JPH07312516A - アンテナ用防雪装置 - Google Patents

アンテナ用防雪装置

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JPH07312516A
JPH07312516A JP12585994A JP12585994A JPH07312516A JP H07312516 A JPH07312516 A JP H07312516A JP 12585994 A JP12585994 A JP 12585994A JP 12585994 A JP12585994 A JP 12585994A JP H07312516 A JPH07312516 A JP H07312516A
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antenna
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resin molded
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grooves
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勝海 高木
Hirotaka Murakami
浩隆 村上
Kouichi Nousei
幸一 能生
Noboru Otani
昇 大谷
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NHK Integrated Technology Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】雪や雨によるアンテナの性能劣化を防止できる
上に、構造が簡単で、アンテナに対する取付けや取外し
も簡単で、低価格なアンテナ用防雪装置を提供する。 【構成】アンテナ素子の周囲を発泡樹脂成形体で包囲
し、発泡樹脂成形体の周りを膜状の防水カバーで覆っ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屋外に設置したアンテナ
の素子等への雪や雨の付着を防止するためのアンテナ用
防雪装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン電波で代表される電磁波の
送信用アンテナや受信用アンテナにおいては、アンテナ
の素子に雪が付着すると、積もった雪の重みでアンテナ
素子が折れたりするほか、利得の低下や指向性の変化な
どの電波障害が生ずる。この傾向は水分含有率の高いい
わゆるベタ雪の場合に影響が著しい。このようなアンテ
ナの防雪対策として、従来、VHF,UHF,マイクロ
波帯のアンテナについてはFRPや合成樹脂などの硬質
材料を用いて偏平状や円筒状に形成した容器状ケースを
被せるようにしており、またリングアンテナについては
FRPで成形した茶筒状硬質カバーでリング状アンテナ
素子を外囲するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先行技術の防雪装置は
いずれも雪や雨によるアンテナの性能劣化を防ぐ効果に
は欠点はない。しかしながら、アンテナ素子を含む電磁
波のエネルギー伝播空間を中空構造にしている関係か
ら、ケースやカバーの取り付けにビス、ナットなどが不
可欠である。このため部品数が多くなるとともに構造が
複雑化したり、取付け作業が煩雑化し、またFRPとい
った高価な材料を使用することとあいまってコスト高に
なるという問題があった。ことにリングアンテナ用の防
雪装置ではアンテナ素子をいちいち分解して装着しなけ
ればならないため作業性が悪く、既設のアンテナに着脱
することができない。このため放送中にアンテナの点検
を容易に行えないという問題があった。
【0004】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、雪や
雨によるアンテナの性能劣化を防止できる上に、構造が
簡単で、アンテナに対する取付けや取外しも簡単で、低
コストで実施できる実用性の高いアンテナ用防雪装置を
提供することにある。本発明による防雪装置は、極微小
電力テレビ放送局(ミニサテ)に使用される送・受信用リ
ングアンテナのほか、多素子受信用リングアンテナ、B
S受信アンテナなどのパラボラアンテナ、ダイポールタ
イプの一般用、共聴用受信アンテナなど電磁波送受信用
アンテナ全般に適用することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、アンテナ素子の周囲を発泡樹脂成形体で包囲
し、前記発泡樹脂成形体の周りを膜状の防水カバーで覆
ったものである。アンテナ素子がリング状やバー状であ
るような場合には、発泡樹脂成形体はアンテナシャフト
とアンテナ素子にそれぞれ対応する溝ないしスリット
(以下溝と表現する)を備えた複数の分割体から構成する
ことが好ましい。またパラボラアンテナで代表されるよ
うにアンテナがカップ状ないしほう物面状であるような
場合には、発泡樹脂成形体は、反射素子に対応する曲率
状の凸面部を有し、その凸面部が主放射素子に対応する
寸法形状の穴を有している構成とすることが好ましい。
膜状の防水カバーは取扱いなどの点から耐侯性のある防
水シート類が好適である。
【0006】
【作用】本発明はアンテナ素子近傍の実効開口面(実効
開口空間)を中空とすることが防雪装置として必要条件
であるとの発想を転換し、中空構造でなく中実的な構造
で防雪効果の実現を図ったものである。すなわち、その
中実材料として発泡樹脂を使用すれば比重が小さいの
で、これをアンテナ素子のごく近傍まで充填しても、発
泡樹脂で満たされた空間の波長短縮率はほとんど1に近
く、したがってアンテナ利得、指向性およびインピーダ
ンスの変化は微少である。そして、発泡樹脂成形体は比
重が小さいため、アンテナに取り付けても荷重の付加に
より強度を損なうことはなく、また、発泡樹脂成形体は
比重に比較して機械的強度が強く、水分の透過性が低
く、耐侯性が高い。したがって、柔軟な膜状防水カバー
を使用してもこれの安定した支えとして機能することが
でき、アンテナ素子への雪、雨、紫外線の影響を軽減す
ることができ、また鳥害などの環境耐久性も改善するこ
とができる。
【0007】本発明は、対象とするアンテナ素子がリン
グタイプやバータイプである場合には、発泡樹脂成形体
を複数の分割体から構成し、それら分割体にアンテナシ
ャフトとアンテナ素子を容入し得る溝を設けるものであ
る。このような構成とすることにより、いちいちアンテ
ナ素子を分解する必要がなく、アンテナ素子を外方から
発泡樹脂成形体で挟み込み、その外周を防水カバーで包
むだけでよいため、取り付け取外しが簡単である。その
防水カバーとして、発泡樹脂成形体の周面を覆うシート
部体に発泡樹脂成形体の両端部を覆うキャップ状部体の
所要範囲を定着した構造のものを使用すれば、部品数が
少なくなるため取扱いや装着が容易となるとともに、確
実な防水効果を得ることができる。また、アンテナ素子
がパラボラアンテナのような凹入形状の場合にも、発泡
樹脂成形体が反射素子に対応する曲率状の凸面部を有
し、その凸面部に主放射素子に対応する寸法の穴を設け
ているため、穴を主放射素子に嵌めあわせるように凸面
部を反射素子に装填し、発泡樹脂成形体の外周を防水カ
バーで包むだけで足り、装着が簡単である。布製のシー
トでパラボラアンテナを包むだけでは雪の重みでシート
がたるんでしまうため放射素子に荷重がかかったりし、
これを軽減すべくシート展張力を強くすると、鋭い物体
の接触や衝突によりシートが裂けてしまったりする。し
かし本発明ではバックアップ材として発泡樹脂成形体が
凹入部内に充填され、これの外面に防水カバーが張られ
るため、雪の重みにより変形したり伸びることがなく、
長期にわたって安定した防雪効果をあげることができ
る。いずれにしても、発泡樹脂成形体は金型により自由
な形状に量産することができ、部品数が少ないことと相
俟って低コスト化を実現することができる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1ないし図6は本発明をリングアンテナの防雪
装置に適用した実施例(第1実施例)を示している。1は
マスト13に取付け金具14により固定されたアンテナ
であり、シャフト10に複数個のリング状のアンテナ素
子11を支持金具12により所定間隔で取り付けてお
り、アンテナ素子11の数個には整合器を含む給電部1
7が接続されており、給電部17にはフィーダまたは同
軸ケーブル18が接続されている。2は本発明による防
雪装置であり、2個に分割された発泡樹脂成形体3,3
と、それら発泡樹脂成形体3,3をスッポリと覆う防水
カバー4からなっている。
【0009】前記発泡樹脂成形体3,3は、発泡スチロ
ールが防水性や誘電特性の面および価格などの面から好
適であるが、これ以外にも波長短縮率の低下がわずかで
また損失の少ない材質であれば、他の種類の気泡構造を
持つ樹脂を使用することができる。発泡樹脂成形体3,
3は、この実施例では合わせ面30,30を接面させた
ときに全体として円柱状となるように割円状断面に構成
されている。各合わせ面30,30には、シャフト10
の半断面に対応する形状寸法の溝31が長手方向に貫設
されるとともに、この支持用溝31と直交する方向に
は、リング状アンテナ素子11の半部を容入するに十分
な深さと幅の溝32が所定間隔ごとに形成されている。
さらにまた、前記溝31に隣接した部位には給電部17
の半部を容入するに十分な深さと幅の溝32’が形成さ
れており、端部位置にはフィーダまたは同軸ケーブル1
8に対応する溝33が形成されている。対をなす溝3
2,32は発泡樹脂成形体3,3の合体時に空室aを構
成し、対をなす溝31,31はシャフト10の外面に接
する穴bを構成する。そして、溝32と同一平面上の溝
31の底部には、アンテナ素子11の支持金具12の構
成要素たとえばねじやナット120を容入する凹部35
が設けられ、この凹部35の底側には水抜き穴を得るた
めの細溝34が合せ面30の外縁に達するように形成さ
れている。
【0010】膜状の防水カバー4は、取扱いの容易さと
形状の自由度の点から、好適には耐侯性の良好なシート
類が用いられる。このシート類の素材としては、綿や合
成繊維布地を防水加工した防水帆布ないしテント用布
や、ガラスクロスで代表される無機質繊維布地に防水被
膜を施したもの、あるいは耐侯性と強度の高い樹脂フィ
ルム(ラミネートフィルムを含む)などが挙げられる。前
記防水カバー4は、合体した発泡樹脂成形体3,3を包
囲するに十分な面積を有していることが必要である。こ
の実施例では防水カバー4は、図5のように、発泡樹脂
成形体3の長さ寸法とほぼ同等の幅を持つ周面包囲用の
シート部体40と、発泡樹脂成形体3,3の直径とほぼ
同じ内径を持つ端部覆い用の2つのキャップ状部体4
1,41とからなっている。前記キャップ状部体41,
41はシート部体40の両端中央部に位置され、所要範
囲が定着されている。詳しくは、それぞれのキャップ状
部体41,41は、合体した発泡樹脂成形体3,3の長
手方向端面に対応する寸法形状の面部410の外縁に環
状部411を連設しており、環状部411の所要範囲た
とえば周長の1/4〜1/2がシート部体40に縫着な
いし接着されている。面部410と環状部411には反
定着側に前記シャフト10と嵌め合わせるための切欠き
412が形成されている。切欠き412はこの実施例で
はU状であるが、線状のスリットの先に円形穴を形成し
た形状であってもよい。
【0011】前記周面包囲用のシート部体40は係合手
段によりキャップ状部体41,41の定着領域以外の部
分と接離可能であり、また好ましくはシート部体40の
自由端同士も係合手段により接離可能である。係合手段
としては粘着剤層を使用してもよいが、耐久性などの面
からこの実施例ではループ糸群(雌片)とフック糸群(雄
片)とで対をなす繊維製ファスナー(商品名:マジックテ
ープ)が用いられている。まず、キャップ状部体41,
41の各環状部411の外面には繊維製ファスナーの片
側ファスナー42が取り付けられている。そして、シー
ト部体40の内面側には両端縁部に沿って繊維製ファス
ナーの他側ファスナー42’が取り付けられ、合体した
発泡樹脂成形体3,3を覆う際に前記環状部411,4
11片側ファスナー42と接合されるようになってい
る。シート部体40は自由端同士が適度にラップし得る
寸法を有し、一方の自由端内面には繊維製ファスナーの
片側ファスナー42が取り付けられ、他方の自由端外面
には繊維製ファスナーの他側ファスナー42’が取り付
けられ、またシート部体40のより確実な形状保持と離
間防止を図るため、各自由端外面には結縛用の紐44,
44が取り付けられている。そして、シート部体40の
各自由端領域には、発泡樹脂成形体3,3の細溝34,
34に対応する部位に穴ないし切欠き401が設けら
れ、細溝34,34の合体により形成される水抜き穴を
通った水分を外部に排出しやすくするようにしている。
【0012】図7と図8は本発明をパラボラアンテナの
防雪装置に適用した実施例(第2実施例)を示している。
アンテナ1はカップ状に凹入した反射素子15の中心に
棒状の主放射素子16を突設しており、防雪装置2は、
発泡樹脂成形体3と該発泡樹脂成形体3をスッポリと覆
う防水カバー4からなっている。発泡樹脂成形体3は前
記実施例1と同じ材質からなっており、反射素子15と
同等かまたは適度に大きな径の円板状をなす基部36
に、反射素子15の曲率とほぼ合致した曲率の凸面部3
7が設けられている。そして凸面部37の頂部から軸線
方向には主放射素子16を容入するに十分な径と深さの
穴370が形成されている。防水カバー4も第1実施例
と同じ材質のシートが用いられ、基部36の径に対応す
る径の面部410に環状部411を連設することにより
全体としてキャップ状に構成されている。そして、環状
部411の前端には突片414が所定間隔ごとに設けら
れ、それら突片414に絞り結縛用の紐44が挿通され
ている。
【0013】図9は本発明をUHF受信用の八木形アン
テナに適用した実施例(第3実施例)を示している。アン
テナ1はシャフト10にバー状のアンテナ素子11を平
行配列しており、2つ割りの発泡樹脂成形体3,3はこ
の実施例では合体時に断面が横楕円形ないしは長円形の
柱体となるような形状に構成されており、第1実施例と
同様に合せ面30,30に、支持用溝31と素子容入用
溝32が形成されている。発泡樹脂成形体3,3の他の
構成と防水カバー4の構成は実施例1と同じであるから
重複を避けるため説明は省略する。
【0014】なお、第1実施例と第3実施例における防
雪装置2は、アンテナ1の全部のアンテナ素子11を包
囲する構造であることは必ずしも必要としない。すなわ
ち、図1や図2のようにシャフト先端側の1つ以上のア
ンテナ素子11を覆わずに露出させてもよい。これは風
圧荷重を軽減する上で効果的である。また、第1実施例
と第3実施例では発泡樹脂成形体3,3が2つ割りであ
るが、3つ割りないしそれ以上としてもよい。第2実施
例では発泡樹脂成形体3が単一であるが、これに限らず
2つ割り以上としてもよい。さらに樹脂が発泡時の発熱
が少ない材質である場合には、適宜アンテナ1を型枠で
外囲して樹脂を充填発泡させるいわゆる現場発泡を採用
してもよい。また、溝32は必ずしも各アンテナ素子1
1ごとに別れていることは必要ではなく、複数個のアン
テナ素子を包囲し得る大きさの溝であってもよい。
【0015】複数の発泡樹脂成形体3,3はそれぞれが
完全に独立していてもよいが、図10のように二つの発
泡樹脂成形体3,3をヒンジ部材36によって開閉可能
に連結してもよい。こうすれば、部品数をさらに減少さ
せてアンテナに対する取付け取外しなどの取扱いが容易
となる。ヒンジ部材36は発泡樹脂と接着性のある帯状
片簡便には粘着テープが用いられる。また、複数の発泡
樹脂成形体3,3は、必要に応じて図10の仮想線で示
すように、溝31,32,32’を外れた合せ面30,
30に位置決め用ないし結合用の突部301と凹部30
2を有していてもよい。さらに第1実施例と第3実施例
における防水カバー4は、部品数が多くなるがシート部
体40とキャップ状部体41,41とが別体となってい
てもよい。この場合には、環状部411の全周に片側フ
ァスナー42が取り付けられる。この態様の場合には、
キャップ状部体41,41は合体した発泡樹脂成形体
3,3の端部に装着され、その状態でシート部体40が
装着されることによりキャップ状部体41,41と一体
化され、発泡樹脂成形体3,3の全周を包囲する。ま
た、キャップ状部体41,41を分離した態様におい
て、シート部体40を装着し、その状態でキャップ状部
体41,41をシート部体40の両端部と所要範囲ラッ
プするように外囲させてもよい。この場合にはシート部
体40は予め筒状に作られていてもよい。キャップ状部
体41,41の固定手段としては紐が適している。さら
に、キャップ状部体41,41を分離する態様と、前記
したヒンジ構造とを組み合わせてもよい。図11はこの
例を示しており、2つ割りの発泡樹脂成形体3,3は予
め外周にシート部体40の自由端部を除く所要範囲が接
着剤によって接着されており、このシート部体40が同
時に2つ割りの発泡樹脂成形体3,3のヒンジを兼ねて
いる。この場合にはシート部体40の第1自由端の内面
と第2自由端の外面に繊維製ファスナーの片側42と他
側42’を取り付けておく。キャップ状部体41,41
は環状部411,411の口縁側が反転縫着されこれに
より形成された穴部に結縛用の紐44が通されている。
この態様は部品数も少なく、装着作業も、図11の状態
からシート部体40の自由端を左右に引っ張って発泡樹
脂成形体3,3を拡開し、その間にアンテナ1を挟み、
ついでシート部体40の自由端同士を重ねて接合し、キ
ャップ状部体41,41を筒状化したシート部体40の
両端に外嵌し、紐44,44を絞って結縛すればよいた
め簡単である。なお、実施例では発泡樹脂成形体3,3
の断面形状(したがって防水カバー4の形状)を円形状と
しているが、これに限らず多角形状など任意である。
【0016】
【実施例の作用】次に実施例の作用を説明する。第1実
施例においては、図5の状態から発泡樹脂成形体3,3
をアンテナ1を両側から挟むように装着する。こうすれ
ば、発泡樹脂成形体3,3の合せ面30,30に開口し
ている各対の溝32,32によって偏平状の空室aが複
数個形成されるため、各アンテナ素子11は各空室aに
それぞれすっぽりと容入され、また溝32’32’によ
って給電部17が容入される。それとともに合せ面3
0,30が接触ないし接近することによりシャフト10
に溝31,31が外嵌され、これにより発泡樹脂成形体
3,3は少なくとも長手方向の前部と後部がシャフト1
0との接触によって安定的に支持される。また溝33,
33の合体によりフィーダまたは同軸ケーブル18も包
み込まれる。この状態が図6であり、次いで防水カバー
4を装着する。すなわち、両端のキャップ状部体41,
41の切欠き部412,412をシャフト10に嵌め合
わせ、次いで、柱状となった発泡樹脂成形体3,3の端
部に環状部411,411を外嵌させ、この状態でシー
ト部体40を発泡樹脂成形体3,3の周面に沿わせる。
こうすれば、繊維製ファスナーの他側ファスナー4
2’が環状部411外面の片側ファスナー42と係合す
るためシート部体40とキャップ状部体41は確実に一
体化される。引き続き、シート部体40の両自由端部を
重ね合わせれば、繊維製ファスナー42,42’の係合
によってシート部体40は発泡樹脂成形体3,3の外周
面に密接する円筒となり、紐44,44を結縛すること
によりさらにしっかりと発泡樹脂成形体3,3に固定さ
れる。
【0017】第2実施例の場合には、まず、発泡樹脂成
形体3の凸面部37を反射素子15に装填する。こうす
れば凸面部37が反射素子15に接近または接触し、凸
面部37の頂部に設けられている穴370に主放射素子
16が容入される。そこであとは基部36に防水カバー
4を被せ、反射素子15の裏側で紐44を引き絞って結
縛すればよく、これで図7のように安定な防雪装置が得
られる。
【0018】以上の説明から明らかなように、本発明の
防雪装置2は取付けにあたってアンテナ素子を分解する
必要なく、ねじなどの機素やこれを回動する工具も要さ
ない。したがって、既設のアンテナにもきわめて簡単、
迅速に装置することができる。また、アンテナの開角が
70度以下でも装着することができる。特にミニサテラ
イト用の送受信アンテナに適用した場合には、着脱が容
易なためアンテナの点検を放送中に簡単に実施すること
ができるメリットがある。使用状態においては、図2な
いし図4のようにアンテナ素子11は発泡樹脂成形体
3,3で包まれ、その発泡樹脂成形体3,3が防水カバ
ー4で被覆されている。発泡樹脂成形体3,3は軽量で
あるためアンテナ1に対する付加荷重はほとんどなく、
比重の割りに強度が高い。従って保形性の乏しい防水カ
バー4は発泡樹脂成形体3,3の良好なバックアップ作
用により安定した所定形状に保たれ、雪が付着しても十
分な耐久性と耐侯性を得ることができ、アンテナ素子1
1に対する雪や雨水の付着と紫外線の照射を防止するこ
とができる。図5のようにキャップ状部体41,41の
使用時に上部となるべき所要範囲をシート部体40に定
着させておいた場合には、キャップ状部体41,41と
シート部体40間に隙間が生じないため、雪や雨水の浸
入を的確に防止することができる。また、万一、水分や
湿気が浸入しても発泡樹脂成形体3,3は吸水、吸湿性
がないため濡れにくく、合せ面30,30の隙間から空
室aに水分が入っても、空室aの下部側は凹部35に通
じており、この凹部35に細溝34,34により水抜き
穴が形成されているためここから容易に外部に排出する
ことができる。
【0019】さらに、発泡樹脂成形体3,3は比重が小
さいため、波長短縮率の低下は少なく、たとえば、発泡
スチロールの場合には約99.1%であり、しかもアン
テナは広帯域であるから、比帯域を考慮すれば同調点の
移動は実用上無視することができる。本発明者らは、発
泡スチロールを使用してかまぼこ状断面の発泡樹脂成形
体3,3を作り、防水カバーとしてテント用防水布を使
用して、図5に示すように2つのキャップ状部体をシー
ト部体の両端部に定着した構造のものを作った。そして
かかる防雪装置をミニサテライト用の送信用5素子リン
グアンテナ(直径約25cm、長さ約50cm)に装着した
ところ、本発明防雪装置を取り付けた場合と取り付けな
い場合のアンテナ利得、指向性および、710〜764MHzで
のインピーダンス特性の変化はきわめて微少であった。
受信電圧の変化は、防雪装置を取り付けない場合に4〜
8dBの低下が認められたが、本発明防雪装置を取り付け
た場合、0.5dB以下とほとんど低下が認められなかっ
た。
【0020】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、発泡樹脂成形体を利用してアンテナ素子を包むよう
に取付け、この発泡樹脂成形体を支えとして膜状の防水
カバーを包囲させるため、利得の低下防止、指向性の変
化防止などの防雪効果を、簡単な構造により実現するこ
とができるとともに、ねじやナットなどの部材や工具を
要さずまたアンテナ素子を分解する要なく着脱できるた
め、作業性と作業能率を向上することができる。発泡樹
脂成形体は軽量で、自由な形に低コストで量産すること
ができるので、リングタイプ、パラボラタイプ、バータ
イプなどあらゆるアンテナの形状に簡単かつ経済的に対
応することができ、部品数が少ないことと相俟って汎用
性の高い低コストな防雪装置とすることができるなどの
すぐれた効果が得られる。請求項2によれば、リングタ
イプやバータイプのアンテナに好適な、構造簡易、装着
簡易、低コストな実用性の高い防雪装置を提供すること
ができるという効果が得られる。請求項3によれば、パ
ラボラタイプのアンテナに好適な、構造簡易、装着簡
易、低コストな実用性の高い防雪装置を提供することが
できるという効果が得られる。 請求項5によれば、請
求項2の効果に加え、水の浸入を確実に防止することが
できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す部分切欠斜視図であ
る。
【図2】第1実施例の縦断側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2の横断面図である。
【図5】第1実施例を分解状態で示す斜視図である。
【図6】第1実施例において発泡樹脂成形体をアンテナ
に装着した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す部分切欠側面図であ
る。
【図8】第2実施例を分解状態で示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す縦断正面図である。
【図10】本発明の他の態様を示す正面図である。
【図11】本発明の他の態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 防雪装置 3 発泡樹脂成形体 4 防水カバー 10 シャフト 11 アンテナ素子 15 反射素子 16 主放射素子 31 溝 32 溝 36 基部 37 凸面部 40 シート部体 41 キャップ状部体 370 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 能生 幸一 石川県金沢市大手町14−1 日本放送協会 金沢放送局内 (72)発明者 大谷 昇 石川県金沢市大手町14−1 日本放送協会 金沢放送局内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナ素子の周囲を発泡樹脂成形体で包
    囲し、発泡樹脂成形体の周りを膜状の防水カバーで覆っ
    たことを特徴とするアンテナ用防雪装置。
  2. 【請求項2】発泡樹脂成形体がアンテナシャフトに対応
    する溝とアンテナ素子に対応する溝を備えた複数の分割
    体からなっている請求項1に記載のアンテナ用防雪装
    置。
  3. 【請求項3】発泡樹脂成形体が反射素子に対応する曲率
    状の凸面部を有しその凸面部が主放射素子に対応する寸
    法形状の穴を有している請求項1に記載のアンテナ用防
    雪装置。
  4. 【請求項4】防水カバーが防水シートから構成されてい
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のアンテナ用防雪装
    置。
  5. 【請求項5】防水カバーが発泡樹脂成形体の周面を覆う
    シート部体と発泡樹脂成形体の両端部を覆うキャップ状
    部体を有し、キャップ状部体の所要範囲がシート部体に
    定着されているものを含む請求項1,2及び4のいずれ
    かに記載のアンテナ用防雪装置。
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