JPH07308083A - 移動機構及びその駆動方法 - Google Patents

移動機構及びその駆動方法

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JPH07308083A
JPH07308083A JP6095978A JP9597894A JPH07308083A JP H07308083 A JPH07308083 A JP H07308083A JP 6095978 A JP6095978 A JP 6095978A JP 9597894 A JP9597894 A JP 9597894A JP H07308083 A JPH07308083 A JP H07308083A
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JP
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moving
voltage
guide
piezoelectric element
piezoelectric elements
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Application number
JP6095978A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Murai
誠一郎 村井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、筒状の案内部に、駆動部を、案内部
に対して摩擦力を発生させる押圧体を介して摺動自在に
挿設し、かつ、駆動部を構成する圧電素子の変形の緩急
を適宜調節することにより、移動方向を任意に選択する
ことができるようにしたものである。 【効果】本発明は、構造が簡単になり、小型化が容易と
なることはもとより、移動部を任意方向に任意量だけ正
確に移動させることが可能となる。よって、この移動機
構を、内視鏡,CCDカメラ等のオートフォーカス機
構、ズーム機構に適用した場合に顕著な効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子の伸縮を利用
して移動体に駆動力を与えることにより、移動体を前進
・後退させる移動機構及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電素子を駆動源に用いた移動機
構としては、例えば3つの圧電素子の伸縮を利用したイ
ンチワーム機構や超音波モータを利用した機構がある。
これらのうち、超音波モータを利用した移動機構して
は、くさび型モータ,定在波型モータ,進行波型モータ
等がある。ところで、図17は、圧電振動子A,Bを励
振させることによりロータCを回転させるようにしたも
のである。これに対して、図18は、図17のモータを
改良した上記くさび型モータを示すもので、ランジュバ
ン型の振動子Dに取付けた振動子Eの先端にわずかな角
度を付けて、その面がロータFと平行に接触するように
して、すべりの可能性をなくしたものである。さらに、
図19は、定在波型モータであって、2つ振動子G,H
に位相のずれた正弦波を与え、移動体Jの接触部に楕円
運動を発生させ、前進・後退させるようにしたものであ
る。さらにまた、進行波型モータ(図示せず。)は、現
在最も多用されているもので、高周波電源を必要とす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記インチ
ワーム機構は、駆動に必要な圧電素子が3つであり、ア
ンプ,制御用コントローラ等を備えなければならないた
め、コスト面で不利となる。
【0004】一方、前記くさび型モータは、構造が比較
的簡単であるが、これまで開発されてきたものは、回転
型で、直動型はほとんどない。さらに、前記定在波型モ
ータは、振動子側を固定した場合、90度の角度で配置
された圧電素子からなる振動子と台座部分の構造の小型
化に制限がある。また、移動体を挾んで圧電素子と反対
側からばねなどにより加圧する必要がある。
【0005】最後に、進行波型モータは、分極処理され
た圧電素子を数10kHz 程度の周波数で振動させたとき
に発生する進行波を駆動源として用いるため、高周波電
源が必要であることはもとより、圧電素子の振動の振幅
が小さいので、機構の設計に不備があると振動が吸収さ
れてしまってうまく動作しないことがある。
【0006】本発明は、上述した従来の移動機構の欠点
を参酌してなされたもので、複雑な機構を必要とせず、
移動体を前進・後退させることが可能な、圧電素子の伸
縮を利用するタイプの移動機構及びその駆動方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、筒状の案内部
に、駆動部を、案内部に対して摩擦力を発生させる押圧
体を介して摺動自在に挿設し、かつ、駆動部を構成する
圧電素子の伸縮の緩急を適宜調節することにより、移動
方向を任意に選択することができるようにしたものであ
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、構造が簡単になり、小型化が
容易となることはもとより、移動部を任意方向に任意量
だけ正確に移動させることが可能となる。よって、この
移動機構を、内視鏡,CCDカメラ等のオートフォーカ
ス機構、ズーム機構に適用した場合に顕著な効果を奏す
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳
述する。図1および図2は、この実施例の移動機構AM
を示している。この移動機構AMは、例えば金属、プラ
スチック等からなる例えば直径10.8mm且つ長さ1
0mmの円筒状の案内部1と、この案内部1に挿入され
た移動部2と、この移動部2を案内部1の軸方向に精密
に駆動する駆動部3と、この駆動部3に連接された例え
ば真鍮やアルミニウムなどからなる慣性部4とからなっ
ている。しかして、案内部1の内周面は、平滑面に形成
されていて、この平滑面が、上記移動部2を軸線方向に
案内するための案内面1aとなっている。また、移動部
2は、十字形の四片を折り曲げたもので、高弾性限を有
する厚さ1mm程度の例えばリン青銅,ベリリウム銅な
どの金属板材からなり、ほぼ正方形をなす端板5と、こ
の端板5の各辺から延設された舌片状をなす4枚の押圧
体6…とからなっている。これらの押圧体6…は、図2
に示すように、側端縁6e…が、その弾性力により案内
部1に当接し、この当接に伴う摩擦力により移動部2,
駆動部3及び慣性部4が支持されるようになっている。
また、端板5の中央には、例えば内径3mmの通孔5a
が、案内部1と同軸に穿設されている。さらに、駆動部
3は、端板5の裏面(押圧体6…の延出方向側)の上下
端縁部位に互いに平行に固定されている一対の圧電素子
7,7と、これら圧電素子7,7に伸縮運動を行わせる
ための電源(図示せず。)と、この電源と圧電素子7,
7を電気的に接続するためのリード線(図示せず。)と
からなっている。そして、これら圧電素子7,7は、積
層型で、寸法は例えば2×3×5(単位mm)で、最大
変位量は、例えば4.6±1.5μm且つ最大発生力は
例えば200Nである。そして、これらの圧電素子7,
7は、それらの伸縮方向が、案内部1の軸線方向と一致
するように配設されている。さらに、慣性部4は、一方
の主面が一対の圧電素子7,7の遊端部に案内部1と同
軸となるように固着された円板状の保持板9と、この保
持板9の中心部に同軸に保持固定された円柱状をなすレ
ンズ部10とからなっている。すなわち、保持板9の中
心部には例えば内径2mmの透孔9aが同軸に穿設され
ていて、この透孔9aにレンズ部10の一端部が嵌合さ
れている。この場合、レンズ部10は、その他端部が通
孔5a側となるように設けられている。なお、案内部1
のレンズ部10側の端部には、超小型のCCDカメラ1
0aが連結されている。このCCDカメラ10aは、C
CD10bを内蔵していて、このCCD10b上に正確
に光学像が結像するようにレンズ部10の位置調整を圧
電素子7,7により行うようになっている。
【0010】つぎに、上記構成の移動機構AMの駆動方
法について述べる。まず、図3(a)に示すように、押
圧体6…を案内面1aに摺接させた状態にしておく。こ
の場合、押圧体6…の側端縁6e…は、その弾性力によ
り案内部1に当接し、この当接に伴う摩擦力により移動
部2,駆動部3及び慣性部4が支持されている。しかし
て、移動部2を左側に移動させる場合、図4(a)に示
すように、電圧V0を急激に圧電素子7,7に印加す
る。すると、図3(b)に示すように、圧電素子7,7
は、長さLOから長さL1まで、ΔLだけ急激に伸長
し、押圧体6…は、慣性部4の慣性力により、押圧体6
…と案内面1aとの間の静止摩擦力に打ち勝って矢印R
a方向に摺動する。その結果、移動部2の左端2Lは、
変位量ΔdLだけ矢印Ra方向に移動する。つぎに、図
4(b)に示すように、圧電素子7,7に印加されてい
る電圧V0を徐々に減少させる。すると、図3(c)に
示すように、長さL1にまで伸長している圧電素子7,
7は、徐々に縮小し、再び長さLOに復元する。このと
きは、長さの変化ΔLは極めて遅々としたものであるの
で、左端2Lの位置はほとんど変化することはない。か
くして、図3(a),(b),(c)に示す3つのステ
ップにより、慣性部4が一体的に連結している移動部2
は、全体として変位量ΔLだけ矢印Ra方向に変位す
る。他方、移動部2を、図5(a),(b),(c)に
示すように、逆方向である矢印Rb(右側)方向に変位
させる場合は、まず,図6(a)に示すように、電圧V
0を徐々に増加させる。すると、図5(a)に示す長さ
LOの圧電素子7,7は、図5(b)に示すように、長
さL1までΔLだけ徐々に伸長する。この場合、慣性部
4に発生した慣性力は、押圧体6…と案内面1aとの間
の静止摩擦力に打ち勝つことはできず、押圧体6…の位
置はそのままである。その結果、移動部2の左端2Lの
位置はそのままで、移動部2の右端のみが、変位量ΔL
だけ変位する。ついで、図6(b)に示すように、圧電
素子7,7に印加されている電圧V0を急激に0まで下
げる。すると、長さL1まで伸長している圧電素子7,
7は、図5(c)に示すように、急激に縮小し、再び長
さLOに復元する。その結果、押圧体6…は、この押圧
体6…と案内面1aとの間の静止摩擦力に打ち勝って矢
印Rb方向に摺動する。その結果、移動部2の左端2L
は、変位量ΔLだけ矢印Rb方向に移動する。かくし
て、図5(a),(b),(c)に示す3つのステップ
により、慣性部4が一体的に連結している移動部2は、
全体として変位量ΔLだけ矢印Rb方向に変位する。
【0011】以上のように、この実施例の移動機構AM
は、円筒状の案内部1に慣性部4が一体的に結合した駆
動部3を高弾性材料からなる押圧体6…を介して摺動自
在に挿設し、かつ、駆動部3を構成する圧電素子7,7
の伸縮の緩急を適宜張設することにより、移動方向を任
意に選択することができるようにしたものである。その
結果、以下のような格別の効果を奏する。すなわち、<
1>3個の圧電素子を必要とするインチワーム機構に比
べて駆動に必要な圧電素子の個数が最低2個で済み、構
造的にも、コスト的も有利となる。<2>超音波モータ
のように、振動子と移動体の間隔,接触角度等を精密に
位置調整する必要がない。<3>移動部2の保持を押圧
体6…のバネ力で行うので、自由度が大きい。<4>2
個以上の圧電素子を使用するので、首振り状態での駆動
が可能となる。よって、移動機構AMの本体の傾き調整
も行うことができるので、レンズの微調整機構に最適と
なる。また、曲りを持つ管内でも移動させることができ
る。<5>2個以上の圧電素子を使用するので、移動部
2のばね特性が左右上下で異なる場合は、個々の圧電素
子に印加する電圧の大きさを調整することにより、ばね
特性のばらつきによる動作不良を防ぐことができる。
【0012】なお、上記実施例において、慣性部4は、
圧電素子7,7の質量が移動部2に比べて十分に大きい
場合は、省略してもよい。また、1及び移動部2の軸線
に直交する断面形状は、円形に限ることなく、正方形,
三角形,多角形等任意に選択して良い。さらに、圧電素
子の数は、2個以上であるならば、必要に応じて任意に
選択してよい。さらに、移動部2の押圧体6…の当接部
位を折曲することにより、押圧体6…の先端の案内面1
aに対する引っ掛かりをなくし、移動部2の摺動を容易
にするようにしてもよい。さらに、上記実施例において
は、駆動部3に直結している慣性部4にレンズ部10を
取付けているが、移動部2側にレンズ部10を取付ける
ことにより,圧電素子7,7のノイズや電圧変動による
微振動の影響を回避することができる。
【0013】さらに、上記実施例においては、一対の圧
電素子7,7に対して同時に電圧を印加して一度に変形
を行わせているが、図7に示すように、交互に駆動電圧
を一対の圧電素子7a,7bに印加して、交互に伸縮を
行わせるようにしてもよい(図7においては、塗りつぶ
した部分が電圧を印加していることを示している。)。
こうすることにより、首振り方式で移動部2を、円管7
1内にて前進・後退させることができる。この首振り方
式を採用することにより、円管71が屈曲している場合
でも移動が可能となる。さらにまた、一対の圧電素子
7,7に相反する電圧パターンを印加し、伸縮を逆のタ
イミングで行わせることにより、上述したと同様の首振
り方式での駆動を実現することができる。
【0014】つぎに、本発明の第2の実施例について述
べる。図8及び図9は、この第2の実施例の移動機構B
Mを示している。この移動機構BMは、例えば金属、プ
ラスチック等からなる例えば直径10.8mm且つ長さ
10mmの円筒状の案内部31と、この案内部31に挿
入された移動部32と、この移動部32を案内部31の
軸方向に精密に駆動する駆動部33と、この駆動部33
に連接された例えばアルミニウムなどからなる慣性部3
4とからなっている。しかして、案内部31の内周面
は、平滑面に形成されていて、この平滑面が、上記移動
部32を軸線方向に案内するための案内面31aとなっ
ている。また、移動部32は、円環をなす端板32a
と、この端板32aの上下端にて軸方向に延設された一
対の押圧体32b,32bとからなっている。しかし
て、端板32aには、透孔32cが同軸に穿設されてい
る。また、この端板32aの透孔32cの周囲には、4
つの通孔32d…が左右対称となるように穿設されてい
る。これら通孔32d…は、駆動部33に給電するため
のリード線32e…を挿通させるためのものである。一
方、押圧体32bは、端板32aの上下端にて軸方向に
突設された弾性体32fと、この弾性体32fの先端に
連設され弾性体32fの弾性力により案内面31aに対
して摺動自在に当接する摺動体32hとからなってい
る。ここで、弾性体32fは、摺動体32hを一定の接
触圧で押圧するように、常に一定の弾性力を発生するよ
うに設けられている。さらに、駆動部33は、端板32
aの水平方向左右両側に互いに平行に固定されている一
対の圧電素子33a,33aと、これら圧電素子33
a,33aに伸縮運動を行わせるための電源(図示せ
ず。)と、この電源と圧電素子33a,33aを電気的
に接続するためのリード線32e…とからなっている。
そして、これら圧電素子33a,33aは、積層型で、
寸法は例えば2×3×5(単位mm)で、最大変位量
は、例えば4.6±1.5μm且つ最大発生力は例えば
200Nである。そして、これらの圧電素子33a,3
3aは、それらの伸縮方向が、案内部31の軸線方向と
一致するように配設されている。さらに、慣性部34
は、一方の主面が一対の圧電素子33a,33aの遊端
部に案内部31と同軸となるように固着された円板状の
保持板34aと、この保持板34aの中心部に同軸に保
持固定された円柱状をなすレンズ部34bとからなって
いる。すなわち、保持板34aの中心部には例えば内径
2mmの透孔34cが同軸に穿設されていて、この透孔
34cにレンズ部34bの一端部が嵌合されている。こ
の場合、レンズ部34bは、その他端部が透孔32c側
となるように設けられている。なお、案内部31のレン
ズ部34b側の端部には、超小型のCCDカメラ(図示
せず。)が連結されている。このCCDカメラは、CC
D(図示せず。)を内蔵していて、このCCD上に正確
に光学像が結像するようにレンズ部34bの位置調整を
圧電素子33a,33aにより行うようになっている。
【0015】つぎに、上記構成の移動機構BMの駆動方
法について述べる。まず、図10(a)に示すように、
摺動体32h,32hを案内面31aに摺接させた状態
にしておく。この場合、摺動体32h,32hは、弾性
体32fの弾性力により案内部31に当接し、この当接
に伴う摩擦力により移動部32,駆動部33及び慣性部
34が支持されている。しかして、移動部32を左側に
移動させる場合、図11(a)に示すように、電圧V0
を急激に圧電素子33a,33aに印加する。すると、
図10(b)に示すように、圧電素子33a,33a
は、長さLOから長さL1まで、ΔLだけ急激に伸長
し、摺動体32h,32hは、慣性部34の慣性力によ
り、摺動体32h,32hと案内面31aとの間の静止
摩擦力に打ち勝って矢印Ra方向に摺動する。その結
果、移動部32の左端は、変位量ΔLだけ矢印Ra方向
に移動する。つぎに、図11(b)に示すように、圧電
素子33a,33aに印加されている電圧V0を徐々に
減少させる。すると、図10(c)に示すように、長さ
L1にまで伸長している圧電素子33a,33aは、徐
々に縮小し、再び長さLOに復元する。このときは、長
さの変化ΔLは極めて遅々としたものであるので、左端
の位置はほとんど変化することはない。かくして、図1
0(a),(b),(c)に示す3つのステップによ
り、慣性部34が一体的に連結している移動部32は、
全体として変位量ΔLだけ矢印Ra方向に変位する。他
方、移動部32を、図12(a),(b),(c)に示
すように、逆方向である矢印Rb(右側)方向に変位さ
せる場合は、まず,図13(a)に示すように、電圧V
0を徐々に増加させる。すると、図12(a)に示す長
さLOの圧電素子33a,33aは、図12(b)に示
すように、長さL1までΔLだけ徐々に伸長する。この
場合、慣性部34に発生した慣性力は、摺動体32h,
32hと案内面31aとの間の静止摩擦力に打ち勝つこ
とはできず、摺動体32h,32hの位置はそのままで
ある。その結果、移動部32の左端32Lの位置はその
ままで、移動部32の右端のみが、変位量ΔLだけ変位
する。ついで、図13(b)に示すように、圧電素子3
3a,33aに印加されている電圧V0を急激に0まで
下げる。すると、長さL1まで伸長している圧電素子3
3a,33aは、図12(c)に示すように、急激に縮
小し、再び長さLOに復元する。このときの圧電素子3
3a,33aの慣性力により、摺動体32h,32h
は、この摺動体32h,32hと案内面31aとの間の
静止摩擦力に打ち勝って矢印Rb方向に摺動する。その
結果、移動部32の左端は、変位量ΔLだけ矢印Rb方
向に移動する。かくして、図12(a),(b),
(c)に示す3つのステップにより、慣性部34が一体
的に連結している移動部32は、全体として変位量ΔL
だけ矢印Rb方向に変位する。
【0016】以上のように、この実施例の移動機構BM
は、円筒状の案内部31に慣性部34が一体的に結合し
た駆動部33を高弾性材料からなる押圧体32b,32
bを介して摺動自在に挿設し、かつ、駆動部33を構成
する圧電素子33a,33aの変形の緩急を適宜調節す
ることにより、移動方向を任意に選択することができる
ようにしたものである。その結果、以下のような格別の
効果を奏する。すなわち、<1>3個の圧電素子を必要
とするインチワーム機構に比べて駆動に必要な圧電素子
の個数が最低2個で済み、構造的にも、コスト的も有利
となる。<2>超音波モータのように、振動子と移動体
の間隔,接触角度等を精密に位置調整する必要がない。
<3>移動部32の保持を押圧体32b,32bのバネ
力で行うので、自由度が大きい。
【0017】なお、上記実施例において、慣性部34
は、圧電素子33a,33aの質量が移動部2に比べて
十分に大きい場合は、省略してもよい。さらに、圧電素
子の数は、2個以上であるならば、必要に応じて任意に
選択してよい。さらにまた、案内部31及び移動部32
の軸線に直交する断面形状は、円形に限ることなく、正
方形,三角形,多角形等任意に選択して良い。
【0018】さらに、図14に示すように、上記移動機
構BMを同軸多重円筒状に設けて移動機構CMとしても
良い。すなわち、この移動機構CMは、第1の移動機構
BM1と、この移動機構BM1に同軸に遊挿固定された
第2の移動機構BM2と、この第2の移動機構BM2に
同軸に遊挿固定された円筒体51とからなっている。し
かして、第1及び第2の移動機構BM1,BM2の構造
は、上記実施例と同一であるので説明を省略する。ただ
し、第2の移動機構BM2は、第1の移動機構BM1の
端板32aに同軸に固定されている。また、円筒体51
は、第2の移動機構BM2の端板32aに同軸に固定さ
れている。
【0019】さて、この移動機構CMの駆動は、第1及
び第2の移動機構BM1,BM2を同時に同方向に駆動
してもよいし、交互に駆動することも可能である。とく
に、同時に同方向に駆動することにより,アクチュエー
タとしての変位速度を単独で駆動する場合に比べて速く
することができる利点を有する。また、この移動機構C
Mは、駆動ストロークを比較的大きく取ることができる
ので、オートフォーカスはもとより、ズーム動作にも応
用することができる。
【0020】なお、同軸多重円筒状に設ける移動機構の
数は、任意に設定してよい。さらに、移動機構CMにお
いて、第1及び第2の移動機構BM1,BM2の案内部
31,31の内周面の一部に抵抗膜52a,52bを膜
着させ(図14参照)、抵抗膜52a,52bと各押圧
体32b,32b間の抵抗値測定により、第1の移動機
構BM1に対する第2の移動機構BM2の変位量D1
と、第2の移動機構BM2に対する円筒体51の変位量
D2を計測することが可能となる。すなわち、この場
合、押圧体32b,32bは可変抵抗器の接触子として
作用する。そして、変位量D1,D2を加算することに
より、アクチュエータとしての全変位量を算出すること
ができる。この場合、移動機構CMがいかに小形化して
も、変位センサを組み込む必要がなくなり、製作が容易
となる利点をもっている。
【0021】つぎに、本発明の第3の実施例について述
べる。図15及び図16は、この第3の実施例の移動機
構DMを示している。この移動機構DMは、例えば金
属、プラスチック等からなる例えば高さ12mm且つ幅
11mmの断面コの字状の案内部51と、この案内部5
1に摺動自在に嵌合された移動部52と、この移動部5
2に一体的に連設されこの移動部52を案内部51の案
内方向に精密に駆動する駆動部53とからなっている。
しかして、案内部51は、上下に平行に対向して設けら
れた上板51a及び下板51bと、これら上板51a及
び下板51bを連結する側板51cとからなり、図15
の紙面右側が解放状態となるように設置される。そし
て、移動部52は、案内部51の側板51cに密接した
状態で矢印53a,53b方向に摺動自在に嵌合されて
いる。この移動部52は、直方体をなし、その長さは、
案内部51の長さよりも短く設けられている。一方、駆
動部53は、移動部52に一体的に連設された支持体5
4と、この支持体54に載架固定されたくの字状に組合
された一対の圧電素子55a,55bと、これら圧電素
子55a,55bの頂部に介装され上板51aに摺動自
在に当接する接触子55cと、圧電素子55a,55b
に正弦波電圧及び余弦波電圧を印加する電源部(図示せ
ず。)とからなっている。なお、図示せぬが、移動部5
2の一端部には、例えばレンズ部などが組み込まれてい
る。
【0022】さて、この移動機構DMにおいて、移動部
52を紙面右側(矢印53a方向)に移動させたい場合
は、圧電素子55aに正弦波電圧を、また、圧電素子5
5bに余弦波電圧を印加する。すると、図15に示すよ
うに、矢印56a方向の楕円運動が発生する。これに伴
って、上板51aに摺動自在に当接している接触子55
cは、上板51aを紙面左側(矢印53b方向)に周期
的に押圧する。この反作用として、移動部52は、紙面
右側(矢印53a方向)に移動する。逆に、移動部52
を紙面左側(矢印53b方向)に移動させたい場合は、
圧電素子55bに正弦波電圧を、また、圧電素子55a
に余弦波電圧を印加すればよい。
【0023】以上のように、この実施例の移動機構DM
は、圧電素子55a,55bにより接触子55cに楕円
運動を発生させ、この接触子55cが当接している案内
部51からの反作用力を利用して、移動部52を、移動
させるようにしているので、構造が簡単になり、小型化
が容易となることはもとより、移動部52を任意方向に
任意量だけ正確に移動させることが可能となる。よっ
て、この移動機構DMは、内視鏡,CCDカメラ等のオ
ートフォーカス機構、ズーム機構に最適なものとなる。
【0024】
【発明の効果】本発明は、筒状の案内部に、駆動部を、
案内部に対して摩擦力を発生させる押圧体を介して摺動
自在に挿設し、かつ、駆動部を構成する圧電素子の変形
の緩急を適宜調節することにより、移動方向を任意に選
択することができるようにしたものであって、構造が簡
単になり、小型化が容易となることはもとより、移動部
を任意方向に任意量だけ正確に移動させることが可能と
なる。よって、この移動機構を、内視鏡,CCDカメラ
等のオートフォーカス機構、ズーム機構に適用した場合
に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の移動機構の軸線を含む一部
切欠縦断面図である。
【図2】図1のX−X線矢視断面図である。
【図3】本発明の一実施例の移動機構の作用説明図であ
る。
【図4】本発明の一実施例の移動機構の電圧印加方法を
示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例の移動機構の作用説明図であ
る。
【図6】本発明の一実施例の移動機構の電圧印加方法を
示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例の移動機構の駆動方法の説明
図である。
【図8】本発明の他の実施例の移動機構の縦断面図であ
る。
【図9】図8の左側面図である。
【図10】本発明の他の実施例の移動機構の作用説明図
である。
【図11】本発明の他の実施例の移動機構の電圧印加方
法を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施例の移動機構の作用説明図
である。
【図13】本発明の他の実施例の移動機構の電圧印加方
法を示すグラフである。
【図14】本発明の他の実施例の移動機構の縦断面図で
ある。
【図15】本発明の他の実施例の移動機構の正面図であ
る。
【図16】図15の左側面図である。
【図17】従来技術の説明図である。
【図18】従来技術の説明図である。
【図19】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1,31,51:案内部,2,32,52:移動部,
3,33,53:駆動部,4,34:慣性部,6,32
b,32b:押圧体,7,55a,55b:圧電素子,
55c:接触子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 3/10 13/34 G03B 3/10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状の案内部に挿入される移動部と、この
    移動部に一体的に連設されこの移動部を上記案内部の軸
    方向に駆動する駆動部とを具備し、上記移動部は、上記
    案内部に遊挿された端板と、この端板の縁部にて軸方向
    に延設され弾性力により上記案内部の内面を摺動自在に
    押圧することにより上記移動部を支持する複数の押圧体
    とを有し、且つ、上記駆動部は、上記端板に固定されて
    いる複数の圧電素子と、この圧電素子に所定の電圧印加
    モードに従って電圧を印加して上記移動部を上記案内部
    の軸方向に進退させる電圧印加手段とを有することを特
    徴とする移動機構。
  2. 【請求項2】筒状の案内部と、この案内部に挿入される
    移動部と、この移動部に一体的に連設されこの移動部を
    上記案内部の軸方向に駆動する駆動部とを具備し、上記
    移動部は、上記案内部に遊挿された端板と、この端板の
    縁部にて軸方向に延設され弾性力により上記案内部の内
    面を摺動自在に押圧することにより上記移動部を支持す
    る複数の押圧体とを有し、且つ、上記駆動部は、上記端
    板に固定されている複数の圧電素子を有する複数の移動
    単位が、上記各端板を介して多重円筒状に設けてられて
    いることを特徴とする移動機構。
  3. 【請求項3】駆動部には、この駆動部に慣性を付与する
    慣性部が一体的に連結されていることを特徴とする請求
    項1記載及び請求項2記載の移動機構。
  4. 【請求項4】案内部の内面には抵抗膜が形成されてい
    て、この抵抗膜と押圧体との間の抵抗値変化に基づいて
    移動部の案内部に対する変位量を検出するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載及び請求項2記載の移動機
    構。
  5. 【請求項5】平行に対向する一対の案内面が形成された
    案内部と、この案内部に上記案内面に沿って摺動自在に
    嵌合された移動部と、この移動部に一体的に連設されこ
    の移動部を摺動方向に駆動する駆動部とを具備し、上記
    駆動部は、上記移動部に一体的に連設された支持体と、
    この支持体に固定され且つくの字状に組合された一対の
    圧電素子と、これら圧電素子の頂部に介装され上記一対
    の案内面の一方に摺動自在に当接する接触子と、上記各
    圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有すること
    を特徴とする移動機構。
  6. 【請求項6】電圧印加手段は、一方の圧電素子に正弦波
    電圧を他方の圧電素子に余弦波電圧を印加し、接触子に
    楕円運動を発生させることにより移動部を駆動するため
    の駆動力を発生させることを特徴とする請求項5記載の
    移動機構。
  7. 【請求項7】管状の案内部に挿入される移動部と、この
    移動部に一体的に連設されこの移動部を上記案内部に沿
    って駆動する駆動部とを具備し、上記移動部は、上記案
    内部に遊挿された端板と、この端板の縁部にて軸方向に
    延設され弾性力により上記案内部の内面を摺動自在に押
    圧することにより上記移動部を支持する複数の押圧体と
    を有し、且つ、上記駆動部は、上記端板に固定されてい
    る複数の圧電素子と、この圧電素子に電圧を印加する電
    圧印加手段とを有する移動機構の駆動方法において、上
    記電圧印加手段により上記圧電素子に電圧を急激に印加
    して上記圧電素子を急激に伸長させることにより上記圧
    電素子の上記端板側前部を前進させたのち上記圧電素子
    に印加されている電圧を徐々に下げ上記圧電素子の後部
    を徐々に縮小させる前進工程と、上記電圧印加手段によ
    り上記圧電素子に電圧を徐々に印加して上記圧電素子の
    後部を徐々に伸長させたのち上記圧電素子に印加されて
    いる電圧を急激に下げ上記圧電素子の前部を急激に縮小
    させる後退工程とを具備することを特徴とする移動機構
    の駆動方法。
  8. 【請求項8】複数の圧電素子を順次に駆動させることに
    より首振り運動をさせることを特徴とする請求項7記載
    の移動機構の駆動方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141171A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Konica Minolta Opto Inc 駆動装置
JP2006330054A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Konica Minolta Opto Inc レンズ鏡胴
JP2006330053A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Konica Minolta Opto Inc レンズ鏡胴
US7545086B2 (en) * 2004-08-06 2009-06-09 Alps Electric Co., Ltd. Driver using electromechanical energy transducer

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