JPH07306458A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JPH07306458A
JPH07306458A JP6272679A JP27267994A JPH07306458A JP H07306458 A JPH07306458 A JP H07306458A JP 6272679 A JP6272679 A JP 6272679A JP 27267994 A JP27267994 A JP 27267994A JP H07306458 A JPH07306458 A JP H07306458A
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Japan
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optical system
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cam
pattern
telephoto
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Kazuyuki Kazami
一之 風見
Hiroshi Wakabayashi
央 若林
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Nikon Corp
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  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】撮影範囲の切換移動領域および自動焦点調節の
ための移動領域などを正確かつ的確に規制できるように
する。 【構成】撮影光学系が少なくとも第1と第2の焦点距離
に切換可能である焦点距離切換式カメラにおいて、撮影
光学系は、光軸方向に間隔をおいて並んだ第1焦点距離
領域,焦点距離切換のための移行領域、第2焦点距離領
域の各領域を往復動可能なよう支持され、第1焦点距離
領域を第1点から第2点に向けて往動して第1焦点距離
を呈しながらの焦点調節をなし、焦点距離切換領域を第
2点から第3点に向けて往動して第1から第2の焦点距
離に切換え、第3点から第2点に向けて復動して第2か
ら第1の焦点距離に切換え、第2焦点距離領域を第3点
から第4点に向けて往動して第2焦点距離を呈しながら
の焦点調節をなすよう撮影光学系を駆動する電気的駆動
手段を設け、撮影光学系の移動量に応じて同期運動する
電気検出手段を設け、電気検出手段に、撮影光学系の第
1〜第3の移動範囲に対応して連続的に位置検出可能な
第1〜第3の検出領域を電気検出手段に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影光学系が少なくと
も第1と第2の焦点距離に切換可能である焦点距離切換
式カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
「発明の背景」焦点距離が切換可能なカメラの従来例と
して、撮影光学系を主、副の両光学系で構成し、主光学
系を光軸方向に変位させると共に副光学系を撮影光束に
対して挿脱させることにより、撮影光学系の焦点距離を
広角と望遠に切換えるものが知られている。フィルム面
側から被写体側に向かって並ぶ第1、第2、第3、第4
の4点によって狭まれる広角、焦点距離切換、望遠の3
領域を、主光学系は往復動可能である。広角領域では主
光学系だけで撮影光学系が構成され、広角の焦点距離を
呈する。広角領域を第1点から第2点へ向けて主光学系
が繰り出されると、合焦する被写体距離が例えば無限遠
から至近へ向けて変化する。焦点距離切換領域を第2点
から第3点へ向けて主光学系が繰り出されると副光学系
が撮影光束内に挿入されて、主、副の両光学系により撮
影光学系が構成され、焦点距離が広角から望遠に切換ら
れる。望遠領域を第3点から第4点に向けて主光学系が
繰り出されると、合焦する被写体距離が無限遠から至近
へ向けて変化する。
【0003】そして、自動焦点調節装置を上述のような
焦点距離切換式カメラに採用した場合などを考えると、
異なった領域において撮影光学系の位置情報を正確に検
知して制御しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、複数の移動範囲
に切換可能なレンズ鏡筒を有するカメラとしては、各撮
影範囲を規制する機械的ストッパを設けたものが提案さ
れている。しかしながら、そのようなカメラでは、スト
ッパの機構が複雑であったり、位置精度がでなかったり
してコスト,精度,スペース面で問題があり、また、特
開昭 58-192006号公報に開示されているように、鏡筒を
二重構造にし、撮影範囲を切換えるための移動範囲と自
動焦点調節のための移動範囲とを別にしたものがある。
しかしながら、鏡筒を二重構造にすると、それらの位置
を正確に決めるのが困難となり、極めて構造が複雑にな
り大型化してしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、撮影範囲の切換移動領域および自
動焦点調節のための移動領域などを正確かつ的確に規制
できるようにして上記問題点を解決した焦点距離切換式
カメラを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、撮影光学系が少なく
とも第1と第2の焦点距離に切換可能である焦点距離切
換式カメラにおいて、前記撮影光学系は、光軸方向に間
隔をおいて並んだ第1、第2、第3、第4の各点によっ
て狭まれる第1の移動範囲たる第1焦点距離領域,第2
の移動範囲たる焦点距離切換のための移行領域、第3の
移動範囲たる第2焦点距離領域の各領域を往復動可能な
よう支持され、該第1焦点距離領域を該第1点から該第
2点に向けて往動して前記第1焦点距離を呈しながらの
焦点調節をなし、該焦点距離切換領域を該第2点から該
第3点に向けて往動して前記第1から第2の焦点距離に
切換え、該第3点から該第2点に向けて復動して前記第
2から第1の焦点距離に切換え、該第2焦点距離領域を
該第3点から該第4点に向けて往動して前記第2焦点距
離を呈しながらの焦点調節をなすよう前記撮影光学系を
駆動する電気的駆動手段を設け、前記撮影光学系の移動
量に応じて同期運動する電気検出手段を設け、該電気検
出手段に、前記撮影光学系の第1〜第3の移動範囲に対
応して連続的に位置検出可能な第1〜第3の検出領域を
前記電気検出手段に設けたことを特徴とする焦点距離切
換式カメラに存する。
【0007】
【作用】しかして、撮影光学系の第1〜第3の移動範囲
に連続して一体的に対応可能な電気検出手段を備え、該
電気検出手段により全領域を制御するようにしたから、
コンパクトで簡単な機構で全領域にわたり的確に位置決
め制御がなされるものである。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。
【0009】図3〜図7に示すように、カメラ本体1の
前面には、防塵カバー2が図3〜図5で左右方向に、撮
影光学系を構成する主光学系3がその光軸方向(図3〜
図5で上下方向)に変位可能に、すなわち繰り出し、繰
り込み可能に設けられている。カメラ本体1の内部には
主光学系3と共に撮影光学系を構成する副光学系4が、
主光学系3の光束すなわち撮影光束に挿入した位置と該
光束から退避した位置との間で主光学系3の光軸を横切
る方向(図3〜図5で左右方向)に変位可能に設けられ
ている。
【0010】カメラ本体1の上面には撮影光学系の焦点
距離を切り換えるための焦点距離選択部材5が常時操作
可能に設けられている。
【0011】図3において、防塵カバー2は開位置にあ
る。焦点距離選択部材5は主光学系3の焦点距離を望遠
の領域にする望遠位置にあり、カメラ本体1の上面に付
された文字「T」と対向している。主光学系3は、防塵
カバー2の前面より突出した繰出位置にあり、挿入位置
にある副光学系4と合成光学系を構成して望遠領域の焦
点距離になっている。
【0012】図4において、防塵カバー2は開位置にあ
る。焦点距離選択部材5は主光学系3の焦点距離を広角
の領域にする広角位置にあり、カメラ本体1の上面に付
された文字「W」と対向している。この時、主光学系3
は、繰出位置よりカメラ本体1に繰り込まれた繰込位置
にあり、上記副光学系4は退避位置にある。主光学系3
は広角領域の焦点距離になっている。
【0013】図5において、防塵カバー2は閉位置にあ
って、主光学系3を覆っている。この時、主光学系3
は、焦点距離選択部材5が望遠位置にあるにもかかわら
ず繰込位置にあり、副光学系4は、退避位置にある。防
塵カバー2がこの閉位置にある時は、撮影が不可能であ
ることをカメラ上部から視認可能とするために、防塵カ
バー2の上面に付された指標2aが、カメラ本体1の上面
に付された文字「OFF」と対向している。
【0014】図3でわかるように、カメラ本体1内に
は、防塵カバー2に連動するスイッチSW1 と焦点距離選
択部材5に連動するスイッチSW2 とが設けられている。
【0015】スイッチSW1 は、防塵カバー2に固着され
た摺動切片2bとカメラ本体1に固設された導体ランド2c
とから成り、防塵カバー2が開位置にある時ONとな
り、開位置から閉位置に向けて変位するとOFFとな
る。このスイッチSW1 は主光学系3を変位させる後述の
モータ12の回転方向を制御するとともに、後述のシャッ
タ制御回路31への給電を制御する。
【0016】スイッチSW2 は、焦点距離選択部材5に固
着された摺動切片5aとカメラ本体1に固設された導体ラ
ンド5bとから成り、焦点距離選択部材5の位置に応じて
切換わり、主光学系3を変位させる後述のモータ12の回
転方向を制御する。スイッチSW2 は、焦点距離選択部材
5が望遠位置にある時ONとなり、広角位置にあるとき
OFFとなる。
【0017】カメラ本体1の上部には、正屈折力を持つ
第1ファインダ光学系6と負屈折力を持つ第2ファイン
ダ光学系7とを含む逆ガリレオ式のファインダ光学系が
ファインダ収納部1aに収納して設けられている。
【0018】ファインダ光学系は全体としては、前が広
く後が狭く窄まっており、ファインダ収納部1aにはファ
インダ光学系の窄まった部位に隣接して略台形の空間が
形成されている。
【0019】また、ファインダ光学系の両側にあるの
は、AF(自動焦点調節)光学系8a,8b であり、AF光
学系8aの後には投光素子8cが設けられ、AF光学系8bの
後には受光素子8dが設けられている。
【0020】図2は、本実施例の主光学系変位機構およ
びファインダ切換機構その他の内部機構を示す斜視図で
ある。
【0021】台板10の中央部には撮影光束が通過する開
口10a が設けられており、その前部には主光学系3が装
着され、その後には想像線で示した絞り兼シャッター装
置11が装着されている。絞り兼シャッター装置11からは
制御信号伝達用のFPC(フレキシブルプリント基板)
FPC11a が延ばされている。
【0022】台板10の上方裏面にはモータ12が固設され
ており、その回転軸の一端にはベベルギヤ12a が固設さ
れている。このベベルギヤ12a には台板10に軸支された
ギヤ13がかみ合い、このギヤ13と一体的な平歯車にはギ
ヤ14がかみ合っている。ギヤ14は台板10に立設された保
持アームにより、回動可能ではあるが軸方向には移動不
能に保持されている。
【0023】ギヤ14の中央には貫通孔が開けられてお
り、この貫通孔にはギヤ14の回転中心を軸心とするめね
じが切られている。このめねじには、案内軸15に切られ
たおねじが螺合している。
【0024】案内軸15は、光軸方向に延びており、図1
0でわかるように、末端はカメラ本体1の基板 1c に嵌
挿され止めねじ15a で回動不能に固定されており、先端
側は台板10の貫通孔10b(図10に図示)に軸方向摺動可
能に挿入され、最先端はカメラ本体1に嵌挿されてい
る。
【0025】基板1cには光軸方向に延びる案内軸16も架
設されている。案内軸16は、台板10の切欠10c に軸方向
摺動可能に嵌挿されている。
【0026】また、台板10には、直動カム板17が台板10
の移動方向(主光学系3の光軸方向)に沿うようその基
部が固設され、直動カム板17はばね性を有していてその
先端には摺接部17a が形成されており、摺接部17a は基
板1cから台板10の移動方向に沿って延びた固定壁面(不
図示)に摺動可能に圧接している。
【0027】このような構成なので、モータ12が回転す
ると、ギヤ14と案内軸15の螺合により、台板10は光軸方
向に平行移動し、それに固設された主光学系3、絞り兼
シャッター装置11は、繰出位置と繰込位置との間を光軸
方向に変位する。この際、案内軸16と切欠10c との嵌合
により、台板10が光軸と直交する面内で回転することが
防止される。またカム板17の摺接部17a の前記固定壁面
への弾接により案内軸16と切欠10c とがガタなく当接す
ることとなる。従って台板10は、主光学系3の光軸を偏
心させることなく、光軸に対して垂直を保ったまま光軸
方向に平行移動する。
【0028】台板10の裏面には減速ギヤ列25とカムギヤ
26と駆動部材27とが軸支されており、駆動部材27には副
光学系4が支持筒4eを介して螺合して保持されている。
減速ギヤ列25の入力ギヤ25a は、上記ギヤ13と一体的な
平歯車とかみ合っており、減速ギヤ列25の最終ギヤ25b
はカムギヤ26とかみ合っている。
【0029】カムギヤ26と駆動部材27とは同軸であっ
て、両者はカムギヤ26の端面に設けられた正面カム26a
を介して結合されている。
【0030】減速ギヤ列25の減速比は、次のように設定
されている。すなわち主光学系3が繰出位置にある時
は、副光学系4を撮影光束中に挿入した挿入位置(図2
に想像線で図示)に置き、主光学系3が繰込位置にある
時は、副光学系4を撮影光束から退避させた退避位置
(図2に実線で図示)に置くようになっている。
【0031】図8および図9は、副光学系挿脱機構の詳
細断面図を示している。
【0032】同図において、開口10a の前方の台板10に
は主光学系3と絞り兼シャッター装置11が固設され、開
口10a の後方には、副光学系4の位置決め手段28が形成
されている。位置決め手段28は、主光学系3の光軸を軸
心とする内筒面28a,すりばち状の案内面28b,主光学系3
の光軸と直交する当接面28c とから成る。
【0033】この位置決め手段28には、副光学系4を一
体的に保持する保持筒4aが係合可能であって、該係合時
に副光学系4の光軸は繰出位置にある主光学系3の光軸
に合わせられ、かつ副光学系4は該光軸方向の所定位置
に位置づけられる。
【0034】この光軸合わせは保持筒4aの前側端面4bか
ら突設した小筒4cが位置決め手段28の内筒面28a に挿入
されることによりなされ、光軸方向の位置づけは保持筒
4aの端面4bが位置決め手段28の当接面28c に当接するこ
とによりなされる。
【0035】駆動部材27は、台板10に植設された固定軸
10g に、軸受部27a を介して軸方向に摺動可能に軸支さ
れている。駆動部材27には副光学系4を遊嵌状態で収容
する円周溝27b が形成されている。
【0036】副光学系4の保持筒4aの外周には全周にわ
たって鍔4dが設けられており、内周溝27b と鍔4dとの間
には、コイルばね29が挿入されている。このばね29は、
挿入位置にもたらされた副光学系4を位置決め手段28と
当接する方向に付勢する働きをする。
【0037】軸10g にはカムギヤ26も軸支されており、
この端面に形成された正面カム26aには駆動部材27の一
端に設けられた摺接部27c が摺接可能である。軸10g に
は軸受部27a を挟むように鍔10h ,10iが固設されてお
り、鍔10h と駆動部材27との間にはばね30が挿入されて
いる。ばね30は、駆動部材27の摺接部27c をカム26a に
押しつけるか、または軸受部27a の前端面を鍔10i に押
しつける働きをする。
【0038】台板10には駆動部材27の自由端27d を係止
する係止部材10j,10k が植設されており、係止部材10j
は副光学系4が挿入位置にもたらされた時に駆動部材27
の揺動を係止し、係止部材10k は副光学系4が退避位置
にもたらされた時に駆動部材27の揺動を係止する。
【0039】また係止部材10k の末端付近には、退避位
置にもたらされた副光学系4の小筒4cが遊嵌状態で落ち
込む円孔10lが設けられている。
【0040】図8は、副光学系4が挿入位置にあって、
かつ位置決め手段28と係合した完全挿入位置にある時の
状態を示している。副光学系4はその他に次の各位置を
とる。
【0041】すなわち、挿入位置にはあるが、正面カム
26a に押し上げられて位置決め手段28には係合しない不
完全挿入位置、円孔10l上にはあるが、その小筒4cが正
面カム26a に押し上げられて円孔10lに落ち込んでいな
い不完全退避位置、小筒4cが円孔10lに落ち込んだ完全
退避位置(図9に図示)である。
【0042】図11および図12は、副光学系挿脱機構
と連動する副光学系逆行阻止機構の正面図を示してい
る。
【0043】カムギヤ26に噛合する阻止ギヤ30f に固設
された阻止板30a は、順次連接した第1の小径部30b と
第1の係接面30c と第2の小径部30d と第2の係接面30
e とを備えている。第1の係接面30c と第2の係接面30
e とはそれぞれ駆動部材27の軸受部27a 付近に設けられ
た係接部27e と係接可能である。
【0044】図11は副光学系4が完全退避位置あるい
は不完全退避位置で係止されている状態を示し、図12
は完全挿入位置あるいは不完全挿入位置で係止されてい
る状態を示している。
【0045】図21は、カム26a のカム線図を示してい
る。カム26a は、回転角Θが0からΘ1 にかけて揚程が
0で変化しない第1平坦区間Aと、Θ1 からΘ2 にかけ
て揚程hが0からh1まで直線的に増加する第1斜面区間
Bと、Θ2 からΘ3 にかけて揚程hがh1で変化しない第
2平坦区間Cと、Θ3 から 360゜にかけて揚程hがh1か
ら0まで直線的に減少する第2斜面区間Dとから成る。
【0046】カム26a は、副光学系4に対して3つの作
用をする。第1は、副光学系4を完全挿入位置と不完全
挿入位置との間で主光学系3の光軸方向に変位させる作
用である。第2は、副光学系4を不完全挿入位置と不完
全退避位置との間で主光学系3の光軸を横切る方向に変
位させる作用である。第3は、副光学系4を不完全退避
位置と完全退避位置との間で主光学系3の光軸方向に変
位させる作用である。詳しくは後述する。
【0047】図2に示すように、台板10の裏面にラック
51が立設されている。基板1cに基端が植設されるととも
に台板10に前部が遊嵌された案内軸51a にラック51は案
内されている。
【0048】ラック51に刻設されたラック歯51b には、
伝達軸52の下端に固設されたピニオン52a が噛み合わさ
れ、伝達軸52は撮影光学系とファインダ光学系,AF光
学系等との間を遮光して仕切る仕切板(不図示)を貫通
している。
【0049】伝達軸52の上端に固結された平歯車52b
は、減速歯車53a に噛み合わされ、該歯車53a の軸50の
上端には制御部材であるカム部材53が枢支されている。
【0050】カム部材53にはカム板71が固設されている
(図13、図14参照)。このカム板71は、後述するカ
ムレバー73以降のアクティブ三角測距方式の自動焦点調
節(以下AFと称する)装置と撮影光学系3、4との連
動をとる。またカム板71の上面には後述のプリント基板
62に摺接する検知ブラシ板61が植設されている。該ブラ
シ板61は、同一の導体で形成され互いに導通する4本の
ブラシ61a,61b,61c,61d を有する。
【0051】減速歯車53a には固定用支柱50a が立設さ
れ、カム板71に穿設された調節用長孔71a に挿通するね
じ71b が固定用支柱50a の上端に螺合することによりカ
ム板71およびカム部材53が減速歯車53a と一体的に組合
わされている。
【0052】減速歯車53a にはバックラッシュを抑える
ためのギヤ50b が噛み合わされ、ギヤ50b はばね50c に
より右旋方向(矢印方向)に付勢されているので、それ
により減速歯車53a も付勢されて歯車53a と52b との間
および歯車52a とラック51bとの間のバックラッシュが
抑えられている。
【0053】カム板71の上方にはエンコーダ用プリント
基板62が配設されている。プリント基板62はカム部材53
の枢軸50に中心部を係止され、周縁部に調節用長孔62a
が設けられ、カメラ本体1の形成された螺合用エンボス
に螺合する止めねじ62b により位置調節されて固定され
ている。
【0054】プリント基板62の下面には、図1に示すよ
うに枢軸50を中心にした同心円状に複数の摺接用パター
ン63が設けられている。
【0055】摺接用パターン63は、内周から接地用の第
1のパターン63a,撮影用の第2のパターン63b,第3のパ
ターン63c,第4のパターン63d,第5のパターン63e が配
置されている。前記台板10に支持された撮影光学系が第
1の移動範囲たる広角領域と、第2の移動範囲たる移行
領域と、第3の移動範囲たる望遠領域とを有しているの
に対応し、全体として摺接用パターン63は、円周を第1
の領域たる広角領域Wと、第2の領域たる移行領域N
と、第3の領域たる望遠領域Tとに分けて配置されてい
る。
【0056】第5のパターン63e は領域の判別用であっ
て望遠領域Tに設けられ、第2のパターン63b,第4のパ
ターン63d あるいは第3のパターン63c の間に入れ子状
態で配設してある。各パターン 63a〜63e に接続する端
子 64a〜64e がプリント基板62の端に設けられている。
【0057】第4のパターン63d,第5のパターン63e の
一部と同一の最外周の円周上に、撮影光学系と摺接用パ
ターン63との位置関係を決める基準位置調整用パターン
63fが配設されている。基準位置調整用パターン63f
は、必要とされる位置決め精度に応じた巾を有してお
り、基準位置調整用パターン63f に接続する調整用端子
64f がプリント基板62の端に設けられている。各パター
ン63a 〜63e にはブラシ板61のブラシ61a,61b,61c,61d
の先端部がそれぞれ接触している。
【0058】撮影光学系3、4が広角領域の無限遠位置
から望遠領域の至近位置までの全行程を移動するのに連
動して、前記各ブラシ61a,61b,61c,61d は枢軸50の周り
を 360度以下の角度で回動する。各ブラシ61a,61b,61c,
61d が接触する位置すなわち撮影光学系の位置に応じ
て、上記各パターン63a 〜63e から出力される各電気信
号はデジタル的に変化する。この各電気信号をデコード
することにより撮影光学系3、4の位置を示す撮影光学
系位置信号が得られる。また、この撮影光学系位置信号
によって後述のスイッチSW3,SW4,SW5 のON,OFFが制御さ
れる。
【0059】すなわち、各ブラシ61a,61b,61c,61d がそ
れぞれの対応するパターンに接触して導通状態になると
図示省略した回路がLow 信号を発し、パターンから外れ
てブラシが絶縁部に接触するとHigh信号を発するものと
し、パターン63b から出力するものをコードAとし、同
様にパターン63d からコードBが、パターン63c からコ
ードCが出力するとして、これらのコード出力の組合わ
せで、次の表のような各種ステップ出力を得ることがで
きる。
【0060】
【表1】
【0061】そして、広角領域W,望遠領域Tいずれの
場合でもステップ8〜7の切換点は撮影光学系の測距
の始点であるリセット位置で、後述するカム面の広角無
限遠点aまたは望遠無限遠点fに対応している。
【0062】ステップ7〜6切換点は無信号停止位置
であり、アクティブ方式の自動焦点調節の場合に、無限
遠位置を撮影しようとすると、投光素子の反射光が弱く
て事実上戻ってこないので、無信号停止位置で撮影光学
系を停止させて撮影をしようとするものである。
【0063】ステップ6〜1は、ストロボ使用時に該ス
トロボの発光量は一定にして絞りで撮影条件を制御する
いわゆるフラッシュマチック制御に位置情報を与えるた
めのものである。
【0064】ステップ2〜1の切換点は最至近距離停
止位置であり、望遠位置から繰出した撮影光学系をここ
で停止させて暴走させないようにするものである。広角
領域Wにおいては、ステップ8からステップ1までが時
計回りに配置され、望遠領域Tにおいては、ステップ8
からステップ2まで設けられていてステップ1は省略さ
れておらず、ステップ3〜2の切換点を最至近距離停
止位置としている。
【0065】前記各パターン63a 〜63e はその要求され
る精度に応じて高い精度を要求されるものほど外周に配
置されている。外周の方が角度変位に対する移動量が大
きいのでそれだけ精度よく検出できるからである。
【0066】すなわち、パターン63a はグランドパター
ンで単にブラシ板61のブラシ61d が摺接していればよ
く、パターン63b はフラッシュマチック制御のみに使用
されているのでさほどの位置精度を要しない。これに対
し、パターン63d はステップ7〜6切換点を出力する
ところであり、遠距離では僅かなレンズ移動量で合焦位
置が大きく影響を受ける。それがどのようであるかを、
縦軸に錯乱円径,横軸に距離をとって撮影レンズの繰出
し量における被写界深度を描いた図22で説明すると、
図においてδは許容錯乱円径を示し、ア,イ,ウが、あ
る繰出量における許容錯乱円径δの場合の被写 界深度
である。アは10mで合焦となる繰出し量の時、5m〜
∞までの範囲でピントが合い、イ,ウはそれより少し遠
距離で合焦となる繰出し量のとき、それぞれ、6m〜
∞,8m〜∞の範囲でピントが合うことを示している。
【0067】そして、アからイ,ウの状態にピントの合
った範囲が移動するときは、レンズ繰出し量はごく微量
であり、仮に設計上5mまでは自動焦点調節制御回路の
作動可能範囲、つまり、5mまではピントが合う範囲エ
として、無信号停止位置をアの位置と仮定したい場合、
ほんの僅か停止信号のパターンがずれてイ,ウのような
ピント範囲になって、被写体が5〜6m,又は5〜8m
の間にあると、そこで全くピントが合わないことになっ
てしまうのである。
【0068】また、パターン63c も至近距離の停止信号
とリセット信号を出力するので高精度を要求される。パ
ターン63f も基準位置の調整は全体の精度を決定するも
のであるから、一層の高精度が要求される。従ってこれ
ら高精度が要求されるパターンは外周に配置してある。
【0069】スイッチSW3 は主光学系3が繰込位置にあ
る時、スイッチSW4 は繰出位置にある時、スイッチSW5
は繰込位置と繰出位置の中間にある時それぞれOFF とな
る。スイッチSW3,SW4 はリミットスイッチとして働き、
主光学系3が繰込位置または繰出位置まで変位してくる
とモータ12の給電を断つ。
【0070】スイッチSW5 は、主光学系3が上記両位置
の中間の位置にあって、フィルム面に被写体像を形成不
可能な時に、シャッターレリーズが出来ないようにする
ためのスイッチであり、後述のシャッター制御回路31
(図9に図示)への給電を断つためのスイッチである。
【0071】図15および図16において、カム部材53
はファインダ切換機構の制御部材をなしており、下部に
カム溝54が刻設され、周縁に起動歯53b,起動歯53b から
一枚分歯を欠いて連続する駆動歯53c,摺接縁53d が形成
されている。
【0072】カム部材53に近接して切換駆動部材55が揺
動軸55a を介してファインダ収納部1aに枢支されて設け
られている。切換駆動部材55は、カム部材53の起動歯53
b,駆動歯53c に対応した起動歯55b,駆動歯55c を有する
扇形部55d と、揺動軸55a の周囲に形成された略放射方
向の第1カム面55e および、円周面である第2カム面55
f とより成るカム部55g と、揺動軸55a から放射状に延
ばされた揺動アーム55h とより成る。
【0073】そして、揺動アーム55h の先端から上方に
延ばされた支持アーム55i の先端には正屈折力の第1対
物レンズ56が固着され、この第1対物レンズ56が第1フ
ァインダ光学系をなしている。
【0074】切換駆動部材55はファインダ収納部1aに突
設されたピンとの間に張設されたばね55j により図15
において時計方向に付勢されている。
【0075】第2ファインダ光学系をなす負屈折力の第
2対物レンズ57は、揺動軸57a を介して直進ホルダ58に
揺動可能に枢支され、直進ホルダ58は、ファインダ収納
部1a内でファインダ光路の光軸方向に直進移動可能に支
持されている。
【0076】第2対物レンズ57の下端面に下方に延びる
係合ロッド57c が突設され、その先端が切換駆動部材55
のカム部55g に係合している。前記ラック51,伝達軸5
2,カム部材53,切換駆動部材55,係合ロッド57c 等が
第2ファインダ光学系駆動手段を構成している。
【0077】一方、ラック51,伝達軸52,カム部材53,
切換駆動部材55等が第1ファインダ光学系駆動手段を構
成している。
【0078】カム部材53のカム溝54には、変倍揺動レバ
ー59に突設された従動ピン59a が係合している。変倍揺
動レバー59は基端部が枢軸59b を介して本体1に枢支さ
れ、枢軸59b より延びた端部に突設されたピン59c と本
体1に固設されたピン1bとの間に変倍揺動レバー59を望
遠位置と広角位置とに保持するトグルばね59d が張設さ
れている。
【0079】カム部材53のカム溝54は、従動ピン59a を
動作させない第1円周溝54a と、従動ピン59a を移動さ
せ、変倍揺動レバー59を揺動させる駆動溝54b と、従動
ピン59a を動作させない第2円周溝54c とにより構成さ
れている。
【0080】変倍揺動レバー59の先端には、略U字形の
割り溝59e が形成され、割り溝59eには、直進ホルダ58
から後方に突設された直動連結アーム58d から下方に延
設された縦動ロッド58e の先端部が係合している。
【0081】図2,図13,図14,図17,図18に
はAF切換装置が示されている。
【0082】すなわち、カム板71の外周には合成樹脂に
よる一体成形でカム面が形成されており、このカム面
は、図17、図18に示すように、広角無限遠点aから
広角至近点bまでの広角領域cと、移行域dと、待機域
eと、望遠無限遠点fから望遠至近点gまでの望遠領域
hとが連続的に形成されて成る。広角領域cの合焦動作
開始点である広角無限遠点aと、望遠領域hの合焦動作
開始点である望遠無限遠点fとに対応する投光素子8cの
方向は同一であるように設定され、これに対して広角至
近点bと望遠至近点gとは撮影限界距離の差から同一に
はならない。また、本実施例では副光学系4が挿入時に
主光学系3と一体に光軸方向に移動するので、広角領域
cと望遠領域hとのカム形状は同一にはならないが、副
光学系4は挿脱するのみで光軸方向に変位せず、主光学
系3のみが光軸方向に変位する撮影光学系では、至近点
付近を除き同一のカム形状になる。
【0083】図2、図13に示すように枢軸72を介して
カメラ本体1に枢支されたカムレバー73の従動端73a が
このカム面に摺接しており、従動端73a はカムレバー73
を付勢するばね73b により常時前記カム面に圧接されて
いる。
【0084】カムレバー73の他端には係合ピン73c が固
設され、係合ピン73c は、枢軸74を介してカメラ本体1
に枢支された連動レバー75の係合アーム75a に係合して
いる。連動レバー75と同心に投光素子保持レバー76が枢
軸74を介して枢支されている。
【0085】連動レバー75は枢軸74に巻装されたばね75
b により上からみて反時計方向に付勢され、それにより
係合アーム75a がカムレバー73の係合ピン73c に当接さ
れている。ばね75b の付勢力はばね73b の付勢力より相
当に小さいので、従動端73aがカム板71のカム面から離
れることはない。
【0086】連動レバー75の端部には調節用偏心ピン75
c が立設され、調節用偏心ピン75cの頂部75d は投光素
子保持レバー76の端部の長孔76a に挿通している。連動
レバー75の係合アーム75a と投光素子保持レバー76の端
部との間には引っ張りばね76b が張設されている。
【0087】連動レバー75と投光素子保持レバー76とは
おおむね一体的に動作するもので、投光素子保持レバー
76に投光素子8cが保持され、図2に示すように全体とし
てばね76c によりカメラ本体1の軸受部端面に当接する
よう図中下方に付勢されると共に、該軸受部に軸支され
ている。
【0088】図2にはさらにファインダ内距離表示切換
機構が示されている。
【0089】すなわち、枢軸81を介して従動レバー82が
カメラ本体1に枢支され、従動レバー82の一端に固設さ
れた従動ピン82a が、直動カム板17に穿設されたカム溝
17bに係合している。
【0090】従動レバー82に連なるようにスライドレバ
ー83が、カメラ本体1に立設されたピン84a,84b とスラ
イドレバー83に穿設された案内孔83a,83b とを介して横
方向に摺動可能に支持されている。
【0091】スライドレバー83の一端には係合ピン83c
が固設され、係合ピン83c は従動レバー82の他端に形成
されたフォーク部82b に係合している。
【0092】スライドレバー83には、ファインダ光学系
の固定レンズ7aの前に位置していて、ファインダの視野
内に選択的あらわれる指針83d,83e を備えている。
【0093】図19は本実施例の光学系3,4 を駆動する
ためのモータ制御回路を示している。
【0094】同図において、モータ12は3つの給電回路
で駆動される。
【0095】第1の経路は、電源Eの正極−スイッチSW
3−スイッチSW7a−モータ12−スイッチSW7b−電源Eの
負極の経路である。この経路で給電がなされることによ
り、モータ12は回転し、主光学系3を繰込位置へ変位さ
せると共に副光学系4を退避位置に変位させる。
【0096】第2の経路は、電源Eの正極−スイッチSW
4−スイッチSW8a−モータ12−スイッチSW8b−電源Eの
負極の経路である。この経路で給電がなされることによ
り、モータ12は第1の経路の時とは逆方向に回転して、
主光学系3を繰出位置へ変位させると共に副光学系4を
挿入位置に変位させる。
【0097】ここでスイッチSW7a,SW7b,SW8a,SW8bは、
後述の論理回路40(図20に図示)によって開閉制御さ
れる半導体スイッチである。
【0098】第3の経路は、自動焦点調節・シャッター
制御回路31とモータ12とを結ぶ経路であって、この制御
回路31の出力によりモータ12は正逆転して、光学系を光
軸方向に前後させ、焦点を合致させる。
【0099】この制御回路31の給電路には、直列接続さ
れたスイッチSW1a、SW5 が挿入されている。スイッチSW
1aは、上記スイッチSW1 によって制御され、これと同相
で開閉される半導体スイッチであって、防塵カバー2が
開位置にある時だけONとなる。スイッチSW5 は主光学系
3が繰出位置と繰込位置とにある時(副光学系4が完全
挿入位置と完全退避位置とにある時)だけONとなる。こ
れらにより防塵カバー2や光学系3,4 が撮影に不適当な
位置にある時に自動焦点調節やシャッターが動作するこ
とが防がれる。
【0100】図20は、図19のモータ制御回路の動作
を制御する論理回路40を示している。この論理回路40
は、一対の入力端子40a,40b と一対の出力端子40c,40d
とを備えている。入力端子40a は上記スイッチSW1 と接
地抵抗の間に、入力端子40b は上記スイッチSW2 と接地
抵抗の間に、出力端子40c は上記スイッチSW7a、SW7bの
制御端子に、出力端子40d は上記スイッチSW8a、8bの制
御端子にそれぞれ接続されている。
【0101】入力端子40a は、スイッチSW1 がONの時、
すなわち防塵カバー2が開位置にある時にHighレベルと
なり、スイッチSW1 がOFF の時、すなわち防塵カバー2
が閉位置にある時にLow レベルとなる。入力端子40b
は、スイッチSW2 がONの時、すなわち焦点距離選択部材
5が望遠位置にある時にHighレベルとなり、スイッチSW
2 がOFF の時、すなわち焦点距離選択部材5が広角位置
にある時にLowレベルとなる。
【0102】出力端子40c は、Highレベルの時上記スイ
ッチSW7a,SW7b を共にONにし、Lowレベルの時共にOFF
にする。出力端子40d は、Highレベルの時上記スイッチ
SW8a,SW8b を共にONにし、Low レベルの時共にOFF にす
る。
【0103】論理回路40の入力端子40a は、イクスクル
ーシブオア回路40e の一方の入力端子とノア回路40f の
一方の入力端子とに接続されている。入力端子40b は、
イクスクルーシブオア回路40e の他方の入力端子とノア
回路40f の他方の入力端子とに接続されている。
【0104】両回路40e,40f の出力端子は、オア回路40
g の両入力端子にそれぞれ接続されている。オア回路40
g の出力端子は、論理回路40の出力端子40c とインバー
タ40h の入力端子とに接続され、インバータ40h の出力
端子は、論理回路40の出力端子40d に接続されている。
【0105】次表には、防塵カバー2の位置、焦点距離
選択部材5の位置、これらの位置によって切り換わる、
スイッチSW1,SW2 の状態、論理回路40の入力端子40a,40
b,出力端子40c,40d のレベル、スイッチSW7a,SW7b,SW8
a,SW8b の状態、主光学系3、副光学系4の位置の関係
がまとめてある。
【0106】
【表2】
【0107】図23は本実施例に係るカメラの具体的制
御回路図を示すものである。
【0108】本制御回路図は、前記エンコーダの出力を
デコードして撮影光学系の位置情報を出力するデコーダ
204 と、合焦検出部270 と、駆動部280 と、切換部290
とを有して成る。デコーダ204 は前記エンコーダの出力
であるコードA,コードB,コードCに対応するスイッ
チ201,202,203 からの信号を入力端子201a〜203a、各々
組合わされたANDゲート205 〜212 およびインバータ
213 〜224 、出力端子205a〜212aを有しており、その出
力は絞り制御回路225 にも接続されている。
【0109】合焦検出部270 は、合焦検出回路240 にト
ランジスタ242 を介して投光LED243 が接続されると
ともに、受光素子241 が接続されて成り、駆動部280
は、駆動モータ12のスイッチング用のPNPトランジス
タ235,236 およびNPNトランジスタ237,238 と、各ト
ランジスタの制御用のNORゲート231,233,ORゲート
232,234 を有して成り、切換部290 は、D−フリップフ
ロップ259 と、NANDゲート256,257 から成るR−S
フリップフロップと、ディレイ回路260 とを有し、D−
フリップフロップ259 のD入力端子には端子258aを介し
て望遠検知スイッチ258 が接続し、ディレイ回路260 の
出力はNANDゲート261 を介してR−Sフリップフロ
ップのNANDゲート257 に入力され、NANDゲート
256 には抵抗255 と光学系切換指示スイッチ254 が接続
されている。望遠検知スイッチ258の信号は前記エンコ
ーダのパターン63e により与えられるものであり、合焦
検出部270 の合焦検出回路240 は、インバータ245 を経
由して接続されたORゲート244,NANDゲート228,22
9 から成るR−Sフリップフロップ,ANDゲート230
を介して駆動部280 に接続されている。ORゲート244
にはリセット用端子244aが接続されている。NANDゲ
ート229 には抵抗227 と手押しスイッチ226 とが接続さ
れている。切換部290 はインバータ262,ANDゲート26
3,264 を介して駆動部280 に接続されている。デコーダ
204 は、ANDゲート247,NORゲート246 を介してA
NDゲート230 に入力するとともに、端子212aがNAN
Dゲート261,ORゲート244 に接続されている。端子21
2aはインバータ253 を介してNANDゲート251,252 よ
り成るR−SフリップフロップのNANDゲート251 に
接続し、NANDゲート252 には撮影光学系リセットス
イッチ249 と抵抗250 とが接続されている。
【0110】前記構成を有する焦点距離切換式カメラを
組立てる際に行う調整について説明する。
【0111】この調整は、大まかに分けると次の3つに
要約できる。
【0112】撮影光学系3、4を広角領域から望遠領
域に切換えるのに必要な繰出量を所定値にする調整 撮影光学系3、4とフィルム面との間隔を所定値にす
る調整 撮影光学系3、4とこれに従動するカム部材53等との
位相を合わせる調整 の調整の具体的手順の例を説明すると下記のとおりで
ある。
【0113】I. 台板10及びこれに取り付いている主光
学系3、副光学系4、副光学系挿脱機構等の部分を1ユ
ニットとし、所定の治具に取り付ける。この治具は、台
板10を主光学系3の光軸方向に案内可能に支持する案内
部材と、主光学系3単体および合成光学系3、4の焦点
距離を検査するためのコリメータとを備えている。
【0114】II. 主光学系3単体で撮影光学系を構成す
る広角状態とし、第1の所定距離(例えば無限遠)にあ
る被写体がフィルム面に相当する面で結像するように、
コリメータを用いながら主光学系3すなわち台板10に位
置調節をする。
【0115】III.II. の調整位置から台板10を所定量繰
り出すとともに、主光学系3の後方に副光学系4を挿入
して望遠状態とする。台板10を所定量繰り出す。そし
て、第2の所定距離(例えば無限遠)にある被写体がフ
ィルム面に相当する面で結像するように、コリメータを
用いながら主光学系3と副光学系4との空気間隔の調整
をする。副光学系4は駆動部材27に螺合された支持筒4e
に保持されているから、支持筒4eを回動させることによ
り副光学系4を光軸方向に移動させることができ、主光
学系3との空気間隔を加減することができる。
【0116】の調整の具体的手順の例を説明すると下
記の如くである。
【0117】IV. 上記I〜IIIの調整が完了したユニット
をカメラに組込み、コリメータの光路中に挿入する。
【0118】V. 図2に実線で示すように主光学系3の
みで広角の撮影光学系を構成し、かつ平歯車52b と減速
歯車53a との噛み合いは外した状態に、すなわちカム部
材53と撮影光学系3、4との連動を断った状態にする。
【0119】VI. モータ12に給電した台板10を概略の位
置に粗調整した後、モータ12への給電を止める。そして
主光学系3が、第3の所定距離(例えば2.4m)にある被
写体をフィルム面で結像するように、コリメータを用い
ながら台板10の位置の微調節を行う。これは、図2、図
10に示す止めねじ15a を緩め、案内軸15のすり割15c
にドライバの先を嵌合させて案内軸15を回動させること
により行われる。図10で明らかなように案内軸15自体
は軸方向には動けないのでギヤ14に対して相対的に回動
し、モータ12が停止しているのでギヤ14もまた回動しな
い。従って台板10が光軸方向に前後する。調整が完了す
ると止めねじ15a を締結して案内軸15を固定する。
【0120】の調整の具体的手順の例を説明すると下
記のとおりである。
【0121】VII. 次に撮影光学系3、4とカムレバー7
3とに対するカム部材53(カム板71)の位置関係を定め
る調整を行なう。上記VIの調整が完了した状態、すなわ
ち主光学系3が第3の所定距離にある被写体をフィルム
面に結像させる位置にある状態で、平歯車52b と減速歯
車53a とを噛み合わせ、カム部材53と撮影光学系3、4
とが連動可能な状態にする。図2、図13、図14に示
すねじ71b は緩めて、カム部材53(カム板71)が長孔71
a の範囲内で回動できるようにする。そして図13に示
すように、カムレバー73の従動端73a に付した指標と、
カム板71に付した指標とを対向させ、ねじ71b を締結す
る。カム板71の指標は、上記第3の所定距離に被写体が
あることを自動焦点調節装置が検出する時、従動端73a
に対してカム板71がとるべき位置を示しているので、こ
の調整が完了すると、撮影光学系3、4とカムレバー73
とに対するカム部材53(カム板71)の位置が定まる。
【0122】VIII. 次に撮影光学系3、4に対するエン
コーダ用プリント基板62の位置を調整する。まずねじ62
b を緩めておき、エンコーダ用プリント基板62が長孔62
a の範囲内で軸50の周りを回動できるようにする。そし
て、撮影光学系3、4が上記第3の所定距離にある被写
体に合焦している時に、エンコーダ用プリント基板62が
とるべき位置に該基板62を位置決めし、ねじ62b を締結
する。この基板62がとるべき位置とは、第3の所定距離
にある被写体に撮影光学系が合焦していることを示す上
記撮影光学系位置信号が基板62の下面に設けられた各摺
接用パターンより得られる位置のことである。
【0123】以上でカム板71の広角無限遠点a、同至近
点b、望遠無限遠点f、同至近点gの各点に、カムレバ
ー73の従動端73a が対向している時、撮影光学系は広角
状態で無限遠、同状態で至近、望遠状態で無限遠、同状
態で至近の各距離にある被写体にそれぞれ正確に合焦
し、前記各摺接用パターンからは正確な撮影光学系位置
信号が得られる。
【0124】次にAF光学系の調整を行なう。主光学系
3の光軸上の前記所定の被写体距離(例えば2.4m)
の位置に標板を置き、投光素子8cに通電して受光素子8d
に入射させる。そして受光素子8dの出力が予め定められ
た合焦検出状態になるように、偏心ピン75c を回動させ
て投光素子8cの向きを調節する。
【0125】カム板71における広角領域cと望遠領域h
とは前記第1の所定量の繰出しに相当する回転角の分だ
け離してあるので、前記調節のみでカム板71のカム面の
全領域の調節ができていることになる。
【0126】以上で各調整が完了する。
【0127】次に動作の説明をする。
【0128】(1)図3に示すように、防塵カバー2が
開位置に、焦点距離選択部材5が望遠位置にあって、主
光学系3が既に繰出位置にある時は、スイッチSW1,SW2
は共にONの状態にあるので、論理回路40の入力端子40a,
40b は共にHighレベルとなる。イクスクルーシブオア回
路40e,ノア回路40f の出力端子はLow レベルとなり、オ
ア回路40g の出力端子もLow レベルとなる。論理回路40
の出力端子40c,40d はそれぞれLow,Highレベルとなる。
【0129】これにより図19に示すスイッチSW7a,SW7
b はOFF となり、スイッチSW8a,SW8b はONとなる。主光
学系3は繰出位置にあるので、スイッチSW3,SW4,SW5
は、それぞれON,OFF,ON の状態にある。スイッチSW7a,S
W7b がOFF であるから上記第1の経路は形成されず、ス
イッチSW4 がOFF であるから上記第2の経路も形成され
ない。
【0130】この場合、主光学系3は繰出位置で、副光
学系4は図8に示すように位置決め手段28と完全に係合
した完全挿入位置でそれぞれ静止しており、両光学系に
より合成光学系が構成され、その焦点距離は望遠の領域
になる。スイッチSW1a,SW5は共にONであるから、自動焦
点調節・シャッター制御回路31は作動可能状態にあり、
望遠光学系での撮影が可能である。
【0131】また、ファインダ光学系も、第2対物レン
ズ57の前に第1対物レンズ56が位置した図15に示すよ
うな望遠状態になっている。
【0132】図示省略したレリーズ釦を押すことによる
撮影開始操作に伴い、モータ12は第3の経路で給電を受
けて回転し、光学系3,4 を望遠領域の無限遠から至近位
置の間で光軸方向に変位させ、焦点調節を行わせる。望
遠撮影の焦点調節のため主光学系3,副光学系4 とともに
台板10が前後に変位する。
【0133】望遠状態での撮影も広角状態での撮影もほ
ぼ同様であり、撮影の仕方については後に広角状態にお
いて説明する。
【0134】図15に示すように、望遠領域における焦
点調節のためのモータ12の回転に伴ないカム部材53が回
動する場合、直進ホルダ58の縦動ロッド58e は変倍揺動
レバー59の割り溝59e の一方の内壁とファインダ収納部
1aに設けられた案内溝1fの後端との間に挾持され、カム
部材53の起動歯53b と切換駆動部材55の起動歯55b とは
離間し、変倍揺動レバー59の従動ピン59a はカム部材53
のカム溝54の第1円周溝54a の範囲内で移動し、かつ、
第1円周溝54a の側壁に従動ピン59a が接触しないよう
になっているので、ファインダ光学系が動作して切り変
えられたり振動することはない。
【0135】(2)図3に示す前記望遠状態から焦点距
離選択部材5を広角位置に切り換えると、スイッチSW2
がOFF の状態になり、図20の論理回路40の入力端子40
b がLow レベルとなる。イクスクルーシブオア回路40e
の出力端子はHighレベルとなるので、オア回路40g の出
力端子はHighレベルに反転し、論理回路40の出力端子40
c,40d はそれぞれHigh、Low レベルに反転する。
【0136】これにより図19に示すスイッチSW7a,SW7
b はONとなり、スイッチSW8a,SW8b,はOFF となる。主光
学系3は繰出位置にあり、スイッチSW3,SW4,SW5 は、そ
れぞれON, OFF,ONの状態にあり、スイッチSW7a,SW7b が
ONであるから上記第1の経路が形成されて、モータ12が
起動する。従って主光学系3は繰出位置から繰込位置に
向けて変位しはじめる。
【0137】副光学系4は、このモータ12の初期の回転
で位置決め手段28と係合する完全挿入位置(図8に図
示)から光軸方向に変位して、これに係合しない不完全
挿入位置に変位する。この光軸方向の変位は、カム26a
が図12に示す状態から反時計方向に回転して第1斜面
区間Bで駆動部材27の摺接部27c を押し上げることによ
るものである。
【0138】カム26a が第1斜面区間Bで駆動部材27の
摺接部27c を押し上げる前に、駆動部材27の係接部27e
は、阻止板30a の第1の小径部30b と対向する位置から
第1の係接部30c と接触する状態になる。そして、副光
学系4が不完全挿入位置に至る前に、係接部27e は第1
の係接部30c との係接を解き、第2の小径部30d と対向
する状態に至る。図12はその直前の状態を示してい
る。
【0139】副光学系4が不完全挿入位置に至って位置
決め手段28との係合を解き、係接部27e が小径部30d と
対向すると、駆動部材27は光軸を横切る方向に揺動可能
となるので、続くモータ12の回転に伴い、摺接部27c は
第1斜面区間Bに押されて主光学系3の光軸を横切る面
内を反時計方向に揺動する。
【0140】この際図8、図9に示す際副光学系4の小
筒4cの端面が、主光学系3の光軸に対して直角な、台板
10の裏面10m 上を摺接しながら同方向に揺動する。主光
学系3が繰込位置に近づくと、駆動部材27の自由端27d
は係止部材10k に当接し、その揺動を阻止され、副光学
系4は円孔10lに挿入しない不完全退避位置に到達す
る。
【0141】その後もモータ12は回転を継続するので、
駆動部材27の摺接部27c は、カム26a の第1斜面区間B
を昇りつめ、第2平坦区間Cに到達する。この時阻止板
30aの第2の係接部30c が駆動部材27の係接部27e に係
接する。
【0142】引続いて摺接部27c は、第2斜面区間Dを
滑り下りる。この際、ばね30の作用により摺接部27c が
第2斜面区間Dに沿って滑り下りるとともに時計方向に
回転して副光学系4が挿入位置方向に復動する虞れがあ
るが、この復動は第2の係接部30e と係接部27e との係
接により阻止される。
【0143】摺接部27c が第2斜面区間Dに沿って滑り
下りる途中で、図9に示すように軸受部27a の前端面が
鍔10i に当接するので、摺接部27c は、カム26a から離
れ、第1平坦区画Aと対向するが、接触しない状態に至
る。
【0144】これに伴う駆動部材27の光軸方向の変位に
より、副光学系4の小筒4cは、台板10の円孔10lに挿入
され、保持筒4aの端面4bは円孔10lの縁に当接して完全
退避位置に至る。この時、主光学系3は、繰込位置に到
達している。またこの時、係接部27e は第2の係接部30
e との係接を解かれ、第1の小径部30b と対向してい
る。
【0145】なお、軸受部27a の前端面が鍔10i に当接
することにより駆動部材27が光軸方向の変位を停止した
後に、副光学系4を円孔10lに挿入させる付勢力は、ば
ね29が供給する。
【0146】主光学系3が繰込位置に到達すると、図1
9に示すスイッチSW3,SW4,SW5 は、それぞれOFF,ON,ON
の状態になる。スイッチSW3 がOFF になると、上記第1
の経路は断たれ、モータ12への給電は停止される。従っ
て主光学系3は繰込位置で、副光学系4は完全退避位置
でそれぞれ静止するので、光学系は主光学系3のみで構
成され、その焦点距離は広角の領域になる。またスイッ
チSW1,SW5 は共にONであるから、自動焦点調節・シャッ
ター制御回路31は作動可能状態にあり、広角領域での撮
影が可能になる。
【0147】また、上記状態の転換に応じてファインダ
光学系はファインダ切換機構により次のように切り換え
られる。すなわち、第1ファインダ光学系6が挿入位置
から退避位置に移動される。
【0148】望遠状態から広角状態に切り換えられるた
め台板10は大きく後退するので、ラック51が大きく後退
し、ラック歯51b,ピニオン52a,伝達軸52,平歯車52b,減
速歯車53a の経路によりカム部材53が大きく回動され
る。
【0149】カム部材53の回動により起動歯53b が切換
駆動部材55の扇形部55d の起動歯55b を押し、さらに駆
動歯53c と駆動歯55c とが噛み合う、起動歯53b と駆動
歯53c との間および起動歯55b と駆動歯55c との間は一
枚分歯が欠かれているので、干渉することなく円滑に噛
み合いをはじめる。
【0150】すると図16に示すように、切換駆動部材
55が回動されるので、第1カム面55e に係合ロッド57c
の先端部が押され、第2対物レンズ57は揺動軸57a を中
心にして反時計方向に設定角度だけ回動し、係合ロッド
57c の先端部が第2カム面55f に至ると第2対物レンズ
57は一定の角度に保持される。
【0151】第2対物レンズ57の角度変位に同調して、
第1対物レンズ56は切換駆動部材55とともにカム部55g
を中心に弧を描き、第2対物レンズ57が正面を向いてい
るときの端をかすめて移動する。
【0152】このとき、第2対物レンズ57はファインダ
光学系の窄まった部位に隣接して形成された略台形の空
間に収納されている。
【0153】その後変倍揺動レバー59の従動ピン59a は
カム溝54の第1円周溝54a から駆動溝54b の領域に達す
る。すると、変倍揺動レバー59は枢軸59b を中心にして
時計方向に回動し、それにより、割り溝59e,従動ロッド
58e,直動連結アーム58d を介して直進ホルダ58が前方に
押される。
【0154】直進ホルダ58が前方に押されると、係合ロ
ッド57c の先端部が切換駆動部材55の第2カム面55f か
ら外れるので、第2対物レンズ57は元のように正面を向
きカム部55g と干渉することなく直進ホルダ58および第
2対物レンズ57は第1対物レンズ56といれかわって元の
第1対物レンズ56の位置に押し出され、変倍揺動レバー
59はトグルばね59d により広角位置に反転保持され図2
に示す状態になり広角用のファインダ光学系になる。
【0155】前記各系の切換と同時にAF系およびファ
インダ内距離表示の切換もなされる。
【0156】すなわち、図18に示すように望遠状態に
おいてはカムレバー73の従動端73aはカム板71のカム面
の望遠領域hにあるが、カム部材53が回転すると、従動
端73a は、望遠領域hにおける合焦動作開始位置である
望遠無限遠点fを越え、円周面である待機域eを経て移
行域dに至り、広角領域cに入って広角状態に切換わ
り、最終的には、図17に示すように従動端73a は広角
領域cにおける合焦動作開始位置である広角無限遠点a
に位置する。
【0157】これにより、投光素子8cの投光方向が主光
学系3の光軸とほぼ並行な無限遠方向になる。
【0158】また、望遠から広角への切換時の台板10の
後退により直動カム板17も一体的に後退して図2に示す
状態となり、カム溝17b に係合した従動ピン82a が変位
させられ、望遠状態においてファインダ内に見えていた
指針83e は視界から去り、指針83d が視界に入るように
なる。
【0159】図示省略したレリーズ釦による撮影開始操
作に伴いモータ12は第3の経路で給電を受けて回転し、
主光学系3を図2に示す広角領域の無限遠位置から至近
位置へ向けて繰出させ、焦点調節を行わせる。
【0160】このモータ12の回転に伴ないギヤ13を介し
てギヤ14が回転し、ギヤ14は台板10に対して前後に移動
できないので、台板10とともに案内軸15に沿って移動す
る。台板10の動きはラック51のラック歯51b を介してピ
ニオン52a に伝達され、伝達軸52から平歯車52b,減速歯
車53a を介してカム部材53に回転運動に変換して伝達さ
れる。
【0161】ばね50c に付勢されたギヤ50b が減速歯車
53a に噛み合わされているので噛合の間のバックラッシ
ュが抑えられ、精度よく伝達される。
【0162】減速歯車53a が回動するとカム部材53も一
体的に回動し、従動端73a がカム板71のカム面に追従し
てカムレバー73が撮影距離に合わせて回動変位する。広
角撮影であるから、従動端73a は広角領域cの無限遠点
aから至近点bに向けて移動する。望遠撮影であれば望
遠領域hの無限遠点fから至近点gに向けて移動する。
【0163】カムレバー73の変位は投光素子8cの傾動と
してあらわれ、投光素子8cからの光線が無限遠から至近
方向に向けて振られる。この光線が被写体に当たると、
そこで反射して受光素子8dに戻って来る。この時の受光
素子8dの出力状態の変化が測距装置により演算され、あ
らかじめ想定された合焦検出出力になったときモータ12
が停止する。この時撮影光学系(主光学系3)は被写体
に合焦している。合焦完了に伴ない投光素子8cの投光も
止められ、引き続いて撮影がなされる。
【0164】カム部材53その他に慣性があり、信号と停
止距離には偏差があるので、カム板71のカム面はそれを
考慮して先行したものにしてある。
【0165】台板10が前後に移動すると、直動カム板17
のカム溝17b により従動ピン82a を介してスライドレバ
ー83が横方向に移動させられ、ファインダの視野内で指
針83d が動くのでファインダをのぞきながら指針の示す
視野内のマークにより被写体との大体の距離を知ること
ができる。望遠撮影であれば指針83e が同様の働きをす
る。
【0166】レリーズ釦を離すと、モータ12は逆転し、
主光学系3は広角領域の無限遠位置まで繰込まれ、カム
レバー73の従動端73a は無限遠点aに対向して次の撮影
に備える。位置の検出はスイッチSW3,SW4,SW5 によりな
される。
【0167】広角領域における焦点調節のためのモータ
12の回転の間、駆動部材27の摺接部27c は、第1平坦区
間Aと対向するだけで接触しないので駆動部材27が動く
ことはなく、副光学系4は完全退避位置に留まってい
る。
【0168】広角状態において、焦点調節のためカム部
材53が回動されても直進ホルダ58の縦動ロッド58e はの
付勢力により、変倍揺動レバー59の割り溝59e の内壁と
ファインダ収納部1aに設けられた案内溝1fの前端との間
に挾持されて保持されている。
【0169】変倍揺動レバー59の従動ピン59a はカム部
材53のカム溝54の第2円周溝54c の範囲内で移動し、か
つ、第2円周溝54c の側壁に従動ピン59a が接触しない
ようになっていて、従動ピン59a がカム溝54の第2円周
溝54c の領域内で移動するので変倍揺動レバー59が揺動
することはなく、切換駆動部材55の扇形部55d の駆動歯
55c の端はカム部材53の摺接縁53d に摺接しているの
で、第2対物レンズ57が変位することはなく、安定して
保持されている。
【0170】(3)望遠状態から防塵カバー2を開位置
から閉位置に向けて変位させると、スイッチSW1 がOFF
になり、論理回路40の入力端子40a がLow レベルとな
り、イクスクルーシブオア回路40e の出力端子はHighレ
ベルとなる。以下の動作は(2)と同様で、焦点距離選
択部材2 が望遠位置にあるにもかかわらず主光学系3は
繰出位置から繰込位置に向けて変位し、副光学系4は完
全挿入位置から完全退避位置に向けて変位する。
【0171】主光学系3が繰込位置に変位すると、防塵
カバー2を閉位置まで変位させることが可能となる。防
塵カバー2が閉位置に到達するとスイッチSW1 と同相の
スイッチSW1aは、OFF となるから、自動焦点調節・シャ
ッター制御回路31への給電は断たれ、撮影は不可能とな
る。
【0172】同様にファインダ光学系,AF系等におい
ても、前記望遠位置から広角位置への切り換えがなされ
ることになる。
【0173】(4)広角状態から防塵カバー2を閉位置
に変位させると、スイッチSW1 と同相のスイッチSW1a
は、OFF となるから、自動焦点調節・シャッター制御回
路31への給電は断たれ、撮影は不可能となる。
【0174】(5)図4に示す広角状態から焦点距離選
択部材5 を望遠位置に切り換えると、スイッチSW2 がON
の状態になり、図20に示す論理回路40の入力端子40a,
40b は共にHighレベルとなる。イクスクルーシブオア回
路40e,ノア回路40f の出力端子は共にLow レベルとなる
ので、オア回路40g の出力端子はLow レベルに反転し、
論理回路40の出力端子40c,40d はそれぞれLow,Highレベ
ルに反転する。
【0175】これにより図19に示すスイッチSW7a、SW
7bはOFF となり、スイッチSW8a、SW8bはONとなる、主光
学系3は繰込位置にあるので、スイッチSW3,SW4,SW5
は、それぞれOFF,ON,ON の状態にある。スイッチSW8a,S
W8b がONであり、スイッチSW4がONであるから上記第2
の経路が形成されて、モータ12が(2)の時と逆方向に
回転しはじめる。従って主光学系3は繰込位置から繰出
位置に向けて変位しはじめる。
【0176】このモータ12の初期の回転で、副光学系4
は、図9に示す完全退避位置から光軸方向に変位して円
孔10lから脱し、不完全退避位置に変位する。この光軸
方向の変位は、カム26a が回転して第2斜面区画Dで駆
動部材27の摺接部27c を押し上げることによるものであ
る。
【0177】カム26a が第2斜面区間Dで駆動部材27の
摺接部27c を押し上げる前に、駆動部材27の係接部27e
は、阻止板30a の第1の小径部30b と対向する位置から
第2の係接部30e と接触する状態になる。そして副光学
系4が不完全退避位置に至る前に、係接部27e は第2の
係接部30e との係接を解き、第2の小径部30d と対向す
る状態に至る。図11はこの直前の状態を示している。
【0178】その後、副光学系4が不完全退避位置に至
って円孔10lから脱すると、駆動部材27は主光学系3の
光軸を横切る方向に揺動可能となる。
【0179】続くモータ12の回転に伴い摺接部27c は、
第2斜面区間Dにより該光軸を横切る方向に押されるの
で、駆動部材27は同方向に揺動し、副光学系4の小筒4c
の端面が台板10の裏面10m 上を滑りながら、不完全退避
位置から不完全挿入位置に向かう。
【0180】主光学系3が繰出位置に近づくと、駆動部
材27の自由端27d は係止部材10j に当接し、その揺動を
阻止され、副光学系4は不完全挿入位置で停止する。そ
の後もモータ12は回転を継続するので、駆動部材27の摺
接部27c は、カム26a の第2斜面区間Dを昇りつめ、第
2平坦区間Cに到達する。この時、阻止板30a の第1の
係接部30c が駆動部材27の係接部27e に係接する。
【0181】引続いて摺接部27c は、図12に示すよう
に第1斜面区間Bを滑り下りる。この際、ばね30の作用
により駆動部材27が第1斜面区間Bに沿って反時計方向
に回転し、副光学系4が退避位置方向に復動する虞れが
あるが、係接部27e が第1の係接部30c に係接して阻止
される。
【0182】摺接部27c が第2斜面区間Dを滑り下りる
途中で、軸受部27a の前端面が鍔10i に当接するので、
摺接部27c はカム26a から離れ、第1平坦区間Aと対向
するが接触しない状態に至る。
【0183】これに伴う駆動部材27の光軸方向の変位に
より、副光学系4の保持筒4aの小筒4cは、位置決め手段
28の案内面28b に当接した後、これに案内されて案内面
28aに挿入され、保持筒4aの端面4bは位置決め手段28の
当接面28c に当接し、図8に示す完全挿入位置に至って
副光学系4に位置決めが完了する。この時主光学系3
は、繰出位置に到達している。また、この時、係接部27
e は第1の係接部30c との係接を解かれ、第1の小径部
30b と対向している。
【0184】なお、軸受部27a が鍔10i と当接すること
により駆動部材27が光軸方向の変位を停止した後に、副
光学系4を位置決め手段28に係合させる付勢力は、ばね
29が供給する。
【0185】主光学系3が繰出位置に到達すると、
(1)で説明したようにスイッチSW3,SW4,SW5 は、それ
ぞれON,OFF,ONの状態になる。スイッチSW4 がOFF にな
ると、上記第2の経路は断たれ、モータ12への給電は停
止される。従って図2に示すように、主光学系3は繰出
位置で、副光学系4は完全挿入位置でそれぞれ静止し、
合成光学系が構成され、その焦点距離は望遠の領域にな
る。またスイッチSW1a,Sw5は共にONであるから、自動焦
点調節・シャッター制御回路31は作動可能状態にあり、
望遠光学系での撮影が可能である。
【0186】上記切換動作に応じてファインダ光学系
は、広角状態から望遠状態へ切り換えられる。
【0187】すなわち、主光学系3 および副光学系4 が
望遠状態に切り換えられるとき、台板10が大きく前進す
るので、前記とは逆にカム部材53が大きく回転する。
【0188】それにより変倍揺動レバー59の従動ピン59
a がカム溝54の第2円周溝54c から駆動溝54b に至り、
図14および図15(C) に示す状態から変倍揺動レバー
59は反時計方向に回動し、第2対物レンズ57および直進
ホルダ58を後方に引き戻す。第2対物レンズ57および直
進ホルダ58が後退すると係合ロッド57c の先端部が切換
駆動部材55のカム部55g の第2カム面55f に当接し、第
2対物レンズ57は揺動軸57a を中心に角度的に傾いた状
態に保持される。
【0189】それに同調して、駆動歯53c が駆動歯55c
に噛み合い、切換駆動部材55が時計方向に回動され、収
納されていた第1対物レンズ56が揺動軸55a を中心に弧
を描いて時計方向に回動する。
【0190】次に係合ロッド57c の先端部はカム部55g
の第1カム面55e に至り、最終的に第2対物レンズ57は
正面を向き、直進ホルダ58は第2対物レンズ57の正面前
方に復帰し図15に示す望遠状態になる。
【0191】同様にファインダ内距離表示も前記(2)
とは逆の動作により広角状態から望遠状態に切り換えら
れる。
【0192】(6)望遠状態で防塵カバー2をかぶせた
状態から防塵カバー2を開位置に向けて変位させると、
スイッチSW1 がONの状態になり、論理回路40の入力端子
40a,40b は共にHighレベルとなる。以下は前記(5) で
述べた動作と同じである。
【0193】前記撮影ならびに光学系切換動作を前記図
23に即して具体的に説明すれば、次の通りである。
【0194】(イ)撮影時の動作は次の通りである。
【0195】撮影動作は広角領域W,望遠領域Tいずれ
の場合も同様である。
【0196】デコーダ204 の信号は撮影光学系の繰出量
すなわち被写体距離を示すものであり、ストロボ使用時
のフラシュマチック制御用に絞り制御回路225 に入力さ
れ、各ステップに応じた撮影条件が設定される。撮影は
前記エンコーダにおけるステップ8から繰出して測距が
なされる。
【0197】測距開始スイッチとして、手押しスイッチ
226 がオンになると、通常は抵抗227 でHレベルになっ
ていたNANDゲート229 の片側入力がLとなる。NA
NDゲート228 およびNANDゲート229 はR−Sフリ
ップフロップを構成しているので、NANDゲート229
の片側入力がLとなることでNANDゲート229 の出力
はHレベルになり、この信号はANDゲート230 へ与え
られる。ANDゲート230 の他入力がHであるとすれば
ANDゲート230 の出力はHとなり、その出力で制御さ
れるNORゲート231 は出力がL,ORゲート234 はH
となって、PNPトランジスタ235 がオン,NPNトラ
ンジスタ238 もオンとなり、駆動モータ12にPNPトラ
ンジスタ235,駆動モータ12,NPNトランジスタ238 の
電流路が形成され、駆動モータ12が回転する。このとき
の回転方向を正転とする。
【0198】駆動モータ12の回転によって撮影光学系が
駆動され、同時に前記機構により投光LED243 が傾動
してスキャンを行う。合焦検出回路240 は受光素子241
の出力状態により合焦時にHを出力するものである。
【0199】このH信号は、インバータ245 を介してO
Rゲート244 に与えられ、ORゲート244 の他入力が全
てLであれば、合焦検出回路240 からの出力によってO
Rゲート244 はL信号を出力し、それがNANDゲート
228 へ入力され、NANDゲート229 の出力はLにリセ
ットされる。従って、ANDゲート230 の出力もLとな
り、それまで駆動モータ12を駆動していたNORゲート
231 の出力がH,ORゲート234 の出力がLとなること
でPNPトランジスタ235 ,NPNトランジスタ238 そ
れぞれがオフとなり、駆動モータ12が停止し、撮影がな
される。
【0200】撮影が完了すると撮影光学系は撮影開始位
置にリセットされる。
【0201】撮影光学系リセットスイッチ249 がオンに
なると、抵抗250 によってその片側入力がHレベルに固
定されていたNANDゲート252 はその出力がHにセッ
トされる。NANDゲート251,NANDゲート252 はR
−Sフリップフロップを構成しているのでNANDゲー
ト252 はその状態に保持される。
【0202】NANDゲート252 がHにセットされる
と、それに接続されているNORゲート233 およびOR
ゲート232 はそれぞれL,Hを出力し、PNPトランジ
スタ236,NPNトランジスタ237 がオンとなり、PNP
トランジスタ236,駆動モータ12,NPNトランジスタ23
7 による電流路が形成され駆動モータ12が逆転する。こ
の逆転は撮影光学系がステップ8以外の位置からステッ
プ8に繰込まれる動作となる。
【0203】駆動モータ12が逆転することで撮影光学系
が繰込まれてステップ8に入るとデコーダ204 のAND
ゲート212 が端子212aにHを出力し、それによってイン
バータ253 を介してNANDゲート251 の片側入力がL
となることでNANDゲート252 の出力がLへリセット
され、NORゲート233,ORゲート232 が出力Lとなっ
てPNPトランジスタ236 NPNトランジスタ237 がオ
フになり駆動モータ12が停止する。
【0204】以上が撮影の開始から次の撮影に備えてリ
セットするまでの動作である。
【0205】合焦までにおいて、合焦検出回路240 の出
力はインバータ245 を介してORゲート244 に入力され
ているがORゲート244 にはデコーダ204 の端子211aお
よび端子212aの出力が接続されており、これらはそれぞ
れステップ7およびステップ8でHとなるものである。
【0206】合焦検出開始状態として前記のように手押
しスイッチ226 がオンすることで駆動モータ12は正転方
向へ駆動されるが同時に図1に示すエンコーダパターン
上をブラシが摺動し、いずれの場合も始点はステップ8
である。従ってステップ8およびステップ7の位置の範
囲では必ず出力がHとなり、合焦検出回路240 からの合
焦検出信号が入力されたとしても、その信号は無視され
ることになる。このことは、合焦検出動作において、駆
動モータ12の起動時等に発生する電源の変動などによっ
て合焦検出回路240 が誤信号を発したとしてもマスクさ
れることになり有効である。
【0207】また、被写体が無限遠などにあり、合焦検
出回路240 の出力が最初からH信号を出力するようにし
てあって、デコーダ204 の端子211a,端子212aの出力が
Hである場合、ステップ7,8ではNANDゲート229
の出力はリセットされず、ステップ6に入って端子211
a,端子212aの両出力がLとなったときに駆動モータ12
が停止する。この位置を無限遠距離として設定する。な
お、この無限遠距離の設定は、光学系の被写界深度を考
慮に入れれば過焦点距離として設定してもよい。また、
合焦検出回路240 が合焦検出信号を出力しない状態、つ
まり被写体距離が近すぎる場合においては、NANDゲ
ート229 はリセットされることがなく駆動モータ12は正
転を続けることになるが、この場合はANDゲート230
の片側に入力されているNORゲート246 によって動作
が制御される。すなわち、NORゲート246 はデコーダ
204 の出力端子205aの出力がH,つまりステップ1、あ
るいは望遠検知スイッチ258 がオン状態でのデコーダ20
4 の端子206aの出力がH,つまりステップ2を検出する
ことでL出力が発生し、ANDゲート230 の出力を強制
的にLにする。このことは、撮影光学系の繰出し位置制
限を行なっていることに他ならない。本実施例において
は広角領域ではステップ1で位置制限をし、望遠領域で
はステップ2で位置制限をしているが、同一のステップ
でも問題ない。
【0208】また、NORゲート246 の出力によってA
NDゲート230 の出力を制御した場合、NANDゲート
229 はリセットされないままとなるが、このときのリセ
ットはリセット用端子244aにLを入力することで行なう
ことができる。
【0209】なお、リセット位置としての判定ステッ
プ,繰出しの際の起動時の誤信号防止用のマスク用ステ
ップおよびAF信号時の過焦点停止位置のステップつい
て広角の範囲,望遠の範囲ともに夫々同じステップとし
て設定している。これは、夫々の範囲において異なった
ステップに設定してもよいわけであるが、共通のステッ
プを設定することで共通の制御回路を利用することがで
きるという利点がある。(ロ)撮影光学系の切換時の動
作は次の通りである。
【0210】広角領域から望遠領域に切換えるとすれ
ば、切換のために光学系切換指示スイッチ254 がオンに
なると、抵抗255 によってHに固定されていたNAND
ゲート256 の片側入力がLとなり、R−Sフリップフロ
ップを構成しているNANDゲート256 とNANDゲー
ト257 とにおいてNANDゲート256 の出力はHにセッ
トして保持される。このときD−フリップフロップ259
のクロック入力がNANDゲート256 の出力でHとな
り、D−フリップフロップ259 のD入力に接続された望
遠検知スイッチ258 の状態を端子258aを介して読み取っ
て出力する。望遠検知スイッチ258 は前記エンコーダ上
ではパターン63e からの出力に相当し、本実施例では望
遠領域Tにおいてオンとなるように設定されている。
【0211】従って広角領域Wにおいて光学系切換指示
スイッチ254 をオンにした場合、望遠検知スイッチ258
はオフであるのでD−フリップフロップ259 の出力はH
となる。このH信号によってANDゲート263 の出力は
Hとなり、NORゲート231がL,ORゲート234 がH
となって前記のように駆動モータ12は正転する。駆動モ
ータ12の正転によってスイッチ201,202,203 はステップ
8〜1を出力するものであるが、移動領域Nを越えて望
遠領域Tにおいてステップ8にかかり、デコーダ204 の
端子212aの出力がHとして出力されることでNANDゲ
ート261 を通してNANDゲート257 の片側入力がLと
なり、NANDゲート256 の出力はLへリセットされて
駆動モータ12が停止する。
【0212】ここで、NANDゲート261 はディレイ回
路260 によって制御されており、このことは、駆動モー
タ12の正転開始より一定時間遅れを設定してから端子21
2aの情報をNANDゲート257 へ伝達するようにしたこ
とになり、望遠領域Tから広角領域Wに切換える際の駆
動モータ12の起動時にステップ8に位置していてNAN
Dゲート256 がその場でリセットされるのを防止してい
る。
【0213】望遠領域Tから広角領域Wに切換える場合
は、光学系切換指示スイッチ254 をオンにすると、望遠
検知スイッチ258 はオンとなっているからD−フリップ
フロップ259 の出力はLとなる。従って、ANDゲート
263 の出力はLとなり、ANDゲート263 の出力はイン
バータ262 を介してHとなり、このことで駆動モータ12
が逆転駆動される。停止については正転の場合と同様な
ので説明を省略する。本実施例によれば、広角領域a,
移行域d,待機域e,望遠領域hの各カム面が合成樹脂
製のカム板71に一体成形により形成されているので、製
造,組立が簡単となる。
【0214】また、このカム板71と撮影光学系との相対
位置は、調整機構71a,71b により調整可能となっている
ため、高い焦点調節精度が得られる。
【0215】カム板71の広角領域aと望遠領域hとを一
体成形したため、両領域の相対位置を変化させることが
できないので、望遠領域hのバック出し調節は主光学系
3と副光学系4との空気間隔を調整することにより行え
るようにした。
【0216】なお、上記実施例において、撮影に先立つ
自動焦点調節時に撮影光学系は無限遠の被写体に合焦す
る位置から至近の被写体に合焦する位置の方向へ繰り出
されたが、本発明はこれに限らず逆方向に繰り込まれる
構成のものにも適用できる。また、上記実施例におい
て、撮影光学系が切換可能な焦点距離は広角と望遠との
2種類であったが、本発明はこれに限らず、3種類以上
に切換えられる構成にも適用できるものである。
【0217】
【発明の効果】本発明に係る焦点距離切換式カメラによ
れば、撮影光学系の移動量に応じて同期運動する電気検
出手段に、撮影光学系の各範囲に対応して連続的に位置
検出可能な検出領域を設けたから、撮影光学系の動作位
置が全領域にわたり正確かつ確実に検出され、機械的な
停止手段や、撮影領域の切換に対して特別な機構手段を
設ける必要がなく、構成が簡単になってコストダウンす
ることができるとともに、位置情報をフラシュマチック
制御等各種機構に用いることができ、極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、エンコーダの検出領
域を示すパターン配置図である。
【図2】本発明の一実施例を示し、カメラの内部機構を
略示的に示した斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示し、カメラの一部を破断
して示した平面図である。
【図4】本発明の一実施例を示し、カメラの平面図であ
る。
【図5】本発明の一実施例を示し、カメラの平面図であ
る。
【図6】本発明の一実施例を示し、カメラの垂直断面図
である。
【図7】本発明の一実施例を示し、カメラの水平断面図
である。
【図8】本発明の一実施例を示し、副光学系挿脱機構の
要部詳細断面図である。
【図9】本発明の一実施例を示し、副光学系挿脱機構の
要部詳細断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示し、副光学系挿脱機構
の要部略示断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示し、副光学系挿脱機構
に連動する阻止機構の正面図である。
【図12】本発明の一実施例を示し、副光学系挿脱機構
に連動する阻止機構の正面図である。
【図13】本発明の一実施例を示し、自動焦点調節機構
の平面図である。
【図14】本発明の一実施例を示し、自動焦点調節機構
の垂直断面図である。
【図15】本発明の一実施例を示し、ファインダ光学系
切換機構の平面図である。
【図16】本発明の一実施例を示し、ファインダ光学系
切換機構の平面図である。
【図17】本発明の一実施例を示し、カム板近傍の平面
図である。
【図18】本発明の一実施例を示し、カム板近傍の平面
図である。
【図19】本発明の一実施例を示し、光学系駆動用モー
タ制御回路図である。
【図20】本発明の一実施例を示し、モータ制御回路の
動作を制御する論理回路図である。
【図21】本発明の一実施例を示すカム線図である。
【図22】本発明の一実施例を示す錯乱円径と被写界深
度との関係を示す線図である。
【図23】本発明の一実施例を示し、詳細制御回路図で
ある。
【符号の説明】
1…カメラ本体 1a…ファインダ収納部 3…主光学系 4…副光学系 10…台板 12…モータ 26…カムギヤ 27…駆動部材 51…ラック 53…カム部材 55…切換駆動部材 56…第1対物レンズ 57…第2対物レンズ 61…検知ブラシ板 62…エンコーダ用プリント基板 71…カム板 73…カムレバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 カメラ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0217
【補正方法】変更
【補正内容】
【0217】
【発明の効果】本発明に係る撮影光学系位置検出装置に
よれば、最小検出精度を要する信号パターンを、最も内
側の円弧以外に配置するので、高い検出精度を要する信
号パターンのために必要な検出精度を確保することが可
能となるとともに、高い精度を必要としない信号パター
ンのためのスペースを省略することが可能となる。ま
た、同心円上に配置された複数の信号パターンには撮影
光学系の基準位置検出パターンが含まれ、この基準位置
検出パターンを同心円の最も外側に配置したので、撮影
光学系の位置決定の基準となる基準位置を高精度に検出
する事が可能となる。また、同心円状に配置された複数
の信号パターンには撮影光学系の移動限界位置を検出す
るためのパターンが含まれ、このパターンを同心円の最
も外側に配置したので、撮影光学系の移動限界位置を高
精度に検出することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影光学系が少なくとも第1と第2の焦点
    距離に切換可能である焦点距離切換式カメラにおいて、 前記撮影光学系は、光軸方向に間隔をおいて並んだ第
    1、第2、第3、第4の各点によって狭まれる第1の移
    動範囲たる第1焦点距離領域第2の移動範囲たる焦点距
    離切換のための移行領域、第3の移動範囲たる第2焦点
    距離領域の各領域を往復動可能なよう支持され、 該第1焦点距離領域を該第1点から該第2点に向けて往
    動して前記第1焦点距離を呈しながらの焦点調節をな
    し、該焦点距離切換領域を該第2点から該第3点に向け
    て往動して前記第1から第2の焦点距離に切換え、該第
    3点から該第2点に向けて復動して前記第2から第1の
    焦点距離に切換え、該第2焦点距離領域を該第3点から
    該第4点に向けて往動して前記第2焦点距離を呈しなが
    らの焦点調節をなすよう前記撮影光学系を駆動する電気
    的駆動手段を設け、 前記撮影光学系の移動量に応じて同期運動する電気検出
    手段を設け、該電気検出手段に、前記撮影光学系の第1
    〜第3の移動範囲に対応して連続的に位置検出可能な第
    1〜第3の検出領域を前記電気検出手段に設けたことを
    特徴とする焦点距離切換式カメラ。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6079314A (ja) * 1983-10-07 1985-05-07 Canon Inc モ−タ−駆動可変焦点カメラ
JPS60129717A (ja) * 1983-12-19 1985-07-11 Canon Inc モ−タ−駆動可変焦点カメラ

Patent Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6079314A (ja) * 1983-10-07 1985-05-07 Canon Inc モ−タ−駆動可変焦点カメラ
JPS60129717A (ja) * 1983-12-19 1985-07-11 Canon Inc モ−タ−駆動可変焦点カメラ

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