JPH0731392Y2 - オートローディング式音響機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動的に記録担体の挿入排出を行うオートロー
ディング機能を備えた音響機器に関する。

従来の技術 カセットデッキ、CDプレーヤ及びビデオデッキ等の音響
機器にはカセットテープ、コンパクトディスク及びビデ
オテープ等の記録担体をその挿入口に差し込むと後は自
動的に再生位置までローディングし、またイジェクト時
は排出位置まで自動的にローディングするオートローデ
ィング機能を備えたものが実用化されており、操作性が
良好な点から広く普及している。

構成としては記録担体が挿入口の所定位置まで差し込ま
れたときオンする挿入開始スイッチと、記録担体が再生
位置にセットされたときオンする挿入完了スイッチが設
けられており、挿入開始スイッチがオンするとローディ
ングモータを回転させて記録担体を引き込み、挿入完了
スイッチがオンするとローディングモータの回転を停止
させて挿入動作を完了する。逆にイジェクト時はローデ
ィングモータを逆回転させ挿入開始スイッチがオフした
ときにローディングモータの回転を停止させることによ
り排出動作を完了する。

考案が解決しようとする問題点 このような、オートローディング式音響機器をイジェク
トする場合には記録担体を交換するために行う場合と、
音響機器の動作を停止させる際に行う場合とがある。後
者の場合、記録担体をイジェクトした後音響機器の電源
をオフにするか、或いは電源オフ時に自動的にイジェク
トするかのどちらかであるが、どちらにしても再度音響
機器の電源を投入してイジェクトされている記録担体を
再び再生することはよく行われている。

しかしながら、従来のオートローディング式音響機器で
は一旦イジェクトした場合、記録担体をその排出位置か
ら少し押し込んで挿入開始スイッチをオンさせないと挿
入動作を開始しないため、電源オフ時に一旦イジェクト
した後再度電源を投入して再び同じ記録担体を再生した
い場合、その操作が煩わしい。

本考案はこの問題点を解決しようとするものであり、電
源投入時の操作性を向上させることを目的とする。

問題点を解決するための手段 そのため、本考案は、記録担体が排出位置から押し込ま
れたことを検出する挿入開始スイッチと、該挿入開始ス
イッチにより記録担体が押し込まれたことが検出された
とき該記録担体を再生位置まで自動的に挿入し排出時は
前記挿入開始スイッチの状態が反転する前記排出位置ま
で前記記録担体を自動的に排出するローディング機能と
を備えたオートローディング式音響機器において、 前記記録担体が前記排出位置に存在することを検出する
記録担体検知スイッチと、 電源投入時か否かを検出する電源投入検出手段と、 該電源投入検出手段で電源投入時であることが検出され
たときは該記録担体検知スイッチの状態を識別して前記
排出位置に該記録担体が存在することを検出したとき自
動的に前記記録担体の挿入を開始する電源投入時ローデ
ィング手段と、 該電源投入検出手段で電源投入以後であることが検出さ
れたときは前記記録担体検知スイッチの状態に関係なく
前記挿入関始スイッチの状態を識別して前記記録担体が
押し込まれたことを検出したとき自動的に前記記録担体
の挿入を開始する通常ローディング手段とを備えたオー
トローディング式音響機器を特徴とする。

作用 電源投入時に記録担体が排出位置に存在することを検出
すると自動的にオートローディング機能が働き排出位置
にある記録担体の挿入動作を開始する。従って、電源投
入時に記録担体を押し込むという操作が必要なく操作性
が向上する。また、電源投入以後は記録担体が排出位置
にあるだけでは自動挿入は開始せず、排出位置から記録
担体を押し込むことで始めて自動挿入を開始する。その
ため、記録担体を排出すると再び自動挿入されるという
不具合を防止することができる。

考案の実施例 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明するが、音
響機器としてカセットデッキを例にとり説明する。

第１図は本考案に係る車載用オートローディング式カセ
ットデッキのブロック図であり、SW1は一端がバッテリ
電圧に接続されたACCスイッチ、SW2はカセットパックが
排出位置に存在することを検出するスイッチであって、
カセットパックがカセット挿入口に挿入されているとき
オンするパック検知スイッチ、SW3はカセットパックが
少し押し込まれたときオンする挿入開始スイッチ、SW4
はカセットパックが再生位置にあるときオンする挿入完
了スイッチ、SW5はイジェクトスイッチである。制御回
路１はマイクロコンピュータで構成されており各スイッ
チSW1〜SW5の状態に応じてローディングモータ２及び各
種ソレノイド３を制御する。尚、スイッチは他にも種々
設けられているがここでは省略している。

以下、第２図を用いて第１図の動作を簡単に説明する。
第２図（１）は電源が投入されてから充分時間が経過し
ている通常ローディング時、第２図（２）はイジェクト
時、第２図（３）は電源投入時のそれぞれにおけるスイ
ッチSW1〜SW4の状態を示す。

まず、通常ローディング時の動作について説明すると、
第２図（１）に示すように時刻t1においてカセットパッ
クをカセット挿入口から挿入すると、まずパック検知ス
イッチSW2がオンするが、このときすでにACCスイッチSW
1がオンしており電源が投入されているため、制御には
いかされない。更にカセットパックを挿入すると時刻t2
で挿入開始スイッチSW3がオンし制御回路１はローディ
ングモータ２に制御信号を送出しカセットパックの挿入
動作を開始する。時刻t3でカセットパックが再生位置に
セットされると挿入完了スイッチSW4がオンし制御回路
１はローディングモータへの制御信号の送出を停止して
モータを停止させる。これにより挿入動作が完了し、続
いて図示せぬ再生用モータを駆動して再生動作を開始す
る。その後は図示せぬFFスイッチ、REWスイッチ等の操
作に応じて各種ソレノイド３を制御する。尚、時刻t3で
パック検知スイッチSW2がオフになるのは次の理由によ
る。即ち、カセットパックは所定位置まで公知の引き込
み機構により引き込まれた後、下降されることで再生位
置にセットされるが、パック検知スイッチSW2はカセッ
トパックが下降する直前までオンするように配設されて
いるからである。

第２図（２）において時刻t4でイジェクトスイッチSW5
をオンにすると制御回路１はローディングモータ２を挿
入時とは逆方向に回転させ、排出動作を開始する。即
ち、ローディングモータを駆動してカセットパックを再
生位置から上昇させることにより、時刻t5で挿入完了ス
イッチSW4がオフになり、またパック検知スイッチSW2が
オンする。更にカセット挿入口へ向けて排出駆動され、
やがて時刻t6で挿入開始スイッチSW3がオフすると、ロ
ーディングモータ２への制御信号の送出を停止し、排出
動作を完了する。カセットパックを抜き取らない限りカ
セットパックはその排出位置で保たれ、従ってパック検
知スイッチSW2はオンのままである。しかし、時刻t7で
カセットパックを抜き取るとパック検知スイッチSW2は
オフになる。

次に、第２図（３）を用いて電源投入時の動作を説明す
る。時刻t8でACCスイッチSW1をオンにすると制御回路１
がプログラム制御を開始する。このときカセットパック
が抜き取られておらず、従ってカセットパックが前記排
出位置に存在すると、パック検知スイッチSW2はオンに
なっているため、ACCスイッチSW1のオンと同時にパック
検知スイッチSW2の出力が立ち上がる。制御回路１は動
作開始時にパック検知スイッチSW2の状態をみてオンで
あればローディングモータ２に制御信号を送出して挿入
動作を開始する。その後の動作は第２図（１）と同様で
ある。しかし、カセットパックが抜き取られていてACC
スイッチSW1のオン時にパック検知スイッチSW2がオフで
あれば挿入動作は起こらず、カセットパックを手挿入し
て挿入開始スイッチSW3をオンにしてはじめて挿入動作
を開始する。

第３図は制御回路１の詳細な動作を示すフローチャート
である。前述のようにACCスイッチSW1をオンにして電源
を投入するとステップS1に移りフラグF1がたっているか
判断される。フラグF1は電源投入時にのみパック検知ス
イッチSW2の状態を見るためのものであり、電源投入時
はリセットされて“0"のためステップS2に移りフラグF1
をたててステップS3に移る。ステップS3ではパック検知
スイッチSW2がオンか否かが判断され、オフであればス
テップS1に戻る。オンであれば、即ち電源投入時にカセ
ットパックが排出位置に存在すればステップS5に移って
挿入動作を開始する。また、ステップS1においてフラグ
F1がたっていれば、即ち電源投入以降はステップS4に移
り挿入開始スイッチSW3がオンになるまで待機し、オン
になるとステップS5に移り前述の挿入動作を開始する。
即ち、ステップS5、S6で挿入完了スイッチSW4がオンに
なるまでローディングモータ２に制御信号を送出し挿入
完了スイッチSW4がオンになることでカセットパックが
再生位置にセットされたことを検出するとステップS7で
ローディングモータ２への制御信号の送出を停止する。
以上で挿入動作が完了し次いでステップS8で再生動作に
移行させる。

ステップS9ではイジェクトスイッチSW5がオンであるか
否かが判断され、オンでなければステップS10に移っ
て、図示せぬFFスイッチ、REWスイッチ等の他の操作ス
イッチが操作されたとき、それに対応する処理を行いス
テップS8に戻る。イジェクトスイッチSW5がオンになる
とステップS9からステップS11に移り、排出動作を開始
する。即ちステップS12で挿入開始スイッチSW3がオフに
なるまでローディングモータ２に逆回転用の制御信号を
送出する。スイッチSW3がオフになるとステップS13に移
って制御信号の送出を停止し、ステップS1に戻る。以上
で排出動作を完了する。

以上の説明ではオートローディング式カセットデッキを
例にとったが、CDプレーヤ、ビデオデッキ等の音響機器
にも適用可能なことは言うまでもない。

考案の効果 以上、詳細に説明したように本考案によれば、記録担体
が排出位置にある状態で電源が投入されれば自動的に挿
入動作を開始するよう構成したため、操作性が向上す
る。また、電源投入以後は記録担体が排出位置にあるだ
けでは自動挿入は開始せず、排出位置から記録担体を押
し込むことで始めて自動挿入を開始するため、記録担体
を排出すると再び自動挿入されるという不具合を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブロック図、第２図は
タイミングチャート、第３図はフローチャートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録担体が排出位置から押し込まれたこと
   を検出する挿入開始スイッチと、該挿入開始スイッチに
   より記録担体が押し込まれたことが検出されたとき該記
   録担体を再生位置まで自動的に挿入し排出時は前記挿入
   開始スイッチの状態が反転する前記排出位置まで前記記
   録担体を自動的に排出するローディング機能とを備えた
   オートローディング式音響機器において、 前記記録担体が前記排出位置に存在することを検出する
   記録担体検知スイッチと、 電源投入時か否かを検出する電源投入検出手段と、 該電源投入検出手段で電源投入時であることが検出され
   たときは該記録担体検知スイッチの状態を識別して前記
   排出位置に該記録担体が存在することを検出したとき自
   動的に前記記録担体の挿入を開始する電源投入時ローデ
   ィング手段と、 該電源投入検出手段で電源投入以後であることが検出さ
   れたときは前記記録担体検知スイッチの状態に関係なく
   前記挿入開始スイッチの状態を識別して前記記録担体が
   押し込まれたことを検出したとき自動的に前記記録担体
   の挿入を開始する通常ローディング手段とを備えること
   を特徴とするオートローディング式音響機器。