JPH07310788A - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の振動低減装置

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JPH07310788A
JPH07310788A JP10688394A JP10688394A JPH07310788A JP H07310788 A JPH07310788 A JP H07310788A JP 10688394 A JP10688394 A JP 10688394A JP 10688394 A JP10688394 A JP 10688394A JP H07310788 A JPH07310788 A JP H07310788A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い取り付け精度を必要としない振動低減装
置を提供すること。 【構成】 機関で回転駆動される回転体を設け、前記回
転体の中心を通る直線上に前記中心を挟んで対称の位置
に配設された第1支点および第2支点を設け、前記第1
支点および第2支点をそれぞれ回動中心とする一対の腕
を配設し、前記一対の腕のそれぞれの一方の端部を交差
せしめ、かつ、その交差部を前記第1支点および第2支
点の垂直2等分線上を移動せしめ、前記一対の腕のそれ
ぞれの他方の端部には重錘を取り付ける4サイクル直列
4気筒機関に対しては、回転体をクランク軸と同じ回転
数で駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の振動低減装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ピストン、クランク機構を有する往復動
形内燃機関においては、ピストン等の往復部質量による
慣性力に起因する上下振動、およびコンロッドが揺動す
ることによる左右振動が発生する。したがって、これら
内燃機関の発生する振動が内燃機関が装着されているボ
デー部材に伝わることを抑制するために、内燃機関とボ
デー部材との間のマウント部材によってその振動を吸収
することが行われる。しかし、マウント部材だけではそ
の振動を吸収しきれない場合に、機関が発生する振動そ
のものを小さくする必要がある。そこで、アンバランス
質量を有するバランサシャフトを設けて機関往復部質量
が発生する振動を打ち消すことが公知であり、例えば、
本願出願人によって先に出願され、実開平3−1259
34号公報に開示されたものがある。上記公報の装置で
は、クランクシャフトに同期して回転するバランサシャ
フトが配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報の
バランサシャフトは回転軸に対してアンバランス質量が
固定的に取り付けられており、往復部質量が発生する振
動を打ち消すための位相合わせに高い取り付け精度が要
求され、高価な駆動機構を必要としている。本発明は上
記問題に鑑み、高い取り付け精度を必要としない振動低
減装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、機関で
回転駆動される回転体を設け、前記回転体の中心を通る
直線上に前記中心を挟んで対称の位置に配設された第1
支点および第2支点を設け、前記第1支点および第2支
点をそれぞれ回動中心とする一対の腕を配設し、前記一
対の腕のそれぞれの一方の端部を交差せしめ、かつ、そ
の交差部を前記第1支点および第2支点の垂直2等分線
上を移動せしめ、前記一対の腕のそれぞれの他方の端部
には重錘を取り付けて成る内燃機関の振動低減装置が提
供される。
【0005】
【作用】機関自体がある方向の振動を発生すると、回転
部材に取り付けられている重錘に振動が励起され、重錘
の振動により発生する慣性力が機関自体が発生する振動
を打ち消す様に作用する。
【0006】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の第1の実施例の構造を示す図であ
って、1は機関本体を示し、2はそのクランク軸(図示
しない)に結合されたクランクプーリである。100は
本第1実施例においては、唯一の回転体であるが、後述
の第2の実施例の説明を考慮して、第1回転体と称す
る。111と121は、それぞれ第1回転体100に固
定的に取り付けられた第1支点と第2支点である。11
2と122はそれぞれ第1腕、第2腕であって、それぞ
れ係合部113と123を介して第1支点111と第2
支点121に回転自在に軸支されている。
【0007】一方、第1腕、第2腕112と122の直
径方向外側の端部には、それぞれ第1重錘114と第2
重錘124が固定的に取り付けられており、直径方向内
側の端部には第1連結部115、第2連結部125が配
設されており、それぞれ第1支点111と第2支点12
1の垂直2等分線上に設けられたガイド溝101内を摺
動するピン102に遊動自在に係合している。したがっ
て、第1重錘114と第2重錘124の合成重心は第1
支点111と第2支点121の垂直2等分線上を移動す
る。
【0008】第1回転体100はクランクプーリ2、ベ
ルト3を介してクランク軸と同回転数で駆動される。
【0009】以下、上記第1の実施例の作動について説
明する。先ず、図2の(A)に示す様に第1回転体10
0が停止していて腕112、122が水平方向にのびた
状態を考える。この状態で、第1回転体100に力を加
え図中上方に動かすと重錘114、124は元の位置に
留まろうとするので図2の(B)に示す様な状態とな
る、逆に第1回転体100を図中下方に動かすと図2の
(C)に示す様な状態となる。したがって、第1回転体
100を上下に動かすと重錘114、124が振り子運
動をおこなうことは明らかである。実際には、第1回転
体100は回転しているので重錘114、124は、第
1回転体100の遠心力の場の中で、自らも回転しなが
ら振り子運動をおこなうことになる。
【0010】以下、第1回転体100が回転しながら外
力によって振動している場合を考えるが、第1回転体1
00の回転方向は反時計回り、外力が上下に交番的に作
用するものとし、外力が1周期する間に、第1回転体1
00は半回転するものとする。ここで、第1回転体10
0はクランクプーリ2によって駆動されるが、単なるベ
ルト3による駆動であってクランク角に対する位相は決
まっていない、したがって、重錘114、124の位置
とそれに作用する外力の大きさと方向は一定でない。そ
こで、以下、重錘114、124の位置と外力の作用の
様子をいくつかのケースに分けて説明をおこなう。
【0011】図3に示すのは第1の組み合わせの場合で
あって、第1回転体100が(A)に示される様に反時
計回りに半回転する時、それに作用する外力が(B)の
様に変化する場合である。上記の様な組み合わせで作動
させると、第1回転体100に取り付けられた重錘11
4、124は(C),(D),(E),(F)に示され
る様な運動に収束する。そして図4の(A)は、第1回
転体100に取り付けられた重錘114、124が上記
の様な運動をおこなう時の2個の重錘114、124の
重心の軌跡を拡大して示したものである。図4の(A)
に示される様に2個の重錘114、124の重心は円運
動を行う。したがって、その遠心力による慣性力が機関
本体1に作用する。図4の(B)は前記慣性力の垂直方
向の大きさを時間軸上に展開したものであって図4の
(C)に示される外力の変化を示す図〔図3の(B)に
同じ〕と比較すると、各時点において、外力とは逆向き
の位置にあることがわかる。
【0012】図5に示すのは第2の組み合わせの場合で
あって、第1回転体100が(A)に示される様に反時
計回りに半回転する時、それに作用する外力が(B)の
様に変化する場合である。上記の様な組み合わせで作動
させると、第1回転体100に取り付けられた重錘11
4、124は(C),(D),(E),(F)に示され
る様な運動に収束する。そして図6の(A)は、第1回
転体100に取り付けられた重錘114、124が上記
の様な運動をおこなう時の2個の重錘114、124の
重心の軌跡を拡大して示したものである。図6の(A)
に示される様に2個の重錘114、124の重心は円運
動を行う。したがって、その遠心力による慣性力が機関
本体に作用する。図6の(B)は前記慣性力の垂直方向
の大きさを時間軸上に展開したものであって図6の
(C)に示される外力の変化を示す図〔図5の(B)に
同じ〕と比較すると、各時点において、外力とは逆向き
の位置にあることがわかる。
【0013】図7に示すのは第3の組み合わせの場合で
あって、第1回転体100が(A)に示される様に反時
計回りに半回転する時、それに作用する外力が(B)の
様に変化する場合である。上記の様な組み合わせで作動
させると、第1回転体100に取り付けられた重錘11
4、124は(C),(D),(E),(F)に示され
る様な運動に収束する。そして図8の(A)は、第1回
転体100に取り付けられた重錘114、124が上記
の様な運動をおこなう時の2個の重錘114、124の
重心の軌跡を拡大して示したものである。図8の(A)
に示される様に2個の重錘114、124の重心は円運
動を行う。したがって、その遠心力による慣性力が機関
本体に作用する。図8の(B)は前記慣性力の垂直方向
の大きさを時間軸上に展開したものであって図8の
(C)に示される外力の変化を示す図〔図7の(B)に
同じ〕と比較すると、各時点において、外力とは逆向き
の位置にあることがわかる。
【0014】図9に示すのは第4の組み合わせの場合で
あって、第1回転体100が(A)に示される様に反時
計回りに半回転する時、それに作用する外力が(B)の
様に変化する場合である。上記の様な組み合わせで作動
させると、第1回転体100に取り付けられた重錘11
4、124は(C),(D),(E),(F)に示され
る様な運動に収束する。そして図10の(A)は、第1
回転体100に取り付けられた重錘114、124が上
記の様な運動をおこなう時の2個の重錘114、124
の重心の軌跡を拡大して示したものである。図10の
(A)に示される様に2個の重錘114、124の重心
は円運動を行う。したがって、その遠心力による慣性力
が機関本体に作用する。図10の(B)は前記慣性力の
垂直方向の大きさを時間軸上に展開したものであって図
10の(C)に示される外力の変化を示す図〔図9の
(B)に同じ〕と比較すると、各時点において、外力と
は逆向きの位置にあることがわかる。
【0015】上記の様に、重錘114、124の位置と
それに作用する外力の大きさと方向が異なっていても重
錘114、124の重心が円運動を行い、常に外力に比
例した逆向きの慣性力を発生し外力を打ち消す作用をお
こなってる。以下、何故外力を打ち消す様な慣性力が発
生するのかを説明する。
【0016】まず、本発明を図11に示す様に、角速度
ωで回転する円盤に、質量m/2の2つの振り子を配置
したものと考える。図11において、ωは円盤の回転の
角速度、A,Bはそれぞれ重錘の重心、A’,B’は振
り子の支点、Cは2つの重錘の合成重心、x,y円盤に
固定した座標系、FA ,FB は重錘A,Bに作用する力
である。ここで、振り子の支点A’、B’を結んだ線を
y軸とすると、2つの振り子の重心A、Bが遠心力の場
の中で振動する時、2つの振り子の合成した重心Cは、
x軸上で振動をおこない、振幅が小さい時には図12に
示されるモデルに置き換えることができる。
【0017】図12において、合成重心C点に作用する
復元力F0 は下記の様に表される。 F0 =k×x ここで,kは定数である。一方、この時に作用する力は
図13の様に表され、重錘の重心Aに作用する遠心力F
1 は、円盤の中心Oと重錘Aとの距離をLとすると、下
記の様に表される。 F1 =(m/2)×L×ω2 また、重錘を振動させる力F3 は下記の様に表される。 F3 =F1 ×sin(θ1 −θ2)≒F1 × (θ1 −θ2) F3 のx軸方向成分F4 は下記の様に表される。 F4 =F3 ×cos(θ1)≒F3 =(m/2)×L×ω2 × (θ1 −θ2)…(1)
【0018】ここで、A点のx軸方向の変位xは、円盤
の中心Oと支点A’との距離をrとすると下記の様に表
せる。 θ1 ≒x/r,θ2 ≒x/L…(2) したがって、(1),(2)式より、 F4 =(m/2)×ω2 ×{ (L−r) /r}×x 一方、B点にも同じ力が作用しているので、合成重心C
に作用する復元力F0は下記の様に表される。 F0 =2×F4 =m×ω2 ×{ (L−r) /r}×x したがって、k=m×ω2 ×{ (L−r) /r}である。…(3)
【0019】上記は、円盤上に固定された座標上での説
明であるが、本発明では円盤そのものが回転している。
そこで、あらたに、図14に示される様に、絶対固定座
標X,Yを考え円盤の中心Oが、前記絶対固定座標X,
YのY軸方向に回転2次の単振動をしているとする。O
点の、絶対固定座標X,Y上の座標を(X0 ,Y0 )と
すると、 X0 =b×sin(2ωt) 0 Y0 =0 ここで、bは円盤中心Oの単振動の振幅である。
【0020】この時、2個の重錘の重心Cがどの様に運
動するかを考える。先ず、重心Cの固定座標X,Y上で
の座標を(X1 ,Y1 )とすると、 X1 =b×sin(2ωt) +xc ×cos(ωt+η) …(4) Y1 =xc ×sin(ωt+η) …(5) ここで、yc は重心Cの回転座標x,y上のy軸上の変
位であり、ηはt=0時の円盤の回転角である。
【0021】そして、運動方程式は以下の様にあらわす
ことができる。 m×X1 ”+xc ×k×cos(ωt+η) −Fy×sin(ωt+η) =0…(6) m×Y1 ”+xc ×k×sin(ωt+η) +Fy×cos(ωt+η) =0…(7) ここで、X1 ”,Y1 ”は、それぞれX1 ,Y1 の時間
に関する2回微分を表す。上記の運動方程式を解くと、
回転2次の加振力を打ち消す作用をするためには、k=
2ω2 ×mであり、その時の2個の重錘の合成重心Cの
軌跡は、下記の様にあらわされる。 X1 = a×sin(2ωt) +a×sin(−2η) Y1 =−a×cos(2ωt) +a×cos(−2η) ここで、aは定数である。これは、η、すなわち、外力
の振動周期と円盤の回転の位相差に係わらず2個の重錘
の合成重心Cが円盤の回転数の2倍の速度で円運動する
ことを示している。
【0022】ところで、回転体上に取り付けられた重錘
は上述の様に円運動を行っているので横方向の慣性力も
発生し、それによって左右方向の振動が新たに発生す
る。そして、機関の発生する上下振動を完全に打ち消す
様に、重錘の質量や腕の長さを設定すると、重錘の慣性
力が大きくなり、左右振動がかなり大きくなってしま
う。したがって、本第1の実施例の様に、回転体が1個
の場合には、左右振動が大きく成り過ぎない様に重錘の
質量や腕の長さが設定され、その分、上下振動に対する
抑制効果は減少する。
【0023】図15に示されるのは本発明の第2の実施
例であり、機関で駆動され、互いに逆方向に回転する一
対の回転体を設け、前記一対の回転体のそれぞれの中心
を通る直線上に前記中心を挟んで対称の位置に配設され
た第1支点および第2支点を設け、前記第1支点および
第2支点をそれぞれ回動中心とする一対の腕を配設し、
前記一対の腕のそれぞれの一方の端部を交差せしめ、か
つ、その交差部を前記第1支点および第2支点の垂直2
等分線上を移動せしめ、前記一対の腕のそれぞれの他方
の端部には重錘を取り付けて成る内燃機関の振動低減装
置であって、第1回転体と同じ構造の第2回転体が第1
回転体とは逆方向に回転する様に配設されたものであ
る。
【0024】図15において、200は第2回転体であ
って、211と221は、それぞれ第2回転体200に
固定的に取り付けられた第1支点と第2支点であり、2
12と222はそれぞれ第1腕、第2腕であって、それ
ぞれ係合部213と223を介して第1支点211と第
2支点221に回転自在に軸支され、第1腕212と第
2腕222の直径方向外側の端部には、それぞれ重錘2
14と224が固定的に取り付けられており、直径方向
内側の端部には第1連結部215、第2連結部225が
が配設されており、それぞれ第1支点211と第2支点
221の垂直2等分線上に設けられたガイド溝201内
を摺動するピン202に遊動自在に係合し、第1重錘2
14と第2重錘224の合成重心は第1支点211と第
2支点221の垂直2等分線上を移動する。第2回転体
200は、第1回転体を駆動するベルト3の背面で駆動
されるので第1回転体と同様クランク軸回転数と同じ回
転数で回転するがその方向は逆である。
【0025】図16は、本第2の実施例の様に第1、第
2の2個の回転体100、200を備えた時に、その合
成した作用を説明する図である。ここで第1回転体10
0が上記の説明の様に反時計回りで回転する様にされて
いる時には、第2回転体200は、逆に時計回りで回転
する様にされている。そして、上述の様に、いずれの回
転体もクランク角に対する位相は固定されていないが、
上記と同じ様に常に外力に比例した逆向きの慣性力で振
り子運動をおこない外力を打ち消す作用をおこなう。す
なわち、図16の(A)に示される様に外力が上下方向
に入力された時には、第1回転体100と第2回転体2
00に取り付けられた重錘114、124および21
4、224の重心はそれぞれ図16の(B)および
(C)に示される様な円運動をおこない、その慣性力の
上下方向の成分はそれぞれ図16の(D)および(E)
に示される様に変化する。したがって、機関本体1には
上記の図16の(D)および(E)を合成した、図16
の(F)に示される力が作用する。したがって、第1回
転体100と第2回転体200が、それぞれ外力の半分
に相当する慣性力を発生する様に、重錘114、124
および214、224の質量および腕112、122お
よび212、222の長さを設定することにより外力は
丁度打ち消すことができる。一方、前記図16の(B)
および(C)に示される様な重心の円運動による慣性力
の左右方向の成分はそれぞれ図16の(G)および
(H)に示される様に変化する。そして、これらを合成
すると図16の(I)に示される様に互いに打ち消し合
って機関本体1には左右方向の慣性力は作用しない。
【0026】一方、図17は外力の入力方向が左右方向
の場合の作用を説明する図である。図17の(A)に示
される様に外力が左右方向に入力された時には、第1回
転体100と第2回転体200に取り付けられた重錘1
14、124および214、224の重心はそれぞれ図
17の(B)および(C)に示される様な円運動をおこ
ない、その慣性力の左右方向の成分はそれぞれ図17の
(D)および(E)に示される様に変化する。したがっ
て、機関本体1には上記の図17の(D)および(E)
を合成した、図17の(F)に示される力が作用する。
したがって、第1回転体100と第2回転体200が、
それぞれ外力の半分に相当する慣性力を発生する様に、
重錘114、124および214、224の質量および
腕112、122および212、222のおよび腕の長
さを設定することにより外力は丁度打ち消すことができ
る。一方、前記図17の(B)および(C)に示される
様な重心の円運動による慣性力の上下方向の成分はそれ
ぞれ図17の(G)および(H)に示される様に変化す
る。そして、これらを合成すると図17の(I)に示さ
れる様に互いに打ち消し合って機関本体1には上下方向
の慣性力は作用しない。
【0027】上述の様に、本第2の実施例の場合には、
互いに逆方向に回転する第1、第2の回転体が設けられ
ているので、機関本体1が発生する振動、例えば上下方
向の振動を打ち消すとともに回転体が発生する機関本体
とは別方向の振動、例えば左右方向の振動は2個の回転
体同士が互いに打ち消す。したがって、機関の発生する
振動を完全に打ち消す様に、重錘の質量や腕の長さを設
定しても、それによって新たに別方向の振動が発生する
ことはなく、機関の発生する振動を完全に打ち消す様に
設定をすることができる。
【0028】以上、第1の実施例では回転体が1個の場
合を、第2の実施例では回転体が2個の場合を説明して
きたが、必要に応じて、回転体の個数を増やすことも可
能である。また、機関回転数に対する回転体の回転数の
比を変えることによって、次数の異なる振動を抑制する
こともでき、上記第1の実施例、第2の実施例ともに回
転体を機関回転数と同一の回転数で回転させ回転2次の
振動を抑制しているが、例えば、機関回転数の2倍の回
転数で回転させれば回転4次の振動を抑制することがで
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記の様に構成され作用し、
外力を打ち消す方向に自律調整的に重錘が振動するの
で、高い精度でクランク角に対する位相を合わせる必要
がなく、高精度、高価な駆動機構が不要である。また、
外力を打ち消すために発生させる慣性力の大きさを、重
錘の質量を変えること、あるいは振り子の腕の長さを変
えることにより比較的容易にできるので、バランサシャ
フトのような一体構造の振動低減装置に比べればその調
整はやりやすい。また、振動の次数への対応も容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】回転体上に取り付けられた重錘の動きを示す図
であって、 (A)回転体が静止している場合である。 (B)回転体が上方に動いた場合である。 (C)回転体が下方に動いた場合である。
【図3】各回転体が外力を受けた場合の重錘の挙動を示
すものであって、 (A)回転体が外力を受けない場合の状態を示す図であ
る〔この状態(=第1支点と第2支点とを結ぶ直線が上
下方向を向いている)にt0 が来る様に(B)に示され
る外力が入力される)。 (B)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (C)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の2個の重錘の様子と、その重心位置を示す図であ
る(t0 時)。 (D)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t1 時)。 (E)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t2 時)。 (F)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t3 時)。
【図4】(A)2個の重錘の重心の位置の軌跡を拡大し
て示す図である。 (B)重錘の振動による慣性力の変化を示す図である。 (C)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。
【図5】各回転体が外力を受けた場合の重錘の挙動を示
すものであって、 (A)回転体が外力を受けない場合の状態を示す図であ
る〔この状態(=第1支点と第2支点とを結ぶ直線が4
5度右下がりの方向を向いている)にt0 が来る様に
(B)に示される外力が入力される)。 (B)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (C)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の2個の重錘の様子と、その重心位置を示す図であ
る(t0 時)。 (D)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t1 時)。 (E)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t2 時)。 (F)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t3 時)。
【図6】(A)2個の重錘の重心の位置の軌跡を拡大し
て示す図である。 (B)重錘の振動による慣性力の変化を示す図である。 (C)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。
【図7】各回転体が外力を受けた場合の重錘の挙動を示
すものであって、 (A)回転体が外力を受けない場合の状態を示す図であ
る〔この状態(=第1支点と第2支点とを結ぶ直線が水
平方向を向いている)にt0 が来る様に(B)に示され
る外力が入力される)。 (B)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (C)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の2個の重錘の様子と、その重心位置を示す図であ
る(t0 時)。 (D)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t1 時)。 (E)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t2 時)。 (F)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t3 時)。
【図8】(A)2個の重錘の重心の位置の軌跡を拡大し
て示す図である。 (B)重錘の振動による慣性力の変化を示す図である。 (C)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。
【図9】各回転体が外力を受けた場合の重錘の挙動を示
すものであって、 (A)回転体が外力を受けない場合の状態を示す図であ
る〔この状態(=第1支点と第2支点とを結ぶ直線が4
5度右上がり方向を向いている)にt0 が来る様に
(B)に示される外力が入力される)。 (B)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (C)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の2個の重錘の様子と、その重心位置を示す図であ
る(t0 時)。 (D)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t1 時)。 (E)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t2 時)。 (F)回転体が外力を受けて重錘が振動運動をしている
場合の重錘の様子を示す図である(t3 時)。
【図10】(A)2個の重錘の重心の位置の軌跡を拡大
して示す図である。 (B)重錘の振動による慣性力の変化を示す図である。 (C)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。
【図11】本発明の作動を円盤上の振り子運動として示
した図である。
【図12】図11の振り子運動をさらにモデル化して示
した図である。
【図13】図11の振り子の重錘に作用する力を説明す
る図である。
【図14】図12の振り子運動が回転しながら行われる
時の様子を説明する図である。
【図15】本発明の第2の実施例の構成を示す図であ
る。
【図16】上下方向の外力を受けた時に2個の回転体が
発生する慣性力による合成された作用を説明する図であ
って、 (A)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (B)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の重心の軌跡を示す図である。 (C)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の重心の軌跡を示す図である。 (D)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の慣性力の上下方向成分の時間に対する変化を示
す図である。 (E)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の慣性力の上下方向成分の時間に対する変化を示す
図である。 (F)上記の(D)と(E)を合成した図である。 (G)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の慣性力の左右方向成分の時間に対する変化を示
す図である。 (H)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の慣性力の左右方向成分の時間に対する変化を示す
図である。 (I)上記の(G)と(H)を合成した図である。
【図17】上下方向の外力を受けた時に2個の回転体が
発生する慣性力による合成された作用を説明する図であ
って、 (A)回転体が受ける外力の時間に対する変化を示す図
である。 (B)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の重心の軌跡を示す図である。 (C)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の重心の軌跡を示す図である。 (D)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の慣性力の上下方向成分の時間に対する変化を示
す図である。 (E)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の慣性力の上下方向成分の時間に対する変化を示す
図である。 (F)上記の(D)と(E)を合成した図である。 (G)反時計回りに回転する第1回転体に取り付けられ
た重錘の慣性力の左右方向成分の時間に対する変化を示
す図である。 (H)時計回りに回転する第2回転体に取り付けられた
重錘の慣性力の左右方向成分の時間に対する変化を示す
図である。 (I)上記の(G)と(H)を合成した図である。
【符号の説明】
1…機関本体 2…クランクプーリ 3…ベルト 100…第1回転体 101…(ピンの)ガイド溝(第1回転体) 102…ピン(第1回転体) 111…第1支点(第1回転体) 112…第1の腕(第1回転体) 113…第1係合部(第1回転体) 114…第1の重錘(第1回転体) 115…第1連結部(第1回転体) 121…第2支点(第1回転体) 122…第2の腕(第1回転体) 123…第2係合部(第1回転体) 124…第2の重錘(第1回転体) 125…第2連結部(第1回転体) 200…第2回転体 201…(ピンの)ガイド溝(第2回転体) 202…ピン(第2回転体) 211…第1支点(第2回転体) 212…第1の腕(第2回転体) 213…第1係合部(第2回転体) 214…第1の重錘(第2回転体) 215…第1連結部(第2回転体) 221…第2支点(第2回転体) 222…第2の腕(第2回転体) 223…第2係合部(第2回転体) 224…第2の重錘(第2回転体) 225…第2連結部(第2回転体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関で回転駆動される回転体を設け、 前記回転体の中心を通る直線上に前記中心を挟んで対称
    の位置に配設された第1支点および第2支点を設け、 前記第1支点および第2支点をそれぞれ回動中心とする
    一対の腕を配設し、 前記一対の腕のそれぞれの一方の端部を交差せしめ、か
    つ、その交差部を前記第1支点および第2支点の垂直2
    等分線上を移動せしめ、 前記一対の腕のそれぞれの他方の端部には重錘を取り付
    けて成る内燃機関の振動低減装置。
JP06106883A 1994-05-20 1994-05-20 内燃機関の振動低減装置 Expired - Fee Related JP3094789B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037069A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社ダイフク 洗車機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016037069A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社ダイフク 洗車機

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