JPH07316756A - 金属条の焼鈍方法 - Google Patents
金属条の焼鈍方法Info
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- JPH07316756A JPH07316756A JP13254694A JP13254694A JPH07316756A JP H07316756 A JPH07316756 A JP H07316756A JP 13254694 A JP13254694 A JP 13254694A JP 13254694 A JP13254694 A JP 13254694A JP H07316756 A JPH07316756 A JP H07316756A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧延油の完全な除去と箔の幅方向及び長さ方
向の表面特性(酸化膜厚、水濡れ性)の均一性が高く、
広い範囲の焼きなまし度の金属条であっても生産の容易
な生産性の高い焼鈍方法の提供。 【構成】 コイル状に巻いた金属条を、目的とする強度
と同じかその強度よりもわずかに大きくなるような条件
のバッチ焼鈍を行い、次いでフレーム処理で脱脂を行う
ことを特徴とする金属条の焼鈍方法。
向の表面特性(酸化膜厚、水濡れ性)の均一性が高く、
広い範囲の焼きなまし度の金属条であっても生産の容易
な生産性の高い焼鈍方法の提供。 【構成】 コイル状に巻いた金属条を、目的とする強度
と同じかその強度よりもわずかに大きくなるような条件
のバッチ焼鈍を行い、次いでフレーム処理で脱脂を行う
ことを特徴とする金属条の焼鈍方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延後の金属条(本発
明において金属条とは厚さ5μm〜1ミリの金属の箔ま
たは板状体を意味する。)の焼鈍(焼なましと脱脂の二
つを含む。)工程において金属条の幅方向及び長さ方向
にその水濡れ性、酸化膜等の表面特性の均一性が高く、
生産性が高い金属条、特にアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の箔のための焼鈍処理方法に関する。
明において金属条とは厚さ5μm〜1ミリの金属の箔ま
たは板状体を意味する。)の焼鈍(焼なましと脱脂の二
つを含む。)工程において金属条の幅方向及び長さ方向
にその水濡れ性、酸化膜等の表面特性の均一性が高く、
生産性が高い金属条、特にアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の箔のための焼鈍処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属は比較的安価なものが多く、また価
格の割に機械適性が優れており、安価な導電性材料とし
て、また貴金属などにおいてはその化学的耐食性、装飾
性などに優れているところから工業用材料、電気的材料
などとして広く用いられている。
格の割に機械適性が優れており、安価な導電性材料とし
て、また貴金属などにおいてはその化学的耐食性、装飾
性などに優れているところから工業用材料、電気的材料
などとして広く用いられている。
【0003】特に包装材、電気的素材、日用品、装飾
品、工業用材料などの分野においてはこれに使用するた
めの金属箔(5μm〜200μmくらい)または金属薄
板(200μm〜1mmくらい)が多量に生産されてい
る。
品、工業用材料などの分野においてはこれに使用するた
めの金属箔(5μm〜200μmくらい)または金属薄
板(200μm〜1mmくらい)が多量に生産されてい
る。
【0004】これら金属条は一般にスラブ状の金属をロ
ールを用いて圧延するが、圧延後の表面は圧延の際に使
用されていた圧延油に覆われており、印刷、積層等の金
属条の二次加工の際の障害となることが多い。このため
通常は圧延された金属条を脱脂(圧延油の除去)を兼ね
た焼なましを行うが、通常は金属条をコイル状に巻いた
ままで行われる(本発明ではこの操作をバッチ焼鈍と称
する。)ことが多く、金属条の軟質化のためより脱脂の
目的のために焼鈍の温度、時間などの処理条件を定めて
いるのが普通である。
ールを用いて圧延するが、圧延後の表面は圧延の際に使
用されていた圧延油に覆われており、印刷、積層等の金
属条の二次加工の際の障害となることが多い。このため
通常は圧延された金属条を脱脂(圧延油の除去)を兼ね
た焼なましを行うが、通常は金属条をコイル状に巻いた
ままで行われる(本発明ではこの操作をバッチ焼鈍と称
する。)ことが多く、金属条の軟質化のためより脱脂の
目的のために焼鈍の温度、時間などの処理条件を定めて
いるのが普通である。
【0005】バッチ焼鈍における圧延油の除去について
処理温度や時間に影響を与える因子として圧延油の種類
が問題となるほか、製品の幅や巻径、巻き硬さ等が大き
く影響を与える。特にアルミニウム箔等の金属箔は最近
ますます広幅、長尺製品の要求が多くなってきている
が、これは圧延油のコイルからの逸失に抵抗を大きくす
る方向であり、圧延油の除去を完全とするためには熱処
理に高温、長時間を必要とすることになる。
処理温度や時間に影響を与える因子として圧延油の種類
が問題となるほか、製品の幅や巻径、巻き硬さ等が大き
く影響を与える。特にアルミニウム箔等の金属箔は最近
ますます広幅、長尺製品の要求が多くなってきている
が、これは圧延油のコイルからの逸失に抵抗を大きくす
る方向であり、圧延油の除去を完全とするためには熱処
理に高温、長時間を必要とすることになる。
【0006】コイル状に巻かれたアルミニウム箔コイル
中の箔表面から圧延油の完全な除去は、アルミニウム箔
を高温、長時間熱処理することによりかなりの程度まで
達成できるがなお不十分であり、熱処理が高温、長時間
になればなるほど製品コイルの焼鈍ダレや箔同士のくっ
つき(stick)が起きやすくなる。この場合、圧延
油の逸失抵抗を少なくするため巻き硬さをゆるくするこ
とも考えられるが、コイルの形崩れを起こしやすくなる
ため限度がある。
中の箔表面から圧延油の完全な除去は、アルミニウム箔
を高温、長時間熱処理することによりかなりの程度まで
達成できるがなお不十分であり、熱処理が高温、長時間
になればなるほど製品コイルの焼鈍ダレや箔同士のくっ
つき(stick)が起きやすくなる。この場合、圧延
油の逸失抵抗を少なくするため巻き硬さをゆるくするこ
とも考えられるが、コイルの形崩れを起こしやすくなる
ため限度がある。
【0007】このようにコイル状のままでの焼鈍によっ
て圧延油の完全除去とコイル幅方向及び長さ方向の表面
特性の均一性(酸化膜厚、水濡れ性)を確保するために
は、300℃程度の温度で長時間の加熱(例えば50〜
100時間)処理することが必要といわれている(Al
uminium Foil Production.1
975,Vol.20,pp185〜207)が、幅方
向に均一な製品は得にくい。特に広幅、長尺製品のコイ
ルにあっては、外表面から遠い、かつクリアランスの狭
い(巻き硬さが硬いとき)幅中央部の圧延油は逸失する
ための距離は長く、熱の供給は少なく、逸失抵抗が大き
いため一層表面特性の均一性を確保することは困難とな
る。
て圧延油の完全除去とコイル幅方向及び長さ方向の表面
特性の均一性(酸化膜厚、水濡れ性)を確保するために
は、300℃程度の温度で長時間の加熱(例えば50〜
100時間)処理することが必要といわれている(Al
uminium Foil Production.1
975,Vol.20,pp185〜207)が、幅方
向に均一な製品は得にくい。特に広幅、長尺製品のコイ
ルにあっては、外表面から遠い、かつクリアランスの狭
い(巻き硬さが硬いとき)幅中央部の圧延油は逸失する
ための距離は長く、熱の供給は少なく、逸失抵抗が大き
いため一層表面特性の均一性を確保することは困難とな
る。
【0008】一方、飲料容器、蓋材などのために箔に印
刷をする場合、金属箔の強度が小さいとピッチずれが発
生し易くなるので強度が少し高い(脱脂不十分になる)
ものが必要になるので、脱脂を完全に行うために長時間
の焼鈍を行うことがあり、このためバッチ焼鈍を短時間
ですませると、幅方向、長手方向の脱脂のばらつきが避
けられなくなる。
刷をする場合、金属箔の強度が小さいとピッチずれが発
生し易くなるので強度が少し高い(脱脂不十分になる)
ものが必要になるので、脱脂を完全に行うために長時間
の焼鈍を行うことがあり、このためバッチ焼鈍を短時間
ですませると、幅方向、長手方向の脱脂のばらつきが避
けられなくなる。
【0009】以上のようにバッチ焼鈍においては金属箔
の目的とする強度と脱脂度を合わせることは困難であっ
て、通常は脱脂度を合わせるために余分の焼なましを行
っている。このため必要以上軟化しているため張力を充
分に加えられないためスリッター、セパレーターなどの
速度を低下させる必要があり、またシワもつきやすく収
率の低下をもたらす欠点がある。更に長時間高温度で処
理するため表面側では酸化皮膜が成長して接着強度を低
下させるなど多くの問題点を有している。
の目的とする強度と脱脂度を合わせることは困難であっ
て、通常は脱脂度を合わせるために余分の焼なましを行
っている。このため必要以上軟化しているため張力を充
分に加えられないためスリッター、セパレーターなどの
速度を低下させる必要があり、またシワもつきやすく収
率の低下をもたらす欠点がある。更に長時間高温度で処
理するため表面側では酸化皮膜が成長して接着強度を低
下させるなど多くの問題点を有している。
【0010】このため焼鈍において、脱脂の均一性が高
く、生産性の高いフレーム処理の検討を行ってきたが、
この方法で焼なましと脱脂を同時に行うには焼なましの
ためラインスピードを遅くするか、あるいはフレーム処
理工程に熱処理工程(高温のホットロールまたは加熱処
理室等を通過させる。)の追加が必要となることがあ
り、やはり解決すべき問題を有している。
く、生産性の高いフレーム処理の検討を行ってきたが、
この方法で焼なましと脱脂を同時に行うには焼なましの
ためラインスピードを遅くするか、あるいはフレーム処
理工程に熱処理工程(高温のホットロールまたは加熱処
理室等を通過させる。)の追加が必要となることがあ
り、やはり解決すべき問題を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、圧延油の完
全な除去と箔の幅方向及び長さ方向の表面特性(酸化膜
厚、水濡れ性)の均一性が高く、広い範囲の焼きなまし
度の金属条であっても生産の容易な生産性の高い焼鈍方
法の開発を目的とする。
全な除去と箔の幅方向及び長さ方向の表面特性(酸化膜
厚、水濡れ性)の均一性が高く、広い範囲の焼きなまし
度の金属条であっても生産の容易な生産性の高い焼鈍方
法の開発を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイル状に巻
いた金属条を、目的とする強度と同じかその強度よりも
わずかに大きくなるような条件のバッチ焼鈍を行い、次
いでフレーム処理で脱脂を行うことを特徴とする金属条
の焼鈍方法を開発することにより上記の目的を達成し
た。
いた金属条を、目的とする強度と同じかその強度よりも
わずかに大きくなるような条件のバッチ焼鈍を行い、次
いでフレーム処理で脱脂を行うことを特徴とする金属条
の焼鈍方法を開発することにより上記の目的を達成し
た。
【0013】本発明の対象となる金属条はアルミニウ
ム、銅あるいはその合金等のごとき軟質、低融点の金
属;金、銀、白金等のごとき貴金属;鉄、ステンレスス
チール等のごとき比較的硬質、高融点の金属等の圧延し
た金属箔(5〜200μm位)、金属薄板(200μm
〜1mm位)を対象とする。特に軟質低融点金属あるい
は貴金属の金属条に使用することが好ましい。
ム、銅あるいはその合金等のごとき軟質、低融点の金
属;金、銀、白金等のごとき貴金属;鉄、ステンレスス
チール等のごとき比較的硬質、高融点の金属等の圧延し
た金属箔(5〜200μm位)、金属薄板(200μm
〜1mm位)を対象とする。特に軟質低融点金属あるい
は貴金属の金属条に使用することが好ましい。
【0014】以下、アルミニウム条を代表に本発明を説
明するが、アルミニウム条としては一般工業用の純アル
ミニウム(電解コンデンサ用及び普通の純アルミニウム
を含む。)またはアルミニウム合金であってもよく、特
に制限はない。アルミニウム条の厚さも特に制限がある
わけでないが、一般には5μm〜1mm位である。
明するが、アルミニウム条としては一般工業用の純アル
ミニウム(電解コンデンサ用及び普通の純アルミニウム
を含む。)またはアルミニウム合金であってもよく、特
に制限はない。アルミニウム条の厚さも特に制限がある
わけでないが、一般には5μm〜1mm位である。
【0015】本発明においては、まず圧延され、コイル
に巻かれたアルミニウム条をバッチ焼鈍の焼鈍炉に入
れ、目的とする強度と同一かまたはその強度よりもわず
かに高い強度までの焼なましを行う。実際的にはフレー
ム処理での焼なましを無視して良いときはその強度であ
っても良い。この際の焼鈍条件は通常のバッチ焼鈍より
も緩和な条件、例えば200〜250℃、処理時間10
〜70時間程度で充分である。従って、低温、短時間の
バッチ焼鈍であるため強度は若干高く、また脱脂は不十
分であることはもちろんである。
に巻かれたアルミニウム条をバッチ焼鈍の焼鈍炉に入
れ、目的とする強度と同一かまたはその強度よりもわず
かに高い強度までの焼なましを行う。実際的にはフレー
ム処理での焼なましを無視して良いときはその強度であ
っても良い。この際の焼鈍条件は通常のバッチ焼鈍より
も緩和な条件、例えば200〜250℃、処理時間10
〜70時間程度で充分である。従って、低温、短時間の
バッチ焼鈍であるため強度は若干高く、また脱脂は不十
分であることはもちろんである。
【0016】この不完全なバッチ焼鈍したアルミニウム
条は次いでフレーム処理を行う。このフレーム処理は不
完全焼鈍アルミニウム条のコイルをセパレーター、スリ
ッター等にかけ、アルミニウム条が一枚(特に薄箔で2
枚重ねで圧延したときは2枚重ねでも良い。)で走って
いるところ、もしくはセパレーター、スリッター等から
アルミニウム条巻取機までの工程の間の何れかのライン
中に設けたフレーム処理装置により、またはセパレータ
ー、スリッター等を経て巻き取られたコイル状のアルミ
ニウム条をラインとは別のオフラインのフレーム処理装
置を設置した工程で行うことができる。操作の容易性、
生産性を考慮するときはインライン方式で一挙に行うほ
うが簡単である。
条は次いでフレーム処理を行う。このフレーム処理は不
完全焼鈍アルミニウム条のコイルをセパレーター、スリ
ッター等にかけ、アルミニウム条が一枚(特に薄箔で2
枚重ねで圧延したときは2枚重ねでも良い。)で走って
いるところ、もしくはセパレーター、スリッター等から
アルミニウム条巻取機までの工程の間の何れかのライン
中に設けたフレーム処理装置により、またはセパレータ
ー、スリッター等を経て巻き取られたコイル状のアルミ
ニウム条をラインとは別のオフラインのフレーム処理装
置を設置した工程で行うことができる。操作の容易性、
生産性を考慮するときはインライン方式で一挙に行うほ
うが簡単である。
【0017】フレーム処理装置としては、例えば圧延し
たアルミニウム条をセパレートし、ロールに巻き取った
材料をフレーム処理する場合には図1に示すごときもの
(片面処理用)がある。
たアルミニウム条をセパレートし、ロールに巻き取った
材料をフレーム処理する場合には図1に示すごときもの
(片面処理用)がある。
【0018】ロール状に巻きとられたアルミニウム条
(1)はダンサロール(2)を経てバーナー(3)が設
置されたブライドルロール(4)に供給される。このブ
ライドルロール(4)はモーター(図示していない。)
で駆動され、アルミニウム条はほかのテンションリール
等の助けで該ロールの円周の約半分以上にわたって巻き
つくようにする。また該ロールは冷却水などを循環させ
て冷却させておく。
(1)はダンサロール(2)を経てバーナー(3)が設
置されたブライドルロール(4)に供給される。このブ
ライドルロール(4)はモーター(図示していない。)
で駆動され、アルミニウム条はほかのテンションリール
等の助けで該ロールの円周の約半分以上にわたって巻き
つくようにする。また該ロールは冷却水などを循環させ
て冷却させておく。
【0019】バーナー(3)はブライドルロール(4)
からわずかに離して、ロール表面のアルミニウム条
(8)にフレームを吹きつけるように設けられる。ここ
で表面のみ加熱され油分が焼却されたアルミニウム条は
接している冷却ロールで冷やされると共にフレームを離
れた後も冷却され、アルミニウム条の焼なましが防止さ
れる。次いで油分を除去されたアルミニウム条(8)は
シワ防止のためのゴムロール(5)、ブライドルロール
(6)、テンションロール(7)などの補助ロールを経
て巻取機(9)でロール状に巻き取られる。
からわずかに離して、ロール表面のアルミニウム条
(8)にフレームを吹きつけるように設けられる。ここ
で表面のみ加熱され油分が焼却されたアルミニウム条は
接している冷却ロールで冷やされると共にフレームを離
れた後も冷却され、アルミニウム条の焼なましが防止さ
れる。次いで油分を除去されたアルミニウム条(8)は
シワ防止のためのゴムロール(5)、ブライドルロール
(6)、テンションロール(7)などの補助ロールを経
て巻取機(9)でロール状に巻き取られる。
【0020】フレーム処理は、フレーム温度が高温であ
る程脱脂性が良いこと、更に燃料の単位カロリーあたり
の脱脂効率が良好となることを見いだしている。
る程脱脂性が良いこと、更に燃料の単位カロリーあたり
の脱脂効率が良好となることを見いだしている。
【0021】燃料としてはガス燃料、例えば天然ガス、
メタン、プロパン、LPGなどの気体燃料を使用でき
る。特に取り扱い易さ、入手性の点からプロパンが好ま
しい。
メタン、プロパン、LPGなどの気体燃料を使用でき
る。特に取り扱い易さ、入手性の点からプロパンが好ま
しい。
【0022】上記の説明では片面処理の装置を示した
が、温度調節可能なブライドルロール及びフレーム用バ
ーナーをもう一セット設け、アルミニウム条の他の面の
フレーム処理ができるようにすれば両面フレーム処理が
一挙にできることになる。
が、温度調節可能なブライドルロール及びフレーム用バ
ーナーをもう一セット設け、アルミニウム条の他の面の
フレーム処理ができるようにすれば両面フレーム処理が
一挙にできることになる。
【0023】またブライドルロール(4)は冷却する場
合についての説明であったが、加熱オイル循環あるいは
電熱機封入などした加熱ロール装置とすることもでき
る。
合についての説明であったが、加熱オイル循環あるいは
電熱機封入などした加熱ロール装置とすることもでき
る。
【0024】また上記の例においては一旦セパレート
し、巻き取ったアルミニウム条について説明したが、フ
レーム処理装置をセパレーターまたはスリッターなどに
組み込むかまたはそれらと巻取機の間のライン中に設置
して、連続処理するようにしても良いことはもちろんで
ある。
し、巻き取ったアルミニウム条について説明したが、フ
レーム処理装置をセパレーターまたはスリッターなどに
組み込むかまたはそれらと巻取機の間のライン中に設置
して、連続処理するようにしても良いことはもちろんで
ある。
【0025】このフレーム処理は、金属の種類、バーナ
ーの発熱量、この場合はアルミニウム条の厚さ、圧延油
の種類及び残油量、目標とする製品アルミニウム条の純
水との接触角、インラインかオフラインかなどにより異
なるが、一般的には約50〜500m/分程度の高速度
処理が可能である。
ーの発熱量、この場合はアルミニウム条の厚さ、圧延油
の種類及び残油量、目標とする製品アルミニウム条の純
水との接触角、インラインかオフラインかなどにより異
なるが、一般的には約50〜500m/分程度の高速度
処理が可能である。
【0026】焼鈍に先立ち、アルミニウム条に付着して
いる圧延油の種類、圧延油の付着量、目的とする製品ア
ルミニウム条のアルミニウム材質、機械的強度、条の厚
さ、目的とするアルミニウム条の水との接触角などの性
質により面積あたりの供給エネルギーは変わるので実験
的に測定しておくことが好ましい。
いる圧延油の種類、圧延油の付着量、目的とする製品ア
ルミニウム条のアルミニウム材質、機械的強度、条の厚
さ、目的とするアルミニウム条の水との接触角などの性
質により面積あたりの供給エネルギーは変わるので実験
的に測定しておくことが好ましい。
【0027】一般的には処理後のアルミニウム条として
水との接触角が40°以下、好ましくは30°以下であ
れば通常の使用に支障のない性質のあるアルミニウム条
となるので、目標としてこの数値範囲になるようにバッ
チ焼鈍およびフレーム処理を行うことが必要となる。
水との接触角が40°以下、好ましくは30°以下であ
れば通常の使用に支障のない性質のあるアルミニウム条
となるので、目標としてこの数値範囲になるようにバッ
チ焼鈍およびフレーム処理を行うことが必要となる。
【0028】フレームとして供給される熱量も各種条件
により異なるが、一般の用途においては約0.3〜10
kcal/m2 (片面)であり、特に脱脂度を高くした
いときはこれより若干高い数値になる。
により異なるが、一般の用途においては約0.3〜10
kcal/m2 (片面)であり、特に脱脂度を高くした
いときはこれより若干高い数値になる。
【0029】
【作用】本発明は金属条の焼鈍処理において、焼なまし
に合わせると脱脂度が不十分となり、脱脂度に合わせる
と長時間処理が必要となるため焼なましが過剰となるバ
ッチ焼鈍処理と、高速で均一な脱脂処理は可能である
が、焼なましが不十分となりやすく、熱処理のためにラ
インスピードを低く抑えることが必要となるフレーム処
理とを合わせることにより、処理時間の大幅な短縮、適
切な焼きなまし、完全で且つ均一な脱脂、高生産性の焼
鈍処理を達成した。
に合わせると脱脂度が不十分となり、脱脂度に合わせる
と長時間処理が必要となるため焼なましが過剰となるバ
ッチ焼鈍処理と、高速で均一な脱脂処理は可能である
が、焼なましが不十分となりやすく、熱処理のためにラ
インスピードを低く抑えることが必要となるフレーム処
理とを合わせることにより、処理時間の大幅な短縮、適
切な焼きなまし、完全で且つ均一な脱脂、高生産性の焼
鈍処理を達成した。
【0030】即ちバッチ焼鈍は、金属条の目的とする硬
度と同一かまたはその強度よりもわずかに高い強度まで
の焼なましであって、この場合は脱脂度は全く顧慮しな
いで良い。従ってこの焼鈍は比較的低温で短時間で良
く、このため過剰の焼なましがないため金属条の強度は
高く維持されている。
度と同一かまたはその強度よりもわずかに高い強度まで
の焼なましであって、この場合は脱脂度は全く顧慮しな
いで良い。従ってこの焼鈍は比較的低温で短時間で良
く、このため過剰の焼なましがないため金属条の強度は
高く維持されている。
【0031】この不十分な焼鈍金属条は金属条の幅方向
及び長さ方向の脱脂は不均一であるが、これをフレーム
処理と組み合わせることにより高速処理であるにもかか
わらず、脱脂も均一に且つ充分に行われ、高い生産性の
金属条を製造できた。
及び長さ方向の脱脂は不均一であるが、これをフレーム
処理と組み合わせることにより高速処理であるにもかか
わらず、脱脂も均一に且つ充分に行われ、高い生産性の
金属条を製造できた。
【0032】特に合成樹脂フィルムとの張り合せを行う
時、フレーム処理後にバッチ焼鈍を組み合わせる時は焼
鈍後に長時間の冷却が必要となるが、本発明のごとくバ
ッチ焼鈍後にフレーム処理を組み合わせる時は冷却時間
はほとんどいらないか、もしくは短時間の冷却で良く、
フレーム処理後の必要なぬれ性を確保してすぐ貼り合わ
せることができる。
時、フレーム処理後にバッチ焼鈍を組み合わせる時は焼
鈍後に長時間の冷却が必要となるが、本発明のごとくバ
ッチ焼鈍後にフレーム処理を組み合わせる時は冷却時間
はほとんどいらないか、もしくは短時間の冷却で良く、
フレーム処理後の必要なぬれ性を確保してすぐ貼り合わ
せることができる。
【0033】またフレーム処理工程はスリッター処理の
装置と一体化することが容易であるが、スリットした後
バッチ焼鈍することは焼鈍だれ、くっつき、コイルの形
崩れなどあった時の処理工程が複雑になるので、一体化
は困難である。本発明の様にバッチ焼鈍後にフレーム処
理を組み合わせる時は、スリットした金属条のコイルを
そのまま製品とすることができる。
装置と一体化することが容易であるが、スリットした後
バッチ焼鈍することは焼鈍だれ、くっつき、コイルの形
崩れなどあった時の処理工程が複雑になるので、一体化
は困難である。本発明の様にバッチ焼鈍後にフレーム処
理を組み合わせる時は、スリットした金属条のコイルを
そのまま製品とすることができる。
【0034】
【実施例】セパレート済の片面光沢、厚さ30μm、幅
600mm、長さ30,000mの1N30アルミニウ
ム箔を、まず短時間のバッチ焼鈍を行い、次いでプロパ
ンを燃料とする発熱量50,000Kcal/hrのバ
ーナーを備えたフレーム処理装置で焼鈍処理を行った。
それぞれの焼鈍条件及び得られたアルミニウム箔の物性
値を表1に示す。なお比較のため同一のアルミニウム箔
を従来の条件により焼鈍した結果を合わせて示す。
600mm、長さ30,000mの1N30アルミニウ
ム箔を、まず短時間のバッチ焼鈍を行い、次いでプロパ
ンを燃料とする発熱量50,000Kcal/hrのバ
ーナーを備えたフレーム処理装置で焼鈍処理を行った。
それぞれの焼鈍条件及び得られたアルミニウム箔の物性
値を表1に示す。なお比較のため同一のアルミニウム箔
を従来の条件により焼鈍した結果を合わせて示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上より処理時間は大幅に短縮されるだけ
でなく、箔の強度が従来のバッチ焼鈍に比し高くなるこ
と、接着性を阻害する酸化膜厚さを薄くできることが明
らかになった。
でなく、箔の強度が従来のバッチ焼鈍に比し高くなるこ
と、接着性を阻害する酸化膜厚さを薄くできることが明
らかになった。
【0037】
【発明の効果】本発明においては、バッチ焼鈍とフレー
ム処理を組み合わせた金属条焼鈍処理を行うことにより
次のごとき効果を得ることができた。 バッチ焼鈍では、脱脂度を考慮することなく、金属
条の焼なましだけを対象にして行うためバッチ焼鈍の温
度は低く抑えながら時間を大幅に短縮できた。 バッチ焼鈍単独では幅方向、長さ方向の脱脂レベル
のバラツキを、フレーム処理と組み合わせることにより
均一化できた。 酸化膜の原因となるバッチ焼鈍の温度を低く且つ短
時間処理としたため酸化膜の生長が少なく、接着強度の
高い金属箔を得ることができる。 過剰の焼なましがないので焼鈍金属条の強度を高く
維持でき、このため張力を高くしても良く、スリッタ
ー、セパレーター等のスピードアップができる上にシワ
も入りにくくなり、収率も高くなる。 バッチ焼鈍は低温、短時間で良くなったため薄い箔
で問題となるくっつき(Stick)は全くなくなる。
ム処理を組み合わせた金属条焼鈍処理を行うことにより
次のごとき効果を得ることができた。 バッチ焼鈍では、脱脂度を考慮することなく、金属
条の焼なましだけを対象にして行うためバッチ焼鈍の温
度は低く抑えながら時間を大幅に短縮できた。 バッチ焼鈍単独では幅方向、長さ方向の脱脂レベル
のバラツキを、フレーム処理と組み合わせることにより
均一化できた。 酸化膜の原因となるバッチ焼鈍の温度を低く且つ短
時間処理としたため酸化膜の生長が少なく、接着強度の
高い金属箔を得ることができる。 過剰の焼なましがないので焼鈍金属条の強度を高く
維持でき、このため張力を高くしても良く、スリッタ
ー、セパレーター等のスピードアップができる上にシワ
も入りにくくなり、収率も高くなる。 バッチ焼鈍は低温、短時間で良くなったため薄い箔
で問題となるくっつき(Stick)は全くなくなる。
【図1】本発明のバッチ焼鈍の次の行うフレーム処理系
(片面処理)の一例。
(片面処理)の一例。
1 ペイオフ 2 ダンサロール 3 バーナー 4 ブライドルロール 5 シワ防止ロール 6 ブライドルロール 7 テンションロール 8 金属条(アルミニウム箔) 9 巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 圭子 大阪府堺市海山町6丁224番地昭和アルミ ニウム株式会社内 (72)発明者 福田 明夫 大阪府堺市海山町6丁224番地昭和アルミ ニウム株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 コイル状に巻いた金属条を、目的とする
強度と同じかその強度よりもわずかに大きくなるような
条件のバッチ焼鈍を行い、次いでフレーム処理で脱脂を
行うことを特徴とする金属条の焼鈍方法。 - 【請求項2】 温度200〜250℃、処理時間10〜
70時間のバッチ焼鈍を行った後、処理幅1m当たり1
0,000〜300,000Kcal/m/hrの発熱
量を有するバーナーを用い、50m/min〜500m
/minのラインスピードで処理する請求項1記載の金
属条の焼鈍方法。 - 【請求項3】 金属条がアルミニウム箔またはアルミニ
ウム合金箔である請求項1〜2記載の金属条の焼鈍方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13254694A JPH07316756A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 金属条の焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13254694A JPH07316756A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 金属条の焼鈍方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316756A true JPH07316756A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=15083818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13254694A Pending JPH07316756A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 金属条の焼鈍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316756A (ja) |
-
1994
- 1994-05-23 JP JP13254694A patent/JPH07316756A/ja active Pending
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