JPH0731004A - 集電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】占有面積を小さく、空気抵抗を少なく、更に風
切り音も小さい集電装置を得ることにある。 【構成】中心軸部に碍子上面から非貫通の穴を有し、且
つ非貫通の穴以外に碍子上面から下面へ貫通する複数個
の穴を有する単一の支持碍子１３を使用し、中心軸部の
非貫通穴には集電装置のシリンダ１４の筒体部分を収納
してシリンダ筒、フランジ部を碍子上面に定着支持し、
複数個の貫通穴をそれぞれ集電電流を車体に導く高圧電
線用の穴及び集電装置への給排気通路用として集電装置
を構成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気車両の集電装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のものは図３に示され、１は車体の
屋根面、２は車体から集電装置を絶縁支持している支持
碍子、３は集電装置の台枠で、図には明示していないが
４隅を支持碍子（４本）で支持されている。４は台枠に
取着された集電装置のシリンダ、５はピストン棒、６は
ピストン棒上端に取着された集電舟、７，８は空気管で
あり支持碍子２は中央に貫通穴を有していて空気回路の
一部を形成している。また、９は架線を示す。10，12は
架線から集電した電流を台枠３より車体側へ導く高圧電
線で、碍子11に明けられた貫通穴を通って車体内機器に
結ばれている。

【０００３】次に、従来の集電装置の作用を説明する。
集電装置を折りたたんだ状態から給気管７より圧縮空気
がシリンダに供給されると、ピストン棒が上昇し、集電
舟上面が架線に所定の押上力で接触し、車両は集電して
走行する。集電した電流は集電舟６から図示していない
が、導線を経て台枠３に伝えられ、高圧電線10，12を経
て碍子11内を通り車体内の機器に伝えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の集電装置におい
ては、車体屋根上に集電装置支持用の支持碍子４本と、
集電々流を車室内に伝えるための碍子１本の計５本の碍
子、および集電々流用の高圧電線が配置されているた
め、集電装置として屋根上の占有面積が大きく、また高
速で走行する場合にこれらの屋根上機器による空気抵抗
が大きく、さらに風切り音も大きいという欠点があっ
た。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の集電装置
における前記の欠点を解消し、屋根上の占有面積が小さ
く、屋根上機器も少なく、空気抵抗およびそれに伴う風
切り音の低減も期待できる集電装置を提供するものであ
る。その手段としては、中心軸部に碍子上面から非貫通
の穴を有し、かつ該非貫通の穴以外に碍子上面から下面
へ貫通する複数個の穴を有する単一の支持碍子を使用
し、中心軸部の非貫通穴には集電装置のシリンダの筒体
部分を収納してシリンダ筒，フランジ部を碍子上面に締
着支持し、複数個の貫通穴をそれぞれ集電々流を車体に
導く高圧電線用の穴および集電装置への給排気通路用と
して使用するものである。なお、本支持碍子を上面から
見た形状としては外形を楕円形状など空気抵抗の少い形
状として、空気抵抗および風切り音をより少くすること
も可能である。

【０００６】

【作用】前記のように構成された集電装置の作用を以下
に説明する。本発明は単一の支持碍子の中に集電装置シ
リンダの筒体部を収納する非貫通の穴の他に複数個の貫
通穴を有するので、この貫通穴の１つに集電々流を車室
内に導く高圧電線を通すことにより高圧電線を通すため
の碍子が不要となり、また他の貫通穴を集電装置への給
排気用空気回路の一部とすることにより高圧電線，給排
気用空気回路をすべて集電装置シリンダの極く近傍に集
中することができる。従って、支持碍子および高圧電線
を含めて集電装置全体の車体屋根上の占有スペースが極
めて小さくなり、また単一支持碍子の上方からみた形状
を楕円形状などとすることにより空気抵抗が少なく、風
切り音の低減した形状の集電装置を提供することができ
るなど大きな利点がある。

【０００７】

【実施例】図１は本発明集電装置の一実施例を示す側面
断面図、図２は図１のアーア矢視図であり、図中、図３
と同一符号のものは同じ構成，機能を有する部分を示
す。図１，図２において、13は単一の支持碍子で中心軸
部には非貫通の穴13a を有し、その他に複数の貫通穴13
b ，13c ，13d を有し、車体屋根面1 に締着されてい
る。非貫通穴13a には集電装置のシリンダ14の筒体部14
a が挿入され、筒体のフランジ14b が碍子上面に締着さ
れている。14c ，14d はフランジ14b に作動用圧縮空気
を給排する通気穴で、空気管15，16がそれぞれ支持碍子
の貫通穴13c ，13dに連結され、貫通穴13c ，13d は空
気通路の一部をなし、碍子下面に連結された空気管17,1
8 により車体内機器に連結されている。

【０００８】また、集電舟６から集電された電流は、図
示していないが、導線によりシリンダのフランジ14b に
伝えられ、高圧電線用金具19から支持碍子の貫通穴14a
内を貫通している高圧電線20を経て車体内機器へ伝えら
れる。支持碍子13の外形々状は、図２に示すように、楕
円形状として空気抵抗が少なく、風切り音も小さい形状
とすることができる。

【０００９】本発明集電装置の作用を説明すると、つぎ
の通りである。折りたたみの状態において、空気管17よ
り圧縮空気を供給すると、支持碍子の貫通穴13c 、空気
管15を経て空気穴14c よりシリンダ内の空気がこめら
れ、同時に通気穴14d ，空気管16, 支持碍子の貫通穴13
d ，空気管18を経て排気されピストン棒６が上昇し、集
電舟６の上面が所定押上力で架線９に接触して集電を行
い、架線より集電して電流は、図示していないが、集電
舟より導線によりシリンダのフランジ14b に導びかれ、
高圧電線用金具19より高圧電線20をへて車内機器に伝え
られ車輌は走行する。集電装置を折りたたむ場合は、空
気管17より圧縮空気を排出すればピストン棒５は自重に
より降下し、集電装置が折りたたまれる。または空気管
18から碍子の貫通穴13d ，空気管16，通気穴14d を経て
圧縮空気を供給してピストン棒を降下し、集電装置を折
りたたんでもよい。

【００１０】本発明集電装置の機能を説明すると、下記
のとうりである。従来の集電装置は集電装置のシリンダ
を台枠に取着し、その台枠を４本の支持碍子により車体
屋根面上に支持する構成となっている。そして、４本の
支持碍子の数本を集電装置の作動用空気回路の一部とし
て使用し、架線より集電した電流を車体内へ伝えるため
に別に１本の碍子を車体屋根上に配置して高圧電線を車
体内へ導いていた。このように従来の集電装置では、台
枠とそれを支持する４本の支持碍子、高圧電線用の碍子
とを使用していたため屋根上の占有面積か大きく、空気
抵抗も大きく、風切り音も大きいが本発明集電装置は台
枠をなくし、台枠用支持碍子，高圧電線用碍子をすべて
１本の支持碍子内にまとめて構成しているので、集電装
置の構成が非常に簡単となり、車体屋根面上の配置も単
純になり、実用的な集電装置として大きな利点を有する
ものである。更に、支持碍子の上方より見た形状を楕円
形状とすることにより、一層の空気抵抗の減少，風切り
音の減少を図ることが可能である。なお、楕円形状とは
楕円，長円，流線形など空気抵抗の少ない曲面形状を意
味するものである。

【００１１】

【発明の効果】本発明集電装置は前記のような構成・機
能をもっており、下記の効果を有している。 （１）車体屋根面上の占有面積が小さい。 （２）車体屋根上に配置する機器数が支持碍子ただ１個
に減少する。 （３）集電装置の構成部品数が減少する。 （４）集電装置の空気抵抗が減少する。 （５）集電装置の風切り音が減少する。 （６）支持碍子の上方から見た形状を楕円様形状とする
ことにより、より一層空気抵抗が少く、風切り音も小さ
い集電装置とすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明集電装置の一実施例を示す側面断
面図である。

【図２】図２は図１のアーア線矢視図である。

【図３】図３は従来の集電装置の一例を示す図である。

【符号の説明】

１ 車体屋根面 ２ 支持碍子 ３ 台枠 ４ シリンダ ５ ピストン棒 ６ 集電舟 ７ 空気管 ８ 空気管 10 高圧電線 11 碍子 12 高圧電線 13 支持碍子 14 シリンダ 15 空気管 16 空気管 17 空気管 18 空気管 20 高圧電線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直立したシリンダとピストン棒及び該ピ
   ストン棒上部に取着された集電舟を主要部材とする集電
   装置と、該集電装置を車体から絶縁支持する支持碍子と
   より構成される集電装置において、前記支持碍子は中心
   軸部に碍子上面から非貫通の穴を有し、かつ該非貫通の
   穴以外に碍子上面から下面へ貫通する複数個の穴を有す
   るものであり、前記非貫通の穴に前記シリンダの筒体部
   分を収納し、前記複数個の貫通穴のそれぞれを集電々流
   を車体へ導く高圧電線用及び集電装置への給排気通路用
   に使用することを特徴とする集電装置。
2. 【請求項２】 前記集電装置の支持碍子の上方から見た
   外形々状を楕円形状としたことを特徴とする請求項１記
   載の集電装置。