JPH07316863A - 電解用二酸化鉛電極及びその製造方法 - Google Patents

電解用二酸化鉛電極及びその製造方法

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JPH07316863A
JPH07316863A JP6129790A JP12979094A JPH07316863A JP H07316863 A JPH07316863 A JP H07316863A JP 6129790 A JP6129790 A JP 6129790A JP 12979094 A JP12979094 A JP 12979094A JP H07316863 A JPH07316863 A JP H07316863A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の二酸化鉛電極は高電流密度領域での使
用を意図し該領域での使用に耐える構造を得るために高
価なチタン系基材及び中間層を有していた。本発明は比
較的低電流密度領域での使用を意図し該領域での使用に
耐え得る安価な二酸化鉛電極とその製造方法を提供す
る。 【構成】 金属鉛を含浸又はメッキした多孔質炭素基
材、該基材上に形成したα−二酸化鉛層及び該α−二酸
化鉛層表面に形成したβ−二酸化鉛層から成る電解用二
酸化鉛電極。基材を安価で炭素で構成しかつ該炭素基材
の消耗を抑制するため金属鉛を使用して、従来の高価な
チタン基材の使用を回避しかつ高価な中間層を省略して
安価な二酸化鉛電極を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解用二酸化鉛電極及
びその製造方法に関し、より詳細には20A/dm2 以下
の比較的低電流密度で使用する主として水処理や排水処
理に使用する電解処理用二酸化鉛陽極及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】廃水規制の強化により廃水処
理は深刻な問題となっている。特に廃水中の金属成分は
従来主として中和沈澱法により酸化物−水酸化物スラッ
ジとして沈澱させ廃棄していた。しかしこの方法では廃
棄量が増大しかつ金属が有価物である場合にも金属成分
の回収が不可能であるという問題点があった。一方廃水
中の有機物はCODやTOCとして廃水中に残留し、そ
の分解のために高価な過酸化水素、オゾン又は次亜塩素
酸等を必要とし、更に次亜塩素酸を使用すると有毒な有
機塩化物を生成するという二次公害の可能性も指摘され
ている。
【0003】これらの問題点の一部を解決するために電
解による廃水処理が提案されている。廃水を三次元的広
がりを有する陰極を使用して処理すると廃水中の金属と
前記陰極との会合をチャンスが増大し、低電流密度で廃
水中の金属イオンを陰極表面に電着させ回収することが
可能になる。この処理のみでは完全な廃水の浄化ができ
ない場合でも、イオン交換樹脂等による最終処理を行う
ことにより完全な廃水浄化を達成でき、しかもこの電解
処理では中和沈澱法では処理できない金属キレートも処
理できるという特徴がある。一方廃水中のCOD、BO
D及びTOCは酸化性の大きい陽極を使用して電解を行
うことにより分解して処理できる。即ち陽極処理及び陰
極処理を組み合わせることにより金属除去又は回収と有
機物分解を同時に行うことができ、実際に金属除去と有
機物分解を同時に行える処理装置が市販されている。
【0004】従来の電解による廃水処理装置の陽極電流
密度は10A/dm2 以下であり、それを越えると酸素発
生が主となり電流の供給量ほどには目的である有機物分
解が進行しなくなる。有機物分解用の陽極物質としては
鉛や鉛合金及び二酸化鉛が最適であるが、鉛や鉛合金は
溶出速度が二酸化鉛の約100 倍である数mg/AHに達
し二次汚染の問題が生ずるため、通常は二酸化鉛が使用
される。白金メッキチタン等も陽極としての電位が高い
ため有望であるが、価格が高く電位の割には酸化力が弱
いため、その使用は限られている。
【0005】このような廃水処理に最適の二酸化鉛電極
は、通常チタン又はチタン合金基材上に酸化防止並びに
導電性を保持するための中間層を設け、該中間層の上に
二酸化鉛層を形成して構成される。中間層を形成するの
は、二酸化鉛が一種のセラミクスであり導電性は大きい
が極めて脆く二酸化鉛層のみでは十分な強度が得られな
いからであり、高価なチタン材を基材としかつ中間層と
して高価な物質である白金や酸化チタン/タンタル等を
使用しなければならず、二酸化鉛自体は安価であるとし
ても最終的に製造される電極は高価になってしまうとい
う欠点があった。通常二酸化鉛電極は100 A/dm2
上の電流密度でも極めて安定であり、このような高電流
密度用としては前述の中間層を有する仕様でも良いが、
電流密度が小さい例えば廃水処理用としては過剰仕様で
あり、高価であるため用途が限定されていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上述の従来の二酸化鉛電極の
欠点を解決し、安価で取扱いの容易な主として低電流密
度で使用する特に水処理に適した長寿命の二酸化鉛電極
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【問題点を解決するための手段】本発明は、金属鉛を含
浸又はメッキした多孔質炭素基材、該基材上に形成した
α−二酸化鉛層及び該α−二酸化鉛層表面に形成したβ
−二酸化鉛層から成る電解用二酸化鉛電極及びその製造
方法である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。従来の二酸
化鉛電極のように基材としてチタン等の弁金属を使用す
ると二酸化鉛の酸化により又高い電位により基材表面が
不働態化してしまい、そのままでは使用できなくなるた
め、白金やチタン−タンタル酸化物+白金等から成る耐
食性の薄層を表面層として生成する必要があった。その
ため弁金属自体高価であることに加えてこれらの表面層
の形成に要するコストも莫大となり、安価に電極を製造
することはできなかった。この問題点に鑑み、本発明で
は基材として安価な炭素材料を使用する。該炭素材料の
形状は最終的な電極の形状に応じて、板状、棒状、網
状、多孔状等の適宜形状とすることができる。又その表
面状態は平滑であっても良いが多孔質として後述の鉛等
との親和力を向上指せることが望ましい。
【0008】二酸化鉛の比重はα−二酸化鉛及びβ−二
酸化鉛とも約9であり極めて重いため、これらの二酸化
鉛層を基材上に保持するためには炭素基材として物理的
強度が大きい炭素材料を使用することが不可欠であり、
例えば繊維状の炭素を焼結した所謂カーボンペーパー
(炭素紙又は炭素抄紙)として市販されているものが良
く、特に導電性及び耐食性を向上させるために前記カー
ボンペーパーはグラファイト化処理することが望まし
い。
【0009】この炭素基材上に直接二酸化鉛層を形成す
ると二酸化鉛層の一部が破壊し、露出した炭素基材が選
択的に反応し二酸化炭素として揮散し基材の酸化による
消耗のため電極全体の寿命が短くなってしまう。これを
回避するため本発明では前記炭素基材に金属鉛を含浸さ
せるかその表面に金属鉛層をメッキする。該炭素基材へ
の鉛の含浸は該基材を溶融鉛中に浸漬させて行うことが
好ましく、メッキの場合は硼フッ化鉛浴等を使用して前
記基材に鉛を電気メッキする。なお炭素基材が多孔質で
ない場合には含浸は不適当であり電気メッキにより鉛を
基材表面にメッキする。
【0010】溶融鉛の含浸の条件は特に限定されない
が、基材と溶融鉛間の濡れ性を良好に保持すれば鉛が基
材の孔中に進入して鉛が炭素基材中に保持される。前記
濡れ性の向上のためには含浸に先立ってメタノールやエ
タノール等のアルコールその他の有機溶媒で基材表面の
洗浄を行い表面張力を低下させて基材と鉛との親和力を
高めることが望ましい。含浸時の温度は鉛が液状として
存在すれば特に限定されないが300 ℃より若干高めにし
て鉛の粘性を小さくして濡れ性を高めておくことが望ま
しい。この状態で溶融鉛と炭素基材を接触させると該炭
素基材が鉛を十分に吸収し、そのアンカー効果と相まっ
て十分強固でしかも十分な導電性を有する含浸鉛層が形
成される。一方電気メッキを使用する場合には市販の硼
フッ化浴鉛メッキ液を使用でき、その代表的な浴として
は、鉛として150 g/リットル、硼フッ酸150 g/リッ
トル、ペプトン2〜4g/リットルを含む浴等がある。
これらの浴を使用し、鉛を陽極として温度20〜25℃、電
流密度約3A/dm2 で約1時間メッキを行うことによ
り約40〜50μmの厚さを有するメッキ層を形成できる。
【0011】形成されるメッキ層の厚さは特に限定され
ないが10μmより薄いと貫通孔の生成を完全には防止で
きなくなる。貫通孔が生成しても通常の使用には支障は
生じないが使用が長期間に渡ると電解液による炭素基材
の腐食が生ずることもあるため、前記メッキ層の厚さは
10μm以上であることが望ましい。又メッキ層の厚さが
100 μmより厚くなると重量が増加してメッキ層表面に
形成される二酸化鉛層が剥離しやすくなるため、前記メ
ッキ層の厚さは100 μm以下であることが望ましい。前
記メッキ操作の電解時間を調節することにより所望厚さ
のメッキ層を得ることができる。
【0012】次いで含浸鉛又は鉛メッキ層を有する前記
基材表面にα−二酸化鉛層を形成する。このα−二酸化
鉛層は前記鉛メッキ層の表面を酸化して得てもあるいは
電解メッキによって得るようにしてもよい。即ち鉛メッ
キ層を有する基材を水溶液中で陽分極して金属鉛を酸化
することによりα−二酸化鉛層に変換できる。水溶液は
酸性でも塩基性でも良いが望ましくは塩基性とする。即
ち10〜20%の苛性ソーダ浴中で前記炭素基材を陽極とし
1A/dm2 程度の電流密度で30分〜1時間電解すると
酸素発生とともに表面が酸化されα−二酸化鉛層が形成
される。
【0013】この陽分極の代わりに電解メッキによりα
−二酸化鉛層を形成するためには、例えば20%程度の苛
性ソーダに酸化鉛(PbO)を飽和溶解した液中で前記
鉛をメッキした炭素基材を陽極として電解を行う。この
電解の代表的な条件は、温度25〜50℃望ましくは40℃、
電流密度0.5 〜2A/dm2 であり、この場合には酸素
発生は起こらず、1A/dm2 の電流密度では約30分程
度でα−二酸化鉛層がほぼ100 %の電流効率で生成す
る。このα−二酸化鉛層は、炭素基材の含浸鉛又は鉛メ
ッキ層と後述する表層のβ−二酸化鉛層の接合を良好に
維持するためのもので、均一であれば薄いほど好まし
い。
【0014】次いでこのα−二酸化鉛層表面にβ−二酸
化鉛層を形成する。該β−二酸化鉛層の厚さは特に限定
されないが安定性を考慮すると50〜200 μmとすること
が望ましく、この程度の厚さのβ−二酸化鉛層を得るた
めの条件は例えば600 〜900g/リットルの硝酸鉛水溶
液中、60℃、2〜4A/dm2 の電流密度で、前記炭素
基材を陽極として1〜2時間電着を行えば良い。β−二
酸化鉛は電着歪が大きくなる傾向があり、これを防止す
るためにβ−二酸化鉛層中にセラミクス粉やフッ素樹脂
を添加することができる。これらの物質は電解液中に懸
濁させ十分攪拌しながら電着を行うことによりβ−二酸
化鉛層中に分散でき、他の電解条件を変える必要はな
い。セラミクス粉及びフッ素樹脂の材質は特に限定され
ず処理される廃水等に対して安定あり導電性を有しない
ことが望ましく、代表的なセラミクス粉としてシリカ、
アルミナ、チタニア、酸化タンタル等が、又代表的なフ
ッ素樹脂として親水性を与えたフッ素樹脂である市販の
テフロンディスパージョン(商品名)等がある。
【0015】これらの粒子の粒径は1〜20μm程度が望
ましく、これを越えると二酸化鉛層の厚さより大きい粒
子が存在することになり、時として貫通孔の原因とな
る。又二酸化鉛層中に撥水性物質を添加して電極表面を
撥水性とし、有機物等の選択分解に適した電極を製造す
ることができる。この電極表面の撥水化のためには前記
電解液中に撥水性物質を添加するとともに該電解液中に
懸濁させるために界面活性剤を加える。界面活性剤の種
類は特に限定されないが、ノニオン系界面活性剤が好適
であり、該界面活性剤に粒径1〜20μmのフッ化グラフ
ァイトやフッ化ピッチ、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FE
P)等の撥水性物質を懸濁し強く攪拌しながら前記α−
二酸化鉛層表面に撥水性物質を分散させたβ−二酸化鉛
層を形成する。電解条件は界面活性剤の種類により異な
るが、一般的には温度40〜50℃、電流密度1〜4A/d
2 好ましくは1〜2A/dm2 とする。
【0016】
【実施例】次に本発明の二酸化鉛電極を製造する実施例
を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではな
い。
【実施例1】王子製紙株式会社製厚さ1.5 mmの焼結カ
ーボンペーパーを基材として使用し、この表面の濡れ性
を良好にするためにエチルエーテル中に15分間浸漬し次
いで自然乾燥させた。この基材を350 ℃の溶融鉛中に浸
漬し、3分間保持後取り出してその表面にヘアドライヤ
ーで熱風を吹き付けて余剰の鉛を除去した。基材表面全
体が薄い鉛層で覆われていた。この鉛層を形成した基材
を40℃の10%苛性ソーダ水溶液中に浸漬して陽極とし、
これをニッケル板陰極に接続し、電流密度1A/dm2
で1時間電解を行った。電解停止後、X線回折で前記基
材の表面状態を観察したところ、緻密なα−二酸化鉛が
約25μmの厚さで覆われていることが分かった。
【0017】この基材を更に粒径1〜10μmのシリカ粉
末を懸濁した800 g/リットルの硝酸鉛水溶液を電解液
とし、温度60℃、電流密度4A/dm2 で電解を行っ
た。これにより50μmの厚さのβ−二酸化鉛を形成する
ことができ、電着歪による曲がり等は見られなかった。
このβ−二酸化鉛層を形成した基材を陽極として、60℃
の150 g/リットルの硫酸中で電解を行ったところ、10
A/dm2 の電流密度でも基材によるオーム損の上昇は
なく、この電流密度で2000時間の電解にも全く問題なく
作動した。
【0018】
【実施例2】実施例1と同じカーボンペーパーを同様に
前処理し、市販の硼フッ化鉛系の鉛メッキ浴中に陰極と
して接続し、見掛け電流密度3A/dm2 で1時間鉛メ
ッキを行った。これによりカーボンペーパーの基材表面
に1m2 当たり約1kgの鉛メッキが施された。20%苛
性ソーダ水溶液に酸化鉛(PbO)を飽和させた液を電
解液として使用し、前記基材を陽極として40℃、1A/
dm2 で1時間電解を行い、該基材表面にα−二酸化鉛
層を形成させた。α−二酸化鉛の厚さは約35μmであっ
た。
【0019】800 g/リットルの硝酸鉛水溶液にノニオ
ン系界面活性剤を10g/リットルとなるように加え、更
に1〜10μmの粒径のフッ化グラファイト粉末を50g/
リットルとなるように懸濁させた。この懸濁液中で前記
基材を、45℃、2A/dm2で2時間電解し、フッ化グ
ラファイトを含む厚さ約50μmのβ−二酸化鉛層を形成
させた。このβ−二酸化鉛層は水には全く濡れ性を示さ
なかった。この電極を3A/dm2 の電流密度で電解に
使用したところ、3000時間経過後も全く問題なく電解を
継続することができた。
【0020】
【実施例3】フミン酸5g/リットルを含む150 g/リ
ットルの硫酸水溶液中で実施例1及び実施例2の電極を
それぞれ陽極として電解を行ったところ、実施例2の電
極は実施例1の電極と比較して約3倍の速度でフミン酸
を分解することが分かった。
【0021】
【発明の効果】本発明は、金属鉛を含浸又はメッキした
多孔質炭素基材、該基材上に形成したα−二酸化鉛層及
び該α−二酸化鉛層表面に形成したβ−二酸化鉛層から
成る電解用二酸化鉛電極である。本発明の二酸化鉛電極
は基材として多孔質炭素基材を使用し、従来の二酸化鉛
電極で使用されたチタン系基材及び中間層を有しない。
このチタン系基材及び中間層を有する二酸化鉛電極は10
0 A/dm2 以上の電流密度でも極めて安定であるが、
使用する材質が高価であるため電極物質として安価な二
酸化鉛を使用しても電極全体としてはかなり高価になっ
てしまう。100 A/dm2 以上の電流密度での電解に使
用する二酸化鉛電極はかなり高価となっても仕方のない
面があるが、低電流密度での電解操作例えば水処理では
高価な耐食性材料を使用して電極を構成する必要はな
い。
【0022】本発明の二酸化鉛電極は低電流密度領域で
使用する電極であり、前述の通り基材として安価な多孔
質炭素材料を使用して、高価なチタン基材や中間層の使
用を回避している。しかしこの多孔質炭素基材表面に直
接α−二酸化鉛層及びβ−二酸化鉛層を形成すると両二
酸化鉛層に形成することのある貫通孔を通して多孔質炭
素基材の消耗が促進される恐れがあるため、本発明では
前記炭素基材とα−二酸化鉛層の間に鉛メッキ層を形成
するか、前記炭素基材に鉛を含浸させるようにしてい
る。この鉛メッキ層や含浸鉛は安価に形成できるため電
極のコスト増は僅かであり低電流密度領域用の安価な二
酸化鉛電極を提供できる。
【0023】又多孔質炭素基材は繊維状炭素の焼結体等
の物理的強度の高い基材とすることが望ましく、これら
の基材を使用すると比重が高い二酸化鉛を確実に保持し
安定した電極を得ることができる。β−二酸化鉛層中に
セラミクス及び/又はフッ素樹脂粉末を分散させること
もでき、これらの物質はβ−二酸化鉛中に生じやすい電
着歪を効果的に防止する。更にβ−二酸化鉛層中に撥水
性フッ素樹脂及び/又はフッ化グラファイトを分散させ
電極表面を撥水性とすることもできる。電極表面を撥水
化することにより有機物の選択分解に適した電極とする
ことができる。
【0024】本発明方法は、多孔質炭素基材を溶融鉛中
に浸漬し該基材中に鉛を含浸させた後、鉛イオンを有す
る電解液中で前記基材を陽極として電解してα−二酸化
鉛層を電着し、次いで硝酸鉛含有電解液中で前記基材を
陽極として電解してβ−二酸化鉛層を電着することを特
徴とする電解用二酸化鉛電極の製造方法であり、該方法
により前述の通り安価で低電流密度領域で使用できる二
酸化鉛電極を提供できる。又該方法の基材中への鉛の含
浸に代えて、表面を親水化した多孔質炭素基材の表面に
電着により金属鉛層を形成することもでき、この場合に
も同様な特性の二酸化鉛電極を提供できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属鉛を含浸又はメッキした多孔質炭素
    基材、該基材上に形成したα−二酸化鉛層及び該α−二
    酸化鉛層表面に形成したβ−二酸化鉛層から成る電解用
    二酸化鉛電極。
  2. 【請求項2】 多孔質炭素基材が繊維状炭素の焼結体で
    ある請求項1に記載の二酸化鉛電極。
  3. 【請求項3】 β−二酸化鉛層中にセラミクス及び/又
    はフッ素樹脂粉末を分散させた請求項1に記載の二酸化
    鉛電極。
  4. 【請求項4】 β−二酸化鉛層中に撥水性フッ素樹脂及
    び/又はフッ化グラファイトを分散させ表面を撥水性と
    した請求項1に記載の二酸化鉛電極。
  5. 【請求項5】 多孔質炭素基材を溶融鉛中に浸漬し該基
    材中に鉛を含浸させた後、鉛イオンを有する電解液中で
    前記基材を陽極として電解してα−二酸化鉛層を電着
    し、次いで硝酸鉛含有電解液中で前記基材を陽極として
    電解してβ−二酸化鉛層を電着することを特徴とする電
    解用二酸化鉛電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 表面を親水化した多孔質炭素基材の表面
    に電着により金属鉛層を形成し、鉛イオンを有する電解
    液中で前記基材を陽極として電解してα−二酸化鉛層を
    電着し、次いで硝酸鉛含有電解液中で前記基材を陽極と
    して電解してβ−二酸化鉛層を電着することを特徴とす
    る電解用二酸化鉛電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面を親水化した多孔質炭素基材の表面
    に電着により金属鉛層を形成し、該金属鉛層を陽分極し
    てその表面にα−二酸化鉛層を形成し、次いで硝酸鉛含
    有電解液中で前記基材を陽極として電解してβ−二酸化
    鉛層を電着することを特徴とする電解用二酸化鉛電極の
    製造方法。
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