JPH07309701A - 害虫忌避性材料 - Google Patents

害虫忌避性材料

Info

Publication number
JPH07309701A
JPH07309701A JP6142138A JP14213894A JPH07309701A JP H07309701 A JPH07309701 A JP H07309701A JP 6142138 A JP6142138 A JP 6142138A JP 14213894 A JP14213894 A JP 14213894A JP H07309701 A JPH07309701 A JP H07309701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
repellent
pest
effect
test
synthetic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6142138A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hayashi
秀樹 林
Kenji Nagata
健二 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUAALE SANGYO KK
Shinto Paint Co Ltd
Original Assignee
YUAALE SANGYO KK
Shinto Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUAALE SANGYO KK, Shinto Paint Co Ltd filed Critical YUAALE SANGYO KK
Priority to JP6142138A priority Critical patent/JPH07309701A/ja
Publication of JPH07309701A publication Critical patent/JPH07309701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防虫効果が確実で且つ安全性が高く、さらに
防虫効果が長期間持続する害虫忌避材料を提供する。 【構成】 基材2に貼着した化粧紙3の表面に、合成樹
脂に忌避剤を配合して成る表面層4を形成する。忌避剤
は、害虫に対して忌避効果を及ぼす程度に薬剤成分が存
在するものであればよく、殺虫効果は備えても備えてい
なくてもよい。 【効果】 内装材や家具材として用いることにより、居
室あるいは家具への害虫の侵入,接触を確実に阻止でき
る。人体に対して安全であり、居室内や家具の周辺に害
虫の死体が残らないので衛生性及び快適性に優れる。忌
避剤が徐放性を備えるため、非常に長期間にわたり忌避
効果が持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に建材や家具材とし
て用いられる化粧合板などの材料に害虫忌避機能を付与
したものに関する。本発明の目的の一つは、防虫効果が
確実で且つ安全性の高い害虫忌避性材料を提供すること
にある。
【0002】また本発明の他の目的は、防虫効果が長期
間持続する害虫忌避性材料を提供することにある。
【0003】
【従来の技術】ゴキブリ,チャタテムシ,カツオブシム
シ,ダニ,蚊,シミ等は、人に不快感を与えるばかりで
なく、食害を引き起こしたり、病原菌や黴の媒介虫とな
ったりするので衛生上問題になっている。そこで、これ
らの害虫による被害を防止するため、従来、殺虫剤を害
虫に対し直接散布したり、防虫剤を室内の壁や家具の表
面へ塗布したりすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、殺虫剤を害虫
に直接散布して殺す方法は、殺虫剤が周辺の食物,食器
を汚染したり人体に付着したりするおそれがあり、安全
性の面で問題がある。
【0005】他方、防虫剤を壁や家具の表面へ塗布する
方法は、作業に手間を要するのみならず、害虫駆除に有
効なすべての箇所へ薬剤を塗布できるとは限らず、例え
ば壁と家具との隙間や家具の裏側などは薬剤を塗布する
ことが困難であるから、防虫効果が確実であるとは言え
ない。
【0006】さらに、前記従来の防虫手段は一回性の方
法であるため、防虫効果を長期間持続させることは期待
できない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて創案された害虫忌避性材料に係るものであ
って、その特徴とするところは、基材の表面又は基材表
面に貼着した化粧材の表面に、合成樹脂に忌避剤を配合
して成る表面層を形成したところにある。
【0008】上記表面層は、合成樹脂層とその表面に塗
布した忌避剤層とから形成するものとしてもよい。ま
た、基材の表面に合成樹脂を含浸させた化粧材を貼着
し、その表面に忌避剤を塗布して表面層とすることもで
きる。
【0009】さらに必要に応じて、基材の裏面に忌避剤
を塗布することもできる。
【0010】なお、本発明における忌避剤とは、害虫に
対して忌避効果を及ぼす程度に薬剤成分が存在するもの
であればよく、殺虫効果は備えても備えていなくてもよ
い。もちろん忌避剤が殺虫効果を備えることは妨げない
が、殺虫効果の高いものや速効性のものは、人体に対す
る接触毒性の面で不安を有するのみならず、害虫の死体
が室内に残存することによる衛生面での問題も生ずる。
従って、害虫忌避性だけを考えれば、忌避剤が強い殺虫
力を持つことは必ずしも要求されない。
【0011】
【作用】本発明に係る害虫忌避性材料は、その表面層に
忌避剤を予め存在させたものであるから、これを内装材
や家具材として用いることにより、害虫が好んで潜伏し
そうな箇所にも防虫効果を確実に発揮させることができ
る。特に、壁と家具との隙間など、通常の薬剤散布又は
塗布が困難な箇所において防虫効果を及ぼすことができ
るから、害虫の侵入・接近の確実な防止が可能である。
【0012】また、本発明の忌避剤は、害虫に忌避効果
を及ぼす程度に薬剤成分が存在するものであればよく、
殺虫力は低くてもよいから、人体に対する安全性に優れ
ると共に、害虫の死体を室内に残存させることがないの
で衛生面でも問題がない。
【0013】なお、表面層を、合成樹脂に忌避剤を配合
したもので形成した場合は、忌避剤が表面層中から溶出
して空気中へ徐々に発散する性質(徐放性)を持つた
め、長期間にわたり防虫効果が持続する。
【0014】他方、表面層を合成樹脂層とその表面に塗
布した忌避剤層とで形成した場合、あるいは合成樹脂を
含浸させた化粧材の表面に塗布した忌避剤で形成した場
合には、忌避剤の使用量を少なくすることができるの
で、材料コストの低廉化を図れるという利点が得られ
る。
【0015】
【実施例】図1に、本発明に係る害虫忌避性材料1の構
造の一例を拡大視して示す。本実施例では、基材2の表
面に化粧材3として化粧紙が貼着され、その表面に合成
樹脂に忌避剤を配合して成る表面層4が形成されてい
る。
【0016】基材2の種類は、特に制限はなく、無垢木
材,合板,木質繊維板,パーティクルボード,石膏ボー
ド,珪酸カルシウム板,石綿セメント板,軽量気泡コン
クリート板,金属板など、一般に建材,家具材として使
用し得るものを採用することができる。また、その形状
についても、板材だけではなく、用途に応じて角材,棒
材,管材など適宜選択される。
【0017】化粧材3は、美観性を与えるためのもので
あって、化粧紙のほか、合成樹脂製シート、厚みを薄く
製作した単板,DAP(ジアリルフタレート)樹脂化粧
板,メラミン樹脂化粧板などが使用可能である。化粧紙
は、印刷紙でも無印刷紙であってもよく、単色でも多色
であってもよい。普通は10g/m以上の重量のもの
が用いられ、また、強化紙を使用することもできる。合
成樹脂製シートの代表的なものとしては、塩化ビニール
シートを挙げることできる。塩化ビニールシートは、通
常、表面に印刷が施され、さらに所望によりその上へ透
明な塩化ビニール層が形成される。単板は、薄く切りだ
した板材であって、通常1〜1.5mm程度の厚みのも
のを使用するが、厚みは用途に応じ適宜変更される。D
AP樹脂化粧板やメラミン樹脂化粧板は、樹脂(前者は
ポリエステル樹脂、後者はフェノール樹脂)を含浸させ
て積層したコア紙の表面に、DAP樹脂又はメラミン樹
脂を含浸させた化粧紙(通常は印刷紙だが無印刷でもよ
い)を加熱プレス成形により一体化して製作したもので
ある。メラミン樹脂化粧板の場合は、さらにその上へ必
要に応じ、加熱加圧により透明化する樹脂を含浸させた
表面紙が設けられる。これらを化粧材3として使用する
場合、厚みは0.2〜1.5mm程度に薄く製作する。
【0018】本実施例では、表面層4を、合成樹脂に忌
避剤を配合したもので形成した。使用する合成樹脂の種
類は、内装材や家具の表面材など表面層4の耐久性が比
較的必要とされる用途に対しては、アミノアルキド樹
脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂などが使用され
る。逆に、表面層4が家具の裏側などに面する場合に
は、酢酸ビニル−エチレン系樹脂,酢酸ビニル−エチレ
ン−塩化ビニル系樹脂,酢酸ビニル−エチレン−アクリ
ル系樹脂,エチレン−塩化ビニル系樹脂などが挙げられ
る。勿論、これらに限定されるものではなく、他の合成
樹脂を使用することも妨げない。
【0019】合成樹脂に配合する忌避剤は、薬効性と共
に安全性を兼ね備えていること、すなわち忌避効果が確
実であるのならば出来るだけLD50値(半数致死量)
の大きいことが望ましい。このような条件に適合するも
のとしては、ピレスロイド系のもの、例えばピレトリ
ン,合成ピレトリン類(フタルスリン・アレスリン・ペ
ルメトリン・フェノトリン・シフェノトリン・エトフェ
ンプロクス・ビフェントリン等)を挙げることができ、
これに害虫忌避作用を有する天然精油(ヒノキオイル、
スギオイル、ヒバオイル等)や、忌避剤の活性を増強す
る共力剤(シネトリン,オクタクロロジプロピルエーテ
ル等)を配合することもできる。また、他の忌避成分と
しては、ジエチルトルアミド、メントール、2,3,
4,5−ビス(Δブチレン)テトラヒドロフルフラー
ル、イソシンコメロン酸ジノルマルプロピルなども使用
可能であり、用途に応じて最適のものが選択される。さ
らに、2種以上の薬剤を混合して用いることも妨げな
い。
【0020】忌避剤の配合量は、対象となる害虫の種類
や使用する薬剤成分の種類に応じ、なるべく低濃度でし
かも確実に忌避効果が発揮されるように設定される。す
なわち、害虫の忌避成分が少なくとも害虫に対し忌避反
応を生じさせる閾値以上の濃度で存在すればよい。合成
ピレスロイドの一種であるシフェノトリンを例に採れ
ば、合成樹脂に対する有効成分の配合量が0.4〜5.
0%、あるいは基材の単位面積あたりの有効成分の塗布
量が0.1〜2.0g/mとなるように、あるいはク
ロゴキプリに対するKT50値(半数がノックダウンす
るのに要する時間)が10〜40分となるように調整す
れば、殺虫力はほとんど持たなくとも確実な忌避効果を
発揮し且つ低毒性とすることができる。また、薬剤の種
類によっては、同等の忌避効果を有し且つ人体に対する
毒性がきわめて低いものがあり、このような薬剤であれ
ば、上記よりも使用量を増加させて、人体に対する安全
性を損なうことなく、忌避効果だけを高めることもでき
る。例えば、スミスリンは、基材に対する塗布量を1.
5〜4.5g/mの範囲で用いることができる。
【0021】なお、基材2の裏面にも忌避剤を塗布する
場合、基材裏面は美観性を必要としないから化粧材3は
省略される。本発明材料で家具を製作する場合、特に裏
面側に補強用の桟などを取り付けたときには、害虫が潜
伏し易い環境を与えるので、裏面側にも忌避剤を存在さ
せておくことが防虫効果を高める上で有効である。
【0022】本発明に係る害虫忌避性材料は、台所,居
間,寝室等、住宅の内装用建材として使用することによ
り、あるいは、箪笥,食器棚,ベッド,洗面化粧台,キ
ッチンキャビネット等の家具や什器の構成材に用いるこ
とにより、使用者が薬剤の散布又は塗布作業を行うこと
なく、防虫効果を発揮して、害虫の侵入や接近を長期間
にわたり防止することができる。また、本発明害虫忌避
性材料を用いて衣装箱を製作すれば、衣服に対するシミ
やダニによる被害を防ぐことができる。さらに、本発明
に係る害虫忌避性材料を用いて犬小屋,鳥小屋,厩舎な
どの畜舎を製作すれば、ダニや蚊等を防除して、ペット
や家畜に対する害虫の被害を防止することが可能であ
る。
【0023】〔具体例〕次に、本発明に係る害虫忌避性
材料の具体例を示す。化粧紙を貼着した化粧合板(18
00×910×27mm)準備し、その表面全体に、ウ
レタン樹脂4重量部に対しヒノキオイルを配合したシフ
ェノトリンの約10%溶液を1重量部配合したものを、
フローコーターを用いて約90g塗布した(有効成分塗
布量は約1g/m)。他方、裏面には、ヒノキオイル
を配合したシフェノトリンの4%酢酸ビニル−エチレン
系樹脂溶液をさらに水で1:1に希釈したものを、同様
にフローコーターを用いて48g(有効成分塗布量約
0.6g/m)塗布した。こうして得られた害虫忌避
性材料は、害虫に対して強い忌避作用を及ぼし、優れた
防虫効果を発揮する。
【0024】〔変形実施例〕本発明に係る害虫忌避性材
料の異なる実施態様について次に説明する。まず、表面
層を形成するにあたり、合成樹脂に忌避剤を配合するの
に代え、図2の如く、基材2に貼着される化粧材3の表
面に、予め合成樹脂層4aを設けておき、その上へ忌避
剤層4bを塗布して、二層構造から成る表面層4を形成
する手法も採用できる。この場合、合成樹脂に配合する
場合と比べて、同程度の忌避効果を発揮するのに必要な
忌避剤の使用量を少量で済ませることができるという利
点が得られる。特に、塩化ビニールシート等の合成樹脂
製シートを化粧材として使用する場合には、表面に忌避
剤を塗布するだけで目的とする二層構造の表面層を形成
できるという利点を有する。
【0025】あるいは、DAP樹脂化粧板,メラミン樹
脂化粧板などのように合成樹脂を含浸させた化粧紙が表
面に設けられている場合には、その表面に忌避剤を塗布
して表面層を形成してもよい。
【0026】製造方法については、前記具体例のよう
に、基材へ化粧材を貼着した後に表面層を形成する手順
のほか、予め表面層を形成した化粧材を準備しておき、
後からこの化粧材を基材に貼着して、目的とする害虫忌
避性材料を得るという手法も可能である。具体的には、
化粧紙や単板等にあっては表面に合成樹脂に忌避剤を配
合したものを塗布するか又は合成樹脂を塗布してから忌
避剤を塗布することにより予め表面層を形成し、また合
成樹脂シートやDAP樹脂化粧板,メラミン樹脂化粧板
などにあっては忌避剤を塗布することにより予め表面層
を形成しておき、これらを基材に貼着すればよい。
【0027】基材裏面の化粧材を省略できることは先に
述べたが、場合によっては、表面側についても化粧材を
省略することが可能である。例えば、無垢木材のように
基材表面自体の美観性が優れている場合や、反対に美観
性をさほど要求されない用途に供する場合などには、表
面側の化粧材を省略することができる。
【0028】さらに、用いる忌避剤や合成樹脂の種類に
よっては、不快感を与える臭いを発することがあるの
で、そのような場合には、臭いを緩和し又は打ち消すた
め、表面層に香料等を配合することも差し支えない。
【0029】その他、本発明の実施態様は、適宜の応用
・変更が可能である。
【0030】本発明の効果を、以下に述べる試験I〜I
IIにより確認した。 〔試験I/忌避効果試験〕この試験は、本発明が実際に
忌避効果を発揮することを確認するためのものである。
試験要領は次の通り。 供試体:ベニヤ板を基材とし、その表裏面に忌避処理を
施した処理パネルを用いる。処理内容は下記のとおり。 ・表面処理:ヒノキオイルを配合したシフェノトリン溶
液(約10%)をアミノアルキド樹脂に混合して有効成
分量を0.6%に調整し、これを50g/m(有効成
分量は0.3g/m)塗布した。 ・裏面処理:シフェノトリンの4%酢酸ビニル−エチレ
ン系樹脂溶液(ヒノキオイル配合)の4倍希釈水溶液を
50g/m(有効成分量は0.5g/m)塗布し
た。 供試虫:クロゴキブリの成虫の雌雄各5匹ずつ 試験方法:図4に示す如く、内壁面にワセリンを塗って
供試虫が登れないようにしたプラスチック製水槽10
(縦24cm×横40cm×高さ28cm)内に、上述
のようにして準備した処理パネルA(15×15cm)
と対照用の無処理 パネルBを両端に間隔をあけて配置
し、それぞれの上に厚紙を蛇腹状に折って作成した供試
虫用シェルターを載せる。次いで水槽10内へ飼料30
及び水31と共に供試虫を放ち、所定時間の経過ごと
に、各パネルA,B上のシェルター20,20下に潜伏
する供試虫固体数を計測して忌避率を求める。忌避率の
算出は下記式に基づいて行った。 忌避率(%)={(無処理パネル上の潜伏数)−(処理
パネル上の潜伏数)}÷(無処理パネル上の潜伏数)×
100 (※但し、数値がマイナスになったときは0%とす
る。) 結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から分かるとおり、本発明に係る処理
パネルAは、クロゴキブリに対し明らかな忌避効果を表
している。表面側と裏面側とでは、効果に若干の相違が
見られるものの、22時間の経過後にはいずれも100
%の忌避率を示しており、長時間の使用においては、両
者間で大差は生じないものと考えられる。
【0033】〔試験II/耐候操作の実施による忌避効
果の経時的変化試験〕この試験は、製作後一定期間を経
過しても、忌避効果が持続することを確認するためのも
のである。 供試体:試験Iで用いた処理パネルを、40°Cにて3
ヶ月間放置することにより耐候操作を施し、これを15
×15cmに切り、その3枚を発泡スチロール等を用い
て製作した支持台に1cm間隔で立設して製作したシェ
ルターを供試体とする。 供試虫:クロゴキブリの雌雄各3匹ずつ及びチャバネゴ
キブリの雌雄各5匹ずつ 試験方法:図4に示す如く、恒温室(気温25°C、湿
度70%)内に内壁面にワセリンを塗ったプラスチック
製水槽10(縦24cm×横40cm×高さ28cm)
を用意し、その内部に上記のようにして製作したシェル
ターCを設置する。餌30及び水31と共に上記2種類
の供試虫を同時に投入したのち、時間の経過に伴う供試
虫の行動状態を観察し、所定時間ごとにシェルター内に
潜伏している供試虫の固体数及びノックダウン数を計測
する。比較対照例には、無処理パネルで同様に製作した
シェルターを使用した。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示すとおり、無処理パネルで製作し
たシェルターは供試虫の潜伏を誘因し、48時間経過後
には全て(100%)の供試虫が潜伏するに至った。こ
れに対し、本発明に係る処理パネルで製作したシェルタ
ーCは、供試虫に対して強い忌避効果を発揮し、供試虫
の潜伏がほとんど観察されなかった。
【0036】〔試験III/洗剤を用いた洗浄に対する
忌避剤の残効性及び除法性確認試験〕この試験は、合成
樹脂に忌避剤を配合したもので表面層を形成した本発明
に係る害虫忌避性材料が、長期間にわたり防虫効果が持
続すること及び忌避剤徐放性を有することを確認するた
めのものである。 供試体:試験Iで用いた処理パネルを、40°Cにて3
ヶ月間放置することにより耐候操作を施したものを供試
体とする。 供試虫:クロゴキブリの雌雄各5匹ずつ 試験方法:図5に示す如く、内壁面にワセリンを塗った
腰高シャーレ40(直径約15cm高さ12cm)に供
試虫Sを投入し、これを処理パネルAに被せて供試虫S
を処理パネルAに継続接触させる。時間経過に伴う供試
虫Sのノックダウン数の推移を記録し、プリスBlis
sのプロピットProbit法によりKT50値(供試
虫の半数がノックダウンする時間)を算出する。上記継
続接触試験は処理パネルの表裏面それぞれについて行
う。次に、処理パネルAの各処理面を、液体洗剤(食器
用)をつけたスポンジで約3分間洗浄し、これを乾燥さ
せたのち、表裏面それぞれについて上記継続接触試験を
行い、供試虫Sの状態観察から同様にしてKT50値を
求める。処理パネルAの洗浄は10回まで繰り返して行
い、3回,5回,10回の洗浄後に上記継続接触試験を
行ってKT50値を求める。10回目の洗浄及び試験の
終了後、供試体の処理パネルAを室温にて1ヶ月放置し
たのち、上記継続接触試験を再び実行し、KT50値を
求める。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果から明らかなように、本発明に
係る害虫忌避性材料は、KT50値が比較的大きな値を
示すことから速効性を有するとは言えないが、洗浄を繰
り返してもKT50値の極端な悪化は見られないことか
ら、反復洗浄を経ても一定の薬効が残存することが分か
る。つまり、本発明材料は、強い毒性を持つものではな
いが、経時的変化に対して非常に優れた残効性を示すと
言うことができる。また、特に裏面側においては、洗浄
後1ヶ月を経過するとKT50値が低減しており、薬効
が回復していると認められることから、表面層の内部か
ら忌避剤成分が溶出して空気中へ発散する徐放性を備え
るものであることが理解される。
【0039】なお、当該試験IIIの結果に基づくと、
忌避効果の持続期間は、使用条件や使用環境により当然
異なるが、約5年乃至10年間にもなると推定される。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る害虫忌避性材料は表面層に
忌避剤を存在させたものであるから、これを内装材,家
具材,衣装箱の材料等として用いることにより、確実な
防虫効果を発揮して、台所,寝室その他の居室、キッチ
ンキャビネット,食器棚,衣装箪笥,本箱等の家具、及
び衣装箱への害虫の侵入,接触を確実に阻止することが
でき、また、本発明害虫忌避性材料で畜舎を構築すれ
ば、ペット,家畜が害虫により被害を受けるのを長期間
にわたり防止することができる。それ故、害虫駆除のた
め、従来のように殺虫剤や防虫剤を散布したり塗布した
りする作業が不要となる。
【0041】また、本発明は、害虫に対して忌避効果を
及ぼせばよく、殺虫効果は必ずしも要求されないから、
人体に対する安全性に問題がないだけでなく、居室内や
家具の周辺に害虫の死体が残らないので、衛生性及び快
適性に優れる。
【0042】なお、表面層を合成樹脂に忌避剤を配合し
たもので形成した場合には、忌避剤徐放性を備えること
になるため、非常に長期間にわたり忌避効果が持続す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る害虫忌避性材料の一例を示すもの
であって、一部分の拡大縦断面図である。
【図2】本発明に係る害虫忌避性材料の他の例を示すも
のであって、一部分の拡大縦断面図である。
【図3】本発明に係る害虫忌避性材料の害虫忌避効果を
確認するために行った試験1の実施要領を示す図面であ
る。
【図4】本発明に係る害虫忌避性材料の害虫忌避効果に
ついて経時的変化を調べるために行った試験IIの実施
要領を示す図面である。
【図5】本発明に係る害虫忌避性材料の害虫忌避効果に
ついて洗剤を用いた洗浄に対する忌避剤の残効性及び徐
放性を確認するために行った試験IIIの実施要領を示
す図面である。
【符号の説明】
1 害虫忌避性材料 2 基材 3 化粧紙 4 表面層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に、合成樹脂に忌避剤を配合
    して成る表面層が形成されていることを特徴とする害虫
    忌避性材料。
  2. 【請求項2】 基材の表面に、合成樹脂層とその表面に
    塗布した忌避剤層とより成る表面層が形成されているこ
    とを特徴とする害虫忌避性材料。
  3. 【請求項3】 基材の表面に、化粧材が貼着され、さら
    にその表面に合成樹脂に忌避剤を配合して成る表面層が
    形成されていることを特徴とする害虫忌避性材料。
  4. 【請求項4】 基材の表面に、化粧材が貼着され、さら
    にその表面に合成樹脂層とその表面に塗布した忌避剤層
    とより成る表面層が形成されていることを特徴とする害
    虫忌避性材料
  5. 【請求項5】 基材の表面に、合成樹脂を含浸させた化
    粧材が貼着され、さらにその表面に塗布した忌避剤より
    成る表面層が形成されていることを特徴とする害虫忌避
    性材料
  6. 【請求項6】 基材の裏面にも忌避剤が塗布されている
    請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項に記載の害
    虫忌避性材料。
JP6142138A 1994-05-19 1994-05-19 害虫忌避性材料 Pending JPH07309701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6142138A JPH07309701A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 害虫忌避性材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6142138A JPH07309701A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 害虫忌避性材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07309701A true JPH07309701A (ja) 1995-11-28

Family

ID=15308255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6142138A Pending JPH07309701A (ja) 1994-05-19 1994-05-19 害虫忌避性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07309701A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2748503A1 (fr) * 1996-05-10 1997-11-14 Rhone Poulenc Agrochimie Utilisation de 1-phenyl pyrazole pour la protection de materiau composite contre les termites
JPH11300884A (ja) * 1998-04-22 1999-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 金属板及びその製造法
KR20010083657A (ko) * 2000-02-17 2001-09-01 안민동 수지함침 해충구제제
ES2168062A1 (es) * 1999-04-22 2002-05-16 Sumitomo Chemical Co Composiciones para control de cucarachas
WO2004050316A1 (en) * 2002-12-05 2004-06-17 Osmose (Australia) Pty Ltd Surface treatment for wood and wood products
KR100431574B1 (ko) * 1996-12-11 2004-08-25 주식회사 엘지화학 방충효과를 갖는 멜라닌 화장판의 제조방법
JP2006231690A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Jfe Galvanizing & Coating Co Ltd 防虫鋼板、およびその製造方法
AU2007101011B4 (en) * 2002-12-05 2007-11-15 Osmose (Australia) Pty Limited Superficial Treatment for Wood and Wood Products
US9079328B2 (en) 2003-04-09 2015-07-14 Koppers Performance Chemicals Inc. Micronized wood preservative formulations
CN105625094A (zh) * 2015-12-28 2016-06-01 佛山市天元汇邦装饰材料有限公司 一种防螨人造装饰纸及其制备方法
CN106401099A (zh) * 2016-10-27 2017-02-15 广东玉兰集团股份有限公司 一种防螨墙纸及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6299301A (ja) * 1985-10-25 1987-05-08 Matsushita Electric Works Ltd 害虫忌避組成物及び害虫忌避建材
JPH01310044A (ja) * 1988-06-04 1989-12-14 Ig Tech Res Inc 建築用板
JPH029806A (ja) * 1988-06-29 1990-01-12 Hisamoto Sangyo Kk 害虫防除部材
JPH0344305A (ja) * 1989-07-11 1991-02-26 Earth Chem Corp Ltd 害虫防除用組成物
JPH06135812A (ja) * 1992-10-21 1994-05-17 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 防虫処理剤及び防虫処理木材

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6299301A (ja) * 1985-10-25 1987-05-08 Matsushita Electric Works Ltd 害虫忌避組成物及び害虫忌避建材
JPH01310044A (ja) * 1988-06-04 1989-12-14 Ig Tech Res Inc 建築用板
JPH029806A (ja) * 1988-06-29 1990-01-12 Hisamoto Sangyo Kk 害虫防除部材
JPH0344305A (ja) * 1989-07-11 1991-02-26 Earth Chem Corp Ltd 害虫防除用組成物
JPH06135812A (ja) * 1992-10-21 1994-05-17 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 防虫処理剤及び防虫処理木材

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997042817A1 (fr) * 1996-05-10 1997-11-20 Rhone Poulenc Agrochimie Protection contre les termites
FR2748503A1 (fr) * 1996-05-10 1997-11-14 Rhone Poulenc Agrochimie Utilisation de 1-phenyl pyrazole pour la protection de materiau composite contre les termites
KR100431574B1 (ko) * 1996-12-11 2004-08-25 주식회사 엘지화학 방충효과를 갖는 멜라닌 화장판의 제조방법
JPH11300884A (ja) * 1998-04-22 1999-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 金属板及びその製造法
ES2168062A1 (es) * 1999-04-22 2002-05-16 Sumitomo Chemical Co Composiciones para control de cucarachas
KR20010083657A (ko) * 2000-02-17 2001-09-01 안민동 수지함침 해충구제제
AU2007101011B9 (en) * 2002-12-05 2008-04-17 Osmose (Australia) Pty Limited Superficial Treatment for Wood and Wood Products
JP2006508823A (ja) * 2002-12-05 2006-03-16 オズモース(オーストラリア)ピーティーワイ リミテッド 木材および木材製品のための表面処理
AU2003302613B2 (en) * 2002-12-05 2007-07-19 Osmose (Australia) Pty Ltd Surface treatment for wood and wood products
AU2007101011B4 (en) * 2002-12-05 2007-11-15 Osmose (Australia) Pty Limited Superficial Treatment for Wood and Wood Products
AU2007101012B4 (en) * 2002-12-05 2007-11-15 Osmose (Australia) Pty Limited Envelope Treatment for Wood and Wood Products
WO2004050316A1 (en) * 2002-12-05 2004-06-17 Osmose (Australia) Pty Ltd Surface treatment for wood and wood products
AU2010100398B4 (en) * 2002-12-05 2010-10-28 Osmose (Australia) Pty Limited Bifenthrin Treatment
AU2010100408B4 (en) * 2002-12-05 2010-11-04 Osmose (Australia) Pty Limited Treatment Using Bifenthrin
US9079328B2 (en) 2003-04-09 2015-07-14 Koppers Performance Chemicals Inc. Micronized wood preservative formulations
JP2006231690A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Jfe Galvanizing & Coating Co Ltd 防虫鋼板、およびその製造方法
CN105625094A (zh) * 2015-12-28 2016-06-01 佛山市天元汇邦装饰材料有限公司 一种防螨人造装饰纸及其制备方法
CN106401099A (zh) * 2016-10-27 2017-02-15 广东玉兰集团股份有限公司 一种防螨墙纸及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07309701A (ja) 害虫忌避性材料
CN111066808A (zh) 一种瓷砖防蟑剂及其制备方法、瓷砖防蟑方法、防蟑瓷砖
JP4266093B2 (ja) アレルゲン低減化剤
JP2849826B2 (ja) 害虫防除用組成物
WO1999026481A1 (fr) Produit de preservation du bois, systeme de protection contre la pourriture et les insectes, et kit d'appat
JPS59204102A (ja) 害虫忌避剤
WO2011083485A1 (en) Insect management compositions for use on natural and synthetic materials and surfaces
JPH0363527B2 (ja)
JPH0532509A (ja) ダニ駆除組成物
US20180242591A1 (en) Insect Repellent
JP3066671B2 (ja) 屋内ダニ駆除組成物
JP2002068906A (ja) 害虫忌避剤
DE19622513A1 (de) Insektizid auf biologischer Basis
JP2001103899A (ja) 薬剤拡散装置
JPH05246801A (ja) 害虫忌避方法及び防虫材料
JP7112388B2 (ja) 貯穀害虫防除用立体防虫シート
JPH0121925Y2 (ja)
JPS5896002A (ja) 害虫忌避剤組成物及び害虫忌避材
JPH01160903A (ja) 防虫剤組成物
JP2003210262A (ja) キッチン収納箱
JP2004049365A (ja) キッチンパネル
JP2004049366A (ja) キッチンパネル
JP2001078644A (ja) 屋外用薬剤拡散装置
KR20000070319A (ko) 목재보존제, 방부방충시스템 및 베이트킷
JP2000017773A (ja) 合成木材