JPH07315497A - タンクローリ車用注液監視装置 - Google Patents

タンクローリ車用注液監視装置

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JPH07315497A
JPH07315497A JP6132564A JP13256494A JPH07315497A JP H07315497 A JPH07315497 A JP H07315497A JP 6132564 A JP6132564 A JP 6132564A JP 13256494 A JP13256494 A JP 13256494A JP H07315497 A JPH07315497 A JP H07315497A
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JP
Japan
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liquid
oil
viscosity
dielectric constant
density
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Application number
JP6132564A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Tsuchida
和宏 土田
Terukichi Kubota
照吉 久保田
Akiyuki Kawase
明之 川瀬
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NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンクローリ車による注液作業において、誤
った種類の液体を注液する等の事故を未然に防止する。 【構成】 タンクローリ車1に搭載された輸送タンク2
から、給油所に設けられた貯蔵タンク43へ油液を注油
するときに、油液が流通する注液配管5の途中に油種判
定装置12を設ける。そして、この油種判定装置12は
注液配管5を流通する油液の誘電率および密度を検出
し、これに基づいて油液の種類を判定するものである。
また、油種判定装置12による油種判定の結果は、タン
クローリ車1の右側面に設けられたモニタ部36によっ
て作業者に報知される。これにより、作業者は、実際に
油液を貯蔵タンク43に注油する前に、この油液の種類
を確認することができ、混油等の事故を防止することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばタンクローリ車
のタンクに貯留されたガソリン,軽油等を、給油所に設
けられた貯蔵タンクに注液するとき、このガソリン,軽
油等の種類を判定するタンクローリ車用注液監視装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン,軽油等の石油製品を輸送する
タンクローリ車は、例えば総容量が10kl程度の輸送
タンクを搭載しており、この輸送タンクの内部は仕切板
によって例えば2klごとに仕切られ、複数の液室が画
成されている。そして、この輸送タンク内の各液室には
ハイオクガソリン,レギュラーガソリン,灯油,軽油等
の異なった種類の油液がそれぞれ収容される。
【0003】一方、給油所には、ハイオクガソリン,レ
ギュラーガソリン,灯油,軽油等の油液を貯蔵する貯蔵
タンクが各油液の種類に対応して複数個設けられてい
る。そして、タンクローリ車から前記各貯蔵タンクへの
注油は、作業者がタンクローリ車に設けられた注油ホー
スを貯蔵タンクに接続し、タンクローリ車側に設けられ
た注油バルブを開弁して行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、タンクローリ車から給油所の貯蔵タンクに
油液を注油するときに、作業者がタンクローリ車の注油
ホースを誤った貯蔵タンクに接続してしまい、当該貯蔵
タンクに異なった種類の油液を注油してしまう危険性が
ある。例えば、作業者がレギュラーガソリンを注油しよ
うとしたところ、タンクローリ車の注油ホースを誤って
軽油が貯蔵された貯蔵タンクに接続してしまい、混油等
の事故を引き起こすおそれがある。
【0005】このような事故を回避すべく、従来では、
各貯蔵タンクの注油口近傍に該各貯蔵タンク内に貯蔵さ
れた油液の種類を色等によって明瞭にした名札,看板等
をそれぞれ設け、作業者がタンクローリ車の注油ホース
を誤った貯蔵タンクに接続するのを防止するようにして
いる。しかし、名札,看板等を設けただけでは、上述し
た事故を完全に防止することができないという問題があ
る。
【0006】そこで、上記問題を解決すべく、本出願人
は先に、特願平4−90228号において、給油所の各
貯蔵タンクの注油口に誘電率検出手段を設け、この誘電
率検出手段により、注油する油液と貯蔵タンク内の油液
とが同種か否かを判定し、この判定に基づいて当該貯蔵
タンク側に設けられた開閉弁を開閉制御して注油の許
可,禁止を自動的に行うようにした注液監視装置(以
下、他の従来技術という)を提案している。このような
他の従来技術による注液監視装置によれば、注油する油
液と貯蔵タンク内の油液とが同種でないと判定したとき
は、前記開閉弁を開弁せず当該貯蔵タンクへの注油を禁
止するから、タンクローリ車の注油ホースを誤った貯蔵
タンクに接続した場合には、異種油液の注油を未然に防
止することができる。
【0007】しかし、上述した他の従来技術では、貯蔵
タンク側に注液監視装置を設けるものであるから、全国
に散在する全ての給油所の貯蔵タンクに当該注液監視装
置を設けることは事実上困難であり、特に、小規模の給
油所等では他の従来技術による注液監視装置を設けるこ
とが経済的にみて妥当でない場合も考えられ、混油等の
事故を効果的に防止することができないという問題があ
る。
【0008】また、他の従来技術による注液監視装置
は、油液の誘電率を検出することのみによって油液の種
類を判定しているため、ハイオクガソリン,レギュラー
ガソリン,灯油,軽油等の多種類の油液を正確に識別判
定することが難しいという問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、タンクローリ車から例えば外部の貯蔵タ
ンク等に液体を注液するときに、液体の種類を正確に判
定することができ、注液作業時の人為的ミスを確実に防
止できると共に、液体の混入等の事故を未然に防止でき
るようにしたタンクローリ車用注液監視装置を提供する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、タンクローリ車に設けら
れ、複数種類の液体を貯留するために複数の液室が画成
されたタンクと、一端側が複数の分岐管となって該タン
クの各液室にそれぞれ接続され、他端側が単一の合流管
となった注液配管と、該注液配管の各分岐管途中にそれ
ぞれ設けられ、前記各液室を合流管に対して連通,遮断
する複数のタンク側バルブと、前記注液配管の合流管に
設けられ、開弁時に前記液体の注液を許し、閉弁時に注
液を停止させる注液バルブと、該注液バルブよりも上流
側に位置して前記合流管の途中に設けられ、合流管内に
達した液体の種類を判定する液種判定手段とからなる構
成を採用している。
【0011】また、請求項2の発明は、前記液種判定手
段に液体の種類を報知する液種報知手段を設けたことに
ある。
【0012】また、請求項3の発明は、前記液種判定手
段は、前記液体の誘電率を検出する誘電率検出器と、前
記各液体の基準となる誘電率を基準誘電率として記憶し
た基準誘電率記憶手段と、前記液体の密度を検出する密
度検出器と、前記各液体の基準となる密度を基準密度と
して記憶した基準密度記憶手段とを備え、前記液種判定
手段は、前記誘電率検出器による誘電率と前記基準誘電
率記憶手段による基準誘電率とを比較すると共に、前記
密度検出器による密度と前記密度記憶手段による基準密
度とを比較し、これらの比較結果に基づいて前記合流管
内で液体の種類を判定する構成としたことにある。
【0013】また、請求項4の発明は、前記液種判定手
段は、前記液体の誘電率を検出する誘電率検出器と、前
記各液体の基準となる誘電率を基準誘電率として記憶し
た基準誘電率記憶手段と、前記液体の粘度を検出する粘
度検出器と、前記各液体の基準となる粘度を基準粘度と
して記憶した基準粘度記憶手段とを備え、前記液種判定
手段は、前記誘電率検出器による誘電率と前記基準誘電
率記憶手段による基準誘電率とを比較すると共に、前記
粘度検出器による粘度と前記粘度記憶手段による基準粘
度とを比較し、これらの比較結果に基づいて前記合流管
内で液体の種類を判定する構成としたことにある。
【0014】さらに、請求項5の発明は、前記液種判定
手段は、前記液体の誘電率を検出する誘電率検出器と、
前記各液体の基準となる誘電率を基準誘電率として記憶
した基準誘電率記憶手段と、前記液体の密度を検出する
密度検出器と、前記各液体の基準となる密度を基準密度
として記憶した基準密度記憶手段と、前記液体の粘度を
検出する粘度検出器と、前記各液体の基準となる粘度を
基準粘度として記憶した基準粘度記憶手段とを備え、前
記液種判定手段は、前記誘電率検出器による誘電率と前
記基準誘電率記憶手段による基準誘電率とを比較し、前
記密度検出器による密度と前記基準密度記憶手段による
基準密度とを比較し、前記粘度検出器による粘度と前記
粘度記憶手段による基準粘度とを比較し、これらの比較
結果に基づいて前記合流管内で液体の種類を判定する構
成としたことにある。
【0015】
【作用】上述した請求項1の構成によれば、タンクロー
リ車に設けられたタンクの各液室にそれぞれ貯留された
複数種類の液体のうち、一の液体を例えば給油所に設け
られた貯蔵タンクに注液するときには、注液バルブを閉
弁した状態で、前記一の液体が貯留された液室に対応す
るタンク側バルブを開弁する。これにより、前記一の液
体が前記液室内から流出し、分岐管を介して合流管に達
する。このとき、該合流管に達した前記一の液体の種類
を液種判定手段によって判定することができる。そし
て、前記注液バルブを開弁することにより、前記一の液
体が前記貯蔵タンクに注液される。
【0016】また、請求項2の構成によれば、液種報知
手段は、液種判定手段によって判定した液体の種類を作
業者に報知する。これにより、作業者は、注液する直前
に注液する液体の種類を前記液種報知手段によって確認
することができるため、注液作業を的確に行うことがで
きる。
【0017】また、請求項3の構成によれば、前記合流
管に達した液体の誘電率を誘電率検出器によって検出
し、この誘電率と基準誘電率とを比較すると共に、前記
液体の密度を密度検出器によって検出し、この密度と基
準密度とを比較する。これら2通りの比較結果に基づい
て前記液体の種類を判定することにより、前記液体の物
質的性質が近似している場合でも正確に判定することが
できる。
【0018】また、請求項4の構成によれば、前記合流
管に達した一の液体の誘電率を誘電率検出器によって検
出し、この誘電率と基準誘電率とを比較すると共に、前
記一の液体の粘度を粘度検出器によって検出し、この粘
度と基準粘度とを比較する。これら2通りの比較結果に
基づいて前記液体の種類を判定することにより、前記液
体の物質的性質が近似している場合でも正確に判定する
ことができる。
【0019】また、請求項5の構成によれば、前記合流
管に達した一の液体の誘電率を誘電率検出器によって検
出し、この誘電率と基準誘電率とを比較し、また、前記
一の液体の密度を密度検出器によって検出し、この密度
と基準密度とを比較し、さらに、前記一の液体の粘度を
粘度検出器によって検出し、この粘度と基準粘度とを比
較する。これら3通りの比較結果に基づいて前記液体の
種類を判定することにより、前記液体の物質的性質が近
似している場合でも正確に判定することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図19に
基づいて説明するに、実施例では、タンクローリ車用注
液監視装置を石油製品輸送用のタンクローリ車に用いた
場合を例に挙げて説明する。
【0021】まず、本発明の第1の実施例を図1ないし
図9に基づいて説明する。
【0022】図において、1はガソリン,軽油その他の
石油製品輸送用のタンクローリ車、2は該タンクローリ
車1に搭載されたタンクとしての輸送タンクをそれぞれ
示し、該輸送タンク2は、ガソリン,軽油等を貯留する
液体輸送用のタンクであり、その総合容量は例えば8k
l程度である。
【0023】3,3,3は輸送タンク2の内部に設けら
れた仕切板を示し、該輸送タンク2の内部は該各仕切板
3によって、4室の液室としての油室4,4,…に分割
されており、該各油室4のそれぞれの容量は例えば2k
l程度である。
【0024】そして、該各油室4内には異なった種類の
油液をそれぞれ別々に貯留することができる。例えば、
最も左側の油室4内にはハイオクガソリンが、その右隣
の油室4内にはレギュラーガソリンが,その右隣の油室
4内には灯油が、最も右側の油室4内には軽油がそれぞ
れ貯留されている場合等が考えられる。
【0025】5は輸送タンク2の各油室4内の油液を給
油所等に設けられた後述の貯蔵タンク43に注油する場
合に、前記各油室4と貯蔵タンク43との間を接続する
注液配管を示し、該注液配管5は、流入側が前記輸送タ
ンク2の各油室4にそれぞれ接続された分岐管6,6,
…となり、流出側は該各分岐管6が一本に合流した合流
管7となっている。また、該合流管7はタンクローリ車
1の底側に伸長し、該合流管7の流出側先端には可撓性
を有する注油ホース8が取付けられている。そして、注
油の際には、図1の如く、該注油ホース8の流出側先端
を貯蔵タンク43の注油口45Aに接続する。
【0026】9,9,…は注液配管5の各分岐管6の途
中にそれぞれ設けられたタンク側バルブを示し、該各タ
ンク側バルブ9は各分岐管6を合流管7に対して連通,
遮断する手動式の開閉弁である。即ち、該各タンク側バ
ルブ9を選択的に開弁,閉弁することにより例えば各油
室4内に別々に貯蔵されたハイオクガソリン,レギュラ
ーガソリン,灯油または軽油等を選択的に合流管7側へ
流出させることができるようになっている。
【0027】また、該各タンク側バルブ9の開閉操作
は、輸送タンク2の上側に設けられた開閉ハンドル1
0,10,…を回転することにより行うようになってい
る。
【0028】11は注液配管5の合流管7に設けられた
注液バルブとしての注油バルブを示し、該注油バルブ1
1は合流管7を注油ホース8に対して連通,遮断する開
閉弁である。即ち、該注油バルブ11は、開弁時に各油
室4から合流管7に達した油液を貯蔵タンク43に注油
するのを許し、閉弁時にその注油を停止させるものであ
る。
【0029】例えば、輸送タンク2の最も左側に位置す
る油室4内の油液を貯蔵タンク43に注油する場合に
は、該油室4の上側に位置する開閉ハンドル10を回転
させ、該油室4に対応するタンク側バルブ9を開弁した
後に、該注油バルブ11を開弁する。これにより、該油
室4内の油液は該油室4下側の分岐管6,合流管7およ
び注油ホース8を介して貯蔵タンク43に向けて流出す
る。そして、該油室4が空になり、注油を終了する場合
には、前記注油バルブ11を閉弁した後に、前記タンク
側バルブ9を閉弁する。
【0030】12は注油バルブ11よりも上流側に位置
して合流管7の途中に設けられた液種判定手段としての
油種判定装置を示し、該油種判定装置12はタンクロー
リ車1の底側に配置されている。また、該油種判定装置
12は、後述の誘電率センサ13,密度センサ18,モ
ニタ部36およびコントローラ42等から大略構成され
ている。そして、該油種判定装置12は、各油室4から
合流管7内に達した油液の種類を判定するものである。
即ち、合流管7内の油液がハイオクガソリン,レギュラ
ーガソリン,灯油または軽油のいずれの油液であるかを
判定する。
【0031】13はタンクローリ車1の底側に位置して
合流管7の途中に設けられた誘電率検出器としての誘電
率センサを示し、該誘電率センサ13は、図2に示すよ
うに、合流管7の途中に位置し、合流管7と一体となっ
て同軸の管となるように接続された外筒14と、該外筒
14内に配設された管状の内筒15とからなる同軸円筒
型の静電容量式センサとして構成されている。そして、
外筒14および内筒15はそれぞれ金属により外側電
極,内側電極として形成されており、内筒15は外筒1
4内に絶縁体で形成された固定部材16,16,…によ
って固定され、内筒15と外筒14との間には一定の隙
間17が形成されている。
【0032】また、前記外筒14,内筒15はそれぞれ
リード線(図示せず)を介して中継器33に接続され、
さらに該中継器33からケーブル35を介してコントロ
ーラ42に接続されている。そして、該誘電率センサ1
3は、合流管7内に油液が流入し、この油液が隙間17
に充満したときの静電容量を測定することにより、当該
油液の誘電率を検出するようになっている。
【0033】18は誘電率センサ13の外筒14の外周
側に設けられた密度検出器としての密度センサを示し、
該密度センサ18は外筒14と一体的に形成された貯油
ケース19と、該貯油ケース19内に設けられた後述の
フロート21,検出器本体25,温度センサ27等から
大略構成されている。
【0034】また、前記貯油ケース19内は貯油室19
Aとなっており、該貯油室19Aは2個の流通穴20
A,20Bを介して外筒14内と連通しており、合流管
7内に油液が流入したときには、該流通穴20A,20
Bを介して油液が貯油室19Aに流入するようになって
いる。
【0035】21は貯油ケース19の貯油室19A内に
設けられたフロートを示し、該フロート21は円柱状に
形成され、該フロート21にはロッド22が上下方向に
貫通して固着されている。そして、該ロッド22の上端
側は検出器本体25に上下方向に摺動可能に挿着され、
下端側は後述するストッパ装置28の抑止部材32に離
着可能に当接している。さらに、該ロッド22はフロー
ト21の下側位置で支持部材23によって上下方向に摺
動可能に支持されている。また、前記検出器本体25と
フロート21との間には、バネ24がロッド22の外周
側に設けられている。
【0036】25はフロート21の上側に位置して貯油
ケース19の貯油室19A内に設けられた検出器本体を
示し、該検出器本体25は支持部材26を介して貯油ケ
ース19の一側面内側に固定されている。また、前記検
出器本体25はリード線(図示せず)を介して中継器3
3に接続されており、該中継器33からケーブル35を
介してコントローラ42に接続されている。
【0037】ここで、合流管7に油液が流入すると、該
油液が流通穴20A,20Bを介して貯油ケース19の
貯油室19A内に流入する。そして、該貯油室19A内
が前記油液で満たされると、フロート21が前記油液の
密度に応じて浮上するようになるから、フロート21は
ロッド22と一体に上下方向に摺動する。これにより、
ロッド22の上端側がフロート21の浮上した分だけ検
出器本体25内に進入するようになる。これを検出器本
体25が前記油液の密度として検出し、コントローラ4
2に出力する。
【0038】27は貯油ケース19の貯油室19A内に
設けられた温度センサを示し、該温度センサ27は、リ
ード線(図示せず)を介して中継器33に接続され、該
中継器33からケーブル35を介してコントローラ42
に接続されている。そして、該温度センサ27は貯油室
19A内に油液が充満されたときに、そのときの油液の
温度を測定し、コントローラ42に出力するようになっ
ている。
【0039】28は貯油ケース19の下側に設けられた
ストッパ装置を示し、該ストッパ装置28は、貯油ケー
ス19の下側に取付けられた下側ケース29と、該下側
ケース29内に設けられた電磁ソレノイド30と、該電
磁ソレノイド30に中心軸に設けられたストッパロッド
31と、貯油ケース19内に位置して該ストッパロッド
31の上端側先端に設けられた抑止部材32とから構成
され、前記電磁ソレノイド30はリード線(図示せず)
を介して中継器33に接続され、該中継器33からケー
ブル35を介してコントローラ42に接続されている。
【0040】ここで、前記ストッパロッド31は、常時
(電磁ソレノイド30が励磁されていない状態)は、図
示しないバネによって上側に付勢されており、この結
果、貯油室19A内で抑止部材32がロッド22を上側
に押し上げ、フロート21をバネ24に押し付けて固定
している。また、コントローラ42からの信号によって
電磁ソレノイド30が励磁されると、ストッパロッド3
1は下側に変位し、この結果、貯油室19A内で抑止部
材32も下側に変位するから、フロート21の固定が解
除される。
【0041】そして、該ストッパ装置28は、タンクロ
ーリ車1が走行しているときなど、油種判定を行ってい
ないときに、フロート21を固定し、タンクローリ車1
の走行による振動等によってフロート21が遊動するの
を防止するものである。即ち、油種判定を行っていない
ときは、電磁ソレノイド30は励磁されておらず、スト
ッパロッド31はバネ力によってフロート21を固定
し、油種判定を行うときには、電磁ソレノイド30が励
磁され、フロート21の固定が解除される。
【0042】33は貯油ケース19の上側に設けられた
中継器を示し、該中継器33は貯油ケース19の上側に
取付けられた上側ケース34内に設けられている。ま
た、該中継器33の入力側には、誘電率センサ13の外
筒14,内筒15、密度センサ18の検出器本体25、
温度センサ27がそれぞれリード線を介して接続されて
いる。一方、該中継器33の出力側には1本のケーブル
35が接続されている。そして、該中継器33は入力側
に接続された複数のリード線を束ねて一本のケーブル3
5とし、タンクローリ車1の右側面に設けられたモニタ
部36内のコントローラ42に接続するものである。
【0043】36はタンクローリ車1の右側面に設けら
れた液種報知手段としてのモニタ部を示し、該モニタ部
36に正面には、電源スイッチ37、油種表示ランプ3
8A,38B,38C,38D、計測中表示ランプ3
9、手動操作指示ランプ40およびスピーカ41が図4
に示すように配設され、該モニタ部36の内部にはコン
トローラ42が設けられている。また、該モニタ部36
にはケーブル35が接続され、このケーブル35の接続
によって、誘電率センサ13、密度センサ18、温度セ
ンサ27、ストッパ装置28がコントローラ42に接続
されるようになっている。
【0044】即ち、図5に示すように該コントローラ4
2の入力側には、誘電率センサ13,密度センサ18,
温度センサ27および電源スイッチ37が接続され、該
コントローラ42の出力側には、油種表示ランプ38
A,38B,38C,38D、計測中表示ランプ39、
手動操作指示ランプ40および音声出力用のスピーカ4
1およびストッパ装置28が接続されている。
【0045】ここで、前記油種表示ランプ38A,38
B,38C,38Dは、油種判定プログラムに基づく油
種判定処理の判定結果に応じて油液の種類を報知するも
ので、当該油液がハイオクガソリンであると判定した場
合には油種表示ランプ38Aが、ガソリンと判定した場
合には油種表示ランプ38Bが、灯油と判定した場合に
は油種表示ランプ38Cが、軽油と判定した場合には油
種表示ランプ38Dがそれぞれ点灯するようになってい
る。
【0046】また、計測中表示ランプ39は油種判定プ
ログラムが実行され、油種判定が実際に行われていると
きに点灯するものである。さらに、手動操作指示ランプ
40は油種判定プログラムに基づく油種判定処理により
油液の種類が判定できなかった場合に点灯し、作業者に
油液の種類の確認を促すものである。さらにまた、スピ
ーカ41は、油種判定プログラムに基づく油種判定処理
の判定結果により油液の種類を音声で報知し、油液の種
類が判定できなかった場合にはブザーでその旨を報知す
るものである。
【0047】また、該コントローラ42の記憶部には、
後述する油種判定プログラムおよび基準値更新プログラ
ムが書き換え不能に記憶されている。さらに、該コント
ローラ42には基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG を記
憶する基準誘電率記憶手段および基準密度ρH ,ρR
ρK ,ρG を記憶する基準密度記憶手段としての記憶エ
リア42Aが設けられており、記憶エリア42Aは、書
き換え可能のメモリである。なお、該コントローラ42
には、電池等によるメモリバックアップ用電源が接続さ
れ、記憶保持のための通電が行われている。これによ
り、コントローラ42の停止時であっても、記憶エリア
42A内の記憶内容を保持するようになっている。
【0048】ここで、基準誘電率εH ,εR ,εK ,ε
G は、それぞれハイオクガソリン,レギュラーガソリ
ン,灯油,軽油の基準誘電率であり、各油液の液温が1
5℃のときに測定したものである。また、基準密度ρ
H ,ρR ,ρK ,ρG は、それぞれハイオクガソリン,
レギュラーガソリン,灯油,軽油の基準密度であり、各
油液の液温が15℃のときに測定したものである。ま
た、前記基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG および基準
密度ρH ,ρR ,ρK ,ρG は基準値更新処理によって
更新されるため、書き換え可能のメモリである記憶エリ
ア42Aに記憶されている。ここで、基準誘電率εH
εR ,εK ,εG 、基準密度ρH ,ρR ,ρK,ρG
具体的な数値例を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】なお、前記表1では、ハイオクガソリンに
「通常」と「MTBE」との2種類があるが、本実施例
では、前記2種類のハイオクガソリンのうち、「通常」
のハイオクガソリンのみを油種判定の対象とする。しか
し、本発明はこれに限るものでなく、「MTBE」のハ
イオクガソリンや前記表1以外の油液を油種判定の対象
に加えてもよい。
【0051】そして、コントローラ42は、誘電率セン
サ13,密度センサ18および温度センサ27等からの
検出信号に基づいて、油種判定プログラムを実行し、そ
の判定結果を油種表示ランプ38A,38B,38C,
38D、計測中表示ランプ39、手動操作指示ランプ4
0および音声出力用のスピーカ41によって作業者に報
知する。また、コントローラ42は油種判定プログラム
の実行中において、ストッパ装置28の電磁ソレノイド
30に励磁用の信号を出力し、フロート21の固定を解
除する。
【0052】43は図1に示すように、給油所の地下に
埋設された貯蔵タンク、44は給油所の敷地内の所定の
給油エリアに設けられたマンホール、45は外部から該
貯蔵タンク43内に油液を注油する地下配管をそれぞれ
示し、該地下配管45の下端側は前記貯蔵タンク43内
に伸長し、上端側はマンホール44内に位置し、その先
端が注油口45Aとなっている。そして、タンクローリ
車1から貯蔵タンク43に注油するときには、注油ホー
ス8を該注油口45Aに接続して行う。
【0053】また、大規模の給油所には、前記貯蔵タン
ク43が複数個埋設され、該各貯蔵タンク43にハイオ
クガソリン,レギュラーガソリン,灯油,軽油等がそれ
ぞれ別々に貯蔵されている。そして、この場合、前記マ
ンホール44内には各貯蔵タンク43に対応する複数の
注油口45A(1個のみ図示)が近接して列設されてい
る。なお、図1中では、これらの注油口45Aを貯蔵タ
ンク43上に配設した場合を例示したが、これらの注油
口45Aは実際には遠方注油口(給油口)となって、貯
蔵タンク43から離れた位置に配設されるのが通常であ
る。
【0054】そして、タンクローリ車から貯蔵タンク4
3へ油液を注油するときには、注油する油液の種類と貯
蔵タンク43に貯蔵された油液の種類とが一致するよう
に、注油ホースを所定の注油口45Aに接続して行う。
【0055】本実施例によるタンクローリ車用注液監視
装置は上述のような構成を有するものであり、次に、そ
の動作を注油作業に即して説明する。
【0056】タンクローリ車1に設けられた輸送タンク
2内の油液を給油所の貯蔵タンク43に注油するとき
に、作業者は、まずタンクローリ車1の注油ホース8を
注油すべき油液が貯蔵された貯蔵タンク43の注油口4
5Aに接続する。そして、作業者は、注油バルブ11を
閉弁した状態で、油室4,4,…のうち、注油すべき油
液が貯留されている油室4を選択し、該油室4に対応す
る開閉ハンドル10を回転させ、これに対応するタンク
側バルブ9を開弁させる。これにより、前記油室4内の
油液が該油室4の下側の分岐管6に流入し、合流管7に
達する。この結果、誘電率センサ13の外筒14と内筒
15との間の隙間17内に前記油液が充満し、さらに、
該油液は密度センサ18の貯油室19A内に流通穴20
A,20Bを介して流入し、該貯油室19A内を満た
す。これにより、誘電率センサ13は合流管7内の誘電
率を検出することができる状態になり、密度センサ18
は貯油室19A内の密度を検出できる状態となる。な
お、このとき注油バルブ11は閉弁しているため、油液
が貯蔵タンク43に注油されることはない。
【0057】この状態で、作業者がモニタ部36の電源
スイッチ37を押下すると、コントローラ42に記憶さ
れた油種判定プログラムによる油種判定処理が行われ
る。ここで、この油種判定処理について図6ないし図9
の流れ図に沿って説明する。
【0058】図6において、ステップ1では、電源スイ
ッチ37がONか否かを判定し、作業者により電源スイ
ッチ37が押下され、ONとなった場合には「YES」
と判定し、ステップ2へ移行する。一方、電源スイッチ
37がOFFの場合には、ステップ1を繰り返す。
【0059】次に、ステップ2では、コントローラ42
からストッパ装置28の電磁ソレノイド30に向けて励
磁用の信号が出力され、これにより、フロート21の固
定を解除する。そして、ステップ3では計測中表示ラン
プ39を点灯させる。
【0060】次に、ステップ4では、カウンタCを初期
化すべく、C=0とする。この油種判定処理では、ステ
ップ5〜ステップ17の処理を2回繰り返して実行する
ため、カウンタCによってその実行回数をカウントす
る。
【0061】次に、ステップ5では、温度センサ27か
らの検出信号に基づいて、貯油室19A内を満たす油液
の温度を検出し、ステップ6では、誘電率センサ13か
らの検出信号(静電容量)に基づいて合流管7に達した
油液の誘電率εi を検出し、ステップ7では、前記誘電
率εi に温度補正を施す。
【0062】次に、ステップ8では、コントローラ42
の記憶エリア42Aから基準誘電率εH ,εR ,εK
εG を読み出す。そして、ステップ9では、基準誘電率
εH,εR ,εK ,εG と誘電率εi とをそれぞれ比較
し、該誘電率εi が基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG
のうち、いずれの基準誘電率に近似しているかを調べ、
当該油液の種類を仮判定する。
【0063】即ち、基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG
のそれぞれの値を中心に所定のレンジを設定し、前記誘
電率εi の値が基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG のど
のレンジ内に該当するかを順次調べる。なお、基準誘電
率εH ,εR ,εK ,εG のそれぞれのレンジ値は、予
めコントローラ42の記憶部に記憶されている。
【0064】ここで、上述した誘電率の比較処理につい
て具体的に説明すると、第1にハイオクガソリンの基準
誘電率εH を中心としたレンジ内に前記誘電率εi が該
当するか否かを調べる。前記表1によれば、ハイオクガ
ソリン(通常)の基準誘電率εH は0.46(pF/m
m)であり、そのレンジは例えば0.455〜0.46
5(pF/mm)に設定される。従って、前記誘電率ε
i の値が0.455〜0.465であれば、当該油液は
ハイオクガソリンである可能性が高いため、「ハイオク
ガソリン」と仮判定される。
【0065】第2にレギュラーガソリンの基準誘電率ε
R を中心としたレンジ内に前記誘電率εi が該当するか
否かを調べる。前記表1によれば、レギュラーガソリン
の基準誘電率εR は0.441(pF/mm)であり、
そのレンジは例えば0.435〜0.447(pF/m
m)に設定される。従って、前記誘電率εi の値が0.
435〜0.447であれば、当該油液はレギュラーガ
ソリンである可能性が高いため、「レギュラーガソリ
ン」と仮判定される。
【0066】第3に灯油の基準誘電率εK を中心とした
レンジ内に前記誘電率εi が該当するか否かを調べる。
前記表1によれば、灯油の基準誘電率εK は0.46
(pF/mm)であり、そのレンジは例えば0.454
〜0.466(pF/mm)に設定される。従って、前
記誘電率εi の値が0.454〜0.466(pF/m
m)であれば、当該油液は灯油である可能性が高いた
め、「灯油」と仮判定される。
【0067】第4に軽油の基準誘電率εG を中心とした
レンジ内に前記誘電率εi が該当するか否かを調べる。
前記表1によれば軽油の基準誘電率εG は0.5(pF
/mm)であり、そのレンジは例えば0.492〜0.
508(pF/mm)に設定される。従って、前記誘電
率εi の値が0.492〜0.508(pF/mm)で
あれば、当該油液は軽油である可能性が高いため「軽
油」と仮判定される。
【0068】第5に、前記誘電率εi の値が基準誘電率
εH ,εR ,εK ,εG のいずれのレンジ内にも該当し
ない場合には、「油種不明」と仮判定される。
【0069】次に、図7中のステップ10では、誘電率
の比較結果、即ち、誘電率εi が基準誘電率εH ,ε
R ,εK ,εG に基づく前記各レンジ内に該当して、油
種が仮判定された結果を、コントローラ42の記憶エリ
ア42Aに記憶する。なお、仮判定の結果、油種が重複
する場合がある。例えば、ハイオクガソリンと灯油は、
双方とも基準誘電率が0.46(pF/mm)であるか
ら、ハイオクガソリンと灯油とは仮判定の結果が必然的
に重複してしまう。このような場合には、複数の仮判定
結果を記憶する。
【0070】次に、ステップ11では、密度センサ18
からの検出信号に基づいて貯油室19A内を満たす油液
の密度ρi を検出し、ステップ12では、前記密度ρi
に温度補正を施す。
【0071】次に、ステップ13では、コントロール4
2の記憶エリア42Aから基準密度ρH ,ρR ,ρK
ρG を読み出す。そして、ステップ14では、基準密度
ρH,ρR ,ρK ,ρG と密度ρi とをそれぞれ比較
し、該密度ρi が基準密度ρH,ρR ,ρK ,ρG のう
ち、いずれの基準密度に近似しているかを調べ、当該油
液の種類を仮判定する。
【0072】即ち、基準密度ρH ,ρR ,ρK ,ρG
それぞれの値を中心に所定のレンジを設定し、前記密度
ρi の値が基準密度ρH ,ρR ,ρK ,ρG のどのレン
ジ内に該当するかを順次調べる。なお、基準密度ρH
ρR ,ρK ,ρG のそれぞれのレンジ値は、予めコント
ローラ42の記憶部に記憶されている。
【0073】ここで、上述した密度の比較処理について
具体的に説明すると、第1にハイオクガソリンの基準密
度ρH を中心としたレンジ内に前記密度ρi が該当する
か否かを調べる。前記表1によれば、ハイオクガソリン
(通常)の基準密度ρH は0.755(g/cm3 )で
あり、そのレンジは例えば0.735〜0.757(g
/cm3 )に設定される。従って、前記密度ρi の値が
0.735〜0.757(g/cm3 )であれば、当該
油液はハイオクガソリンである可能性があるため、「ハ
イオクガソリン」と仮判定される。
【0074】第2にレギュラーガソリンの基準密度ρR
を中心としたレンジ内に前記密度ρi が該当するか否か
を調べる。前記表1によれば、レギュラーガソリンの基
準密度ρR は0.735(g/cm3 )であり、そのレ
ンジは例えば0.715〜0.755(g/cm3 )に
設定される。従って、前記密度ρi の値が0.715〜
0.755(g/cm3 )であれば、当該油液はレギュ
ラーガソリンである可能性が高いため、「レギュラガソ
リン」と仮判定される。
【0075】第3に灯油の基準密度ρK を中心としたレ
ンジ内に前記密度ρi が該当するか否かを調べる。前記
表1によれば、灯油の基準密度ρK は0.793(g/
cm3 )であり、そのレンジは例えば0.775〜0.
803(g/cm3 )に設定される。従って、前記密度
ρi の値が0.775〜0.803(g/cm3 )であ
れば、当該油液は灯油である可能性が高いため、「灯
油」と仮判定される。
【0076】第4に軽油の基準密度ρG を中心としたレ
ンジ内に前記密度ρi が該当するか否かを調べる。前記
表1によれば、軽油の基準密度ρG は0.833(g/
cm 3 )であり、そのレンジは例えば0.813〜0.
853(g/cm3 )に設定される。従って、前記密度
ρi の値が0.813〜0.853(g/cm3 )であ
れば、当該油液は軽油である可能性が高いため、「軽
油」と仮判定される。
【0077】第5に、前記密度ρi の値が基準密度ρ
H ,ρR ,ρK ,ρG のいずれのレンジ内にも該当しな
い場合には、「油種不明」と仮判定される。
【0078】次に、ステップ15では、ステップ10で
コントローラ42の記憶エリア42Aに記憶した誘電率
の比較結果に基づく油種の仮判定の結果と、ステップ1
4の密度の比較結果に基づく油種の仮判定の結果との論
理積(and)をとり、双方の結果が一致するものを当
該油液の種類であると判定する。なお、この油種判定が
第1回目の場合には、この判定結果をコントロール42
の記憶エリア42Aに記憶する。
【0079】次に、ステップ16では、ステップ15
で、誘電率の比較結果に基づく油種の仮判定の結果と、
密度の比較結果に基づく油種の仮判定の結果との間で一
致する油種が存在し、油種判定ができた場合には、「Y
ES」と判定され、ステップ17へ移行する。一方、一
致する油種が存在しなかった場合には、油種が特定でき
ないため、「NO」と判定し、ステップ23に移行す
る。また、誘電率の比較結果に基づく油種の仮判定の結
果と、密度の比較結果に基づく油種の仮判定の結果と
の、いずれか一方または双方が「油種不明」であった場
合にも、ステップ16で「NO」と判定し、ステップ2
3に移行する。
【0080】次に、図8に示すステップ17では、カウ
ンタCを歩進する。そして、ステップ18ではカウンタ
CがC=2であるか否かを判定する。C=2の場合に
は、ステップ5〜ステップ17の処理を2回実行したの
で、「YES」と判定され、ステップ19に移行する。
一方、C=2でない場合には、ステップ5〜ステップ1
7の処理を1回実行したことを意味し、この場合には、
もう一度ステップ5〜ステップ17の処理を実行すべ
く、ステップ17で「NO」と判定されステップ5に移
行する。ステップ5〜ステップ17の処理を2回実行す
るのは、判定結果を確実なものとするためである。
【0081】次に、ステップ19では、第1回目の油種
判定(ステップ15)の判定結果による油種と、第2回
目の油種判定(ステップ15)の判定結果による油種と
を比較し、双方が等しい場合には「YES」と判定し、
ステップ20に移行する。この段階で、合流管7に達し
た油液の種類が最終的に判定されることとなる。一方、
双方が異なる場合には、油種の判定ができないので「N
O」と判定し、ステップ23に移行する。
【0082】次に、ステップ20では、ステップ19の
最終的な判定結果に基づいて、合流管7に達した油液の
種類に対応する油種表示ランプ38A,38B,38
C,38Dを点灯させると共に、当該油種をスピーカ4
1を介して音声によって報知する。
【0083】次に、ステップ21では、後述する基準値
更新処理を実行し、今回、誘電率センサ13,密度セン
サ18により得られた前記誘電率εi 、密度ρi (いず
れも温度補正を施したもの)に基づいて、基準誘電率ε
H ,εR ,εK ,εG 、基準密度ρH ,ρR ,ρK ,ρ
G を更新する。
【0084】次に、ステップ22で、計測中表示ランプ
39を消灯し、油種判定処理を終了する。
【0085】一方、前記ステップ16,19で「NO」
と判定された場合は、いずれも油液の種類を判定できな
かった場合であり、ステップ23に移行する。そして、
ステップ23では、手動操作指示ランプ40を点灯させ
ると共に、スピーカ41からブザーONを出力し、油種
の判定が不能であることを報知する。そして、ステップ
22に移行し、ステップ22で、計測中表示ランプ39
を消灯して油種判定処理を終了する。
【0086】以上のような油種判定処理の判定結果に基
づいて、作業者は、現在注油しようとしている油液の種
類を確認することができ、その油液が貯蔵タンク43内
の油液と同種であるか否かを確認することができる。
【0087】この結果、注油しようとしている油液と貯
蔵タンク43内の油液とが同種であるならば、作業者
は、注油バルブ11を開弁し、実際に貯蔵タンク43へ
注油を開始する。一方、注油しようとしている油液との
種類と貯蔵タンク43内の油液とが異なった種類の場合
には、開弁中のタンク側バルブ9を閉弁し、注油作業を
中止する。
【0088】次に、前記油種判定処理におけるステップ
21の基準値更新処理について図9に基づいて説明す
る。
【0089】ステップ31では、前記油種判定処理のス
テップ7(図6)の処理が終了した段階における温度補
正が施された誘電率εi に基づいて、基準誘電率ε0
更新する。ここで、基準誘電率ε0 とは、基準誘電率ε
H ,εR ,εK ,εG のうち、今回の油種判定処理で最
終的に判定された油種の基準誘電率であるとする。
【0090】そして、このステップ31では、前記基準
誘電率ε0
【0091】
【数1】 なる演算式に基づき更新する。
【0092】即ち、コントローラ42の記憶エリア42
Aには、今回の注油時に誘電率センサ13で測定した温
度補正後の誘電率εi を含めて、それ以前の過去n回分
(例えば5回)の誘電率εi が記憶されている。そし
て、このステップ31では、今回の注油時に誘電率セン
サ13によって新たに測定された誘電率εi を含めたn
回分の誘電率εi の平均値を前記数1の式で演算し、新
たな基準誘電率ε0 を算定する。なお、油種判定装置1
2が出荷直後等の場合で、注油回数がn回に満たない場
合には、n回に達するまで、当該基準値更新処理は行わ
ない。
【0093】次に、ステップ32では、この新たな基準
誘電率ε0 に基づくレンジを更新し、ステップ33で、
前記基準誘電率ε0 と更新したレンジをコントローラ4
2の記憶エリア42Aに記憶する。
【0094】次に、ステップ34では、前記油種判定処
理のステップ13(図7)の処理が終了した段階におけ
る、温度補正が施された密度ρi に基づいて、基準密度
ρ0を更新する。ここで、基準密度ρ0 とは、基準密度
ρH ,ρR ,ρK ,ρG のうち、今回の油種判定処理で
最終的に判定された油種の基準密度であるとする。
【0095】そして、このステップ34では、前記基準
密度ρ0
【0096】
【数2】 なる演算式に基づき更新する。
【0097】即ち、誘電率の場合と同様に、コントロー
ラ42の記憶エリア42Aには今回の注油時に密度セン
サ18で測定した温度補正後の密度ρi を含めて、それ
以前の過去n回分(例えば5回)の密度ρi が記憶され
ている。そして、このステップ34では、今回の注油時
に密度センサ18によって新たに測定された密度ρi
含めたn回分の密度ρi の平均値を前記数2の式で演算
し、新たな基準密度ρ0 を算定する。
【0098】次に、ステップ35では、この新たな基準
密度ρ0 に基づくレンジを更新し、ステップ36で、前
記基準密度ρ 0 と更新したレンジをコントローラ42の
記憶エリア42Aに記憶し、ステップ37でリターンす
る。
【0099】かくして、本実施例によれば、タンクロー
リ車1に誘電率センサ13と密度センサ18とからなる
油種判定装置12を設け、タンクローリ車1の輸送タン
ク2内の油液を貯蔵タンク43に注油するときには、実
際の注油を開始する前に油種判定装置12によって注油
しようとしている油液の種類を判定するようにしたか
ら、作業者は、実際の注油を開始する前に、注油しよう
としている油液の種類を確認することができ、該油液と
貯蔵タンク43内の油液とが同種であるか否かを確認す
ることができる。これにより、誤って異なった種類の油
液を貯蔵タンク43に注油してしまい、混油等の事故を
引き起こすのを確実に防止することができる。
【0100】また、作業者は、注油しようとしている油
液の種類を油種表示ランプ38A,38B,38C,3
8D、スピーカ41によって容易に確認することができ
るから、油種の確認に特に手間はかからず、作業を円滑
にかつ安心して行うことができ、さらに作業の安全性,
信頼性を高めることができる。
【0101】また、油液の種類を誘電率センサ13およ
び密度センサ18によって判定するため、油種判定を高
精度に行うことができ、油液の物質的性質が近似してい
る場合でも、正確に油種判定を行うことができる。例え
ば、前記表1において、ハイオクガソリン(通常)と灯
油の基準誘電率は両者とも0.46(pF/mm)であ
るから、両者の誘電率を検出するだけでは油種判定がで
きない。しかし、両者の密度が異なるため、密度を検出
することにより油種判定ができ、油種を正確に特定する
ことができる。
【0102】さらに、油種判定装置12による油種判定
が不能だった場合には、その旨を手動操作指示ランプ4
0およびスピーカ41からのブザー音により報知するた
め、合流管7内に達した油液の種類がいずれであるかを
作業者に覗き窓(図示せず)等を介して確認させるよう
にすることができ、混油の発生等を確実に防止すること
ができる。
【0103】次に、本発明の第2の実施例を図10ない
し図14に基づいて説明するに、本実施例の特徴は、油
種判定手段を誘電率検出器および粘度検出器から構成
し、油液の種類を判定を油液の誘電率および粘度に基づ
いて行うようにしたことにある。なお、本実施例では、
上述した図1ないし図5に示す第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0104】図において、51は本実施例による液種判
定手段としての油種判定装置を示し、該油種判定装置5
1は、第1の実施例で述べた油種判定装置12と同様
に、注油バルブ11よりも上流側に位置して合流管7の
途中に設けられている。そして、該油種判定装置51
は、第1の実施例で述べた誘電率センサ13と、モニタ
部36と、後述の粘度センサ52と、コントローラ60
等とから大略構成されている。そして、該油種判定装置
51は、各油室4から合流管7内に達した油液の種類を
判定するものであり、合流管7内の油液がハイオクガソ
リン,レギュラーガソリン,灯油または軽油のいずれの
油液であるかを判定する。
【0105】52は誘電率センサ13の外筒14の外周
側に設けられた粘度検出器としての粘度センサを示し、
該粘度センサ52は外筒14と一体的に形成された貯油
ケース53と、該貯油ケース53内に設けられた後述の
検出器本体55,温度センサ57等から大略構成されて
いる。
【0106】また、前記貯油ケース53は2個の流通穴
54A,54Bを介して外筒14内と連通しており、合
流管7内に油液が流入したときには、該流通穴54A,
54Bを介して油液が貯油室53A内に流入するように
なっている。
【0107】55は貯油ケース53の貯油室53A内に
設けられた検出器本体を示し、該検出器本体55は支持
部材56を介して貯油ケース53の一側面内側に固定さ
れている。また、前記検出器本体55は、リード線(図
示せず)を介して後述の中継器58に接続されており、
該中継器58からケーブルを介してコントローラ60に
接続されている。そして、該検出器本体55は、貯油室
53A内に満たされた油液の粘度を検出し、それに基づ
く検出信号をコントローラ60に向けて出力する。
【0108】57は貯油室53A内で貯油ケース53の
他側面内側に固着された温度センサを示し、該温度セン
サ57は、前記第1の実施例で述べた温度センサ27と
ほぼ同様に、貯油室53A内に油液が充満されたとき
に、そのときの油液の温度を測定し、コントローラ60
に出力する。
【0109】58は貯油ケース53の上側に設けられた
中継器を示し、該中継器58は貯油ケース53の上側に
取付けられた上側ケース59内に設けられている。ま
た、該中継器58の入力側には、誘電率センサ13の外
筒14,内筒15、粘度センサ52の検出器本体55、
温度センサ57がそれぞれリード線を介して接続されて
いる。一方、該中継器58の出力側には1本のケーブル
が接続されている。そして、該中継器58は入力側に接
続された複数のリード線を束ねて一本のケーブルとし、
タンクローリ車1の右側面に設けられたモニタ部36内
のコントローラ60に接続するものである。
【0110】また、図11中、60は本実施例によるコ
ントローラを示し、該コントローラ60は液種報知手段
としてのモニタ部36内に設けられている。そして、前
記モニタ部36には中継器58からのケーブルが接続さ
れており、このケーブルを介してコントローラ60に
は、誘電率センサ13、粘度センサ52、温度センサ5
7が接続されている。
【0111】即ち、該コントローラ60の入力側には、
誘電率センサ13,粘度センサ52,温度センサ57お
よび電源スイッチ37が接続され、該コントローラ60
の出力側には、油種表示ランプ38A,38B,38
C,38D、計測中表示ランプ39、手動操作指示ラン
プ40および音声出力用のスピーカ41が接続されてい
る。
【0112】また、該コントローラ60の記憶部には、
本実施例による油種判定プログラムおよび基準値更新プ
ログラムが書き換え不能に記憶されている。さらに、該
コントローラ60には基準誘電率εH ,εR ,ε K ,ε
G を記憶する基準誘電率記憶手段および基準粘度μH
μR ,μK ,μG を記憶する基準粘度記憶手段としての
記憶エリア60Aが設けられており、記憶エリア60A
は、書き換え可能のメモリであり、コントローラ60の
停止時においても記憶内容を保持するようになってい
る。
【0113】ここで、基準誘電率εH ,εR ,εK ,ε
G は、前記第1の実施例で述べたものと同様で、それぞ
れハイオクガソリン,レギュラーガソリン,灯油,軽油
の基準誘電率であり、各油液の液温が15℃のときに測
定したものである。また、基準粘度μH ,μR ,μK
μG は、それぞれハイオクガソリン,レギュラーガソリ
ン,灯油,軽油の基準粘度であり、各油液の液温が15
℃のときに測定したものである。また、前記基準誘電率
εH ,εR ,εK ,εG および基準粘度μH ,μR ,μ
K ,μG は基準値更新処理によって更新されるため、書
き換え可能のメモリである記憶エリア60Aに記憶され
ている。ここで、基準粘度μH ,μR ,μK ,μG の具
体的な数値例を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】なお、前記表2では、ハイオクガソリンに
「通常」と「MTBE」の2種類があるが、本実施例で
は、前記2種類のハイオクガソリンのうち、「通常」の
ハイオクガソリンのみを油種判定の対象とする。しか
し、本発明はこれに限らず、「MTBE」や前記表2以
外の油液を油種判定の対象に加えてもよい。
【0116】そして、コントローラ60は、誘電率セン
サ13,粘度センサ52および温度センサ57等からの
検出信号に基づいて、油種判定プログラムを実行し、そ
の判定結果を油種表示ランプ38A,38B,38C,
38D、計測中表示ランプ39、手動操作指示ランプ4
0および音声出力用のスピーカ41によって作業者に報
知する。
【0117】本実施例によるタンクローリ車用注液監視
装置は上述のような構成を有するものであり、次に、そ
の動作を注油作業に即して説明する。
【0118】タンクローリ車1に設けられた輸送タンク
2内の油液を給油所の貯蔵タンク43に注油するとき
に、作業者は、まずタンクローリ車1の注油ホース8を
注油すべき油液が貯蔵された貯蔵タンク43の注油口4
5Aに接続する。そして、作業者は、注油バルブ11を
閉弁した状態で、油室4,4,…のうち、注油すべき油
液が貯留されている油室4を選択し、該油室4に対応す
る開閉ハンドル10を回転させ、これに対応するタンク
側バルブ9を開弁させる。これにより、前記油室4内の
油液が該油室4の下側の分岐管6に流入し、合流管7に
達する。この結果、誘電率センサ13の外筒14と内筒
15との間の隙間17内に前記油液が充満し、さらに、
該油液は粘度センサ52の貯油ケース53内に流通穴5
4A,54Bを介して流入し、該貯油室53A内を満た
す。なお、このとき注油バルブ11が閉弁しているた
め、油液が貯蔵タンク43へ注油されることはない。
【0119】この状態で、作業者がモニタ部36の電源
スイッチ37を押下すると、コントローラ60に記憶さ
れた油種判定プログラムによる油種判定処理が行われ
る。ここで、この油種判定処理について図12ないし図
14の流れ図に沿って説明する。
【0120】図12中のステップ41では、電源スイッ
チ37がONか否かを判定し、作業者により電源スイッ
チ37が押下され、ONとなった場合には「YES」と
判定し、ステップ42へ移行する。一方、電源スイッチ
37がOFFの場合には、ステップ41を繰り返す。
【0121】次に、ステップ42〜ステップ44は、第
1の実施例で述べた図6中のステップ3〜ステップ5と
同様であり、計測中表示ランプ39点灯、カウンタCの
初期化、温度センサ57による油液温度検出等を順次行
う。
【0122】次に、ステップ45〜ステップ49は、第
1の実施例でステップ6〜ステップ10と同様であり、
合流管7内に達した油液の誘電率εi を検出し、基準誘
電率εH ,εR ,εK ,εG と比較する。そして、前記
油液の種類の仮判定を行い、その結果をコントローラ6
0の記録エリア60Aに記憶する。
【0123】次に、図13中のステップ50では、粘度
センサ52からの検出信号に基づいて合流管7に達した
油液の粘度μi を検出し、ステップ51では、前記粘度
μiに温度補正を施す。
【0124】次に、ステップ52では、コントローラ6
0の記憶エリア60Aから基準粘度μH ,μR ,μK
μG を読み出す。そして、ステップ53では、基準粘度
μH,μR ,μK ,μG と粘度μi とをそれぞれ比較
し、該粘度μi が基準粘度μH,μR ,μK ,μG のう
ち、いずれの基準粘度に近似しているかを調べ、当該油
液の種類を仮判定する。
【0125】即ち、基準粘度μH ,μR ,μK ,μG
それぞれの値を中心に所定のレンジを設定し、前記粘度
μi の値が基準粘度μH ,μR ,μK ,μG のどのレン
ジ内に該当するかを順次調べる。なお、基準粘度μH
μR ,μK ,μG のそれぞれのレンジ値は、予めコント
ローラ60の記憶部に記憶されている。
【0126】ここで、上述した粘度の比較処理について
具体的に説明すると、第1にハイオクガソリンの基準粘
度μH を中心としたレンジ内に前記粘度μi が該当する
か否かを調べる。前記表2によれば、ハイオクガソリン
(通常)の基準粘度μH は0.41(mPa・S)であ
り、そのレンジは例えば0.39〜0.43(mPa・
S)に設定される。従って、前記粘度μi の値が0.3
9〜0.43(mPa・S)であれば、当該油液はハイ
オクガソリンである可能性が高いため、「ハイオクガソ
リン」と仮判定される。
【0127】第2にレギュラーガソリンの基準粘度μR
を中心としたレンジ内に前記粘度μi が該当するか否か
を調べる。前記表2によれば、レギュラーガソリンの基
準粘度μR は0.39(mPa・S)であり、そのレン
ジは例えば0.35〜0.42(mPa・S)に設定さ
れる。従って、前記粘度μi の値が0.35〜0.42
(mPa・S)であれば、当該油液はレギュラーガソリ
ンである可能性が高いため、「レギュラーガソリン」と
仮判定される。
【0128】第3に灯油の基準粘度μK を中心としたレ
ンジ内に前記粘度μi が該当するか否かを調べる。前記
表2によれば、灯油の基準粘度μK は1.35(mPa
・S)であり、そのレンジは例えば1.17〜1.53
(mPa・S)に設定される。従って、前記粘度μi
値が1.17〜1.53(mPa・S)であれば、当該
油液は灯油である可能性が高いため、「灯油」と仮判定
される。
【0129】第4に軽油の基準粘度μG を中心としたレ
ンジ内に前記粘度μi が該当するか否かを調べる。前記
表2によれば、軽油の基準粘度μG は4.24(mPa
・S)であり、そのレンジは例えば2.74〜5.74
(mPa・S)に設定される。従って、前記粘度μi
値が2.74〜5.74(mPa・S)であれば、当該
油液は軽油である可能性が高いため、「軽油」と仮判定
される。
【0130】第5に、前記粘度μi の値が基準粘度μ
H ,μR ,μK ,μG のいずれのレンジ内にも該当しな
い場合には、「油種不明」と仮判定される。
【0131】次に、ステップ54では、ステップ49に
おいて、コントローラ60の記憶エリア60Aに記憶し
た誘電率の比較結果に基づく油種の仮判定結果と、ステ
ップ53における粘度の比較結果に基づく油種の仮判定
結果との論理積(and)をとり、双方の結果が一致す
るものを当該油液の種類であると判定する。なお、この
油種判定が第1回目の場合には、この判定結果をコント
ローラ60の記憶エリア60Aに記憶する。
【0132】次に、ステップ55では、前記ステップ5
4で誘電率の比較結果に基づく油種の仮判定結果と、粘
度の比較処理に基づく油種の仮判定結果とに一致する油
種が存在し、油種判定ができた場合には「YES」と判
定し、図14に示すステップ56へ移行する。一方、一
致する油種が存在しなかった場合には、油種が特定でき
ないため「NO」と判定し、ステップ62に移行する。
また、誘電率の比較結果に基づく油種の仮判定結果と、
粘度の比較処理に基づく油種の仮判定結果の、いずれか
一方または双方が「油種不明」であった場合にも、ステ
ップ55で「NO」と判定し、ステップ62へ移行す
る。
【0133】次に、図14中のステップ56では、カウ
ンタCを歩進する。そして、ステップ57ではカウンタ
CがC=2であるか否かを判定する。C=2の場合に
は、ステップ44〜ステップ56の処理を2回実行した
ので、「YES」と判定し、ステップ58に移行する。
一方、C=2でない場合には、ステップ44〜ステップ
56の処理を1回実行したことを意味し、この場合に
は、もう一度ステップ44〜ステップ56の処理を実行
すべく、ステップ57で「NO」と判定し、ステップ4
4に移行する。
【0134】次に、ステップ58では、第1回目の油種
判定(ステップ54)の判定結果による油種と、第2回
目の油種判定(ステップ54)の判定結果による油種と
を比較し、双方が等しい場合には「YES」と判定し、
ステップ59に移行する。この段階で、合流管7に達し
た油液の種類が最終的に判定される。一方、双方が異な
る場合には、油種の判定ができないので「NO」と判定
し、ステップ62に移行する。
【0135】次に、ステップ59では、ステップ58の
最終的な判定結果に基づいて、合流管7に達した油液の
種類に対応する油種表示ランプ38A,38B,38
C,38Dを点灯させると共に、当該油種をスピーカ4
1を介して音声によって報知する。
【0136】次に、ステップ60では、後述する基準値
更新処理を実行し、今回、誘電率センサ13,粘度セン
サ52により得られた前記誘電率εi 、粘度μi (いず
れも温度補正を施したもの)に基づいて、基準誘電率ε
H ,εR ,εK ,εG 、基準粘度μH ,μR ,μK ,μ
G を更新する。
【0137】次に、ステップ61で、計測中表示ランプ
39を消灯し、油種判定処理を終了する。
【0138】一方、前記ステップ55,58で「NO」
と判定された場合は、いずれも油液の種類を判定できな
かった場合であり、ステップ62に移行する。そして、
ステップ62では、手動操作指示ランプ40を点灯させ
ると共に、スピーカ41からブザーONを出力し、油種
の判定が不能であることを報知する。そして、ステップ
61に移行し、ステップ61で、計測中表示ランプ39
を消灯して油種判定処理を終了する。
【0139】以上のような油種判定処理の判定結果に基
づいて、作業者は、現在注油しようとしている油液の種
類を確認することができ、その油液が貯蔵タンク43内
の油液と同種であるか否かを確認することができる。
【0140】次に、前記油種判定処理におけるステップ
60の基準値更新処理について説明する。
【0141】前記基準値更新処理は、第1の実施例で述
べた基準値更新処理とほぼ同様である。即ち、基準誘電
率の更新は第1の実施例による基準値更新処理について
示した図9中のステップ31〜ステップ33と同様であ
り、基準粘度μ0 (基準粘度μH ,μR ,μK ,μG
うち、今回の油種判定により最終的に判定された油種の
基準粘度)の更新は、図9中のステップ34〜ステップ
36で述べた基準密度ρ0 とほぼ同様に、
【0142】
【数3】 なる演算を行い、粘度センサ52で今回検出した粘度μ
i を含めた過去n回分の粘度μ i の平均を新たな基準粘
度μ0 として設定する。そして、この新たな基準粘度μ
0 に基づいて、レンジを更新し、前記基準粘度μ0 とレ
ンジをコントローラ60の記憶エリア60Aに記憶す
る。そして、該基準値更新処理を終了したため、リター
ンする。
【0143】かくして、本実施例によっても、前記第1
の実施例と同様に、油液の種類を正確に判定し、この判
定結果を作業者に確実に報知することができる。これに
より、作業者がタンクローリ車1の輸送タンク2内の油
液の種類を誤って、貯蔵タンク43に注油してしまうと
いったミスを確実に防止することができ、混油等の事故
を未然に防止すことができる。
【0144】特に、本実施例では、油液の種類を誘電率
センサ13および粘度センサ52によって判定するた
め、油種判定を高精度に行うことができ、油液の物質的
性質が近似している場合でも、正確に油種判定を行うこ
とができる。例えば、前記表1において、ハイオクガソ
リン(通常)と灯油の基準誘電率は両者とも0.46
(pF/mm)であるから、両者の誘電率を検出するだ
けでは油種判定ができない。しかし、前記表2におい
て、両者の粘度が大きく異なるため、粘度を検出するこ
とにより油種判定ができ、油種を正確に特定することが
できる。
【0145】次に、本発明の第3の実施例を図15ない
し図19に基づいて説明するに、本発明の特徴は、油種
判定手段を誘電率検出器,密度検出器および粘度検出器
とから構成し、油液の種類を判定を油液の誘電率,密度
および粘度に基づいて行うようにしたことにある。な
お、本実施例では、前記第1および第2の実施例と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0146】図において、71は本実施例によるコント
ローラを示し、該コントローラ71はタンクローリ車1
の右側面に配置されたモニタ部36内に設けられてい
る。そして、該コントローラ71の入力側には、誘電率
センサ13,粘度センサ52,温度センサ27および電
源スイッチ37が接続され、該コントローラ71の出力
側には、油種表示ランプ38A,38B,38C,38
D、計測中表示ランプ39、手動操作指示ランプ40,
スピーカ41およびストッパ装置28が接続されてい
る。
【0147】また、該コントローラ71の記憶部には、
本実施例による油種判定プログラムおよび基準値更新プ
ログラムが書き換え不能に記憶されている。さらに、該
コントローラ71には基準誘電率εH ,εR ,εK ,ε
G を記憶する基準誘電率記憶手段,基準粘度ρH ,ρ
R ,ρK ,ρG を記憶する基準密度記憶手段および基準
粘度μH ,μR ,μK ,μG を記憶する基準粘度記憶手
段としての記憶エリア71Aが設けられており、記憶エ
リア71Aは、書き換え可能のメモリであり、コントロ
ーラ71の停止時においても記憶内容を保持するように
なっている。
【0148】ここで、基準誘電率εH ,εR ,εK ,ε
G 、基準粘度ρH ,ρR ,ρK ,ρG 、基準粘度μH
μR ,μK ,μG はそれぞれ、ハイオクガソリン,レギ
ュラーガソリン,灯油,軽油の基準誘電率,基準密度,
基準粘度であり、各油液の液温が15℃のときに測定し
たものである。
【0149】そして、コントローラ71は、誘電率セン
サ13,密度センサ18,粘度センサ52および温度セ
ンサ27等からの検出信号に基づいて、油種判定プログ
ラムを実行し、その判定結果を油種表示ランプ38A,
38B,38C,38D、計測中表示ランプ39、手動
操作指示ランプ40および音声出力用のスピーカ41に
よって作業者に報知する。
【0150】本実施例によるタンクローリ車用注液監視
装置は上述のような構成を有するもので、次に、その動
作を注油作業に即して説明する。
【0151】タンクローリ車1に設けられた輸送タンク
2内の油液を給油所の貯蔵タンク43に注油するとき
に、作業者は、まずタンクローリ車1の注油ホース8を
注油すべき油液が貯蔵された貯蔵タンク43の注油口4
5Aに接続する。そして、作業者は、注油バルブ11を
閉弁した状態で、油室4,4,…のうち、注油すべき油
液が貯留されている油室4を選択し、該油室4に対応す
る開閉ハンドル10を回転させ、これに対応するタンク
側バルブ9を開弁させる。これにより、前記油室4内の
油液が該油室4の下側の分岐管6に流入し、合流管7に
達する。この結果、誘電率センサ13の外筒14と内筒
15との間の隙間17内や、密度センサ18の貯油室1
9A内等が前記油液で満たされる。
【0152】この状態で、作業者がモニタ部36の電源
スイッチ37を押下すると、コントローラ71に記憶さ
れた油種判定プログラムによる油種判定処理が行われ
る。ここで、この油種判定処理について図16ないし図
19の流れ図に沿って説明する。
【0153】図16中のステップ71では、電源スイッ
チ37がONか否かを判定し、作業者により電源スイッ
チ37が押下され、ONとなった場合には「YES」と
判定し、ステップ72へ移行する。一方、電源スイッチ
37がOFFの場合には、ステップ71を繰り返す。
【0154】次に、ステップ72〜ステップ75は、第
1の実施例で述べた図6中のステップ2〜ステップ5と
同様であり、密度センサ18に設けられたフロート21
の固定解除、計測中表示ランプ39点灯、カウンタCの
初期化、油液温度検出等を順次に行う。
【0155】次に、ステップ76〜ステップ79は、第
1の実施例でステップ6〜ステップ9と同様であり、合
流管7内に達した油液の誘電率εi を検出し、基準誘電
率εH ,εR ,εK ,εG と比較する。そして、誘電率
に基づき油液の種類の仮判定を行い、ステップ80で
は、その結果をコントローラ71の記録エリア71Aに
記憶する。
【0156】次に、ステップ81〜ステップ84は、第
1の実施例でステップ11〜ステップ14と同様であ
り、合流管7内に達した油液の密度ρi を検出し、基準
密度ρH ,ρR ,ρK ,ρG と比較する。そして、密度
に基づき油液の種類の仮判定を行い、ステップ85で
は、その結果をコントローラ71の記録エリア71Aに
記憶する。
【0157】次に、ステップ86〜ステップ89は、第
2の実施例でステップ50〜ステップ53と同様であ
り、合流管7内に達した油液の粘度μi を検出し、基準
粘度μH ,μR ,μK ,μG と比較する。そして、粘度
に基づき油液の種類の仮判定を行う。
【0158】次に、ステップ90では、ステップ80
で、コントローラ71の記憶エリア71Aに記憶した誘
電率の比較結果に基づく油種の仮判定結果と、ステップ
85で、コントローラ71の記憶エリア71Aに記憶し
た密度の比較結果に基づく油種の仮判定結果と、ステッ
プ89での粘度の比較結果に基づく油種の仮判定結果と
の論理積(and)をとり、3つの結果が全て一致する
ものを当該油液の種類であると判定する。なお、この油
種判定が第1回目の場合には、この判定結果をコントロ
ーラ71の記憶エリア71Aに記憶する。
【0159】次に、ステップ91では、前記ステップ9
0で誘電率,密度,粘度の3つの比較結果により油種判
定ができた場合には「YES」と判定し、ステップ92
へ移行する。一方、3つの比較結果の全てが一致するも
のが存在せず、油種が特定できない場合には「NO」と
判定し、ステップ98に移行する。また、誘電率,密
度,粘度の各比較結果に基づく油種の仮判定結果のう
ち、いずれか1つでも「油種不明」であった場合にも、
ステップ91で「NO」と判定し、ステップ98へ移行
する。
【0160】次に、ステップ92では、カウンタCを歩
進する。そして、ステップ93ではカウンタCがC=2
であるか否かを判定する。C=2の場合には、ステップ
75〜ステップ92の処理を2回実行したので、「YE
S」と判定し、ステップ94に移行する。一方、C=2
でない場合には、ステップ75〜ステップ92の処理を
1回したことを意味し、この場合には、もう一度ステッ
プ75〜ステップ92の処理を実行すべく、ステップ9
2で「NO」と判定し、ステップ75に移行する。
【0161】次に、ステップ94では、第1回目の油種
判定(ステップ90)の判定結果による油種と、第2回
目の油種判定(ステップ90)の判定結果による油種都
を比較し、双方が等しい場合には「YES」と判定し、
ステップ95に移行する。この段階で、合流管7に達し
た油液の種類が最終的に判定される。一方、双方が異な
る場合には、油種の判定ができないので「NO」と判定
し、ステップ98に移行する。
【0162】次に、ステップ95では、ステップ94の
最終的な判定結果に基づいて、合流管7に達した油液の
種類に対応する油種表示ランプ38A,38B,38
C,38Dを点灯させると共に、当該油種をスピーカ4
1を介して音声によって報知する。
【0163】次に、ステップ96では基準値更新処理を
実行し、ここでは、誘電率センサ13,密度センサ1
8,粘度センサ52により得られた前記誘電率εi 、密
度ρi、粘度μi (いずれも温度補正を施したもの)に
基づいて、基準誘電率εH ,εR ,εK ,εG 、基準粘
度ρH ,ρR ,ρK ,ρG 、基準粘度μH ,μR
μK,μG を更新する。なお、この基準値更新処理は、
第1の実施例で述べた図9に示す基準値更新処理とほぼ
同様に、基準誘電率、基準密度、基準粘度について順次
に更新処理を行うものである。
【0164】次に、ステップ97で、計測中表示ランプ
39を消灯し、油種判定処理を終了する。
【0165】一方、前記ステップ91,94で「NO」
と判定された場合は、いずれも油液の種類を判定できな
かった場合であり、ステップ98に移行する。そして、
ステップ98では、手動操作指示ランプ40を点灯させ
ると共に、スピーカ41からブザーONを出力し、油種
の判定が不能であることを報知する。そして、ステップ
97に移行し、ステップ97で、計測中表示ランプ39
を消灯して油種判定処理を終了する。
【0166】以上のような油種判定処理の判定結果に基
づいて、作業者は、第1,第2の実施例で述べた油種判
定処理の場合と同様に、現在注油しようとしている油液
の種類を確認することができ、その油液が貯蔵タンク4
3内の油液と同種であるか否かを確認することができ
る。これにより、混油等の事故を未然に防止することが
できる。
【0167】特に、本実施例では、油液の種類を誘電率
センサ13,密度センサ18および粘度センサ52によ
って判定するため、油種判定を第1,第2の実施例と比
較してさらに高精度に行うことができ、油液の物質的性
質が近似している場合や、油種判定の対象となる油液の
種類が非常に多い場合でも、正確な油種判定を行うこと
ができる。
【0168】なお、前記各実施例では、誘電率センサ1
3として、2個の円筒(外筒14と内筒15)からなる
同軸円筒型の静電容量式センサを用いる場合を例に挙げ
て述べたが、本発明はこれに限らず、3個以上の円筒を
同軸に配設した同軸多重型の静電容量式センサ、平行平
板型または多重平行平板型の静電容量式センサ等を用い
てもよい。
【0169】また、前記各実施例では、モニタ部36の
油種表示ランプ38A,38B,38C,38D、計測
中表示ランプ39、手動操作指示ランプ40によって、
作業者等に情報を視覚的に報知するものとして述べた
が、本発明はこれに限らず、液晶パネル等の表示器を用
いて、さらに具体的に油種のデータ等を表示するように
してもよい。
【0170】また、前記各実施例では、各タンク側バル
ブ9および注油バルブ11を作業者が手動操作で開,閉
するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、電磁
弁で空気圧を切換えることにより開,閉弁が制御される
空電式制御弁等によって各タンク側バルブ9および注油
バルブ11を構成してもよい。この場合に、油種判定装
置12による油種判定の結果に基づいて、各タンク側バ
ルブ9および注油バルブ11の開,閉弁を自動制御する
ようにすれば、作業者による確認作業を省略することが
でき、注油作業を確実にかつ迅速に行うことができる。
【0171】また、前記各実施例では、輸送タンク2が
4つの油室4,4,…に仕切られた場合を例に挙げて述
べたが、本発明はこれに限るものでなく、1室〜3室ま
たは5室以上に仕切られた場合でもあってもよい。この
場合、油室の数に見合った数の分岐管6,タンク側バル
ブ9等を設けるようにする。
【0172】また、前記各実施例において、タンクロー
リ車1に設けられた輸送タンク2の容量を例えば8kl
程度と記載したが、本発明は、輸送タンクの容量が20
klに達するような大型のタンクローリ車にも適用でき
る。そして、このような大型のタンクローリ車は、輸送
タンクが例えば2つに大別され、さらに、大別された双
方のタンク内に複数の油室が画成されると共に、大別さ
れた双方のタンクにそれぞれ注液配管、注油ホース等が
設けられ、並行注油ができる構造となっているものが多
い。そこで、このような大型のタンクローリ車に本発明
を適用する場合には、油種判定装置12を大別されたタ
ンク毎にそれぞれ設ける構成とすればよい。
【0173】さらに、前記各実施例では、ガソリン,軽
油等の油液の種類を判定する場合を例に挙げて述べた
が、本発明はこれに限るものでなく、その他の液体につ
いても、広く適用することができる。
【0174】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、タンクローリ車に液種判定手段を設けたことによ
り、タンクローリ車のタンク内に貯留された液体を、例
えば給油所の貯蔵タンクに注液するときには、実際の注
液を開始する前に、注液しようとしている液体の種類を
判定することができる。そして、この判定結果に基づい
て注液作業を実行することによって、前記貯蔵タンクに
異なった種類の液体を誤って注液してしまう等の人為的
ミスを確実に防止することができ、混油等の事故をなく
して安全性を向上させることができる。
【0175】また、請求項2の発明によれば、液種判定
手段に液種報知手段を設けたから、実際の注液を開始さ
れる前に、注液しようとしている液体の種類を前記液種
報知手段によって報知でき、作業者は液体の種類が適正
であるか否かを注液開始前に容易にかつ確実に確認する
ことができる。これにより、異種の液体を誤って注液し
ようとしているときには、作業者はこの事態を事前に知
ることができるから、混油等の事故を未然に防止するこ
とができ、作業の安全性や信頼性を高めることができ
る。
【0176】また、請求項3,4または5の発明によれ
ば、誘電率検出器によって液体の誘電率を検出しすると
共に、密度検出器(粘度検出器)によって前記液体の密
度(粘度)を検出し、前記液体の物質的性質をこれら2
通りまたは3通りの方法で分析して前記液体の種類を総
合的に判定するようにしたから、判定の対象となる液体
の種類が多く、かつ各液体の物質的性質が近似している
場合でも、各液体の種類を高精度に判定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるタンクローリ車、
貯蔵タンク等を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による誘電率センサおよ
び密度センサを示す断面図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向横断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例によるモニタ部を示す正
面図である。
【図5】本発明の第1の実施例による油種判定装置を示
すブロック図である。
【図6】第1の実施例による油種判定処理を示す流れ図
である。
【図7】図6に続く流れ図である。
【図8】図7に続く流れ図である。
【図9】第1の実施例による基準値更新処理を示す流れ
図である。
【図10】本発明の第2の実施例による誘電率センサお
よび粘度センサを示す図3と同様位置の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例による油種判定装置を
示すブロック図である。
【図12】第2の実施例による油種判定処理を示す流れ
図である。
【図13】図12に続く流れ図である。
【図14】図13に続く流れ図である。
【図15】本発明の第3の実施例による油種判定装置を
示すブロック図である。
【図16】第3の実施例による油種判定処理を示す流れ
図である。
【図17】図16に続く流れ図である。
【図18】図17に続く流れ図である。
【図19】図18に続く流れ図である。
【符号の説明】
1 タンクローリ車 2 輸送タンク(タンク) 4 油室 5 注油配管(注液配管) 6 分岐管 7 合流管 9 タンク側バルブ 11 注油バルブ(注液バルブ) 12 油種判定装置(液種判定装置) 13 誘電率センサ(誘電率検出器) 18 密度センサ(密度検出器) 36 モニタ部(油種報知手段) 38A,38B,38C,38D 油種表示ランプ 41 スピーカ 42,60,71 コントローラ 42A,60A,71A 記憶エリア(誘電率記憶手
段、密度記憶手段、粘度記憶手段) 52 粘度センサ(粘度検出器)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクローリ車に設けられ、複数種類の
    液体を貯留するために複数の液室が画成されたタンク
    と、一端側が複数の分岐管となって該タンクの各液室に
    それぞれ接続され、他端側が単一の合流管となった注液
    配管と、該注液配管の各分岐管途中にそれぞれ設けら
    れ、前記各液室を合流管に対して連通,遮断する複数の
    タンク側バルブと、前記注液配管の合流管に設けられ、
    開弁時に前記液体の注液を許し、閉弁時に注液を停止さ
    せる注液バルブと、該注液バルブよりも上流側に位置し
    て前記合流管の途中に設けられ、前記合流管内に達した
    液体の種類を判定する液種判定手段とから構成してなる
    タンクローリ車用注液監視装置。
  2. 【請求項2】 前記液種判定手段には、液体の種類を報
    知する液種報知手段を設けてなる請求項1記載のタンク
    ローリ車用注液監視装置。
  3. 【請求項3】 前記液種判定手段は、前記液体の誘電率
    を検出する誘電率検出器と、前記各液体の基準となる誘
    電率を基準誘電率として記憶した基準誘電率記憶手段
    と、前記液体の密度を検出する密度検出器と、前記各液
    体の基準となる密度を基準密度として記憶した基準密度
    記憶手段とを備え、前記液種判定手段は、前記誘電率検
    出器による誘電率と前記基準誘電率記憶手段による基準
    誘電率とを比較すると共に、前記密度検出器による密度
    と前記密度記憶手段による基準密度とを比較し、これら
    の比較結果に基づいて前記合流管内で液体の種類を判定
    する構成としてなる請求項1または2記載のタンクロー
    リ車用注液監視装置。
  4. 【請求項4】 前記液種判定手段は、前記液体の誘電率
    を検出する誘電率検出器と、前記各液体の基準となる誘
    電率を基準誘電率として記憶した基準誘電率記憶手段
    と、前記液体の粘度を検出する粘度検出器と、前記各液
    体の基準となる粘度を基準粘度として記憶した基準粘度
    記憶手段とを備え、前記液種判定手段は、前記誘電率検
    出器による誘電率と前記基準誘電率記憶手段による基準
    誘電率とを比較すると共に、前記粘度検出器による粘度
    と前記粘度記憶手段による基準粘度とを比較し、これら
    の比較結果に基づいて前記合流管内で液体の種類を判定
    する構成としてなる請求項1または2記載のタンクロー
    リ車用注液監視装置。
  5. 【請求項5】 前記液種判定手段は、前記液体の誘電率
    を検出する誘電率検出器と、前記各液体の基準となる誘
    電率を基準誘電率として記憶した基準誘電率記憶手段
    と、前記液体の密度を検出する密度検出器と、前記各液
    体の基準となる密度を基準密度として記憶した基準密度
    記憶手段と、前記液体の粘度を検出する粘度検出器と、
    前記各液体の基準となる粘度を基準粘度として記憶した
    基準粘度記憶手段とを備え、前記液種判定手段は、前記
    誘電率検出器による誘電率と前記基準誘電率記憶手段に
    よる基準誘電率とを比較し、前記密度検出器による密度
    と前記基準密度記憶手段による基準密度とを比較し、前
    記粘度検出器による粘度と前記粘度記憶手段による基準
    粘度とを比較し、これらの比較結果に基づいて前記合流
    管内で液体の種類を判定する構成としてなる請求項1ま
    たは2記載のタンクローリ車用注液監視装置。
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