JPH07311163A - X線反射率測定装置及び測定方法 - Google Patents

X線反射率測定装置及び測定方法

Info

Publication number
JPH07311163A
JPH07311163A JP12816694A JP12816694A JPH07311163A JP H07311163 A JPH07311163 A JP H07311163A JP 12816694 A JP12816694 A JP 12816694A JP 12816694 A JP12816694 A JP 12816694A JP H07311163 A JPH07311163 A JP H07311163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
sample
incident
reflected
reflectance measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12816694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3109789B2 (ja
Inventor
Tetsuo Kikuchi
哲夫 菊池
Takashi Kuriyama
隆 栗山
Katsuhisa Usami
勝久 宇佐美
Hideto Momose
秀人 百生
Norio Kobayashi
憲雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP06128166A priority Critical patent/JP3109789B2/ja
Publication of JPH07311163A publication Critical patent/JPH07311163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3109789B2 publication Critical patent/JP3109789B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線反射率測定にいおいて、大口径試料に関
して解析精度の高い測定をできるようにする。また、試
料の自動供給及び自動排出に対して好都合な構造を提供
する。 【構成】 X線源Pから出たX線ビームをモノクロメー
タ6で単色化して試料8に照射し、そこで全反射するX
線を受光スリット24を通してX線カウンタ25でカウ
ントする。X線照射ユニットを第1アーム28で支持
し、検出器ユニットを第2アーム35で支持し、各アー
ムを昇降装置40,41によってタンジェントバー方式
で独自に同期してθ回転させ、相対的にX線カウンタ2
5を入射X線ビームに対して2θ回転させる。試料8を
水平に支持する試料支持装置3は、1個のユニットとし
てX線光学系と別個にベース1上に設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線を低角度で試料に
入射し、試料で反射したX線を検出することにより、試
料の物性を非破壊で評価するX線反射率測定装置及び方
法に関する。このX線反射率測定では、X線回折が生じ
るときのX線入射角度よりも十分に小さい角度から試料
へX線を入射する。
【0002】
【従来の技術】X線を用いた測定方法として、X線の回
折現象を利用したX線回折測定方法は広く知られてい
る。また、このX線回折測定方法とは異なったX線測定
方法として、X線の鏡面反射現象を利用して試料の物性
を評価するX線反射率測定方法も知られている。このX
線反射率測定方法は、特に薄膜の厚さや、薄膜表面の粗
さや、薄膜と基材との間の界面の粗さや、薄膜の密度等
を測定するのに適している。このX線反射率測定方法の
原理を説明すれば、以下の通りである。
【0003】図15において、表面が平坦な物質101
の表面スレスレにX線を入射、すなわち低角度θからX
線を入射すると、臨界角度以下では全反射を生じる。こ
の臨界角度は非常に小さく、例えばCuKαのX線に対
し、Si やガラス板では0.22゜、Niでは0.42
゜、そしてAuでは0.57゜である。この臨界角度
は、物質の電子密度に依存して変化する。X線の入射角
度θがこの臨界角度よりも大きくなるに従って、X線は
次第に物質中へ深く入り、理想的な平面をもった物質で
は、図17に曲線Aで示すように、臨界角度θC 以上の
角度で、X線反射率がθ-4(θはX線入射角)に比例し
て急激に減少する。また仮に、物質の表面が荒れている
と、減少の程度は破線Bで示すように、より一層激しく
なる。図の縦軸において、I0 は入射X線強度であり、
Iは反射X線強度である。
【0004】図16に示すように、このような物質10
1を基板として、その基板上に電子密度の異なる別の物
質102を均一に積層して薄膜を形成すると、基板10
1と薄膜102との間の界面及び薄膜の表面からの反射
X線が、互いに強め合ったり、弱め合ったりして、図1
8に示すように、反射率曲線にX線の干渉による振動パ
ターンCが現れる。そしてその振動パターンCの周期か
ら、薄膜102の厚さを決定でき、振動パターンCの振
幅の角度依存性から、表面及び界面の情報が得られる。
また、振動パターンの周期と振幅の両方を合わせて検討
することにより、薄膜102の密度が求められる。通常
のX線反射率測定では、図17及び図18において横軸
2θに関しては、0゜〜5゜程度、広い範囲の場合で0
゜〜10゜程度の範囲で測定される。
【0005】(従来のX線反射率測定装置の構造的な問
題点)従来のX線反射率測定装置として、例えば、図1
9に示す構成から成るものが知られている。このX線反
射率測定装置では、X線源Pから放射されたX線がモノ
クロメータ104によって単色化され、さらにX線選択
用スリット105を通過して試料106に低角度で入射
し、そしてそこで反射する。反射したX線は受光スリッ
ト107を通過した後、X線カウンタ108によってカ
ウントされて電気信号として出力され、その出力信号に
基づいてX線反射率演算回路109によって反射率が演
算される。
【0006】一般にこの種のX線反射率測定装置に関し
ては、試料106内の複数点においてX線反射率を測定
するという、いわゆるエリアマップ測定を行いたい場合
があり、その場合には試料106を面内回転移動(K方
向移動)させたり、面内平行移動させたりする必要があ
る。これらの移動のための駆動機構をゴニオメータ11
0上に設置することを考えた場合、あまり大きな駆動機
構をゴニオメータ110上に設置することはできず、従
って、測定可能な試料106の大きさに関しても限界が
あり、大口径の試料106は測定できない。また、試料
106が垂直上下方向に立てられた状態で置かれるの
で、試料106の反り等を考慮した場合にも、大口径の
試料106を測定対象とすることに関しては無理があ
る。
【0007】さらに、図19のX線反射率測定装置で
は、試料106をθ回転させるための駆動系及びX線カ
ウンタ108を支持するカウンタアーム111を2θ回
転させるための駆動系としてウオーム及びウオームホイ
ールを用いた機構が広く用いられている。既述の通りX
線反射率測定においては、非常に狭い角度範囲の中で試
料106を微細角度で高精度に回転させること、例えば
10-4゜程度の精度が要求される。これに対し、ウオー
ム及びウオームホイールを用いた回転駆動機構では、せ
いぜい2〜3×10-4゜程度の精度しか期待できず、従
って、解析精度の高い測定を行うことができないという
問題があった。
【0008】従来のX線反射率測定装置として、例え
ば、図20に示す構成から成るものも知られている。こ
のX線反射率測定装置では、試料106が試料支持ユニ
ット112によってほぼ水平に保持されている。また、
試料支持ユニット112の内部には、試料106を面内
回転移動や、面内平行移動等させるための駆動機構が内
蔵されている。試料支持ユニット112は機枠113に
よって試料軸線LS のまわりに回転可能に支持され、さ
らに試料軸線LS のまわりに回転可能なカウンタアーム
114にX線カウンタ108が支持されている。
【0009】試料106は、試料支持ユニット112と
共に図示しない駆動装置によって駆動されて試料軸線L
S を中心としてθ回転し、カウンタアーム114は図示
しない駆動装置によって駆動されて試料軸線LS を中心
としてθ回転の2倍の角速度で同じ方向へ回転、すなわ
ち2θ回転する。この従来装置の構造によれば、試料1
06を水平状態に支持するようにしたので、大口径の試
料106を測定対象とすることができるという利点はあ
るものの、次のような問題があった。
【0010】すなわち、試料106を面内回転等させる
ための駆動装置を内蔵した、大きくて重量の重い試料支
持ユニット112を、機枠113に回転可能に支持しな
ければならないので、頑丈で高精度な回転支持構造を機
枠113に付設しなければならず、その結果、試料支持
ユニット113のまわりに回転支持構造を設置するため
の広い設置スペースが必要となる。本発明のX線反射率
測定装置に関しては、試料106を連続的に搬送する搬
送ベルトの脇に設置して、ロボットハンド等を使って試
料106を連続的に試料支持ユニット112まで持ち運
び、自動的にX線反射率測定を行うことが望まれてい
る。しかしながら、試料支持ユニット112のまわりに
機枠113や、回転支持構造等を設置しなければならな
いこの従来装置に関しては、それらの構造要素が邪魔に
なって試料106の自動供給及び自動排出がうまくでき
ないという問題がある。
【0011】また、図20の従来装置において、試料1
06のθ回転及びカウンタアーム114の2θ回転を高
精度に行うために、サインバー方式や、タンジェントバ
ー方式等といったバー回転駆動機構を採用することが考
えられるが、回転角度範囲が比較的小さいθ回転に関し
てはそれほどの問題はないものの、回転角度範囲が比較
的大きくなる2θ回転に関しては、バー回転駆動機構に
よる回転では比較的高角域、例えば5゜〜7゜程度の角
度域において無視できない誤差が生じるおそれがあり、
なおかつ、θ回転と2θ回転の倍角関係が誤差のために
損なわれるおそれがある。一般のX線回折測定ではその
ような誤差はあまり問題にならないが、高精度を要求す
るX線反射率測定においては、そのような小さな誤差で
あっても、測定精度の劣化を招くおそれがある。
【0012】(従来のX線反射率測定方法における第1
の問題点)X線を用いた測定では、一般に、測定を行う
のに先立って試料を入射X線ビームに対して常に平行な
一定の初期位置にセットしなければならない。通常のX
線装置では、いわゆる半割り法によってその初期平行位
置を求めている。従来のX線反射率測定方法において
は、一般的なX線装置と同様に、半割り法だけで試料の
位置出しを行っていた。なお、X線反射率測定では、比
較的狭い角度範囲内で反射率曲線に生じる微細な変動を
検査しなければならないので、極めて高精度な測定が要
求され、従って、半割り法を用いた試料の位置出し作業
は、試料1個1個についてX線反射率測定前に実行され
る。
【0013】半割り法というのは、具体的には、入射X
線ビームと試料を平行に設定し、さらに入射X線ビーム
の断面形状の半分が試料によって遮られるように、入射
X線ビームと試料の相対位置を決定することである。こ
の半割り処理は、具体的には、以下のようにして行われ
る。
【0014】まず、図21に示すようにX線カウンタの
回転角、すなわち2θを0(ゼロ)にセットし、試料1
06をX線ビームから十分後退させておき、この状態で
入射X線の強度をX線カウンタ108によって測定して
記憶しておく。入射X線ビームの幅は、通常、0.05
mm〜0.1mm程度であり、受光スリット107の幅
もその程度である。
【0015】次いで、試料106を矢印Dのように、X
線ビーム方向へ前進させてX線強度が1/2になる位置
にセットする。試料106の表面と入射X線ビームとは
平行とは限らないので、図22に示すように、試料10
6の端部でX線ビームを遮っている場合もある。そこ
で、試料106をθ方向へ適宜に回転させて、X線強度
が最大となるθ位置を見つけてその位置に設定する。
【0016】その後、再び前後位置(図21のD方向位
置)の調整を行い、さらに、あおり角、すなわち図22
においてX線ビームと平行な軸線L2 のまわり(矢印E
方向)の角度を調整してX線強度が最大になる位置に設
定する。X線ビームRの断面を見ると、図23に示すよ
うに、例えば、W=0.05mm、L=1〜10mmと
いった細長い長方形状をしている。上記のあおり角調整
は、X線ビームRの長辺と試料106の表面とを互いに
平行に設定するために行われるものである。
【0017】以下、上記のD方向前後調整、θ方向チル
ト調整及びE方向チルト調整の一連の調整を所定の回数
繰り返して行って、半割り処理が終了する。粉末X線回
折測定等といった通常のX線測定では、上記のような半
割り処理を行えば実用上十分な精度で初期平行性の設定
ができる。しかしながら、極めて高い測定精度が要求さ
れるX線反射率測定に関しては、以下に説明するような
問題が生じるおそれがある。
【0018】すなわち、入射X線ビームRは、完全な平
行ビームではなく、ある発散角をもっている。そのため
図24に示すように、一部のX線ビームが試料106の
表面で全反射し、その全反射ビームがスリット107を
通過してX線カウンタ108によって計数されてしま
い、その結果、試料106の正確な平行性及びX線ビー
ムに対する正確な前後位置が得られないことがある。実
際上、半割り処理を繰り返して行うたびに、試料106
のセット位置がわずかに違うという現象がしばしば見ら
れ、このことが、反射率曲線のグラフにおける原点、す
なわちゼロ位置の誤差となり、解析精度を低下させる原
因となっていた。
【0019】また、X線反射率測定に用いられるX線ビ
ームの断面径は非常に小さく成形されるので、半割り処
理だけで試料の位置出しを正確に行うには、非常に慎重
な作業を長い時間をかけて行わなければならなかった。
【0020】(従来のX線反射率測定方法における第2
の問題点)従来、X線反射率測定においては、2θ角度
のスキャン範囲を一定、例えば0゜〜10゜といったよ
うに設定し、その範囲内を一定のステップ幅で2θ角度
変化させながら、1ステップ当たり一定の計数時間で反
射X線を計数していた。特にX線反射率測定では、X線
反射率の強度変化は、数十万cpsから数cpsの計数
率まで、5桁以上におよぶ。
【0021】X線反射率を高精度に解析するためには、
なるべく高角度域までのデータを得ることが望ましい。
X線強度レベルの低い高角度領域のデータ収集には、統
計変動などを考慮して、1ステップ当たりのX線計数時
間を長くして測定を行う必要がある。従来のX線反射率
測定方法では、高角度領域のX線計数時間を長く設定す
るということは、必然的に低角度領域におけるX線計数
時間も同様に長く設定するということを意味しており、
それ故、全体の測定を終了するまでに多大な測定時間を
要していた。X線強度レベルが高い低角度領域に関して
も、必要以上に長いX線計数時間を消費するというの
は、時間の無駄使いであった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のX線
反射率測定装置及びX線反射率測定方法における上記の
問題点を解消するためになされたものであって、特に、
従来のX線反射率測定装置の構造的な問題点を解消し
て、大口径試料に関して解析精度の高いX線反射率測定
をできるようにすること並びに試料の自動供給及び自動
排出に対して非常に好都合な構造を提供することを第1
の目的とする。
【0023】また、従来のX線反射率測定方法における
上記第1の問題点を解消して、入射X線ビームに対する
試料の初期平行位置を各試料に対して安定して極めて正
確に設定できるX線反射率測定方法を提供することを第
2の目的とする。
【0024】また、従来のX線反射率測定方法における
上記第2の問題点を解消して、X線反射率測定に関して
高い解析精度を維持しつつ、測定時間を短縮することの
できるX線反射率測定方法を提供することを第3の目的
とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1記載のX線反射率測定装置は、試料を
その試料表面が試料軸線を含むように水平状態に支持す
る試料支持手段と、試料軸線を中心として回転移動可能
な第1アームと、第1アームに支持されていて試料に特
性X線を照射するX線照射ユニットと、試料軸線を中心
として回転移動可能であってX線検出器を支持する第2
アームと、第1アーム及び第2アームを互いに同期して
回転移動させるバー回転駆動機構とを有することを特徴
としている。
【0026】バー回転駆動機構というのは、例えばサイ
ンバー回転駆動機構、タンジェントバー回転駆動機構等
のように、直進駆動バーと回転従動バーとの組み合わせ
によって構成される回転駆動機構のことである。
【0027】X線照射ユニットは特定の構成に限定され
ないが、望ましくは、ポイントフォーカスのX線を放射
するX線管と、X線管から放射されたX線から特性X線
を選択する非対称カットのモノクロメータとによって構
成される。非対称カットのモノクロメータを使用すれ
ば、X線ビームのビーム幅を圧縮できるので、X線反射
率曲線の微細な変動を測定対象とするX線反射率測定に
関してみれば、非常に好都合である。しかしながら、チ
ャンネルカットのモノクロメータや、通常の単結晶モノ
クロメータを適用できることはもちろんである。
【0028】モノクロメータの後段側の適宜の位置にX
線選択用スリットを設ければ、モノクロメータで回折し
た複数の回折線、例えばKα1 線とKα2 線のうちから
希望する回折線、例えばKα1 線のみを取り出して、試
料へ供給できる。すなわち、特性X線の選択精度が向上
する。
【0029】試料支持手段は第1アーム及び第2アーム
を支持する支持用機枠に設けること、すなわち両アーム
と一体に設けることもできるし、あるいは、両アームと
別体に設けることもできる。別体に設けるようにすれ
ば、試料支持手段のまわりに、支持用機枠、支持用構造
物その他の機械要素を設ける必要がなくなるので、追加
的な付帯設備、例えば試料を自動供給及び自動排出する
ための自動機等を設置しやすくなる。
【0030】試料支持手段としては、単に、試料を固定
状態で支持する支持部材を用いることもできるが、試料
位置のX線ビームに対する初期平行位置の調整や、エリ
アマッピング測定等を迅速且つ高精度に行うようにする
ために、次の各要素、すなわち、試料を面内回転移動さ
せる面内回転手段と、試料をX線ビームに対して上下移
動させる昇降移動手段と、試料を面内で平行移動させる
面内平行移動手段と、そして試料を傾斜移動させるチル
ト移動手段といった要素を試料支持手段内に設備するこ
とが望ましい。また、その場合には、試料側から見て、
面内回転手段、昇降移動手段、面内平行移動手段、そし
てチルト移動手段の順に各要素を設置することが望まし
い。
【0031】上記第2の目的を達成するため、請求項7
記載のX線反射率測定方法は、試料の表面を入射X線ビ
ームに対して平行に且つ試料によってX線ビームの断面
をほぼ半分遮蔽するようにX線光学系を調節する半割り
工程と、半割り工程後にX線ビームと試料との位置関係
を再度検査する補助検査工程とを有している。そして、
その補助検査工程において、入射X線角度及び反射X線
角度をX線反射率曲線のうちの全反射領域内の値に設定
し、入射X線角度、試料のあおり角度及び入射X線に対
する試料の前後平行位置の少なくとも1つを、X線強度
が最大になるように調節する。
【0032】上記第2の目的を達成するため、請求項8
記載のX線反射率測定方法は、入射X線ビームの入射角
度=0゜のときの入射X線及び試料軸線の両方を含む基
準平面に対して垂直な方向から試料にレーザビームを入
射し、そのときに試料から反射したレーザビームを二次
元光検出器によって検出し、その検出位置に基づいて、
入射X線ビームに対する試料の傾斜角度を調節すること
を特徴としている。
【0033】この場合、レーザビームを基準平面に対し
て垂直な方向から試料に照射するために、ハーフミラー
を使用するのが好都合である。また、入射X線ビームに
対する試料の前後平行位置の位置精度を正確に調整する
ため、上記の垂直方向からのレーザビーム照射に加え
て、レーザビームを斜め方向から試料に照射し、そのと
きの反射光を、例えばライン状光センサによって検出
し、その検出位置に基づいて試料の位置を調節すること
もできる。さらに、レーザビームをレーザ光検出部付近
で焦点を結ぶように集光することにより、位置検出用の
プローブが小さくなることから、レーザ光検出の位置精
度を高め、試料の傾斜角度調整の精度を上げることがで
きる。
【0034】上記第3の目的を達成するため、請求項1
2記載のX線反射率測定方法は、入射X線ビーム及びX
線検出器をステップスキャンさせながら、各ステップで
X線光学系のスキャン移動を止めてX線検出器でX線を
計数し、そして反射X線強度の強いところではX線計数
時間を短く設定し、反射X線強度の弱いところではX線
計数時間を長く設定することを特徴としている。
【0035】また、請求項13記載のX線反射率測定方
法は、入射X線ビーム及びX線検出器をステップスキャ
ンさせながら反射X線を検出すると共に、反射X線強度
が所定の境界強度以上のときにはX線カウント数を基準
とするX線検出を行い、一方、反射X線強度が所定の境
界強度以下のときにはX線計数時間を基準とするX線検
出を行うことを特徴としている。
【0036】
【作用】請求項1記載のX線反射率測定装置によれば、
試料を試料支持手段によって水平状態に保持するので、
大口径試料を安定して支持できる。また、ウオームとウ
オームホイールを用いた回転駆動機構ではなくて、バー
回転駆動機構によって入射X線ビーム及びX線検出器を
走査回転させるので、高精度の走査回転が得られる。さ
らに、入射X線ビームとX線検出器とを互いに同期して
θ−θ回転させることにより、相対的にX線検出器が入
射X線ビームに対して2θ回転する。バー回転駆動機構
によって現実にX線検出器を2θ回転させると、2θ回
転の高角度領域においてかなりの程度で回転誤差が発生
するおそれがあるが、X線検出器の回転をθ回転に押さ
えたので、回転誤差に関する心配はなく、また、θと2
θとの倍角関係が損なわれることもない。
【0037】請求項7記載のX線反射率測定方法では、
半割り工程によって試料の入射X線ビームに対する初期
平行位置がほぼ正確に位置出しされる。しかしながら、
X線ビームが完全な平行ビームでないことに起因して、
極めて小さな程度ではあるが、試料の設定位置にバラツ
キが生じることがある。一般的な粉末X線回折測定等に
おいては、そのようなバラツキはあまり問題にはならな
いが、高精度の解析精度が要求されるX線反射率測定で
はそのような非常に小さなバラツキでも測定誤差の原因
となる。これに対し、半割り工程に加えて補助検査工程
を実行すれば、試料の初期平行位置をバラツキなく安定
して設定できる。
【0038】また、請求項8記載のX線反射率測定方法
では、試料にレーザビームを照射したときの、そのレー
ザビームの反射角度に基づいて試料の正規位置からのズ
レ、特に角度ズレを検出する。
【0039】請求項12及び請求項13記載のX線反射
率測定方法では、入射X線ビームに対してX線検出器を
2θステップスキャンするとき、1ステップごとのX線
計数時間を可能な限り短くして、全体の測定時間を短縮
化する。
【0040】
【実施例】(実施例1) 図1及び図2は本発明に係るX線反射率測
定装置の一実施例を示している。特に、図1はその正面
図、図2はその平面図を示している。このX線反射率測
定装置は、X線照射ユニット2と、試料支持装置3と、
検出器ユニット4とを有している。X線照射ユニット2
は、X線管5と、モノクロメータ6と、X線選択用スリ
ット7とを有している。また、検出器ユニット4は、受
光スリット24と、X線カウンタ25とを有している。
【0041】試料支持装置3は、試料8を置くための試
料台9と、面内回転用パルスモータ14によって駆動さ
れる面内回転台10と、昇降移動用パルスモータ15に
よって駆動される昇降移動台11と、面内平行移動台1
2と、あおり移動台13とを有している。面内平行移動
台12は、X方向移動用パルスモータ18によって駆動
されるX方向スライダ16と、Y方向移動用パルスモー
タ19によって駆動されるY方向スライダ17とを有し
ている。また、あおり移動台13は、RX 移動用パルス
モータ22によって駆動されるRX 移動台20と、RY
移動用パルスモータ23によって駆動されるRY 移動台
21とを有している。
【0042】X線管5の内部には、図2に示すように、
フィラメント26及びそれに対向するターゲット27が
設けられている。フィラメント26は通電によって発熱
して熱電子を放出し、その熱電子がターゲット27に高
速で衝突するときにそのターゲット27からX線が発生
する。発生したX線は、X線管5から出てモノクロメー
タ6で回折し、X線選択用スリット7を通過し、そして
受光スリット24を通過した後にX線カウンタ25に受
け取られる。これ以降の説明では便宜上、図2に示すよ
うに、X線Rの光路に対して直角な方向をX方向とし、
X線Rの光路に対して平行な方向をY方向とする。なお
X線管5からは、図12に示すように、例えば幅0.4
mm程度のポイントフォーカスのX線Rが発生する。
【0043】図4に示すように、面内回転台10は、試
料8を垂直軸線LV を中心として回転、すなわち面内回
転させる。また、昇降移動台11は、試料8をX線ビー
ムRに対して前後方向、実施例の場合は上下方向へ平行
移動させる。また、面内平行移動台12は、試料8をX
方向及び/又はY方向へ平行移動させる。また、RX
動台20は、矢印Hで示すように、試料軸線LS を中心
として試料8を傾斜移動、すなわちチルト移動させる。
そして、RY 移動台21は、矢印Jで示すように、2θ
=0゜のときX線Rの光軸を中心として試料8を傾斜移
動させる。
【0044】図1において、X線照射ユニット2を構成
する、X線管5、モノクロメータ6及びX線選択用スリ
ット7は、支持スタンド29に回転移動可能に支持され
た第1アーム28によって支持されている。この第1ア
ーム28は、試料軸線LS を中心として回転移動可能な
主アーム30と、モノクロメータ軸線LM を中心として
その主アーム30に回転移動可能に支持された補助アー
ム31とによって構成されている。補助アーム31は、
補助アーム用パルスモータ33によって駆動されて、主
アーム30に対して相対的に回転移動する。なお、試料
軸線LS というのは、初期平行位置に置かれた試料8の
表面の中心を通る軸線のことであり、モノクロメータ軸
線LM というのは、モノクロメータ6の回転中心線のこ
とである。
【0045】X線選択用スリット7は主アーム30上に
配設されていて、パルスモータ32の働きによりX線光
軸に対する直角方向の位置を調節できる。X線管5は補
助アーム31上に固定設置されている。モノクロメータ
6は、主アーム30及び補助アーム31の両方に対して
回転移動可能であって、モノクロメータ用パルスモータ
34によって駆動されて、主アーム30及び補助アーム
31の両方に対して回転移動する。
【0046】検出器ユニット4を構成する、受光スリッ
ト24及びX線カウンタ25は、試料軸線LS を中心と
して支持スタンド29に回転移動可能に支持された第2
アーム35上に支持されている。受光スリット24は、
受光スリット用パルスモータ36の働きによりX線光軸
に対する直角方向の位置を調節できる。
【0047】試料支持装置3の左右両側には、昇降駆動
装置40及び41がそれぞれ1個づつ設置されている。
これらの昇降駆動装置40,41は、それぞれ、第1ア
ーム用パルスモータ38又は第2アーム用パルスモータ
39によって駆動されて直進昇降移動する出力ロッド4
0a及び41aを備えている。左側の出力ロッド40a
は第1アーム28の主アーム30に連結され、右側の出
力ロッド41aは第2アーム35に連結されている。
【0048】図6は、出力ロッド40aと第1アームの
主アーム30との連結状態及び出力ロッド41aと第2
アーム35との連結状態の具体例を示している。図示の
通り、主アーム30及び第2アーム35の適所には長穴
その他のガイド部42が形成され、スライダ43がその
ガイド部42に沿って自由に移動できるように設けられ
ている。そして、昇降駆動装置の出力ロッド40a,4
1aの先端がそのスライダ43に回転自在に連結されて
いる。この構成により、出力ロッド40a,41aが矢
印Fのように直進昇降移動すると、主アーム30及び第
2アーム35は矢印θのように試料軸線LS (図1参
照)を中心として回転する。このとき、スライダ43は
ガイド部42に沿って移動する。
【0049】この駆動機構は、いわゆるタンジェントバ
ー方式の駆動機構と呼ばれるものであって、原理的には
図7に示すように、回転軸44を中心として回転移動す
るアーム45の先端にアクチュエータ46の先端を点状
に接触させ、そのアクチュエータ46を直進移動するこ
とによってアーム45を回転させるものである。なおこ
のとき、アーム45に対するアクチュエータ46の接触
点は移動する。
【0050】本実施例では、バー回転駆動機構として上
記のタンジェントバー方式を用いたが、図8に原理的に
示すような、いわゆるサインバー方式を用いることもで
きる。この方式では、アーム45の先端に回転自在なロ
ーラ47が設けられ、先端が平面であるアクチュエータ
48のその先端がローラ47に接触している。この方式
によれば、アーム45とアクチュエータ48との接触点
は常にアーム45の回転軸44から等距離を維持する。
【0051】図2において、第1アーム28の回転軸2
8aにはバランスウエイト49が連結されている。これ
は、重量の重いX線管5の重量の全てが左側の昇降駆動
装置40に加わるのを防ぐためである。
【0052】モノクロメータ6は、図9に示すように、
非対称カットモノクロメータとか、ビーム幅圧縮型モノ
クロメータ等と呼ばれるモノクロメータを用いている。
この非対称カットモノクロメータ6は、単結晶を結晶格
子面Gに対して平行にカットするのではなく、角度δで
カットして回折面を形成したものである。このモノクロ
メータ6によれば、幅W0 で入射するX線Ri を幅W1
に圧縮した状態で回折でき、これにより、強度が強く、
しかも幅の狭いX線を得ることができる。
【0053】今、例えば、ターゲット27として銅(C
u)を用い、モノクロメータとしてミラー指数(11
1)のゲルマニウム(Ge)を用いるものとすれば、θ
=13.64゜、δ=9.19゜に設定することによ
り、ビーム幅を1/5に圧縮したKα1 線をβ=4.4
5゜の出射角度で得ることができた。
【0054】図1において、X線カウンタ25には、X
線強度を電気的パルスの数として検出してそのパルス数
に応じて信号を出力するX線計数回路50と、その出力
信号に基づいてX線反射率を演算する演算回路51とが
接続される。X線反射率演算回路51の出力信号は、図
3に示すように、X線反射率測定装置の全体の制御を司
るCPU(中央演算装置)52へ送られる。CPU52
は、メモリ53内に記憶された所定のプログラムに従
い、X線反射率演算回路51からの出力信号及びその他
各種の信号に基づいて、以上に説明した各モータの動
作、すなわち回転方向及び回転角度を制御する。なお、
各モータの回転角度は、各モータに供給する駆動用パル
スのパルス数によって制御する。また、CRT54等の
映像表示手段や、プロッタ等の機械式表示手段55等を
作動して、図17や図18に示すX線反射率曲線を表示
する。
【0055】以下、CPU52によって実行されるX線
反射率測定を一例をあげて説明する。
【0056】(モノクロメータの調整)図1及び図2に
おいて、試料台9上に測定対象である試料8を載せる前
に、モノクロメータ6に関する光学上の位置設定を以下
のようにして行う。まず、第1アーム28の主アーム3
0のθ角度をθ=0゜に設定し、第2アーム35のθ角
度をθ=0゜に設定する。すなわち、X線カウンタ25
の2θ角度を2θ=0゜に設定する。
【0057】次に、使用するモノクロメータ6の回折角
度は既知であるから、図13において、モノクロメータ
用モータ34を作動して、X線源Pから発生されるX線
ビームがモノクロメータ6で回折するように、X線源P
に対するモノクロメータ6の角度を設定する。また、補
助アーム用モータ33を作動して、回折線がX線カウン
タ25によって最大強度として検出されるように、補助
アーム31の角度を設定する。さらに、スリット用モー
タ32を作動してスリット7の位置を次のように、すな
わちKα1 線を通過させ、しかしKα2 線を遮断するよ
うに設定する。
【0058】(試料の初期平行位置の調整)以上のモノ
クロメータに関する調整が終わった後、試料8を支持台
9の上に置き、その試料8を所定の初期平行位置に設定
する。なお、本実施例では、円形基板の上に薄膜を形成
したものを試料として、その薄膜の厚さや、表面粗さ等
を測定するものとする。ここで行う初期設定は、試料8
の表面をX線ビームに対して正確に平行に位置設定する
ために行われるものであり、仮にこの調整が不十分であ
れば、その後にX線反射率測定をどのように高精度に行
ったとしても、結果として得られるデータの信頼性は低
い。このような問題を解消するため、本実施例では、以
下に説明するような初期平行位置の調整を実行する。な
お、複数の試料8に対してX線反射率測定を行う場合
は、試料8の1個ごとに対して初期平行位置の調整を行
う。
【0059】本実施例の装置では、半割り工程及び補助
検査工程の2つの工程によって試料の初期平行位置の調
整を行う。半割り工程というのは、既に説明したよう
に、入射X線ビームと試料とを平行に設定し、さらに入
射X線ビームの断面形状の半分が試料によって遮られる
ように、入射X線ビームと試料との相対位置を決定する
ために行われる工程である。また、補助検査工程という
のは、半割り工程を補って試料をより一層精度高く一定
の平行位置に位置決めするために行われるものである。
【0060】図10及び図11は、試料の初期平行位置
の調整のための制御フローを示しているが、ステップ1
01〜111が半割り工程を示し、ステップ112〜1
16が補助検査工程を示している。
【0061】まず、半割り工程から順に説明すれば、昇
降移動台11(図4参照)を動かして試料8をX線ビー
ムRに対して上下方向へ移動させ、X線カウンタ25に
よってこのときのX線強度プロファイルを得る(ステッ
プ101)。そして、I0 /2(I0 は最大強度)の強
度レベルを示す上下方向位置のところを見つけて、昇降
移動台11をその位置に固定する(ステップ102)。
その後、RX 移動台20を動かして試料軸線LS のまわ
りのあおり移動、すなわちチルト移動を行ってX線強度
プロファイルを得る(ステップ103)。そして、最大
強度を示すチルト角度を見つけて、RX 移動台20をそ
の位置に固定する。
【0062】その後、今見つけた最大X線強度が当初の
最大強度I0 に等しいか否かをチェックする(ステップ
105)。等しい場合は、試料8がX線ビームRを全く
遮っていない異常位置と判断できるから、初めからやり
直す。等しくない場合には、試料8がX線ビームRの一
部を正常に遮っているものと判断して次のステップに進
む。
【0063】ステップ106において、再び上下方向移
動を行い、X線強度が0.8×I0の強度レベルを示す
位置を見つけて昇降移動台10をその位置に固定する。
このような操作を行う理由は次の通りである。すなわ
ち、X線強度が0.5×I0 のままで次のステップであ
るRY スキャンを行う場合と、X線強度が0.8×I0
とした後にRY スキャンを行う場合とを比較したとき、
0.8×I0 の場合の方がRY スキャンに伴うX線強度
の変化の程度が大きくなり、よって、X線強度プロファ
イルのピーク値を見つけ易くなるなるからである。
【0064】その後、RY 移動台21を動かしてX線R
の光軸のまわりのあおり移動、すなわちチルト移動を行
ってX線強度プロファイルを求め(ステップ107)、
さらにX線強度プロファイルのピーク値を見つけて、R
Y 移動台21をその位置に固定する(ステップ10
8)。その後再び、上下平行移動を行って強度プロファ
イを得(ステップ109)、そのプロファイルにおいて
0 /2の強度レベルを示す上下方向位置のところを見
つけて、昇降移動台11をその位置に固定する(ステッ
プ110)。
【0065】その後、ステップ103からステップ11
0を決められた所定回数だけ繰り返して半割り工程を終
了する。これにより、X線ビームRに対して試料8を平
行に配置し、さらに試料8によってX線ビームの断面の
半分を遮るように設定できたはずである。しかしながら
図24に関連して説明したように、半割り処理だけの場
合は、X線の全反射に起因してX線強度の測定に関して
誤差が生じ、その結果、試料8の初期位置設定に関して
バラツキが発生することがある。本実施例では、ステッ
プ112〜ステップ116によって構成される補助検査
工程によって、そのようなバラツキが発生するのを、以
下のように防止している。
【0066】図1においてX線照射側昇降駆動装置40
及び検出器側昇降駆動装置41を作動して、第1アーム
28及び第2アーム35を等しい角度で同期して回転移
動させて、図5に示すように、試料8に対するX線ビー
ムの入射角度及びX線カウンタ25の角度をθ1 に設定
する。このθ1 は、図17又は図18に示すようなX線
反射率曲線のうちの全反射領域Z内の任意の角度であ
り、例えば2θ1 =0.3゜程度に設定する(ステップ
112)。
【0067】その後、RX 移動台20を動かしてRX
キャンを行い、さらに昇降移動台11を動かして前後ス
キャンを行い、さらにRY 移動台21を動かしてRY
キャンする。そして、各スキャンの際にX線強度プロフ
ァイルのピーク値を見つけ出し、各移動台をその位置に
固定する(ステップ113〜ステップ115)。そし
て、ステップ113〜ステップ115を決められた回数
だけ繰り返して補助検査工程を終了する。この補助検査
工程により、試料8がX線ビームRに対して平行な初期
位置に安定して正確に位置決めされ、その結果、引き続
いて行われるX線反射率測定の測定結果の信頼性が向上
する。
【0068】(X線反射率測定)以上により、試料8に
関しての初期平行位置が設定された後、いよいよ、目的
とするX線反射率測定が実行される。すなわち図4にお
いて、X線入射角度=X線カウンタ角度=θ=0゜に戻
した後、それらの角度θを決められたステップ角度で正
確に同期させて徐々に大きくしてゆき、個々のθ角度位
置において、決められた計数時間だけX線カウンタ25
によりX線を計数する。
【0069】入射X線ビームの個々のθ角度位置、従っ
て反射X線の個々の2θ角度位置において、X線源Pか
ら出たX線ビームはモノクロメータ6で回折して単色化
され、この単色化により、主にKα1 線及びKα2 線が
得られる。これらのうち、Kα2 線は選択スリット7に
よって進行を阻止され、Kα1 線だけが試料8へ照射さ
れる。照射されたX線は試料8で反射し、その反射X線
は受光スリット24を通過してX線カウンタ25に取り
込まれて計数される。このX線計数作業が反射X線に関
する個々の2θ角度位置において行われることにより、
例えば、図17又は図18に示すようなX線反射率曲線
が得られる。
【0070】いわゆるエリアマッピング測定を行う場
合、すなわち試料8の異なる点におけるX線反射率デー
タを測定する場合には、図4において、面内回転台10
及び/又は面内平行移動台12を適宜に動かして、試料
8の内の異なる点をX線ビームの照射位置に持ち運ぶ。
【0071】なお、このX線反射率測定におけるθ角度
スキャンのステップ角度及び個々のθ角度位置における
X線計数時間は、全測定期間中一定の大きさに保持する
ことができる。しかしながら、そのように制御すると測
定時間が徒に長くなる。測定時間を短くしたい場合には
次のような測定方法を採用すると良い。
【0072】(1)段階的FT法 X線測定において、X線計数時間を終始一定時間に固定
し、その固定時間内で計数したX線カウント値をその固
定計数時間で除することによってX線強度(cps: C
ount/sec)を求めるという測定方法が、FT法(Fixed
Time 法)として知られている。このFT法を改良した
本発明に係る段階的FT法では、反射X線強度が強い所
では計数時間を短く設定し、反射X線強度が弱い所では
計数時間を長く設定する。
【0073】例えば、図18において、反射X線強度が
強い区間T1 では計数時間を0.5秒に、反射X線強度
が中程度の区間T2 では計数時間を2秒に、そして反射
X線強度が弱い区間T3 では計数時間を10秒に設定す
る。このように、FT法を基本とした上で計数時間を段
階的に変化させるように制御することにより、十分なX
線強度が得られる領域では可能な限り計数時間を節約
し、一方、X線強度が弱い領域では十分なX線カウント
値を得るために計数時間を長くし、総合的に見て全体の
測定時間を短縮化できる。
【0074】(2)FC法とFT法の合成測定法 FT法とは別のX線測定方法として、FC法(Fixed Co
unt 法)と呼ばれる方法がある。このFC法というの
は、X線カウント値がある決められた固定値に到達する
までの計数時間を測定し、固定カウント値をその測定さ
れた時間で除することによってX線強度(cps)を求
めるという方法である。
【0075】ここにあげた合成測定法によれば、測定が
開始された当初はFC法によって測定を行い、計数時間
が設定した時間を越えるようになった時点で、測定方法
をFT法に変更する。こうすれば、X線反射強度の弱い
高角度領域ではFT法によって十分なX線カウント数を
獲得でき、一方、X線反射強度の強い低角度領域ではF
C法によって測定時間を短縮化できる。FT法からFC
法への変更を行う境界点は、求めようとしている測定精
度と許容される測定時間との兼ね合いで、都合の良い所
に設定する。
【0076】本実施例では、図1及び図2に示すよう
に、試料8を試料支持装置3によって水平状態に保持す
るので、大口径試料を安定して支持できる。また、ウオ
ームとウオームホイールを用いた回転駆動機構ではなく
て、タンジェントバー方式、サインバー方式等といった
バー回転駆動機構によって入射X線ビーム及びX線検出
器を走査回転移動させるので、X線反射率測定において
対象となる比較的低角度領域の2θスキャン範囲におい
て高精度の走査回転が得られる。
【0077】さらに本実施例では、入射X線ビームとX
線検出器とを互いに同期してθ−θ回転させることによ
り、相対的にX線検出器を入射X線ビームに対して2θ
回転させている。バー回転駆動機構によって現実にX線
検出器を2θ回転させるものとすれば、2θ回転の高角
度領域においてかなりの程度で回転誤差が発生するおそ
れがあるが、X線検出器の実際上の回転を1/2の角度
であるθ回転に押さえたので、回転誤差に関する心配は
ない。また、θと2θとの倍角関係を損なうこともな
い。
【0078】(実施例2)上記の実施例1では、X線反
射率の本測定に先立ち、半割り工程及び補助検査工程に
よって、試料8に関して初期平行性の位置調整を行うこ
とを説明した。図4において符号56で示すレーザビー
ム測定系は、試料8の初期平行性の位置調整のための装
置として、上記の半割り工程及び補助検査工程から成る
調整方法に加えて付加的に、又は、半割り工程及び補助
検査工程から成る調整方法に代えて単独で用いることが
できる。
【0079】この測定系56は、レーザ光源57と、例
えばCCDによって構成した二次元光検出器58とを有
している。レーザ光源57は、入射角度θ=0゜のとき
の入射X線ビームR及び試料軸線LS の両方を含む基準
平面に対して垂直な方向からレーザビームを出射する。
また、光検出器58の中央には光通過用の微細穴59が
形成され、レーザ光源57から放射されたレーザビーム
は、その微細穴59を通過して試料8へ到達し、そこで
反射する。
【0080】試料8がX線ビームRに対して正確に平行
であるとき、そこで反射したレーザビームは垂直上方へ
進行する。試料8がX線ビームRに対して平行でないと
き、反射ビームは二次元光検出器58の原点、すなわち
微細穴59から外れた位置の下面に集光する。二次元光
検出器58に接続された位置演算回路60は、受光位置
の座標を検出し、その座標位置から試料8の傾きの方向
及び大きさを演算する。この演算結果に基づいて、試料
8をRX チルト移動及びRY チルト移動させて位置補正
することにより、試料8のX線ビームRに対する平行性
が得られる。
【0081】以上の位置修正作業により、実用上十分な
試料8の平行性が得られるが、場合によっては、X線ビ
ームRに対する試料8の前後位置の位置精度が不十分な
こともある。これを補償するため、試料8に低角度方向
からレーザ光を照射するレーザ光源61と、レーザ光源
61から出射して試料8で反射したレーザ光を受光する
直線状光検出器62とから成るレーザビーム測定系を設
置することが望ましい。直線状光検出器62も、例えば
CCDによって構成できる。
【0082】X線ビームRに対する試料8の上下位置が
所定位置からずれていると、直線状光検出器62による
反射レーザ光の受光点が正常点からずれ、このずれ量に
基づいて試料8の前後位置に関するずれが測定できる。
この測定結果に基づいて昇降移動台11による試料位置
調整を行えば、試料8を常に一定の位置に位置決めでき
る。
【0083】(実施例3)図14は、試料8に関して初
期平行性の位置調整を行うための別の実施例を示してい
る。この実施例がレーザビームを用いて位置調整を行う
ことは、図4に示した上記の実施例と同じである。異な
る点は、レーザビームを二次元光検出器58に貫通させ
るのではなくて、ハーフミラー63を用いてレーザ光学
系を構成したことである。
【0084】具体的には、二次元光検出器58の側方位
置にレーザ光源57を配置し、そのレーザ光源57から
出たレーザ光をハーフミラー63によって反射して試料
8へ導いている。試料8で反射したレーザ光はハーフミ
ラー63を透過して二次元光検出器58に受光される。
この実施例によれば、二次元光検出器58に微細穴加
工、その他の特別の加工をする必要がないので、製作が
非常に容易になる。また、レーザ光源57とハーフミラ
ー63との間にレンズ64を設置し、そのレンズ64の
焦点距離を、レンズ64から試料8までの光路長と試料
8からレーザ光検出器58までの光路長の合計の光路長
とほぼ等しくすることにより、位置検出の精度を向上で
き、これにより、試料8の傾斜あるいは位置調整の精度
が向上する。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載のX線反射率測定装置によ
れば、試料支持手段によって試料を水平状態に保持する
ので、大口径試料を安定して支持できる。また、ウオー
ムとウオームホイールを用いた回転駆動機構ではなく
て、タンジェントバー方式、サインバー方式等といった
バー回転駆動機構によって入射X線ビーム及びX線検出
器を走査回転移動させるので、X線反射率測定において
対象となる比較的低角度領域の2θスキャン範囲におい
て高精度の走査回転が得られる。
【0086】さらに、入射X線ビームとX線検出器とを
互いに同期してθ−θ回転させることにより、相対的に
X線検出器を入射X線ビームに対して2θ回転させてい
る。バー回転駆動機構によって現実にX線検出器を2θ
回転させるものとすれば、2θ回転の高角度領域におい
てかなりの程度で回転誤差が発生するおそれがあるが、
X線検出器の実際上の回転を1/2の角度であるθ回転
に押さえたので、回転誤差に関する心配はない。また、
θと2θとの倍角関係を損なうこともない。
【0087】さらに、試料支持手段はθ回転させる必要
がなく、固定状態のままで良いので、試料支持手段の内
部に複雑な機構や、重量の重い機構等を格納しても、X
線光学系に対しては何等の支障も生じない。X線反射率
測定に関しては、試料の平行性調整等のように微細で高
精度の調整が要求され、そのため、試料に関して種々の
複雑な機構を付設することが要求される。従って、試料
支持手段をθ回転させる必要がないということは、X線
反射率測定にとっては非常に好ましい。
【0088】請求項2記載及び請求項3記載のX線反射
率測定装置によれば、非対称カットモノクロメータによ
ってX線ビームのビーム幅を圧縮することができるの
で、Kα1 線とKα2 線との分離が明確になり、よって
X線選択用スリットによるKα1 線の取り出しが容易に
なる。しかも、圧縮されたX線ビームはビーム幅が狭い
にもかかわらず強度が強いので、信頼性の高いX線測定
ができる。
【0089】請求項4記載のX線反射率測定装置によれ
ば、試料支持手段がX線光学系から別個独立しているの
で、その試料支持手段を種々の場所に容易に設置でき
る。例えば、試料の搬送ラインの脇に本X線反射率測定
装置を設置し、連続して搬送される試料を自動的にX線
反射率測定装置に供給及び排出することを考えたとき、
試料支持手段のまわりにロボットハンド、その他種々の
自動機を付設することができる。
【0090】請求項5記載のX線反射率測定装置によれ
ば、X線ビームに対する試料の位置を極めて高精度に調
整できる。また、エリアマッピング測定を行うこともで
きる。
【0091】請求項6記載のX線反射率測定装置によれ
ば、各手段を組み合わせたときの全体形状を小型にでき
る。
【0092】請求項7記載のX線反射率測定方法によれ
ば、X線ビームを用いて試料の初期平行性の調整をおこ
なうとき、試料でのX線全反射に起因する位置設定のバ
ラツキを補償して、試料を高精度に位置決めできる。
【0093】請求項8及び請求項9記載のX線反射率測
定方法によれば、X線ビームに対する試料の平行性の調
整を、簡単な操作によって高精度に行うことができる。
【0094】請求項10記載のX線反射率測定方法によ
れば、簡単な操作により、X線ビームに対する試料の前
後位置をも調整できる。
【0095】請求項12から請求項14記載のX線反射
率測定方法によれば、信頼性の高い測定を維持しつつ、
測定時間を可能な限り短縮化できる。
【0096】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線反射率測定装置の一実施例を
示す正面図である。
【図2】同X線反射率測定装置の平面図である。
【図3】同X線反射率測定装置の電気制御系の要部を示
す回路ブロック図である。
【図4】同X線反射率測定装置の試料移動構造及びX線
光学系等を模式的に示す斜視図、特にθ=0゜のときの
状態を示す図である。
【図5】同X線反射率測定装置の試料移動構造及びX線
光学系等を模式的に示す斜視図、特にθ角度を全反射領
域内の角度に移動した状態を示す図である。
【図6】バー回転駆動機構の一例の要部を示す正面図で
ある。
【図7】バー回転駆動機構の一例であるタンジェントバ
ー駆動機構の原理を示す正面図である。
【図8】バー回転駆動機構の他の一例であるサインバー
駆動機構の原理を示す正面図である。
【図9】非対称カットモノクロメータの一例を模式的に
示す平面図である。
【図10】図1のX線反射率測定装置によって実行され
る作業の流れの一部を示すフローチャートである。
【図11】図10に引き続くフリーチャートである。
【図12】図1のX線反射率測定装置で用いられるX線
ビームの断面形状を模式的に示す斜視図である。
【図13】図1のX線反射率測定装置の要部、特にX線
照射ユニット部分を模式的に示す正面図である。
【図14】本発明に係るX線反射率測定装置の他の実施
例の要部を模式的に示す斜視図である。
【図15】X線反射率測定の原理を説明するための模式
図である。
【図16】X線反射率測定の原理を説明するための他の
模式図である。
【図17】X線反射率曲線の一例を示すグラフである。
【図18】X線反射率曲線の他の一例を示すグラフであ
る。
【図19】従来のX線反射率測定装置の一例を示す斜視
図である。
【図20】従来のX線反射率測定装置の他の一例を示す
斜視図である。
【図21】半割り処理時の一工程を模式的に示す図であ
る。
【図22】図21に引き続く半割り処理時の他の一工程
を模式的に示す図である。
【図23】半割り処理時におけるX線ビーム断面と試料
断面との位置関係を模式的に示す断面図である。
【図24】半割り処理時の一工程、特にX線の全反射が
発生している状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ベース 2 X線照射ユニット 3 試料支持装置 4 検出器ユニット 5 X線管 6 モノクロメータ 7 X線選択用スリット 8 試料 9 試料台 10 面内回転台 11 昇降移動台 12 面内平行移動台 13 チルト移動台 14 面内回転用パルスモータ 15 昇降移動用パルスモータ 16 X方向スライダ 17 Y方向スライダ 18 X方向移動用パルスモータ 19 Y方向移動用パルスモータ 20 RX 移動台 21 RY 移動台 22 RX 移動用パルスモータ 23 RY 移動用パルスモータ 24 受光スリット 25 X線カウンタ 28 第1アーム 29 支持スタンド 30 主アーム 31 補助アーム 32 選択スリット用パルスモータ 33 補助アーム用パルスモータ 34 モノクロメータ用パルスモータ 35 第2アーム 36 受光スリット用パルスモータ 38 第1アーム用パルスモータ 39 第2アーム用パルスモータ 40 第1アーム用昇降駆動装置 41 第2アーム用昇降駆動装置 LS 試料軸線 LM モノクロメータ軸線 P X線源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇佐美 勝久 茨城県日立市大みか町七丁目1番地1号 株式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 百生 秀人 茨城県日立市大みか町七丁目1番地1号 株式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 憲雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番地1号 株式会社日立製作所日立研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を低角度で試料に入射し、試料で反
    射したX線を検出するX線反射率測定装置において、 試料表面が試料軸線を含むように試料を水平状態に支持
    する試料支持手段と、 試料軸線を中心として回転移動可能な第1アームと、 第1アームに支持されていて、試料に特性X線を照射す
    るX線照射ユニットと、 試料軸線を中心として回転移動可能であって、X線検出
    器を支持する第2アームと、 第1アーム及び第2アームを互いに同期して回転移動さ
    せるバー回転駆動機構とを有することを特徴とするX線
    反射率測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線反射率測定装置にお
    いて、X線照射ユニットは、ポイントフォーカスのX線
    を放射するX線管と、X線管から放射されたX線から特
    性X線を選択する非対称カットのモノクロメータとを有
    することを特徴とするX線反射率測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のX線反射率測定装置にお
    いて、X線照射ユニットは、試料へ向かうX線から特性
    X線を選択して通過させるX線選択用スリットを有する
    ことを特徴とするX線反射率測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちのいずれか
    1つに記載のX線反射率測定装置において、試料支持手
    段は第1アーム及び第2アームと別体であることを特徴
    とするX線反射率測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちのいずれか
    1つに記載のX線反射率測定装置において、 試料支持
    手段は、 試料を面内回転移動させる面内回転手段と、 試料をX線ビームに対して上下移動させる昇降移動手段
    と、 試料を面内で平行移動させる面内平行移動手段と、そし
    て試料を傾斜移動させるチルト移動手段とを有すること
    を特徴とするX線反射率測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のX線反射率測定装置にお
    いて、試料支持手段は、試料から見て、面内回転手段、
    昇降移動手段、面内平行移動手段、そしてチルト移動手
    段の順に各手段を有することを特徴とするX線反射率測
    定装置。
  7. 【請求項7】 X線を低角度で試料に入射し、試料で反
    射したX線を検出するX線反射率測定方法において、 試料の表面を入射X線ビームに対して平行に、且つ試料
    によってX線ビームの断面をほぼ半分遮蔽するようにX
    線光学系を調節する半割り工程と、 半割り工程後にX線ビームと試料との位置関係を再度検
    査する補助検査工程とを有しており、その補助検査工程
    において、 入射X線角度及び反射X線角度をX線反射率曲線のうち
    の全反射領域内の値に設定し、 入射X線角度、試料のあおり角度及び入射X線に対する
    試料の前後平行位置の少なくとも1つを、X線強度が最
    大になるように調節することを特徴とするX線反射率測
    定方法。
  8. 【請求項8】 入射X線ビーム及びX線検出器を試料軸
    線を中心として同期回転させながら、入射X線ビームを
    低角度で試料に入射し、試料で反射したX線をX線検出
    器で検出するX線反射率測定方法において、 入射X線ビームの入射角度=0゜のときの入射X線及び
    試料軸線の両方を含む基準平面に対して垂直な方向から
    試料にレーザビームを入射させ、試料から反射したレー
    ザビームを二次元光検出器によって検出し、その検出位
    置に基づいて、入射X線ビームに対する試料の傾斜角度
    を調節することを特徴とするX線反射率測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のX線反射率測定方法にお
    いて、試料と二次元光検出器との間に配置したハーフミ
    ラーを用いて、上記基準平面に対して垂直な方向から試
    料にレーザビームを入射させることを特徴とするX線反
    射率測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9記載のX線反射
    率測定方法において、レーザビームを斜め方向から試料
    に入射し、試料からの反射光を少なくとも直線状の検知
    領域を有する光検出器によって検出し、その検出位置に
    基づいて、入射X線ビームに対する試料の位置を調節す
    ることを特徴とするX線反射率測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項8から請求項10のうちのいず
    れか1つに記載のX線反射率測定方法において、レーザ
    ビームが試料によって反射した後に光検出部近傍で焦点
    を結ぶように、レーザ発生装置から試料に至るレーザビ
    ーム光路上に少なくとも1つの集光手段を設けたことを
    特徴とするX線反射率測定方法。
  12. 【請求項12】 入射X線ビーム及びX線検出器を試料
    軸線を中心として同期回転させながら、入射X線ビーム
    を低角度で試料に入射し、試料で反射したX線をX線検
    出器で検出するX線反射率測定方法において、 入射X線ビーム及びX線検出器をステップスキャンさせ
    ながら、各ステップでX線光学系のスキャン移動を止め
    てX線検出器でX線を計数し、そして反射X線強度の強
    いところではX線計数時間を短く設定し、反射X線強度
    の弱いところではX線計数時間を長く設定することを特
    徴とするX線反射率測定方法。
  13. 【請求項13】 入射X線ビーム及びX線検出器を試料
    軸線を中心として同期回転させながら、入射X線ビーム
    を低角度で試料に入射し、試料で反射したX線をX線検
    出器で検出するX線反射率測定方法において、 入射X線ビーム及びX線検出器をステップスキャンさせ
    ながら反射X線を検出すると共に、 反射X線強度が所定の境界強度以上のとき、X線カウン
    ト数を基準とするX線検出を行い、 反射X線強度が所定の境界強度以下のとき、X線計数時
    間を基準とするX線検出を行うことを特徴とするX線反
    射率測定方法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は請求項13記載のX線
    反射率測定方法において、X線反射率曲線のうちの全反
    射領域におけるステップ幅を、反射率が減少する領域に
    おけるステップ幅よりも広く設定することを特徴とする
    X線反射率測定方法。
JP06128166A 1994-05-18 1994-05-18 X線反射率測定方法 Expired - Fee Related JP3109789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06128166A JP3109789B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 X線反射率測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06128166A JP3109789B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 X線反射率測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07311163A true JPH07311163A (ja) 1995-11-28
JP3109789B2 JP3109789B2 (ja) 2000-11-20

Family

ID=14978035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06128166A Expired - Fee Related JP3109789B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 X線反射率測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3109789B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007026461A1 (ja) * 2005-08-29 2007-03-08 Rigaku Corporation 縦横小角x線散乱装置及び小角x線散乱の測定方法
US7231016B2 (en) 2004-07-30 2007-06-12 Jordan Valley Applied Radiation, Ltd. Efficient measurement of diffuse X-ray reflections
US7551719B2 (en) 2004-09-21 2009-06-23 Jordan Valley Semiconductord Ltd Multifunction X-ray analysis system
JP2010117368A (ja) * 2010-02-18 2010-05-27 Shimadzu Corp X線回折装置及びx線調整方法
JP2011247834A (ja) * 2010-05-29 2011-12-08 Rigaku Corp X線分析装置
US8243878B2 (en) 2010-01-07 2012-08-14 Jordan Valley Semiconductors Ltd. High-resolution X-ray diffraction measurement with enhanced sensitivity
US8437450B2 (en) 2010-12-02 2013-05-07 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Fast measurement of X-ray diffraction from tilted layers
US8687766B2 (en) 2010-07-13 2014-04-01 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Enhancing accuracy of fast high-resolution X-ray diffractometry
JP2015184041A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 株式会社日立ハイテクサイエンス X線分析装置
US9726624B2 (en) 2014-06-18 2017-08-08 Bruker Jv Israel Ltd. Using multiple sources/detectors for high-throughput X-ray topography measurement

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3919775B2 (ja) 2004-07-15 2007-05-30 株式会社リガク X線反射率測定方法及び装置
US8903044B2 (en) * 2011-01-31 2014-12-02 Rigaku Corporation X-ray diffraction apparatus

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7231016B2 (en) 2004-07-30 2007-06-12 Jordan Valley Applied Radiation, Ltd. Efficient measurement of diffuse X-ray reflections
US7551719B2 (en) 2004-09-21 2009-06-23 Jordan Valley Semiconductord Ltd Multifunction X-ray analysis system
US8000444B2 (en) 2005-08-29 2011-08-16 Rigaku Corporation Vertical/horizontal small angle X-ray scattering apparatus and method for measuring small angle X-ray scattering
JPWO2007026461A1 (ja) * 2005-08-29 2009-03-26 株式会社リガク 縦横小角x線散乱装置及び小角x線散乱の測定方法
JP4669004B2 (ja) * 2005-08-29 2011-04-13 株式会社リガク 縦横小角x線散乱装置及び小角x線散乱の測定方法
WO2007026461A1 (ja) * 2005-08-29 2007-03-08 Rigaku Corporation 縦横小角x線散乱装置及び小角x線散乱の測定方法
US8243878B2 (en) 2010-01-07 2012-08-14 Jordan Valley Semiconductors Ltd. High-resolution X-ray diffraction measurement with enhanced sensitivity
JP2010117368A (ja) * 2010-02-18 2010-05-27 Shimadzu Corp X線回折装置及びx線調整方法
JP2011247834A (ja) * 2010-05-29 2011-12-08 Rigaku Corp X線分析装置
US8687766B2 (en) 2010-07-13 2014-04-01 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Enhancing accuracy of fast high-resolution X-ray diffractometry
US8693635B2 (en) 2010-07-13 2014-04-08 Jordan Valley Semiconductor Ltd. X-ray detector assembly with shield
US8437450B2 (en) 2010-12-02 2013-05-07 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Fast measurement of X-ray diffraction from tilted layers
JP2015184041A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 株式会社日立ハイテクサイエンス X線分析装置
US9726624B2 (en) 2014-06-18 2017-08-08 Bruker Jv Israel Ltd. Using multiple sources/detectors for high-throughput X-ray topography measurement

Also Published As

Publication number Publication date
JP3109789B2 (ja) 2000-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5949847A (en) X-ray analyzing apparatus and x-ray irradiation angle setting method
JP5009563B2 (ja) 試料の検査方法および装置
TWI444589B (zh) 用於分析樣本之裝置及方法
EP1617210B1 (en) Method and apparatus for X-Ray reflectance measurement
JP3109789B2 (ja) X線反射率測定方法
KR102104082B1 (ko) X 선 나이프 에지의 폐루프 제어
US20070286344A1 (en) Target alignment for x-ray scattering measurements
JP6000696B2 (ja) X線応力測定装置およびx線応力測定方法
US6404847B1 (en) Continuously scanning X-ray analyzer having improved readiness and accuracy
CN109839397B (zh) 同步辐射共聚焦荧光实验装置中共聚焦微元尺寸测量方法
JPH05322804A (ja) X線反射プロファイル測定方法及び装置
JP2008122349A (ja) 測定装置
JP4367820B2 (ja) X線反射率測定装置
JP2905448B2 (ja) X線分析における試料台の位置設定方法および装置
JPH0915392A (ja) X線解析装置
JP2003254918A (ja) 単結晶体の方位測定装置、この装置におけるガイド部材の角度誤差の検出方法及び単結晶体の方位測定方法
JP3286010B2 (ja) 蛍光x線分析装置およびx線照射角設定方法
RU2178140C1 (ru) Устройство для бесконтактного измерения геометрических параметров цилиндрических изделий
JP2001311705A (ja) X線回折装置
CN109839396B (zh) 一种基于kb镜聚焦的同步辐射共聚焦荧光实验方法
JPH07190735A (ja) 光学式測定装置およびその測定方法
JPH084606Y2 (ja) 全反射蛍光x線分析装置
JP2006105748A (ja) ビーム入射を伴う分析方法
JPH10282021A (ja) 全反射蛍光x線分析における入射角設定方法および装置
JPH0225738A (ja) X線回折装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees