JP3047276U - 手引き式の旅行用ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケース本体の収容量が増大できる手引き式の
旅行用ケースを提供する。 【解決手段】 背板２と前板５との間にまち３を周回さ
せて形成される手引き式の旅行用ケースにおいて、まち
３にスライドファスナー１１によりまち３の幅を広狭自
在に変換できる伸縮部１０を設け、スライドファスナー
１１を開放させることで伸縮部１０を伸長させてまち３
の幅を広げケース本体１の収容量を増大させるようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、旅行等に際して荷物を運ぶために携行する手引き式の旅行用ケース に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種手引き式の旅行用ケースは、背板と前板との外周縁間にまちを周 設してケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスターを取着すると共に 前記背板には自在に伸びるハンドルを添着して構成されており、素材がＥＶＡ（ エチレン−酢酸ビニル共重合体）とポリエステル等からなり軽量であること、前 記ハンドルを伸ばしてケース本体を引きながら自由に移動できること、および前 記ケース本体のサイズが比較的小さいため取り扱かいが楽であることなどの利点 を有するので、最近大型のスーツケースに代わって海外旅行に携行するケースと して主流になりつつある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記手引き式の旅行用ケースは多くの利点を有するものの、ケ ース本体のサイズが比較的小さいことから、旅行先で求めたみやげ物など増えた 手荷物をケース本体に収容することができず、勢い空いている手や背に掛けるな どこれら取り扱かいに苦慮しているという課題が有った。 そこで、本考案は上記課題を解決すべくなされたもので、ケース本体のまちの 幅を広狭自在に変換できるようにして、必要な場合はまちを広げて収容能力を増 大させることができる手引き式の旅行用ケースを提供することを目的とするもの である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するため、本考案に係る手引き式の旅行用ケースは、背板と 前板との外周縁間にまちを周設してケース本体を形成し、該ケース本体の底面に キャスターを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で引きながら移動 できるようにハンドルを添着してなる手引き式の旅行用ケースにおいて、前記ま ちは、一側端縁が前記背板または前板に連設されるまち皮部と両側端縁が該各ま ち皮部の他側端縁に連設される伸縮部とからなり、前記両まち皮部の他側端縁を スライドファスナーにより一体に連結し得る構成からなる。そして、常には前記 スライドファスナーを閉止しまちの幅を狭くしてケース本体を使用するようにし 、旅行先などで手荷物が増えたときは前記スライドファスナーを開放してまちの 幅を広げケース本体の収容量を増大させて前記増えた手荷物が収容できるように する。

【０００５】 また、両まち皮部を該各まち皮部に基端部を固着した締緩自在な係止バンドを 連結して締止できるようにしても良い。これにより、例えば伸縮部が最大限伸長 したときのケース本体内の収容スペースより収容される荷物がやや少ない場合は 、該荷物がケース本体内で移動して不安定となるが、前記連結された係止バンド を強く締めることにより前板が背板側へ引き寄せられケース本体内に余分なスペ ースが生じなくなり収容される荷物がずれることなくしっかりと固定され安定す る。なお、この場合、前記スライドファスナーを設けても設けなくても良い。

【０００６】 更に、前記まちの底部上面に伸長した伸縮部の上面を覆う受板を配置し、該受 板はその一側を前記いずれかのまち皮部の上面に固着することが好ましい。これ により、ケース本体内に収容される荷物の荷重が直接伸縮部に加わるようなこと がなく、伸縮部が破損せず、しかも収容される荷物が安定して保持される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係る手引き式の旅行用ケースの実施の形態を図面と共に説明す る。図１は手引き式の旅行用ケースの斜視図，図２は同側面断面図である。図に おいて１はＥＶＡ（エチレンー酢酸ビニル共重合体）とポリエステルとからなる 合成樹脂を素材としたケース本体である。該ケース本体１は長方形をなす背板２ の外周端縁に所要幅を有するまち３の一側端縁が一体に周設され、該まち３の他 側端縁にスライドファスナー４を介して前記背板２と同じ大きさの前板５が開閉 自在に連設して形成されている。

【０００８】 そして、前記ケース本体１のまち３の外側面の上面と一側面とに把手６，６が 取り付けられ、さらにケース本体１の上方に引き出せるハンドル７が背板２の外 側に添設されている。また、ケース本体１の底面には図３に示されるように背板 ２寄りに一対のキャスター８，８が取着されると共に、前板５寄りに前記キャス ター８，８と同じ高さの一対をなす支脚９，９が突設されている。これにより、 キャスター８，８と支脚９，９によってケース本体１を垂直に立たせることがで き、またハンドル７を引き出し支脚９，９側を浮かせて本体ケース１を傾けた状 態で手引き式の旅行用ケースが自由に移動できるようになっている。

【０００９】 しかして、本考案に係る手引き式の旅行用ケースでは前記まち３は、一側端縁 が前記背板２に連設されるまち皮部３ａ及び前板５にスライドファスナー４を介 して連設されるまち皮部３ｂと、両側端縁が該各まち皮部３ａ，３ｂの他側端縁 に連設される伸縮部１０とからなる。該伸縮部１０はまち皮が引き伸ばされて広 がるように屈曲して余裕が持たせてあり、まち３の幅方向に自在に伸縮されるよ うになっている。なお、該伸縮部１０は他に蛇腹構造であっても良く、自在に伸 縮するゴム生地などであっても良い。

【００１０】 また、前記両まち皮部３ａ，３ｂの他側端縁には外側から開放または閉止でき るスライドファスナー１１が設けられ、該スライドファスナー１１を閉止するこ とによりまち３の幅を狭く、逆に開放することにより伸縮部１０が引き伸ばされ てまち３の幅を広く自在に変換できるようになっている。

【００１１】 前記まち３の両側外面にはその上下部に公知の係止バンド１２，１２が取着さ れている。各係止バンド１２，１２は、図４に示されるようにそれぞれ基端部が 背板２側のまち皮部３ａと前板５側のまち皮部３ｂに固着され、各先端部に互い に係脱自在に係合する雌係合部１３ａと雄係合部１３ｂが取着されている。また 、雄係合部１３ｂ側には係止バンド１２，１２を自在に締緩できるように折重ね 部１４が設けられる。

【００１２】 そこで、ケース本体１に収容する荷物が少ない場合はまち３のスライドファス ナー１１を閉止し、しかも雌係合部１３ａに雄係合部１３ｂを嵌入して連結し折 重ね部１４を引き締め各係止バンド１２，１２…を緩止した状態で使用する。一 方旅行先などで手荷物が増え前記ケース本体１内に収容しきれなくなった場合は 、図５乃至図７に示されるように各係止バンド１２，１２…を解除し、前記スラ イドファスナー１１を開放して伸縮部１０を伸長させる。これによってケース本 体１内の収容量が最大でき増えた手荷物を収容することができる。そして、再び 各係止バンド１２，１２…を締止めする。

【００１３】 この際、例えば伸縮部１０が最大限伸長したときのケース本体１内の収容スペ ースより収容される荷物がやや少ない場合は、該荷物がケース本体１内で移動し て不安定となるが、前記連結された各係止バンド１２，１２…を強く締めること により図８に示されるように前板５が背板２側へ引き寄せられ、ケース本体１内 に余分なスペースが生じなくなり収容される荷物がずれることなくしっかりと安 定する。

【００１４】 図９に示した実施の形態では、ケース本体１のまち３の底部上面に伸長した前 記伸縮部１０の上面を覆い得る硬質の受板１５が設けられている。該受板１５は その一側を前板５側のまち皮部３ｂ上面に鋲１６で固定され片持ち式に取り付け られており、図１０に示されるようにスライドファスナー１１を開放した際に伸 長した伸縮部１０の上方をカバーし、ケース本体１内に収容した荷物の荷重で伸 縮部１０が撓んで膨出し破損するのを防止すると同時に収容した荷物が安定する ようにしている。

【００１５】 また、前記受板１５は図１１に示されるようにケース本体１の底面のみではな く両側の伸縮部１０を覆うことができるように側面凵形状に形成したものを使用 すれば、まち３の底面のみならず、左右側面の伸縮部１０の変形・破損も防止で きる。 なお、本実施の形態ではスライドファスナー１１と係止バンド１２とを同時に 設けたが、係止バンド１２のみを設けても同等の効果が得られる。

【００１６】

【考案の効果】

以上、述べたように本考案に係わる手引き式の旅行用ケースは背板と前板との 外周縁間にまちを周設してケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスタ ーを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で引きながら移動できるよ うにハンドルを添着してなる手引き式の旅行用ケースにおいて、前記まちにスラ イドファスナーの開放または閉止によりまちの幅が広狭自在に変換できるように 伸縮部を設けたので、旅行先などで手荷物が増えたときなどでも、ケース本体の 収容量を増大させて増えた手荷物を収容させることができ極めて至便であり、荷 物の移動に伴う苦労が解消されるという効果を有する。

【００１７】 また、本体ケースのまちに締緩自在の係止バンドを設けたので、伸縮部が最大 限伸長したときのケース本体内の収容スペースより収容される荷物がやや少ない 場合でも、係止バンドを強く締めることにより前板が背板側へ引き寄せられケー ス本体内の余分なスペースが生じなくなり収容される荷物がずれることなくしっ かりと固定される。

【００１８】 更に、ケース本体のまちの底部上面に伸長した伸縮部の上面を覆い得る受板を 配置することにより、ケース本体内に収容される荷物の荷重が伸縮部に加わり該 伸縮部が外側へ撓んで膨らむことがなく、これにより破損が防止されると共に収 容される荷物も安定するという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】伸縮部をスライドファスナーで閉止した状態の
手引き式の旅行用ケースの斜視図。

【図２】同側面断面図。

【図３】同底面図。

【図４】係止バンド部を拡大して示す側面図。

【図５】スライドファスナーを開放して伸縮部を伸長し
た状態の手引き式の旅行用ケースの斜視図。

【図６】同側面断面図。

【図７】同底面図。

【図８】係止バンドを締止した状態の手引き式の旅行用
ケースの底面図。

【図９】まちの底部上面に受板を配設した手引き式の旅
行用ケースの斜視図。

【図１０】同側面断面図。

【図１１】まちの底部上面と両側面に受板を配設した手
引き式の旅行用ケースの斜視図。

【符号の説明】

１ ケース本体 ２ 背板 ３ まち ３ａ，３ｂ まち皮部 ５ 前板 ７ ハンドル ８，８ キャスター １０ 伸縮部 １１ スライドファスナー １２ 係止バンド １５ 受板

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【手続補正書】

【提出日】平成９年１０月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 背板と前板との外周縁間にまちを周設し
   てケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスタ
   ーを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で
   引きながら移動できるようにハンドルを添着してなる手
   引き式の旅行用ケースにおいて、 前記まちは、一側端縁が前記背板または前板に連設され
   るまち皮部と両側端縁が該各まち皮部の他側端縁に連設
   される伸縮部とからなり、前記両まち皮部の他側端縁を
   スライドファスナーにより一体に連結し得るようにし、
   該スライドファスナーを閉止または開放することにより
   前記まちの幅を広狭自在に変換可能としたことを特徴と
   する手引き式の旅行用ケース。
2. 【請求項２】 背板と前板との外周縁間にまちを周設し
   てケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスタ
   ーを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で
   引きながら移動できるようにハンドルを添着してなる手
   引き式の旅行用ケースにおいて、 前記まちは、一側端縁が前記背板または前板に連設され
   るまち皮部と両側端縁が該各まち皮部の他側端縁に連設
   される伸縮部とからなり、前記両まち皮部を該まち皮部
   に基端部を固着した締緩自在な係止バンドを連結して締
   止できるようにし、該係止バンドを連結または解除する
   ことにより前記まちの幅を広狭自在に変換可能としたこ
   とを特徴とする手引き式の旅行用ケース。
3. 【請求項３】 背板と前板との外周縁間にまちを周設し
   てケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスタ
   ーを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で
   引きながら移動できるようにハンドルを添着してなる手
   引き式の旅行用ケースにおいて、 前記まちは、一側端縁が前記背板または前板に連接され
   るまち皮部と両側端縁が該各まと皮部の他側端縁に連接
   される伸縮部とからなり、前記両まち皮部の他側端縁を
   スライドファスナーにより一体に連結し得るようにし、
   前記底部上面に伸長した伸縮部の上面を覆い得る受板を
   配置し、該受板はその一側を前記いずれかのまち皮部の
   上面に固着してなり、前記スライドファスナーを閉止ま
   たは開放することにより前記町の幅を広狭自在に変換可
   能としたことょ特徴とする手引き式旅行用ケース。
4. 【請求項４】 背板と前板との外周縁間にまちを周設し
   てケース本体を形成し、該ケース本体の底面にキャスタ
   ーを取着すると共に前記背板には前記ケース本体を手で
   引きながら移動できるようにハンドルを添着してなる手
   引き式の旅行用ケースにおいて、 前記まちは、一側端縁が前記背板または前板に連設され
   るまち皮部と両側端縁が該各まち皮部の他側端縁に連設
   される伸縮部とからなり、前記両まち皮部を該まち皮部
   に基端部を固着した締緩自在な係止バンドを連結して緩
   止できるようにし、該係止バンドを連結または解除する
   ことにより前記まちの幅を広狭自在に変換可能としたこ
   とを特徴とする手引き式の旅行用ケース。