JPH07316145A - 新規な6−オキサビシクロ[3.2.0ヘプタンのスピロ誘導体、抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、該誘導体の生産菌及びその製造方法 - Google Patents
新規な6−オキサビシクロ[3.2.0ヘプタンのスピロ誘導体、抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、該誘導体の生産菌及びその製造方法Info
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- JPH07316145A JPH07316145A JP11139794A JP11139794A JPH07316145A JP H07316145 A JPH07316145 A JP H07316145A JP 11139794 A JP11139794 A JP 11139794A JP 11139794 A JP11139794 A JP 11139794A JP H07316145 A JPH07316145 A JP H07316145A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 抗腫瘍作用を有し且つヒト腫瘍細胞に対する
高い選択的細胞障害作用を有する薬剤を提供する。 【構成】 下記式 [式中、R1 、R2 およびYは、それぞれ同一または異
なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキ
シ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ(低
級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ基、保護された
ヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロキシ(低級)ア
ルキル基または保護されたヒドロキシ(低級)アルキル
基を意味する]で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医薬として許容
される担体を含有する抗腫瘍剤。
高い選択的細胞障害作用を有する薬剤を提供する。 【構成】 下記式 [式中、R1 、R2 およびYは、それぞれ同一または異
なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキ
シ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ(低
級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ基、保護された
ヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロキシ(低級)ア
ルキル基または保護されたヒドロキシ(低級)アルキル
基を意味する]で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医薬として許容
される担体を含有する抗腫瘍剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な6−オキサビシ
クロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、該誘導体
を有効成分とする抗腫瘍剤及びヒト腫瘍細胞に対する選
択的細胞障害剤、及び該誘導体を生産する微生物、並び
に該誘導体を高収率で製造する方法に関するものであ
る。
クロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、該誘導体
を有効成分とする抗腫瘍剤及びヒト腫瘍細胞に対する選
択的細胞障害剤、及び該誘導体を生産する微生物、並び
に該誘導体を高収率で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】我国においては、1981年以降死因の
第1位は悪性腫瘍(癌)であり、現在毎年20万人近く
の人が癌で死亡している。この様な事情に鑑みて、癌の
原因究明、癌の予防・診断方法、治療法の開発等に関す
る研究が幅広く行われている。現在行われている癌の治
療法としては、外科手術、化学療法、放射線療法が挙げ
られるが、これらのうち化学療法剤(抗腫瘍剤)につい
ては、その作用機序や作用部位の違いから下記の様に分
類されている。
第1位は悪性腫瘍(癌)であり、現在毎年20万人近く
の人が癌で死亡している。この様な事情に鑑みて、癌の
原因究明、癌の予防・診断方法、治療法の開発等に関す
る研究が幅広く行われている。現在行われている癌の治
療法としては、外科手術、化学療法、放射線療法が挙げ
られるが、これらのうち化学療法剤(抗腫瘍剤)につい
ては、その作用機序や作用部位の違いから下記の様に分
類されている。
【0003】(i)腫瘍細胞のヌクレオチド合成系、D
NA合成系、細胞の有糸分裂等に影響を与えて腫瘍細胞
の増殖を阻止する作用を有する薬剤:アルキル化剤(シ
クロホスファミド,メルファラン,チオテパ等)、代謝
拮抗薬(5−フルオロウラシル等)、微生物由来の抗腫
瘍性抗生物質(放線菌由来のブレオマイシン、マイトマ
イシンC、ドキソルビシン、アクチノマイシンD等;担
子菌由来のレンチナン、シゾフィラン、クレスチン
等)、金属錯体(シスプラチン、カルボプラチン等)
等。
NA合成系、細胞の有糸分裂等に影響を与えて腫瘍細胞
の増殖を阻止する作用を有する薬剤:アルキル化剤(シ
クロホスファミド,メルファラン,チオテパ等)、代謝
拮抗薬(5−フルオロウラシル等)、微生物由来の抗腫
瘍性抗生物質(放線菌由来のブレオマイシン、マイトマ
イシンC、ドキソルビシン、アクチノマイシンD等;担
子菌由来のレンチナン、シゾフィラン、クレスチン
等)、金属錯体(シスプラチン、カルボプラチン等)
等。
【0004】(ii)腫瘍細胞の増殖促進因子を抑制する
作用を有する薬剤:ホルモン剤(クエン酸タモキシフェ
ン等)等。 (iii )生体防御機構のもつ抗腫瘍作用を高める作用を
有する薬剤:細菌製剤、制癌多糖体、インターフェロン
等。 これらの抗腫瘍剤の大部分は、正常細胞と腫瘍細胞との
間に存在する何らかの質的もしくは量的な差を利用し
て、腫瘍細胞の増殖を直接的または間接的に阻害する性
質(即ち、選択毒性)を有している。しかしながら、腫
瘍細胞はもともと自己の細胞から発生・分化したもので
あるので、抗腫瘍剤における選択毒性は、外的異物であ
る細菌等を対象とする抗感染薬に比べて低いことが多
い。換言すれば、腫瘍細胞に対して障害を起こす物質
は、ほとんどの場合正常細胞に対しても何らかの障害作
用を示すのである。従って抗腫瘍剤の開発においては、
腫瘍細胞のみに高い障害作用を示す様な、即ち高度な選
択毒性を有する薬剤の開発が望まれている(ファルマシ
アレビューNo.23, pp.71-80 (1987))。
作用を有する薬剤:ホルモン剤(クエン酸タモキシフェ
ン等)等。 (iii )生体防御機構のもつ抗腫瘍作用を高める作用を
有する薬剤:細菌製剤、制癌多糖体、インターフェロン
等。 これらの抗腫瘍剤の大部分は、正常細胞と腫瘍細胞との
間に存在する何らかの質的もしくは量的な差を利用し
て、腫瘍細胞の増殖を直接的または間接的に阻害する性
質(即ち、選択毒性)を有している。しかしながら、腫
瘍細胞はもともと自己の細胞から発生・分化したもので
あるので、抗腫瘍剤における選択毒性は、外的異物であ
る細菌等を対象とする抗感染薬に比べて低いことが多
い。換言すれば、腫瘍細胞に対して障害を起こす物質
は、ほとんどの場合正常細胞に対しても何らかの障害作
用を示すのである。従って抗腫瘍剤の開発においては、
腫瘍細胞のみに高い障害作用を示す様な、即ち高度な選
択毒性を有する薬剤の開発が望まれている(ファルマシ
アレビューNo.23, pp.71-80 (1987))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、
抗腫瘍作用を有し且つヒト腫瘍細胞に対する高い選択的
細胞障害作用を有する薬剤を提供することである。ま
た、本発明の第二の目的は、この様な薬剤の有効成分を
効率良く生産する能力を有する微生物を提供することで
ある。更に本発明の第三の目的は、上記有効成分を高収
率で製造する方法を提供することである。
問題に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、
抗腫瘍作用を有し且つヒト腫瘍細胞に対する高い選択的
細胞障害作用を有する薬剤を提供することである。ま
た、本発明の第二の目的は、この様な薬剤の有効成分を
効率良く生産する能力を有する微生物を提供することで
ある。更に本発明の第三の目的は、上記有効成分を高収
率で製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の新規な6−オキ
サビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体は、
式(1)
サビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体は、
式(1)
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1 、R2 およびYは、それぞれ
同一または異なって、低級アルキル基、低級アルケニル
基、ヒドロキシ(低級)アルキル基または保護されたヒ
ドロキシ(低級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ
基、保護されたヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロ
キシ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ
(低級)アルキル基を意味する]で示される。
同一または異なって、低級アルキル基、低級アルケニル
基、ヒドロキシ(低級)アルキル基または保護されたヒ
ドロキシ(低級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ
基、保護されたヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロ
キシ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ
(低級)アルキル基を意味する]で示される。
【0009】好ましくは、上式(1)の化合物は下式
(2)で表される。
(2)で表される。
【0010】
【化3】
【0011】本発明の抗腫瘍剤は、上式(1)で示され
る6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体、及び医薬として許容される担体を含有すること
に要旨を有するものである。また、本発明のヒト腫瘍細
胞に対する選択的細胞障害剤は、上記6−オキサビシク
ロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医薬と
して許容される担体を含有することに要旨を有するもの
である。
る6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体、及び医薬として許容される担体を含有すること
に要旨を有するものである。また、本発明のヒト腫瘍細
胞に対する選択的細胞障害剤は、上記6−オキサビシク
ロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医薬と
して許容される担体を含有することに要旨を有するもの
である。
【0012】本発明の微生物は、クリソスポリウム属に
属し、上記6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン
のスピロ誘導体を生産する能力を有する微生物クリソス
ポリウムsp.No.632−3−Wである。本発明の
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘
導体の製造方法は、クリソスポリウム属に属し、上記6
−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導
体を生産する能力を有する微生物を培地に培養して培養
物中に6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのス
ピロ誘導体を生産蓄積させ、これを採取することに要旨
を有するものである。
属し、上記6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン
のスピロ誘導体を生産する能力を有する微生物クリソス
ポリウムsp.No.632−3−Wである。本発明の
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘
導体の製造方法は、クリソスポリウム属に属し、上記6
−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導
体を生産する能力を有する微生物を培地に培養して培養
物中に6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのス
ピロ誘導体を生産蓄積させ、これを採取することに要旨
を有するものである。
【0013】
【作用】本発明者らは、微生物由来の新規な抗腫瘍活性
物質を得る目的で、種々の不完全菌、子嚢菌及び担子菌
を分離して研究を行った結果、兵庫県の六甲山で採集し
た腐朽材より分離した不完全菌が、その培養物中に抗腫
瘍活性を有する化合物(即ち、6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体)を大量に生産
することを見出し、その化学構造を解明することによっ
て本発明を完成したのである。
物質を得る目的で、種々の不完全菌、子嚢菌及び担子菌
を分離して研究を行った結果、兵庫県の六甲山で採集し
た腐朽材より分離した不完全菌が、その培養物中に抗腫
瘍活性を有する化合物(即ち、6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体)を大量に生産
することを見出し、その化学構造を解明することによっ
て本発明を完成したのである。
【0014】6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタ
ン骨格を有する化合物については既に公知であるが、そ
の構造中にスピロ骨格を有する化合物はこれまで報告さ
れたことがなく、本発明者等によって初めて見い出され
た新規な化合物である。また、本発明者等は、上記6−
オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体
が抗腫瘍活性ヒト腫瘍細胞に対する高い選択的細胞障害
作用を有すること、クリソスポリウム属に属する微生物
が上記化合物を高収率で生産する能力を有することを見
いだして、本発明を完成したのである。
ン骨格を有する化合物については既に公知であるが、そ
の構造中にスピロ骨格を有する化合物はこれまで報告さ
れたことがなく、本発明者等によって初めて見い出され
た新規な化合物である。また、本発明者等は、上記6−
オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体
が抗腫瘍活性ヒト腫瘍細胞に対する高い選択的細胞障害
作用を有すること、クリソスポリウム属に属する微生物
が上記化合物を高収率で生産する能力を有することを見
いだして、本発明を完成したのである。
【0015】まず、本発明の6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体について説明する。上
記本発明のスピロ誘導体は上式(1)で示される化合物
であり、式中、R1、R2 およびYはそれぞれ同一また
は異なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒド
ロキシ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ
(低級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ基、保護さ
れたヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロキシ(低
級)アルキル基または保護されたヒドロキシ(低級)ア
ルキル基を意味する。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体について説明する。上
記本発明のスピロ誘導体は上式(1)で示される化合物
であり、式中、R1、R2 およびYはそれぞれ同一また
は異なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒド
ロキシ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ
(低級)アルキル基であり、Xはヒドロキシ基、保護さ
れたヒドロキシ基、低級アルキル基、ヒドロキシ(低
級)アルキル基または保護されたヒドロキシ(低級)ア
ルキル基を意味する。
【0016】ここで、「低級」とは、特に指示がなけれ
ば、炭素原子1個ないし6個(もしくは低級アルケニル
基の場合には2個ないし6個)、好ましくは炭素原子1
個ないし4個(もしくは低級アルケニル基の場合には2
個ないし4個)を意味するものである。好適な「低級ア
ルキル基」としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル
等の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられ、それらの
中でさらに好ましい例としては(C1 −C4 )アルキル
基が挙げられ、最も好ましくはメチル基である。
ば、炭素原子1個ないし6個(もしくは低級アルケニル
基の場合には2個ないし6個)、好ましくは炭素原子1
個ないし4個(もしくは低級アルケニル基の場合には2
個ないし4個)を意味するものである。好適な「低級ア
ルキル基」としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル
等の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられ、それらの
中でさらに好ましい例としては(C1 −C4 )アルキル
基が挙げられ、最も好ましくはメチル基である。
【0017】好適な「低級アルケニル基」としては、ビ
ニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−メチルアリ
ル基、1または2または3−ブテニル基、1または2ま
たは3または4−ペンテニル基、1または2または3ま
たは4または5−ヘキセニル基のような直鎖または分枝
鎖のアルケニル基が挙げられ、より好ましい例としては
(C2 −C4 )アルケニル基が挙げられ、基も好ましく
は1−プロペニル基である。
ニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−メチルアリ
ル基、1または2または3−ブテニル基、1または2ま
たは3または4−ペンテニル基、1または2または3ま
たは4または5−ヘキセニル基のような直鎖または分枝
鎖のアルケニル基が挙げられ、より好ましい例としては
(C2 −C4 )アルケニル基が挙げられ、基も好ましく
は1−プロペニル基である。
【0018】好適な「ヒドロキシ(低級)アルキル基」
としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)エチル、1
−ヒドロキシ−1−メチルエチル、ヒドロキシブチル、
ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル基等の様な、
ヒドロキシ基を有する直鎖または分枝鎖低級アルキル基
が挙げられ、それらの中で好ましい例としてヒドロキシ
(C1 −C4 )アルキル基が挙げられる。
としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)エチル、1
−ヒドロキシ−1−メチルエチル、ヒドロキシブチル、
ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル基等の様な、
ヒドロキシ基を有する直鎖または分枝鎖低級アルキル基
が挙げられ、それらの中で好ましい例としてヒドロキシ
(C1 −C4 )アルキル基が挙げられる。
【0019】好適な「保護されたヒドロキシ(低級)ア
ルキル基」としては、常用のヒドロキシ保護基で保護さ
れた上記ヒドロキシ低級(アルキル)基が挙げられる。
ここで、上記常用のヒドロキシ保護基としては、好まし
くは低級アルケニルオキシカルボニル基およびフェニル
(またはニトロフェニル)(低級)アルコキシカルボニ
ル基;C6 −C10アル(低級)アルキル基(例えばベン
ジル、ベンズヒドリル、トリチル等のモノ−またはジ−
またはトリフェニル(低級)アルキル基等)等が挙げら
れる。
ルキル基」としては、常用のヒドロキシ保護基で保護さ
れた上記ヒドロキシ低級(アルキル)基が挙げられる。
ここで、上記常用のヒドロキシ保護基としては、好まし
くは低級アルケニルオキシカルボニル基およびフェニル
(またはニトロフェニル)(低級)アルコキシカルボニ
ル基;C6 −C10アル(低級)アルキル基(例えばベン
ジル、ベンズヒドリル、トリチル等のモノ−またはジ−
またはトリフェニル(低級)アルキル基等)等が挙げら
れる。
【0020】このような意味における「保護されたヒド
ロキシ(低級)アルキル基」のさらに好ましい例として
は、{フェニル(またはニトロフェニル)(C1 −C
4 )アルコキシ}カルボニルオキシ(C1 −C4 )アル
キル基及びC2 −C4 アルケニルオキシカルボニルオキ
シ(C1 −C4 )アルキル基が挙げられる。好適な「保
護されたヒドロキシ基」としては、上記保護されたヒド
ロキシ(低級)アルキル基の説明で述べた様な常用のヒ
ドロキシ保護基で保護されている保護されたヒドロキシ
基が挙げられる。
ロキシ(低級)アルキル基」のさらに好ましい例として
は、{フェニル(またはニトロフェニル)(C1 −C
4 )アルコキシ}カルボニルオキシ(C1 −C4 )アル
キル基及びC2 −C4 アルケニルオキシカルボニルオキ
シ(C1 −C4 )アルキル基が挙げられる。好適な「保
護されたヒドロキシ基」としては、上記保護されたヒド
ロキシ(低級)アルキル基の説明で述べた様な常用のヒ
ドロキシ保護基で保護されている保護されたヒドロキシ
基が挙げられる。
【0021】上式(1)で示される6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のうち、最も好
ましい化合物は、式(1)において、R1 =R2 =Yが
メチル基であり、Xがヒドロキシ基である化合物、すな
わち上式(2)で示される化合物である。この化合物
は、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−3−オキソ−
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン−4−スピ
ロ−1’−{2’−オキソ−4’−(1−プロペニル)
−3’−シクロブテン}と命名される(分子量=24
8,分子式=C14H16O4 )。
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のうち、最も好
ましい化合物は、式(1)において、R1 =R2 =Yが
メチル基であり、Xがヒドロキシ基である化合物、すな
わち上式(2)で示される化合物である。この化合物
は、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−3−オキソ−
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン−4−スピ
ロ−1’−{2’−オキソ−4’−(1−プロペニル)
−3’−シクロブテン}と命名される(分子量=24
8,分子式=C14H16O4 )。
【0022】上式(2)で示される本発明の化合物は、
以下の表1に示す様な理化学的性質を有する。
以下の表1に示す様な理化学的性質を有する。
【0023】
【表1】
【0024】なお、図1は上式(2)で示される化合物
の高速原子衝撃質量スペクトルを、図2は紫外線吸収ス
ペクトルを、図3はプロトン核磁気共鳴スペクトルを、
図4はカーボン核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ示す。
次に、本発明の抗腫瘍剤およびヒト腫瘍細胞に対する選
択的細胞障害剤(以下、これらを総称して単に薬剤と略
記する場合がある)は、有効成分として上記6−オキサ
ビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を含有
し、これに医薬として許容される無機担体もしくは有機
担体を加えて固体、半固体、または液体の形で、経口投
与剤または非経口投与剤の剤型に製剤化する。
の高速原子衝撃質量スペクトルを、図2は紫外線吸収ス
ペクトルを、図3はプロトン核磁気共鳴スペクトルを、
図4はカーボン核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ示す。
次に、本発明の抗腫瘍剤およびヒト腫瘍細胞に対する選
択的細胞障害剤(以下、これらを総称して単に薬剤と略
記する場合がある)は、有効成分として上記6−オキサ
ビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を含有
し、これに医薬として許容される無機担体もしくは有機
担体を加えて固体、半固体、または液体の形で、経口投
与剤または非経口投与剤の剤型に製剤化する。
【0025】本発明の薬剤は、この様に経口剤及び非経
口剤のいずれの形態でも提供可能であり、投与経路や投
与対象等に応じた最適の剤型を選ぶことができる。経口
投与に適した剤型としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒
剤、軟・硬カプセル剤、ペレット剤、舌下剤、各種液剤
等が例示され、非経口に適した剤型としては、注射剤、
点滴剤、輸液、軟膏、ローション、トニック、スプレ
ー、懸濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。本発明
の有効成分を製剤化させるには常用に従えばよく、界面
活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩
衝剤、懸濁剤、等張剤、その他常用の医薬として許容さ
れる担体を適宜使用する。
口剤のいずれの形態でも提供可能であり、投与経路や投
与対象等に応じた最適の剤型を選ぶことができる。経口
投与に適した剤型としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒
剤、軟・硬カプセル剤、ペレット剤、舌下剤、各種液剤
等が例示され、非経口に適した剤型としては、注射剤、
点滴剤、輸液、軟膏、ローション、トニック、スプレ
ー、懸濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。本発明
の有効成分を製剤化させるには常用に従えばよく、界面
活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩
衝剤、懸濁剤、等張剤、その他常用の医薬として許容さ
れる担体を適宜使用する。
【0026】本発明の薬剤の投与量は、剤型の種類、治
療の種類、投与方法、患者の年齢、体重、患者の症状、
腫瘍の種類や部位、更には進行の程度等を考慮して適宜
決定されるものであるが、有効成分である式(1)で示
される6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのス
ピロ誘導体として、一般に大人では、非経口投与の場合
(静脈投与、筋肉投与等)、約0.01〜10mg/k
g/日の範囲であり、好ましくは0.1〜1mg/kg
/日であり、経口投与の場合は約0.5〜20mg/k
g/日の範囲であり、好ましくは1〜10mg/kg/
日の範囲である。
療の種類、投与方法、患者の年齢、体重、患者の症状、
腫瘍の種類や部位、更には進行の程度等を考慮して適宜
決定されるものであるが、有効成分である式(1)で示
される6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのス
ピロ誘導体として、一般に大人では、非経口投与の場合
(静脈投与、筋肉投与等)、約0.01〜10mg/k
g/日の範囲であり、好ましくは0.1〜1mg/kg
/日であり、経口投与の場合は約0.5〜20mg/k
g/日の範囲であり、好ましくは1〜10mg/kg/
日の範囲である。
【0027】更に、本発明の微生物は、クリソスポリウ
ム属に属し、上式(1)で示される6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産する能力
を有する微生物であり、その様な例として例えばクリソ
スポリウムsp.No.632−3−Wが挙げられる。
以下に、上記菌株sp.No.632−3−Wに関する
菌学的性質を示す。
ム属に属し、上式(1)で示される6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産する能力
を有する微生物であり、その様な例として例えばクリソ
スポリウムsp.No.632−3−Wが挙げられる。
以下に、上記菌株sp.No.632−3−Wに関する
菌学的性質を示す。
【0028】(1)菌の分離 本菌株は、兵庫県の六甲山で採取した腐朽材を用いて、
木材腐朽菌の分離に通常用いられる方法で単離した。即
ち、上記腐朽材の試料(ピンセット1つまみ分)を火炎
処理後、ブナ木粉(100メッシュの篩いを通過したも
の)2.0%と寒天1.6%を含有する培地(WA培
地)に接種し、1〜2週間培養した。生育した菌体を、
ピンセットあるいは白金耳を用いて新しい培地に接種す
る単菌分離操作を行うことによりコロニーを分離し、目
的とする菌株を単離した。
木材腐朽菌の分離に通常用いられる方法で単離した。即
ち、上記腐朽材の試料(ピンセット1つまみ分)を火炎
処理後、ブナ木粉(100メッシュの篩いを通過したも
の)2.0%と寒天1.6%を含有する培地(WA培
地)に接種し、1〜2週間培養した。生育した菌体を、
ピンセットあるいは白金耳を用いて新しい培地に接種す
る単菌分離操作を行うことによりコロニーを分離し、目
的とする菌株を単離した。
【0029】(2)菌の形態的性質 菌糸は、ポテト−デキストロース培地(PDA培地)及
び麦芽エキス寒天培地上でよく発達し、隔壁が観察され
る。菌糸は白色〜灰白色を呈し、その表面は滑面であ
る。胞子(分生子)は隔壁が膨らむことによって栄養菌
糸に沿って生じ、次いで隔壁により分離する。分生子は
菌糸上に頂生するか、もしくはその長軸に沿って種々の
位置に形成される。
び麦芽エキス寒天培地上でよく発達し、隔壁が観察され
る。菌糸は白色〜灰白色を呈し、その表面は滑面であ
る。胞子(分生子)は隔壁が膨らむことによって栄養菌
糸に沿って生じ、次いで隔壁により分離する。分生子は
菌糸上に頂生するか、もしくはその長軸に沿って種々の
位置に形成される。
【0030】(3)各種培地における培養的性質 各種培地における培養的性質を表2に示す。なお、後記
する観察結果はすべて特に特記しない限り、28℃、7
日間の条件下における各培地での結果である。
する観察結果はすべて特に特記しない限り、28℃、7
日間の条件下における各培地での結果である。
【0031】
【表2】
【0032】(4)生理学的・化学分類学的性質 ポテト−デキストロース培地を用いた、pH及び温度条
件の結果を以下に示す。 最適生育条件 生育最適pH:4〜6 生育最適温度:約27℃ 生育の範囲 pH生育域:2〜10 温度生育域:10〜40℃ 上記(1)〜(4)に記載した本菌株の菌学的性状を要
約すると以下の通りである。即ち、菌糸は隔壁を有し、
菌糸の色は白色〜灰白色を呈し、表面は平滑である。分
生子は壁が膨らむことによって栄養菌糸に沿って生じる
か、樹状に分岐した分生子柄の先端に生じる。培養上の
諸性質としては、各種培地上で菌糸は白色系の色調を呈
し、褐色の可溶性色素を生産する。これらの結果から、
本菌株はデビッドマロックによる分類(カビの分離・培
養と同定、50〜89頁、1983年)により、クリソ
スポリウム属に属する菌種であると考えられ、クリソス
ポリウムsp.No.632−3−W(Chrysosporium
sp. No. 632-3-W )と命名して工業技術院生命工学工業
技術研究所へ寄託した(FERM P−14254,受
託日:平成6年3月30日)。
件の結果を以下に示す。 最適生育条件 生育最適pH:4〜6 生育最適温度:約27℃ 生育の範囲 pH生育域:2〜10 温度生育域:10〜40℃ 上記(1)〜(4)に記載した本菌株の菌学的性状を要
約すると以下の通りである。即ち、菌糸は隔壁を有し、
菌糸の色は白色〜灰白色を呈し、表面は平滑である。分
生子は壁が膨らむことによって栄養菌糸に沿って生じる
か、樹状に分岐した分生子柄の先端に生じる。培養上の
諸性質としては、各種培地上で菌糸は白色系の色調を呈
し、褐色の可溶性色素を生産する。これらの結果から、
本菌株はデビッドマロックによる分類(カビの分離・培
養と同定、50〜89頁、1983年)により、クリソ
スポリウム属に属する菌種であると考えられ、クリソス
ポリウムsp.No.632−3−W(Chrysosporium
sp. No. 632-3-W )と命名して工業技術院生命工学工業
技術研究所へ寄託した(FERM P−14254,受
託日:平成6年3月30日)。
【0033】以上、6−オキサビシクロ[3.2.0]
ヘプタンのスピロ誘導体生産菌についてクリソスポリウ
ムsp.No.632−3−Wを例に挙げて説明した
が、これに限定されず、クリソスポリウム属に属し、6
−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導
体を生産する能力を有する菌株は全て本発明の範囲内に
包含される。
ヘプタンのスピロ誘導体生産菌についてクリソスポリウ
ムsp.No.632−3−Wを例に挙げて説明した
が、これに限定されず、クリソスポリウム属に属し、6
−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導
体を生産する能力を有する菌株は全て本発明の範囲内に
包含される。
【0034】本発明の6−オキサビシクロ[3.2.
0]ヘプタンのスピロ誘導体の製造方法は、クリソスポ
リウム属に属し、これを生産する能力を有する微生物を
培地に培養して培養物中に6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産蓄積させて採取
する方法であり、この方法によって6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を高収率で得る
ことが可能である。以下に、その方法を詳述する。
0]ヘプタンのスピロ誘導体の製造方法は、クリソスポ
リウム属に属し、これを生産する能力を有する微生物を
培地に培養して培養物中に6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産蓄積させて採取
する方法であり、この方法によって6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を高収率で得る
ことが可能である。以下に、その方法を詳述する。
【0035】まず、クリソスポリウム属に属し、6−オ
キサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を
生産する能力を有する微生物を培地に培養する。上記微
生物の培養においては、通常の不完全菌を培養する方法
が一般に用いられる。即ち、培地としては、微生物が同
化し得る炭素源、消化し得る窒素源、更には必要に応じ
て無機塩等を含有する栄養培地が使用される。ここで、
上記同化し得る炭素源としては、グルコース、フルクト
ース、マルトース、キシロース、マンニット、グリセリ
ン、糖蜜、澱粉、デキストリン、コーンスチープリカー
等の炭水化物が挙げられ、上記消化し得る窒素源として
は、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、大豆
粉、大豆蛋白分解物、カゼイン、アミノ酸、尿素、NZ
−アミン、コーンスチープリカー、フィッシュミール等
の有機窒素源;硝酸塩、アンモニウム塩等の無機窒素化
合物が挙げられ、上記無機塩としてはナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リン酸塩等
が挙げられる。これらの各炭素源、窒素源及び無機塩
は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いら
れる。更に必要に応じて、本菌株の生育や6−オキサビ
シクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の生産を
促進する目的で、重金属(Fe,Cu等)、微量栄養源
(ビタミン類等)、発育促進物質(パントテン酸、ビオ
チン等)、前駆物質(メバロン酸、ピロリン酸等)等を
添加してもよい。
キサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を
生産する能力を有する微生物を培地に培養する。上記微
生物の培養においては、通常の不完全菌を培養する方法
が一般に用いられる。即ち、培地としては、微生物が同
化し得る炭素源、消化し得る窒素源、更には必要に応じ
て無機塩等を含有する栄養培地が使用される。ここで、
上記同化し得る炭素源としては、グルコース、フルクト
ース、マルトース、キシロース、マンニット、グリセリ
ン、糖蜜、澱粉、デキストリン、コーンスチープリカー
等の炭水化物が挙げられ、上記消化し得る窒素源として
は、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、大豆
粉、大豆蛋白分解物、カゼイン、アミノ酸、尿素、NZ
−アミン、コーンスチープリカー、フィッシュミール等
の有機窒素源;硝酸塩、アンモニウム塩等の無機窒素化
合物が挙げられ、上記無機塩としてはナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リン酸塩等
が挙げられる。これらの各炭素源、窒素源及び無機塩
は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いら
れる。更に必要に応じて、本菌株の生育や6−オキサビ
シクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の生産を
促進する目的で、重金属(Fe,Cu等)、微量栄養源
(ビタミン類等)、発育促進物質(パントテン酸、ビオ
チン等)、前駆物質(メバロン酸、ピロリン酸等)等を
添加してもよい。
【0036】上記菌株の培養は通常、振盪培養または通
気撹拌培養等の好気的条件下で行うことが好ましく、工
業的規模で培養を行うには深部通気撹拌培養が好まし
い。培養温度は10〜40℃が好ましく、25〜30℃
がより好ましい。培養液のpHは、菌体の増殖を高める
ためにも弱酸性〜中性(pH5〜7)にすることが好ま
しい。培養時間は、液体培養の場合、通常4〜7日間で
あるが、好ましくは培養物中の6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の蓄積量が最大
に達したときに培養を終了させる。上記した培地組成、
培地の液性、培養温度、培養時間及び撹拌速度、通気量
等の培養条件は、使用する菌株の種類や外部条件等に応
じて最適条件を適宜選択して行えばよい。なお、液体培
養において発泡が生じるときは、シリコン油、植物油、
界面活性剤等の消泡剤を適宜使用することが好ましい。
気撹拌培養等の好気的条件下で行うことが好ましく、工
業的規模で培養を行うには深部通気撹拌培養が好まし
い。培養温度は10〜40℃が好ましく、25〜30℃
がより好ましい。培養液のpHは、菌体の増殖を高める
ためにも弱酸性〜中性(pH5〜7)にすることが好ま
しい。培養時間は、液体培養の場合、通常4〜7日間で
あるが、好ましくは培養物中の6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の蓄積量が最大
に達したときに培養を終了させる。上記した培地組成、
培地の液性、培養温度、培養時間及び撹拌速度、通気量
等の培養条件は、使用する菌株の種類や外部条件等に応
じて最適条件を適宜選択して行えばよい。なお、液体培
養において発泡が生じるときは、シリコン油、植物油、
界面活性剤等の消泡剤を適宜使用することが好ましい。
【0037】この様にして得られた培養物中に蓄積され
た6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体は、主として培養濾液中に含まれるので、遠心分
離や濾過によって培養濾液と菌体を分離し、培養濾液か
ら6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体を抽出・精製することが好ましい。培養濾液から
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘
導体を抽出するには、メタノール、エタノール、n−ブ
タノール、アセトン、クロロホルムその他の有機溶媒;
水;またはリン酸緩衝液等を、単独でまたはこれらを2
種以上組み合わせたものからなる混合液を用いることが
好ましい。得られた粗製の抽出物は、更に疎水性物質の
精製に通常用いられる方法、例えばシリカゲル、アルミ
ナ等の担体を用いたカラムクロマトグラフィーによって
精製することができる。この様な方法によって、6−オ
キサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を
高収率で得ることができる。
た6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体は、主として培養濾液中に含まれるので、遠心分
離や濾過によって培養濾液と菌体を分離し、培養濾液か
ら6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体を抽出・精製することが好ましい。培養濾液から
6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘
導体を抽出するには、メタノール、エタノール、n−ブ
タノール、アセトン、クロロホルムその他の有機溶媒;
水;またはリン酸緩衝液等を、単独でまたはこれらを2
種以上組み合わせたものからなる混合液を用いることが
好ましい。得られた粗製の抽出物は、更に疎水性物質の
精製に通常用いられる方法、例えばシリカゲル、アルミ
ナ等の担体を用いたカラムクロマトグラフィーによって
精製することができる。この様な方法によって、6−オ
キサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を
高収率で得ることができる。
【0038】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0039】
【実施例】以下の実施例及び製剤例は、すべて上式
(2)で示される6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘ
プタンのスピロ誘導体{以下、式(2)のスピロ誘導体
と略記する}について行ったものである。 実施例1:式(2)のスピロ誘導体の製造 (a)式(2)のスピロ誘導体生産菌の培養 直径90mmのシャーレ上に調製したポテト−デキスト
ロース寒天培地に、クリソスポリウムsp.No.63
2−3−W株の斜面培養物(ポテト−デキストロース寒
天斜面培地上で28℃で7日間培養したもの)を1白金
耳接種し、28℃で7日間培養し、培養物を得た。50
0mL容エルレンマイヤーフラスコにポテト−デキスト
ロース液体培地(pH5.0)100mLを滅菌調製
し、これに上記培養物の1/5量を接種した後、ロータ
リーシェーカー(200rpm)を用いて28℃で7日
間培養し、種母を得た。
(2)で示される6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘ
プタンのスピロ誘導体{以下、式(2)のスピロ誘導体
と略記する}について行ったものである。 実施例1:式(2)のスピロ誘導体の製造 (a)式(2)のスピロ誘導体生産菌の培養 直径90mmのシャーレ上に調製したポテト−デキスト
ロース寒天培地に、クリソスポリウムsp.No.63
2−3−W株の斜面培養物(ポテト−デキストロース寒
天斜面培地上で28℃で7日間培養したもの)を1白金
耳接種し、28℃で7日間培養し、培養物を得た。50
0mL容エルレンマイヤーフラスコにポテト−デキスト
ロース液体培地(pH5.0)100mLを滅菌調製
し、これに上記培養物の1/5量を接種した後、ロータ
リーシェーカー(200rpm)を用いて28℃で7日
間培養し、種母を得た。
【0040】次に、10L容ジャーファーメンターにポ
テト−デキストロース液体培地6Lを滅菌調製した後、
これに上記方法で得られた種母500mLを無菌的に移
植し、28℃で5日間培養(空気通気量:毎分3L、撹
拌速度:300rpm)して、培養液5.4Lを得た。 (b)培養物からの式(2)のスピロ誘導体の抽出 図5に、上記培養物から式(2)のスピロ誘導体を抽出
して精製する工程の一例を示す。以下、同図を参照しな
がら、この工程を詳細に説明する。
テト−デキストロース液体培地6Lを滅菌調製した後、
これに上記方法で得られた種母500mLを無菌的に移
植し、28℃で5日間培養(空気通気量:毎分3L、撹
拌速度:300rpm)して、培養液5.4Lを得た。 (b)培養物からの式(2)のスピロ誘導体の抽出 図5に、上記培養物から式(2)のスピロ誘導体を抽出
して精製する工程の一例を示す。以下、同図を参照しな
がら、この工程を詳細に説明する。
【0041】まず、上記(a)で得られた培養液5.4
Lを減圧濃縮し、500mLにまで濃縮した。次にこの
濃縮物にアセトン2Lを撹拌しながら徐々に加え、80
%アセトン溶液とした後、遠心分離を行った。得られた
アセトン抽出液を減圧乾固して80%アセトン抽出物5
5gを得た。上記80%アセトン抽出物をクロロホル
ム:メタノール:水=5:6:4の二層液々分配で分配
し、式(2)のスピロ誘導体を含むクロロホルム抽出物
4.5gを得た。
Lを減圧濃縮し、500mLにまで濃縮した。次にこの
濃縮物にアセトン2Lを撹拌しながら徐々に加え、80
%アセトン溶液とした後、遠心分離を行った。得られた
アセトン抽出液を減圧乾固して80%アセトン抽出物5
5gを得た。上記80%アセトン抽出物をクロロホル
ム:メタノール:水=5:6:4の二層液々分配で分配
し、式(2)のスピロ誘導体を含むクロロホルム抽出物
4.5gを得た。
【0042】(c)抽出物からの式(2)のスピロ誘導
体の精製 上記(b)で得られたクロロホルム抽出物を、予めクロ
ロホルムで充填したシリカゲルカラム(内径50mm、
長さ27.5cm)に吸着させ、クロロホルムで洗浄し
た後、クロロホルム中のメタノール濃度を1%、10
%、50%、100%と上げていくステップワイズ方式
で溶出させた。得られた溶出液のうち、クロロホルム溶
出画分を減圧乾固し、溶出物250mgを得た。この溶
出物を、シリカゲルカラム(内径50mm,長さ25c
m)を用いた分取用高速液体クロマトグラフィー(溶出
は、n−ヘキサン:エタノール=99:1のアイソクラ
ティック方式で行う)にかけ、波長220nmの紫外部
吸収で式(2)のスピロ誘導体に該当するピークを有す
る画分を集めた。この画分を減圧乾固することにより、
式(2)のスピロ誘導体の純品11mgを得た。
体の精製 上記(b)で得られたクロロホルム抽出物を、予めクロ
ロホルムで充填したシリカゲルカラム(内径50mm、
長さ27.5cm)に吸着させ、クロロホルムで洗浄し
た後、クロロホルム中のメタノール濃度を1%、10
%、50%、100%と上げていくステップワイズ方式
で溶出させた。得られた溶出液のうち、クロロホルム溶
出画分を減圧乾固し、溶出物250mgを得た。この溶
出物を、シリカゲルカラム(内径50mm,長さ25c
m)を用いた分取用高速液体クロマトグラフィー(溶出
は、n−ヘキサン:エタノール=99:1のアイソクラ
ティック方式で行う)にかけ、波長220nmの紫外部
吸収で式(2)のスピロ誘導体に該当するピークを有す
る画分を集めた。この画分を減圧乾固することにより、
式(2)のスピロ誘導体の純品11mgを得た。
【0043】実施例2及び比較例:細胞障害性の評価 Michael C. Alleyらの方法(Cancer Research 48, 589-
601, Feb. 1, 1988 )に従って、ヒト正常細胞(ヒト正
常繊維芽細胞:IMR-90)及びヒト腫瘍細胞{ヒト膵臓癌
細胞(MIA-PaCa2 )及びヒト骨肉腫細胞(Hos )}に対
する式(2)のスピロ誘導体の細胞障害性を評価した。
601, Feb. 1, 1988 )に従って、ヒト正常細胞(ヒト正
常繊維芽細胞:IMR-90)及びヒト腫瘍細胞{ヒト膵臓癌
細胞(MIA-PaCa2 )及びヒト骨肉腫細胞(Hos )}に対
する式(2)のスピロ誘導体の細胞障害性を評価した。
【0044】即ち、上記各培養細胞を10%牛胎児血清
を含むダルペッコ改変イーグル培地を、培地1mL当た
りの細胞数が5×103 〜1×105 個になる様に調製
した。96ウェルのマイクロプレ−トに、1ウェル当た
り各調製液を100μL注入した。このプレートを、5
%CO2 −95%空気中、37℃で24時間培養後、被
験物質として、種々の濃度の、式(2)のスピロ誘導体
{上記各注入量と等量の培地(DMSOを0.1%以下
含有)に溶解もしくは懸濁させる}を添加した後、更に
同一条件下で72時間培養した。この培養物に、1mg
のMTT(3-(4,5-dimethylthiazo-2-yl)-2,5-diphenyl
tetrazolium bromide )/mL・PBSを、最終濃度が
200μg/mLになる様に添加し、同一条件下で更に
4時間静置した。
を含むダルペッコ改変イーグル培地を、培地1mL当た
りの細胞数が5×103 〜1×105 個になる様に調製
した。96ウェルのマイクロプレ−トに、1ウェル当た
り各調製液を100μL注入した。このプレートを、5
%CO2 −95%空気中、37℃で24時間培養後、被
験物質として、種々の濃度の、式(2)のスピロ誘導体
{上記各注入量と等量の培地(DMSOを0.1%以下
含有)に溶解もしくは懸濁させる}を添加した後、更に
同一条件下で72時間培養した。この培養物に、1mg
のMTT(3-(4,5-dimethylthiazo-2-yl)-2,5-diphenyl
tetrazolium bromide )/mL・PBSを、最終濃度が
200μg/mLになる様に添加し、同一条件下で更に
4時間静置した。
【0045】生細胞が存在する場合には、この間にMT
Tが取り込まれ、該生細胞内で還元されて青色のホルマ
ザンを形成する。本実施例における被験物質の細胞障害
能は、この様な生細胞のMTTの取り込みを測定して、
コントロール群(被験物質を添加しない群)と比較する
ことにより評価した。即ち、上記工程終了後、ウェル中
の培地を取り除いた状態で各細胞内に取り込まれたMT
Tを、100%DMSO(150μL/ウェル)で細胞
外に抽出し、分光光度計を用いて540nmにおける吸
光度(A540 )を測定した。
Tが取り込まれ、該生細胞内で還元されて青色のホルマ
ザンを形成する。本実施例における被験物質の細胞障害
能は、この様な生細胞のMTTの取り込みを測定して、
コントロール群(被験物質を添加しない群)と比較する
ことにより評価した。即ち、上記工程終了後、ウェル中
の培地を取り除いた状態で各細胞内に取り込まれたMT
Tを、100%DMSO(150μL/ウェル)で細胞
外に抽出し、分光光度計を用いて540nmにおける吸
光度(A540 )を測定した。
【0046】被験物質の細胞障害作用は、正常細胞の場
合は、コントロールとして被験物質無添加の正常細胞の
MTTの取り込み量を100としたときの、被験物質を
用いた場合の正常細胞のMTTの取り込み量の割合(生
存率%)で表し、一方、腫瘍細胞の場合は、コントロー
ルとして被験物質無添加の腫瘍細胞のMTTの取り込み
量を100としたときの、被験物質を用いた場合の腫瘍
細胞のMTTの取り込み量の割合(生存率%)で表し
た。縦軸に得られた生存率を、横軸に被験物質の最終濃
度の対数をとってプロットし、50%の生存率を与える
濃度:IC50(Inhibited Concentration of 50%, μg
/mL)を求めた。その結果を図6に示す。
合は、コントロールとして被験物質無添加の正常細胞の
MTTの取り込み量を100としたときの、被験物質を
用いた場合の正常細胞のMTTの取り込み量の割合(生
存率%)で表し、一方、腫瘍細胞の場合は、コントロー
ルとして被験物質無添加の腫瘍細胞のMTTの取り込み
量を100としたときの、被験物質を用いた場合の腫瘍
細胞のMTTの取り込み量の割合(生存率%)で表し
た。縦軸に得られた生存率を、横軸に被験物質の最終濃
度の対数をとってプロットし、50%の生存率を与える
濃度:IC50(Inhibited Concentration of 50%, μg
/mL)を求めた。その結果を図6に示す。
【0047】式(2)のスピロ誘導体を用いた場合のヒ
ト正常繊維芽細胞(IMR-90)、ヒト膵臓癌細胞(MIA-Pa
Ca2 )及びヒト骨肉腫細胞(Hos )のIC50はそれぞ
れ、0.25μg/mL、0.04μg/mL及び0.
025μg/mLであった。このことから、式(2)の
スピロ誘導体は、MIA-PaCa及びHos に対して高い選択的
細胞障害作用を発揮し、且つその程度も非常に高いこと
が分かった。すなわち、MIA-PaCaは、IMR-90に比べて約
6倍、Hos は、IMR-90に比べて約10倍もの高い選択的
細胞障害作用を有することが分かった。
ト正常繊維芽細胞(IMR-90)、ヒト膵臓癌細胞(MIA-Pa
Ca2 )及びヒト骨肉腫細胞(Hos )のIC50はそれぞ
れ、0.25μg/mL、0.04μg/mL及び0.
025μg/mLであった。このことから、式(2)の
スピロ誘導体は、MIA-PaCa及びHos に対して高い選択的
細胞障害作用を発揮し、且つその程度も非常に高いこと
が分かった。すなわち、MIA-PaCaは、IMR-90に比べて約
6倍、Hos は、IMR-90に比べて約10倍もの高い選択的
細胞障害作用を有することが分かった。
【0048】 製剤例1:錠剤 式(2)のスピロ誘導体 50g ラクトース 90g コーンスターチ 29g ステアリン酸マグネシウム 1g 及びの全量との17gを混合し、別途7gのか
ら調製したペーストと共に顆粒化させた。得られた顆粒
に、の5gとの全量を加えて十分混合し、この混合
物を圧縮錠剤機で圧縮し、1錠当たりを50mg含有
する錠剤1000個を製造した。
ら調製したペーストと共に顆粒化させた。得られた顆粒
に、の5gとの全量を加えて十分混合し、この混合
物を圧縮錠剤機で圧縮し、1錠当たりを50mg含有
する錠剤1000個を製造した。
【0049】 製剤例2:注射剤 式(2)のスピロ誘導体 5.0g 塩化ナトリウム 8.5g クロロブタノール 5.0g 炭酸水素ナトリウム 50.0g 〜の全量を蒸留水1000mLに溶解した後、アン
プルに1mLずつ分注して注射剤1000本を製造し
た。
プルに1mLずつ分注して注射剤1000本を製造し
た。
【0050】なお、上記実施例及び製剤例は、いずれも
式(2)のスピロ誘導体を用いたものであるが、本発明
の範囲内の他のスピロ誘導体を用いた場合においても同
様の結果が得られる。
式(2)のスピロ誘導体を用いたものであるが、本発明
の範囲内の他のスピロ誘導体を用いた場合においても同
様の結果が得られる。
【0051】
【発明の効果】本発明の薬剤は以上の様に構成されてい
るので、従来の化学療法剤に比べて低い濃度でも、ヒト
腫瘍細胞に対して高い選択的細胞障害作用を発揮するこ
とができる。また、本発明の微生物は、上記薬剤の有効
成分である上式(1)で示される6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産する能力
を有するものである。更に、本発明の製造方法は以上の
様に構成されているので、上記有効成分を高収率で製造
することができる。
るので、従来の化学療法剤に比べて低い濃度でも、ヒト
腫瘍細胞に対して高い選択的細胞障害作用を発揮するこ
とができる。また、本発明の微生物は、上記薬剤の有効
成分である上式(1)で示される6−オキサビシクロ
[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産する能力
を有するものである。更に、本発明の製造方法は以上の
様に構成されているので、上記有効成分を高収率で製造
することができる。
【図1】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の高速原子衝撃質量ス
ペクトルを示す。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の高速原子衝撃質量ス
ペクトルを示す。
【図2】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の紫外線吸収スペクト
ルを示す。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の紫外線吸収スペクト
ルを示す。
【図3】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のプロトン核磁気共鳴
スペクトルを示す。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のプロトン核磁気共鳴
スペクトルを示す。
【図4】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のカーボン核磁気共鳴
スペクトルを示す。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体のカーボン核磁気共鳴
スペクトルを示す。
【図5】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の精製工程の一例を示
す工程図である。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の精製工程の一例を示
す工程図である。
【図6】式(2)で示される6−オキサビシクロ[3.
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の細胞障害作用を示す
グラフである。
2.0]ヘプタンのスピロ誘導体の細胞障害作用を示す
グラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 [式中、R1 、R2 およびYは、それぞれ同一または異
なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキ
シ(低級)アルキル基または保護されたヒドロキシ(低
級)アルキル基であり、 Xはヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、低級アル
キル基、ヒドロキシ(低級)アルキル基または保護され
たヒドロキシ(低級)アルキル基を意味する]で示され
る6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ
誘導体。 - 【請求項2】 R1 、R2 及びYがメチル基であり、X
がヒドロキシ基である請求項1に記載の6−オキサビシ
クロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の6−オキサビ
シクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医
薬として許容される担体を含有することを特徴とする抗
腫瘍剤。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の6−オキサビ
シクロ[3.2.0]ヘプタンのスピロ誘導体、及び医
薬として許容される担体を含有することを特徴とするヒ
ト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤。 - 【請求項5】 クリソスポリウム属に属し、請求項1ま
たは2に記載の6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプ
タンのスピロ誘導体を生産する能力を有する微生物クリ
ソスポリウムsp.No.632−3−W。 - 【請求項6】 クリソスポリウム属に属し、請求項1ま
たは2に記載の6−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプ
タンのスピロ誘導体を生産する能力を有する微生物を培
地に培養して培養物中に6−オキサビシクロ[3.2.
0]ヘプタンのスピロ誘導体を生産蓄積させ、これを採
取することを特徴とする6−オキサビシクロ[3.2.
0]ヘプタンのスピロ誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139794A JPH07316145A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 新規な6−オキサビシクロ[3.2.0ヘプタンのスピロ誘導体、抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、該誘導体の生産菌及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139794A JPH07316145A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 新規な6−オキサビシクロ[3.2.0ヘプタンのスピロ誘導体、抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、該誘導体の生産菌及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316145A true JPH07316145A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14560123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11139794A Withdrawn JPH07316145A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 新規な6−オキサビシクロ[3.2.0ヘプタンのスピロ誘導体、抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、該誘導体の生産菌及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316145A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996025512A1 (fr) * | 1995-02-17 | 1996-08-22 | Rhone-Poulenc Rorer S.A. | Microorganisme du genre chrysosporium utile pour preparer des inhibiteurs de farnesyl transferase |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP11139794A patent/JPH07316145A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996025512A1 (fr) * | 1995-02-17 | 1996-08-22 | Rhone-Poulenc Rorer S.A. | Microorganisme du genre chrysosporium utile pour preparer des inhibiteurs de farnesyl transferase |
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Legal Events
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