JP2002246836A - アンテナ - Google Patents

アンテナ

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JP2002246836A
JP2002246836A JP2001035544A JP2001035544A JP2002246836A JP 2002246836 A JP2002246836 A JP 2002246836A JP 2001035544 A JP2001035544 A JP 2001035544A JP 2001035544 A JP2001035544 A JP 2001035544A JP 2002246836 A JP2002246836 A JP 2002246836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナにおいて、電波の送受信に対する同
軸ケーブルの悪影響を抑えつつ、サイズの大型化を抑え
ることとし、また、指向性を適切に設定するとともに利
得が低下するのを防ぐ。 【解決手段】 第2実施例の無線LAN用アンテナ3に
備えられる第2支持部材51は、導電性を有する金属材
料で構成されており、また、第2支持部材51の第2嵌
合部113は、対向面113aの周囲端部から放射器3
1に向けて延設された延設部113bを備えている。こ
の延設部113bを設けることで、第2支持部材51の
表面を伝播する電波は、延設部113bの端部から外表
面に向かう方向には伝播し難くなり、電波の漏洩を防止
でき、無線LAN用アンテナの低下を抑制できる。ま
た、延設部113bは、対向面113aと共にコーナー
反射器として作用するため、サイドローブおよびバック
ローブを改善することができ、無線LAN用アンテナの
利得を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の周波数帯の
電波を送受信するためのアンテナに関するものであり、
特に、屋内で電波の送受信を行う無線LANシステムの
他、例えば、工場や学校などのように複数の建物間で電
波の送受信を行う無線LANシステムにも用いられ、放
射器および導波器を収容する収容部材を備えて構成され
るアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、放射器を導波器および反射器
で挟むように構成された所謂八木アンテナが知られてお
り、この八木アンテナに備えられる放射器は、導波器に
より呼び込まれる電波を受信し、また、導波器が備えら
れる方向に電波を送信するよう動作する。そして、アン
テナは様々な用途に用いられている。
【0003】一方、近年、工場や学校などの一定範囲内
において無線通信を行うための無線LANシステムが開
発されており、この無線LANシステムにおける電波の
送受信を行うための無線LAN用アンテナには、放射
器、導波器および反射器が備えられており、基本構成は
八木アンテナと同様である。
【0004】ここで、従来の無線LAN用アンテナ10
1の一例を図9に示す。なお、図9において、(a)は
無線LAN用アンテナ101の全体構成図であり、
(b)は(a)に示す無線LAN用アンテナ101を右
方向から見た側面図であり、(c)は無線LAN用アン
テナ101の内部構造を示す説明図である。
【0005】この従来の無線LAN用アンテナ101
は、図9(a)に示すように、内部に放射器30、複数
の導波器35および反射器112が収容された略円筒形
状の大型収容部材133と、大型収容部材133を保持
するための導電性を有する金属材料からなる支持部材1
1と、支持部材11と連結される第1固定金具15と、
第1固定金具15との間で支柱39を挟持する第2固定
金具17と、を備えている。
【0006】そして、大型収容部材133は、先端部1
33a(図9(a)における右端)および後端部133
bが開口した円筒形状(断面が円形の管状形状)であ
り、絶縁性材料であるFRPで形成されている。なお、
大型収容部材133が円筒形状であることは、図9
(b)に示す無線LAN用アンテナ101の側面図から
も判る。また、大型収容部材133は、先端部133a
がカバー134で閉塞されている。
【0007】そして、複数の導波器35は、大型収容部
材133の内部空間に固定された導波器支持部37に支
持されて一定間隔で配列されている。また、放射器30
は、ダイポールアンテナで構成されており、この放射器
30(以下、ダイポール放射器30ともいう)と同軸ケ
ーブルCAとの間には平衡−不平衡変換を行う平衡−不
平衡変換回路30a(以下、バラン30aともいう)が
備えられている。
【0008】さらに、円盤形状の反射器112は、大型
収容部材133の内部において、ダイポール放射器30
と後端部133bとの間に配置されており、反射器11
2の反射面112aとダイポール放射器30との間隔
は、無線LAN用アンテナ101が送受信する電波の波
長λの略4分の1の長さに設定されている(図9(c)
参照)。
【0009】このようにして、複数の導波器35、ダイ
ポール放射器30および反射器112が一直線上に配置
されることで、ダイポール放射器30は、導波器35の
側から飛来する電波を受信すると共に、導波器35の側
に電波を送信している。また、反射器112は、大型収
容部材133の後端部133bの側から飛来する不要な
電波がダイポール放射器30に対して流入するのを遮る
とともに、ダイポール放射器30で受信するための発信
源から飛来する電波を反射して、ダイポール放射器30
に向かわせるように動作する。
【0010】次に、支持部材11は、連結用ボルト21
によって第1固定金具15と連結固定されている。さら
に、第1固定金具15および第2固定金具17は、互い
の間で支柱39を挟持する状態で、固定用ボルト23に
より連結されている。なお、第1固定金具15および第
2固定金具17については、後述する図1に示す第1実
施例の無線LAN用アンテナ1と同様の構成であり、こ
れらの部材の説明については、第1実施例の無線LAN
用アンテナ1の説明において記載する。また、支持部材
11は、第1実施例の無線LAN用アンテナ1とほぼ同
様の構成であるが、従来の無線LAN用アンテナ101
における支持部材11は、第1固定金具15に対する方
向を変更できず、取付方向が固定となるように構成され
ている。
【0011】なお、このような従来の無線LAN用アン
テナ101は、八木アンテナの一例である地上波のテレ
ビ受信用アンテナに比べて、導波器35などの各素子が
比較的細く形成されている。そして、屋外のように風雨
にさらされる環境に設置されることがあるため、外力に
よって各素子が変形する虞がある。このことから、従来
の無線LAN用アンテナ101は、一直線上に配列され
たダイポール放射器30、複数の導波器35および反射
器112を収容する大型収容部材133を備えて、各素
子を外部に露出しないよう構成することで、各素子が外
力によって変形するのを防止している。なお、大型収容
部材133は、内部に備えられるダイポール放射器30
での電波の送受信を妨害することがないように、例えば
FRPなどの絶縁性材料で構成されている。
【0012】そして、この大型収容部材133が、後端
部133bに嵌合される支持部材11によって支持され
て、ダイポール放射器30、導波器35および反射器1
12が電波の送受信に適した方向に配列されることによ
り、無線LAN用アンテナ101は、無線LANシステ
ムでの情報伝達に用いられる電波の送受信を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9に示す従
来の無線LAN用アンテナ101においては、ダイポー
ル放射器30における同軸ケーブルCAとの接続部がダ
イポール放射器30の略中心位置であるため、同軸ケー
ブルCAを垂下させて配線した場合、大型収容部材13
3の内部において、同軸ケーブルCAが、ダイポール放
射器30の近傍で偏波面と同じ方向に配線されることに
なる。そして、電波の送受信方向における放射器の近傍
において偏波面と同じ方向に配置される導電性材料は、
その放射器における電波の送受信に影響を及ぼすことか
ら、垂下させて配線した同軸ケーブルCAは、ダイポー
ル放射器30における電波の送受信に悪影響を与えてし
まうという問題がある。
【0014】これに対して、同軸ケーブルCAの配線方
向を偏波面と同じ方向とならないようにするためには、
例えば、図9(c)に破線で示すように、大型収容部材
133の後端部133bに向かうように同軸ケーブルC
Aを配線すれば良い。しかし、このような対策を実現す
るためには、支持部材11などを同軸ケーブルCAの配
線に対応した形状とする必要があるため、支持部材11
などの構造が複雑になると共に大型化して、無線LAN
用アンテナ101が大型化する虞がある。
【0015】また、平衡回路であるダイポールアンテナ
を、同軸ケーブルのような不平衡回路で給電する場合に
は、その接続点に、不要放射や不整合を避けるための平
衡−不平衡変換回路(バラン30a)を備える必要があ
る。このため、ダイポールアンテナを放射器30として
用いる場合には、放射器30と同軸ケーブルCAとの間
にバラン30aも取り付ける必要があり、取付作業が煩
雑となると共に、無線LAN用アンテナ101の構造が
複雑となって大型化してしまう。
【0016】さらに、大型収容部材133が支持部材1
1(詳細には、嵌合部13)との嵌合により支持される
構成である従来の無線LAN用アンテナ101は、支持
部材11の嵌合部13との嵌合領域が必要となるため
に、大型収容部材133の全長が長くなり、無線LAN
用アンテナ101のサイズが大きくなるという問題があ
る。つまり、大型収容部材133を確実に支持するため
には、大型収容部材133における支持部材11(嵌合
部13)との嵌合領域をある程度大きく確保する必要が
あり、より安定した支持を考慮して嵌合領域を大きく設
けると、これに伴い大型収容部材133の全長が長くな
り、無線LAN用アンテナ101の全体サイズが大型化
するのである。
【0017】このように、サイズが大型化した無線LA
N用アンテナは、重量が重くなり、また受風面積が大き
くなるため、支持部材の強度を増大させる必要があると
共に、大型化に伴い製造コストが上昇してしまう。一
方、こうした問題に対して、複数の素子からなる導波器
35の個数を減らすことにより、無線LAN用アンテナ
の全長を短縮でき、重量を軽量化できるが、導波器35
の個数を減少させた無線LAN用アンテナは、指向性が
広がり、利得が低下してしまう。
【0018】そこで、本発明は、アンテナにおいて、電
波の送受信に対する同軸ケーブルの悪影響を抑えつつ、
サイズの大型化を抑えることを第1の目的とし、また、
指向性を適切に設定するとともに利得が低下するのを防
ぐことを第2の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の第1目的を達成す
るためになされた請求項1に記載の発明は、放射器と導
波器とを一直線上に配列する状態で、放射器および複数
の導波器を内部に収容する管状の絶縁性材料からなる収
容部材が、端部と嵌合可能に形成された支持部材により
支持される構成のアンテナであって、放射器が、スリー
ブアンテナまたはモノポールアンテナで構成されている
ことを特徴とする。なお、このアンテナにおいては、放
射器は、用途に応じた所定の周波数帯の電波を送受信し
ており、複数の導波器は、放射器に前記電波を呼び込む
ためのものであり、支持部材は、放射器および導波器が
配列される直線方向における収容部材の端部のうち放射
器に近い端部と嵌合して、収容部材を支持するものであ
る。
【0020】そして、スリーブアンテナおよびモノポー
ルアンテナは、同軸ケーブルの軸方向の延長線上に配置
される構成であるため、スリーブアンテナまたはモノポ
ールアンテナで構成された放射器における同軸ケーブル
との接続部は、放射器の中心部分ではなく放射器の端部
となる。このことから、同軸ケーブルを垂下させて配線
して、放射器自体の近傍において偏波面と同じ方向に同
軸ケーブルが配置されても、収容部材の内部において放
射器と同軸ケーブルとが重なることが無く、同軸ケーブ
ルが放射器における電波の送受信に悪影響を与えること
はない。
【0021】また、スリーブアンテナまたはモノポール
アンテナで構成される放射器を用いることで、同軸ケー
ブルを収容部材の後端部側に向けて配線する必要が無く
なることから、支持部材などの構造をケーブル配線に対
応させる必要が無くなり、支持部材などの複雑化および
大型化を防止でき、アンテナの大型化を抑制することが
できる。
【0022】よって、本発明(請求項1)のアンテナに
よれば、同軸ケーブルを収容部材から垂下させて配線す
る場合でも、同軸ケーブルが放射器における電波の送受
信に対して悪影響を及ぼすのを抑制でき、また、同軸ケ
ーブルを垂下させて配線できることからアンテナの大型
化を抑制することができる。
【0023】また、スリーブアンテナを用いる場合に
は、平衡−不平衡変換回路を備える必要が無いため、平
衡−不平衡変換回路の設置領域を省略することでアンテ
ナを小型化することができ、また、平衡−不平衡変換回
路の設置作業が不要となるため、ダイポールアンテナに
比べて収容部材への取付作業が容易になる。
【0024】なお、スリーブアンテナとは、送受信する
電波の波長λの略4分の1の長さに形成された導電性材
料からなる管状部材(スリーブ)を備えるものである。
また、放射器としてモノポールスリーブアンテナを用い
た場合においても、上述したアンテナと同様の効果を奏
することになる。
【0025】次に、上述(請求項1)のアンテナについ
ては、請求項2に記載のように、支持部材が、少なくと
も放射器に対向する対向面が導電性材料で形成され、こ
の対向面が放射器に対する反射器として備えられるとよ
い。即ち、請求項2に記載のアンテナは、独立した一個
の素子として反射器を備えるのではなく、支持部材の対
向面を反射器として機能させて、放射器への不用な電波
の流入を遮ると共に、発信源から飛来する電波を対向面
で反射することで放射器に向かう電波を増大させてい
る。これにより、反射器を独立した一個の素子として備
える場合に比べて、反射器と支持部材との間隔および反
射器の厚さ分だけ収容部材を短く形成することができ
る。
【0026】よって、本発明(請求項2)のアンテナに
よれば、放射器および導波器の配列方向における収容部
材の長さを短縮でき、アンテナ自体の大型化を抑えるこ
とができる。なお、支持部材の対向面を反射器としてよ
り効率よく機能させるためには、支持部材の対向面と放
射器との間隔は、放射器で受信すべき電波の波長λの略
4分の1程度の長さに設定することが最も望ましい。
【0027】ところで、支持部材は、少なくとも対向面
を導電性材料で構成する必要があると共に、収容部材を
支持するための強度を備える必要があることから、例え
ば、導電性を有すると共に一定の強度を有する金属材料
で全体を構成するとよい。しかし、電波は導電性材料の
表面を伝播する性質を有することから、全体が導電性を
有する金属材料で構成される支持部材においては、対向
面で反射すべき電波の一部が、放射器に向かうように反
射せずに、対向面から支持部材の表面を通じて漏洩する
ことがある。このような電波の漏洩が発生すると、放射
器で受信される電波が減少してしまい、アンテナの利得
が低下する虞がある。
【0028】そこで、上述(請求項2)のアンテナにお
いては、請求項3に記載のように、支持部材が、対向面
の周囲端部から放射器に向かう方向に延設された導電性
材料からなる延設部を備えるとよい。つまり、支持部材
に延設部を設けることで、対向面から延設部の内表面を
通じて伝播して支持部材の外部に漏洩する電波が、延設
部のうち電波の発信源に近い端部において、発信源から
直接飛来した電波と干渉することになる。この干渉の影
響により、延設部の内表面を伝播する電波は、延設部の
端部から外表面に向かう方向には伝播し難くなり、電波
の漏洩を防止でき、アンテナの利得の低下を抑制でき
る。
【0029】また、支持部材にこのような延設部を設け
ることで、対向面と延設部の内表面とでコーナー反射器
的な動作を実現することができ、対向面のみで反射器を
構成する場合に比べて、サイドローブおよびバックロー
ブを抑制することができる。このようにサイドローブお
よびバックローブを改善することで、本来受信すべき周
波数帯の電波に関するアンテナの利得が向上する。
【0030】さらに、延設部は、支持部材における収容
部材との嵌合領域としても利用可能となるため、延設部
を備える支持部材は、従来嵌合領域として備えられた部
分の長さ、つまり支持部材における放射器とは反対側の
端部から対向面までの長さを短縮した場合でも、嵌合領
域を確保することができ、収容部材を支持することがで
きる。そして、支持部材のうち、対向面から放射器とは
反対側の端部までの長さを短縮することで、アンテナの
全長を短縮することができ、アンテナの小型化が可能と
なる。
【0031】よって、本発明(請求項3)のアンテナに
よれば、支持部材に設けられる延設部により、支持部材
の表面を伝播する電波の漏洩を防ぐと共に、コーナー反
射器的な動作を実現することで、アンテナの利得の向上
を図ることができる。また、支持部材における対向面か
ら放射器とは反対側の端部までの長さを短縮する場合で
も、延設部が嵌合領域となって収容部材を支持すること
ができ、アンテナの小型化を実現することができる。
【0032】なお、延設部は、対向面から放射器に向か
う方向(延設方向)の長さを長くするほどアンテナの利
得が向上するが、延設方向の長さが放射器で受信すべき
電波の1波長λの略4分の1程度の長さに設定された延
設部を備えることで、実用上有効な利得の向上を図るこ
とができる。
【0033】ところで、アンテナの性能を示す指標とし
ては、利得の他に指向性が挙げられるが、利得はその値
が大きい(高利得である)ほどそのアンテナの性能が高
いことを示すが、指向性はアンテナの用途に応じて最適
な値が異なっている。すなわち、電波の発信源が一カ所
である場合には、その発信源から送信される電波のみを
受信するように指向性の狭い(鋭い)アンテナが適して
おり、一方で、より広い範囲からの電波を受信する場合
には、指向性の広いアンテナが適している。
【0034】そこで、上述(請求項3)のように延設部
を備えるアンテナは、請求項4に記載のように、延設部
が、対向面の周囲端部のうち、要求される指向性に応じ
た位置から延設されているとよい。つまり、延設部に関
して指向性に大きく影響する要素は、対向面の周囲端部
からの延設位置であり、延設部の内表面が電波の電界面
に対して平行となるように延設部を設けることで指向性
が狭く(鋭く)なり、また、延設部の内表面のうち、電
界面に平行な面積が大きいほど、より指向性が狭く(鋭
く)なる。
【0035】このことから、鋭い指向性が要求される用
途においては、電波の電界面に対して平行で、かつ面積
の大きい内表面を有する延設部となるように、対向面に
おける延設部の延設位置を設定すると良い。また、比較
的広い指向性が要求される用途においては、電波の電界
面に対して平行で面積の比較的小さい内表面を有する延
設部となるように、対向面における延設部の延設位置を
設定すると良い。
【0036】よって、本発明(請求項4)のアンテナに
よれば、要求される指向性に近い指向性を有するアンテ
ナを構成することができ、それぞれの用途に適したアン
テナを実現することが可能となる。なお、延設部は、電
波の電界面に平行な位置にのみ設けるのではなく、対向
面における周囲端部の全周にわたり設けても良い。
【0037】一方、アンテナに備えられる反射器は、そ
の大きさが大きいほど、反射器としての機能をより発揮
することができる。そこで、上述(請求項1から請求項
4のいずれか)のアンテナは、請求項5に記載のよう
に、支持部材が、収容部材よりも外側に形成される拡張
部を備えるとよい。
【0038】つまり、収容部材の内部に配置される支持
部材の対向面に加えて、拡張部を反射器として作用さ
せ、放射器に対する反射器の面積を拡大するのである。
これにより、対向面で反射する電波に加えて、拡張部で
反射する電波が放射器に供給されることになり、アンテ
ナの利得が向上する。
【0039】よって、本発明(請求項5)のアンテナに
よれば、拡張部を備えて反射器として機能させることに
より、利得の向上を図ることができる。また、請求項5
に記載のアンテナにおいては、請求項6に記載のよう
に、拡張部に、複数の溝からなるコルゲートが形成され
ているとよい。
【0040】つまり、溝の開口端において、支持部材の
表面を伝播する電波のうち、溝に入り込む電波と溝から
出てくる電波とが互いに干渉しあい、電波が溝よりも更
に外部に伝播するのが抑制されるため、電波が支持部材
の表面を伝播して漏洩するのを抑えることができる。
【0041】よって、本発明(請求項6)のアンテナに
よれば、支持部材の表面を伝播することによる電波の漏
洩を防止でき、アンテナの利得の低下を抑制することが
できる。ここで、導波器を収容部材の内部に挿入する挿
入作業時においては、導波器は比較的細く形成されてい
ることから、導波器が収容部材の内壁に衝突して損傷す
る場合がある。
【0042】この問題に対しては、請求項7に記載のア
ンテナのように、収容部材の内部に挿入されて収容部材
の内壁間で挟持される外形を呈し、少なくとも導波器を
保持するよう形成された絶縁性材料からなるエレメント
保持部材、を備えるとよい。つまり、エレメント保持部
材は、その外表面が収容部材の内壁に接して挟持される
ことで、自身が収容部材の内部に配置されると共に、保
持した導波器を収容部材の内部の所定位置に配置するこ
とができる。そして、エレメント保持部材が収容部材の
内壁に当接していることから、導波器の挿入作業時に、
導波器が収容部材の内壁に向かう方向に変位するのを抑
制でき、導波器が収容部材の内壁に衝突するのを防ぐこ
とができる。
【0043】よって、本発明(請求項7)のアンテナに
よれば、エレメント保持部材を用いることで、収容部材
への挿入作業時に導波器が損傷するのを防ぐことができ
る。なお、エレメント保持部材は、絶縁性材料からなる
ため電波に対して影響を及ぼすことはなく、放射器に電
波を呼び込むという導波器の機能を損なうことはない。
そして、エレメント保持部材は、例えば、発泡スチロー
ルで形成することができる。
【0044】そして、エレメント保持部材は、例えば、
請求項8に記載のように、少なくとも2つに分割可能に
構成され、分割された各部材の間で導波器を挟持するよ
う構成すると良い。つまり、このように構成したエレメ
ント保持部材は、導波器を容易に保持することができ
る。また、エレメント保持部材と導波器との相対位置を
精度良く決定することができ、ひいては収容部材の内部
における導波器の位置を精度良く決定することができる
よって、本発明(請求項8)のアンテナによれば、導波
器の配置位置を精度良く決定することができ、寸法精度
の誤差によるアンテナの性能低下を防止することができ
る。
【0045】なお、複数の導波器が、例えば、導波器支
持部材などで一体に固定されている場合には、全ての導
波器を保持するのではなく、一部の導波器を支持すると
共に導波器支持部材を保持することで、すべての導波器
を所定位置に配置するようにしてもよい。
【0046】また、エレメント保持部材は、例えば、請
求項9に記載のように、収容部材の内部における少なく
とも複数の導波器の配置領域を含む大きさに構成される
と共に、導波器を挿入可能な複数の挿入孔を備え、この
複数の挿入孔の内部に複数の導波器を保持するよう構成
しても良い。
【0047】つまり、このエレメント保持部材は、すべ
ての導波器を自身の内部に配置するものであり、挿入孔
の位置を精度良く決定することで、導波器の位置を精度
良く決定することができる。また、複数の導波器を一体
に固定するための導波器支持部材を省略することができ
る。
【0048】なお、導波器を挿入孔の内部に固定するた
めには、挿入孔をその内壁で導波器を挟持できる大きさ
に形成すればよく、また、導波器の脱落を確実に防止す
るためには、例えば挿入孔の開口部を封止するための封
止栓を用いると良い。また、上述(請求項7から請求項
9のいずれか)のアンテナにおいては、請求項10に記
載のように、エレメント保持部材が、放射器を配置する
ための放射器配置部を備えるとよい。
【0049】つまり、エレメント保持部材が放射器配置
部を備えることにより、エレメント保持部材により保持
される導波器と放射器配置部に配置される放射器との相
対位置は一定となる。このため、導波器および放射器を
それぞれ個別に収容部材の内部に固定する場合に比べ
て、放射器配置部を備えるエレメント保持部材を用いる
場合には、導波器と放射器との相対位置を精度良く決定
することが可能となる。
【0050】よって、本発明(請求項10)のアンテナ
によれば、導波器と放射器との相対位置を精度良く決定
することができるため、寸法誤差の発生を防止でき、ア
ンテナの性能低下を防ぐことができる。ところで、アン
テナの用途は様々であるが、その一つとして無線LAN
システムが挙げられる。この無線LANシステムは、屋
内のみで電波の送受信を行う構成のものに限定されるこ
とはなく、たとえば、工場や学校などのような一定の敷
地内において複数の建物間で電波の送受信を行うように
構成される場合がある。そして、敷地の状況によって
は、複数の建物の高さや地面の高さなどがそれぞれ異な
るために、無線LAN用アンテナの方向を、斜め上向き
や斜め下向きに設定する必要がある。
【0051】一方、一般的な無線LAN用アンテナは、
支柱を挟持可能な構造の固定部によって支柱に固定され
る構造が一般的であり、支柱を回転軸として回転するこ
とで方向が変更できるように構成されている。そして、
支柱はその軸が水平面に対して垂直(鉛直)となるよう
に設置されていることから、無線LAN用アンテナは、
左右方向には方向が変更できるものの常に水平方向を向
くことになり、上下方向に方向を変えることができない
構成となる。
【0052】そこで、上述(請求項1から請求項10の
いずれか)のアンテナにおいては、請求項11に記載の
ように、固定部が、当該アンテナを設置するための支柱
を挟持し、連結固定部が、支柱の軸に対して垂直な面に
対する放射器および導波器の配列方向が変更可能となる
ように、支持部材を固定部に連結固定するように構成す
ると良い。
【0053】このような連結固定部を設けることで、放
射器および導波器の配列方向を、支柱を回転軸として左
右方向に変更することに加えて、上下方向に変更するこ
とも可能となり、アンテナの方向を自由に設定すること
が可能となる。よって、本発明(請求項11)のアンテ
ナによれば、使用環境の要求に応じて、アンテナの方向
を最適に設定することができ、様々な環境において電波
の送受信を安定して行うことが可能となる。
【0054】そして、上述(請求項1から請求項11の
いずれか)のアンテナは、請求項12に記載のように、
無線LANシステムに用いる所定の周波数帯の電波を送
受信するための無線LAN用アンテナであるとよい。つ
まり、無線LANシステムに用いられる無線LAN用ア
ンテナに対しては、サイズの大型化を抑えることや、指
向性を適切に設定するとともに利得が低下するのを防ぐ
という要求が高いことから、上述(請求項1から請求項
11のいずれか)のアンテナを無線LAN用アンテナと
して使用することで、その効果をより一層発揮すること
ができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。まず、図1は、本発明が適用された第1実
施例の無線LAN用アンテナ1の構成を表しており、
(a)は無線LAN用アンテナ1の全体構成図であり、
(b)は(a)に示す無線LAN用アンテナ1を右方向
から見た側面図であり、(c)は無線LAN用アンテナ
1の内部構造を示す説明図である。
【0056】この無線LAN用アンテナ1は、無線LA
Nシステムに用いる所定の周波数帯の電波の送受信に用
いられるものであり、図1(a)に示すように、放射器
31および複数の導波器35を内部に収容できる収容部
材33と、収容部材33を保持するための支持部材11
と、支持部材11と連結される第1固定金具15と、第
1固定金具15との間で支柱39を挟持する第2固定金
具17と、を備えている。
【0057】そして、収容部材33は、先端部33a
(図1(a)における右端)および後端部33bが開口
した円筒形状(断面が円形の管状形状)であり、絶縁性
材料であるFRPで形成されている。なお、収容部材3
3が円筒形状であることは、図1(b)に示す無線LA
N用アンテナ1の側面図からも判る。また、収容部材3
3は、先端部33aがカバー34で閉塞されており、ま
た、放射器31を内部に挿通するための放射器挿通孔3
3cが設けられている。
【0058】次に、複数の導波器35は、一定間隔で配
列された状態で導波器支持部37に連結されており、ま
た、導波器支持部37および一部の導波器35は、エレ
メント保持部材43により挟持される。また、エレメン
ト保持部材43は、収容部材33の内部に挿入されて収
容部材33の内壁間で挟持される円柱形状であり、円柱
をその中心軸を含む断面で分割した発泡スチロールから
なる2つの部材で構成されている。そして、2つの部材
は、互いの対向面に放射器31を配置するための放射器
配置溝43aと、導波器35および導波器支持部37を
配置するための導波器配置溝43bを備えている。な
お、放射器配置溝43aおよび導波器配置溝43bは、
放射器31と導波器35との間隔が電波の送受信に適し
た間隔となるように、形成位置が定められている。
【0059】さらに、放射器31は、スリーブアンテナ
で構成されており、放射器本体部31aには導電性材料
からなる円筒形状のスリーブが備えられており、このス
リーブの軸方向長さは、無線LAN用アンテナ1が送受
信する電波の波長λの略4分の1の長さに設定されてい
る。そして、放射器31は、同軸ケーブルCA(図1で
は図示省略)の軸方向の延長線上に配置される構成であ
り、コネクタ部31bで同軸ケーブルと接続される。
【0060】ここで、複数の導波器35を収容部材33
の内部に配置する手順について、図10を用いて説明す
る。まず、第1段階では、複数の導波器35および導波
器支持部37を、エレメント保持部材43の一方の部材
における導波器配置溝43bに配置する(図10におけ
る)。次に、第2段階では、エレメント保持部材43
の2つの部材を重ね合わせることで、複数の導波器35
および導波器支持部37を、エレメント保持部材43の
間で挟持する(図10におけるおよび)。そして、
第3段階では、複数の導波器35および導波器支持部3
7を挟持した状態のエレメント保持部材43を、先端部
33aから挿入して収容部材33の内部に配置する(図
10における)。このとき、エレメント保持部材43
は、放射器配置溝43aが収容部材33の放射器挿通孔
33cと重なる位置まで挿入されて、収容部材33の内
壁間で挟持される。さらに、第5段階では、放射器31
を、収容部材33の放射器挿通孔33cから挿入して、
エレメント保持部材43の放射器配置溝43aに配置す
る(図10における)。
【0061】このような手順で、複数の導波器35、導
波器支持部37、エレメント保持部材43および放射器
31が収容部材33の内部に配置される。このとき、放
射器31の放射器本体部31aおよび複数の導波器35
は、一直線上に配列され、放射器本体部31aは、複数
の導波器35の方向から飛来する電波を受信すると共
に、導波器35の方向に電波を送信している。
【0062】次に、図1(a)において、支持部材11
は、収容部材33の後端部33bに内嵌可能な円柱形状
に形成された嵌合部13と、第1固定金具15と連結す
るための連結部14とを備えており、第1固定金具15
に連結されるとともに収容部材33の後端部33bと嵌
合されて、収容部材33を支持している。なお、嵌合部
13と連結部14とは、両者を一体に成形しても良く、
あるいは別個独立に成形した後に接着、溶接またはネジ
止めなどで連結しても良い。
【0063】ここで、図1(c)に示すように、嵌合部
13は、その円柱形状の先端面である対向面13aが放
射器本体部31aに対向するように、収容部材33の後
端部33bに嵌合されている。このとき、対向面13a
と放射器本体部31aとの間隔は、無線LAN用アンテ
ナ1が送受信する電波の波長λの略4分の1の長さに設
定されており、対向面13aは、収容部材33の後端部
33bの側から放射器31に対して不要な電波が流入す
るのを遮るための反射器として動作する。また、反射器
としての対向面13aは、放射器31が受信すべき電波
を反射して放射器本体部31aに進行させて、放射器3
1が受信する電波を増大させる作用もある。
【0064】ここで、図9に示す従来の無線LAN用ア
ンテナ101と、図1に示す第1実施例の無線LAN用
アンテナ1とを比較すると、収容部材33は、大型収容
部材133に比べて、放射器31および導波器35の配
列方向における長さが、長さL1(図9(c)参照)だ
け短いことが判る。これは、従来の無線LAN用アンテ
ナ101が、反射器112を独立した1個の部材として
備えているのに対して、本第1実施例の無線LAN用ア
ンテナ1は、支持部材11における嵌合部13の対向面
13aを反射器として備えており、独立した1個の反射
器を備えていないためである。つまり、本第1実施例の
無線LAN用アンテナ1は、独立した反射器を備えない
ことで、図9(c)に示す長さL1だけ収容部材33を
短く形成することができる。
【0065】次に、図1において、支持部材11は、連
結用ボルト21によって第1固定金具15と連結固定さ
れている。さらに、第1固定金具15および第2固定金
具17は、互いの間で支柱39を挟持する状態で、固定
用ボルト23により連結されている。ここで、支持部材
11、第1固定金具15および第2固定金具17の斜視
図を図7(a)に示す。
【0066】図7(a)に示すように、支持部材11の
連結部14には、連結用ボルト21における軸部分(螺
合溝が形成された部分)が挿通可能な大きさの第1貫通
穴14aおよび第2貫通穴14bが形成されており、第
1固定金具15には、連結用ボルト21と螺合するため
の螺合溝が形成された連結用ネジ穴15bが形成されて
いる。なお、連結部14において、第1貫通穴14a
は、4カ所に設けられており、第2貫通穴14bは2カ
所に設けられている。
【0067】そして、第1貫通穴14aと連結用ネジ穴
15bとが重なり、かつ第2貫通穴14bと連結用ネジ
穴15bとが重なる状態となるように、支持部材11の
連結部14と第1固定金具15とを重ね合わせた後、連
結用ボルト21(図7(a)では図示省略)を第1貫通
穴14aおよび第2貫通穴14bに挿通した後、連結用
ネジ穴15bに螺合させる。ここで、連結用ボルト21
は、螺合溝が形成される軸部分よりも大径のツバ部を一
端に備えており、連結用ボルト21と連結用ネジ穴15
bとの螺合により、第1固定金具15と連結用ボルト2
1のツバ部との間で支持部材11の連結部14が挟持さ
れて、支持部材11と第1固定金具15とが連結され
る。
【0068】また、第1固定金具15には、固定用ボル
ト23(図7では図示省略)と螺合するための螺合溝が
形成された固定用ネジ穴15aが形成され、第2固定金
具17には、固定用ボルト23の軸部分(螺合溝が形成
された部分)が挿通可能な大きさの貫通穴17aが形成
されている。そして、支柱39(図7では図示省略)を
挟持するように第1固定金具15と第2固定金具17と
を配置した後、固定用ボルト23を貫通穴17aに挿通
した後、固定用ネジ穴15aに螺合させる。ここで、固
定用ボルト23は、螺合溝が形成される軸部分よりも大
径のツバ部を備えており、固定用ボルト23と固定用ネ
ジ穴15aとの螺合により、第2固定金具17は、固定
用ボルト23のツバ部により第1固定金具15の方向に
付勢されることになる。これにより、第1固定金具15
と第2固定金具17との間で支柱39を挟持する挟持力
が発生し、その結果、第1固定金具15は支柱39に固
定されることになる。
【0069】ここで、支持部材11の連結部14に形成
される第1貫通穴14aは、第2貫通穴14bを中心と
する円弧形状に形成されており、第1固定金具15に対
する支持部材11の方向を変更可能にしている。つま
り、第1固定金具15を固定する場合において、図7
(b)に示すように、嵌合部13が斜め上方向を向くよ
うに支持部材11の方向を設定することや、図7(c)
に示すように、嵌合部13が斜め下方向を向くように支
持部材11の方向を設定することが可能となる。なお、
第1固定金具15に対する支持部材11の方向を変更す
る作業は、全て(6本)の連結用ボルト21を僅かに緩
めて、支持部材11の方向を所望の方向に変更した後、
再び連結用ボルト21を締めつけて支持部材11を第1
固定金具15に固定することで行う。
【0070】このようにして、収容部材33が、支持部
材11、第1固定金具15および第2固定金具17を介
して支柱39に固定されており、固定の際には、複数の
導波器35、放射器31および反射器112が電波の送
受信方向を向くように、収容部材33の方向が設定され
る。そして、無線LAN用アンテナ1は、無線LANシ
ステムに用いる所定の周波数帯の電波を送受信するよう
動作する。
【0071】以上、説明したように、第1実施例の無線
LAN用アンテナ1によれば、放射器31がスリーブア
ンテナで構成されていることから、放射器31における
同軸ケーブルCAとの接続部は、放射器31の端部であ
るコネクタ部31bとなる。これにより、同軸ケーブル
CAを垂下させて配線して、同軸ケーブルCAが放射器
31の近傍において偏波面と同じ方向に配置されても、
収容部材33の内部において放射器31と同軸ケーブル
CAとが重なることが無く、同軸ケーブルCAが放射器
31における電波の送受信に悪影響を与えることはな
い。
【0072】このため、同軸ケーブルCAを収容部材3
3から垂下させて配線する場合でも、同軸ケーブルCA
が放射器31における電波の送受信に対して悪影響を及
ぼすのを抑制できる。また、同軸ケーブルCAを収容部
材33の後端部33bの側に向けて配線する必要が無く
なることから、支持部材11などの構造をケーブル配線
に対応させる必要が無くなり、支持部材11などの複雑
化および大型化を防止でき、無線LAN用アンテナ1の
大型化を抑制することができる。
【0073】また、放射器31としてスリーブアンテナ
を用いる場合には、平衡−不平衡変換回路を備える必要
が無いため、平衡−不平衡変換回路の設置領域を省略す
ることで無線LAN用アンテナを小型化することがで
き、また、平衡−不平衡変換回路の設置作業が不要とな
るため、ダイポールアンテナに比べて収容部材33への
取付作業が容易になる。
【0074】そして、第1実施例の無線LAN用アンテ
ナ1は、独立した1個の部材としての反射器を備えない
ことから、従来に比べて収容部材33の長さを短縮する
ことができ、ひいては、無線LAN用アンテナ1の小型
化を図ることが可能となる。また、対向面13aと放射
器本体部31aとの間隔が、無線LAN用アンテナ1が
送受信する電波の波長λの略4分の1の長さに設定され
ていることから、対向面13aは、反射器としての機能
を良好に発揮することができる。
【0075】さらに、支持部材11の連結部14に備え
られる第1貫通穴14aおよび第2貫通穴14bによ
り、支持部材11の嵌合部13の方向を上下方向に変更
することができ、つまりは、収容部材33の方向を上下
方向に変更することが可能となる。このことから、放射
器31および導波器35の配列方向を、支柱39を回転
軸とする左右方向に変更することに加えて、上下方向に
変更することも可能となり、無線LAN用アンテナ1の
方向を自由に設定することが可能となる。よって、本第
1実施例の無線LAN用アンテナ1によれば、使用環境
の要求に応じて、無線LAN用アンテナの方向を最適に
設定することができ、無線LANシステムにおける電波
の送受信を安定して行うことが可能となる。
【0076】そして、第1実施例の無線LAN用アンテ
ナ1は、導波器35がエレメント保持部材43に挟持さ
れると共に、エレメント保持部材43が収容部材33の
内壁間に挟持される構成である。このことから、導波器
35を収容部材33の内部に挿入する作業時に、導波器
35が収容部材33の内壁に向かう方向に変位するのを
抑制でき、導波器35が収容部材33の内壁に衝突して
損傷するのを防ぐことができる。
【0077】また、このように分割可能に構成されたエ
レメント保持部材43は、導波器35を容易に保持する
ことができ、エレメント保持部材43と導波器35との
相対位置を精度良く決定することができる。これによ
り、収容部材33の内部における導波器35の位置を精
度良く決定することができ、寸法精度の誤差による無線
LAN用アンテナ1の性能低下を防止することができ
る。
【0078】なお、第1実施例においては、エレメント
保持部材43は、全ての導波器35を挟持するのではな
く、一部の導波器35を支持すると共に導波器支持部3
7を保持することで、すべての導波器35を収容部材3
3の内部における所定位置に配置している。
【0079】さらに、エレメント保持部材43が放射器
配置溝43aを備えており、エレメント保持部材43に
より保持される導波器35と放射器配置溝43aに配置
される放射器31との相対位置は一定となる。このた
め、導波器35および放射器31をそれぞれ個別に収容
部材33の内部に固定する場合に比べて、導波器35と
放射器31との相対位置を精度良く決定することが可能
となるため、寸法誤差の発生を防止でき、アンテナの性
能低下を防ぐことができる。
【0080】また、エレメント保持部材43は、絶縁性
材料からなるため電波に対して影響を及ぼすことはな
く、放射器31に電波を呼び込むという導波器35の機
能を損なうことはなく、また、放射器31における電波
の送受信に対して影響を及ぼすこともない。
【0081】なお、第1実施例の無線LAN用アンテナ
1においては、嵌合部13の対向面13aが、特許請求
の範囲に記載された対向面に相当し、第1貫通穴14a
および第2貫通穴14bが形成された連結部14、連結
用ボルト21および連結用ネジ穴15bが、特許請求の
範囲に記載された連結固定部に相当し、エレメント保持
部材43における放射器配置溝43aが、特許請求の範
囲に記載された放射器配置部に相当している。
【0082】次に、第2実施例として、第1実施例の無
線LAN用アンテナ1に比べて、利得の向上を図ること
ができる無線LAN用アンテナ3について説明する。な
お、第2実施例の無線LAN用アンテナ3は、その外観
は、図1(a)および図1(b)に示す第1実施例の無
線LAN用アンテナ1と同様であり、支持部材以外の構
成要素(構成部材)は、第1実施例と同様となってい
る。そこで、以下の説明では、相違箇所である支持部材
を中心に説明する。
【0083】図2(a)に、第2実施例の無線LAN用
アンテナ3に備えられる第2支持部材51、放射器3
1、複数の導波器35および第1固定金具15を示す。
なお、図2(a)では、導波器35については、放射器
31に近い側の4個のみを記しており、これら4個の導
波器35よりも収容部材33(図2では点線で記載)の
先端部33a(図2では図示省略)側に配置される導波
器35については図示を省略している。
【0084】そして、第2実施例における第2支持部材
51は、導電性を有する金属材料で構成されている。ま
た、図2(a)に示すように、第2支持部材51の第2
嵌合部113は、対向面113aの周囲端部から放射器
31に向けて延設された延設部113bを備えており、
この延設部113bは、収容部材33の内部において、
放射器31が配置される位置まで延設されている。そし
て、この延設部113bの長さは、無線LAN用アンテ
ナ3が送受信する電波の波長λの略4分の1の長さに設
定されている。
【0085】また、図2(b)に示す第2支持部材51
の斜視図からも判るように、延設部113bの端部に
は、放射器31を配置するために切り取られた放射器配
置部113cが備えられており、延設部113bと放射
器31とが衝突するのを防いでいる。
【0086】そして、第2支持部材51の第2嵌合部1
13に延設部113bを設けることで、対向面113a
から延設部113bの内表面を通じて伝播して第2支持
部材51の外部に漏洩する電波が、延設部113bのう
ち電波の発信源に近い端部において、発信源から直接飛
来した電波と干渉することになる。この干渉の影響によ
り、第2支持部材51の表面を伝播する電波は、延設部
113bの端部から外表面に向かう方向には伝播し難く
なり、電波の漏洩を防止でき、無線LAN用アンテナ3
の利得の低下を抑制できる。
【0087】また、第2支持部材51の第2嵌合部11
3に設けられる延設部113bは、その内表面113d
で電波を反射しており、内表面113dは対向面113
aと共にコーナー反射器として作用している。このた
め、第2支持部材51は、対向面13aのみで反射器を
構成する第1実施例の支持部材11に比べて、サイドロ
ーブおよびバックローブを更に抑制することができると
いう特徴を有する。このようにサイドローブおよびバッ
クローブを改善することで、本来送受信すべき電波に対
する無線LAN用アンテナの利得を向上させることがで
きる。
【0088】ここで、第2実施例の無線LAN用アンテ
ナ3、第1実施例の無線LAN用アンテナ1および図9
に示す従来の無線LAN用アンテナ101のそれぞれに
ついて、指向性を測定した測定結果を図3に示す。な
お、図3(a)が第2実施例の無線LAN用アンテナ3
の測定結果であり、図3(b)が第1実施例の無線LA
N用アンテナ1の測定結果であり、図3(c)が図9に
示す従来の無線LAN用アンテナ101の測定結果であ
る。
【0089】そして、図3(a)の測定結果は、図3
(b)および図3(c)の測定結果に比べてサイドロー
ブが小さくなっており、第2実施例の無線LAN用アン
テナ3は、第1実施例および従来の無線LAN用アンテ
ナに比べて、サイドローブレベルが小さくなることが判
る。このように、サイドローブレベルを小さくすること
で、メインローブとして消費される電力を相対的に大き
くすることができ、無線LAN用アンテナとしての利得
の向上を図ることができる。
【0090】なお、図3(b)の測定結果は、図3
(c)に比べてサイドローブが大きくなっており、第1
実施例の無線LAN用アンテナ1は、従来の無線LAN
用アンテナ101に比べて相対的にメインローブの利得
が低下している。しかし、メインローブの−3[db]
における角度の大きさについては大きな差異は無く、指
向性に関しては差異は見られないことから、第1実施例
の無線LAN用アンテナ1は、受信すべき電波を十分に
受信することができる。
【0091】また、第2実施例の無線LAN用アンテナ
3において、各周波数帯に対する定在波比(VSWR)
を測定した測定結果を図4に示す。ここで、アンテナは
定在波比が小さいほど性能が優れており、アンテナとし
て実用可能なVSWRの値は、一般的に、送信用は1.
5以下であり、受信用は3以下である。
【0092】そして、図4の測定結果によれば、無線L
AN用アンテナ3は、少なくとも2300[MHz]か
ら2600[MHz]までの周波数帯の電波を受信する
ことが実用上可能である。また、特に2400[MH
z]から2500[MHz]までの周波数帯では、定在
波比が1.3以下と小さいことから、第2実施例の無線
LAN用アンテナ3は、無線LANシステムで用いられ
る2.4[GHz]帯(図4に示すBWの範囲)の電波
の送受信に適していることが判る。
【0093】そして、第2支持部材51は、延設部11
3bが収容部材33との嵌合領域としても機能するた
め、第1実施例の支持部材11に比べて嵌合領域が広く
なり、より安定した状態で収容部材33を支持すること
ができる。以上、説明したように、第2実施例の無線L
AN用アンテナ3によれば、延設部113bを備えるこ
とで、第2支持部材51の表面を伝播する電波の漏洩を
防ぐと共にコーナー反射器的な動作を実現することで、
利得の向上を図ることができる。また、第2支持部材5
1がより安定した状態で収容部材33を支持することが
でき、風雨などの外力により収容部材33が脱落するの
を防ぐことができ、無線LAN用アンテナ3の全体の強
度を向上させることができる。
【0094】さらに、第2支持部材51の延設部113
bは、延設方向の長さが放射器31で受信すべき電波の
1波長λの略4分の1程度の長さに設定されていること
から、実用上有効な利得の向上を図ることができる。と
ころで、延設部113bの長さが、収容部材33との嵌
合領域として十分な長さである場合には、図2(a)に
示す第2嵌合部113のうち、長さL2に相当する部分
を省略することが可能である。そこで、第2支持部材5
1における長さL2の部分を省略して構成された第3支
持部材53を、図2(c)に示す。このような第3支持
部材53を用いて構成される無線LAN用アンテナ4
は、第2実施例の無線LAN用アンテナ3よりも、放射
器および導波器の配列方向の長さが短くなり、無線LA
N用アンテナをより小型化することができる。なお、第
3支持部材53は、導電性を有する金属材料により形成
されている。
【0095】次に、図5(a)は、図2(a)のうち第
2支持部材51および第1固定金具15を抜き出したも
のであり、図5(b)は図5(a)に示す第2支持部材
51を右方向から見た場合の側面図である。これら図5
(a)および図5(b)からも判るように、第2支持部
材51においては、延設部113bが対向面113aの
端部全周から延設されている。ここで、支持部材の嵌合
部に延設部を設けることでサイドローブやバックローブ
を改善するにあたっては、電波の電界面に対して平行に
延設部を備えることが効果的であることから、延設部は
必ずしも対向面の端部全周にわたり設ける必要はなく、
支持部材は、図5(c)および図5(d)に示す第4支
持部材55のように構成しても良い。
【0096】つまり、第4支持部材55は、対向面11
3aの周囲端部のうち、対向面113aの中心について
対称な2つの位置からそれぞれ側面延設部113eが延
設されており、第4支持部材55と収容部材33とを嵌
合した際には、2つの側面延設部113eは電波の電界
面に対して略平行に配置される。このような第4支持部
材55を備えた無線LAN用アンテナは、側面延設部1
13eの作用により、効果的にサイドローブやバックロ
ーブを改善することができる。
【0097】さらに、対向面113aにおける側面延設
部113eの延設位置は、無線LAN用アンテナの指向
性に大きく影響しており、前述したように、側面延設部
113eの内表面が電波の電界面に対して平行となるよ
うに延設位置を設定することで指向性が狭く(鋭く)な
ると共に、また、側面延設部113eの内表面のうち、
電界面に平行な面積が大きいほど、より指向性が狭く
(鋭く)なる。
【0098】このことから、鋭い指向性が要求される用
途においては、電波の電界面に対して平行で、かつ面積
の大きい内表面を有する側面延設部113eとなるよう
に、対向面113aにおける側面延設部113eの延設
位置を設定すると良い。また、比較的広い指向性が要求
される用途においては、電波の電界面に対して平行で面
積の比較的小さい内表面を有する側面延設部113eと
なるように、対向面113aにおける側面延設部113
eの延設位置を設定すると良い。
【0099】よって、第4支持部材55を備えた無線L
AN用アンテナは、要求される指向性に近い指向性を有
する無線LAN用アンテナを構成することができ、それ
ぞれの用途に適した無線LAN用アンテナを実現するこ
とが可能となる。なお、図5(c)は、第1固定金具1
5と連結された状態の第4支持部材55の外観図であ
り、図5(d)は、図5(c)に示す第4支持部材55
を右方向から見たときの側面図である。また、第4支持
部材55は、導電性を有する金属材料により形成されて
いる。さらに、第4支持部材55は、図2(c)に示す
第3支持部材53のように、対向面113aから連結部
14までの部分を短縮して構成するようにしてもよい。
【0100】続いて、支持部材に関しては、図6(a)
および図6(b)に示す第5支持部材57のように、収
容部材33(図6では図示省略)の外側に形成される拡
張部25を備えるように構成するとよい。つまり、第5
支持部材57に形成される拡張部25は、収容部材33
を配置するための嵌合用空間25aを介して延設部11
3bの外周に形成されており、対向面113aと平行な
拡張反射面25bを備えている。そして、第5支持部材
57は、拡張反射面25bが、電波の発信源に対して放
射器31(図6では図示省略)よりも後ろ側となるよう
に収容部材33と嵌合される。この結果、拡張反射面2
5bが放射器31に対する反射器として機能することに
なり、対向面113aで反射する電波に加えて、拡張反
射面25bで反射する電波が放射器31に供給されるた
め、反射器の面積を拡大するのと同様の効果が得られ
る。よって、第5支持部材57を備える無線LAN用ア
ンテナは、アンテナの利得を向上させることができる。
【0101】なお、図6(a)は、第1固定金具15と
連結された状態の第5支持部材57の外観図であり、図
6(b)は、図6(a)に示す第5支持部材57を右方
向から見たときの側面図である。また、第5支持部材5
7は、導電性を有する金属材料により形成されている。
【0102】また、拡張部を備える支持部材に関して
は、図6(c)および図6(d)に示す第6支持部材5
9のように、収容部材33の外側に形成される拡張部2
5の拡張反射面25bに複数の溝27aからなるコルゲ
ート27を形成するとよい。つまり、第6支持部材59
では、溝27aの開口端において、第6支持部材59の
表面を伝播する電波のうち、溝27aに入り込む電波と
溝27aから出てくる電波とが互いに干渉しあい、電波
が溝27aよりも更に外部に伝播するのが抑制されるた
め、電波が第6支持部材59の表面を伝播して漏洩する
のを抑えることができる。
【0103】よって、第6支持部材59を備える無線L
AN用アンテナによれば、支持部材の表面を伝播するこ
とによる電波の漏洩を防止でき、無線LAN用アンテナ
の利得の低下を抑制することができる。なお、図6
(c)は、第1固定金具15と連結された状態の第6支
持部材59の外観図であり、図6(d)は、図6(c)
に示す第6支持部材59を右方向から見たときの側面図
である。また、第6支持部材59は、導電性を有する金
属材料により形成されている。
【0104】さらに、複数の溝27aからなるコルゲー
ト27は、図6(e)および図6(f)に示す第7支持
部材61のように、拡張部25の周囲側面25cに形成
しても良く、第7支持部材61についても、第6支持部
材59と同様に、支持部材の表面を伝播することによる
電波の漏洩を防止でき、無線LAN用アンテナの利得の
低下を抑制することができる。
【0105】なお、図6(e)は、第1固定金具15と
連結された状態の第7支持部材61の外観図であり、図
6(f)は、図6(e)に示す第7支持部材61を右方
向から見たときの側面図である。また、第7支持部材6
1は、導電性を有する金属材料により形成されている。
【0106】次に、全ての導波器35を内部に配置する
構成の第2エレメント保持部材45を、図11(a)に
示す説明図に基づき説明する。第2エレメント保持部材
45は、収容部材33の内部におけるすべての導波器3
5および放射器31の配置領域を含む大きさに構成され
た発泡スチロールからなる円柱形状に形成される。そし
て、第2エレメント保持部材45は、放射器31を挿入
可能な大きさに形成された放射器挿入孔45aと、導波
器35を挿入可能な大きさに形成された複数の導波器挿
入孔45bと、を備えている。なお、導波器35が挿入
された導波器挿入孔45bは、その開口部に封止栓45
cが圧入されることで、開口部が封止される。
【0107】このように、第2エレメント保持部材45
は、すべての導波器35を自身の内部に配置するもので
あり、導波器挿入孔45bの位置を精度良く決定するこ
とで、導波器35のそれぞれの配置位置を精度良く決定
することができ、アンテナの性能低下を防ぐことができ
る。
【0108】また、第2エレメント保持部材45は、放
射器挿入孔45aと導波器挿入孔45bとを備えてお
り、放射器31と導波器35との相対位置は一定とな
る。このため、導波器35および放射器31をそれぞれ
個別に収容部材33の内部に固定する場合に比べて、導
波器35と放射器31との相対位置を精度良く決定する
ことが可能となるため、寸法誤差の発生を防止でき、ア
ンテナの性能低下を防ぐことができる。
【0109】さらに、導波器挿入孔45bの開口部を、
封止栓45cが封止する構造であることから、導波器3
5が脱落するのを防止することができる。また、複数の
導波器35を一体に固定するための導波器支持部材を省
略することができ、アンテナの構造を簡略化して軽量化
することができる。
【0110】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、支持部材に関し
ては、図8(a)に示す第8支持部材63のように、延
設部113bの端部に形成される突出部113fにおい
て放射器31を固定可能な形状に形成しても良い。つま
り、FRP等で形成される収容部材33(図8(a)で
は図示省略)に放射器31を固定する場合に比べて、金
属材料で形成される延設部113b(詳細には突出部1
13f)に放射器31を固定する場合の方が、放射器3
1を強固に安定して固定することができる。
【0111】なお、このとき、放射器31から対向面1
13aに対する電波の漏洩を発生させないためには、延
設部113bに放射器31と対向面113aとの間のイ
ンピーダンスを高くするためのスタブを設けることや、
放射器31と延設部113bとの間に絶縁性材料からな
る部材を介在させることが有効である。
【0112】また、上記説明では、支持部材に一体に形
成された拡張部を設けることで反射器の面積を拡大する
実施例について説明したが、図8(b)に示す無線LA
N用アンテナ5のように、支持部材11とは別体に構成
された円盤状反射器41を備えるようにしても良い。
【0113】この円盤状反射器41は、図8(c)に示
すように、中心部分に収容部材33の外径に等しい直径
の開口部41aを備える円盤形状に形成されており、収
容部材33の外周に配置される。そして、円盤状反射器
41は、支持部材の対向面(図8(b)では図示省略)
とともに放射器31に対する反射器として作用するた
め、円盤状反射器41を備えることで反射器の面積を拡
大するのと同様の効果が得られる。よって、円盤状反射
器41を備える無線LAN用アンテナ5は、アンテナの
利得を向上させることができる。
【0114】また、上述の実施例では、垂直偏波を行う
アンテナについて説明したが、水平偏波を行うアンテナ
として用いる場合には、図11(b)に示すように、導
波器35、エレメント保持部材43および収容部材33
を軸方向に90度回転させた状態として、放射器および
導波器を偏波面に応じた方向に配置すると良い。
【0115】なお、放射器をモノポールアンテナあるい
はモノポールスリーブアンテナで構成したアンテナにつ
いても、上述したアンテナと同様の効果を奏することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1実施例の無線LAN用アンテナ
の全体構成図であり、(b)は(a)に示す無線LAN
用アンテナを右方向から見た側面図であり、(c)は
(a)に示す無線LAN用アンテナの内部構造を示す説
明図である。
【図2】 (a)は、第2実施例の無線LAN用アンテ
ナに備えられる第2支持部材、放射器、複数の導波器お
よび第1固定金具を示す説明図であり、(b)は第2支
持部材の斜視図であり、(c)は第3支持部材を示す説
明図である。
【図3】 第2実施例の無線LAN用アンテナ、第1実
施例の無線LAN用アンテナおよび従来の無線LAN用
アンテナのそれぞれについて、指向性を測定した測定結
果である。
【図4】 第2実施例の無線LAN用アンテナにおい
て、周波数帯に対する定在波比(VSWR)を測定した
測定結果である。
【図5】 (a)は第2支持部材および第1固定金具の
説明図であり、(b)は(a)に示す第2支持部材を右
方向から見た場合の側面図であり、(c)は、第4支持
部材および第1固定金具の説明図であり、(d)は
(c)に示す第4支持部材を右方向から見た場合の側面
図である。
【図6】 (a)は第1固定金具と連結された状態の第
5支持部材の外観図であり、(b)は(a)に示す第5
支持部材を右方向から見たときの側面図であり、(c)
は第1固定金具と連結された状態の第6支持部材の外観
図であり、(d)は(c)に示す第6支持部材を右方向
から見たときの側面図であり、(e)は第1固定金具と
連結された状態の第7支持部材の外観図であり、(f)
は(e)に示す第7支持部材を右方向から見たときの側
面図である。
【図7】 (a)は支持部材、第1固定金具および第2
固定金具の斜視図であり、(b)は、嵌合部が斜め上方
向を向く状態で連結された支持部材および第1固定金具
の説明図であり、(c)は、嵌合部が斜め下方向を向く
状態で連結された支持部材および第1固定金具の説明図
である。
【図8】 (a)は放射器が固定された第8支持部材の
説明図であり、(b)は円盤状反射器を備える無線LA
N用アンテナの一部の外観図であり、(c)は円盤状反
射器の外観図である。
【図9】 (a)は従来の無線LAN用アンテナの全体
構成図であり、(b)は(a)に示す無線LAN用アン
テナを右方向から見た側面図であり、(c)は(a)に
示す無線LAN用アンテナの内部構造を示す説明図であ
る。
【図10】 導波器を収容部材の内部に配置する手順を
示す説明図である。
【図11】 (a)は、第2エレメント保持部材45を
表す説明図であり、(b)は水平偏波を行う場合の導波
器、エレメント保持部材および収容部材を表す説明図で
ある。
【符号の説明】
1,3,4,5…無線LAN用アンテナ、11…支持部
材、13…嵌合部、13a…対向面、14…連結部、1
5…第1固定金具、17…第2固定金具、25…拡張
部、25b…拡張反射面、27…コルゲート、31…放
射器、33…収容部材、35…導波器、43…エレメン
ト保持部材、51…第2支持部材、53…第3支持部
材、55…第4支持部材、57…第5支持部材、59…
第6支持部材、61…第7支持部材、63…第8支持部
材、113…第2嵌合部、113a…対向面、113b
…延設部、113e…側面延設部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 寛至 愛知県日進市浅田町上納80番地 マスプロ 電工株式会社内 Fターム(参考) 5J020 AA00 BC02 BC08 BD04 CA01 CA04 DA02 DA03 5K052 AA00 BB02 DD01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用途に応じた所定の周波数帯の電波を送
    受信する放射器と、 該放射器に前記電波を呼び込むための複数の導波器と、 前記放射器と前記導波器とを一直線上に配列する状態
    で、前記放射器および前記導波器を内部に収容する管状
    の絶縁性材料からなる収容部材と、 前記放射器および前記導波器が配列される直線方向にお
    ける前記収容部材の端部のうち、前記放射器に近い端部
    と嵌合して、前記収容部材を支持する支持部材と、を備
    えるアンテナであって、 前記放射器が、スリーブアンテナまたはモノポールアン
    テナで構成されていること、 を特徴とするアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、少なくとも前記放射器
    に対向する対向面が導電性材料で形成され、該対向面が
    前記放射器に対する反射器として備えられること、 を特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は、前記対向面の周囲端部
    から前記放射器に向かう方向に延設された導電性材料か
    らなる延設部を備えること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】 前記延設部は、前記対向面の周囲端部の
    うち、要求される指向性に応じた位置から延設されてい
    ること、 を特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記支持部材は、前記収容部材よりも外
    側に形成される拡張部を備えること、 を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    アンテナ。
  6. 【請求項6】 前記拡張部に、複数の溝からなるコルゲ
    ートが形成されていること、 を特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記収容部材の内部に挿入されて前記収
    容部材の内壁間で挟持される外形を呈し、少なくとも前
    記導波器を保持するよう形成された絶縁性材料からなる
    エレメント保持部材、を備えたこと、 を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    アンテナ。
  8. 【請求項8】 前記エレメント保持部材が、少なくとも
    2つに分割可能に構成され、分割された各部材の間で前
    記導波器を挟持すること、 を特徴とする請求項7に記載のアンテナ。
  9. 【請求項9】 前記エレメント保持部材が、前記収容部
    材の内部における少なくとも前記複数の導波器の配置領
    域を含む大きさに構成されると共に、前記導波器を挿入
    可能な複数の挿入孔を備え、該複数の挿入孔の内部に前
    記複数の導波器を保持すること、 を特徴とする請求項7に記載のアンテナ。
  10. 【請求項10】 前記エレメント保持部材が、前記放射
    器を配置するための放射器配置部を備えること、 を特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の
    アンテナ。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10のいずれかに
    記載のアンテナであって、 当該アンテナを設置するための支柱を挟持するための固
    定部と、 前記支柱の軸に対して垂直な面に対する前記放射器およ
    び前記導波器の配列方向が変更可能となるように、前記
    支持部材を前記固定部に連結固定するための連結固定部
    と、を備えることを特徴とするアンテナ。
  12. 【請求項12】 無線LANシステムに用いる所定の周
    波数帯の電波を送受信するための無線LAN用アンテナ
    であること、 を特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載
    のアンテナ。
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