JPH0731476Y2 - 真空遮断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は、取付板への真空インタラプタの取付構造を補
強した真空遮断器に関する。

B.考案の概要 本考案は、取付板に支持碍子を介して取り付けた固定側
ホルダに真空インタラプタの固定リード棒を取り付け、
取付板に支持碍子を介して取り付けた可動側ホルダに摺
動自在に可動リード棒を貫通させた真空遮断器におい
て、 前記固定側ホルダと前記可動側ホルダとを絶縁性の一対
の連結部材を介して連結することにより、 真空インタラプタの投入時の衝撃が固定側の支持碍子だ
けでなく可動側の支持碍子や接続導体にも加わり、支持
碍子の強度を小さくして低コスト化できるようにしたも
のである。

C.従来の技術 従来の真空遮断器の構造を第２図に示す。図のように筐
体１の開口部1aを蓋２で塞ぐとともに筐体１内にSF₆ガ
ス等の絶縁ガスが充填される。筐体１の内部には真空イ
ンタラプタ３が設けられ、筐体１の外部には駆動手段17
が設けられる。絶縁ガスを用いるのは、絶縁距離を小さ
くして縮小化を図り、かつ組立を容易にするためであ
る。

真空インタラプタ３は、真空容器４と真空容器４内に接
近・離反自在に導入された固定リード棒５と可動リード
棒６等で構成される。蓋２には取付板７が取り付けら
れ、取付板７には相互に離れた支持碍子8a,8bを介して
固定側ホルダ9a,可動側ホルダ9bが設けられる。固定側
ホルダ9a内にはコンタクトケース10,リングコンタクト1
1を介して固定リード棒５が挿入され、ボルト12により
結合される。可動側ホルダ9bの孔13には、リングコンタ
クト14を介して可動リード棒６が摺動自在に挿通され
る。可動リード棒６の下端は、レバー15,ロッド16を介
し、筐体１の外部で蓋２に取り付けられた駆動手段17に
連動連結される。

斯かる真空遮断器においては、固定リード棒5,可動リー
ド棒６の対向部に設けられた電極の開閉により電流の投
入，遮断を行なうため、駆動手段17により急峻な力で可
動リード棒６を昇降させる。

D.考案が解決しようとする課題 ところが、可動側ホルダ9bは可動リード棒６が摺動する
だけなので衝撃力を負担せず、一方、ガラス形成される
ために破損しやすい真空容器４は固定側ホルダ9a,可動
側ホルダ9bに固着されていないことから、投入時の衝撃
力は固定側の支持碍子8aのみが曲げモーメントを受けて
負担することになる。

従って、衝撃力に対抗できるだけの強度を有する大形の
支持碍子が必要になり、可動側にも同一の支持碍子を用
いる場合には可動側の支持碍子については材料の無駄と
なる。

そこで本考案は、斯かる課題を解決した真空遮断器を提
供することを目的とする。

E.課題を解決するための手段 斯かる目的を達成するための本考案の構成は、取付板の
相互に離れた位置に絶縁性を有する支持碍子を夫々取り
付け、一方の支持碍子に固定側ホルダを取り付けるとと
もに他方の支持碍子に可動側ホルダを設け、真空容器の
内部へ相対的に接近・離反自在の固定リード棒と可動リ
ード棒とを導入して構成される真空インタラプタの固定
リード棒の外端部を固定側ホルダに結合し、可動リード
棒を可動側ホルダに形成した孔に摺動自在に挿通し、可
動リード棒の外端部を駆動手段に連動連結した真空遮断
器において、 絶縁性を有する一方の連結板の一端を支持碍子と可動側
ホルダとの間に挟み、他端を支持碍子と固定側ホルダと
の間に挾んで可動側ホルダと固定側ホルダとを連結し、
絶縁性を有する他方の連結板の一端を可動側ホルダと補
助導体との間に挟み、他端を固定側ホルダと補助導体と
の間に挟んで可動側ホルダと固定側ホルダとを連結した
ことを特徴とする。

F.作用 固定側ホルダと可動側ホルダとの近傍が一対の連結部材
を介して一体に結合されたので、可動リード棒が固定リ
ード棒に衝突する際の衝撃力が固定側ホルダだけでなく
連結部材を介して可動側ホルダへも伝わる。従って固定
側だけでなく可動側の支持碍子と更には接続導体にも衝
撃による曲げモーメントが加わる。従来と異なり、衝撃
力による曲げモーメントを２つの支持碍子と接続導体と
で負担することから、ひとつ当りの支持碍子の負担する
曲げモーメントが少なくなり、支持碍子の小形化が可能
になる。

G.実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。なお、本実施例は従来の真空遮断器の一部を改良
したものなので、従来と同一部分には同一符号を付して
説明を省略し、異なる部分のみを説明する。

（ａ） 実施例の構成 本考案による真空遮断器の実施例を、第１図（ａ），
（ｂ），（ｃ）に基づいて説明する。

本実施例は、第１図（ａ）に示すように真空インタラプ
タ３の左右に設けた一対の連結板21を介して固定側ホル
ダ9aと可動側ホルダ9bを連結したものである。第１図
（ａ）中の左側の連結板21は、その上部を支持碍子8aと
固定側ホルダ9aとの間に挟み、下部を支持碍子8bと可動
側ホルダ9bとの間に挟んで取り付けたものである。

第１図（ａ）中の右側の連結板21の上部には孔21aが形
成され、固定側ホルダ9aに凹部22が形成される一方、補
助導体23には通電を確保するために連結板21の厚さｔと
凹部22の深さとの和よりも少し小さく突出した凸部23a
が形成され、凸部23aを孔21aに挿通するとともに凹部22
へ嵌合した状態で補助導体23が固定側ホルダ9aにボルト
24を介して結合される。

連結板20としては、引張，圧縮強度の大きい絶縁物とし
て、例えばFRPなどの繊維基材を合成樹脂で結合した材
料を用いる。ここで、25は接触子片、26はシールド、27
は接続導体である。連結板21の下部は上部と同様にして
取り付けられるため、その説明を省略する。

（ｂ） 実施例の作用 次に、真空遮断器の作用を説明する。

実施例において真空遮断器３の投入を行なうと、可動リ
ード棒６から固定リード棒５に加わる衝撃力は固定側ホ
ルダ9aに伝わり更に一対の連結板21を介して可動側ホル
ダ9bにも伝わる。従って、第１図（ａ）における支持碍
子8a,支持碍子8bに、反時計方向へ向かう等しい大きさ
の曲げモーメントが加わる。つまり、従来と異なって２
つの支持碍子8a,8bで衝撃力を負担することになる。し
かも、連結板21のうちの一方は、補助導体23に貫通させ
て固定側ホルダ9a,可動側ホルダ9bに取り付けているの
で、現実には２つの支持碍子8a,8bだけでなく、一対の
接続導体27も衝撃力を負担することになる。

このため、夫々の支持碍子8a,8bでの発生応力が小さく
なり、強度の点から小形化が可能となる。

H.考案の効果 以上の説明からわかるように、本考案による真空遮断器
によれば以下の効果がある。

固定側ホルダと可動側ホルダと更には固定側と可動側と
の補助導体どうしを絶縁部材を介して連結するので、投
入時の衝撃は従来のように固定側の支持碍子のみではな
く可動側の支持碍子と、更には接続導体に接続される双
方の補助導体にも等しく加わる。従って、支持碍子ひと
つに加わる曲げモーメントは従来の1/2よりも小さくな
り、支持碍子の強度の低減が可能となり、軽量化と低コ
スト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による真空遮断器の実施例を示すもの
で、第１図（ａ）は正面断面図、第１図（ｂ）は右側面
図、第１図（ｃ）は第１図（ａ）のＡ部の詳細断面図、
第２図は従来の真空遮断器の正面断面図である。 ３……真空インタラプタ、４……真空容器、５……固定
リード棒、６……可動リード棒、７……取付板、8a,8b
……支持碍子、9a……固定側ホルダ、9b……可動側ホル
ダ、17……駆動手段、21……連結板、23……補助導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付板の相互に離れた位置に絶縁性を有す
   る支持碍子を夫々取り付け、一方の支持碍子に固定側ホ
   ルダを取り付けるとともに他方の支持碍子に可動側ホル
   ダを設け、真空容器の内部へ相対的に接近・離反自在の
   固定リード棒と可動リード棒とを導入して構成される真
   空インタラプタの固定リード棒の外端部を固定側ホルダ
   に結合し、可動リード棒を可動側ホルダに形成した孔に
   摺動自在に挿通し、可動リード棒の外端部を駆動手段に
   連動連結した真空遮断器において、 絶縁性を有する一方の連結板の一端を支持碍子と可動側
   ホルダとの間に挟み、他端を支持碍子と固定側ホルダと
   の間に挾んで可動側ホルダと固定側ホルダとを連結し、
   絶縁性を有する他方の連結板の一端を可動側ホルダと補
   助導体との間に挟み、他端を固定側ホルダと補助導体と
   の間に挟んで可動側ホルダと固定側ホルダとを連結した
   ことを特徴とする真空遮断器。