JPH07307262A - 荷電ビーム描画方法及び描画装置 - Google Patents

荷電ビーム描画方法及び描画装置

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JPH07307262A
JPH07307262A JP14454994A JP14454994A JPH07307262A JP H07307262 A JPH07307262 A JP H07307262A JP 14454994 A JP14454994 A JP 14454994A JP 14454994 A JP14454994 A JP 14454994A JP H07307262 A JPH07307262 A JP H07307262A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CP描画方式の効果を十分に発揮してスルー
プットの極めて高い描画を行うことができ、しかもアパ
ーチャマスクに形成すべきCPセルの抽出を容易に行い
得る電子ビーム描画方法を提供すること。 【構成】 ステージを連続移動しながらフレームを順次
描画するCP方式の電子ビーム描画方法において、サン
プルエリアを基本図形用アパーチャのみで描画するに必
要な描画時間Aと各候補セルをキャラクタ化して描画し
た場合の短縮時間ΔAcを全てのサンプルエリアで求め
た後、アパーチャ36に形成する候補セルの全ての組合
せに対し、対応する短縮時間ΔAcの和を描画時間Aか
ら引くことで各サンプルエリアにおける描画時間を算出
し、描画時間が最も長いサンプルエリアを元に各フレー
ムの描画時間を求め、これらフレーム描画時間の和で与
えられる描画全領域の描画時間が最も短い候補セルの組
合せをアパーチャ36上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSIなどの半導体集
積回路のパターンをマスクやウエハなどの試料に高速・
高精度に描画するための荷電ビーム描画技術に係わり、
特にメモリデバイスに代表される繰り返しパターン部を
一括露光する荷電ビーム描画方法及び描画装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム露光装置は、ビーム径に相当
する極めて微細なパターンを描画できると共に、偏向及
びビームの歪みと収差を電気的に補正できるため精度が
高いという長所があり、現在、LSI開発ツール及びマ
スク製造ツールとして広く利用されている。
【0003】この電子ビーム露光装置としては、従来、
ガウシアン・ビームや可変成形ビームによっていわゆる
一筆書きの要領で描画する装置が主流であったが、パタ
ーンが微細で複雑になればなるほどショット数が増え、
スループットが低下するという欠点があった。そこで最
近、半導体集積回路は基本回路の多くが同一パータンの
繰り返しであることに着目し、それぞれの繰り返しパー
タン形状に対応する多数の透過孔を形成したマスク(以
下、アパーチャマスクと呼ぶ)を備えた一括露光(キャ
ラクタプロジェクション、以下CPと略す)方式の電子
ビーム露光装置が開発されている。
【0004】ところで、CP方式の電子ビーム露光装置
では、繰り返し現れる図形や図形群を全てアパーチャマ
スクに組み込むことは不可能なため、残りは基本図形の
組み合わせで描画する必要がある。そのため、アパーチ
ャマスクにどの図形或いは図形群を組込むかによって描
画時間が変わってくる。即ち、アパーチャマスクに組み
込むためのパターンとして適切なものを選択すること
が、描画のスループットを上げる上で極めて重要であ
る。
【0005】第1の従来例として、特開平5−1331
3号公報においては、パターンデータの中から繰り返し
使用されるパターンデータを抽出し、該パターンデータ
を所定サイズ毎に分割して候補ブロックデータとすると
共に、該候補ブロックデータに対して露光ショットの総
数が少なくなる順に高い有効度を設定し、該候補ブロッ
クデータの中から選択的に所定数のブロックパターンを
抽出するブロックパターン抽出手段を備えるように構成
している。
【0006】第2の従来例として、特開平4−3200
21号公報においては、アパーチャマスクに組み込むパ
ターンとしては、描画すべきパータンに繰り返し現れる
特徴図形若しくは特徴図形群の中から、前記基本図形用
アパーチャに対応する成形ビームの組み合わせでショッ
トしたと仮定した場合により多くのショット数を要する
特徴図形若しくは特徴図形群を、優先的に選んで形成
し、露光ショットの総数を少なくすることが記載されて
いる。
【0007】ところで、電子ビーム露光装置には、描画
されるべきウエハが置かれた試料台(ステージ)を連続
的に移動しながら描画を行う、ステージ連続移動描画方
式と呼ばれるものがある。図16に示すように、この方
式は全描画領域を電子ビームの偏向可能な幅(フレー
ム)で分割し、ステージを連続的に移動しながらフレー
ム単位に描画して行く方式である。なお、ステージ速度
は各フレームで一定であるものとする。
【0008】このようなステージ連続移動の電子ビーム
描画方式では、各フレームの描画時間は(フレーム長/
ステージ速度)で与えられ、描画領域全体の描画時間は
該フレームの描画時間の和とステージ端での折り返しの
時間などのオーバーヘッドの時間の和で与えられる。従
って、この方式では、描画時間はステージ速度によって
決まり、描画スループットを向上させるためには、可能
な限りステージ速度を最適化して高速化する必要があ
る。
【0009】第3の従来例として、特開平4−6122
1号公報では、ステージを実際に移動させることなく、
ステージの最適移動速度を簡易に求めることができる荷
電ビーム描画方法が提案されている。この方法では、サ
ンプルエリア毎に描画に要する必要描画時間を求め、あ
る一定の速度でステージを移動したと仮定してこの速度
における小領域の最大描画時間を求め、フレーム内の小
領域を端から順に評価して各小領域の必要時間を加えた
値Aと、評価した小領域の数に相当する最大描画時間の
和Bとを比較する。そして、これらの差A−Bが最大ビ
ーム偏向幅に含まれる最大描画時間の和Cを越えるか否
かを判断基準にして、A−BがCを越えない略最大のス
テージ移動速度を決定している。
【0010】このように、CP方式を採用した電子ビー
ム描画方法においては、抽出した候補ブロックデータに
対して露光ショットの総数が少なくなる順に高い有効度
を設定し、候補ブロックから選択的に所定数のブロック
パターンを抽出してCP露光するブロックとして決定す
る方式がとられている。
【0011】しかしながら、ステージ連続移動描画方式
の場合には、描画時間は最終的にはステージ速度という
形で決定される。各フレームのステージ速度は、フレー
ムにおけるショット数の総数だけでなく、ショット数の
粗密の分布やセルデータの配置様式などによって決ま
る。このため、ステージ連続移動の荷電ビーム描画方式
では、露光ショットの総数が少なくなる順にCPセルと
して採用しても、ショット数の粗密の分布やセルデータ
の配置様式などによっては、ステージ速度が変化せず、
従って描画のスループットが向上しないという問題点が
あった。
【0012】また、第3の従来例から容易に類推される
ように、CP候補セルから所定数の候補セルを選び出し
てできる全組み合わせを作成し、組み合わせのそれぞれ
についてステージ速度及び描画時間を算出し、描画時間
が最も短くなる組み合わせを選択する方法が予想され
る。しかしながら、この方法では、全組み合わせの1つ
1つについて、繰り返し第3の従来例の方法を適用して
それぞれの描画時間を求めるため、その処理の時間が膨
大になるという問題が予想される。
【0013】一方、CP方式を採用した電子ビーム描画
装置を用いて回路パターンを描画する場合、CAD(Co
mputer Aided Design )等の回路パターン設計ツールを
用いて作成された設計パターンデータを、電子ビーム描
画装置に入力可能なデータ形式、即ち描画方式及び描画
装置の仕様等の条件を満たした電子ビーム描画データ形
式に変換する必要がある。このような「設計データから
描画データへの変換処理」を、一般に「電子ビーム描画
データ変換」と呼んでいる。従来のVSB方式描画装置
に必要な電子ビーム描画データ変換の処理内容をまとめ
ると、以下のようになる。 (1)レイヤー間図形論理演算(AND,OR,NOT
等) (2)パターン重複除去(多重露光の防止を目的) (3)リサイズ(太め/細め) (4)倍率補正(拡大/縮小) (5)回転補正(回転/鏡像) (6)描画領域単位の分割(サブフィールド領域/フレ
ーム領域などの境界線で分割) (7)基本図形分割(描画装置に入力可能な基本図形に
分割/近似) (8)データ形式変換(描画装置固有の表現形式に変換
して出力) 回路パターンを設計する場合、設計者はまずセルと呼ば
れる図形群を定義し、これを別のセル内で呼び出して配
置し、多くのセルを組み合わせることによって全体のパ
ターンが構成される。このような設計データが有する階
層的なセル参照構造を維持したまま上記図形処理を行う
ことにより、描画テータ変換の処理時間の短縮と、描画
データ量の圧縮が図られている。このような処理手法を
階層的図形データ処理と呼んでいる。
【0014】CP方式を採用した描画装置は、規則的パ
ターンはCP方式で、不規則パターンはVSB方式で描
画する。そのため、CP方式に対応した描画データ変換
処理では、上記機能に加えて、基本形状ビームによって
VSB描画するパターンと、キャラクタビームによって
CP描画するパターンとを分離するデータ処理が必要と
なる。
【0015】この分離処理は、回路パターンを構成する
多数の図形から規則性を求めて、その繰り返しの単位図
形群をキャラクタ形状として抜き出す必要がある。その
際には、VSB描画パターンとCP描画パターンの間に
重複や間隙などの描画データ上のエラーを発生させない
こと、描画スループットを最適とするキャラクタ図形の
集合を効率良く抽出することの2点が重要である。特に
後者においては、装置仕様に基づくキャラクタ種類数と
最大ビーム寸法の制限下で描画スループットが最良とな
るキャラクタ図形の集合を求める必要があり、その処理
が極めて複雑である。このため、データ処理時間が長く
なり、描画システム全体のスループットをも低下させて
しまうという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、CP
方式を採用したステージ連続移動の荷電ビーム描画方式
では、描画時間が最終的にはステージ速度という形で決
定されるため、露光ショットの総数が少なくなる順にC
Pセルとして採用しても、ショット数の粗密の分布やセ
ルデータの配置様式などによってはステージ速度が変化
せず、従って描画のスループットが向上しないという問
題があった。さらに、第3の従来例から類推される方法
では、全ての組み合わせの1つ1つについて、繰り返し
第3の従来例の方法を適用してそれぞれの描画時間を求
めるため、その処理の時間が膨大になるという問題が予
想される。
【0017】また、CP方式を採用した荷電ビーム描画
装置においては、設計データから描画データを作成する
ために、基本形状ビームによってVSB描画するパター
ンとキャラクタビームによってCP描画するパターンと
を分離する図形データ処理が必要となり、この分離処理
のためのデータ処理時間が長くなり、描画システム全体
のスループットをも低下させてしまうという問題があっ
た。
【0018】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、CP描画方式の効果を
十分に発揮してスループットの極めて高い描画を行うこ
とができ、しかもアパーチャマスクに形成すべきCPセ
ルの決定を容易に行い得る荷電ビーム描画方法を提供す
ることにある。
【0019】また、本発明の他の目的は、設計パターン
データからキャラクタビームにより一括描画する図形群
を容易に抽出することができ、かつVSB描画するパタ
ーンとの整合性も保って描画データを作成することがで
き、描画データ作成に要する時間を短縮して描画スルー
プットの向上をはかり得る荷電ビーム描画装置を提供す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、各サン
プルエリアの可変成形ビームのみを用いた場合の描画時
間Aと各CP候補セルcをキャラクタ化した場合に短縮
される描画時間ΔAcとを全サンプルエリアについて一
旦求めておき、AとΔAcからCP候補セルの各組み合
わせのステージ速度及びこれから導かれる描画時間を算
出することにある。
【0021】即ち、本発明(請求項1)は、基本図形に
対応する成形ビームを形成するための基本図形用アパー
チャと繰り返しパターンに相当するキャラクタ用アパー
チャが形成されたアパーチャマスクを用い、試料を載置
したステージを連続移動しながら、所定幅に分割された
描画領域(フレーム)を順次描画する荷電ビーム描画方
法において、描画すべき所望のデータの中から繰り返し
使用されるパターンをそれぞれ抽出してキャラクタセル
にすべき候補セルとし、フレームをステージ連続移動方
向に仮想的に小領域(サンプルエリア)に分割し、該サ
ンプルエリアを基本図形用アパーチャのみを用いて描画
するに必要な描画時間Aと各々の候補セルに対し該セル
をキャラクタ化して描画した場合の各短縮時間ΔAcと
を全てのサンプルエリアについて求めた後、各々の候補
セルからアパーチャマスクに形成する所定数を選んで全
ての組み合わせを作成し、全ての組み合わせに対して、
対応する短縮時間ΔAcの和を描画時間Aから引くこと
により、各々のサンプルエリアにおける描画時間を算出
し、各フレームにおける描画時間が最も長いサンプルエ
リアの描画時間Tを求めて、(フレームの長さ/サンプ
ルエリアの幅)×Tによって各々のフレームの描画時間
を求め、これらのフレーム描画時間の和で与えられる描
画全領域の描画時間を算出し、描画全領域の描画時間が
最も短い候補セルの組み合わせを求め、この組み合わせ
でアパーチャマスク上のアパーチャパターンを形成する
ことを特徴とする。
【0022】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) ステージの移動速度を、各フレーム毎に最適に設定
する。より具体的には、フレームにおいて最も描画時間
のかかるサンプルエリアの描画時間をTとし、サンプル
エリアの幅/Tによってステージ移動速度を設定する。 (2) アパーチャマスクに形成するキャラクタセルの数を
一定として、候補セルの組み合わせを求める。 (3) アパーチャマスクに形成するキャラクタセルの数を
候補セルの大きさにより可変にして、候補セルの組み合
わせを求める。より具体的には、各々の候補セルの面積
の和が所定範囲内に入るようにして候補セルの組み合わ
せを求める。
【0023】また、本発明の別の骨子は、VSB描画さ
れるパターンとCP描画されるパターンを分離する処理
に先立ち、階層的図形データ処理の処理単位となった図
形群(セル)を単位としてキャラクタビームの形状を決
定し、キャラクタ化する図形群をCP制御コードと置換
し、VSB描画パターン及びCP制御コードを描画領域
単位に描画データとして出力するように描画データ変換
処理を構成することにある。
【0024】即ち、本発明(請求項2)は、描画すべき
パターンに繰り返し現れる繰り返し単位と同じ形状に形
成されたキャラクタビームと、矩形及び直角二等辺三角
形などの基本形状に成形された基本形状ビームとを組み
合わせて所望パターンを描画する荷電ビーム描画装置に
おいて、LSIの設計パターンデータから描画パターン
データを作成するための描画データ作成手段を、設計パ
ターンデータが有する階層的参照構造を維持した状態で
所定の図形データ処理を行う階層的図形データ処理部
と、階層的図形データ処理を可能とするために予め設計
パターンデータの階層構造を再構成する階層構造組み替
え処理部と、階層的図形データ処理後のパターンデータ
をキャラクタビームにより描画するパターン群と基本形
状ビームの組み合わせにより描画するパターン群とに分
離するキャラクタ決定処理部と、キャラクタビームによ
り描画するパターン群をビーム形状の種別を示す制御コ
ードに置換するキャラクタ制御コード置換処理部と、基
本形状ビームにより描画するパターンの図形データとキ
ャラクタビームの種別を示す制御コードとを描画可能な
単位領域に対して割り振る描画領域別描画データ出力部
と、から構成するようにしたものである。
【0025】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) キャラクタ決定処理部では、セルを単位として階層
的図形データ処理の処理結果を解析して、セル識別番
号,セル参照数,セルサイズ,基本形状ビーム換算ショ
ット数及びキャラクタビーム換算ショット数からなる一
覧表を作成するセル情報解析処理、キャラクタ化効果の
高いセルをキャラクタ候補セルとして選択する第1次キ
ャラクタ化候補セル選択処理、候補セルとして選択され
たセルのパターン定義内容を加工するキャラクタ化候補
セル再構成処理、再構成された候補セルから所定数だけ
選択する第2次キャラクタ化候補セル選択処理、選択さ
れたセルの組合せについてキャラクタ化効果を評価する
キャラクタ化効果評価処理といった処理を施し、キャラ
クタ化候補セル再構成処理,第2次キャラクタ化候補セ
ル選択処理及びキャラクタ化効果評価処理を繰り返して
適切なキャラクタ化セルの組み合わせを決定すること。 (2) キャラクタ化候補セル再構成処理では、パターン存
在領域の外接矩形が所定サイズ以下のセル内に定義され
ているパターン、又は指定したセル内に定義されている
パターンを当該セルを参照しているセルに展開する部分
的階層展開処理と、セル名は異なるが内部に定義されて
いるパターン形状が同一のセルを同じセルとみなすパタ
ーン認識処理と、アレイ参照されているセルの参照ピッ
チと最大ビーム寸法の最小公倍数を求めてその範囲内に
当該セルアレイを展開した後、最大ビーム寸法で分割す
るアレイ再構成処理と、セル内のパターンを部分的に抽
出して新たにセルとする部分抽出処理とを組み合わせて
処理すること。 (3) キャラクタ決定処理部でキャラクタ化効果を評価す
る際の評価規範として、基本形状ビームにより描画した
際の描画時間とキャラクタビームにより描画した際の描
画時間との差を算出し、キャラクタ化効果の高いセルを
所定数だけキャラクタ化すること。 (4) キャラクタ決定処理部における図形処理として、図
形間重複除去,レイヤー間図形論理演算,単位偏向領域
境界での図形分割及びリサイズ処理などを行うこと。
【0026】
【作用】本発明(請求項1)の方法によれば、サンプル
エリアを基本図形用アパーチャのみを用いて描画するに
必要な描画時間Aと候補セルをキャラクタ化して描画し
た場合の短縮時間ΔAcとを一度求めれば、CP候補セ
ルの全ての組み合わせの描画時間をこれから簡易に求め
ることができる。その結果、描画時間が最短である候補
セルの組み合わせを容易に選択することができる。即
ち、CP描画方式の効果を十分に発揮してスループット
の極めて高い描画を行うためのCP候補セルの抽出が、
短時間の効率的な処理によって得られる。
【0027】また、本発明(請求項2〜4)によれば、
VSB描画パターンとCP描画パターンとを分離する前
に階層的図形データ処理を行うため、両者の間に重複や
間隙といったエラー箇所の無い所望の描画データを短時
間で作成できる。このため、分離処理のためのデータ処
理時間が短くなり、描画システム全体のスループットを
向上させることが可能となる。
【0028】また、階層的図形処理の処理単位と同じセ
ルを単位に第1次キャラクタ候補としてまず抽出し、分
割・融合などの候補セル再構成処理を行った後に再度キ
ャラクタ化効果を評価する2段階選抜方式を採用してい
るため、適切なキャラクタ図形の組み合わせを短時間で
決定することができる。さらに、VSB描画とCP描画
の時間差でキャラクタ化効果を評価するため、より現実
に即した適切なキャラクタ集合を決定することができ
る。
【0029】近年のLSIの微細化と高集積化の傾向を
鑑みるに、荷電ビーム描画装置の処理性能が深刻な問題
となることが予想される。これに対し、本発明のような
描画データの作成手段を備えた描画装置は、CP描画方
式に対応する描画データ変換に要する処理時間を短縮で
きるばかりでなく描画処理性能も同時に高めることがで
き、その有用性は大である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に使用した
電子ビーム露光装置を示す概略構成図である。図中10
は試料室であり、この試料室10内には半導体ウエハ若
しくはガラスマスク等の試料11を載置したテーブル
(ステージ)12が収容されている。テーブル12は、
テーブル駆動回路13によりX方向(紙面左右方向)及
びY方向(紙面表裏方向)に駆動される。そして、テー
ブル12の位置は、レーザ測長計等を用いた位置回路1
4により測定されるものとなっている。
【0031】試料室10の上方には、電子ビーム光学系
20が配置されている。この光学系20は、電子銃2
1,各種レンズ22〜26,ブランキング用偏向器3
1,ビーム寸法可変用偏向器32,ビーム走査用の副偏
向器34及びビーム成形用アパーチャマスク35,36
などから構成されている。
【0032】そして、主偏向器33により所定の単位描
画領域(サブフイールド)に位置決めし、副偏向器34
によってサブフイールド内での図形描画位置決めを行う
と共に、ビーム形状制御用偏向器32及びビーム成形用
アパーチャマスク35,36によりビーム形状及びビー
ム寸法を制御し、テーブル12をX若しくはY方向に連
続移動しながらLSIチップをビーム偏向幅に応じて短
冊状に分割したフレーム領域を集めた描画ストライプ単
位に描画処理する。さらに、テーブル12を次の描画ス
トライプの開始位置まで移動し、上記処理を繰り返して
各描画ストライプを順次描画処理するものとなってい
る。
【0033】一方、制御計算機40には磁気ディスクを
始めとする記憶媒体41が接続されており、この磁気デ
ィスク41に描画対象とするLSIチップに係わる描画
データが格納されている。磁気ディスク41から読み出
された描画データは、前記描画ストライプ毎の描画デー
タとしてパターンメモリ42に一時的に格納される。パ
ターンメモリ42に格納された描画ストライプ毎の描画
データ、つまり描画位置及び基本図形データなどで構成
される描画ストライプデータは、データ解読部であるパ
ターンデータデコーダ43及び描画データデコーダ44
により解読され、ブランキング回路45,ビーム成形ド
ライバ46,主偏向ドライバ47及び副偏向ドライバ4
8に送出される。
【0034】即ち、パターンデコーダ43では、上記描
画ストライプデータを入力し、描画ストライプデータと
して定義されている基本図形データを前記ビーム成形用
アパーチャマスク35,36の組み合わせにより形成可
能なCPセル図形又は矩形や三角形を始めとする描画単
位図形群に図形群に図形分割して、この描画図形情報に
基づいて作成されるビーム成形ドライバ46に送られ
る。そして、ビーム成形ドライバ46から電子光学系2
0のビーム形状制御用偏向器32に所定の偏向信号が印
加されて、電子ビームのビーム形状及びビーム寸法が制
御されるものとなっている。
【0035】次に、上述した装置におけるビームの生成
方法について詳述する。図2(a)は、第1のビーム成
形用アパーチャマスク35のビーム通過孔の配置を示す
もので、1つのビーム通過孔35aが形成されている。
図2(b)は、第2のビーム成形用アパーチャマスク3
6のビーム通過孔の配置を示しており、第1〜第6の通
過孔36a〜36fが形成されている。
【0036】図3は、第1のビーム成形用アパーチャマ
スク35のアパーチャ像(第1成形アパーチャ像)と第
2のビーム成形用アパーチャマスク36に形成されたビ
ーム通過孔の電子光学的重ね合わせにより所望のビーム
形状及びビーム寸法を生成する様子を示している。図3
(a)は、第1成形アパーチャ像と第2成形アパーチャ
マスク36の第1のビーム通過孔36aとの組み合わせ
により矩形ビームを生成している状態である。図3
(b)は、第1成形アパーチャ像と第2成形アパーチャ
マスク36の第2のビーム通過孔36bとの組み合わせ
により三角形ビームを生成している状態である。矩形ビ
ームと三角形ビームは、第2成形アパーチャマスク36
のアパーチャ投影像で一括転写できないパターン部を描
画処理するための単位描画図形となる。
【0037】図3(c)は、第1成形アパーチャ像と第
2成形アパーチャマスク36に形成されたCPセル投影
用のビーム通過孔36c〜36fのいずれかとの組み合
わせにより、設計データの一部に相当するビーム像を生
成している状態である。以上詳述したビーム生成方法を
用いて、例えば図4の例に示したように、一括転写用の
ビームと三角形又は矩形からなる基本図形用のビームを
用いて、LSIチップを露光していく。
【0038】次に、本実施例装置を用いて描画を行う際
に、アパーチャマスク上に形成するCPアパーチャ図形
をどのようにして選択するかについて説明する。図5
は、本実施例に従ってCPセルを決定する際の処理の流
れを示したフローチャートである。このフローチャート
に従い、処理の内容を詳述する。
【0039】まず、LSIパターンの設計から繰り返し
パターンを抽出する(S1)。次いで、抽出した繰り返
しパターンを分割又は融合し、CP用アパーチャ程度の
大きさとなるようにパターンサイズを最適化する(S
2)。以下、このようにして最適化された繰り返しパタ
ーンをCP候補セルと呼ぶことにする。
【0040】次いで、CP候補セルのLSI全体におけ
る参照回数、及び各CP候補セルを可変成形ビームのみ
を用いて露光した場合のショット数を求める(S3)。
例えば、描画するLSIパータンの設計データを解析す
ると、図6のようにA〜Dの4種類の繰り返しパターン
があることが分かった。また、4種類の繰り返しパター
ンをCPアパーチャサイズ程度の大きさに最適化し、図
7のような8個のCP候補セルA,B1,B2,C1,
C2,C3,C4,Dを作成した。但し、この例では単
純に分割する方法がとられている。また、8個のCP候
補セルの参照回数とショット数を求めた結果が、下記の
(表1)である。
【0041】
【表1】
【0042】次いで、CP候補セルから、アパーチャマ
スクに形成できる所定数の候補セルを選んで、可能な組
み合わせを作成する(S4)。例えば、図2に示したよ
うに、CP用アパーチャが4個アパーチャマスク上に可
能である場合には、図7の例では、 84 =70通りの
組み合わせを作成する。
【0043】次いで、図8のフローチャートに従い、C
P候補セルの全ての組み合わせについて、各組み合わせ
に属するCP候補セルをキャラクタセルとして露光した
場合の描画時間を算出する(S5)。以下、この算出方
法を詳細に説明する。
【0044】まず、チップ全体をフレーム及びサンプル
エリアに分割し、各サンプルエリアを可変成形ビームの
みで描画した場合の必要描画時間Aを求める。同時に、
候補セルcをCP露光した場合の候補セル毎の各サンプ
リルエリアの描画短縮時間ΔAcを求める。ここで、フ
レームとは描画領域を偏向系の偏向幅で決まる所定幅の
ストライプに分割した領域であり、サンプルエリアとは
フレームをステージ連続移動方向に仮想的に小領域に分
割した領域である。
【0045】以下、i番目のフレームのj番目のサンプ
ルエリアを可変成形ビームのみを用いて描画した場合の
描画時間Aを、新たにtijVSB と書くことにすると、前
述の描画装置の場合には、 tijVSB =Nsub ×ts1+(Nshot−Nsub)×ts2+Nshot×td … (1) で与えられる。但し、 ts1:主偏向セトリング時間 ts2:副偏向セトリング時間 td :照射時間 Nsub :i番目のフレームのj番目のサンプルエリアの
サブフィールド数 Nshot:i番目のフレームのj番目のサンプルエリアの
ショット数 サブフィルード:副偏向の切り換えのみで露光できる領
域 である。
【0046】また、i番目のフレームのj番目のサンプ
ルエリアにおいて、候補セルcのみをCP露光した場合
の、可変成形ビームのみで露光した場合と比較した短縮
描画時間ΔAcを新たにΔtijcと書くと、 Δtijc=(Nshot,c(VSB) −Nshot,c(CP))×(ts2+td) … (2) となる。但し、 Nshot,c(VSB) :i番目のフレームのj番目のサンプル
エリアにある、全てのセルCをVSBのみで露光した際
の総ショット数 Nshot,c(CP):i番目のフレームのj番目のサンプルエ
リアにある、全てのセルCをCP露光した場合の総ショ
ット数 である。同様にして、全てのサンプルエリアについて、
ijVSB とΔtijcを求める。また、Δtijcについて
は、全てのCP候補セルについて求めるものとする。
【0047】次に、上述したCP候補セルの組み合わせ
の一つ一つについて、チップ全体を描画するのに必要な
描画時間を上記tijVSB 及びΔtijcから求める方法に
ついて説明する。図7中の候補セルについて、組み合わ
せ(A,B1,C1,D)を例にとって、算出方法を説
明する。まず、A,B1,C1,DをCP方式で、チッ
プの残りの部分を可変成形ビームで露光するとして、各
フレームのそれぞれのサンプルエリアにおける必要描画
時間を以下の式で算出する。
【0048】 tij=tijVSB −ΔtijA −ΔtijB1−ΔtijC1−ΔtijD … (3) 即ち、各サンプルエリアにおける必要描画時間は、図9
に示すように、可変成形ビームのみを用いて描画するの
に必要な時間から、キャラクタ化による描画時間の短縮
分を引けばよい。なお、図9(a)は各サンプルエリア
における必要描画時間、図9(b)は対応するフレーム
の模式図を示している。
【0049】次に、この値をもとに、各フレームにおけ
るステージ速度を算出する。まず、フレーム毎に必要描
画時間の最も長いサンプルエリアを求め、このサンプル
エリアを描画できる最高の速度をステージ速度とする。
即ち、i番目のフレーム上において必要描画時間の大き
いサンプルエリアがm番目のサンプルエリアであるとす
ると、ステージ速度vimは vim=l/tim … (4) となる。但し、lはサンプルエリアの幅である。
【0050】従って、i番目のフレームの実際の描画時
間ti は、 ti =L/vim … (5) と求まる。
【0051】この処理を全てのフレームについて行え
ば、全描画時間Tallは、 で、求まる。
【0052】以上の処理を、候補セルの全ての組み合わ
せについて行い、それぞれの組み合わせに対してチップ
全体の描画時間を求め、描画時間が最短となった組み合
わせのCP候補セルをアパーチャマスクのCP用アパー
チャ図形として選択する(S6)。即ち、 Topt=Min(T1 all ,T2 all ,…) … (7) として、Toptを与える組合わせに属するCP候補セ
ルをアパーチャマスクのCPアパーチャ図形として作成
する。但し、Tk all はk番目のCP候補セルの組み合
わせをCP露光した場合のチップ全体の描画時間であ
る。
【0053】このように本実施例によれば、ステージ連
続移動方式の電子ビーム露光装置において、描画時間が
最も短くなるCP候補セルの組み合わせをアパーチャマ
スクに形成しておくことにより、露光ショット数を少な
くして描画スループットの向上をはかることができる。
【0054】そしてこの場合、各サンプルエリアの可変
成形ビームのみを用いた場合の描画時間Aと各CP候補
セルcをキャラクタ化した場合に短縮される描画時間Δ
Acとを全サンプルエリアについて一旦求めておき、A
とΔAcからCP候補セルの各組み合わせのステージ速
度、及びこれから導かれる描画時間を算出することによ
り、描画時間が最短である候補セルの組み合わせを容易
に選択することができる。即ち、描画時間を最も短縮す
る効果のある繰り返しパターンを求める際に、無駄な手
順を省き、効率的な選択をすることができる。 (実施例2)図10は、本発明の第2の実施例を示すブ
ロック図であり、特に設計データから描画データを作成
する描画データ作成手段の構成を示している。
【0055】本実施例の描画装置は、描画データ作成手
段50と描画手段60からなる。描画データ作成手段5
0は、階層構造組み替え処理部51、階層的図形データ
処理部52、キャラクタ化セル決定処理部53、キャラ
クタ制御コード置換処理部54、描画領域別描画データ
出力部55から構成されている。描画手段60は描画装
置本体に相当するものであり、前記図1に示したものと
同様である。
【0056】階層構造組み替え処理部51は、これに続
く階層的図形データ処理の前処理であり、設計データを
読み出してその階層構造を再構成し、階層的図形データ
処理によってセル境界付近で図形重複或いは間隙などの
エラー箇所が発生することを防止する。階層的図形デー
タ処理部52は、設計データの階層構造を維持したま
ま、図形重複除去,レイヤー間図形論理演算,リサイ
ズ,倍率補正などの図形データ処理をセル単位に行う。
【0057】キャラクタ化セル決定処理部53は、図1
1に示すように規則的パターン領域をCP描画領域とし
て、それ以外の基本形状ビーム描画領域と分離する処理
であり、階層的図形データ処理の処理結果を基に、セル
単位にキャラクタ化効果を評価してキャラクタ化セルの
集合を決定する。回路パターン設計時に設計者が繰り返
し単位として定義したセルをキャラクタ化する図形群の
単位として採用することにより、回路パターンから繰り
返し単位を抽出する手間を大幅に軽減することができ
る。
【0058】キャラクタ制御コード置換処理部54は、
キャラクタ化が決まったセルの図形データを抜き出し
て、キャラクタ制御コードに置き換える処理である。キ
ャラクタ制御コードは、描画手段がキャラクタビームを
発生する際に、キャラクタ形状を識別する制御コードと
している。
【0059】最後の描画領域別描画データ出力部55
は、VSB描画データとキャラクタ制御コードを描画位
置に応じて、描画領域単位(フレーム領域など)に振り
分けて出力するものである。以上の処理により、CP描
画方式に対応した描画データが作成されるようになって
いる。
【0060】次に、図12に示したキャラクタ化セル決
定処理部53のブロック図に基づいてキャラクタ化セル
決定処理の詳細を説明する。キャラクタ化セル決定処理
部53は、セル情報解析部53a,第1次候補セル選択
部53b,候補セル再構成部53c,第2次候補セル選
択部53d,キャラクタ化効果評価部53eから構成さ
れる。
【0061】セル情報解析部53aは、階層的図形デー
タ処理の処理結果であるセル内図形データとセル配置デ
ータを読み込み、セル情報テーブルを作成する。このセ
ル情報テーブルは、各セルに割り振られたセル識別番
号、セル内に定義された図形の外接矩形のサイズである
セルサイズ、そのセルのチップ内の総参照数、基本形状
ビームで描画した場合のショット数、キャラクタ化した
場合のショット数といった項目から構成される。
【0062】このセル情報テーブルを基に、キャラクタ
化効果の比較的高いセルを、第1次候補セル選択部53
bにより第1次キャラクタ化候補セルとして選択し、以
後の処理の対象となるセルの数を絞り、処理負荷を軽減
しておく。
【0063】セルを単位にキャラクタ化することによ
り、回路パターンから繰り返し単位を抽出することが大
幅に容易となる。しかし、セルは設計時の定義された図
形群のため、そのサイズ及び種類数は任意である。一
方、キャラクタは装置仕様の制約から、サイズ及び種類
数が制限されている。そのため、第1次キャラクタ候補
セルをそのままキャラクタ化することができない場合が
ある。そこで、適切なセルサイズにすると共に、限定さ
れたキャラクタ種類数を最大限活用することができるよ
うに、候補セルの定義内容を再構成する必要がある。候
補セル再構成部53cでは、次のような処理を行う。 (1)階層構造の部分的展開 (2)パターンの部分抽出 (3)パターン認識 (4)アレイ再構成 (5)セル分割 以下に各処理内容の詳細を説明する。 (1)階層構造の部分的展開 図13(a)に示すように、セルA内でセルBがアレイ
配置されており、セルB内でセルFが4種類の配置方向
で参照配置されているものとする(Fの添字が配置方向
を示す)。この参照構造を木表記法で表すと、図13
(b)となる。セルFのセルサイズは、最大ビーム寸法
の1/2以下であり、セルBを単位にキャラクタ化すれ
ば、4個のセルFの領域を一括描画することができる。
しかし、セルB内ではセルFを参照配置してはいるが、
図形は定義されておらず、単純にセルBをキャラクタ化
すると中身が空のキャラクタとなってしまう。
【0064】そこで、指定したセルより下位の階層構造
を展開し、下位セルで定義されていた図形を指定したセ
ルに与える。この例では、セルB以下で参照されている
セルF1〜F4内に定義されている図形をセルBに与え
る。これにより、セルBのキャラクタ化効果が高まる。 (2)パターンの部分抽出 図14に示すように、セルE及びセルPはセルFに類似
のパターンであり、類似部分を切り出して同一のキャラ
クタで置き換えることができれば、キャラクタ描画の効
率が高まる。そこで、セル内のパターンの一部を切り出
して新たな候補セルとする機能が必要となる。 (3)パターン認識 セル識別番号は異なるが、同一のパターンが内部に定義
されている場合が存在する。これらを別々のキャラクタ
として抽出したり、一方をVSB描画してしまうと、C
P描画の効率が低下する。そこで、パターン認識を行っ
てパターンを検査し、同一内容のセルについてセル識別
番号を統一する。前項(2)のパターン部分抽出と組み
合わせれば、類似図形を含むセルの一部をキャラクタ化
することが可能となる。 (4)アレイ再構成 最大ビーム寸法より小さい候補セルがアレイ配置されて
いる例を、図15に示す。最大ビーム寸法が3μm、ア
レイ配置ピッチが2μmの場合、最大ビーム寸法とアレ
イ配置ピッチの最小公倍数は6μmである。この領域内
に候補セルを展開すると、図15(a)のように3×3
=9個のセルが入る。これを最大ビーム寸法で分割する
と図15(b)のように4個のセルに分割され、アレイ
配置構造は再構成される。このアレイ再構成により作成
されたセルをそれぞれキャラクタ化すると、キャラクタ
種類数は増加するが、総ショット数は低減する。ここで
示した例では、キャラクタ数は1個から4個に増加し、
総ショット数は4/9に減少している。
【0065】以上の候補セル再構成を行った後、第2次
候補セル選択部53dにより所定数の候補セルを第2次
候補セルとして選択し、キャラクタ化効果評価部53e
によりキャラクタ化効果を評価する。ここで、キャラク
タ化効果の評価規範として、選択した第2次候補セルを
VSB描画した場合と、キャラクタ化した場合の描画時
間との差を算出して用いると、より現実に近い評価を行
うことができ、適切なキャラクタ化効果を評価すること
が可能となる。
【0066】さらに、第2次選択する候補セルの組み合
わせを種々変更してキャラクタ化効果を評価すると共
に、場合によっては再度、候補セル再構成,第2次候補
セル選択及びキャラクタ化効果評価を繰り返すことによ
って、より適切なキャラクタ集合を求めることができ
る。
【0067】このように本実施例によれば、描画データ
作成手段50を図10のように構成し、VSB描画パタ
ーンとCP描画パターンとを分離する前に階層的図形デ
ータ処理を行うことによって、設計パターンデータから
キャラクタビームにより一括描画する図形群を容易に抽
出することができ、かつVSB描画するパターンとの整
合性も保たれた描画データを作成することができる。そ
して、抽出されたキャラクタ図形の集合が適切なものと
なるため、描画データ作成に要する時間を短縮化して描
画スループットを向上させることができる。その結果、
電子ビーム描画装置の稼働率を高めると共に、LSIの
生産性を高めることができる。
【0068】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。第1の実施例では、アパーチャマス
クに形成するキャラクタセルの数を4個として候補セル
の組み合わせを求めたが、キャラクタセルの数はこれに
限定されるものではなく適宜変更可能である。さらに、
キャラクタセルの数は必ずしも一定にする必要はなく、
キャラクタセルの数を候補セルの大きさにより可変にし
てもよい。例えば、候補セルの大きさが異なる場合に
は、各々の候補セルの面積の和が所定範囲内に入るよう
にして候補セルの組み合わせを求めるようにすればよ
い。
【0069】また、本発明を実施するための装置の構成
は図1に何等限定されるものではなく、基本図形用アパ
ーチャとキャラクタ用アパーチャが形成されたアパーチ
ャマスクを用い、試料を載置したステージを連続移動し
ながら、所定幅に分割されたフレームを順次描画するも
のであればよい。さらに、実施例では電子ビーム露光装
置について説明したが、イオンビーム露光装置において
も同様に適用できるのは勿論のことである。
【0070】また、第2の実施例で説明した描画データ
作成処理と第1の実施例で説明したアパーチャパターン
決定処理とを組み合わせて用いることにより、描画スル
ープットのより一層の向上をはかることも可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1)
によれば、各サンプルエリアの可変成形ビームのみを用
いた場合の描画時間Aと各CP候補セルcをキャラクタ
化した場合に短縮される描画時間ΔAcとを全サンプル
エリアについて一旦求めておき、AとΔAcからCP候
補セルの各組み合わせのステージ速度及びこれから導か
れる描画時間を算出することにより、CP描画方式の効
果を十分に発揮してスループットの極めて高い描画を行
うことができ、しかもアパーチャマスクに形成すべきC
Pセルの抽出を容易に行い得る荷電ビーム描画方法を実
現することが可能となる。
【0072】また、本発明(請求項2〜4)によれば、
VSB描画されるパターンとCP描画されるパターンと
を分離する処理に先立ち、階層的図形データ処理の処理
単位となった図形群(セル)を単位としてキャラクタビ
ームの形状を決定し、キャラクタ化する図形群をCP制
御コードと置換し、VSB描画パターン及びCP制御コ
ードを描画領域単位に描画データとして出力することに
より、設計パターンデータからキャラクタビームにより
一括描画する図形群を容易に抽出することができ、かつ
VSB描画するパターンとの整合性も保って描画データ
を作成することができ、描画データ作成に要する時間を
短縮して描画スループットの向上をはかり得る荷電ビー
ム描画装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に使用した電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図2】ビーム成形アパーチャの構造を示す模式図。
【図3】成形ビームの形状を示す模式図。
【図4】描画データの体系を示す模式図。
【図5】実施例方法における処理概要を示すフローチャ
ート。
【図6】実施例で描画する繰り返しパターンの例を示す
模式図。
【図7】実施例で使用するCP候補セルの例を示す模式
図。
【図8】実施例における描画時間算出の処理を説明する
ためのフローチャート。
【図9】実施例におけるステージ速度算出の方法を示す
模式図。
【図10】第2の実施例を説明するためのもので、描画
データ作成手段の構成を示すブロック図。
【図11】キャラクタビーム描画領域と基本形状ビーム
描画領域のパターン例を示す図。
【図12】キャラクタ化セル決定処理部の構成を示すブ
ロック図。
【図13】階層構造の部分的展開処理を説明するため
図。
【図14】パターン部分抽出処理を説明するための図。
【図15】アレイ再構成処理を説明するための図。
【図16】従来のステージ連続移動方式の描画方法を説
明するための模式図。
【符号の説明】
10…試料室 11…試料 12…テーブル 13…テーブル駆
動回路 14…位置回路 20…電子光学系 21…電子銃 22〜26…レン
ズ 31〜34…偏向器 35,36…ビー
ム成形アパーチャ 40…制御計算機 41…磁気ディス
ク(記憶媒体) 42…パターンメモリ 43…パターンデ
ータデコーダ 44…描画データデコーダ 45…ブランキン
グ回路 46…ビーム成形器ドライバ 47…主偏向回路
ドライバ 48…副偏向器ドライバ 50…描画データ
作成手段 51…階層構造組み替え処理部 52…階層的図形
データ処理部 53…キャラクタ化セル決定処理部 54…キャラクタ
制御コード置換処理部 55…描画領域別描画データ出力部 60…描画手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池永 修 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝多摩川工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本図形に対応する成形ビームを形成する
    ための基本図形用アパーチャと繰り返しパターンに相当
    するキャラクタ用アパーチャとが形成されたアパーチャ
    マスクを用い、試料を載置したステージを連続移動しな
    がら、所定幅に分割された描画領域(フレーム)を順次
    描画する荷電ビーム描画方法において、 描画すべき所望のデータの中から繰り返し使用されるパ
    ターンをそれぞれ抽出してキャラクタセルにすべき候補
    セルとし、 前記フレームをステージ連続移動方向に仮想的に小領域
    (サンプルエリア)に分割し、該サンプルエリアを基本
    図形用アパーチャのみを用いて描画するに必要な描画時
    間Aと各々の候補セルに対し該セルをキャラクタ化して
    描画した場合の各短縮時間ΔAcとを全てのサンプルエ
    リアについて求めた後、 各々の候補セルから前記アパーチャマスクに形成するキ
    ャラクタ用アパーチャの所定数を選んで全ての組み合わ
    せを作成し、全ての組み合わせに対して、対応する短縮
    時間ΔAcの和を描画時間Aから引くことにより、各々
    のサンプルエリアにおける描画時間を算出し、 前記各フレームにおける描画時間が最も長いサンプルエ
    リアの描画時間Tを求めて、(フレームの長さ/サンプ
    ルエリアの幅)×Tによって各々のフレームの描画時間
    を求め、これらのフレーム描画時間の和で与えられる描
    画全領域の描画時間を算出し、 描画全領域の描画時間が最も短い候補セルの組み合わせ
    を求め、この組み合わせで前記アパーチャマスク上のア
    パーチャパターンを形成することを特徴とする荷電ビー
    ム描画方法。
  2. 【請求項2】描画すべきパターンに繰り返し現れる繰り
    返し単位と同じ形状に形成されたキャラクタビームと、
    矩形及び直角二等辺三角形などの基本形状に成形された
    基本形状ビームとを組み合わせて所望パターンを描画す
    る荷電ビーム描画装置において、 LSIの設計パターンデータから描画パターンデータを
    作成するための描画データ作成手段は、 設計パターンデータが有する階層的参照構造を維持した
    状態で所定の図形データ処理を行う階層的図形データ処
    理部と、前記階層的図形データ処理を可能とするために
    予め設計パターンデータの階層構造を再構成する階層構
    造組み替え処理部と、前記階層的図形データ処理後のパ
    ターンデータをキャラクタビームにより描画するパター
    ン群と基本形状ビームの組み合わせにより描画するパタ
    ーン群とに分離するキャラクタ決定処理部と、前記キャ
    ラクタビームにより描画するパターン群をビーム形状の
    種別を示す制御コードに置換するキャラクタ制御コード
    置換処理部と、前記基本形状ビームにより描画するパタ
    ーンの図形データと前記キャラクタビームの種別を示す
    制御コードとを描画可能な単位領域に対して割り振る描
    画領域別描画データ出力部と、からなることを特徴とす
    る荷電ビーム描画装置。
  3. 【請求項3】前記キャラクタ決定処理部は、前記階層的
    図形データ処理の際に処理単位となったパターン群(セ
    ル)を単位として前記図形データ処理の結果を解析し
    て、セル識別番号,セル参照数,セルサイズ,基本形状
    ビーム換算ショット数及びキャラクタビーム換算ショッ
    ト数を算出するセル情報解析処理と、キャラクタ化効果
    の高いセルをキャラクタ化候補セルとして選択する第1
    次キャラクタ化候補セル選択処理と、候補セルとして選
    択されたセルのパターン定義内容を加工するキャラクタ
    化候補セル再構成処理と、再構成された候補セルから所
    定数を選択する第2次キャラクタ化候補セル選択処理
    と、選択されたセルの組み合わせについてキャラクタ化
    効果を評価するキャラクタ化効果評価処理とから構成さ
    れ、 キャラクタ化候補セル再構成処理,第2次キャラクタ化
    候補セル選択処理及びキャラクタ化効果評価処理を繰り
    返して適切なキャラクタ化セルの組み合わせを決定する
    ことを特徴とする請求項2記載の荷電ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】前記キャラクタ化候補セル再構成処理が、
    パターン存在領域の外接矩形が所定サイズ以下のセル内
    に定義されているパターン、又は指定したセル内に定義
    されているパターンを当該セルを参照しているセルに展
    開する部分的階層展開処理工程と、セル内の図形群を部
    分的に抽出して新たにセルとして定義する部分抽出処理
    工程と、セル識別番号は異なるが内部に定義されている
    パターン形状が同一ならば同じセルとみなすパターン認
    識処理工程と、アレイ参照されているセルの参照ピッチ
    と最大ビーム寸法の最小公倍数を求めてその範囲内に当
    該セルアレイを展開した後、最大ビーム寸法で分割する
    アレイ再構成処理工程、から構成されていることを特徴
    とする請求項3記載の荷電ビーム描画装置。
  5. 【請求項5】前記キャラクタ決定処理部におけるキャラ
    クタ化効果を評価する際の評価規範として、基本形状ビ
    ームにより描画した際の描画時間とキャラクタビームに
    より描画した際の描画時間との差を算出し、キャラクタ
    化効果の高いセルを所定数だけキャラクタ化することを
    特徴とする請求項2記載の荷電ビーム描画装置。
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