JPH07310408A - 雨樋及びその製造方法 - Google Patents

雨樋及びその製造方法

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JPH07310408A
JPH07310408A JP10377094A JP10377094A JPH07310408A JP H07310408 A JPH07310408 A JP H07310408A JP 10377094 A JP10377094 A JP 10377094A JP 10377094 A JP10377094 A JP 10377094A JP H07310408 A JPH07310408 A JP H07310408A
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Japan
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core material
gutter
resin
reinforcing core
vinyl chloride
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JP10377094A
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Yoshiine Takeda
美稲 竹田
Masaki Ito
正喜 伊藤
Hitoshi Hayashi
仁司 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樋耳部の補強芯材が、樋本体部の補強芯材に
接着している部分の該接着強度に優れた雨樋及びその製
造方法を提供する。 【構成】 繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートよりなる
補強芯材1に、硬質塩化ビニル樹脂を押出被覆して樹脂
被覆層2を形成するに当たり、少なくとも樋耳部4の補
強芯材の終縁部1cを形成するマトリックス樹脂とし
て、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、酢酸ビニル
−エチレン系共重合樹脂を7〜18重量部配合した混合
樹脂を使用して補強芯材1を製造し、該補強芯材1を雨
樋状に賦形する際、その終縁部1cを樋本体部3の補強
芯材1bの側縁部に接合し、押出被覆を施すと、該接合
部の接着強度に優れた雨樋20が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化塩化ビニル系
樹脂製シートよりなる補強芯材に、硬質塩化ビニル樹脂
が押出被覆されて樹脂被覆層が形成された積層体からな
る雨樋及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に雨樋は、樋本体部と樋耳部とから
なり、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を材料として
押出成形されたものが汎用されてきた。しかしながら、
かかる雨樋は熱伸縮率が大きく且つ剛性に劣るので、四
季や昼夜の気温変化により変形したり、ひび割れが発生
し易いという欠点があった。
【0003】このような欠点を改良した雨樋として、従
来、繊維強化熱可塑性樹脂製補強芯材を使用し、樋耳部
の補強芯材部分を横断面ループ形に、即ち中空状に曲げ
加工し、賦形後の補強芯材の外表面に、塩化ビニル樹脂
等の熱可塑性樹脂を押出被覆してなる雨樋が提案されて
いる(実開平3−11732号公報参照)。つまり、内
部に熱伸縮率の小さい繊維強化熱可塑性樹脂製芯材を埋
入して、剛性を増すと共に、気温変化による変形を防止
することを狙いとしたものである。
【0004】またこの場合、繊維強化熱可塑性樹脂製補
強芯材として、通常シート状のものが用いられるが、そ
のシートの製造方法として、多数の連続モノフィラメン
トよりなる強化繊維束を、熱可塑性樹脂粉体からなる流
動床中を通過させ、開繊しながら熱可塑性樹脂粉体を繊
維間に捕捉・付着し、シート状に配列しつつ加熱溶融し
て一体化する方法等が開発されている(特開昭46−4
545号公報参照)。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、補強
芯材を用いた上記従来の雨樋にあっては、樋耳部の補強
芯材の終縁部は、樋本体部の補強芯材の側縁部に接着さ
れてはいるが、その部分の接着力が不十分であり、その
ため、四季や昼夜の温度変化、或いは積雪時の荷重等が
それほど激しくない場合は問題ないが、これらの外部環
境が厳しい場合は、該終縁部付近において変形し、樋耳
部の開きが生じたり、取付具からの樋耳部の抜けが生じ
たり、樋耳部に割れが生じたりする場合があり、厳しい
外部環境下では、その樋耳部の機能が充分に発揮されな
いという問題があった。
【0006】本発明は、上記積層体からなる雨樋の問題
点を解決し、樋耳部の補強芯材の終縁部が、樋本体部の
補強芯材に接合している部分の該接着力を充分に大きい
ものにしてその機械的強度を高め、以て、温度変化や積
雪荷重等、その外部環境が厳しい場合であっても悪影響
を受けることがなく、その機能を充分に発揮することが
でき、ひいては、その美観を長期間にわたって持続し得
る雨樋、並びにその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決する為の手段】請求項1記載の発明は、
「繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートよりなる補強芯材
に、硬質塩化ビニル樹脂が押出被覆されて樹脂被覆層が
形成された積層体からなり、樋本体部の幅方向端部に中
空状の樋耳部を有し、樋耳部の補強芯材は横断面ループ
状に曲げ加工され、その終縁部が樋本体部の補強芯材の
側縁部に接合されており、補強芯材の少なくとも前記終
縁部を形成するマトリックス樹脂は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に、酢酸ビニル−エチレン系共重合樹脂を
7〜18重量部配合した混合樹脂からなることを特徴と
する雨樋」であり、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0008】また、請求項2記載の発明は、「少なくと
も幅方向終縁部を形成するマトリックス樹脂として、塩
化ビニル系樹脂100重量部に、酢酸ビニル−エチレン
系共重合樹脂を7〜18重量部配合してなる混合樹脂を
用いて繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートからなる補強
芯材を製造し、該補強芯材の長尺体を繰り出して一方向
に移送しつつ、その幅方向中央部を漸次雨樋状に賦形し
て樋本体部の補強芯材を形成すると共に、幅方向端部を
漸次横断面ループ状に曲げ加工して中空状の樋耳部の補
強芯材を形成し、更に前記終縁部を樋本体部の補強芯材
の側縁部に接合するようにして賦形し、しかる後、該賦
形された補強芯材の外表面に硬質塩化ビニル樹脂を押出
被覆することを特徴とする雨樋の製造方法」であり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0009】次に、本発明を、図面を参照しながら詳細
に説明する。
【0010】図1は、請求項1記載の発明の雨樋20の
一例を示すもので、この雨樋20は、繊維強化塩化ビニ
ル系樹脂製シートよりなる補強芯材1に、硬質塩化ビニ
ル樹脂が押出被覆されて樹脂被覆層2が形成された積層
体からなり、且つ樋本体部3の幅方向両端部には、中空
状の樋耳部4が形成されている。
【0011】そして、この雨樋20では、樋耳部4の補
強芯材1aが、内側に横断面ループ形に曲げ加工されて
所謂内巻きの中空状となされ、この補強芯材1aの終縁
部1cが、樋本体部3の補強芯材1bの両側縁部にそれ
ぞれ接合されている。そして、この終縁部1cを形成す
るマトリックス樹脂は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、酢酸ビニル−エチレン系共重合体樹脂を7〜
18重量部配合した混合樹脂からなっている。
【0012】図2は、請求項1記載の発明の雨樋20の
他の例を示すもので、樋耳部4の補強芯材1aが、外側
に横断面ループ形に曲げ加工されて所謂外巻きの中空状
となされている点を除いて、図1に示すものと同じであ
る。
【0013】樹脂被覆層2を構成する硬質塩化ビニル樹
脂は、単独重合体であっても、或いは酢酸ビニル等との
共重合体であってもよく、また、これに安定剤、滑剤、
可塑剤、着色剤等の添加剤、及び、タルク、マイカ、炭
酸カルシウム等の充填材等が適宜配合されていてもよ
い。樹脂被覆層2の厚みは、任意に設定すればよいが、
500μm程度が一般的である。また、補強芯材1の平
均の厚みは、通常500〜1000μmである。
【0014】尚、樋耳部4の補強芯材1aは、図示のも
のについては、横断面四角形となるようにループ形に巻
かれているが、これに限らず横断面丸型、或いはその他
の断面を有するループ形状に巻かれていてもよい。
【0015】次に、請求項2記載の発明の雨樋20の製
造方法の一例について、図3及び図4を参照しながら詳
細に説明する。
【0016】先ず第一段階として、繊維強化塩化ビニル
系樹脂製シートからなる補強芯材1を製造する。図3
(イ)に示すように、多数の連続モノフィラメントより
なる強化繊維束6を複数本幅方向に等間隔に配列し、マ
トリックスとなる粉体樹脂8の流動床を形成した槽7内
に導き、該槽7内の濃密な粉体樹脂懸濁部において、槽
7内に設置した複数本のバーを経由して通過させること
により、強化繊維束6をモノフィラメント状に開繊さ
せ、同時に粉体樹脂8の付着を行う。
【0017】このとき、該槽7は、図3(ロ)に示すよ
うに、2枚の仕切り板7cにより平面視3槽構造に分割
されたものを使用する。中央槽7aは、塩化ビニル系粉
体樹脂8aの流動床、両側槽7bは塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して、酢酸ビニル−エチレン系共重合樹
脂を7〜18重量部配合した粉体状混合樹脂8bの流動
床がそれぞれ形成されている。尚、5は安定的に粉体樹
脂が浮遊している流動床を形成するための圧力気体が噴
出する多孔板である。
【0018】そして、このような粉体樹脂付着強化繊維
の製造装置を2基上下に配設し、粉体樹脂付着強化繊維
を連続的に製造しつつ、この間に、不織布、織布或いは
ネット等からなる補強材9を挟み入れながら、加熱ピン
チロール10にて加熱溶融すると共に加圧含浸し、シー
ト状に一体化して補強芯材1を形成する。尚、加熱ピン
チロールの形状、加熱条件、加圧条件等は適宜設定すれ
ばよい。
【0019】このようにすると、槽7が平面視相隣接す
る3槽構造となされていても、通過するのはシートでは
なく、強化繊維束6であるから、何らの障害もなく、任
意の本数の強化繊維束6を中央槽7a、或いは両側槽7
bに導入して樹脂を捕捉・付着させることができる。
【0020】従って、補強芯材1の製造に際し、その終
縁部1cを形成するマトリックス樹脂を上記特定の混合
樹脂とすることが極めて容易であり、また、挟着された
補強材9の繊維方向は多方向であるから、強化繊維は方
向性が解消されてその機械的強度が多方向にバランスの
とれたものとなる。このようにして、補強芯材1aの終
縁部1cとなる部分のマトリックス樹脂を前記特定の混
合樹脂とし、その他の部分は、塩化ビニル系樹脂のみと
した補強芯材1を作ることができ、最後に巻取機11に
コイル状に巻き取るのである。
【0021】ここで、補強芯材のマトリックス樹脂は、
少なくともその終縁部を形成する部分では、塩化ビニル
系樹脂と酢酸ビニル−エチレン系共重合樹脂との混合樹
脂でなければならない。無論、終縁部以外の部分、或い
は全体のマトリックス樹脂が混合樹脂であってもかまわ
ない。ここでいう、酢酸ビニル−エチレン系共重合樹脂
としては、酢酸ビニル−エチレン二元共重合体、酢酸ビ
ニル−エチレン−塩化ビニル三元共重合体等からなる樹
脂が好適であり、これらの樹脂は相溶性、接着性に優れ
たものである。
【0022】しかして、該混合樹脂は、補強芯材との濡
れ性を上げるため、酢酸ビニル−エチレン系共重合樹脂
の酢酸ビニル含有量が60〜80重量%であるものを使
用するのが好ましく、混合割合は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して、7〜18重量部の範囲とする必要
がある。7重量部に満たない場合は、充分な接着強度を
得るのが難しく、18重量部を超えると、加熱ピンチロ
ールでの加熱・加圧時、粘度が下がりすぎて支障を来す
ばかりか、後工程で硬質塩化ビニル樹脂を押出被覆する
際に、樹脂圧で補強芯材の終縁部が破壊してしまう恐れ
がある。
【0023】また、ここで言う塩化ビニル系樹脂は、補
強芯材表面に被覆される硬質塩化ビニル樹脂との接着性
に優れた塩化ビニルの単独重合樹脂、或いはその共重合
樹脂であり、これには、硬質塩化ビニル樹脂の場合と同
様に、安定剤、可塑剤、着色剤等の添加剤、及びタル
ク、マイカ、炭酸カルシウム等の充填材が配合されても
よい。
【0024】また、補強芯材に用いる強化繊維として
は、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、ポリ
アマイド繊維、ポリエステル繊維等、通常の熱可塑性樹
脂の強化繊維として用いられるものであればよく、材
質、形状は特に限定されない。強化繊維の表面には、熱
可塑性樹脂との接着性を向上させるために、プライマー
やカップリング剤による表面処理が行われていても良
い。
【0025】次に、第二段階として、補強芯材1をフォ
ーミング装置を使用して漸次雨樋状に賦形し且つその表
面に樹脂被覆層2を形成する。図4に示すように、コイ
ルより補強芯材1の長尺体を繰り出して一方向(図面で
は右方向)に移送しつつ、ロールフォーミング、或いは
シューフォーミング等のフォーミング装置12に通し、
その幅方向中央部を漸次雨樋状に賦形して樋本体部3の
補強芯材1bを形成すると共に、その幅方向両端部を漸
次横断面ループ形に曲げ加工して中空状の樋耳部4の補
強芯材1aを形成し、両上縁部に中空構造の樋耳部4の
補強心材1aがそれぞれ設けられた雨樋状に賦形する。
【0026】このとき、補強芯材1の両方の側縁部はフ
ォーミング装置12に固定され、金型内に通された棒状
のコア(図示しない)を包み込むように長手方向に沿っ
て折り曲げて横断面ループ形とし、その終縁部1cが、
樋本体部3の補強芯材1bの両側縁部の内面、または外
面に接合するように保持されることにより、補強芯材1
aが形成される。
【0027】このように、雨樋状に賦形された補強芯材
1は、予備加熱装置13を通り、押出機14のクロスヘ
ッド金型15に導入され、ここで、補強芯材1aの外表
面と補強芯材1bの両面とに、溶融した硬質塩化ビニル
樹脂が押出被覆され,樹脂被覆層2が形成される。尚、
この予備加熱段階では、接合した樋耳部4の補強芯材終
縁部1cは、樋本体部3の補強芯材1bの両側縁部に、
必ずしも接着されていなくてもよい。
【0028】かくして、得られた雨樋の半製品16は、
クロスヘッド金型15を出ると、引き続き冷却金型等か
らなるサンジング装置17に通され、そこで、表面仕上
げや雨樋の形状だしが行われる。その後、キャタピラ式
やベルト式の引取機18で引き取られ、プレス式やチッ
プ式等の切断機19で一定長さに切断され、雨樋20が
製造される。
【0029】
【作用】請求項1記載の発明の雨樋によれば、樋耳部の
補強芯材の、少なくとも終縁部を形成するマトリックス
樹脂が、特定の混合樹脂からなる極めて相溶性、接着性
に優れたものを使用しているので、樋本体部の補強芯材
の両側縁部に強固に接合しており、樋耳部に充分な機械
的強度を発現させることができる。
【0030】請求項2記載の発明の雨樋の製造方法によ
れば、少なくとも幅方向終縁部を形成するマトリックス
樹脂として、極めて相溶性、接着性に優れた特定の混合
樹脂を用いた繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートからな
る補強芯材を製造し、これを連続的に一方向に移送しつ
つ漸次幅方向に曲げ加工して雨樋状に賦形し、その際、
補強芯材の幅方向の前記終縁部を、樋本体部の補強芯材
の側縁部に接合するように賦形し、しかる後、その外表
面に硬質塩化ビニル樹脂を押出被覆する方法を採ったの
で、溶融した硬質塩化ビニル樹脂の余熱により、融点が
該硬質塩化ビニル樹脂と同等か、或いはそれよりも低い
ところの、補強芯材の終縁部のマトリックス樹脂が一時
的に溶融し、該終縁部をして、樋本体部の補強芯材の側
縁部に対して強固に接合せしめると共に、補強芯材の外
表面に樹脂被覆層が連続的に形成される。
【0031】
【実施例】
実施例1 前述した請求項2記載の発明の製造方法に従って、次の
成形材料及び成形条件により、図1に示す請求項1記載
の発明の雨樋を製造した。
【0032】(補強芯材の製造) 強化繊維束;ガラスロービング(日東紡社製、品番44
00、繊維径23μm、モノフィラメント4000本の
束)を上層、下層に各々12束、計24束用いて、横方
向に配列した。 中央槽(7a);塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S) 両側槽(7b);塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部と、酢酸ビニル−エチレン系共重合粉
体樹脂(酢酸ビニル含有量=80重量%)15重量部と
の混合樹脂
【0033】しかして、幅方向両端の2束づつの強化繊
維束をそれぞれ両側槽に、残りの強化繊維束各10束、
計20束を中央槽に導入した。 補強材;ガラスクロス(日東紡社製、品番WK2020
A) 加熱ピンチロールの温度;230℃ 成形速度;1.0m/分
【0034】得られた補強芯材は、平均厚み500μ
m、幅400mmであった。
【0035】(雨樋の製造)先ず、コイルより繰り出し
た補強芯材1を15段からなるシューフォーミング装置
12にて、その樋耳部4の補強芯材1aが、内側に横断
面ループ形となるように曲げ加工して、図1に示す雨樋
状に賦形し、この樋耳部4の補強芯材1aの終縁部1c
を、樋本体部3の補強芯材1bに当接せしめた。次い
で、これを80℃の温風予備加熱装置13を通過させ、
クロスヘッド金型15に導入し、樋耳部4の補強芯材1
aの内面を除く全面に硬質塩化ビニル樹脂(重合度=8
00)を185℃で500μmの厚さに溶融押し出して
被覆し、樹脂被覆層2を形成し、雨樋の半製品16を成
形した。
【0036】このとき、樋耳部4には、ステンレス鋼製
のコアを配置し、耳形状が変形しないようにした。つい
で、サイジング装置17により表面を仕上げ、併せて冷
却を行い、引取機18で引き取った後、4mに切断して
雨樋20を製造した。このときの成形速度は1.5m/
分であった。
【0037】この雨樋を長さ1mに切断して試験片と
し、これを75℃のオーブン中に1時間放置した後、熱
変形状態を観察したところ、樋耳部の熱変形は小さかっ
た。即ち、図5(イ)に示す樋本体開口部の開きは、
〜の各箇所における寸法(両耳部の両端部外側面同士
の間隔)として測定し、平均値を算出したところ、変化
率が4%であり、従来の雨樋規格内に充分収まるレベル
であった。次に、図5(ロ)に示す寸法・形状の樋耳部
試片を切り取り、その補強芯材接着部の剥離評価を、図
5(ハ)に示す方向で引張試験を行った結果、最大荷重
47Kgで接着部が剥離した。
【0038】実施例2 混合樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部に対し、酢酸ビニル−エチレン−塩化
ビニル共重合粉体樹脂(酢酸ビニル含有量=60重量
%)15重量部を混合したものを使用したこと以外は、
実施例1と同様にして、雨樋を製造し、測定乃至評価し
た。その結果、熱変形状態については、樋耳部の熱変形
は小さく、樋本体開口部の開きは、変化率が平均3%で
あり、補強芯材接着部の剥離評価は最大荷重42Kgで
接着部が剥離した。
【0039】比較例1 比較のため、槽7a、7bとも、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル粉体樹脂(信越化学工業社製、品番MA800S、平
均粒径150μm)にしたこと以外は実施例1と同様に
して雨樋を製造し、測定乃至評価した。その結果、熱変
形状態については、樋耳部に若干の蛇行変形が見られ、
樋本体開口部の開きは、変化率が平均6%であり、補強
芯材接着部の剥離評価は最大荷重20Kgで接着部が剥
離した。なお、この比較例1においても、成形速度を落
とせば接着強度の向上も期待できたと思われるが、しか
しながら、それでは生産性が落ちるという問題がある。
【0040】比較例2 混合樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合
粉体樹脂(酢酸ビニル含有量=80重量%)5重量部を
配合したものを使用したこと以外は、実施例1と同様に
して雨樋を製造し、測定乃至評価した。その結果、熱変
形状態については、樋耳部の熱変形は小さく、樋本体開
口部の開きは、変化率が平均4%であった。しかしなが
ら、混合樹脂における酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂
の配合量が少ない為、樋耳部の補強芯材接着部の剥離評
価は最大荷重22Kgで接着部が剥離した。
【0041】比較例3 混合樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合
粉体樹脂(酢酸ビニル含有量=80重量%)20重量部
を配合したものを使用したこと以外は、実施例1と同様
にして雨樋を製造しようとしたが、混合樹脂における酢
酸ビニル−エチレン共重合樹脂の配合量が少ない為、補
強芯材の製造時、加熱ピンチロールにおいて、端部がロ
ールにへばりついた状態で巻き付きを起こした為、製造
出来なかった。
【0042】比較例4 混合樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部に対し、エチレン−アクリル酸共重合
粉体樹脂15重量部を配合したものを使用したこと以外
は、実施例1と同様にして雨樋を製造し、測定乃至評価
した。その結果、熱変形状態については、樋耳部の熱変
形は小さく、樋本体開口部の開きは、変化率が平均5%
であった。しかしながら、本発明特定の混合樹脂を使用
しなかったので、樋耳部の補強芯材接着部の剥離評価は
最大荷重17Kgで接着部が剥離した。
【0043】比較例5 根項樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル粉体樹脂(信
越化学工業社製、品番MA800S、平均粒径150μ
m)100重量部に対し、酢酸ビニル−スチレン共重合
粉体樹脂(酢酸ビニル含有量=40重量%)15重量部
を配合したものを使用したこと以外は、実施例1と同様
にして雨樋を製造し、測定乃至評価した。その結果、熱
変形状態については、樋耳部の熱変形は小さく、樋本体
開口部の開きは、変化率が平均3%であった。しかしな
がら、本発明特定の混合樹脂を使用しなかったので、樋
耳部の補強芯材接着部の剥離評価は最大荷重22Kgで
接着部が剥離した。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明の雨樋によれば、樋
耳部の補強芯材の、少なくとも終縁部を形成するマトリ
ックス樹脂として、特定の混合樹脂からなり、塩化ビニ
ル系樹脂との相溶性、接着性に優れたものを使用してい
るので、樋本体部の補強芯材の両側縁部に強固に接合し
ており、樋耳部に充分な機械的強度を発現させることが
できる。
【0045】従って、四季や昼夜の温度変化、或いは積
雪時の荷重等の外部環境が厳しい場合であっても、樋耳
部の変形や開き、取付具からの抜け、樋耳部の割れ等を
防止することができ、外的条件如何にかかわらず、樋耳
部の機能を充分に発揮することが可能となり、その美観
を長期間にわたって保持することができる。
【0046】請求項2記載の発明の雨樋の製造方法によ
れば、少なくとも幅方向終縁部を形成するマトリックス
樹脂として、極めて接着性に優れた特定の混合樹脂を用
いた繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートからなる補強芯
材を製造し、これを連続的に一方向に移送しつつ漸次幅
方向に曲げ加工して雨樋状に賦形し、その際、補強芯材
の幅方向の前記終縁部を、樋本体部の補強芯材の側縁部
に接合するように賦形し、しかる後、その外表面に硬質
塩化ビニル樹脂を押出被覆する方法を採ったので、溶融
した硬質塩化ビニル樹脂の余熱により、融点が該硬質塩
化ビニル樹脂と同等か、或いはそれよりも低いところ
の、補強芯材の終縁部のマトリックス樹脂が一時的に溶
融し、該終縁部をして、樋本体部の補強芯材の側縁部に
対して強固に接合せしめると共に、補強芯材の外表面に
樹脂被覆層が連続的に形成される。
【0047】従って、成形速度を落とすことなく、上記
のように優れた性能を有する雨樋を効率よく生産するこ
とができ、ひいては雨樋の製造コストの低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の雨樋の一実施例を示す断
面図である。
【図2】同上における他の実施例を示す断面図である。
【図3】同図(イ)は請求項2記載の発明の雨樋の製造
方法に使用する装置の一例を示す概略図であって、該装
置の内その補強芯材の製造段階を示す図であり、同図
(ロ)はその要部を拡大して示す平面図である。
【図4】同上装置の内、雨樋の製造段階を示す概略図で
ある。
【図5】本発明の実施例、比較例で行った評価方法の概
略図であり、同図(イ)は樋本体開口部の開きを測定し
た箇所、寸法を示し、同図(ロ)は剥離評価の為の樋耳
部試片を示し、同図(ハ)は剥離評価の引っ張り方向を
示す図である。
【符号の説明】
1 補強芯材 1a 樋耳部の補強芯材 1b 樋本体部の補強芯材 1c 補強芯材の終縁部 2 樹脂被覆層 3 樋本体部 4 樋耳部 6 強化繊維束 7 粉体樹脂の流動床を形成した槽 7a 中央槽 7b 両側槽 8 粉体樹脂 8a 塩化ビニル系粉体樹脂 8b 粉体状混合樹脂 10 加熱ピンチロール 11 巻取機 12 フォーミング装置 14 押出機 15 クロスヘッド金型 16 半製品 20 雨樋

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化塩化ビニル系樹脂製シートより
    なる補強芯材に、硬質塩化ビニル樹脂が押出被覆されて
    樹脂被覆層が形成された積層体からなり、樋本体部の幅
    方向端部に中空状の樋耳部を有し、樋耳部の補強芯材は
    横断面ループ状に曲げ加工され、その終縁部が樋本体部
    の補強芯材の側縁部に接合されており、補強芯材の少な
    くとも前記終縁部を形成するマトリックス樹脂は、塩化
    ビニル系樹脂100重量部に、酢酸ビニル−エチレン系
    共重合樹脂を7〜18重量部配合した混合樹脂からなる
    ことを特徴とする雨樋。
  2. 【請求項2】 少なくとも幅方向終縁部を形成するマト
    リックス樹脂として、塩化ビニル系樹脂100重量部
    に、酢酸ビニル−エチレン系共重合樹脂を7〜18重量
    部配合してなる混合樹脂を用いて繊維強化塩化ビニル系
    樹脂製シートからなる補強芯材を製造し、該補強芯材の
    長尺体を繰り出して一方向に移送しつつ、その幅方向中
    央部を漸次雨樋状に賦形して樋本体部の補強芯材を形成
    すると共に、幅方向端部を漸次横断面ループ状に曲げ加
    工して中空状の樋耳部の補強芯材を形成し、更に前記終
    縁部を樋本体部の補強芯材の側縁部に接合するように賦
    形し、しかる後、該賦形された補強芯材の外表面に硬質
    塩化ビニル樹脂を押出被覆することを特徴とする雨樋の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102528393A (zh) * 2011-12-26 2012-07-04 苏州三维精密机械有限公司 板料凸台成型工艺

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