JPH07308997A - 帯電防止合成樹脂製品の製造方法 - Google Patents

帯電防止合成樹脂製品の製造方法

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JPH07308997A
JPH07308997A JP6105516A JP10551694A JPH07308997A JP H07308997 A JPH07308997 A JP H07308997A JP 6105516 A JP6105516 A JP 6105516A JP 10551694 A JP10551694 A JP 10551694A JP H07308997 A JPH07308997 A JP H07308997A
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JP
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conductive
film
synthetic resin
conductive layer
antistatic
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JP6105516A
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English (en)
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Koji Maruyama
耕司 丸山
Minoru Kawamura
実 川村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】外観性能に優れ、且つ、生産性に優れた帯電防
止合成樹脂製品の製造方法を提供する。 【構成】表面が平滑で密着性の低いフィルム上に、酸化
錫を主成分とする導電性微粉末と、塩化ビニル60〜9
5重量%を含む共重合体とからなる導電性塗料を塗布し
乾燥することにより導電層を形成する。導電層を有する
フィルムを、合成樹脂基材上に導電層の方を向けるよう
にして積層し、加熱温度100〜170℃、圧力2kg
/cm2 以上の条件にて加熱加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止合成樹脂製品
の製造方法に関し、更に詳しくは、帯電防止性に優れ且
つ透明性等の外観性能に優れた帯電防止合成樹脂製品を
生産性よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハー用容器、クリーンベン
チ、クリーンルームやその他の電子・電機部材、半導体
製造工場の床材・壁材等の合成樹脂製品は、多くの場
合、帯電防止性能を有することが必要とされる。従来か
ら、このような用途に供する合成樹脂製品に帯電防止性
を付与するには、導電材として、カーボン粉末、カーボ
ン繊維、金属粉末、金属繊維を用いた塗料を基材にコー
ティングしたり、樹脂中に練り込んで成形することが行
われている。
【0003】しかし、これらの従来法では、コーティン
グ塗膜や樹脂が著しく着色してしまうために、内容物を
透視することが必要な用途には使用することができない
という問題点がある。
【0004】又、顔料等を含んだ塗料では、分散性を上
げることによって表面平滑性を上げているが、本用途の
場合は分散性を上げすぎると、導電材同士の接触が少な
くなり導電性が悪くなるため好ましくない。
【0005】そこで、透明な帯電防止合成樹脂製品を得
る方法として、例えば、特開昭58─91777号公報
には、アンチモンと酸化錫からなり、0.4μm以下の
平均粒径をもった導電性微粉末を樹脂中に含有する導電
性透明塗料が提案されている。しかし、この導電性透明
塗料は、導電性を付与するために多量の導電性微粉末を
添加するため、コーティング面を処理しないと、表面の
平滑性が悪く、曇ったようになり、透明性も悪いという
問題点がある。
【0006】又、特開昭59─177813号公報に
は、熱可塑性樹脂と導電性粉末を主成分とする塗料を基
材上に塗布して塗膜を形成した後、塗膜を有する基材を
加熱下に加圧して透明性を向上させる方法が提案され、
特開昭59─142226号公報には、同様にして形成
した基材上の被膜をバフ処理して透明性を向上させる方
法が提案されている。しかし、これらの方法による場合
は、処理速度が遅く生産性が悪く、基材上に直接塗布す
るのは、基材の厚みのバラツキや反り等の理由から品質
安定性に欠け、不良率も大きくなるという問題点があ
る。
【0007】又、特公平5─19463号公報には、分
子内に少なくとも2個のラジカル反応性不飽和基を有す
るオリゴマーを主成分とするバインダーと酸化錫を主成
分とする導電性粉体を含有する透明導電性塗料の塗膜層
をプラスチックフィルム上に形成した第1の積層体と、
分子内に少なくとも2個のラジカル反応性不飽和基を有
するオリゴマーを含有する粘着性樹脂組成物層を透明な
プラスチック基材上に形成した第2の積層体とを、第1
の積層体の塗膜層面と第2の積層体の粘着性樹脂組成物
層面とが対応するように積層した後、光硬化させる方法
が提案されている。しかし、この方法では、寸法精度の
悪いプラスチック基材上に粘着性樹脂組成物層を塗装し
て第2の積層体を形成したり、その第2の積層体と第1
の積層体とを積層する工程があるため、得られる製品の
外観性に問題があり、又、プロセス的に不利であるとい
う問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
従来の問題点を解消し、帯電防止性に優れ且つ透明性等
の外観性能に優れた帯電防止合成樹脂製品を生産性よく
製造する方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明1は、表面が平滑
で密着性の低いフィルム上に、酸化錫を主成分とする導
電性微粉末と塩化ビニル60〜95重量%を含む共重合
体とからなる導電性塗料を塗布し乾燥することにより導
電層を形成し、その導電層を有するフィルムを、合成樹
脂基材上に導電層の方を向けるようにして積層し、加熱
温度100〜170℃、圧力2kg/cm2 以上の条件
にて加熱加圧する帯電防止合成樹脂製品の製造方法であ
る。
【0010】本発明1において、導電性塗料中の酸化錫
を主成分とする導電性微粉末としては、例えば、酸化錫
微粉末、アンチモンをドープした酸化錫微粉末、インジ
ウムをドープした酸化錫微粉末、アンチモンをドープし
た酸化錫を表面にコーティングした硫酸バリウム等が好
適に使用される。
【0011】導電性塗料中の酸化錫を主成分とする導電
性微粉末の含有量は、少なくなると塗膜の導電性が低下
し、多くなると塗膜の透明性や機械的強度が低下するの
で、導電性塗料中に50〜80重量%含まれるのが好ま
しい。
【0012】本発明1において、導電性塗料中には、塩
化ビニル60〜95重量%を含む共重合体が添加され
る。この共重合体を用いると、加熱加圧により合成樹脂
基材上に導電層が容易に接着可能となり、又、上記フィ
ルムに導電性塗料を塗布した状態で保存できるため、少
量多品種の生産にも対応し易く、生産管理もし易くな
る。この共重合体中の塩化ビニルの含有量は、少なすぎ
ると塗膜の接着性が不十分となり、多すぎると導電性微
粉末の分散性が悪くなり、透明性も低下する。
【0013】この共重合体の共重合成分としては、例え
ば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸
ビニル、マレイン酸誘導体、スチレン、アクリルアミド
誘導体等が挙げられるが、酸化錫との相互作用をよくす
るために酸素原子を含有するものがより好ましい。導電
性塗料中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、安定剤、カップリング剤等が添加されてもよい。
【0014】本発明1における導電性塗料の調製は、例
えば、上記共重合体を有機溶剤に溶解した後、導電性微
粉末を加えて混合することにより行われる。有機溶剤
は、共重合体を溶解し得るものであれば特に限定される
ことなく使用することができ、例えば、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、トルエン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル等が挙げられる。混合には、導電性微粉末を導
電性塗料中に十分に分散させるには、通常用いられる混
合機を使用することができ、例えば、サンドミル、ボー
ルミル、アトライター、高速回転攪拌機、三本ロール等
が挙げられる。
【0015】本発明1の帯電防止合成樹脂製品の製造方
法は、例えば、次の工程により行われる。まず、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の表面が平滑
で密着性の低いフィルム上に、スプレー法、バーコート
法、ドクターブレード法、グラビア印刷法等の塗布方法
によって導電性塗料を塗布した後、乾燥することによ
り、フィルム上に導電層を形成する。フィルムには、必
要に応じて離型処理を施してもよい。形成する導電層の
厚みは、薄すぎると導電性が不足し、厚すぎると透明性
が不十分となるので、0.5〜3μmが好ましい。
【0016】次に、導電層を有するフィルムを合成樹脂
基材上に導電層の方を向けるようにして積層し、加熱温
度100〜170℃、圧力2kg/cm2 以上の条件に
て加熱加圧する。合成樹脂基材としては、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート、アクリロニトリル─ブタジエン─スチレン共重合
体等の材料からなるプレートが用いられる。
【0017】本発明2は、表面が平滑で密着性の低いフ
ィルム上に、導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーを
主成分とする導電性微粉末と、塩化ビニル60〜95重
量%を含む共重合体と、カルボキシル基を有する酸とか
らなる導電性塗料を塗布し乾燥することにより導電層を
形成し、その導電層を有するフィルムを、合成樹脂基材
上に導電層の方を向けるようにして積層し、加熱温度1
00〜170℃、圧力2kg/cm2 以上の条件にて加
熱加圧する帯電防止合成樹脂製品の製造方法である。
【0018】本発明2において、導電性塗料中の導電性
チタン酸アルカリ金属ウィスカーを主成分とする導電性
微粉末の形状としては、長さ3〜30μm、アスペクト
比3〜150であることが好ましい。長さが3μm未満
であったりアスペクト比が3未満であると、形成される
導電層の導電性が不十分になり、長さが30μmを越え
たりアスペクト比が150を越えると、導電性微粉末が
塗料中に均一に分散しにくくなったり、塗料の保存安定
性が低下したりする。
【0019】導電性塗料中には、本発明1と同様の塩化
ビニル60〜95重量%を含む共重合体が添加される。
【0020】本発明2の導電性塗料は、長期間保存した
とき、導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーが沈降す
るのを防止するため、導電性塗料中には、導電性チタン
酸アルカリ金属ウィスカーの分散性向上と沈降防止のた
めに、カルボキシル基を有する酸(以下、カルボン酸と
いう)が添加される。
【0021】カルボン酸の添加量は、導電性塗料中、
0.2〜2重量%含まれるのが好ましい。添加量が少な
すぎると、導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーの分
散性や沈降防止の効果が小さく、多すぎると、導電層の
耐薬品性、耐久性等の性能が低下する。
【0022】本発明2の導電性塗料中には、更に有機溶
剤が添加される。有機溶剤としては、沸点が低いものや
揮発性の強いものは、保存中や塗工中の蒸発により塗料
の濃度や粘度が変化するという問題があり、又、高沸点
のものは乾燥工程に時間をようするので、沸点60〜1
60℃のものが好ましい。導電性塗料中の有機溶剤の含
有量は、導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーとの親
和性のため酸素を含有する溶剤が10重量%以上含まれ
ることが好ましい。
【0023】このような有機溶剤としては、例えば、シ
クロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセト
ン、メチルエチルケトン、アニソール等が挙げられ、こ
れらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0024】本発明2において、導電性塗料の調製及び
帯電防止合成樹脂製品の製造方法の工程は本発明1と同
様の方法を採用することができる。
【0025】本発明3は、上記導電層を有するフィルム
を、合成樹脂基材上に、熱接着性合成樹脂フィルムを介
して、導電層の方を向けるようにして積層する本発明1
又は本発明2の帯電防止合成樹脂製品の製造方法であ
る。
【0026】本発明3において、熱接着性合成樹脂フィ
ルムは、合成樹脂基材と導電層との間に接着層を設ける
ことにより、両者間に密着性と透明性を向上させる機能
を果たせるために用いられる。このような熱接着性合成
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、エチレ
ン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等のい
わゆるホットメルト接着剤と呼ばれる樹脂からなるフィ
ルムが好適に用いられる。
【0027】
【作用】本発明1の帯電防止合成樹脂製品の製造方法
は、表面が平滑で密着性の低いフィルム上に、酸化錫を
主成分とする導電性微粉末と塩化ビニル60〜95重量
%を含む共重合体とからなる導電性塗料を塗布し乾燥す
ることにより導電層を形成し、その導電層を有するフィ
ルムを、合成樹脂基材上に導電層の方を向けるようにし
て積層し、加熱温度100〜170℃、圧力2kg/c
2 以上の条件にて加熱加圧することにより、表面が平
滑なフィルムを使用しているので、得られる製品は表面
平滑性が極めて優れ、透明性が優れており、又、フィル
ム上に導電層を形成した後、そのまま保存することがで
きるので、不安定な塗料での保存を必要とすることな
く、少量多品種の備えることができ、接着条件も、従来
のホットプレスに比べてかなりゆるい条件で済むので生
産性、生産設備等の面で有利であり、又、製品完成時に
製品の表面にはフィルムが貼り付けられており、密着性
も適度であるため、新たに傷防止のための保護フィルム
を貼る必要がなく、生産プロセスが従来の場合に比べて
大幅に短縮される。
【0028】本発明2の帯電防止合成樹脂製品の製造方
法は、表面が平滑で密着性の低いフィルム上に、導電性
チタン酸アルカリ金属ウィスカーを主成分とする導電性
微粉末と、塩化ビニル60〜95重量%を含む共重合体
と、カルボキシル基を有する酸とからなる導電性塗料を
塗布し乾燥することにより導電層を形成し、その導電層
を有するフィルムを、合成樹脂基材上に導電層の方を向
けるようにして積層し、加熱温度100〜170℃、圧
力2kg/cm2 以上の条件にて加熱加圧することによ
り、表面が平滑なフィルムを使用しているので、得られ
る製品の表面平滑性が極めて優れ、透明性が優れてお
り、塗料中に導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーを
主成分とする導電性微粉末を含んでいるので、得られる
製品の光沢度が優れており、塗料中にカルボキシル基を
有する酸を含むので、長期間保存したとき、導電性チタ
ン酸アルカリ金属ウィスカーが沈降するのを防止するこ
とができ、又、フィルム上に導電層を形成した後、その
まま保存することができるので、塗料での保存をするこ
となく、少量多品種の備えることができ、接着条件も、
従来のホットプレスに比べてかなりゆるい条件で済むの
で生産性、生産設備等の面で有利であり、又、製品完成
時に製品の表面にはフィルムが貼り付けられており、密
着性も適度であるため、新たに傷防止のための保護フィ
ルムを貼る必要がなく、生産プロセスが従来の場合に比
べて大幅に短縮される。
【0029】本発明3の帯電防止合成樹脂製品の製造方
法は、本発明1及び本発明2において、上記導電層を有
するフィルムを、合成樹脂基材上に、熱接着性合成樹脂
フィルムを介して、導電層の方を向けるようにして積層
することにより、更に、合成樹脂基材上への導電層の密
着性及び透明性が優れた製品を得ることができる。
【0030】
【実施例】実施例1 一次粒径0.02μmの酸化アンチモン含有酸化錫粉末
(三菱マテリアル社製、商品名「T─1」)100重量
部に対して、塩化ビニル80重量%と2─ヒドロキシプ
ロピルアクリレート20重量%からなる共重合体(積水
化学工業社製、商品名「エスレックE−HA」)50重
量部及シクロヘキサノン350重量部を添加したもの
を、アトライターに仕込み10時間攪拌を行い、導電性
塗料を調製した。
【0031】次に、厚さ25μmmのポリエチレン─テ
レフタレート(以下、PETという)フィルム上に、ロ
ールコーターを用いて、導電性塗料を乾燥後の塗膜の厚
さが1.5μmとなるように塗布し、乾燥させることよ
り導電層を形成した。
【0032】更に、この導電層を有するフィルムを、厚
さ3mmのポリ塩化ビニル樹脂プレート上に、導電層の
方を向けるようにして積層し、ラミネータで加熱加圧し
て、帯電防止ポリ塩化ビニルプレートを得た。尚、ラミ
ネート条件は、温度130℃、圧力4kg/cm2 、ラ
ミネート速度1.0m/分とした。
【0033】得られた帯電防止ポリ塩化ビニル樹脂プレ
ートのPETフィルムを剥がして、全光線透過率、曇
価、表面抵抗値、密着性について評価した。その結果を
表1に示した。尚、全光線透過率及び曇価については、
ASTM─D1003に準じて測定した。表面抵抗値に
ついては、ASTM─D257に準じて測定した。又、
密着性については、縦横各1mmの直線の切れ目を入れ
て100個の碁盤目をつくり、粘着剤付テープ(登録商
標「スコッチテープ」)を貼り付け、次いでテープを引
き剥がして、導電層の剥離テストを行い、剥離した数で
評価した。
【0034】実施例2 一次粒径0.02μmの酸化アンチモン含有酸化錫粉末
(三菱マテリアル社製、商品名「T─1」)100重量
部に対して、塩化ビニル70重量%と酢酸ビニル30重
量%からなる共重合体60重量部及びメチルエチルケト
ン300重量部を添加したものを、アトライターに仕込
み10時間分散を行った導電性塗料を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、帯電防止ポリ塩化ビニル樹
脂プレートを得た。得られた帯電防止ポリ塩化ビニル樹
脂プレートについて、実施例1と同様の評価を行った結
果を表1に併せて示した。
【0035】実施例3 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリメチルメ
タクリレート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、帯電防止ポリメチルメタクリレート樹
脂プレートを得た。得られた帯電防止ポリメチルメタク
リレートプレートについて、実施例1と同様の評価を行
った結果を表1に併せて示した。
【0036】実施例4 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリカーボネ
ート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例1と同様
にして、帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートを得
た。得られた帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートに
ついて、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に併
せて示した。
【0037】比較例1 実施例1の導電性塗料を、直接、厚さ3mmのポリ塩化
ビニル樹脂プレート上に乾燥後の塗膜の厚みが1.5μ
mとなるように塗布し、乾燥させて、導電層を形成した
こと以外は実施例1と同様にして帯電防止ポリ塩化ビニ
ルプレートを得た。得られたポリ塩化ビニル樹脂プレー
トについて、実施例1と同様の評価を行った結果を表1
に併せて示した。
【0038】
【表1】
【0039】表1からも明らかな如く、実施例1〜4の
場合は、いずれも、表面抵抗値、光線透過率、曇価及び
密着性に優れているのに対して、比較例の場合には、光
線透過率及び曇価が劣っている。
【0040】実施例5 導電性チタン酸カリウムウィスカー(大塚化学社製、商
品名「デントールWK─200」)10重量部に対し
て、塩化ビニル80重量%と2─ヒドロキシプロピルア
クリレート20重量%からなる共重合体(積水化学社
製、商品名「エスレックE−HA」)30重量部、メチ
ルエチルケトン30重量部及びシクロヘキサン30重量
部を添加したものを、ステンレス容器に仕込み、高速攪
拌機にて、2,000rpmで10時間攪拌し帯電防止
性塗料を調製した。
【0041】次に、厚さ25μmmのPETフィルム上
に、ロールコーターを用いて、導電性塗料を乾燥後の塗
膜の厚さが2.5μmとなるように塗布し、乾燥させる
ことより導電層を形成した。
【0042】更に、この導電層を有するフィルムを、厚
さ3mmのポリ塩化ビニル樹脂プレート上に、導電層の
方を向けるようにして積層し、ラミネータで加熱加圧し
て、帯電防止ポリ塩化ビニルプレートを得た。尚、ラミ
ネート条件は、温度130℃、圧力3kg/cm2 、ラ
ミネート速度2.0m/分とした。
【0043】得られた帯電防止ポリ塩化ビニル樹脂プレ
ートのPETフィルムを剥がして、表面抵抗値、光沢
度、密着性について評価した。その結果を表2に示し
た。尚、表面抵抗値及び密着性については、実施例1と
同様にして評価した。光沢度については、JIS K7
105に準じて評価した。
【0044】実施例6 導電性チタン酸カリウムウィスカー(大塚化学社製、商
品名「デントール WK─300」)20重量部に対し
て、塩化ビニル70重量%と酢酸ビニル30重量%から
なる共重合体40重量部及びメチルエチルケトン30重
量部を添加したものを用いたこと以外は実施例5と同様
にして導電性塗料を調製した。得られた導電性塗料を用
いたこと以外は実施例5と同様にして帯電防止ポリ塩化
ビニルプレートを得た。得られた帯電防止ポリ塩化ビニ
ルプレートについて、実施例5と同様にして評価を行っ
た。その結果を表2に併せて示した。
【0045】実施例7 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリメチルメ
タクリレート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例
5と同様にして、帯電防止ポリメチルメタクリレート樹
脂プレートを得た。得られた帯電防止ポリメチルメタク
リレートプレートについて、実施例5と同様の評価を行
った結果を表2に併せて示した。
【0046】実施例8 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリカーボネ
ート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例5と同様
にして、帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートを得
た。得られた帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートに
ついて、実施例5と同様の評価を行った結果を表2に併
せて示した。
【0047】比較例2 実施例5の導電性塗料を、直接、厚さ3mmのポリ塩化
ビニル樹脂プレート上に乾燥後の塗膜の厚みが2.5μ
mとなるように塗布し、乾燥させて、導電層を形成した
こと以外は実施例5と同様にして帯電防止ポリ塩化ビニ
ルプレートを得た。得られたポリ塩化ビニル樹脂プレー
トについて、実施例5と同様の評価を行った結果を表2
に併せて示した。比較例3 導電性酸化チタン(三菱マテリアル社製、商品名「W−
10」)25重量部、塩化ビニル80重量%と2─ヒド
ロキシプロピルアクリレート20重量%からなる共重合
体20重量部、メチルエチルケトン30重量部及びシク
ロヘキサノンからなるものを用いたこと以外は実施例5
と同様にして導電性塗料を調製した。この導電性塗料を
用いたこと以外は実施例5と同様にして帯電防止ポリ塩
化ビニルプレートを得た。得られたポリ塩化ビニル樹脂
プレートについて、実施例5と同様の評価を行った結果
を表2に併せて示した。
【0048】
【表2】
【0049】表2からも明らかな如く、実施例5〜8の
場合は、いずれも、表面抵抗値、光沢度、密着性に優れ
ているのに対して、比較例2の場合には、光沢度が低
く、又、比較例3の場合には、表面抵抗値、光沢度及び
密着性が悪い。
【0050】実施例9 一次粒径0.02μmの酸化アンチモン含有酸化錫粉末
(三菱マテリアル社製、商品名「T−1」)100重量
部に対して、塩化ビニル80重量%と2─ヒドロキシプ
ロピルアクリレート20重量%からなる共重合体(積水
化学社製、商品名「エスレックE─HA」)50重量部
及びシクロヘキサノン250重量部を添加したものを、
アトライターに仕込み、8時間分散を行い導電性塗料を
調製した。
【0051】次に、厚さ25μmmのポリエチレン─テ
レフタレート(PET)フィルム上に、ロールコーター
を用いて、導電性塗料を乾燥後の塗膜の厚さが1.0μ
mとなるように塗布し、乾燥させることより導電層を形
成した。
【0052】又、塩化ビニル80重量%と2─ヒドロキ
シプロピルアツリレート20重量%を含む共重合体(積
水化学社製、商品名「エスレックE─HA」)を押出機
より押し出して、厚さ20μmの接着用合成樹脂フィル
ムを得た。
【0053】更に、厚さ3mmのポリ塩化ビニル樹脂プ
レート上に、接着用合成樹脂フィルムを積層し、その上
に導電層を有するフィルムを導電層の方を向けるように
して積層し、ラミネータで加熱加圧して、帯電防止ポリ
塩化ビニルプレートを得た。尚、ラミネート条件は、温
度120℃、圧力3kg/cm2 、ラミネート速度2.
0m/分とした。
【0054】得られた帯電防止ポリ塩化ビニル樹脂プレ
ートのPETフィルムを剥がして、全光線透過率、曇
価、表面抵抗値、密着性について評価した。その結果を
表3に示した。尚、全光線透過率、曇価、表面抵抗値、
密着性の評価方法は実施例1と同様にして行った。
【0055】実施例10 一次粒径0.02μmの酸化アンチモン含有酸化錫粉末
(三菱マテリアル社製、商品名「T−1」)100重量
部に対して、塩化ビニル70重量%と酢酸ビニル30重
量%を含む共重合体60重量部及びメチルエチルケトン
300重量部をアトライターに仕込み10時間分散を行
い導電性塗料を調製した。
【0056】この導電性塗料を用いたこと以外は実施例
9と同様にして帯電防止ポリ塩化ビニル樹脂プレートを
得た。この導電性塗料を用いたこと以外は実施例9と同
様にして、帯電防止ポリ塩化ビニル樹脂プレートを得
て、実施例9と同様の評価を行った。その結果を表3に
併せて示した。
【0057】実施例11 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリメチルメ
タクリレート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例
9と同様にして、帯電防止ポリメチルメタクリレート樹
脂プレートを得た。得られた帯電防止ポリメチルメタク
リレートプレートについて、実施例9と同様の評価を行
った結果を表3に併せて示した。
【0058】実施例12 ポリ塩化ビニル樹脂プレートの代わりに、ポリカーボネ
ート樹脂プレートを用いたこと以外は、実施例9と同様
にして、帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートを得
た。得られた帯電防止ポリカーボネート樹脂プレートに
ついて、実施例9と同様の評価を行った結果を表3に併
せて示した。
【0059】比較例4 実施例9の導電性塗料を、直接、厚さ3mmのポリ塩化
ビニル樹脂プレート上に乾燥後の塗膜の厚みが1.5μ
mとなるように塗布し、乾燥させて、導電層を形成した
こと以外は実施例5と同様にして帯電防止ポリ塩化ビニ
ルプレートを得た。得られたポリ塩化ビニル樹脂プレー
トについて、実施例9と同様の評価を行った結果を表3
に併せて示した。
【0060】
【表3】
【0061】表3からも明らかな如く、本願の実施例9
〜12の場合には、いずれも、表面抵抗値、光線透過
率、曇価及び密着性において優れているのに対して、比
較例4の場合には、光線透過率及び光線透過率が悪い。
【0062】
【発明の効果】本発明1の帯電防止合成樹脂製品の製造
方法は、上記の如き構成とされているので、得られる製
品は表面平滑性が極めて優れ、透明性が優れており、不
安定な塗料での保存を必要とすることなく、少量多品種
の備えることができ、生産性、生産設備等の面で有利で
あり、又、新たに傷防止のための保護フィルムを貼る必
要がなく、生産プロセスが従来の場合に比べて大幅に短
縮される。
【0063】本発明2の帯電防止合成樹脂製品の製造方
法は、上記の如き構成とされているので、得られる製品
の表面平滑性が極めて優れ、透明性及び光沢度が優れて
おり、長期間保存したとき、導電性チタン酸アルカリ金
属ウィスカーが沈降するのを防止することができ、又、
塗料での保存をすることなく、少量多品種の備えること
ができ、生産性、生産設備等の面で有利であり、又、製
品完成時に製品の表面にはフィルムが貼り付けられてお
り、密着性も適度であるため、新たに傷防止のための保
護フィルムを貼る必要がなく、生産プロセスが従来の場
合に比べて大幅に短縮される。
【0064】本発明3の帯電防止合成樹脂製品の製造方
法は、上記の如き構成とされているので、更に、合成樹
脂基材上への導電層の密着性及び透明性が優れた製品を
得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 9/00 W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が平滑で密着性の低いフィルム上
    に、酸化錫を主成分とする導電性微粉末と、塩化ビニル
    60〜95重量%を含む共重合体とからなる導電性塗料
    を塗布し乾燥することにより導電層を形成し、その導電
    層を有するフィルムを、合成樹脂基材上に導電層の方を
    向けるようにして積層し、加熱温度100〜170℃、
    圧力2kg/cm2 以上の条件にて加熱加圧することを
    特徴とする帯電防止合成樹脂製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面が平滑で密着性の低いフィルム上
    に、導電性チタン酸アルカリ金属ウィスカーを主成分と
    する導電性微粉末と、塩化ビニル60〜95重量%を含
    む共重合体と、カルボキシル基を有する酸とからなる導
    電性塗料を塗布し乾燥することにより導電層を形成し、
    その導電層を有するフィルムを、合成樹脂基材上に導電
    層の方を向けるようにして積層し、加熱温度100〜1
    70℃、圧力2kg/cm2 以上の条件にて加熱加圧す
    ることを特徴とする帯電防止合成樹脂製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記導電層を有するフィルムを、合成樹
    脂基材上に、熱接着性合成樹脂フィルムを介して、導電
    層の方を向けるようにして積層することを特徴とする請
    求項1又は請求項2の帯電防止合成樹脂製品の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004007189A1 (ja) * 2002-07-17 2004-01-22 Sekisui Chemical Co., Ltd. 帯電防止成型体及び帯電防止塗料

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WO2004007189A1 (ja) * 2002-07-17 2004-01-22 Sekisui Chemical Co., Ltd. 帯電防止成型体及び帯電防止塗料

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