JPH07315798A - 平衡荷役装置 - Google Patents

平衡荷役装置

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JPH07315798A
JPH07315798A JP10692994A JP10692994A JPH07315798A JP H07315798 A JPH07315798 A JP H07315798A JP 10692994 A JP10692994 A JP 10692994A JP 10692994 A JP10692994 A JP 10692994A JP H07315798 A JPH07315798 A JP H07315798A
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JP10692994A
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Masayuki Mori
真幸 森
Tokuji Nagira
篤司 柳樂
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】平衡状態に静止させた荷物に対して、作業者が
僅かな力を加えることにより、荷物の運搬、位置決め等
の作業を行う平衡荷役装置において、作業者が荷物を昇
降させる際に必要な操作力を低減する。 【構成】コントローラ14は、荷物10を吊り下げた状
態で油圧モータ12の出力トルクを増加および減少さ
せ、エンコーダ15の位置データがわずかに変化した時
の出力トルクの上限値と下限値を記憶し、当該上限値と
下限値よりも小さな振幅で出力トルクを振動させる。そ
して、荷物10に対して外部から操作力が付加され、か
つ出力トルクの振動が前記操作力の付加された方向の限
界値に達した時は、出力トルクを一定低速の速度制御に
切り換えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクチュエータで平
衡状態に静止させた荷物に対して、作業者が僅かな力を
加えることにより、荷物を昇降させながら運搬、揚上、
据え付け、位置決め等の荷役作業を行う平衡荷役装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工場や建築作業現場などで重量物
を精密に組み立てるような場合には、クレーンやホイス
トなどに比べて、より微細な位置決めが可能な平衡荷役
装置が用いられている。この平衡荷役装置は、モータに
より平衡状態に静止させた荷物に対して、作業者が僅か
な力を加えることにより、荷物を昇降させながら荷役作
業を行うことができる。
【0003】このような平衡荷役装置に関して、例えば
特公昭52−2182号公報には、流体圧作動伸縮機構
(シリンダ)の圧力を検出し、記憶して、この記憶値に
基づいてシリンダ内圧を一定に制御することにより、人
間の操作力であたかも無重力のように扱える荷重平衡装
置が提案されている。また特開昭49−92744号公
報には、荷重検出部(荷重検出用シリンダ)を設け、こ
の検出結果に基づいてバランス圧力を制御するようにし
た昇降平衡装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
52−2182号の荷重平衡装置では、機構部、駆動部
の摩擦力の影響が大きいため、実際の作業では、その摩
擦力に打ち勝って、さらに圧力変化を生じさせるだけの
操作力を必要としていた。一方、特開昭49−9274
4号の昇降平衡装置においても、操作する部分と検出部
分との間に機構的な要素が含まれている場合は、必ず摩
擦力が存在するため、同様にその影響を無視することは
できない。また、操作部の近傍に検出部を取り付けた場
合は、ロードセル、トルクセンサなどの比較的高価なセ
ンサが必要となるうえ、これらのセンサは使用環境条件
(温度、防水性など)の制約を受けることが多く、また
温度ドリフトが大きいという欠点がある。
【0005】この発明は、作業者が荷物を昇降させる際
に必要な操作力を低減し、かつ安価な部品構成を可能と
する平衡荷役装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明に係わる平衡荷役装置は、荷物を支持また
は吊り下げる機構部と、当該機構部で支持または吊り下
げた荷物を所定の動作指令に従って昇降または回動させ
る駆動部と、前記機構部または駆動部の変位を検出する
検出手段と、前記検出手段で検出された変位を入力し、
前記駆動部の制御に必要な動作指令を演算する制御部と
を備えた平衡荷役装置において、荷物を支持または吊り
下げた状態で駆動部出力を増加および減少させ、前記検
出手段の出力に変化が生じた時の駆動部出力の上限値と
下限値を記憶する第1の制御手段と、前記記憶された上
限値と下限値よりも小さな振幅で駆動部出力を振動させ
る第2の制御手段と、前記機構部に支持または吊り下げ
られた荷物に対して外部から操作力が付加され、かつ駆
動部出力振動が前記操作力の付加された方向の限界値に
達した時は、駆動部出力を一定低速の速度制御に切り換
える第3の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】第1の制御手段では、荷物を支持または吊り下
げた状態で駆動部出力を増加および減少させ、検出手段
の出力がわずかに変化した時の駆動部出力の上限値と下
限値を記憶する。第2の制御手段は、前記第1の制御手
段で記憶された上限値と下限値よりも小さな振幅で駆動
部出力を振動させる。第3の制御手段は、機構部に支持
または吊り下げられた荷物に対して外部から操作力が付
加され、かつ駆動部出力振動が前記操作力の付加された
方向の限界値に達した時は、駆動部出力を一定低速の速
度制御に切り換える。
【0008】このように、駆動部出力を振動させて機構
部の機械的な摩擦力を補償することにより、作業者は荷
物にわずかな力を加えるだけで静止領域の摩擦力に対抗
することができるため、荷物を昇降させる際に必要な操
作力を低減することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、この発明に係わる平衡荷役装置の一実
施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】図1は、この実施例における平衡荷役装置
のシステム構成を示すブロック図である。この平衡荷役
装置は、機構部に相当するアーム11、駆動部(アクチ
ュエータ)に相当する油圧モータ12、制御部に相当す
る流量制御弁13およびコントローラ14を主要構成要
素とし、油圧モータ12の出力トルクをコントローラ1
4で制御することにより、アーム11に吊り下げられた
荷物10を平衡状態に保ち、作業者が荷物に手をそえて
操作力を与えることで、荷物10の搬送や微操作を行う
ことができるように構成されている。
【0011】アーム11は、その一端が油圧モータ12
の図示せぬ駆動軸に固定され、他の一端が前記駆動軸を
中心として図の上下方向に回動するように構成されてい
る。なお、この実施例ではアームの上方向への回動を正
転(またはup)、下方向への回動を逆転(またはdo
wn)という。
【0012】油圧モータ12は、図示せぬ油圧ポンプか
ら供給される圧油により、正転方向に出力トルクを発生
し、アーム11の一端に吊り下げられた荷物10の平衡
状態を保持する。流量制御弁13は、図示せぬ油圧ポン
プから油圧モータ12へ供給される圧油の流量を調節す
る。油圧モータ12の周辺回路としてはエンコーダ1
5、圧力センサ16がある。エンコーダ15は油圧モー
タ12の動作検出部に相当し、油圧モータ12の変位E
を検出して、その位置データをコントローラ14にフィ
ードバックする。圧力センサ16は油圧モータ12の出
力トルク検出部に相当し、流量制御弁13から出力され
る油の圧力PA 、PB を検出してコントローラ14にフ
ィードバックする。
【0013】コントローラ14は、エンコーダや圧力セ
ンサなどの検出部で検出された値を入力し、油圧モータ
12の制御に必要な動作指令を演算するとともに、この
動作指令に応じたソレノイド電流(電流指令)を流量制
御弁13内の図示せぬソレノイドに対して出力すること
により、油圧モータ12への圧油の流量を制御する。こ
れにより、吊り下げられた荷物10の重量に対応する出
力トルクを油圧モータ12で発生させ、荷物10を平衡
状態に保持する。
【0014】またコントローラ14は、荷物10を昇降
させる際に必要な操作力を低減するための機能手段とし
て、荷物10を吊り下げた状態で油圧モータ12の出力
トルクを増加および減少させ、エンコーダ15の出力が
わずかに変化した時の出力トルクの上限値と下限値を記
憶する第1の制御手段と、前記第1の制御手段により記
憶された上限値と下限値よりも小さな振幅で出力トルク
を振動させる第2の制御手段と、アーム11に吊り下げ
られた荷物10に対して外部から操作力が付加され、か
つ油圧モータ12への出力トルクの振動が前記操作力の
付加された方向の限界値に達した時は、油圧モータ12
の出力トルクを一定低速の速度制御に切り換える第3の
制御手段と、操作力が抜けたときには、再び第2の制御
手段による制御に切り換える第4の制御手段を備えてい
る。
【0015】なおコントローラ14は、CPU(中央処
理装置)、ROM、RAMなどのメモリを主要構成要素
とする周辺回路により構成されている。
【0016】上述したシステム構成において、アーム1
1(半径r[m])に荷重W[kg]の荷物10を吊り
下げたときに生じる外部負荷入力トルクと、油圧モータ
12で発生する出力トルクの関係を図2に示す。
【0017】作業者により加えられる操作力をF[k
g]、アーム11に発生するモーメントアームをr
[m]とすると、外部負荷入力トルクは (W±F)×r で与えられる。したがって、荷重だけの場合の外部負荷
入力トルクはW×rとなり、コントローラ14は油圧モ
ータ12にW×rと同じだけの出力トルクを発生させて
荷物10を平衡状態に保つ。図2の破線A(静止摩擦時
の動作ポイント)の内側の領域は油圧モータ12の内部
摩擦トルクT´による静止領域(操作力の摩擦損失分)
であり、外部負荷入力トルクがこの範囲内にあるときは
荷物10は動作しない。すなわち、モータ内部の摩擦力
に打ち勝って荷物10を動作させるには、動作ポイント
の外側(正転動作領域あるいは逆転動作領域)に移行さ
せるだけの操作力(F×r)を加える必要がある。図2
の状態で荷重(W×r)に操作力(F×r)が加わった
場合、コントローラ14はエンコーダ15や圧力センサ
16などの検出部から入力した値に基づいて演算処理を
行い、外部負荷入力トルク(W±F)×rと同じだけの
出力トルクを油圧モータ12に発生させて荷物10を平
衡状態に保つ。図2に示すような制御系において、外部
負荷入力トルクと出力トルクとの関係は次式で表され
る。
【0018】T(モータ出力トルク)=(W±F)×r
±T´(内部摩擦トルク) ここで、Δp:PA −PB [kg/cm2 ]、q:押し
のけ容積[cc/rev]とすると (Δp×q/2π)10-2=(W±F)×r±T´ となる。
【0019】次に、コントローラ14により油圧モータ
12の出力トルクを制御する場合の動作について説明す
る。出力トルクの制御は、コントローラ14内に具備さ
れた第1の制御手段〜第4の制御手段により実行され、
それぞれステップ1〜ステップ4の手順で制御が行われ
る。図3〜図8は、出力トルクの制御が行われたときの
油圧モータ12各部の状態を示したもので、図3はステ
ップ1、図4はステップ2、図5〜図7はステップ3、
図8はステップ4に対応している。また、各図におい
て、(a)は図2で説明した外部負荷入力トルクとモー
タ出力トルクとの関係を示す図、(b)は油圧モータ1
2のモータ出力トルクの時間的な変化を示す図、(c)
はコントローラ14から流量制御弁13へ出力される電
流指令の時間的な変化を示す図、(d)はエンコーダ1
5で検出される油圧モータ12の位置データの時間的な
変化を示す図である。なお、(c)と(d)は必要に応
じて図示する。
【0020】ステップ1(動作境界の学習) 第1の制御手段では、図3(a)に示すように、荷物を
吊り下げた状態で油圧モータ12の出力トルクを増加お
よび減少させ、それぞれエンコーダ15の位置データが
わずかに変化した時の油圧モータ12の出力トルクの上
限値と下限値を記憶する。すなわち第1の制御手段は、
荷物を吊り下げた状態で流量制御弁13に図3(c)に
示すような電流指令を出力し、油圧モータ12の出力ト
ルクを図3(b)のように変化させる。そして、エンコ
ーダ15の位置データが図3(d)のように変化した時
点での油圧モータ12の出力トルクの上限値(Tup)
と下限値(Tdown)をそれぞれ記憶する。これによ
り、静止領域から正転動作領域、および静止領域から逆
転動作領域へ移行する際の上限値と下限値を学習する。
【0021】ステップ2(出力トルク振動) 第2の制御手段では、図4(a)に示すように、ステッ
プ1で学習したTup、Tdownの幅よりも、それぞ
れ△Tだけ小さな幅(Tup−△T、Tdown−△
T)を目標値(Tmax、Tmin)として出力トルク
を周期的に変化させる。△Tはトルクのバラツキを考慮
したもので、上下の限界点を越えない範囲で任意の値を
設定することができる。第2の制御手段は、流量制御弁
13に図4(c)に示すようなディザの電流指令を出力
し、油圧モータ12の出力トルクを図4(b)のように
振動させる。この場合、出力トルクは静止領域内で変化
するだけなので、エンコーダ15の位置データは図4
(d)のように変化しない。
【0022】ステップ3(操作力ON、動作開始、速度
制御) 第3の制御手段では、荷物に対して操作力がいずれかの
方向にわずかに付加され、かつ出力トルクの振動が前記
操作力の付加された方向の限界点に達した時は、油圧モ
ータ12の出力トルクを一定低速の速度制御に切り換え
る。
【0023】図5(a)において、正転方向にF×rの
操作力が加わると、系のバランス点が変化し、動作ポイ
ントはW×rの位置から(W−F)×rの位置に移行す
る。すなわち、図5(b)に示すように、動作ポイント
は操作力ONの時点で全体的に下がることになる。
【0024】さらに、出力トルク振動により波形値が増
加してゆくと、出力トルクは図6(a)に示すように、
目標値Tmax(=Tup−△T)に達する前に動作ポ
イントを越えることになり、次の一定低速の速度制御の
動作が開始する。このときの出力トルクの変化を図6
(b)に示す。同図では、操作力がONしてから検出遅
れ△t(<ディザ周期)後に動作ポイントに達する様子
が示されている。
【0025】速度制御の動作開始とともに、図7(a)
および図7(b)に示すように、出力トルクの振動制御
から一定低速の速度制御に切り換えられる。このとき、
静止摩擦時の動作ポイントは動摩擦時の静止ポイントと
なり、その幅は狭くなる。この後、出力トルクは動摩擦
時の静止ポイント付近に位置するように制御される。す
なわち第3の制御手段は、図7(c)に示すように、出
力トルクが動作ポイントに達した時点でディザの電流指
令からほぼ一定の電流指令を出力する。エンコーダ15
の位置データは、図7(d)のように一定の割合で変化
する。
【0026】ステップ4(操作力OFF) 第4の制御手段は、荷物に対する操作力が抜けたとき
に、出力トルクの制御を再び第2の制御手段による出力
トルク振動の制御に切り換える。
【0027】図8(a)のように、操作力F×rがOF
Fになり出力トルクが再度静止ポイントに入ると、第4
の制御手段は第2の制御手段に制御を移行する。第2の
制御手段では、図8(b)のように、操作力がOFFに
なった時点から、再び出力トルク振動の制御(図4参
照)を行う。このとき、動摩擦時の静止ポイントは静止
摩擦時の動作ポイントとなり、元の幅に戻る。
【0028】次に、上述した第1の制御手段〜第4の制
御手段による処理の流れを図9のフローチャートにより
説明する。
【0029】コントローラ14は、初期化処理(ステッ
プ101)に続いて、エンコーダ15や圧力センサ16
から必要なデータを入力し(ステップ102)、油圧モ
ータ12の出力トルクの計算や、速度制御用のスピード
計算等を行う(ステップ103)。続いて、バランサス
イッチONかどうかを判定する(ステップ104)。バ
ランサスイッチとは、作業モードの選択スイッチであ
り、作業者が荷物に手を添えて動かすときはバランサス
イッチをONとし、図示せぬジョイスティックレバーの
操作により荷物を動かす場合はバランサスイッチOFF
とする。バランサスイッチをONのときはバランスモー
ドとなり、OFFであればレバーモードとなる。ここで
は、バランサスイッチがONであったとする。
【0030】次に、学習フラグがONになっているかど
うかを判定する(ステップ105)。学習フラグとは、
第1の制御手段において出力トルクの上限値と下限値の
記憶を行ったかどうかを見るためのもので、一回学習を
行うとフラグがONとなる。ここでは、学習がなされて
いないものとする。第1の制御手段は、油圧モータ12
の出力トルクを増加および減少させ、エンコーダ15の
位置データがわずかに変化した時の油圧モータ12の出
力トルクの上限値と下限値をそれぞれ記憶する(ステッ
プ106〜ステップ112)。両方向の学習が済んだと
きは(ステップ113「Y」)、学習フラグをONとす
る(ステップ114)。
【0031】さて、ステップ105で学習フラグがON
となったときは、第2の制御手段により出力トルクの振
動を行う。ここでは、出力トルクが摩擦限界上限または
摩擦限界下限のいずれでもなく、また速度制御の動作開
始でもなければ指令値をupしていき(ステップ115
〜ステップ118)、摩擦限界上限または摩擦限界下限
に達したときは、それぞれ指令方向を反転して所定の指
令値を出力する(ステップ119、〜ステップ12
1)。また、ステップ117で速度制御の動作開始とな
った場合、第3の制御手段は出力トルク振動から一定低
速の速度制御のルーチンへ移行する(ステップ12
2)。
【0032】また、ステップ104でバランサスイッチ
がOFFであれば、レバー電圧に応じた指令値を決定し
(ステップ123)、学習フラグ等をOFFとするな
ど、バランスモードパラメータを初期化する(ステップ
124)。
【0033】上述した実施例の平衡荷役装置において
は、前もって油圧モータ内部の機械的な摩擦力を越える
上限値と下限値の学習を行い、この学習した位置の幅で
出力トルクを振動させることにより、摩擦力に対抗する
補償出力を与えるとともに、荷物に対して操作力が加え
られ、かつ前期出力トルクの振動が前記操作力の付加さ
れた方向の限界値に達した時は、油圧モータの出力トル
ク振動を一定低速の速度制御に切り換えるようにし、ま
た操作力が抜けたときには、再び出力トルク振動の制御
に移行するようにしているため、静止領域から動作領域
に移行するための操作力が補償されるので、荷物を昇降
させる際に必要な操作力を低減することができる。
【0034】なお、上述した実施例では、流量制御弁と
圧力センサの構成により、出力トルク振動時には圧力制
御を行い、動作中(油圧モータ回転中)は速度制御を行
うようにしているが、電磁比例圧力制御弁の構成とする
ことにより、出力トルク振動時および動作中のいずれも
圧力制御とすることができる。この場合、圧力センサは
不要となる。また、アクチュエータとして油圧モータを
使用した場合について説明したが、油圧シリンダ、空圧
シリンダ、電動モータ等のアクチュエータを用いた平衡
荷役装置にも適用することができる。さらに、動作検出
部としては、エンコーダ以外にも、ポテンショメータ、
加速センサ、傾斜センサでも代用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
平衡荷役装置においては、駆動部出力を振動させて機構
部の機械的な摩擦力を補償するようにしたため、作業者
はわずかな力を加えるだけで静止領域の摩擦力に対抗す
ることができることになり、荷物を昇降させる際に必要
な操作力を大幅に低減することが可能となる。また、操
作部の近傍に高価なセンサなどを設ける必要がないの
で、安価な部品構成が可能となり、また使用環境条件等
の制約を受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】平衡荷役装置のシステム構成を示すブロック図
【図2】外部負荷入力トルクと出力トルクとの関係を示
す図
【図3】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(動作境界の学習)
【図4】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(出力トルク振動)
【図5】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(操作力ON)
【図6】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(動作開始)
【図7】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(速度制御)
【図8】出力トルク制御が行われたときの状態を示す図
(操作力OFF)
【図9】第1の制御手段〜第4の制御手段による出力ト
ルク制御処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…アーム(機後部) 12…油圧モータ(駆動部) 13…流量制御弁(制御部) 14…コントローラ(制御部) 15…エンコーダ(動作検出部) 16…圧力センサ(出力トルク検出部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷物を支持または吊り下げる機構部と、
    当該機構部で支持または吊り下げた荷物を所定の動作指
    令に従って昇降または回動させる駆動部と、前記機構部
    または駆動部の変位を検出する検出手段と、前記検出手
    段で検出された変位を入力し、前記駆動部の制御に必要
    な動作指令を演算する制御部とを備えた平衡荷役装置に
    おいて、 荷物を支持または吊り下げた状態で駆動部出力を増加お
    よび減少させ、前記検出手段の出力に変化を生じた時の
    駆動部出力の上限値と下限値を記憶する第1の制御手段
    と、 前記記憶された上限値と下限値よりも小さな振幅で駆動
    部出力を振動させる第2の制御手段と、 前記機構部に支持または吊り下げられた荷物に対して外
    部から操作力が付加され、かつ駆動部出力振動が前記操
    作力の付加された方向の限界値に達した時は、駆動部出
    力を一定低速の速度制御に切り換える第3の制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする平衡荷役装置。
JP10692994A 1994-05-20 1994-05-20 平衡荷役装置 Pending JPH07315798A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536274A (ja) * 1999-02-11 2002-10-29 ミュンネケホッフ,ゲルト 荷重リフト装置を制御するためのシステムと装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536274A (ja) * 1999-02-11 2002-10-29 ミュンネケホッフ,ゲルト 荷重リフト装置を制御するためのシステムと装置

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