JPH0731265B2 - 核燃料ペレットの製造法 - Google Patents

核燃料ペレットの製造法

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JPH0731265B2
JPH0731265B2 JP1064868A JP6486889A JPH0731265B2 JP H0731265 B2 JPH0731265 B2 JP H0731265B2 JP 1064868 A JP1064868 A JP 1064868A JP 6486889 A JP6486889 A JP 6486889A JP H0731265 B2 JPH0731265 B2 JP H0731265B2
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和俊 渡海
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は原子力用セラミックスの製造方法、特に結晶粒
径が大きく、かつクリープ速度の大なる核燃料ペレット
の製造法に関するものである。
(従来の技術) 高燃焼度用UO2ペレットはFP(核分裂生成物)保持性が
良好なこと及びPCMI(ペレットと被覆管の機械的相互作
用)特性が良好なこと、即ちPCMIを軽減できることが求
められ、前者に対しては結晶粒径を大きくすること、後
者に対しては軟らかいペレットとすることが試みられて
いる。
ところで従来、かかるペレットの製造に際し二酸化ウラ
ン(UO2)燃料へ種々の添加物を添加し上記の如きペレ
ット製造を目指すことが進められ、(1)特開昭55−27
941号公報,(2)特開昭55−27942号公報,(3)特公
昭54−8837号公報,(4)特公昭63−16716号公報,お
よび(5)特開昭63−73189号公報などにその幾つかが
開示されている。
即ち、(1)特開昭55−27941号公報ではUO2に少なくと
も1種の容易に固溶せず、粒界に析出する特性のある添
加物を加えることが、また(2)特開昭55−27942号公
報ではUO2にAl2O3,BeO,CaO,MgO,SiO2,Na2O,P2O5から2
種以上を0.2〜5%添加することが、更に(3)特公昭5
4−8837号公報ではUO2に核分裂生成物不動化用添加剤と
してケイ酸アルミ,ケイ酸カルシウム,ケイ酸マグネシ
ウム,SiO2−Al2O3−MgO,SiO2−Al2O3−CaO,チタン酸ア
ルミ,チタン酸ケイ素,CaO−SiO2−チタン酸塩等を加え
ることが夫々示されている。
また、(4)特公昭63−16716号公報ならびに(5)特
開昭63−73189号公報では上記UO2にAl2O3,BeO,CaO,MgO,
SiO2,Na2O,P2O5から2種以上の外、更にNb2O5,TiO2を添
加することが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の如き添加物添加の方法においてNb
2O5,TiO2等を添加したものは径が大きく、かつPCMI特性
も良好となるが、Nb2O5,TiO2等の残存のため、FP保持性
の改善はあまり望むことが出来ない難があり、また、Si
O2,Al2O3等の粒界析出特性のあるものと上記Nb2O5,TiO2
等の粒径増大効果のある添加物を組み合わせる方法は複
雑で好ましくない。
一方、ペレット製造に際し、高温長時間焼結を行うこと
は粒径は大きくなるが硬くなり、PCMI特性を低下させる
結果を招来する。
なお二酸化ウラン燃料へAl2O3やSiO2を単味で添加して
特性の改良を試みた例も従来より数多くあるが、いずれ
も望ましい結果は得られておらず、結晶粒径の粗大化に
ついて言及しているものは殆ど見当たらない。
本発明は上述の如き現状に即応しUO2に対するAl2O3とSi
O2の添加量を特定範囲に規定することにより結晶粒径を
大ならしめると共にやわらかいペレットの製造を可能に
し、FP保持性ならびにPCMI特性をより一層向上せしめる
ことを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 即ち、上記目的に適合する本発明の特徴は、ウラン,プ
ルトニウムの少なくとも1つの元素の二酸化物または前
記物質にガドリニアを添加した核燃料物質にAl2O3およ
びSiO2を添加し核燃料ペレットを製造するにあたり、前
記Al2O3およびSiO2の添加総量を0.05%以上で0.1%未
満、かつAl2O3とSiO2の重量比を1:1〜30:1の範囲、また
は、Al2O3およびSiO2の添加総量を0.1%〜0.4%、かつA
l2O3とSiO2の重量比を3:2よりも比率差が大で30:1以下
の範囲としてそれらを混合した粉末を成型し、のち、水
素を含む還元雰囲気で酸素ポテンシャルの調整のために
本体雰囲気ガス流量に対して40〜70℃の飽和水蒸気を含
むキヤリヤーガスを体積率で1〜10%添加し、1600〜17
50℃で2〜6時間焼結することにある。
ここで成型後の雰囲気は上記の場合、水素を含む還元雰
囲気であるが、酸素濃度100ppm以下の微酸化雰囲気下例
えば酸素を微量含むCO2雰囲気下又はCO2/CO雰囲気下で
あっても差し支えなく、請求項2記載の方法はかかる場
合である。
更に請求項3記載の方法は上記各方法におけるAl2O3
よびSiO2の添加の態様であり、ケイ酸アルミニウム又は
ケイ酸アルミニウムにAl2O3を添加することによって行
うことを特徴としている。
また、成型にあたっては混合粉末を4.5g/cm〜6.5g/cm
となるように成型することが好適である。
(作用) 上記の方法により核燃料ペレットの製造するときは種々
の添加物を添加することなく、簡単な方法であるにかか
わらずインターセプト法による平均結晶粒径が30〜60μ
mの大ペレットで、かつクリープ速度が粒径補正をしな
くても、5×102〜103倍程度大きなペレットを得ること
を可能とする。
以下、本発明の具体的な実施例につき説明する。
(実施例1) UO2粉末に(Al2O3,SiO2)を夫々、(0.1%,0.05%),
(0.1%,0.01%)添加し、粉砕混合により十分混ぜ合わ
た後、乾式造粒を行い、のち、この造粒粉を用いて5.5g
/cm〜6.0/cmとなるように成型した。
次いで、この成型体を60℃の飽和水蒸気を含むN2ガスを
5%前後含有するアンモニア分解ガス(3H2/N2の混合ガ
ス)中、1700℃にて3時間焼結を行い焼結体を得た。
この焼結体の密度は(Al2O3,SiO2)の添加量増加に従
い、低下する傾向にあり、結径は添付顕微鏡写真図面を
参照し、 第1図 第2図 (0.1%,0.05%)>(0.1%,0.01%) (40〜60μm) (20〜30μm) 密度(10.55g/cm ) 密度10.66g/cm の如くであった。
これら結果よりNb2O5,TiO2等、結晶粒粗大化効果を有す
る添加物を添加するまでもなく、充分、結晶粒径の大き
な大粒径ペレットが得られることが分かる。
(実施例2) UO2粉末に(Al2O3,SiO2)を(0.3%,0.1%),(0.3%,
0.05%),(0.3%,0.01%)夫々添加し、実施例1と同
様な方法で焼結し、焼結体を製造した。
この場合も、焼結体密度を測定したところ、(Al2O3,Si
O2)の添加量増加に従い、次第に低下した。
そして結晶粒径は、 であった。
次に上記実施例1,2で得られた各焼結体を試料として140
0℃,45MPaの高温クリープ試験を実施したところ、これ
らは何れの場合も粒径補正を行なわなくても無添加UO2
に比して5×102〜103倍のクリープ速度を有しており、
頗るすぐれたセラミック燃料であった。
(比較例) UO2粉末にAl2O3,SiO2を前者を0.1%、後者を0.3%でSiO
2添加量を多く添加し、実施例1と同様な方法で焼結体
を製造した。得られた焼結体の結晶粒度を測定したとこ
ろ、10μm前後であり粗大化は認められなかった。
次に上記焼結体を実施例4に記載した方法でクリープ試
験を実施したところ無添加UO2に比し50倍程度のクリー
プ速度に止まっていた。
(発明の効果) 本発明は以上のように核燃料物質にAl2O3およびSiO2
添加し核燃料ペレットを製造するに際しAl2O3およびSiO
2の添加総量を0.05%以上で0.1%未満、かつAl2O3とSiO
2の重量比を1:1〜30:1の範囲、または、Al2O3およびSiO
2の添加総量を0.1%〜0.4%、かつAl2O3とSiO2の重量比
を3:2よりも比率差が大で30:1以下の範囲として成型
し、焼結する方法であり、上記の如くAl2O3とSiO2の量
を規定することによりAl2O3とSiO2を添加するだけでよ
り簡単に、より少量の添加物で高燃焼度UO2ペレットに
要求される大粒径かつ大クリープ速度のセラミック燃料
を得ることが可能となり、FP保持性ならびにPCMI特性の
改善に顕著な効果を奏し、今後に関心がもたれる上記高
燃焼度UO2ペレットの工業的かつ経済的製造分野にその
適用が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第2図はAl2O3およびSiO2の各割合に対応
した焼結体の結晶粒径を示す顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウラン,プルトニウムの少なくとも1つの
    元素の二酸化物または前記物質にガドリニアを添加した
    核燃料物質にAl2O3およびSiO2を添加し核燃料ペレット
    を製造するにあたり、前記Al2O3およびSiO2の添加総量
    を0.05%以上で0.1%未満、かつAl2O3とSiO2の重量比を
    1:1〜30:1の範囲、または、Al2O3およびSiO2の添加総量
    を0.1%〜0.4%、かつAl2O3とSiO2の重量比を3:2よりも
    比率差が大で30:1以下の範囲として、それらを混合した
    粉末を成型し、のち、水素を含む還元雰囲気で本体雰囲
    気ガス流量に対して40〜70℃の飽和水蒸気を含むキヤリ
    ヤーガスを体積率で1〜10%添加し、1600〜1750℃で2
    〜6時間焼結を行うことを特徴とする核燃料ペレットの
    製造法。
  2. 【請求項2】ウラン,プルトニウムの少なくとも1つの
    元素の二酸化物または前記物質にガドリニアを添加した
    核燃料物質にAl2O3およびSiO2を添加し核燃料ペレット
    を製造するに際し、前記Al2O3およびSiO2の添加総量を
    0.05%以上で0.1未満、かつAl2O3とSiO2の重量比を1:1
    〜30:1の範囲、または、Al2O3およびSiO2の添加総量を
    0.1%〜0.4%、かつAl2O3とSiO2の重量比を3:2よりも比
    率差が大で30:1以下の範囲として、それらを混合した粉
    末を成型し、成型後、酸素濃度102ppm以下の微酸化雰囲
    気にて1600〜1750℃で2〜6時間焼結を行うことを特徴
    とする核燃料ペレットの製造法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の方法において、Al
    2O3とSiO2の添加をケイ酸アルミニウムまたはケイ酸ア
    ルミニウムにAl2O3を添加する方法で行うことを特徴と
    する核燃料ペレットの製造法。
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