっき液の温度やpHによる溶解速度の変化
が大きく、金属投入速度のみから実際の溶解速度を推定
することは現実的でないという問題点もある。
属の場合、めっき液の温度やpHによる溶解速度の変化
が大きく、金属投入速度のみから実際の溶解速度を推定
することは現実的でないという問題点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の問題点を解消し、きわめて容易でかつ確
実な手段によって精度よく金属イオンの濃度管理を行う
方法ならびに装置を提供することを目的とする。
における上記の問題点を解消し、きわめて容易でかつ確
実な手段によって精度よく金属イオンの濃度管理を行う
方法ならびに装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のめっき液
への金属イオンの補給方法は、不溶性陽極を用いるめっ
きセルとの間でめっき液を循環させるめっき液循環タン
クを有する金属ストリップの連続めっき設備において、
めっきセル内で消費された金属イオンを補給する金属溶
解槽と前記めっき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッ
ションタンクを設け、このクッションタンク内のめっき
液の金属イオン濃度の実測値に基づいてクッションタン
クからめっき液循環タンクへ補給するめっき液の送液量
を決定することを特徴とする。
への金属イオンの補給方法は、不溶性陽極を用いるめっ
きセルとの間でめっき液を循環させるめっき液循環タン
クを有する金属ストリップの連続めっき設備において、
めっきセル内で消費された金属イオンを補給する金属溶
解槽と前記めっき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッ
ションタンクを設け、このクッションタンク内のめっき
液の金属イオン濃度の実測値に基づいてクッションタン
クからめっき液循環タンクへ補給するめっき液の送液量
を決定することを特徴とする。
【0011】また、本発明の第2のめっき液への金属イ
オンの補給方法は、不溶性陽極を用いるめっきセルとの
間でめっき液を循環させるめっき液循環タンクを有する
金属ストリップの連続めっき設備において、めっき液内
で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記め
っき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンク
を設け、前記めっき液循環タンク内のめっき液の金属イ
オン濃度の実測値に基づいて補給すべき金属イオン量を
算出し、この金属イオン量とクッションタンク内のめっ
き液の金属イオン濃度の実測値に基づいてクッションタ
ンクからめっき液循環タンクへ補給するめっき液の送液
量を決定することを特徴とする。
オンの補給方法は、不溶性陽極を用いるめっきセルとの
間でめっき液を循環させるめっき液循環タンクを有する
金属ストリップの連続めっき設備において、めっき液内
で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記め
っき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンク
を設け、前記めっき液循環タンク内のめっき液の金属イ
オン濃度の実測値に基づいて補給すべき金属イオン量を
算出し、この金属イオン量とクッションタンク内のめっ
き液の金属イオン濃度の実測値に基づいてクッションタ
ンクからめっき液循環タンクへ補給するめっき液の送液
量を決定することを特徴とする。
【0012】本発明の第1のめっき液への金属イオンの
補給装置は、不溶性陽極を用いるめっきセルとの間でめ
っき液を循環させるめっき液循環タンクを有する金属ス
トリップの連続めっき設備において、めっき液内で消費
された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記めっき液
循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンクを設
け、このクッションタンクにタンク内のめっき液の金属
イオン濃度を測定する分析計を備えたことを特徴とす
る。
補給装置は、不溶性陽極を用いるめっきセルとの間でめ
っき液を循環させるめっき液循環タンクを有する金属ス
トリップの連続めっき設備において、めっき液内で消費
された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記めっき液
循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンクを設
け、このクッションタンクにタンク内のめっき液の金属
イオン濃度を測定する分析計を備えたことを特徴とす
る。
【0013】さらに、本発明の第2のめっき液への金属
イオンの補給装置は、不溶性陽極を用いるめっきセルと
の間でめっき液を循環させるめっき液循環タンクを有す
る金属ストリップの連続めっき設備において、めっき液
内で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記
めっき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタン
クを設け、前記めっき液循環タンクとこのクッションタ
ンクにそれぞれのタンク内のめっき液の金属イオン濃度
を測定する分析計を備えたことを特徴とする。
イオンの補給装置は、不溶性陽極を用いるめっきセルと
の間でめっき液を循環させるめっき液循環タンクを有す
る金属ストリップの連続めっき設備において、めっき液
内で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記
めっき液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタン
クを設け、前記めっき液循環タンクとこのクッションタ
ンクにそれぞれのタンク内のめっき液の金属イオン濃度
を測定する分析計を備えたことを特徴とする。
【0014】
【作 用】本発明では、金属溶解槽とめっき液循環タン
クとの中間にクッションタンクを設け、金属溶解槽にお
いて金属を溶解しためっき液を一旦このクッションタン
クに受入れ、めっき液の金属イオン濃度を測定してその
濃度に対応してめっき液循環タンクへ補給するめっき液
の量を決定するようにしたから、補給液の濃度誤差がほ
とんどなく、精度のよい金属イオン濃度管理を行うこと
ができる。
クとの中間にクッションタンクを設け、金属溶解槽にお
いて金属を溶解しためっき液を一旦このクッションタン
クに受入れ、めっき液の金属イオン濃度を測定してその
濃度に対応してめっき液循環タンクへ補給するめっき液
の量を決定するようにしたから、補給液の濃度誤差がほ
とんどなく、精度のよい金属イオン濃度管理を行うこと
ができる。
【0015】
【実施例】本発明を実施するめっき液溶解槽付近の設備
構成を図1に示す。1はめっきセル、2はめっき液循環
タンク、3は原料ホッパ、4は原料切り出し装置、5は
金属溶解槽、51は攪拌機、6はフィルタ、7はクッショ
ンタンク、9、10は分析計、Sは金属ストリップ、P1〜
P3あるいはPはポンプである。
構成を図1に示す。1はめっきセル、2はめっき液循環
タンク、3は原料ホッパ、4は原料切り出し装置、5は
金属溶解槽、51は攪拌機、6はフィルタ、7はクッショ
ンタンク、9、10は分析計、Sは金属ストリップ、P1〜
P3あるいはPはポンプである。
【0016】めっき液循環タンク2内にあるめっき液の
一部を、ポンプP1により所定量だけ金属溶解槽5に送液
する。金属溶解槽5では、原料ホッパ3より原料切り出
し装置4を介して所定量の金属粒、あるいは金属塩であ
る薬剤が供給され、攪拌機51により攪拌されて溶解す
る。このとき、金属あるいは薬剤の供給量は、pH、温
度等のめっき液の条件によらず所定量とし、多少多目に
供給することは差し支えない。
一部を、ポンプP1により所定量だけ金属溶解槽5に送液
する。金属溶解槽5では、原料ホッパ3より原料切り出
し装置4を介して所定量の金属粒、あるいは金属塩であ
る薬剤が供給され、攪拌機51により攪拌されて溶解す
る。このとき、金属あるいは薬剤の供給量は、pH、温
度等のめっき液の条件によらず所定量とし、多少多目に
供給することは差し支えない。
【0017】溶解終了後、このめっき液はポンプP2によ
り、未溶解金属をフィルタ6で捕捉、濾過した後クッシ
ョンタンク7へ送られる。クッションタンク7内の金属
イオン濃度は分析計10によって随時測定が行われる。め
っき液循環タンク2内の金属イオンは、めっきセル1で
金属ストリップSに持ち去られて消費されるが、めっき
液循環タンク2内の金属イオン濃度は分析計9によって
常時測定、監視されている。
り、未溶解金属をフィルタ6で捕捉、濾過した後クッシ
ョンタンク7へ送られる。クッションタンク7内の金属
イオン濃度は分析計10によって随時測定が行われる。め
っき液循環タンク2内の金属イオンは、めっきセル1で
金属ストリップSに持ち去られて消費されるが、めっき
液循環タンク2内の金属イオン濃度は分析計9によって
常時測定、監視されている。
【0018】分析計9の測定値と目標の金属イオン濃度
との差から補給すべき金属イオン量が算出され、分析計
9の測定値によって、クッションタンク7からめっき液
循環タンク2への送液量が算出されるから、これに従っ
てポンプP3により必要量を送液する。クッションタンク
7内の液量が所定レベルまで減少した場合は、ポンプP1
によりめっき液循環タンク2から溶解槽5へ送液し、さ
らにポンプP2により溶解後のめっき液をクッションタン
ク7へ送液する。この操作を繰り返すことにより、めっ
き液循環タンク2内の液量と金属イオン濃度を、所定の
範囲に維持するのである。
との差から補給すべき金属イオン量が算出され、分析計
9の測定値によって、クッションタンク7からめっき液
循環タンク2への送液量が算出されるから、これに従っ
てポンプP3により必要量を送液する。クッションタンク
7内の液量が所定レベルまで減少した場合は、ポンプP1
によりめっき液循環タンク2から溶解槽5へ送液し、さ
らにポンプP2により溶解後のめっき液をクッションタン
ク7へ送液する。この操作を繰り返すことにより、めっ
き液循環タンク2内の液量と金属イオン濃度を、所定の
範囲に維持するのである。
【0019】このような操作を行うことにより、金属や
薬剤の溶解速度がめっき液の温度やpH等の条件により
大きく変化して演算等による推定が困難な場合にも、補
給するめっき液はクッションタンク内で金属イオン濃度
を実測したものを使用するから、めっき液中の金属イオ
ン濃度の管理精度を大きく向上させることができた。な
お、めっき液循環タンク2へ補給すべき金属イオン量
は、上記の分析計9による実測値に代えて、めっき付着
量、鋼帯寸法、ライン速度から求められる金属イオンの
消費量の推定値によって決定してもよい。この場合も、
補給するクッションタンク内のめっき液の金属イオン濃
度は実測値によることが必要であり、分析計10による測
定値を使用しなければならない。
薬剤の溶解速度がめっき液の温度やpH等の条件により
大きく変化して演算等による推定が困難な場合にも、補
給するめっき液はクッションタンク内で金属イオン濃度
を実測したものを使用するから、めっき液中の金属イオ
ン濃度の管理精度を大きく向上させることができた。な
お、めっき液循環タンク2へ補給すべき金属イオン量
は、上記の分析計9による実測値に代えて、めっき付着
量、鋼帯寸法、ライン速度から求められる金属イオンの
消費量の推定値によって決定してもよい。この場合も、
補給するクッションタンク内のめっき液の金属イオン濃
度は実測値によることが必要であり、分析計10による測
定値を使用しなければならない。
【0020】図1の設備を使用し、鋼帯の純亜鉛めっき
設備における亜鉛イオンの供給源として溶解性の悪い金
属亜鉛を用いて操業を行ったが、めっき液循環タンク内
の亜鉛イオン濃度を 100±5 g/リットルの範囲で管理
することができた。なお、この間のめっき液温度は60±
5 ℃、pHは 1.4〜1.8 のばらつきがあり、従来法にお
いては 100±10g/リットルの精度がやっとであった
が、本発明により、溶解性のよい炭酸亜鉛等と同等の濃
度管理が実現することになり、コストならびに不純物除
去や環境管理上問題点の多い薬剤を使用することなしに
精度のよい金属めっきを行うことができるようになっ
た。
設備における亜鉛イオンの供給源として溶解性の悪い金
属亜鉛を用いて操業を行ったが、めっき液循環タンク内
の亜鉛イオン濃度を 100±5 g/リットルの範囲で管理
することができた。なお、この間のめっき液温度は60±
5 ℃、pHは 1.4〜1.8 のばらつきがあり、従来法にお
いては 100±10g/リットルの精度がやっとであった
が、本発明により、溶解性のよい炭酸亜鉛等と同等の濃
度管理が実現することになり、コストならびに不純物除
去や環境管理上問題点の多い薬剤を使用することなしに
精度のよい金属めっきを行うことができるようになっ
た。
【0021】なお、この金属イオン補給装置は、金属粒
を直接溶解させるのに好適ではあるが、金属塩を溶解さ
せることもできるのは、いうまでもない。
を直接溶解させるのに好適ではあるが、金属塩を溶解さ
せることもできるのは、いうまでもない。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、溶解性の悪い金属亜
鉛、金属ニッケル等を直接めっき液中に溶解させ、精度
よくイオン濃度管理を行うことができるので、高価な炭
酸ニッケル等の薬品を使用する場合に比べて、めっき処
理におけるコストが大きく削減されるばかりでなく、炭
酸ニッケル中に含有される各種マンガン、ナトリウム、
カルシウム、塩素、珪素等の不純物による種々の設備ト
ラブルが解消され、また、従来これら不純物を除去する
ために設置していた専用の除去設備が不用となることに
よって年間数千万円におよぶ除去費用が節減されるなど
のすぐれた効果がある。
鉛、金属ニッケル等を直接めっき液中に溶解させ、精度
よくイオン濃度管理を行うことができるので、高価な炭
酸ニッケル等の薬品を使用する場合に比べて、めっき処
理におけるコストが大きく削減されるばかりでなく、炭
酸ニッケル中に含有される各種マンガン、ナトリウム、
カルシウム、塩素、珪素等の不純物による種々の設備ト
ラブルが解消され、また、従来これら不純物を除去する
ために設置していた専用の除去設備が不用となることに
よって年間数千万円におよぶ除去費用が節減されるなど
のすぐれた効果がある。
【図1】本発明の実施例を示す設備構成図である。
【図2】従来の技術例を示す設備構成図である。
1 めっきセル 2 めっき液循環タンク 3 原料ホッパ 4 原料切り出し装置 5 金属溶解槽 6 フィルタ 7 クッションタンク 8 沈殿槽 9、10 分析計 11 速度計 12 設定器 13 演算器 41 投入量制御装置 51 攪拌機 52 レベル計 S 金属ストリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池永 孝雄 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 桜井 昭雄 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 進 修 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (5)
- 【請求項1】 不溶性陽極を用いるめっきセルとの間で
めっき液を循環させるめっき液循環タンクを有する金属
ストリップの連続めっき設備において、めっき液内で消
費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記めっき
液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンクを設
け、このクッションタンク内のめっき液の金属イオン濃
度の実測値に基づいてクッションタンクからめっき液循
環タンクへ補給するめっき液の送液量を決定することを
特徴とするめっき液への金属イオンの補給方法。 - 【請求項2】 不溶性陽極を用いるめっきセルとの間で
めっき液を循環させるめっき液循環タンクを有する金属
ストリップの連続めっき設備において、めっき液内で消
費された金属イオンを補給する金属溶解槽と前記めっき
液循環タンクとを結ぶ配管途上にクッションタンクを設
け、前記めっき液循環タンク内のめっき液の金属イオン
濃度の実測値に基づいて補給すべき金属イオン量を算出
し、この金属イオン量とクッションタンク内のめっき液
の金属イオン濃度の実測値に基づいてクッションタンク
からめっき液循環タンクへ補給するめっき液の送液量を
決定することを特徴とするめっき液への金属イオンの補
給方法。 - 【請求項3】 不溶性陽極を用いるめっきセル(1)と
の間でめっき液を循環させるめっき液循環タンク(2)
を有する金属ストリップの連続めっき設備において、め
っき液内で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽
(5)と前記めっき液循環タンク(2)とを結ぶ配管途
上にクッションタンク(7)を設け、このクッションタ
ンク(7)にタンク内のめっき液の金属イオン濃度を測
定する分析計(10)を備えたことを特徴とするめっき液
への金属イオンの補給装置。 - 【請求項4】 不溶性陽極を用いるめっきセル(1)と
の間でめっき液を循環させるめっき液循環タンク(2)
を有する金属ストリップの連続めっき設備において、め
っき液内で消費された金属イオンを補給する金属溶解槽
(5)と前記めっき液循環タンク(2)とを結ぶ配管途
上にクッションタンク(7)を設け、前記めっき液循環
タンク(2)とこのクッションタンク(7)にそれぞれ
のタンク内のめっき液の金属イオン濃度を測定する分析
計(9、10)を備えたことを特徴とするめっき液への金
属イオンの補給装置。 - 【請求項5】 金属溶解槽(5)とクッションタンク
(7)とを結ぶ配管途上に未溶解金属を捕捉するフィル
タ(6)を設置した請求項3あるいは請求項4に記載の
めっき液への金属イオンの補給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11706594A JP2836670B2 (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | めっき液中への金属イオンの補給方法およびその装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1110585C (zh) * | 1996-01-31 | 2003-06-04 | 川崎制铁株式会社 | 连续电镀中的电镀液成分浓度控制方法 |
KR100623784B1 (ko) * | 2005-04-28 | 2006-09-19 | 대륙금속(주) | 크롬 도금조 |
JP2008266761A (ja) * | 2007-04-25 | 2008-11-06 | Nippon Steel Corp | めっき液供給設備 |
JP2011006720A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Sharp Corp | 処理装置及び処理方法 |
-
1994
- 1994-05-30 JP JP11706594A patent/JP2836670B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN1110585C (zh) * | 1996-01-31 | 2003-06-04 | 川崎制铁株式会社 | 连续电镀中的电镀液成分浓度控制方法 |
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