JPH07315836A - ランタノイドの分離方法 - Google Patents

ランタノイドの分離方法

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JPH07315836A
JPH07315836A JP6139304A JP13930494A JPH07315836A JP H07315836 A JPH07315836 A JP H07315836A JP 6139304 A JP6139304 A JP 6139304A JP 13930494 A JP13930494 A JP 13930494A JP H07315836 A JPH07315836 A JP H07315836A
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complex
lanthanoide
acetonitrile
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salicylaldehyde
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Masatoshi Kanesato
雅敏 金里
Toshiro Yokoyama
敏郎 横山
Osamu Itabashi
修 板橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端産業における機能性材料に不可欠の元素
として、重要視されている、ランタノイドの分離を、汎
用設備による簡便な操作で行う。 【構成】 【化1】 で表わされる、有機試薬が配位した、2種類のランタノ
イドの錯体( 【化2】 )が共存する溶液に、サリチルアルデヒドを加えて、ア
セトニトリル中で反応させたとき、ランタノイドの種類
によって、反応選択性や反応生成物が異なり、アセトニ
トリルへの溶解度に違いが生じることを利用して、2種
類のランタノイドの混合物から、一方だけを結晶化させ
ることにより、分離を達成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ランタノイドは、磁性材料、発光
材料等、先端産業における機能性材料に不可欠の元素と
して重要視されており、高純度のランタノイドを安定供
給することが必要となっている。そのため、効率的な分
離法の開発が求められている。
【0002】
【従来の技術】ランタノイドは、溶液中にイオンとして
存在する場合、安定な3価の状態となることが多く、ま
たイオンサイズも相互に類似していることから、分離が
困難な元素群の一つとされてきた。分離法としては、イ
オン交換分離法やキレート樹脂による分離法、さらには
溶媒抽出法等が知られているが、いずれも専用の設備を
必要としている。また、これらはランタノイド相互のわ
ずかな性質の違いを利用しているため、相互分離のため
には、分離段数を増やさなければならず、装置の大型化
を招くという問題を免れなかった。特に専用の設備を必
要としない汎用設備を用いた簡便な方法として、分別結
晶法があげられるが、これもランタノイド相互のわずか
な性質の違いを利用しているため、相互分離を達成する
ためには、溶液からランタノイドの塩を結晶化させ、そ
の結晶をもう一度溶かして、再度、結晶化させるといっ
た同一操作を何十回、何百回という単位で、繰り返し行
わなければならず、大変な時間と労力を必要とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ランタノ
イドの分離を効率よく行いうる方法を開発するために種
々研究を重ねた結果、
【化1】で表わされる有機試薬が配位した、ランタノイ
ドの金属錯体(
【化2】)と、サリチルアルデヒドとの反応における反
応選択性や、反応によって生じる反応生成物が、ランタ
ノイドの種類によって異なることを見いだした。その結
果、ランタノイドの種類によって、サリチルアルデヒド
との反応後に、その錯体の構造が大きく異なるために、
アセトニトリルへの溶解度に違いが生じることを利用し
て、一方だけを結晶化させることにより、容易に分離が
可能となることを見いだし、この知見に基づいて、本発
明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0004】 〔発明の詳細な説明〕本発明に用いられる、
【化1】で表わされる、有機試薬が配位した、ランタノ
イドの金属錯体(
【化2】)は、既知の方法により、合成される(Ino
rg.Chem.,24巻,3469ページ,1985
年)。すなわち、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過
塩素酸塩、硝酸塩、塩酸塩等、三価のランタノイドの塩
【化3】 及び
【化4】 をアセトニトリル中で反応させる方法である。
【0005】本発明において新規に見い出された点は、
このようにして合成された
【化2】が、サリチルアルデヒドと反応する場合に、ラ
ンタノイドの種類によって、反応選択性や反応生成物が
異なるという点である。ランタノイドの一つであるガド
リニウムでは、
【化2】のガドリニウム錯体とサリチルアルデヒドをア
セトニトリル中で、15分間、加熱還流させることによ
り、
【化5】 のガドリニウム錯体が生成される。また、室温で反応さ
せて、冷暗所に静置しても
【化5】のガドリニウム錯体が生成される。一方、ラン
タノイドの一つであるランタンの場合は、同様の操作に
おいても、また、さらに1時間半加熱還流させても、
【化5】のランタン錯体の生成は認められず、代わりに
【化6】 の錯体が生成される。
【0006】
【化5】と
【化6】では、その構造が全く異なり、溶液中での電荷
も異なるため、溶解度等の性質に明確な差が生じてく
る。その違いを利用することにより、汎用設備による簡
単な操作で、分離を行うことが可能となる。すなわち、
ランタンとガドリニウムの
【化2】の金属錯体が共存するアセトニトリル溶液にサ
リチルアルデヒドを加え、反応させることにより、ガド
リニウムだけが、
【化5】の錯体となる。
【化5】は
【化6】に比べて、アセトニトリルへの溶解度が極めて
低く、反応溶液を冷暗所に静置するだけで、
【化5】のガドリニウム錯体が高純度で結晶として析出
される。溶液をろ過して、結晶を取り出すことにより、
ランタンとガドリニウム混合物からガドリニウムだけを
高純度で取り出すことが可能となる。
【0007】一方、他のランタノイドにおいては、サリ
チルアルデヒドとの反応における反応条件によって、
【化5】及び
【化6】の両方の生成が認められ、反応時間とともに、
【化6】から
【化5】へ変化する。サリチルアルデヒドとの反応選択
性、すなわち反応の起こり易さは、ランタノイドの種類
によって異なり、アセトニトリルへの溶解度の低い
【化5】の錯体が速く生成したほうが、先に結晶として
析出してくるため、分離が可能となる。例えば、ランタ
ンとユウロピウムの場合には、選択性はユウロピウムの
ほうが高く、ユウロピウムの
【化5】が優先的に生成される。またネオジムとサマリ
ウムでは、サマリウムが、ネオジムとガドリニウムで
は、ガドリニウムが、ランタンとプラセオジムではプラ
セオジムの選択性が高い。
【0008】
【作用】本発明によれば、2種類のランタノイドの
【化2】の錯体が共存する溶液に、サリチルアルデヒド
を加え、反応させることにより、特に専用の設備を必要
とせず、汎用設備を用いた簡便な方法で、ランタノイド
の相互分離を行うことができる。
【0009】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0010】
【実施例1】ランタンの
【化2】の錯体、2ミリモルと、ガドリニウムの
【化2】の錯体、2ミリモルを混合し、200mlのア
セトニトリルに溶かす。この溶液に、サリチルアルデヒ
ド4ミリモルを加えた後、溶液をろ過し、ろ液をエバポ
レーターで20ml程度に濃縮し、濃縮液を冷暗所に静
置すると、結晶が析出してくる。この結晶をろ別し、真
空乾燥機で乾燥する。得られた結晶の少量を精密に秤量
し、2モルの塩酸に溶かし、水で希釈してICP発光分
光光度法で定量したところ、ランタンの濃度がガドリニ
ウムに対して、0.1%であることがわかった。この結
果、ガドリニウムの純度が、たった一度の操作で50%
から99.9%まで高くなっていることが判明した。
【0011】
【実施例2】ランタンの
【化2】の錯体、1ミリモルと、ユウロピウムの
【化2】の錯体、1ミリモルを混合し、50mlのアセ
トニトリルに溶かす。この溶液に、サリチルアルデヒド
2ミリモルを加え、15分間、50−60度で攪拌す
る。溶液をろ過し、ろ液をエバポレーターで10ml程
度に濃縮し、濃縮液を冷暗所に静置すると、結晶が析出
してくる。この結晶をろ別し、真空乾燥機で乾燥する。
得られた結晶の少量を精密に秤量し、2モルの塩酸に溶
かし、水で希釈してICP発光分光光度法で定量したと
ころ、ランタンの濃度がユウロピウムに対して、0.8
%であることがわかった。この結果、ユウロピウムの純
度が、たった一度の操作で50%から99.2%まで高
くなっていることが判明した。
【0012】
【実施例3】ネオジムの
【化2】の錯体、1ミリモルと、サマリウムの
【化2】の錯体、1ミリモルを混合し、50mlのアセ
トニトリルに溶かす。この溶液に、サリチルアルデヒド
2ミリモルを加え、15分間、50−60度で攪拌す
る。溶液をろ過し、ろ液をエバポレーターで10ml程
度に濃縮し、濃縮液を冷暗所に静置すると、結晶が析出
してくる。この結晶をろ別し、真空乾燥機で乾燥する。
得られた結晶の少量を精密に秤量し、2モルの塩酸に溶
かし、水で希釈してICP発光分光光度法で定量したと
ころ、ネオジムの濃度がサマリウムに対して、3.4%
であることがわかった。この結果、サマリウムの純度
が、たった一度の操作で50%から96.6%まで高く
なっていることが判明した。
【0013】
【実施例4】ネオジムの
【化2】の錯体、1ミリモルと、ガドリニウムの
【化2】の錯体、1ミリモルを混合し、50mlのアセ
トニトリルに溶かす。この溶液に、サリチルアルデヒド
2ミリモルを加え、15分間、50−60度で攪拌す
る。溶液をろ過し、ろ液をエバポレーターで10ml程
度に濃縮し、濃縮液を冷暗所に静置すると、結晶が析出
してくる。この結晶をろ別し、真空乾燥機で乾燥する。
得られた結晶の少量を精密に秤量し、2モルの塩酸に溶
かし、水で希釈してICP発光分光光度法で定量したと
ころ、ネオジムの濃度がガドリニウムに対して、1.9
%であることがわかった。この結果、ガドリニウムの純
度が、たった一度の操作で50%から98.1%まで高
くなっていることが判明した。
【0014】
【実施例5】ランタンの
【化2】の錯体、1ミリモルと、プラセオジムの
【化2】の錯体、1ミリモルを混合し、50mlのアセ
トニトリルに溶かす。この溶液に、サリチルアルデヒド
2ミリモルを加え、15分間、50−60度で攪拌す
る。溶液をろ過し、ろ液をエバポレーターで10ml程
度に濃縮し、濃縮液を冷暗所に静置すると、結晶が析出
してくる。この結晶をろ別し、真空乾燥機で乾燥する。
得られた結晶の少量を精密に秤量し、2モルの塩酸に溶
かし、水で希釈してICP発光分光光度法で定量したと
ころ、ランタンの濃度がプラセオジムに対して、2.4
%であることがわかった。この結果、プラセオジムの純
度が、たった一度の操作で50%から97.6%まで高
くなっていることが判明した。
【0015】
【発明の効果】本発明は、2種類のランタノイドから、
個々のランタノイドを分離する方法に関するものであ
る。本発明方法によれば、2種類のランタノイドの
【化2】の錯体が共存する溶液に、サリチルアルデヒド
を加え、反応させた場合に、ランタノイドの種類によっ
て反応選択性や反応生成物に明らかな違いが生じること
を利用して、従来の技術では困難であった、汎用設備に
よる簡便な操作で、ランタノイドの相互分離を達成する
ことが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 で表わされる有機試薬が配位した、ランタノイドの錯体
    ( 【化2】 )と、サリチルアルデヒドとをアセトニトリル中で反応
    させたとき、ランタノイドの種類によって、反応選択性
    や反応生成物が異なり、アセトニトリルへの溶解度に違
    いが生じることを利用して、2種類のランタノイドの混
    合物から、一方だけを結晶化させることを特徴とするラ
    ンタノイドの分離方法。
JP6139304A 1994-05-30 1994-05-30 ランタノイドの分離方法 Expired - Lifetime JP2560255B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001151743A (ja) * 1999-11-29 2001-06-05 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 希土類と亜鉛の分離方法
JP2018168424A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 国立研究開発法人産業技術総合研究所 希土類イオンの高精密相互分離法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001151743A (ja) * 1999-11-29 2001-06-05 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 希土類と亜鉛の分離方法
JP2018168424A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 国立研究開発法人産業技術総合研究所 希土類イオンの高精密相互分離法

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