JPH07308884A - 管状マニピュレータ - Google Patents

管状マニピュレータ

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JPH07308884A
JPH07308884A JP4849495A JP4849495A JPH07308884A JP H07308884 A JPH07308884 A JP H07308884A JP 4849495 A JP4849495 A JP 4849495A JP 4849495 A JP4849495 A JP 4849495A JP H07308884 A JPH07308884 A JP H07308884A
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JP
Japan
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shape memory
tubular
memory alloy
manipulator
bending
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Withdrawn
Application number
JP4849495A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Adachi
英之 安達
Tsuyoshi Ozawa
剛志 小澤
Yasuo Hirata
康夫 平田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、湾曲駆動用形状記憶素子部材と可撓
管部材との摺動抵抗を軽減することで、駆動湾曲角のロ
スを小さくし、作業空間の広い管状マニピュレータを提
供することを目的とする。 【構成】本発明は、可撓管と、この可撓管の周面に摺動
自在に取り付けられてその可撓管に湾曲力を付与する形
状記憶素子とからなる管状マニピュレータにおいて、前
記形状記憶素子が摺接する可撓管の摺動面に凹凸を設け
た。前記凹凸を設けたことにより、湾曲駆動用形状記憶
素子部材と可撓管部材との摺動抵抗が軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、プラントの配
管内のような狭所における検査や補修等の際に用いられ
る管状マニピュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】狭い個所や曲がりくねった管の内部に挿
入して、その内部の検査を行う内視鏡や、内視鏡やプロ
ーブ等をそのような管内に導くためのガイドチューブ装
置において、曲げ形状を記憶した形状記憶合金部材を利
用して、そのスコープや、ガイドチューブを湾曲させる
試みは、既にいくつか行われている。
【0003】例えば、特公平4−41622号公報にお
いて示された可変形状の案内装置は、プラスチックによ
り成形された管状部材と、この管状部材の外周面上に、
軸方向に沿ってスライド自在に糸縛りされた形状記憶合
金部材と、前記形状記憶合金部材を加熱する手段とから
なる。前記形状記憶合金部材は、曲げ形状を記憶してお
り、加熱されると、添設した前記管状部材に対してスラ
イドしながら、その管状部材を湾曲させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記湾曲駆動用形状記
憶合金部材は、これに添設する前記管状部材の周面に対
して直接に接合するため、その管状部材にシリコーンゴ
ムやポリウレタン等のような表面の摩擦係数の大きい素
材を用いると、形状記憶合金部材と管状部材との摺動抵
抗が大きくなり、湾曲動作を妨げ、大きな湾曲角を得る
ことが難しい。
【0005】本発明は前記課題に着目してなされたもの
であり、湾曲駆動用形状記憶素子部材と可撓管部材との
摺動抵抗を軽減することで、駆動湾曲角のロスを小さく
し、作業空間の広い管状マニピュレータを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段および作用】前記課題を解決する
ために本発明は、可撓管と、この可撓管の周面に摺動自
在に取り付けられてその可撓管に湾曲力を付与する形状
記憶素子とからなる管状マニピュレータにおいて、前記
形状記憶素子が摺接する可撓管の摺動面に凹凸を設け
た。前記凹凸を設けたことにより、湾曲駆動用形状記憶
素子部材と可撓管部材との摺動抵抗が軽減する。
【0007】
【実施例】本発明の第1の実施例について、図1ないし
図9を参照して説明する。図1は管状マニピュレータ1
を示しており、この管状マニピュレータ1は、例えば、
配管内に誘導して、その内部の検査や補修等に用いられ
る。
【0008】この管状マニピュレータ1は、複数の湾曲
部2,3,4,…に分かれており、先端側より第1の湾
曲部2、第2の湾曲部3、第3の湾曲部4、…と順次軸
方向に連結されている。湾曲部2,3,4はそれぞれ湾
曲して任意の形状をとれる。管状マニピュレータ1の基
端側には、図示しない作業用モジュールが有る。前記作
業用モジュールは、管状マニピュレータ1を駆動する駆
動用電源5を含んでいる。管状マニピュレータ1には、
その全長にわたり通貫したシリコーンゴム製の可撓管と
してのインナーチューブ6が設けられている。
【0009】図2は、第1の湾曲部2を示している。こ
の第1の湾曲部2には、前記インナーチューブ6の外周
に巻装した段付きのコイルばね7が設けられている。ま
た、前記コイルばね7の内部には形状記憶素子としての
状記憶合金部材が設けられている。つまり、インナーチ
ューブ6に対して常に沿う状態で、全方位型形状記憶合
金(SMA)製のプレート8が配置されている。形状記
憶素子としてのプレート8はその基端側端部が固定用リ
ング部材9を介して前記インナーチューブ6に固定す
る。この全方位型SMA製プレート8は、例えばNi−
Ti系の合金であり、後述する動作を示すように、適当
な相成比で、適当な記憶処理を施したものである。
【0010】プレート8の上面にはプレート状のヒータ
10が接着されており、前記ヒータ10はリード線11
を介してスイッチングを行う制御用IC12に接続され
ている。制御用IC12は、前記固定用リング部材9の
外周平面部19に接着されて取付け固定されている。
【0011】前記ヒータ10は、プレート8のインナー
チューブ6の位置する側の面と反対側の面上に接着され
ており、リード線11を介して制御用IC12と接続さ
れている。
【0012】制御用IC12は、固定用リング部材9の
外周平面部に接着されている。また、制御用IC12か
ら延接される伝送用リード線13はインナーチューブ6
に沿って設けられており、その延出他端は、制御部にお
ける前記駆動用電源5に接続されている。
【0013】一方、図3は第1の湾曲部2を側方から見
た図であり、図4はコイルばね7の軸方向から見た図を
示す。これから知れるように前記コイルばね7は1巻き
ごとに小コイル径部14と大コイル径部15を交互に繰
り返しており、さらに、前記小コイル径部14と大コイ
ル径部15はその外周部の一部分がインナーチューブ6
の一側部周面で、そのインナーチューブ6の軸方向に直
線上になるように偏心してある。
【0014】また、前記コイルばね7の小コイル径部1
4の内径は、前記インナーチューブ6の外径よりもわず
かに大きく、小コイル径内部空間16にインナーチュー
ブ6が挿通されている。小コイル径部14と大コイル径
部15との大小コイル径間の隙間17は、前記プレート
8の長手方向と垂直な断面を含むほどの大きさを有して
おり、この隙間17に前記プレート8が配置されてい
る。つまり、前記コイルばね7の小コイル径部14はイ
ンナーチューブ6の外周摺動面に凹凸を形成する。
【0015】図5は前記SMA製のプレート8と前記固
定用リング部材9との固定部分を縦断した断面図を示し
ており、図6は固定用リング部材9における前端部と後
端部の横断面図を示す。前記プレート8の基端側端部に
対応して前記固定用リング部材9の前端部には固定用溝
18が設けられている。前記プレート8の基端側端部
は、図6の(a)で示すように固定用リング部材9の固
定用溝18に差し込まれ、ろう付け、半田付け、接着等
の接続固定手段で固定されている。前記プレート8の基
端側端部は、表面がメッキ処理されている。また、リン
グ部材9はチューブ6に接着されている。
【0016】また、第2の湾曲部3も第1の湾曲部2と
同様の構成をとるが、図5に示すように、第2の湾曲部
3における全方位型SMA製プレート20の先端側端部
は、図6の(b)で示すように第1の湾曲部2の固定用
リング部材9に設けられた摺動用溝21にスライド自在
に差し込まれている。
【0017】前記コイルばね7の基端側端部は、前記リ
ング部材9の先端側端面に押し当てられ、あるいはその
一部をリング部材9の内面に入り込ませて、例えば、ろ
う付け、はんだ付け、接着等の固定手段で固定されてい
る。また、第2の湾曲部3におけるコイルばね22の先
端側端面は、固定用リング部材9の基端側端面に押し当
てられ、あるいはその一部をリング部材9の内面に入り
込ませて、ろう付け、半田付け、接着等の固定手段で固
定されている。
【0018】第3の湾曲部4以降も、第1の湾曲部2お
よび第2の湾曲部3と同様の構成となっている。また、
外乱からの保護のために、前記各湾曲部2,3,4,…
の外周にアウターチューブを設けることもある。
【0019】次に、前述した構成の管状マニピュレータ
1の動作を説明する。各湾曲部2,3,4,…における
プレート8が、各々の面上に設けられたヒータ10によ
る加熱および自然放熱によって湾曲し、この湾曲に伴
い、インナーチューブ6を所定の任意形状に湾曲させ
る。制御部からの信号により、制御用IC12をスイッ
チングすることにより、プレート8への通電の有無が選
択される。これは、オープンループで制御される。
【0020】図7はそのプレート8の動作を示す。全方
位型SMA製プレート8は、曲げ形状を記憶しており、
低温側の状態と高温側の状態とでは曲げ形状が反転す
る。同図(a)は低温側の形状を示し、同図(b)は高
温側の形状を示している。
【0021】そこで、図8を参照して、マニピュレータ
1を湾曲させる具体的な動きを説明する。プレート8は
その基端側端部がリング部材9を介してインナーチュー
ブ6に固定されているため、前記プレート8が変形する
と、プレート8はインナーチューブ6に対して摺動しな
がら、図8(a)または同図(b)で示すように、先端
側部分が湾曲変形する。
【0022】そして、プレート8は、図9で示すように
小コイル径部14と大コイル径部15の間の隙間17お
よび固定用リング部材9の摺動用溝21に位置して、そ
れらに保持されながら、インナーチューブ6に対して摺
動しつつ、マニピュレータ1を湾曲させる。
【0023】前記プレート8とインナーチューブ6との
間にはコイルばね7が介在し、プレート8はコイルばね
7と点接触をした状態で湾曲動作を行い、コイルばね7
と摺動する。従来方式の構造の場合のような面接触の構
造と較べて、明らかに、摺動抵抗が少なくてすみ、プレ
ート8の湾曲力量を最も効率良くインナーチューブ6
(可撓管)に伝達することができる。
【0024】この構成によれば、図4に示すように、ヒ
ータ10は、プレート8の、インナーチューブ6と向き
合わない面上に設けられているので、コイルばね7と
は、ほとんど接触することなく、動作に伴ってヒータ1
0が傷つ付けられるおそれが少ない。
【0025】図2に示すように、制御用IC12は、プ
レート8の面上でなく、固定用リング部材9の外周面上
に設けられているため、プレート8の温度変化が制御用
IC12の特性に及ぼす影響は小さい。
【0026】図5に示すように、固定用リング部材9
は、プレート8をインナーチューブ6に対して固定させ
るのみでなく、隣接する基端側の湾曲部3,4,…にお
けるプレート8aが湾曲するに伴い摺動する際のスライ
ドガイドの働きも兼ねるので、それらの機能を持つ構成
がコンパクトなものとすることができて、湾曲部2,
3,4,…を複数設ける構造に適している。
【0027】また、上述のように隣接する湾曲部2,
3,4,…のプレート8は、1つの固定用リング部材9
にそれぞれ固定または挿入されるので、管状マニピュレ
ータ1は、各湾曲部2,3,4,…の間でキンクする虞
れが少ない。
【0028】また、プレート8は、コイルばね7の大小
コイル径部14,15の間の隙間17に設けられてお
り、コイルばね7は適当なピッチを有する。故に、プレ
ート8は常にインナーチューブ6に沿わされ、プレート
8自身の湾曲角度をほとんどロスすることなく、湾曲部
2,3,4,…の湾曲角度として取り出すことができ
る。
【0029】さらに、外乱から各湾曲部2,3,4,…
を保護するため、その湾曲部2,3,4,…の外周にア
ウターチューブを設ける場合にも、図4から明らかなよ
うに全方位型SMA製プレート8は、コイルばね7の大
コイル径部15の内周に接するのみで、そのアウターチ
ューブとは接触しないので、プレート8とアウターチュ
ーブとの摺動摩擦により湾曲角度が小さくなるおそれが
ない。
【0030】図10は本発明の第2の実施例を示すもの
である。すなわち、この実施例は前述した第1の実施例
の構成における段付きのコイルばね7の代わりに、イン
ナーチューブ6の外径よりも、わずかに大きいコイル内
径を有するコイルばね23と、プレート押さえリング2
4との組みからなる保持手段を設けたものである。上記
コイルばね23の両端部は固定用リング部材9の端面に
押し当てられて、ろう付け、半田付け、接着等の固定手
段で固着されている。
【0031】また、前記押さえリング24は、プレート
8が位置しない側部において、コイルばね23またはイ
ンナーチューブ6に接着等で固着されている。プレート
8は、コイルばね23の外部と、プレート押さえリング
24の内部の隙間に配置される。
【0032】これの動作は、前述した第1の実施例の場
合と略同じである。そして、この構成によれば、コイル
ばね23および押さえリング24は、特殊な形状をして
いないので、これらを安価に製作することができる。
【0033】また、この第2の実施例におけるコイルば
ね23の代わりに、インナーチューブ6の外周に、リン
グ部材を複数個設けたり、糸まきをしたり、接着剤を部
分的に塗布して硬化させたり、表面を後加工したりし
て、凹凸を設け、または予めインナーチューブ6を蛇腹
構造にしたり、さらに、押さえリング24のかわりに糸
縛りをしたりしても、この実施例の凹凸と同様の作用効
果を得ることができる。
【0034】前述した第1の実施例の構成において、図
11で示すように、SMA加熱用ヒータ10のかわり
に、湾曲歪検出機能および温度検出機能をもたせたハイ
ブリッド型ヒータ25を設け、このハイブリッド型ヒー
タ25により検出された歪および温度の信号を制御用I
C12にフィードバックする信号用リード線26を設
け、制御用IC12をフィードバック制御する構成とし
てもよい。この構成にすれば、複雑な配管内等、操作者
の見えない場所でも、管状マニピュレータ1の姿勢を細
かく制御することができる。
【0035】また、このハイブリッド型ヒータ25を用
いなくても、SMA製プレート8の面上に歪ゲージ等の
歪センサーと、熱電対等の温度センサーを貼り付け、こ
れをリード線により制御用IC12に接続すれば、同様
の効果を得ることができる。
【0036】次に、図12ないし図14を参照して、本
発明の第3の実施例を説明する。図12は前記第1の実
施例で説明した管状マニピュレータ1に対応させてその
軸方向の断面形状を概略的に示すものである。
【0037】全方位型SMA製プレート8と固定用リン
グ部材9の位置関係は、前記第1の実施例と同じであ
り、構造体たるインナーチューブ6の外周表面に配置さ
れるプレート8はそれぞれリング部材9を介して軸方向
に一直線状に連結されている。そして、リング部材9に
対してプレート8の基端側端部は、接着等で固着されて
おり、固定部31を形成している。同一のリング部材9
の反対側端の開口部には、先端側隣りのプレート8の先
端部がスライド自在に差し込まれ、非固定部32を形成
している。
【0038】ここで、プレート8は前述した第1の実施
例で説明したと同様に常温で一定の曲率をとり、加熱さ
れて相変態を生じると反転した曲率をとる。図12での
プレート8の形態はいずれも常温での形状を示してある
が、隣り合うプレート8は、常温形状で反対の向きにな
る様にそれぞれ交互に異なる向きに取り付けられてい
る。このため、各湾曲部2,3,4,…に対応した各部
分A,B,C,D,E,Fが、常温では、図14での
(a)の形状をとり、マニピュレータ1の外観を全長的
に見ると、波形状になる。また、各湾曲部2,3,4,
…における他の構成は、前述した第1の実施例で説明し
た通りであり、各々のプレート8は独立に制御される。
【0039】そこで、常温で、マニピュレータ1は、図
14での(a)の形状をとるが、湾曲部2,3,4,…
のうち、A,C,Eのプレート8のみを全て加熱する
と、図14での(b)の形状となる。逆に、B,D,F
のプレート8のみを全て加熱すると、図14での(c)
の形状をとる。したがって、このマニピュレータ1は、
図14で示す斜線内で任意の形状をとりうる。
【0040】図13はプラント配管33内に移動型作業
モジュール34が挿入された状態を示しており、作業モ
ジュール本体34より延設されたマニピュレータ1は、
加熱制御を受けていない常温下での形態である。配管3
3内での観察または作業対象の位置によって適当な形態
となるように加熱制御できる。
【0041】なお、ここで、仮に、全ての湾曲部2,
3,4,…におけるプレート8が、常温において同じ向
きであると、常温でマニピュレータ1は大きく湾曲した
状態となる。一方、マニピュレータ1が挿入される対象
は、一般に狭い配管内であり、マニピュレータ1は挿入
時に直線状である必要がある。そこで、プレート8を直
線になるように、あらかじめ加熱制御を行ってマニピュ
レータ1を直線状にしながら挿入する必要があり、これ
ではエネルギー効率が悪い。
【0042】しかしながら、この第3の実施例における
構成では、隣り合うプレート8の初期湾曲形状が反転す
るように連結しているので、マニピュレータ1は常温状
態で波形状をとるので、マクロ的には概直線形状といえ
る。したがって、狭い管に挿入する場合でも、挿入時に
各プレート8に対して加熱制御を行うことなく挿入でき
る。これにより、エネルギーの消費が少なくてすみ、マ
イクロマシンに好適な構造といえる。
【0043】さらに、挿入時、加熱されていないこと
は、マニピュレータ1が柔軟な状態であることを意味
し、わずかな障害物に対しては、特に制御を行わなくて
もマニピュレータ1の柔軟性を利用して押し込み挿入が
可能である。
【0044】図15は本発明の第4の実施例を示すもの
である。これは前述した第3の実施例の変形例を示し、
隣り合う湾曲部2,3,4,…についてのプレート8
が、交互に180°回転した位置にそれぞれ配置されて
いる。また、プレート8の常温初期形状は、隣り合うプ
レート8に対して反転した状態のものとなっている。そ
の他の構成は、前述した第3の実施例と同様であり、そ
の動作は第3の実施例と同じである。また、その効果に
ついても同様なものである。
【0045】さらに、この第4の実施例では、プレート
8は、可撓性チューブよりなる可撓管構造体に対して初
期形状でその構造体の湾曲形状の外部に位置している。
出願人は実験によりチューブを曲げる時、プレート8が
外部に位置する図16の(a)の場合と、内側内部に位
置する図16の(b)の場合とでは同じ湾曲角を得るの
に前者の方がプレート8に要求される湾曲力量が少なく
て済むことがわかっている。この実施例で使用している
全方位型SMA製のプレート8は、低温側での湾曲力量
が高温側の1/2〜1/3であるので、2方向の湾曲角
を最大にするには図16の(a)で示す配置構成が適し
ている。したがって、この実施例の構成では全ての湾曲
部2,3,4,…が、その構成となっているので、マニ
ピュレータ1全体は最も動作範囲が広くなる。
【0046】図17は本発明の第5の実施例を示すもの
である。これは隣り合う湾曲部2,3,4,…について
のプレート8を、90°づつ順次回転した位置で配置し
た構成としたものである。また、いずれのプレート8
も、常温で図16の(a)で示す形状となる様に取り付
られている。
【0047】前述した第3の実施例ではマニピュレータ
1の動作は、2次元平面であったが、この第5の実施例
では3次元空間での動作が可能となる。常温では、3次
元的な波形状となり、やはりマクロでみるとマニピュレ
ータ1は概直線状となる。
【0048】この構成によれば、前述した第3の実施例
と同じ作用効果が得られる他、3次元空間での動作が可
能となり、配管内での作業性がより向上する。図18は
本発明の第6の実施例を示すものである。これにおける
可撓管構造体40は円筒状の駒41を回動自在に連結し
て構成されている。湾曲部2,3,4,…は、可撓管構
造体40の片側面に配設された伸縮型のSMA製ワイヤ
42と、その反対側面に張られたバイアスばね43とで
それぞれ構成されている。そして、各湾曲部2,3,
4,…の向きを、180°回転させた位置で順次連結し
て管状マニピュレータ1が構成される。
【0049】使用されるSMA製ワイヤ42は常温であ
る長さL0 をもち、加熱して相変態を生じると、そのL
0 の長さより数パーセント短いL1 の長さとなる。この
変化は可逆的なものである。
【0050】加熱前の常温においては、バイアスばね4
3の収縮力によって、各湾曲部2,3,4,…は図18
の(a)で示すような形状に湾曲している。ワイヤ42
を加熱すると、そのワイヤ42はバイアスばね43に打
ち勝って収縮し、その結果、図18の(b)に示す形状
に湾曲する。しかして、各湾曲部2,3,4,…のワイ
ヤ42を選択的に通電加熱することにより、その各湾曲
部2,3,4,…を湾曲駆動することができる。
【0051】これによると、前述した第3の実施例と同
じような効果が得られる。さらに、ワイヤ42を用いた
この実施例の湾曲部構成は、先に述べたプレート8を用
いたものに較べ、マニピュレータ1の細径化、高出力化
に適している。
【0052】図19ないし図26は本発明の第7の実施
例を示すものである。この実施例のマニピュレータは複
数の湾曲ユニット50を順次軸方向に連結して構成され
る。1つの湾曲ユニット50は、図19で示すように中
心軸を有する管状構造体51を、その長手方向に同軸的
に複数個、この実施例中では4個のものを連結して構成
されている。また、各管状構造体51は隣接するものと
リベット式ピン52を介して回転自在に連結されてい
る。
【0053】この各管状構造体51の形状は、例えば図
20で示すような形状であり、管状構造体51の表面上
には、凹状の溝53が軸方向に沿って設けられている。
各溝53において、管状構造体51の両端溝部分53a
におけるその溝53のサイズのほうが溝53の中間溝部
分53bのサイズより大きくなっている。この各部分の
断面形状が図21に示されている。管状構造体51の両
端部分53aの断面を示すのが同図の(a)であり、中
間溝部分53bの断面を示すのが同図の(b)である。
【0054】そして、上述した管状構造体51を連結し
た1つ湾曲ユニット50の外周面長手方向にわたり、図
19で示すように、前記溝53に沿って形状記憶合金線
55を設ける。さらに、形状記憶合金線55の外側に
は、比較的短い円筒部材56を被嵌するように設けた。
円筒部材56は各管状構造体51毎に2個の割合で用意
されている。
【0055】この形状記憶合金線55は温度変化に対し
てその長手軸方向に伸縮するものであり、図22で示す
ように形状記憶合金線55の外側には円筒部材56が摺
動可能のようにそれぞれ設けられている。形状記憶合金
線55の両端は圧延加工によりサイズを平たくして円筒
部材56から抜けない状態で取着し、そこの端部に、通
電線57をそれぞれ接続している。つまり、管状構造体
51を複数個連結した1つの湾曲ユニットの構造体に対
して、図22に示す形状記憶合金線55と円筒部材56
とのユニットを2セット配し、形状記憶合金線55の先
端部に通電線57がつながれ、後方端には、別の通電線
57を介して制御装置60に接続されている。
【0056】そして、円筒部材56は管状構造体51の
両端溝部分53aに嵌め込んだ形で取り付けられる。溝
53のサイズは両端溝部分53aが中間溝部分53bの
方より大きく、その結果、その間に段差があり、この段
差に円筒部材56の端面を当て止めている。また、溝5
3の間に肉厚を突き出させて、湾曲ユニット50が回動
しても円筒部材56が外れない形状に溝53が形成され
ている。
【0057】また、前記管状構造体51は、メタル・イ
ンジェクション・モールディング(MIM)であり、放
電加工、プレス加工等により加工しており、また、それ
はステンレス、アルミ、鉄等に金属製部品である。表面
には、電気絶縁材であるパリレン、セラミック、テフロ
ン、フッ素樹脂、ポリイミド等のコーティングが施され
ている。また、円筒部材56は、ジルコニア、アルミ
ナ、ルビー、サファイヤ等の電気絶縁部材である。
【0058】さらに、前記管状構造体51の内部には、
図23で示すようにライトガイドケーブル(LG)58
やイメージガイドケーブル(IG)59が配されてお
り、観察が可能な内視鏡を構成する。
【0059】なお、図19では、1つの湾曲ユニット5
0を図示しただけであるが、この湾曲ユニット50を複
数個連結し、さらに形状記憶合金線55の配置位置を9
0°づつずらしたりすることで複雑な動作をさせること
が可能となる。
【0060】これの動作は、図19で示す状態におい
て、制御装置60にて指令を出して、形状記憶合金線5
5に対して通電を行うと、その形状記憶合金線55は発
熱し、形状記憶合金線55は収縮する。すると、形状記
憶合金線55の両端部は、円筒部材56に対して引っ掛
り、例えば図19において矢印で示す上方向に曲げるよ
うに力が働き、内蔵物であるライトガイドケーブル58
とイメージガイドケーブル59の弾力に抗して、管状構
造体51をつなぐリベット式ピン52である回転軸の位
置で曲がる。形状記憶合金線55の配置位置がその回転
軸より図中上側であるならば、曲げ方向は、上向きであ
り、回転軸より下側ならば、曲げ方向は下向きとなる。
【0061】この湾曲動作時に、前記形状記憶合金線5
5の両端部が力を受ける管状構造体51の曲げ力に変換
するわけであり、もっとも大きい力を受けるのが形状記
憶合金線55の両端部である。この大きい力が働いたと
きでも、前記形状記憶合金線55と前記管状構造体51
との間で電気的な絶縁を確実にするために、前記形状記
憶合金線55と前記管状体51との間に電気的に絶縁部
材である円筒部材56をはさんで、前記形状記憶合金線
55の発生する収縮力を前記円筒部材56で受けてい
る。
【0062】また、前記形状記憶合金線55の両端部に
ある円筒部材56以外の内側にあるその他の円筒部材5
6においても、前記形状記憶合金線55の収縮力を直接
に受けるわけではないが、管状構造体51がリベット式
ピン52の部分で曲がるとき、図24で示すように、前
記形状記憶合金線55は、管状構造体51の径方向に移
動しようとするので、その形状記憶合金線55が管状構
造体51を径方向に押し付けるような力が働くわけであ
る。このような力を受けるために両端以外の円筒部材5
6を設けているのである。それに加えて、図24で示す
ように形状記憶合金線55が径方向の矢印方向に移動す
ることを防ぐ機能もある。円筒部材56を付けることに
より、管状構造体51の湾曲状態は図25で示すように
なり、形状記憶合金線55は、図24で示すように径方
向に移動することはない。これにより、湾曲に必要な形
状記憶合金線55のストロークが少なくて済む。この点
の関係を図26で示す。
【0063】すなわち、湾曲前の形状記憶合金線55の
長さL0 は、実線で示しており、L0 =PQ+QR+R
S なる式で示される。湾曲後の形状記憶合金線55
の長さを考えた場合、円筒部材56を付けない図24で
示す従来の方式では、その長さL1 は破線で示してお
り、円筒部材56を付ける図25で示す本発明での長さ
1 ´は一点鎖線で示している。 L1 =PT+TS L1 ´=PQ+QR´+RS 湾曲に必要なストロークは従来方式では△S、本発明方
式では△S´として、 △S=L0 −L1 =(PQ−PT)+(RS−TS)+
QR △S´=L0 −L1 ´=QR−QR´ であり、サイズが小径となってくると、PQ≠PT、R
S≠TSであり、したがって、 △S=QR、 △S´=QR−QR´ となり、明らかに、△S>△S´であり、従来よりも湾
曲に必要な形状記憶合金線55のストロークが小さくて
も済むことがわかる。
【0064】なお、この第7の実施例の構成において
は、形状記憶合金線55を取り付けるが、これは管状構
造体51の外側より付けるので、組立性に優れている。
また、形状記憶合金線55の配線位置が湾曲形状に変わ
らず同じであるので、従来よりもストロークが少なくて
も大きく湾曲する構造となっている。したがって、微小
なマニピュレータの構造に適している。さらに、形状記
憶合金線55の部材の収縮力を絶縁部材で直接受けてい
るため、その形状記憶合金線55の部材と管状構造体5
1との電気的絶縁性が高く、耐久性に優れる。
【0065】図27ないし図29は本発明の第8の実施
例を示すものである。これは管状構造体51に対する円
筒部材56の取付け構造の変形例である。図27および
図28の(a)で示すように管状構造体51に設けた各
溝53の両端部に切欠き部61を設ける。すなわち、切
欠き部61は、図28の(b)で示すように、その断面
形状として前述したような溝53の凹にへこんだ底壁部
に形成されている。そして、この切欠き部61の位置に
前述した第6の実施例と同様に円筒部材56を嵌め込ん
で取付け固定して設ける。この場合、図29で示すよう
に切欠き部61の位置で、円筒部材56を管状構造体5
1に接着する。その他の構造は、前述した第7の実施例
に同じであり、また、動作も、基本的に第7の実施例と
同じである。
【0066】図30は本発明の第9の実施例を示すもの
である。これは前述した第8の実施例における円筒部材
56の他の構造として、図30で示すように、円管71
の穴72が偏心しており、その円管71の肉厚の部分に
切欠き部73を設けた構造となっている。そして、この
円筒部材56の切欠き部73を、前述した管状構造体5
1の切欠き部61で引っかかるようにしてあり、さら
に、これらの部分を接着することで確実に止める。この
他は前述した第8の実施例と同じである。この構成によ
れば、円筒部材56の固定をより確実にすることができ
る。
【0067】図31および図32は本発明の第10の実
施例を示すものである。これは前述した第7の実施例の
変形例を示す。第7の実施例においては、湾曲形状を元
の状態に戻す力をライトガイドケーブルやイメージガイ
ドケーブルの内蔵物の弾性力としているのに対して、こ
の実施例では図31で示すように細長く、軸方向に伸展
性のある弾性部材81を、枢支用リベット式ピン52を
間に挟んで形状記憶合金線55とは反対側に位置して湾
曲ユニット50の長手軸方向に沿って配置する。この配
置状態における断面を示すのが図32であり、前記ピン
52を間に挟んで形状記憶合金線55と弾性部材81が
反対の位置の溝53の部分にそれぞれ配置してある。
【0068】これの動作は、形状記憶合金線55を通電
加熱させて、収縮させることで管状構造体51を湾曲さ
せるときは、ライトガイドケーブルとイメージガイドケ
ーブルの内蔵物の弾性力に抗して湾曲するのに加えて、
軸方向に設けられた弾性部材81を伸ばしながら曲が
る。そして、形状記憶合金線55の加熱を止めて湾曲を
戻すときには、内蔵物の弾性力に加えて、軸方向に伸ば
されたゴム等の弾性部材81が縮む力により強制的に湾
曲形状が直線な状態に戻ることになる。
【0069】そして、管状構造体51に弾性部材81を
設けることで、湾曲状態から直線状態に戻すときの力を
内蔵物の弾性力に加えて弾性部材81が縮む力を用いて
いるので、作動速度のアップがはかれる。また、内蔵物
の硬さに応じて弾性部材81のばね定数を変えること
で、最も効率よい湾曲量を取り出せる。さらに、弾性部
材81が外付けであるので、これの組立後でも弾性部材
81を選ぶことが可能である。なお、この第10の実施
例の湾曲ユニット50を連結してマニピュレータを構成
したのが前述した第6の実施例のものに相当する。
【0070】図33は本発明の第11の実施例を示すも
のである。この実施例は、前述した第7の実施例のもの
の変形例である。すなわち、前述した第7の実施例のも
のでは1本の形状記憶合金線55に対して円筒部材56
が管状構造体51のそれぞれの両端側部分に1個ずつ、
計2個が付いていたのに対し、この実施例では図33で
示すように、1つの管状構造体51に対して、1本の長
い円筒部材56を管状構造体51の外周に配置した。こ
の場合、管状構造体51に溝53を設ける場合には、そ
のの形状は、図21の(b)で示す形状で、全長にわた
り形成される。その他の構造は第7の実施例に同じであ
り、その動作も、第7の実施例に同じである。この構成
によれば、部品点数が第1の実施例に対して少なくなっ
ており、より組立性が向上している。
【0071】図34ないし図35は本発明の第12の実
施例を示すものである。これも前述した第7の実施例の
変形例を示す。すなわち、第7の実施例においては形状
記憶合金線55と管状構造体51の固定が形状記憶合金
線55に全長にわたり円筒部材56で行っているのに対
して、この実施例では、図34で示すように、形状記憶
合金線55の両端のみ、円筒部材56で固定し、他の部
分については、その管状構造体51の回転部分において
支持部材85で摺動自在に支持する。この支持部材85
としては、例えば結ぶだけの糸で良い。他の方式として
は、図35のようにかぎ形をしたクリップ86のような
形状のものを取り付けるようにしたものでもよい。図3
5の(a)はその取り付け時で、図35の(b)は取り
付け後の回転軸の位置付近での状態を示している。これ
の基本的な動作は前記実施例と同じである。
【0072】また、この実施例では、形状記憶合金線5
5を加熱して管状構造体51を湾曲させるときに、その
形状記憶合金線55は、支持部材85により回転軸近傍
に置かれており、湾曲したときでも形状記憶合金線55
か管状構造体51の径方向へ、前述した図24のように
移動することなく、第7の実施例と同じ動作となる。こ
れによると、組立性が良い。 <第13の実施例>図36ないし図38は本発明の第1
3の実施例を示すものである。この管状マニピュレータ
100はその長手軸方向に適当な間隔で配置された複数
のリング部材101を備えており、各リング部材101
には前記実施例で述べたような材料から形成され温度変
化により可逆的に湾曲形状変化を行う形状記憶合金板
(プレート)102がそれらにわたって架設する状態で
連結されている。この形状記憶合金板102は対応する
部分でそれぞれのリング部材101に固着している。形
状記憶合金板102は複数のグループに分けられたリン
グ部材101の各グループごとに別々のものが架設され
ている。ここでは最先端のものから3個目のリング部材
101にわたって架設する第1の形状記憶合金板102
は左側に配置されており、その3個目のリング部材10
1から後の他の2つのリング部材101とマニピュレー
タ基体103にわたって架設する第2の形状記憶合金板
102は上側に配置されている。ここで示される2本の
形状記憶合金板102は90°回転する左側と上側に位
置し、かつ前後に沿って配置されている。そして、これ
らのリング部材101およびマニピュレータ基体103
の各間のスペース部分には先端側から第1〜5の湾曲部
105a〜105eが構成されている。形状記憶合金板
102は先に述べたように加熱と放熱により図7で示す
ような変形を行うものである。
【0073】前記各形状記憶合金板102の外面上には
それぞれ薄膜のヒーターモジュール106a,106b
が密着または密接して貼り付けられている。ヒーターモ
ジュール106a,106bは各形状記憶合金板102
のものが連続して形成されている。ヒーターモジュール
106a,106bは、ヒーター層107の他に関節間
配線層や内部配線層を備え、これらの層はがポリイミド
膜で覆われる積層構造に構成されている。ヒーターモジ
ュール106bの後端部には電極部分111を形成して
いる。各層間の導電はスルーホールを設けてそこに導電
材料を埋めることで得られる。電極部分111はアルミ
ニウムからなる関節間配線層の一部を露出することで形
成しており、その露出端子部112はニッケルメッキを
施してある。露出端子部112にはマニピュレータ基体
103内を通じて導かれるリード線113が接続されて
いる。このリード線113はこの環状マニピュレータ1
の外部に設けた制御装置に接続されている。
【0074】前方のヒーターモジュール106aにおい
て、各ヒーター層107はそれぞれ個別的に湾曲部10
5a〜105bの領域に対応して離間して配置される。
後者のヒーターモジュール106bにおいては各ヒータ
ー層107がそれぞれ湾曲部105c〜105eの領域
に対応して離間して配置されている。それぞれのヒータ
ー層107は独立に発熱量を制御可能である。
【0075】一方、管状マニピュレータ100の先端に
は各種の選択されたエンドエフェクター114が着脱自
在に取り付けられるようになっている。つまり、図37
で示すように最先端のリング部材101にはエンドエフ
ェクター114の基部115を嵌め込んで係着させるよ
うにしている。また、エンドエフェクター114に電力
を供給するための電極116も最先端のリング部材10
1に設けてある。電極116からの配線117は各リン
ク部材101の内部を挿通して外部にあるエンドエフェ
クター用制御装置に連結している。
【0076】エンドエフェクター114は図示してある
ようなグリッパー機能のもの以外にもドリル、溶接用電
極、研磨機、超音波探傷センサー等、各種のものが選択
されて取付け可能なものとなっている。また、図示して
いないが、管状マニピュレータ100の表面には図示し
ない保護チューブ等の外装が被せられている。
【0077】次に、この第13の実施例に係る管状マニ
ピュレータ100の動作について説明する。この実施例
では加熱と放熱により図7で示すような変形を行う1本
の形状記憶合金板102に複数のヒーターモジュール1
06a,106bを貼り付けけてあるので、以下の動作
が可能となる。そこで、任意のヒーターモジュール10
6a,106bのヒーター層107を通電加熱すると、
そのヒーター層107が接触している領域のみ、形状記
憶合金板102の部分が熱伝導によって加熱されて変形
を生じる。したがって、図38に示すように、どのヒー
ター層107を加熱するかによって形状記憶合金板10
2は各種の変形した形状をとることができる。
【0078】例えば3つのヒーター層107を持つ形状
記憶合金板102の場合には図38(a)〜(d)で示
すような湾曲形状が可能である。図38(a)はいずれ
のヒーター層107も発熱していない状態を示す。図3
8(b)は最先端のヒーター層107のみが発熱してこ
れに対応する形状記憶合金板102の領域のみが高温側
の記憶形状に復帰した状態を示す。図38(c)は最基
端側のヒーター層107のみ発熱してこれに対応する形
状記憶合金板102の領域のみが高温側の記憶形状に復
帰した状態を示す。図38(d)はすべてのヒーター層
107が発熱して形状記憶合金板102の全体が高温側
の記憶形状に復帰した状態を示す。
【0079】このように見かけ上、複数の湾曲部105
a〜105eを1本の形状記憶合金板102で構成する
ことができるのである。この実施例では特に先端側の形
状記憶合金板102が2つのヒーター層107を持ち、
後端側の形状記憶合金板102が3つのヒーター層10
7を持つので、この管状マニピュレータ100は合計5
つの独立した湾曲部105a〜105eを持つことにな
る。
【0080】このような複合された湾曲動作により管状
マニピュレータ100をプラント等の配管内で所望部位
にアプローチし、適宜、エンドエフェクタ114を使用
した補修作業等を行うことができる。
【0081】この第13の実施例では1本の形状記憶合
金板102に複数の加熱領域を設けたから多湾曲動作を
可能となる。従来、1本の形状記憶合金部材に1つのヒ
ーターを貼り付けて組み立てていたのに比べ、大幅に組
立作業を簡素化できる。また、第1の実施例では配線層
(リード線13)をヒーター10と並列に設けた例であ
ったが、本実施例ではヒーター層107と配線層を積層
にしたので、湾曲動作時において配線層に異常な変形が
生じる可能性がなくなり、安定した湾曲機能を発揮させ
ることができる。 <第14の実施例>図39ないし図40は本発明の第1
4の実施例を示すものである。前述した第13の実施例
においては2本の形状記憶合金板102を90°回転し
た位置に配したが、本実施例では1本の形状記憶合金板
で3次元的な動作をさせる構成を示すものである。すな
わち、図39で示すように湾曲形状を記憶処理済の幅広
の形状記憶合金板121からクランク形状に形状記憶合
金板122を切り出す。このクランク形状ではその折返
し部123の長さを適宜の長さにしてある。同様の形状
に形成したヒーターモジュール124を用意し、これを
クランク形状に切り出した形状記憶合金板122上に貼
り付ける。そして、図40のように形状記憶合金板12
2の折返し部123を構造体上で折り曲げて固定する。
形状記憶合金板122の湾曲部領域には第13の実施例
と同様のヒーター層125の領域がそれぞれ対応して位
置している。
【0082】次に、この実施例の動作を説明する。形状
記憶合金板122の折返し部123の長さによって、隣
接する形状記憶合金板122の部分の配置する位置が決
まってくる。図40で示す如く、この管状マニピュレー
タ100では最先端の湾曲部領域に対して、それに続く
湾曲部領域を順次120°づつずらしてある。これによ
りそれぞれの湾曲部は120°づつ異なった方向に湾曲
させることができる。このように形状記憶合金板122
の切出し形状によって、湾曲部の湾曲方向の組み合わせ
を任意に設定することができる。 <第15の実施例>図41および図42は本発明の第1
5の実施例を示すものである。これは前述した第13の
実施例において、管状マニピュレータ100の長さが特
に長くなる場合についてのものである。管状マニピュレ
ータ100が長くなるケースは湾曲部長を長くとり、よ
り湾曲部の数を多くする場合である。ヒーターモジュー
ルを半導体製造プロセスで製作すると、シリコンウエハ
ーのサイズによって製作できるヒーターモジュールの長
さに制限があり、管状マニピュレータ100に必要な長
さまで製作出来ない場合がある。その場合は複数のヒー
ターモジュールを連結して構成する。
【0083】図41は第1の形状記憶合金板102aと
第2の形状記憶合金板102bにはそれぞれヒーターモ
ジュール106aとヒーターモジュール106bを別々
に貼り付けた後、各々リンク部材101に固定した状態
を示している。図42で示すように各リンク部材101
同士の相対的な位置関係を調節しながらそれぞれのヒー
ターモジュール106a,106b…はその電極13
1,132の位置を合わせて接合される。ヒーターモジ
ュール106a,106b…の折曲げ部133は応力集
中を緩和するため斜めに形成してある。これによれば、
特に長い管状マニピュレータ100を容易に構成でき
る。 <第16の実施例>図43は本発明の第16の実施例を
示すものであり、これの管状マニピュレータは前述した
第7の実施例における管状マニピュレータの変形例を示
す。この管状マニピュレータ140においてはその長手
軸方向に複数の湾曲ユニット141を連結して構成する
ことにより多湾曲部を有するものとして構成している。
各湾曲ユニット141同志の接続は電気絶縁性を有する
樹脂性の管状構造体143を介してそれぞれ行う。この
樹脂製の構造体143は前側の湾曲ユニット141の最
後部の構造体145と後側の湾曲ユニット141の最前
部の構造体145に対してそれぞれ接着固定している。
また、樹脂製の構造体143にはその前側の湾曲ユニッ
ト141に配設している湾曲駆動用の形状記憶合金(S
MA)線146の端部の固定を行っている。
【0084】形状記憶合金線146は湾曲ユニット14
1の先端部分で折り返して、その湾曲ユニット141の
外表面に配設している。図43(b)に示すように、形
状記憶合金線146の端部の例えば一部147を偏平に
圧延した後、この端部を銅パイプ148内に圧入して銅
パイプ148の表面に通電線149を半田付けすること
により接続している。
【0085】こうして形状記憶合金線146の端部と通
電線149の接続がなされ、この接続状態で、前記構造
体143の外表面に接続部151を配置して、その表面
に熱収縮チューブ152を被嵌する。熱収縮チューブ1
52の締め付けにより接続部151は樹脂製の構造体1
43に固定される。また、前述した第7の実施例と同様
に前記構造体143の外表面には絶縁コートが施され、
かつ形状記憶合金線146を挿通するセラミックパイプ
153を配置することにより電気的な絶縁を確保してい
る。ただし、形状記憶合金線146が加熱に伴い収縮す
る時に、その形状記憶合金線146の端部には最も力が
かかる。そこで、より電気絶縁を確実にするために形状
記憶合金線146の端部のみ樹脂製の構造体143に設
けている。
【0086】他の湾曲ユニット141も同様である。図
43では隣り合う湾曲ユニット141の湾曲方向が18
0°反対になるように、その形状記憶合金線146の配
置する位置を180°ずらしている。また、通電線14
9は湾曲ユニット146の表面に沿わせて管状マニピュ
レータ140の基端部まで延設しても良いし、樹脂製の
構造体143に穴を設けて、この穴から通電線149を
湾曲ユニット141の内部に引き回して管状マニピュレ
ータ140の基端部まで延設しても良い。
【0087】この管状マニピュレータ140における各
湾曲ユニット141の動作は前述した第7の実施例と同
じである。複数の湾曲ユニット141は外部の制御装置
によりそれぞれ独立して湾曲動作を行う。
【0088】Ni−Ti系の形状記憶合金は一般に半田
との濡れ性が悪く、半田接続では十分な接続強度が得ら
れない。この第7の実施例では単に形状記憶合金と通電
線を繋ぐと記述しているが、これはレーザー溶接、ある
いは形状記憶合金の表面に半田との濡れ性の良い金属を
メッキした後の半田接続を想定している。本実施例では
銅パイプ148を用いているため、簡易に半田付け接続
ができる。なお、本実施例において、樹脂製の構造体は
ポリアセタール、テフロン等の樹脂であるが、セラミッ
ク等の絶縁材料でもよい。また、樹脂製の構造体の表面
には接続部の固定を強固にするためにその接続部が嵌合
する凹部を形成しても良いものである。
【0089】なお、本発明の前述した実施態様によれ
ば、以下の如き構成がえられる。 (1)管状構造体たる可撓管と、この可撓管の周面に摺
動自在に取り付けられてその可撓管に湾曲力を付与する
形状記憶素子とからなる管状マニピュレータにおいて、
前記形状記憶素子が摺接する可撓管の摺動面に凹凸を設
けたことを特徴とする管状マニピュレータ。 (2)前記形状記憶素子は、前記管状構造体の外周面に
摺動自在に取り付けられたことを特徴とする(1)項に
記載の管状マニピュレータ。これによると形状記憶素子
を管状構造体の外側に取り付けているため、その組立て
性が良い。 (3)前記形状記憶素子は、前記管状構造体の内周面に
摺動自在に取り付けられたことを特徴とする(1)項に
記載の管状マニピュレータ。 (4)前記可撓管の周面に設けた凹凸は、前記可撓管と
一体に形成されたことを特徴とする(1)項に記載の管
状マニピュレータ。 (5)前記可撓管の周面に設けた凹凸は、前記可撓管の
表面と前記形状記憶素子との間に配置した凹凸形成用部
材であることを特徴とする(1)項に記載の管状マニピ
ュレータ。 (6)前記凹凸形成用部材は、コイル部材であることを
特徴とする(3)項に記載の管状マニピュレータ。 (7)前記コイル部材は、適宜なピッチでの大コイル径
部と小コイル径部を有し、両コイル径部の間で形成する
空間内に前記形状記憶素子を挿通して摺動部をなすこと
を特徴とする(6)項に記載の管状マニピュレータ。 (8)可撓管と、可撓管周面に摺動自在に取り付けられ
て可撓管に湾曲力を付与する形状記憶素子からなる湾曲
部を軸方向に連結してなる管状マニピュレータにおい
て、形状記憶素子は可撓管を挿通する管状部材に対して
固着されて湾曲駆動ユニットを形成し、かつ管状部材の
一部は別の湾曲駆動ユニットの形状記憶素子の一端を摺
動自在に収納する摺動部を形成していることを特徴とす
る管状マニピュレータ。 (9)前記形状記憶素子の可撓管との摺動面の反対面に
は制御手段として加熱用ヒータを密接して設けており、
該加熱用ヒータの端部は前記管状部材の表面まで延設さ
れて電気的端子を形成している事を特徴とする(8)項
に記載の管状マニピュレータ。 (10)可撓管と、可撓管に取り付けられて可撓管に湾
曲力を付与する形状記憶素子からなる湾曲部を軸方向に
連結してなる管状マニピュレータにおいて、前記形状記
憶素子は初期湾曲形状を有し、駆動後の形状が初期湾曲
形状から反転した第2の湾曲形状であり、隣合う湾曲部
に搭載された形状記憶素子は初期湾曲形状が異なる向き
になるよう配置されていることを特徴とする管状マニピ
ュレータ。 (11)前記形状記憶素子は全方位型形状記憶合金板で
あり、温度変化によって第1の湾曲形状と、第1の形状
とは反転した第2の湾曲形状を持つことを特徴とする
(1)、(8)または(10)項に記載の管状マニピュレ
ータ。 (12)前記形状記憶素子は形状記憶合金と付勢手段と
からなり、低温状態では形状記憶合金の力に打ち勝って
付勢手段により第1の湾曲形状をとり、高温状態では形
状記憶合金が付勢手段の力に打ち勝って第2の湾曲形状
をとることを特徴とする(1)、(8)または(10)項
に記載の管状マニピュレータ。
【0090】そして、前記(10)ないし(12)項のそれ
ぞれに記載の態様は、以下のような課題に着目して提供
されたものである。先行技術の効果は全方位型SMA製
のプレート板を用いた湾曲構造として、実公平4−45
681号公報があり、1方向性SMAとバイアス手段を
組合わせた湾曲構造として特公平4−41622号公報
がある。いずれも動作は常温で第1の方向に湾曲してお
り、SMAを加熱することにより第2の方向へ湾曲する
ものである。一方、特開平5−163号公報には曲げ形
状記憶のSMAプレートが軸方向に複数配置された構成
が示されているが、SMAプレートの高温側での湾曲形
状は同じ向きで配置され、常温状態においては、チュー
ブの弾性で直線状になる。
【0091】さて、管状マニピュレータにおいては、軸
方向に湾曲部を連結し自由度を増す構造をとるが、マニ
ピュレータの作業範囲を大きくとるためには、先の実公
平4−45681号公報、特公平4−41622号公報
のように一湾曲部が2方向に湾曲するものを連結するこ
とが好ましい。ところが、2方向に湾曲する湾曲部を特
開平5−163号公報のようにSMA形状が同じ向きに
連結したのでは以下のような問題がある。全ての湾曲部
が常温において同じ向きであると、常温でマニピュレー
タは大きく湾曲した状態となる。一方、マニピュレータ
が挿入される対象は狭い配管内であり、マニピュレータ
は挿入時に直線状である必要がある。そこで、SMAが
直線になる様に加熱制御をする必要があり、エネルギー
効率が悪い。第3実施例の効果は隣り合うSMAプレー
トの初期湾曲形状が反転する様に連結しているので、マ
ニピュレータは常温状態で波形状をとるので、マクロ的
には概直線形状といえる。従って、狭い管に挿入する場
合でも、挿入時にSMAに対して加熱制御を行うことな
く挿入できる。これにより、エネルギーの消費が少なく
てすみ、マイクロマシンに好適な構造といえる。挿入
時、加熱されていないことは、マニピュレータが柔軟な
状態であることを意味し、わずかな障害物に対しては、
特に制御を行わなくてもマニピュレータの柔軟性を利用
して押し込み挿入が可能となる。 (13)可撓管と、可撓管に取り付けられて可撓管に湾
曲力を付与する形状記憶素子からなる管状マニピュレー
タにおいて、前記可撓管は金属製で表面に電気絶縁性材
料を塗布した複数の関節体を軸方向に互いに回動自在に
連結してなり、前記形状記憶素子は温度変化によって伸
縮する形状記憶合金線であり、通電手段により通電加熱
されるよう接続され、前記形状記憶合金線の両端部には
電気絶縁性を有する支持部材が取り付けられ、該支持部
材と前記可撓管に対して固定され、前記形状記憶合金線
の収縮力を支持部材を介して可撓管に伝達し、可撓管に
湾曲力として付与することを特徴とする管状マニピュレ
ータ。 (14)前記形状記憶合金線には適当な間隔で電気絶縁
性を有する中間支持部材が取り付けられ、中間支持部材
は前記可撓管に対して固定されていることを特徴とする
(13)項に記載の管状マニピュレータ。 (15)前記支持部材及び中間支持部材は前記形状記憶
合金を挿通した管状部材であることを特徴とした(13)
または(14)項に記載の管状マニピュレータ。 (16)前記管状部材はセラミックからなることを特徴
とする(15)項に記載の管状マニピュレータ。 (17)前記セラミックはアルミナ、ジルコニア、ルビ
ー、サファイア等であることを特徴とする(16)項に記
載の管状マニピュレータ。 (18)前記中間支持部材は前記関節体の連結位置で固
定支持するクリップ部材であることを特徴とする(16)
項に記載の管状マニピュレータ。 (19)前記中間支持部材は前記関節体の連結位置で縛
って固定支持する糸状係止部材であることを特徴とする
(14)項に記載の管状マニピュレータ。 (20)前記中間支持部材は高分子材料からなる事を特
徴とする(14)項に記載の管状マニピュレータ。 (21)前記高分子材料は、ポリエチレン、ナイロン、
ポリアミド等からなることを特徴とする(20)項に記載
の管状マニピュレータ。
【0092】そして、前記(13)ないし(21)項にの態
様は、以下のような課題に着目して提供されたものであ
る。医療用のカテーテルや内視鏡等の可撓管あるいは、
ガス配管等の工業用管路の点検修理を行なう工業用内視
鏡の可撓管の中には、複数の屈曲部を有して多自由度の
湾曲動作を行なうことができるものがある。このような
可撓管は、複数の関節体を長手方向に互いに回転自在に
連結してなる可撓管本体を備え、この可撓管本体の内部
に温度変化に応じて長さが収縮・伸長する形状記憶合金
線が配置されている。そして、このような形状記憶合金
線を加熱することで、伸縮動作させて、各関節体が回動
して、湾曲動作を行なうものが提案されている(特願平
5−266508号出願)。
【0093】また、形状記憶合金線と可撓性を有する管
状体の外周面を軸方向に配置した構造についても提案さ
れている(特開平3−86142号公報)。さらに、金
属である複数の管状体を回転軸を有するように連結した
構造体の外周面にワイヤガイド部材を設けて、管状体及
びガイド部材表面を絶縁被膜を塗布してガイド内部に形
状記憶合金線を配して、形状記憶合金線を加熱すること
で、湾曲動作をさせるものも、提案されている(特開平
2−237528号公報)。
【0094】さらに、可撓性チューブ内に直線形状を有
する超弾性ワイヤと加熱により所定の湾曲形状になる形
状記憶合金材を配して、加熱時、チューブを湾曲させ、
加熱を止めるとチューブを直線状態にもどす構造のもの
も提案されている(特開平1−164349号公報)。
【0095】これらの方式にあっては、管状体外周面に
形状記憶合金線を取り付けるようになっているが、管状
体は金属であり、表面に絶縁被膜を塗布することで、形
状記憶合金線と管状体との電気的絶縁を確保している。
しかし、このような方式では、形状記憶合金線の両端部
と管状体との間で力を受けたとき、特に、管状体のエッ
ジ部分において薄いコーティングでは、絶縁の確保に対
して耐久性が余り高いとは言えない。このような点に鑑
み、前記(13)ないし(21)の態様として、金属製の管
状体と形状記憶合金線との電気的絶縁を確実に行ない、
耐久性の高いものを提案するものである。 (22)管状マニピュレータは、温度変化によって湾曲
形状をとる形状記憶合金部材と、この形状記憶合金部材
の端部に設けた形状記憶合金部材用固定部材とで構成さ
れ、前記形状記憶合金部材の表面に加熱手段を密接して
設け、その加熱手段は内部に分割された複数のヒーター
領域を有していることを特徴とする(第13の実施例に
対応)。これは1本の形状記憶合金部材に複数の加熱領
域を設けて、多湾曲動作を可能にしたから、従来、1本
の形状記憶合金部材に1つのヒーターを貼り付けて組み
立てていたのに比べ、大幅に組立を簡素化できる。 (23)前記加熱手段は複数のヒーター部材とこれらヒ
ーター部材に電力を供給する電気配線部材が絶縁樹脂材
料に覆われてなるヒーターユニットである(22)項に記
載の管状マニピュレータ。ヒーターユニットの部分を半
導体製造技術で製作できるので微小化に適し、大量生産
に向く。 (24)前記ヒーター部材と前記電気配線部材は積層し
てモジュールを形成してなることを特徴とする(22)項
に記載の管状マニピュレータ。これはヒーター層と配線
層を積層したモジュール構成であるので、湾曲動作時に
配線層に異常な変形が生じる可能性がなくなり、安定し
て機能することができる。 (25)上記加熱手段は前記ヒーターユニットを複数電
気的に接続してなることを特徴とする(23)に記載の
管状マニピュレータ(第14の実施例に対応)。これに
よれば長い管状マニピュレータを構成することができ
る。 (26)前記SMAは湾曲動作領域と折り曲げ領域を有
し、折り曲げ領域を折り曲げて可撓管に配することで2
自由度を有することを特徴とする(22)に記載の管状マ
ニピュレータ。これによれば、簡易な構成で3次元的に
動作する管状マニピュレータとなる。 (27)前記管状マニピュレータの端部には作業用ツー
ルを着脱自在に設ける嵌合部と、嵌合部に露出したエネ
ルギー供給端子を有することを特徴とする(22)に記載
の管状マニピュレータ。これによれば、作業用ツールの
交換が容易。汎用性のあるマニピュレータの実現でき
る。 (28)可撓管と、可撓管に取り付けられて可撓管に湾
曲力を付与する形状記憶合金線からなる管状マニピュレ
ータにおいて、前記可撓管は金属性で表面に電気絶縁性
材料を塗布した複数の関節体を互いに回動自在に連結し
て1つの湾曲部を形成している。前記湾曲部は電気絶縁
性を有する材料からなる連結用構造体によって軸方向に
複数連結される。前記形状記憶合金線は温度変化によっ
て伸縮する特性を持ち、前記形状記憶合金線は通電手段
と電気的接続部を有して、前記接続部を前記連結用構造
体表面に固定してなることを特徴とする管状マニピュレ
ータ(第16の実施例に対応)。これによれば、複数の
湾曲部を連結しても電気絶縁を確実にできる。 (29)前記連結用構造体はポリプロピレン、ナイロ
ン、テフロン、ポリエチレン等の高分子材料からなるこ
とを特徴とする(28)項に記載の管状マニピュレータ。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、湾
曲駆動用形状記憶素子部材と可撓管部材との摺動抵抗を
軽減することで、駆動湾曲角のロスを小さくし、作業空
間の広い管状マニピュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る管状マニピュレー
タの斜視図。
【図2】前記管状マニピュレータにおける第1の湾曲部
の斜視図。
【図3】前記第1の湾曲部から第2の湾曲部にかけての
部分の側面図。
【図4】前記管状マニピュレータにおけるコイルばねを
軸方向から見た図。
【図5】前記第1の湾曲部から第2の湾曲部にかけての
部分の側面図。
【図6】(a)は前記管状マニピュレータにおける固定
用リング部材の前端部分の横断面図、(b)は同じくそ
の固定用リング部材における後端部分の横断面図。
【図7】前記管状マニピュレータにおけるプレートの変
形状態を示す説明図。
【図8】前記管状マニピュレータを湾曲させるときの動
きの説明図。
【図9】前記管状マニピュレータを湾曲させるときの動
きの説明図。
【図10】本発明の第2の実施例に係る管状マニピュレ
ータの斜視図。
【図11】管状マニピュレータの駆動をフィードバック
制御する方式のシステム図。
【図12】前記第4の実施例に係る管状マニピュレータ
の概略図。
【図13】本発明の第4の実施例に係る管状マニピュレ
ータをプラント配管に挿入して使用する状態を示す使用
説明図。
【図14】前記第4の実施例に係る管状マニピュレータ
の変形範囲の説明図。
【図15】本発明の第4の実施例に係る管状マニピュレ
ータの概略図。
【図16】前記プレートの変形特性を比較するための説
明図。
【図17】本発明の第5の実施例に係る管状マニピュレ
ータの概略図。
【図18】本発明の第6の実施例に係る管状マニピュレ
ータの概略図。
【図19】本発明の第7の実施例に係る管状マニピュレ
ータの斜視図。
【図20】前記第7の実施例に係る管状マニピュレータ
の管状構造体の展開斜視図。
【図21】(a)は図20中A−A線に沿う横断面図、
(b)は図20中B−B線に沿う横断面図。
【図22】前記第7の実施例に係る管状マニピュレータ
の形状記憶線の側面図。
【図23】前記第7の実施例に係る管状マニピュレータ
における管状構造体の部分の縦断面図。
【図24】前記管状構造体に対する従前の形状記憶線の
動きを示す説明図。
【図25】前記第7の実施例に係る管状構造体に対する
形状記憶線の動きを示す説明図。
【図26】同じくその管状構造体に対する形状記憶線の
動きの詳しい説明図。
【図27】本発明の第8の実施例における管状構造体の
一端部の斜視図。
【図28】(a)は図27中A−A線に沿う横断面図、
(b)は図27中B−B線に沿う横断面図。
【図29】前記管状構造体の両端部に設けた切欠き部の
断面図。
【図30】本発明の第9の実施例における円筒部材の斜
視図。
【図31】本発明の第10の実施例に係る管状マニピュ
レータの斜視図。
【図32】前記管状マニピュレータの横断面図。
【図33】本発明の第11の実施例に係る管状マニピュ
レータの斜視図。
【図34】本発明の第12の実施例に係る管状マニピュ
レータの斜視図。
【図35】第12の実施例においての管状構造体に対す
る形状記憶合金線の取着構造の説明図。
【図36】本発明の第13の実施例に係る管状マニピュ
レータの要部を示す斜視図。
【図37】同じくその管状マニピュレータの先端のエン
ドエフェクター取付け部分の断面図。
【図38】同じくその管状マニピュレータにおける、ヒ
ーター層を持つ形状記憶合金板の湾曲作用の説明図。
【図39】本発明の第14の実施例に係る管状マニピュ
レータの形状記憶合金板の形成手順の説明図。
【図40】同じくその管状マニピュレータにおける形状
記憶合金板とヒーターモジュールの組立て体の斜視図。
【図41】本発明の第15の実施例の管状マニピュレー
タの連結構造の斜視図。
【図42】同じくその管状マニピュレータのヒーターモ
ジュールの電極接続構造の斜視図。
【図43】本発明の第16の実施例の管状マニピュレー
タの構成の説明図。
【符号の説明】
1…管状マニピュレータ、2,3,4…湾曲部、6…イ
ンナーチューブ、7…コイルばね、8…プレート、9…
固定用リング部材、10…ヒータ、11…リード線、1
2…制御用IC。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓管と、この可撓管の周面に摺動自在に
    取り付けられてその可撓管に湾曲力を付与する形状記憶
    素子とからなる管状マニピュレータにおいて、 前記形状記憶素子が摺接する可撓管の摺動面に凹凸を設
    けたことを特徴とする管状マニピュレータ。
JP4849495A 1994-03-15 1995-03-08 管状マニピュレータ Withdrawn JPH07308884A (ja)

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JP4849495A JPH07308884A (ja) 1994-03-15 1995-03-08 管状マニピュレータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-42967 1994-03-15
JP4296794 1994-03-15
JP4849495A JPH07308884A (ja) 1994-03-15 1995-03-08 管状マニピュレータ

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507370A (ja) * 2000-08-18 2004-03-11 オリヴァー クリスペン ロバティックス リミテッド 加工工具またはセンサーのロボット位置決めにおける及び関する改良
US7223329B2 (en) 1998-12-14 2007-05-29 Masayoshi Esashi Active slender tubes and method of making the same
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WO2021225535A1 (en) * 2020-05-07 2021-11-11 Ozyegin Universitesi A guiding assembly for catheters.

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