JPH093560A - ロジウムの結晶化精製法 - Google Patents

ロジウムの結晶化精製法

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JPH093560A
JPH093560A JP17549895A JP17549895A JPH093560A JP H093560 A JPH093560 A JP H093560A JP 17549895 A JP17549895 A JP 17549895A JP 17549895 A JP17549895 A JP 17549895A JP H093560 A JPH093560 A JP H093560A
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JP
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rhodium
platinum group
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ions
crystals
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JP17549895A
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Nobuo Takahashi
信夫 高橋
Satoshi Asano
聡 浅野
Takashi Kudo
敬司 工藤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1回の結晶化操作によつて、白金族を含む不
純物を効率よく母液に分配し、高純度のロジウムを結晶
として高収率で回収し得る方法を提供すること。 【構成】 不純物として4価の白金族元素が存在するロ
ジウムイオンを含む水溶液中に、ロジウムに対して6倍
モル以上の塩化物イオンを共存させ、次いで、ヒドラジ
ンあるいはヒドラジニウム塩を添加し、ロジウムを析出
する結晶中に、不純物を母液中に分配させるロジウムの
結晶化精製法とすることによつて目的を達し得たもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非鉄金属精錬工程や含
白金廃触媒の処理工程で発生するロジウムおよびその他
の元素からなる混合物から高純度のロジウムを効率よく
分離、精製することができるロジウムの結晶化精製法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロジウムの精製方法としては、結晶化
法、イオン交換法、溶媒抽出法などが一般に知られてい
るが、ロジウムと共存する陰イオン、陽イオンの大部分
を同時に分離できるので、結晶化法がもつとも広く採用
されている。結晶化法によるロジウムの精製法として
は、亜硝酸錯塩の安定度の差を利用してロジウム以外の
元素を沈殿分離し、ロジウムを母液中に残し、次いで、
結晶としてロジウムを分離する方法や、アンモニアおよ
び塩化物塩イオンを配位子とする難溶性錯塩としてロジ
ウムを分離する方法、また、ロジウムは塩化物水溶液中
ではクロロ錯イオンとして存在するために塩化アンモニ
ウムあるいはエチレンジアミンなどのアミン類を添加し
て、難溶性のクロロ錯塩を形成させロジウムを沈殿させ
る方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、亜硝酸
イオンの錯安定度の差を利用して相互に分離する方法は
7較的高いpHにおいて他の不純物を加水分解させる方
法であるから、ロジウムもかなり沈殿してしまうため、
ロジウムの純度が十分高くなるまでこの操作を繰り返す
と、初めの全ロジウムに対して20%程度しか回収できな
いという問題があった。また、アンモニアおよび塩化物
イオンからなる錯塩として分離する方法では、アンモニ
ア錯塩が弱アルカリ性で形成されるために、鉄、鉛のよ
うにアンモニアと可溶性の錯イオンを形成しにくく、か
つ、塩基性の低い元素や、白金のようにアンモニアと錯
塩を形成はするが、難溶性の塩を形成するような元素は
分離できなかった。さらに、ロジウムのクロロ錯塩をそ
のまま難溶性塩として沈殿させる方法は、もつとも簡便
であり、酸性で錯塩が形成されるために、白金族と共存
しやすい大部分の陽イオン、陰イオン不純物を1回の結
晶化で分離できるという長所があるものの、4価の白金
族不純物を含有する場合については、ロジウムと同等あ
るいはそれ以上に溶解度が低いクロロ錯塩を形成して共
沈してしまうために、分離が困難であるといつた問題が
あった。
【0004】本発明は、1回の結晶化操作によつて、白
金族を含む不純物を効率よく母液に分配し、高純度のロ
ジウムを結晶として高収率で回収し得る方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題を
解決し、前記目的を達成するために研究を重ねた結果、
4価の白金族元素のクロロ錯体の多くが還元によつて低
原子価の白金族イオンを含むクロロ錯体に変化し、その
塩の溶解度が増加するという性質を利用することによつ
て白金族の共沈を防止し得ることを認めて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、不純物として4価
の白金族元素が存在するロジウムイオンを含む水溶液中
に、ロジウムに対して6倍モル以上の塩化物イオンを共
存させ、次いで、ヒドラジンあるいはヒドラジニウム塩
を添加し、ロジウムを析出する結晶中に、不純物を母液
中に分配させるロジウムの結晶化精製法を要旨とするも
のである。
【0006】
【作用】結晶化に使用するロジウムを含む水溶液は、析
出対象結晶がヘキサクロロロジウム(III) 酸の塩である
から、ロジウムに対して6倍モル以上の塩化物イオンを
含むことが不可欠である。何となれば、原液となるロジ
ウム溶液が、金属ロジウムを塩酸中で塩素浸出すること
によつて調整された場合、あるいは、塩化アルカリと共
に塩素気流中で加熱した後、塩酸浸出することによつて
調整された場合には、ロジウムに対して塩化物イオンが
既に6倍モル以上存在し、かつ、ロジウムは、ヘキサク
ロロロジウム(III) 酸イオンとして存在しているもので
あるから、本発明に使用するのには問題はないからであ
る。しかしながら、精錬系などから得られた水酸化物を
塩酸に溶解して調整した場合には、塩化物イオンが十分
存在したとしても、溶解直後は、準安定なアクア錯体
(アコ錯体)、ヒドロキソ錯体が多く含まれているため
に、塩化物イオンが一部でも水、水酸化物イオンに置換
されたロジウムのクロロ錯塩は、溶解度が大きいため
に、そのまま結晶化を行うと収率が著じるしく低下して
しまうものである。これらの準安定な錯体を目的のクロ
ロ錯体に変化させるためには、塩酸の共存下で加熱する
必要があり、塩酸濃度や加熱温度が高いほど、また加熱
時間が長いほど完全に変化させることができる。さらに
少量の硝酸は、この化学変化を促進することができる。
完全にクロロ錯体に変化したことは、例えば、水相の色
が、橙黄色から赤紫色に変化することによつて確認する
ことができるものである。
【0007】ヘキサクロロロジウム(III) 酸イオンを含
む溶液と作用して、水に難溶性の結晶が得られる化合物
としては、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのイオ
ン半径が大きなアルカリ金属の塩類のほかに、アンモニ
ウム塩、アミン類があるが、いずれを用いた場合にも、
ロジウムと共存する白金族不純物が4価で存在する場合
には、ロジウムと共沈してしまう。しかしながら、アン
モニウムイオンと類似の陽イオンであるヒドラジニウム
イオンを用いた場合だけ難溶性塩を形成するはずの白金
族イオンの共沈を防止することができる。これは、難溶
性塩を形成しやすい錯陰イオン、例えば、ヘキサクロロ
白金(IV)酸イオンは、ヒドラジニウムイオンの還元力に
よりテトラクロロ白金(II)酸イオンに還元されるが、後
者のイオンは、ヒドラジニウムイオンと難溶性塩を形成
しにくいからである。実際、沈殿剤として、主としてア
ミンなどを用い、その一部をヒドラジニウムイオンに置
換してもある程度は白金族不純物の共沈を防止すること
が可能であるが、始めにヒドラジンを用いて不純物白金
族を還元後、他の沈殿剤を使用する必要がある。
【0008】また、白金族イオンを低原子価のイオンに
還元し得る他の還元剤、例えば、亜硫酸イオンやシユウ
酸などの有機化合物などによつて還元した後、他の沈殿
剤によつて結晶化することも可能であるが、これらの還
元剤は、ロジウムイオンと錯形成することによつてロジ
ウムの析出率を低下させるために好ましくない。
【0009】ヒドラジニウムイオンの添加方法として
は、既に液中に塩酸がきわめて過剰に存在している場合
など、ヘキサクロロロジウム(III) 酸イオンが明らかに
遊離酸状態の場合は、下記化学式(1) に示すように、水
和ヒドラジンを添加し、中和反応により生成するヒドラ
ジニウムイオンにより結晶を析出させる。また、遊離酸
状態でない場合には、ヒドラジニウム塩を添加し、下記
化学式(2) に示すような複分解反応によつて沈殿を得る
こともできる。後者の複分解法では、中和熱が発生しな
いために、ヘキサクロロロジウム(III) 酸イオンが分解
されることがなく、高収率でロジウムを回収することが
可能である。
【0010】中和法、複分解法を問わず、最終pHは、
適正範囲内にあることが望ましい。まず、pHが低いほ
ど、下記化学式(3) に示すように錯塩が遊離酸とヒドラ
ジニウム塩に分解してしまう。例えば、先に述べた複分
解反応において、原液中のヘキサクロロロジウム(III)
酸が遊離酸の状態、または、塩酸の共存下では、共存す
るあるいは生成する塩酸によつて結晶生成反応は進行し
にくいが、これをアルカリなどで中和すれば化学式(3)
の逆反応を進めることになり、結晶を得ることが可能で
ある。
【0011】
【化1】 2H[RhCl] + 3N・HO → (N[RhCl + 3H
【0012】
【化2】 2[RhCl3− + 3N 2+ → (N[RhCl
【0013】
【化3】 (N[RhCl + 6H → 2H[RhCl] + 3N 2+
【0014】一方、ヘキサクロロロジウム(III) 酸イオ
ンは、たとえ塩化物イオンの量がロジウムに対して大過
剰存在していたとしても、pHが中性付近まで上昇する
と、徐々に加水分解がおこり、配位子の一部が水に置換
されてしまう結果、結晶時の収率が低下してしまう。p
Hは、ヒドラジニウムイオンによる還元反応とも関係
し、pHが低すぎると還元力が低下し、反対に、高すぎ
ると白金族イオンが金属にまで還元されてしまう。
【0015】前記方法によつて得られた結晶は、母液と
分離した後、不活性ガス、あるいは、水蒸気気流中で加
熱分解するか、水中に懸濁し、水素、ギ酸などの還元剤
によつて金属ロジウムとすることができるものである。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を述べる。
【0017】実施例1 (1) Rh1.95gを含む湿潤した水酸化ロジウム13.4gを
35%塩酸27.2mlに溶解し、蒸発を防止つつ、90℃にて
3時間加熱した。この溶液にPt(IV)1.6 mg、Ni(I
II)2.9mg、Fe(III)2.8mg、Cr(III)2.8mg、A
s(V)0.99mgを含む水溶液1mlを添加して原液と
した。 (2) 前記原液を18℃に維持しつつ、pH−0.02 になる
まで98%水和ヒドラジンを添加し、結晶が完全に析出す
るように室温で19時間かきまぜた後、濾過した。濾過時
の濾液は、28℃であつた。得られた結晶は、10mlの水
で洗浄した。 (3) 洗浄後の結晶の重量、湿潤状態で7.11gであり、結
晶中の各元素の含有量は、Rh1.44g、Pt、Ni、F
e、Crはいずれも<0.1 mg、As<0.3 mgであつ
た。また、母液中のRh濃度は、11.6g/lであつた。
【0018】実施例2 (1) H[RhCl]としてRh7.1 g/l、Pt0.
005 g/lを含む3%HCl溶液に、NCl
7.2g を添加したところ、pHは−0.94であり、N
Clの結晶は、ほとんど溶解せず、また、液の色も
ほとんど変化がなかつた。 (2) この固液混合物のpHをNaHCOによつて上昇
させていくと、無色の結晶が徐々に溶解するとともに、
赤色の結晶が増加し、pH−0.07までpHが上昇した時
点では、液の色もかなり薄くなつた。 (3) スラリーは、19時間室温でかきまぜた後、濾過し、
ろ液を分析したところ、Rh0.64g/l、Pt0.005 g
/lであった。この例のように溶液中のRhが完全にH
[RhCl]の形態であり、局部的にも中和熱が発
生しない複分解法を用いることによつてRhの収率を改
善し得ることが認められた。
【0019】比較例1 (1) 実施例で使用した原液と全く同一の液を15℃に維持
しつつ、pH-0.04 になるまでエチレンジアミンを添加
し、結晶が完全に析出するように室温で19時間かきまぜ
た後、濾過した。濾過時の液温は、29℃であつた。得ら
れた結晶は、10mlの水によつて洗浄した。 (2) 洗浄後の結晶の重量は、湿潤状態で10.89 gであ
り、結晶中の各元素の含有量は、Rh1.62g、Pt0.64
mg、Ni、Fe、Crはいずれも<0.2 mg、As<
0.5 mgであつた。また、母液中のRh濃度は、11.6g
/lであつた。
【0020】
【発明の効果】本発明は、1回の結晶化操作によつて、
白金族を含む不純物を効率よく母液に分配し、高純度の
ロジウムを結晶として高収率で回収できるものであつて
顕著な効果が認められる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として4価の白金族元素が存在す
    るロジウムイオンを含む水溶液中に、ロジウムに対して
    6倍モル以上の塩化物イオンを共存させ、次いで、ヒド
    ラジンあるいはヒドラジニウム塩を添加し、ロジウムを
    析出する結晶中に、不純物を母液中に分配させることを
    特徴とするロジウムの結晶化精製法。
JP17549895A 1995-06-19 1995-06-19 ロジウムの結晶化精製法 Pending JPH093560A (ja)

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