JPH0731631U - 樹脂製食品収納容器用の提げ手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 販売者側では安定的な段積み保管と提げ手の
取付作業の省略を可能にし、隣接する段積み部との間隔
を小さくして、保管のための定置面積を縮小するととも
に、購買者側では冷蔵庫などに保管した場合において樹
脂製食品収納容器上部および両側の残存有効スペースを
拡大し、かつ提げ手を取外す煩わしい作業の省略を可能
にして、提げ手および樹脂製食品収納容器の投棄を防止
して環境の保全を図る。 【構成】 １対の樹脂製の提げ手２における脚部２Ｂ，
２Ｂの先端部に透孔によってなる連結部３，３を設け、
これら連結部３，３を樹脂製食品収納容器１における容
器本体１Ａの周壁上縁部両側それぞれに突設した連結部
１ａ，１ａに対して、該連結部１ａ，１ａの軸回りに回
動可能に外嵌してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、樹脂製食品収納容器用の提げ手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

たとえば、みやげ物として販売した食品の品質を保全して、経時による品質低 下を防止する機能を有しているとともに、携行時の片寄りによる収納食品の形く ずれなどを避けて、見映えの低下を防止する機能をも併有している提げ手付き樹 脂製食品収納容器として、図６に示すものが知られている。この種の提げ手付き 樹脂製食品収納容器１は、樹脂製の容器本体１Ａと、この容器本体１Ａの上部開 口を着脱可能に施蓋する樹脂製の蓋体１Ｂおよび長手方向の両端部が容器本体１ Ａに連結された１対の樹脂製の提げ手２，２を備えている。したがって、容器本 体１Ａの内部に食品を入れたのち、蓋体１Ｂを施蓋することにより、密封状態で 食品を収納できるので、食品の品質を保全して、経時による品質低下を防止する ことができる。一方、提げ手２，２を把持して携行することで、携行時における 容器本体１Ａの姿勢を水平状態もしくは略水平状態に保持できるので、携行時に おける収納食品の片寄りによる形くずれなどを避けて、見映えの低下を防止する こともできる。

【０００３】 しかし、前記従来の提げ手付き樹脂製食品収納容器１では、容器本体１Ａおよ び蓋体１Ｂの上部空間に提げ手２，２が常時存在している。そのために、提げ手 ２，２が取付けられた状態では、多数の提げ手付き樹脂製食品収納容器１を販売 者側において段積み状態で保管することができない。また、購買者が冷蔵庫など に保管する場合にも、提げ手２，２が邪魔になって樹脂製食品収納容器１上部の 残存有効スペースが縮小される。したがって、販売者側での段積み保管は提げ手 ２，２を取外した状態で行われ、購買者への手渡し時に提げ手２，２を取付ける 煩雑な作業が必要になる。

【０００４】 一方、購買者側では庫内保管前に提げ手２，２を取外す煩わしい作業を施す必 要がある上、取外した提げ手２，２は投棄されるので環境保全を妨げることにな る。しかも、提げ手２，２を取外す作業が煩わしいために、収納されている食品 を容器本体１Ａから別の容器に移し替えて冷蔵庫などに保管し、空になった提げ 手付き樹脂製食品収納容器１が投棄される虞れをも有している。このように、提 げ手付き樹脂製食品収納容器１が投棄されると、前述のように提げ手２，２のみ を投棄する場合よりも著しく環境保全を妨げることになる。

【０００５】 前記販売者側における段積み状態での保管を可能にし、かつ購買者側での冷蔵 庫内保管時における樹脂製食品収納容器１上部の残存有効スペースの縮小を回避 するためには、容器本体１Ａに対して提げ手２，２の長手方向の両端部を回動可 能に連結することが考えられる。しかし、提げ手２，２の長さが短い場合には、 図７に示すように、提げ手２，２を倒しても、倒された提げ手２，２の一部が蓋 体１Ｂ上に存在することになり、販売者側において多数の提げ手付き樹脂製食品 収納容器１を安定度の高い段積み状態で保管することが困難な欠点を有する。一 方、購買者側での冷蔵庫内保管時における樹脂製食品収納容器１上部の残存有効 スペースは拡大されるものの、提げ手２，２の一部が蓋体１Ｂ上に存在する点に は変わりがないので、その上に他の容器などを安定的に積み重ねることが困難な 欠点を有する。

【０００６】 このような欠点を解消するために、提げ手２，２の長さを長くすることが考え られる。このように構成すれば、図８に示すように、提げ手２，２を倒しても、 倒された提げ手２，２が蓋体１Ｂ上に存在しなくなる。したがって、販売者側に おいて多数の提げ手付き樹脂製食品収納容器１を安定度の高い段積み状態で保管 することができる。しかも、購買者側での冷蔵庫内保管時における樹脂製食品収 納容器１上部の残存有効スペースを拡大できる。しかし、提げ手２，２を倒すこ とで、図９に示すように、提げ手付き樹脂製食品収納容器１の前後両側に提げ手 ２，２の一部が存在することになる。そのために、販売者側において多数の提げ 手付き樹脂製食品収納容器１を段積みした場合、隣接する段積み部との間隔Ｌが 大きくなり、それだけ保管のための定置面積が大きくなる。また、購買者側での 冷蔵庫内保管時における樹脂製食品収納容器１両側の残存有効スペースが縮小さ れる。しかも、図１０に示すように、たとえば一方の提げ手２が容器本体１Ａの 下側にまわり込んで、提げ手付き樹脂製食品収納容器１が傾斜して、段積み状態 が損なわれる虞れもある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

販売者側では、多数の提げ手付き樹脂製食品収納容器を段積み状態で保管する ことができず、購買者への手渡し時に提げ手を取付ける煩雑な作業が必要になり 、このような欠点を解消するために、容器本体に対して提げ手の長手方向の両端 部を回動可能に連結しても、提げ手の長さが短い場合には、提げ手を倒すことで 倒された提げ手の一部が蓋体上に存在することになり、多数の提げ手付き樹脂製 食品収納容器を安定度の高い段積み状態で保管することが困難であり、提げ手の 長さが長い場合には、提げ手を倒すことで倒された提げ手の一部が提げ手付き樹 脂製食品収納容器の両側に存在することになり、隣接する段積み部との間隔が大 きくなって、保管のための定置面積が大きくなるなどの点である。 また、購買者側では、冷蔵庫などに保管する場合に提げ手が邪魔になって樹脂 製食品収納容器上部の残存有効スペースが縮小されるので、提げ手を取外す煩わ しい作業を施す必要がある上、除去された提げ手は投棄されることになり環境保 全を妨げることになる。しかも、提げ手を取外す作業が煩わしいために、収納さ れている食品を容器本体から別の容器に移し替えて冷蔵庫などに保管し、空にな った提げ手付き樹脂製食品収納容器が投棄される虞れをも有し、提げ手のみを投 棄する場合よりも著しく環境保全を妨げることになる。このような欠点を解消す るために、容器本体に対して提げ手の長手方向の両端部を回動可能に連結しても 、提げ手の長さが短い場合には、提げ手の一部が蓋体上に存在する点には変わり がないので、その上に他の容器などを安定的に積み重ねることが困難であり、提 げ手の長さが長い場合には、提げ手を倒すことで、提げ手付き樹脂製食品収納容 器の両側に提げ手の一部が存在することになり、冷蔵庫内保管時における樹脂製 食品収納容器両側の残存有効スペースが縮小されるなどの点である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、長手方向の両端部に樹脂製食品収納容器側の連結部に連結される連 結部が設けられ、これら連結部の間に少なくとも１つの弾性伸縮可能部分が設け られていることを特徴とし、販売者側では、多数の提げ手付き樹脂製食品収納容 器の安定的な段積み保管、購買者への手渡し時における提げ手の取付作業の省略 および隣接する段積み部との間隔を小さくして、保管のための定置面積を縮小す るとともに、購買者側では、冷蔵庫などに保管した場合における樹脂製食品収納 容器上部および両側の残存有効スペースを拡大し、かつ提げ手を取外す煩わしい 作業の省略によって提げ手および樹脂製食品収納容器の投棄を防止して環境の保 全を図る目的を達成した。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、食品を収納し、かつ施蓋した樹脂製食品収納容器の蓋体を跨 いだ状態で、１対の提げ手それぞれの長手方向両端部に設けられた連結部を樹脂 製食品収納容器側の連結部に連結することで、樹脂製食品収納容器の携行時に提 げ手として活用できる。一方、提げ手の自然状態における連結部間の距離を、樹 脂製食品収納容器側の連結部間の沿面距離と略同一もしくはよりも若干小さく設 定しておくことにより、樹脂製食品収納容器の非使用時および非携行時に、１対 の提げ手を樹脂製食品収納容器の周壁にに対して鉢巻き状に巻き付け、弾性伸縮 可能部分の弾性縮小力、つまりバネ力によって前記鉢巻き状の巻き付け状態を保 持することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づい説明する。なお、前記従来例と同一もし くは相当部分には同一符号を付して説明する。図１において、提げ手２は、把持 部２Ａと、この把持部２Ａの両端部に直交して連設される１対の脚部２Ｂ，２Ｂ を備え、合成樹脂によって成形されている。そして、長手方向の両端部、つまり 脚部２Ｂ，２Ｂの先端部に透孔によってなる連結部３，３が設けられ、これら連 結部３，３の間に２つの弾性伸縮可能部分４，４が設けられている。これら弾性 伸縮可能部分４，４は、それぞれ脚部２Ｂ，２Ｂを蛇腹状に折り曲げることによ って構成されており、実線で示す脚部２Ｂ，２Ｂの収縮した自然状態から仮想線 で示す脚部２Ｂ，２Ｂの最大伸長状態の範囲で弾性収縮する。

【００１１】 つぎに、提げ手２の使用例について説明する。図２および図３に示すように、 樹脂製食品収納容器１における容器本体１Ａの周壁上縁部両側それぞれの中央部 に突設した１対の突起によってなる連結部１ａ，１ａに対して、該連結部１ａ， １ａの軸回りに回動可能に１対の提げ手２，２に設けられた透孔によってなる連 結部３，３を外嵌する。これによって、容器本体１Ａと、この容器本体１Ａの上 部開口を着脱可能に施蓋する樹脂製の蓋体１Ｂを備えた樹脂製食品収納容器１に １対の提げ手２，２を連結した使用状態が得られる。なお、図１における提げ手 ２の自然状態における連結部３，３間の距離Ｌ１は、図３における容器本体１Ａ の連結部１ａ，１ａ間の沿面距離Ｌ２と略同一もしくはよりも若干小さく設定さ れている。

【００１２】 したがって、蓋体１Ｂを開き、容器本体１Ａの内部に食品を入れたのち、蓋体 １Ｂを施蓋することにより、密封状態で食品を収納して、食品の品質を保全し、 経時による品質低下を防止することができる。また、提げ手２，２の把持部２Ａ を把持して携行することで、携行時における容器本体１Ａの姿勢を水平状態もし くは略水平状態に保持できるので、携行時における収納食品の片寄りによる形く ずれなどを避けて、見映えの低下を防止することもできる。なお、容器本体１Ａ に収納されている食品の重量が１対の提げ手２，２に設けられている弾性伸縮可 能部分４，４のトータル弾性力と同一もしくは小さい場合には、脚部２Ｂ，２Ｂ が収縮した自然状態で携行でき、容器本体１Ａに収納されている食品の重量が弾 性伸縮可能部分４，４のトータル弾性力よりも大きい場合には、脚部２Ｂ，２Ｂ が伸長した状態で携行できる。

【００１３】 一方、図２にいおいて、一方の手で樹脂製食品収納容器１を押さえ、他方の手 で把持部２Ａを把持して引っ張り、弾性伸縮可能部分４，４を伸長させながら、 連結部１ａ，１ａを回動中心に提げ手２，２を矢印Ａ方向に倒して容器本体１Ａ の周壁上縁部に対応させ、ここで把持部２Ａの引っ張りを解除することにより、 弾性伸縮可能部分４，４の弾性縮小力、つまりバネ力によって、図４に示すよう に、容器本体１Ａの周壁上縁部に提げ手２，２を鉢巻き状に巻き付けて保持する ことができる。これにより、蓋体１Ｂの上部が開放されるので、販売者側におい て多数の樹脂製食品収納容器１を段積み状態で保管することができる。したがっ て、従来の提げ手付き樹脂製食品収納容器１のように、販売者側での段積み保管 前に提げ手２，２を取外す作業および購買者への手渡し時に提げ手２，２を取付 ける煩雑な作業を省略できる。しかも、提げ手２，２を鉢巻き状に巻き付けて保 持できるので、隣接する段積み部との間隔が小さくなり、保管のための定置面積 を縮小することもできる。

【００１４】 他方、購買者側では冷蔵庫などに保管した場合における樹脂製食品収納容器１ の上部および両側の残存有効スペースを拡大して、樹脂製食品収納容器１の上に 他の容器などを安定的に積み重ねることが可能になる。また、冷蔵庫内保管前に 提げ手２，２を取外す煩わしい作業を省略でき、しかも、提げ手２，２の投棄が 防止されるので環境保全に役立つ。さらに、従来のように提げ手２，２を取外す 作業が煩わしいために、収納されている食品を容器本体１Ａから別の容器に移し 替えて冷蔵庫などに保管し、空になった提げ手付き樹脂製食品収納容器１が投棄 されることもない。つまり、樹脂製食品収納容器１が投棄されることによって引 き起こされる著しい環境保全の妨害を確実に回避できる。

【００１５】 なお、前記実施例では、脚部２Ｂ，２Ｂを蛇腹状に折り曲げることによって構 成した弾性伸縮可能部分４，４で説明しているが、弾性伸縮可能部分４，４とし ては、図５（Ａ）ないし図５（Ｄ）のような変形例を適用することができ、その 他種々の変形例の適用が可能である。

【００１６】 また、前記実施例では、提げ手２における脚部２Ｂ，２Ｂの先端部に透孔によ ってなる連結部３，３を設け、これら連結部３，３を容器本体１Ａの周壁上縁部 両側それぞれの中央部に突設した１対の突起によってなる連結部１ａ，１ａに対 して、該連結部１ａ，１ａの軸回りに回動可能に外嵌する構成で説明しているが 、提げ手２における脚部２Ｂ，２Ｂの先端部に突起によってなる連結部を設け、 これら連結部３，３を容器本体１Ａの周壁上縁部両側それぞれの中央部に形成し た１対の透孔によってなる連結部に対して、回動可能に嵌合する構成であっても よい。

【００１７】 さらに、連結部３，３の間に２つの弾性伸縮可能部分４，４を設けた構成で説 明しているが、１つの弾性伸縮可能部分４もしくは３つ以上の弾性伸縮可能部分 ４を連結部３，３の間に設けた構成であってもよい。しかも、１つ以上のスプリ ングもしくはゴムなどの弾性体を連結部３，３の間に介在させ、この弾性体を弾 性伸縮可能部分４として機能させるように構成してもよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、販売者側において多数の樹脂製食品収納容器 を段積み状態で保管することができる。したがって、従来の提げ手付き樹脂製食 品収納容器のように、販売者側での段積み保管前に提げ手を取外す作業および購 買者への手渡し時に提げ手を取付ける煩雑な作業を省略できる。しかも、提げ手 を鉢巻き状に巻き付けて保持できるので、隣接する段積み部との間隔が小さくな り、保管のための定置面積を縮小することもできる。一方、購買者側では冷蔵庫 などに保管した場合における樹脂製食品収納容器の上部および両側の残存有効ス ペースを拡大して、樹脂製食品収納容器の上に他の容器などを安定的に積み重ね ることが可能になる。また、冷蔵庫内保管前に提げ手を取外す煩わしい作業を省 略でき、しかも、提げ手の投棄が防止されるので環境保全に役立つ。さらに、従 来ように提げ手を取外す作業が煩わしいために、収納されている食品を容器本体 から別の容器に移し替えて冷蔵庫などに保管し、空になった提げ手付き樹脂製食 品収納容器が投棄されることもない。つまり、樹脂製食品収納容器が投棄される ことによって引き起こされる著しい環境保全の妨害を確実に回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】提げ手の実施例を示す斜視図である。

【図２】提げ手を樹脂製食品収納容器に取付た状態の側
面図である。

【図３】図２の平面図である。

【図４】提げ手を鉢巻き状に巻き付けた保持状態の側面
図である。

【図５】弾性伸縮可能部分の変形例を示す斜視図であ
る。

【図６】従来の提げ手付き樹脂製食品収納容器の一例を
示す側面図である。

【図７】比較例の側面図である。

【図８】他の比較例の側面図である。

【図９】図８の提げ手を倒した場合の一例を示す平面図
である。

【図１０】図９の提げ手を倒した場合の他の例を示す側
面図である。

【符号の説明】

１ 樹脂製食品収納容器 １ａ 樹脂製食品収納容器側の連結部 ２ 提げ手 ３ 提げ手側の連結部 ４ 弾性伸縮可能部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の両端部に樹脂製食品収納容器
   側の連結部に連結される連結部が設けられ、これら連結
   部の間に少なくとも１つの弾性伸縮可能部分が設けられ
   ていることを特徴とする樹脂製食品収納容器用の提げ
   手。