JPH07316700A - 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 - Google Patents
高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金Info
- Publication number
- JPH07316700A JPH07316700A JP10411494A JP10411494A JPH07316700A JP H07316700 A JPH07316700 A JP H07316700A JP 10411494 A JP10411494 A JP 10411494A JP 10411494 A JP10411494 A JP 10411494A JP H07316700 A JPH07316700 A JP H07316700A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分
散型Ni基合金を提供する。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Cr:15〜35
%、Mo:6〜24%、Ta:1.0〜8%、N:0.
1〜0.3%、Si:0.3%以下、Ti:0.05〜
0.8%、Al:0.01〜0.8%さらに、必要に応
じて、Fe:0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:
0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、
Ca:0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1%、
W:0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの1種
または2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避不純
物からなることを特徴とする高硬度および高強度を有す
る耐食性窒化物分散型Ni基合金からなる。
散型Ni基合金を提供する。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Cr:15〜35
%、Mo:6〜24%、Ta:1.0〜8%、N:0.
1〜0.3%、Si:0.3%以下、Ti:0.05〜
0.8%、Al:0.01〜0.8%さらに、必要に応
じて、Fe:0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:
0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、
Ca:0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1%、
W:0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの1種
または2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避不純
物からなることを特徴とする高硬度および高強度を有す
る耐食性窒化物分散型Ni基合金からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高硬度および高強度
を有する耐食性に優れたNi基合金に関するものであ
る。
を有する耐食性に優れたNi基合金に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、連続電気めっき装置の構
造部材であるコンダクターロール等の製造には、硬さ、
強度並びに耐食性が要求されることから、特公平2−5
7139号公報に記載されている様な耐食性Ni基合金
を初め、その他多くの耐食性Ni基合金が用いられてい
る。
造部材であるコンダクターロール等の製造には、硬さ、
強度並びに耐食性が要求されることから、特公平2−5
7139号公報に記載されている様な耐食性Ni基合金
を初め、その他多くの耐食性Ni基合金が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、上記の
耐食性Ni基合金が利用される産業分野においても、省
エネルギー化への要請は強く、より過酷な条件下での使
用が広がっており、このためにより高い硬さ、強度並び
に耐食性が要求されるが、しかし上記の従来の耐食性N
i基合金では、前記特性のうちの、いずれかの特性を満
足するものがないため、これに充分に対応することが出
来ないのが現状である。
耐食性Ni基合金が利用される産業分野においても、省
エネルギー化への要請は強く、より過酷な条件下での使
用が広がっており、このためにより高い硬さ、強度並び
に耐食性が要求されるが、しかし上記の従来の耐食性N
i基合金では、前記特性のうちの、いずれかの特性を満
足するものがないため、これに充分に対応することが出
来ないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述の観点から、高硬度と高強度を具備し、かつ優れた
耐食性をも合せ持つNi基合金を開発すべく研究を行っ
た結果、Ni基合金を、重量%(以下、%は重量%を示
す)で、Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、T
a:1.0〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.
3%以下、Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01
〜0.8%、さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6
%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、
Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.
01%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなる組成とし、
熱処理により、高硬度の窒化物並びに1部にTi−Al
系の金属間化合物が素地中に微細に分散析出した組織を
有するもので構成すると、この結果のNi基合金は、前
記の分散析出した窒化物及び金属間化合物により、高硬
度と高強度を具備すると共に析出した窒化物及び金属間
化合物が耐食性を低下させることがないため、高硬度お
よび高強度を有する耐食性のNi基合金になり得るとの
知見を得たのである。
上述の観点から、高硬度と高強度を具備し、かつ優れた
耐食性をも合せ持つNi基合金を開発すべく研究を行っ
た結果、Ni基合金を、重量%(以下、%は重量%を示
す)で、Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、T
a:1.0〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.
3%以下、Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01
〜0.8%、さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6
%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、
Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.
01%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなる組成とし、
熱処理により、高硬度の窒化物並びに1部にTi−Al
系の金属間化合物が素地中に微細に分散析出した組織を
有するもので構成すると、この結果のNi基合金は、前
記の分散析出した窒化物及び金属間化合物により、高硬
度と高強度を具備すると共に析出した窒化物及び金属間
化合物が耐食性を低下させることがないため、高硬度お
よび高強度を有する耐食性のNi基合金になり得るとの
知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、Cr:15〜35%、Mo:6〜2
4%、Ta:1.0〜8%、N:0.1〜0.3%、S
i:0.3%以下、Ti:0.05〜0.8%、Al:
0.01〜0.8%を含有し、さらに必要に応じて、F
e:0.5〜6%、Mn:0.3%以下、B:0.00
1〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:
0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1%、W:
0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの1種また
は2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避不純物か
らなる高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型
Ni基合金に特徴を有するものである。
れたものであって、Cr:15〜35%、Mo:6〜2
4%、Ta:1.0〜8%、N:0.1〜0.3%、S
i:0.3%以下、Ti:0.05〜0.8%、Al:
0.01〜0.8%を含有し、さらに必要に応じて、F
e:0.5〜6%、Mn:0.3%以下、B:0.00
1〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:
0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1%、W:
0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの1種また
は2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避不純物か
らなる高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型
Ni基合金に特徴を有するものである。
【0006】この発明のNi基合金の成分組成を上記の
範囲に限定した理由を説明する。
範囲に限定した理由を説明する。
【0007】(a)Cr Cr成分には、素地に固溶して耐食性を向上させると同
時に、素地に微細に分散した窒化物(Cr2 N)を形成
し、硬さおよび強度を高める作用があり、この窒化物は
耐食性を低下せしめることがないが、その含有量が15
%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その
含有量が、35%を越えると、強度を低下させることか
ら、その含有量を15〜35%、望ましくは、17〜2
2%に定めた。
時に、素地に微細に分散した窒化物(Cr2 N)を形成
し、硬さおよび強度を高める作用があり、この窒化物は
耐食性を低下せしめることがないが、その含有量が15
%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その
含有量が、35%を越えると、強度を低下させることか
ら、その含有量を15〜35%、望ましくは、17〜2
2%に定めた。
【0008】(b)Mo Mo成分には、素地に固溶して耐食性及び強度を向上さ
せる作用があるが、その含有量が6%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が24%を越
えると、熱間加工性を著しく低下させることから、その
含有量を6〜24%、望ましくは19〜21%に定め
た。
せる作用があるが、その含有量が6%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が24%を越
えると、熱間加工性を著しく低下させることから、その
含有量を6〜24%、望ましくは19〜21%に定め
た。
【0009】(c)Ta Ta成分には、素地に固溶して、腐食環境下で、素地表
面に、ち密な不働態酸化物皮膜を生成促進させ、耐食性
を一段と向上させる作用があり、又窒化物(TaN)を
形成し、硬さおよび強度を高める作用があるが、その含
有量が1.0%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が8%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させることから、その含有量を1.0〜8%、
望ましくは1.1〜3.5%に定めた。
面に、ち密な不働態酸化物皮膜を生成促進させ、耐食性
を一段と向上させる作用があり、又窒化物(TaN)を
形成し、硬さおよび強度を高める作用があるが、その含
有量が1.0%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が8%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させることから、その含有量を1.0〜8%、
望ましくは1.1〜3.5%に定めた。
【0010】(d)N N成分を、一定量以上添加するとCrやTaと反応し、
微細に分散するCr2NおよびTaN相の窒化物を形成
して、合金の硬さおよび強度を著しく向上させる作用が
あるが、その含有量が0.1%未満では、上記所望の作
用効果が得られず、一方その含有量が0.3%を越える
と、粗大な窒化物が析出するようになり、熱間加工性を
著しく低下させることから、その含有量を0.1〜0.
3%、望ましくは0.11〜0.2%に定めた。
微細に分散するCr2NおよびTaN相の窒化物を形成
して、合金の硬さおよび強度を著しく向上させる作用が
あるが、その含有量が0.1%未満では、上記所望の作
用効果が得られず、一方その含有量が0.3%を越える
と、粗大な窒化物が析出するようになり、熱間加工性を
著しく低下させることから、その含有量を0.1〜0.
3%、望ましくは0.11〜0.2%に定めた。
【0011】(e)Si Si成分は、溶湯の脱酸のために不可欠であるが、その
含有量が0.3%を越えると、熱間加工性を低下させる
ため、その含有量を0.3%以下、望ましくは0.1%
以下に定めた。
含有量が0.3%を越えると、熱間加工性を低下させる
ため、その含有量を0.3%以下、望ましくは0.1%
以下に定めた。
【0012】(f)TiおよびAl これらの成分には、金属間化合物を形成し、素地中に微
細均一に分散し強度を向上させる作用があるので、さら
に高強度が要求される場合含有されるが、その含有量が
Ti:0.05%未満、Al:0.01%未満では上記
所望の作用効果が得られず、一方その含有量がTiで
0.8を越え、Alで0.8%を越えると逆に加工性に
劣化傾向が現われることから、その含有量をTi:0.
05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%、望ましく
はTi:0.2〜0.7%、Al:0.1〜0.7%に
定めた。
細均一に分散し強度を向上させる作用があるので、さら
に高強度が要求される場合含有されるが、その含有量が
Ti:0.05%未満、Al:0.01%未満では上記
所望の作用効果が得られず、一方その含有量がTiで
0.8を越え、Alで0.8%を越えると逆に加工性に
劣化傾向が現われることから、その含有量をTi:0.
05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%、望ましく
はTi:0.2〜0.7%、Al:0.1〜0.7%に
定めた。
【0013】(g)Fe,Mn,B,Zr及びCa これら成分には、熱間加工性を向上させる作用があるの
で、さらに優れた熱間加工性が要求される場合に、添加
含有せしめるが、その含有量が、Fe:0.5%未満、
Mn:0.5%及びB,Zr及びCaのそれぞれ:0.
001%未満の場合、上記所望の作用効果が得られず、
一方その含有量が、Feで6%を越え、Mnで3%を越
え、Bで0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Ca
で0.01%を越えると逆に、熱間加工性劣化の傾向が
現われるようになることから、好ましくない。したがっ
て、Fe,Mn,B,ZrおよびCaの中から選ばれる
元素のうちの1種または2種以上の含有量は、Fe:
0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜
0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.0
01〜0.01%、望ましくはFe:0.6〜4%、M
n:0.6〜1%、B:0.002〜0.08%、Z
r:0.002〜0.08%、Ca:0.002〜0.
008%に定めた。
で、さらに優れた熱間加工性が要求される場合に、添加
含有せしめるが、その含有量が、Fe:0.5%未満、
Mn:0.5%及びB,Zr及びCaのそれぞれ:0.
001%未満の場合、上記所望の作用効果が得られず、
一方その含有量が、Feで6%を越え、Mnで3%を越
え、Bで0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Ca
で0.01%を越えると逆に、熱間加工性劣化の傾向が
現われるようになることから、好ましくない。したがっ
て、Fe,Mn,B,ZrおよびCaの中から選ばれる
元素のうちの1種または2種以上の含有量は、Fe:
0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜
0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.0
01〜0.01%、望ましくはFe:0.6〜4%、M
n:0.6〜1%、B:0.002〜0.08%、Z
r:0.002〜0.08%、Ca:0.002〜0.
008%に定めた。
【0014】(h)Nb,W及びCu これら成分には、耐食性を一段と改善させる作用がある
が、その含有量がNb:0.1%未満、W:0.1%未
満及びCu:0.1%未満では、上記作用効果が得られ
ず、一方その含有量がNbで1%を越え、Wで4%を越
え、Cuで4%を越えると加工性が低下するので好まし
くない。したがって、Nb,WおよびCuの中から選ば
れる元素のうちの1種または2種以上の含有量を、N
b:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びCu:0.1
〜4%、望ましくはNb:0.2〜0.5%、W:0.
2〜1%及びCu:0.2〜1%に定めた。
が、その含有量がNb:0.1%未満、W:0.1%未
満及びCu:0.1%未満では、上記作用効果が得られ
ず、一方その含有量がNbで1%を越え、Wで4%を越
え、Cuで4%を越えると加工性が低下するので好まし
くない。したがって、Nb,WおよびCuの中から選ば
れる元素のうちの1種または2種以上の含有量を、N
b:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びCu:0.1
〜4%、望ましくはNb:0.2〜0.5%、W:0.
2〜1%及びCu:0.2〜1%に定めた。
【0015】(i)不可避不純物 不純物のうち、Cで0.1%を越え、Sで0.01%を
越え、またPで0.03%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させるため、その含有量をC:0.1%以下、
S:0.01%以下またP:0.03%以下に抑えた。
越え、またPで0.03%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させるため、その含有量をC:0.1%以下、
S:0.01%以下またP:0.03%以下に抑えた。
【0016】
【実施例】ついで、本発明Ni基合金の内容について、
実施例にもとづいて具体的に説明する。通常の高周波溶
解炉を用い、アルゴン雰囲気中で所定組成の合金溶湯を
調整した後、金型に鋳造し、表1〜2に示される成分組
成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを作製し、こ
のインゴットを1000〜1230℃の範囲内の所定の
温度に加熱し、この温度に保持しながら、まづ1回目の
熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少させ、以下、1回
の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さを減少させつつ
最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割れの有無を観察
し、割れのないものについて、1220〜1250℃の
範囲内の所定の温度で、1時間保持後、水冷し引き続い
て900〜1100℃の範囲内の温度に30分間保持の
条件で熱処理を施して、素地中に微細均一に窒化物を分
散析出させることにより表1〜4に示す本発明Ni基合
金1〜52、比較Ni基合金1〜13を作製した。
実施例にもとづいて具体的に説明する。通常の高周波溶
解炉を用い、アルゴン雰囲気中で所定組成の合金溶湯を
調整した後、金型に鋳造し、表1〜2に示される成分組
成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを作製し、こ
のインゴットを1000〜1230℃の範囲内の所定の
温度に加熱し、この温度に保持しながら、まづ1回目の
熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少させ、以下、1回
の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さを減少させつつ
最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割れの有無を観察
し、割れのないものについて、1220〜1250℃の
範囲内の所定の温度で、1時間保持後、水冷し引き続い
て900〜1100℃の範囲内の温度に30分間保持の
条件で熱処理を施して、素地中に微細均一に窒化物を分
散析出させることにより表1〜4に示す本発明Ni基合
金1〜52、比較Ni基合金1〜13を作製した。
【0017】つぎに、上記本発明Ni基合金1〜52お
よび比較Ni基合金1〜13について、硬度また強度を
評価する目的で引張り強さを測定し、さらに耐食性を評
価する目的で、15×15×3mmの寸法をもった試験
片を用い、10%H2 SO4沸騰水溶液、65%HNO
3 沸騰水溶液および3%HCl沸騰水溶液にそれぞれ2
4時間浸漬の腐食試験を行い、この腐食試験結果に基づ
いて腐食速度を算出した。これらの結果を表5〜7に示
した。
よび比較Ni基合金1〜13について、硬度また強度を
評価する目的で引張り強さを測定し、さらに耐食性を評
価する目的で、15×15×3mmの寸法をもった試験
片を用い、10%H2 SO4沸騰水溶液、65%HNO
3 沸騰水溶液および3%HCl沸騰水溶液にそれぞれ2
4時間浸漬の腐食試験を行い、この腐食試験結果に基づ
いて腐食速度を算出した。これらの結果を表5〜7に示
した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【発明の効果】表5〜7に示される結果から、本発明N
i基合金1〜52は、いずれも高硬度、高強度及び優れ
た耐食性を有するのに対して、比較Ni基合金1〜13
は構成成分のうちのいずれかの成分含有量が本発明範囲
から外れており(表4に*印を付す)、前記特性のうち
少なくとも、いずれかの特性が劣ることが明らかであ
る。以上の様に、この発明のNi基合金は、高硬度およ
び高強度を有し、かつ優れた耐食性を有するので、例え
ば、連続電気めっき装置の構造部材であるコンダクター
ロール等の他、化学プラント、ボイラー等の排煙脱硫装
置および半導体装置などの構造部材、食品加工および医
療用器具、さらに海水などに晒される各種刃物や手工具
部材等として適用した場合、過酷な条件下での実用に際
しても、長期に亘って優れた性能を発揮するものであ
る。
i基合金1〜52は、いずれも高硬度、高強度及び優れ
た耐食性を有するのに対して、比較Ni基合金1〜13
は構成成分のうちのいずれかの成分含有量が本発明範囲
から外れており(表4に*印を付す)、前記特性のうち
少なくとも、いずれかの特性が劣ることが明らかであ
る。以上の様に、この発明のNi基合金は、高硬度およ
び高強度を有し、かつ優れた耐食性を有するので、例え
ば、連続電気めっき装置の構造部材であるコンダクター
ロール等の他、化学プラント、ボイラー等の排煙脱硫装
置および半導体装置などの構造部材、食品加工および医
療用器具、さらに海水などに晒される各種刃物や手工具
部材等として適用した場合、過酷な条件下での実用に際
しても、長期に亘って優れた性能を発揮するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊蔵 康司 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.3%以下、
Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%
を含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなること
を特徴とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物
分散型Ni基合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.3%以下、
Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%
を含有し、さらにFe:0.5〜6%、Mn:0.5〜
3%、B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜
0.1%およびCa:0.001〜0.01%のうちの
1種または2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高硬度および高強度を
有する耐食性窒化物分散型Ni基合金。 - 【請求項3】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.3%以下、
Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%
を含有し、さらにNb:0.1〜1%、W:0.1〜4
%及びCu:0.1〜4%のうちの1種または2種以上
を含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなること
を特徴とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物
分散型Ni基合金。 - 【請求項4】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.1〜0.3%、Si:0.3%以下、
Ti:0.05〜0.8%、Al:0.01〜0.8%
を含有し、 Fe:0.5〜6%、Mn:3%以下、B:0.001
〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%およびCa:
0.001〜0.01%のうちの1種または2種以上を
含有し、さらにNb:0.1〜1%、W:0.1〜4%
及びCu:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を
含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなることを
特徴とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分
散型Ni基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10411494A JPH07316700A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10411494A JPH07316700A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316700A true JPH07316700A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14372104
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10411494A Withdrawn JPH07316700A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316700A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2671669A4 (en) * | 2011-02-01 | 2015-11-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | HIGH CORE ALLOY WELDING ALLOY, WELDING FOR COATED ELECTRODE AND METAL ARC WELDING FOR COATED ELECTRODE ARC WELDING |
US10112254B2 (en) | 2014-08-21 | 2018-10-30 | Huntington Alloys Corporation | Method for making clad metal pipe |
-
1994
- 1994-05-18 JP JP10411494A patent/JPH07316700A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2671669A4 (en) * | 2011-02-01 | 2015-11-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | HIGH CORE ALLOY WELDING ALLOY, WELDING FOR COATED ELECTRODE AND METAL ARC WELDING FOR COATED ELECTRODE ARC WELDING |
US10675720B2 (en) | 2011-02-01 | 2020-06-09 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | High Cr Ni-based alloy welding wire, shielded metal arc welding rod, and weld metal formed by shielded metal arc welding |
US10112254B2 (en) | 2014-08-21 | 2018-10-30 | Huntington Alloys Corporation | Method for making clad metal pipe |
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