JPH07306368A - デジタルマイクロミラーデバイス - Google Patents

デジタルマイクロミラーデバイス

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JPH07306368A
JPH07306368A JP12329694A JP12329694A JPH07306368A JP H07306368 A JPH07306368 A JP H07306368A JP 12329694 A JP12329694 A JP 12329694A JP 12329694 A JP12329694 A JP 12329694A JP H07306368 A JPH07306368 A JP H07306368A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い信頼性と長い寿命を有するデジタルマイク
ロミラーデバイスを提供する。 【構成】デジタルマイクロミラーデバイスは、(イ)1
つのマイクロミラー部43,42と、(ロ)1つのマイ
クロミラー部に対応して設けられた、マイクロミラー部
の位置を制御するための1つの位置制御手段30,3
2,35と、(ハ)位置制御手段を制御するための1つ
のトランジスタ素子15,16、から構成されたマイク
ロミラー素子を複数配列して成り、そして、マイクロミ
ラー部は位置制御手段に対して移動自在に取り付けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像投影装置で用いら
れるデジタルマイクロミラーデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ放送等の高品質化に伴いテ
レビの大画面化が進行し、29インチ以上の大画面ブラ
ウン管を搭載したテレビ受像機が主流になりつつある。
ところが、テレビ受像機が大画面化すると共にその重量
が増大し、例えば、29インチのテレビ受像機では総重
量が60kg以上にもなり、移動が困難となっている。
HDVSの一般放送も間近になってきているが、HDV
S用のブラウン管を用いた受像機は更に大型化が進み、
90kg以上の大重量になっている。最早、このような
重量になると、一度設置された受像機を後で移動させる
ことが極めて困難となる。
【0003】これに対して、近年、液晶デバイスを用い
た投影方式の表示装置が考案されている。かかる表示装
置においては、光を液晶デバイスを透過させることで、
液晶デバイス上に形成された画像が映像スクリーン上に
投影される。このような表示装置においては重いブラウ
ン管が必要なくなり、表示装置は照明用の光源と液晶デ
バイスから構成されるだけであり、表示装置は非常に軽
くなる。この種の表示装置においては液晶デバイス内を
光を透過させる必要がある。然るに、液晶デバイスの光
透過率は数%と低く、スクリーン上に投影された映像が
暗いという問題を有する。
【0004】近年、新しい投影装置として、テキサスイ
ンスツルメンツ社からデジタルマイクロミラーデバイス
(Digital Mirror Device)を用いた投影装置が提案さ
れている。例えば、J.P. Sampsell, "An Overview of t
he Didital Micromirror Device (DMD) and Its Applic
ation to Projection Display", 1993 Society for Imf
ormation Display International Symposium (SID '93)
Digest of TechnicalPapers, pp 1012-1015, May 1993
を参照のこと。この投影装置は、多数のSRAMの各
々の上に鏡(マイクロミラー)を整列させた構造を有す
る。そして、これらの鏡にRGBの光源からの光を入射
する。そして、SRAMからの信号に基づきそれぞれの
鏡を動かし(回転させ)、鏡から射出される光の方向を
変化させる。適切な方向にスクリーンを配置しておくこ
とによって、鏡で反射された光をスクリーン上に投影さ
せることができる。即ち、SRAMに画像制御信号を入
力することによって、スクリーン上に画像を映し出すこ
とができる。この状態を模式的に図12の(A)に示
す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】デジタルマイクロミラ
ーデバイスにおける各々の鏡の平面形状は矩形である。
そして、鏡の四隅の内、一方の対角線上の2つの隅(便
宜上、固定部分と呼ぶ)で鏡はシリコン基板上に固定さ
れている。鏡の他の対角線上の2つの隅はフリーな状態
に置かれている。一方の対角線に沿った1つの鏡の模式
的な断面図を図12の(B)に示す。各鏡はアルミニウ
ム膜上に形成されており、空中に浮いた状態で2つの支
柱によって支えられている。このデジタルマイクロミラ
ーデバイスにおける鏡を駆動する(即ち、鏡から射出さ
れる光の方向を変化させる)ために、アルミニウム膜に
或る電位を与え、一方、鏡に対向した対向電極をアルミ
ニウム膜と反対の電位にすることで、アルミニウム膜と
電極の間にクーロン力を働かせる。これによって、固定
部分を支点として鏡を回転させることができる。半導体
基板に形成されたSRAMに電気的に接続された対向電
極の電位を1,0(高,低)と変化させることでクーロ
ン力を変化させ、鏡の回転制御を行う。
【0006】鏡が駆動されるときアルミニウム膜には応
力が加わる。即ち、アルミニウム膜から成る鏡の固定部
分にねじれ等の負荷が加わる。その結果、この部分に金
属疲労が発生し、鏡の固定部分を構成するアルミニウム
膜が破損する。従って、鏡の固定部分の信頼性がデジタ
ルマイクロミラーデバイスの信頼性を支配している。そ
れ故、この固定部分の信頼性を向上させることが、デジ
タルマイクロミラーデバイスを用いた投影装置の実用化
の鍵の1つである。また、微小な金属膜が空中に浮いた
構造となっているため、接触などの物理的刺激に弱いと
いう問題もある。
【0007】従って、本発明の目的は、高い信頼性と長
い寿命を有し、駆動回路が簡素化されたデジタルマイク
ロミラーデバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のデジタルマイクロミラーデバイスは、
(イ)1つのマイクロミラー部と、(ロ)該1つのマイ
クロミラー部に対応して設けられた、マイクロミラー部
の位置を制御するための1つの位置制御手段と、(ハ)
該位置制御手段を制御するための1つのトランジスタ素
子、から構成されたマイクロミラー素子を複数配列して
成り、そして、該マイクロミラー部は位置制御手段に対
して移動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0009】マイクロミラー部の位置制御としては、位
置制御手段とマイクロミラー部との間の距離の制御、位
置制御手段に対するマイクロミラー部の角度の制御を挙
げることができる。マイクロミラー部は位置制御手段に
対して堅固に固定されてはいない。
【0010】本発明のデジタルマイクロミラーデバイス
においては、マイクロミラー部には永久磁石が備えられ
ており、位置制御手段は電磁石から成りそしてトランジ
スタ素子に電気的に接続されており、トランジスタ素子
の制御により位置制御手段が発生する電磁力によってマ
イクロミラー部の位置を制御する構成とすることができ
る。
【0011】この場合、マイクロミラー部の下部には一
体となった支柱が設けられており、該支柱は永久磁石か
ら成り、該支柱は位置制御手段の近傍に配置されている
第1の態様、あるいは、マイクロミラー部の下部には一
体となった支柱が設けられており、該支柱の少なくとも
底部に永久磁石層が設けられており、該支柱は位置制御
手段の近傍に配置されている第2の態様、更には又、マ
イクロミラー部の下部には一体となった支柱が設けられ
ており、該マイクロミラー部の底面及び支柱の外面に永
久磁石層が備えられており、該支柱は位置制御手段の近
傍に配置されている第3の態様を挙げることができる。
マイクロミラー部がマイクロミラー素子から脱落しない
ように、マイクロミラー素子にはガイド部を設けること
が望ましい。
【0012】あるいは又、上記の目的を達成するための
本発明のデジタルマイクロミラーデバイスは、(イ)半
導体基板に形成されたトランジスタ素子と、(ロ)該ト
ランジスタ素子上に形成された絶縁層の上に設けられ、
トランジスタ素子に電気的に接続された位置制御手段
と、(ハ)マイクロミラー本体と支柱とから成り、位置
制御手段の上に形成されたガイド層の上にマイクロミラ
ー本体が配置され、ガイド層に設けられた穴部に支柱が
移動自在に収納されており、位置制御手段の動作によっ
て支柱の位置が制御されるところのマイクロミラー部、
から構成されたマイクロミラー素子を複数配列して成る
ことを特徴とする。
【0013】マイクロミラー部の光反射面は、適切な量
の光を反射する材料ならば如何なる材料からも構成する
ことができ、しかも単層であっても複数層であってもよ
いが、中でも、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッ
ケル、クロム、銅、銀等を用いることが好ましい。マイ
クロミラー部に備えられた永久磁石(あるいは永久磁石
層)は、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性材料から構
成することができる。位置制御手段を電磁石から構成す
る場合、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性材料から成
る芯部(コア部)、及びこの芯部を取り囲むコイルから
電磁石を構成することができる。トランジスタ素子とし
ては、如何なる形式のトランジスタ素子をも用いること
ができるが、例えばMOS型トランジスタ素子やバイポ
ーラトランジスタ素子を挙げることができる。
【0014】
【作用】本発明のデジタルマイクロミラーデバイスにお
いては、マイクロミラー部は位置制御手段に対して移動
自在に取り付けられており、従来の技術のようにマイク
ロミラー部が堅固に固定されていない。従って、マイク
ロミラー部にねじれ等の力が加わらず、高い信頼性をデ
ジタルマイクロミラーデバイスに付与することができ
る。また、マイクロミラー部の駆動を、従来技術のよう
にクーロン力で駆動するのではなく、磁力で駆動すれ
ば、駆動力が向上し且つ安定し、マイクロミラーデバイ
スの確実な動作を保証することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。尚、実施例1は、マイクロミラー部の下
部には一体となった支柱が設けられており、この支柱が
永久磁石から成り、支柱は位置制御手段の近傍に配置さ
れている第1の態様に関する。また、実施例2は、マイ
クロミラー部の下部には一体となった支柱が設けられて
おり、この支柱の少なくとも底部に永久磁石層が設けら
れており、支柱は位置制御手段の近傍に配置されている
第2の態様に関する。更に、実施例3は、マイクロミラ
ー部の下部には一体となった支柱が設けられており、マ
イクロミラーの底面及び支柱の外面に永久磁石層が備え
られており、この支柱は位置制御手段の近傍に配置され
ている第3の態様に関する。
【0016】(実施例1)本発明のデジタルマイクロミ
ラーデバイスはマイクロミラー素子を複数配列して成
る。マイクロミラー素子の各々は、図1に模式的な一部
断面図を示すように、(イ)1つのマイクロミラー部4
3,42と、(ロ)この1つのマイクロミラー部43,
42に対応して設けられた、マイクロミラー部の位置を
制御するための1つの位置制御手段30,35,32
と、(ハ)この位置制御手段を制御するための1つのト
ランジスタ素子15,16、から成る。そして、マイク
ロミラー部43,42は位置制御手段30,35,32
に対して移動自在に取り付けられている。
【0017】マイクロミラー部43,42には永久磁石
42が備えられている。一方、位置制御手段30,3
5,32は一種の電磁石から成り、そしてその一端はト
ランジスタ素子15,16に接続されている。トランジ
スタ素子15,16は、MOS型トランジスタ素子であ
る。そして、トランジスタ素子15,16の制御により
位置制御手段30,35,32に発生する電磁力によっ
てマイクロミラー部43,42の位置を制御する。具体
的には、トランジスタ素子15,16のオンオフ制御に
より位置制御手段30,35に電流を流し、これにより
位置制御手段30,35,32で発生する電磁力によっ
てマイクロミラー部43,42に備えられた永久磁石4
2との間に生じる引力・斥力を利用して、マイクロミラ
ー部43,42の位置を制御する。
【0018】実施例1においては、マイクロミラー部4
3,42は、マイクロミラー本体43と、マイクロミラ
ー本体43の下部に一体となって設けられた支柱42か
ら構成されており、この支柱42は永久磁石から成る。
そして、支柱42は、位置制御手段30,35,32の
近傍に移動自在に配置されている。また、マイクロミラ
ー部の動きを制限するためのガイド部44がマイクロミ
ラー本体43の近傍に設けられている。
【0019】実施例1においては、位置制御手段に対す
るマイクロミラー部の上下動によって、マイクロミラー
部の位置制御が行われる。図1には、マイクロミラー部
が位置制御手段から最も離れた位置にある状態を図示し
た。
【0020】あるいは又、本発明のデジタルマイクロミ
ラーデバイスは、図1に模式的な一部断面図に示すよう
に(イ)半導体基板10に形成されたトランジスタ素子
15,16と、(ロ)トランジスタ素子15,16上に
形成された絶縁層20の上に設けられ、トランジスタ素
子に電気的に接続された位置制御手段30,35,32
と、(ハ)マイクロミラー本体43と支柱42とから成
り、位置制御手段の上に形成されたガイド層40の上に
マイクロミラー本体43が配置され、ガイド層40に設
けられた穴部40Aに支柱42が移動自在に収納されて
おり、位置制御手段の動作によって支柱42の位置が制
御されるところのマイクロミラー部43,42、から構
成されたマイクロミラー素子を複数配列して成る。
【0021】図2に、本発明のマイクロミラー素子の動
作原理を示す。図2の(A)に示すように、トランジス
タ素子15,16がオフの状態にあっては、トランジス
タ素子に接続された位置制御手段には電流が流れていな
い。従って、位置制御手段30,32,35には電磁力
が発生せず、マイクロミラー部に備えられた永久磁石4
2とこの位置制御手段との間に働く引力によって、マイ
クロミラー部と位置制御手段とは一定の距離に置かれ
る。その結果、マイクロミラー部に入射した光は所定の
方向に射出される。マイクロミラー部から射出された光
は、デジタルマイクロミラーデバイスとスクリーンとの
間に設けられた開口部を有する遮蔽板によって遮られ、
スクリーンに到達しない。
【0022】図2の(B)に示すように、トランジスタ
素子をオン状態にすると、トランジスタ素子15,16
に接続された位置制御手段には電流が流れ、位置制御手
段30,32,35に電磁力が発生する。マイクロミラ
ー部に備えられた永久磁石42とこの位置制御手段との
間に働く斥力によって、マイクロミラー部は位置制御手
段から離れる方向に移動する。その結果、マイクロミラ
ー部に入射した光の射出方向は、位置制御手段の動作前
の射出方向から変化する。マイクロミラー部から射出さ
れた光は、デジタルマイクロミラーデバイスとスクリー
ンとの間に設けられた遮蔽板の開口部を通過し、スクリ
ーンに到達する。尚、トランジスタ素子のオンオフ状態
における光のスクリーンへの到達状態を上記の説明と逆
にしてもよい。
【0023】スクリーン上に映像を投影する場合には、
光源から射出された光を例えば3600rpmの回転速
度で回転する円盤型のRGBのカラーフィルタを通し、
本発明のデジタルマイクロミラーデバイスに入射させ
る。円盤型のカラーフィルタを回転させることによっ
て、白色の光をRGBの3色に変換する。このRGBの
光がデジタルマイクロミラーデバイスのマイクロミラー
部で反射される。そして、トランジスタ素子がオン状態
(構成によってはオフ状態)にあるマイクロミラー素子
のマイクロミラー部で反射された光のみが、投影レンズ
を介してスクリーンに到達する。RGBの表示時間を時
分割することによって、階調を制御することが可能であ
る。
【0024】以下、図1に示した実施例1のデジタルマ
イクロミラーデバイスの作製方法を、半導体基板等の模
式的な一部断面図である図3〜図6を参照して説明す
る。
【0025】[工程−100]先ず、シリコン半導体基
板10に従来の方法に基づきMOS型トランジスタ素子
を作製する(図3の(A)参照)。そのために、先ず、
従来の方法でシリコン半導体基板10にSiO2から成
る素子分離領域11を形成した後、シリコン半導体基板
10の表面を酸化してゲート酸化膜12を形成する。次
いで、例えばCVD法で全面にポリシリコン層を堆積さ
せた後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング
技術によって、ポリシリコン層を選択的に除去し、ゲー
ト電極13を形成する。その後、従来の方法でLDD構
造を形成するための不純物イオン注入を行い、次いで、
ゲート電極の側壁にSiO2から成るゲートサイドウオ
ール14を設ける。こうして、ゲート酸化膜12、ポリ
シリコンから成るゲート電極13及びゲートサイドウオ
ール14から構成されたゲート電極部15を形成するこ
とができる。その後、不純物イオン注入を行い、シリコ
ン半導体基板10にソース・ドレイン領域16を形成す
る。これらの各工程は公知の方法に基づき実行すること
ができる。
【0026】[工程−110]その後、MOS型トラン
ジスタ素子に電気的に接続された位置制御手段をMOS
型トランジスタ素子の上方に絶縁層を介して形成する。
【0027】[工程−110A]そのために、先ず、全
面に例えばSiO2から成り厚さ0.5μmの絶縁層2
0をCVD法にて形成する。CVD法の条件を以下に例
示する。 使用ガス: TEOS=50sccm 基板温度: 720゜C 圧力 : 40Pa
【0028】尚、絶縁層20を構成する材料はSiO2
に限定されず、他の公知の絶縁材料、例えばBPSG、
PSG、BSG、AsSG、PbSG、SbSG、SO
G、SiON、SiNあるいはこれらの絶縁膜を積層し
たものを挙げることができる。
【0029】[工程−110B]次に、ソース・ドレイ
ン領域16の上方の絶縁層20にフォトリソグラフィ技
術及びドライエッチング技術を用いて開口部21を形成
する。ドライエッチングの条件を、例えば以下のとおり
とすることができる。 使用ガス : C48=50sccm RFパワー: 1200W 圧力 : 2Pa
【0030】[工程−110C]その後、開口部21内
を金属配線材料で埋め込む。そのために、先ず、スパッ
タ法を用いて、開口部21内を含む絶縁層20上に、下
から例えばTi及びTiN層22を堆積させる。このT
iN/Ti層は所謂バリアメタル層及びコンタクト抵抗
低減層としての機能を果たす。次いで、例えば所謂ブラ
ンケットタングステンCVD法を用いて、開口部21内
を含むTiN/Ti層22上にタングステン(W)層2
3を堆積させる。その後、絶縁層20上のタングステン
層及びTiN/Ti層を除去し、開口部21内のみを、
TiN/Ti層22及びタングステン層23で埋め込む
(図3の(B)参照)。Ti層及びTiN層の成膜条
件、ブランケットタングステンCVD法によるタングス
テン層の成膜条件、並びにタングステン層とTiN/T
i層のエッチバック条件を、以下に例示する。 Ti層の成膜条件 使用ガス : Ar=100sccm パワー : 4kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 30nm TiN層の成膜条件 使用ガス : Ar/N2=40/70sccm パワー : 5kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 70nm ブランケットタングステンCVD法によるW層の成膜条
件 使用ガス : WF6/H2=95/550sccm 成膜温度 : 450゜C 圧力 : 1.1×104Pa 膜厚 : 0.4μm エッチバックの条件 使用ガス : SF6=50sccm マイクロ波パワー : 850W RFパワー : 150W 圧力 : 1.33Pa
【0031】[工程−110D]その後、絶縁層20の
上に位置制御手段を形成する。そのために、先ず、全面
に例えばアルミニウムあるいはアルミニウム系合金(以
下、総称してAl系合金と呼ぶ場合もある)から成る第
1の導電層30を、例えばスパッタ法で形成する。第1
の導電層30の形成条件を以下に例示する。 使用ガス : Ar=40sccm パワー : 22.5kW 成膜温度 : 150゜C 圧力 : 0.47Pa 膜厚 : 0.3μm、 Al系合金として、純アルミニウム、Al−Si、Al
−Cu、Al−Si−Cu、Al−Ge、Al−Si−
Ge等の種々のアルミニウム合金を例示することができ
る。
【0032】[工程−110E]その後、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、第1の
導電層30を所望の平面形状にパターニングする。ドラ
イエッチング条件を例えば以下のとおりとすることがで
きる。 使用ガス : BCl3/Cl2=60/90sc
cm マイクロ波パワー : 1000W RFパワー : 50W 圧力 : 0.016Pa
【0033】尚、ブランケットタングステンCVD法に
よりタングステン層23で開口部21を埋め込む工程を
省略し、TiN層/Ti層22の上にAl系合金層をス
パッタ法にて堆積させた後、絶縁層20の上のAl系合
金層とTiN/Ti層22を選択的に除去することによ
って、開口部21内をAl系合金で埋め込み、併せてパ
ターニングされた第1の導電層30を得ることもでき
る。
【0034】第1の導電層30を構成するAl系合金の
代わりに、W、Cu、Ag等の金属配線材料を用いるこ
とができる。また、これらの金属配線材料の形成方法は
スパッタ法に限定されず、例えばCVD法を用いること
もできる。
【0035】[工程−110F]次に、バイアスECR
CVD法にて全面に例えばSiNから成る平坦な第1
の層間絶縁層31を全面に形成する(図3の(C)参
照)。第1の層間絶縁層31の形成条件を以下に例示す
る。 使用ガス : SiH4/N2O=21/35sc
cm マイクロ波パワー : 1000W RFパワー : 300W 成膜温度 : 450゜C 圧力 : 0.01Pa
【0036】[工程−110G]その後、第1の層間絶
縁層31の上にスパッタ法で例えば鉄から成る芯(コ
ア)層32を形成する。芯層32の成膜条件を以下に例
示する。 使用ガス : Ar=100sccm パワー : 4kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 70nm
【0037】尚、鉄の代わりに、Co、Ni等、あるい
はこれらの材料の合金や酸化物等の強磁性材料から芯層
32を構成することもできる。
【0038】[工程−110H]次に、フォトリソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術を用いて、芯層32
を所望の平面形状(例えば、矩形)にパターニングする
(図4の(A)参照)。ドライエッチング条件を、例え
ば以下のとおりとすることができる。 使用ガス : BCl3/Cl2=60/90sc
cm マイクロ波パワー : 1000W RFパワー : 50W 圧力 : 0.016Pa 基板温度 : 350゜C
【0039】[工程−110I]その後、バイアスEC
R CVD法にて全面に例えばSiNから成る平坦な第
2の層間絶縁層33を全面に形成する。第2の層間絶縁
層33の形成条件を、第1の層間絶縁層31の形成条件
と同様とすることができる。次いで、フォトリソグラフ
ィ技術及びドライエッチング技術を用いて、第2の層間
絶縁層33に開口部34を形成する。ドライエッチング
条件を以下に例示する。 使用ガス : C48=50sccm RFパワー : 1200W 圧力 : 2Pa
【0040】尚、第1の層間絶縁層31あるいは第2の
層間絶縁層33を構成する材料はSiNに限定されず、
他の公知の絶縁材料、例えばSiO2、BPSG、PS
G、BSG、AsSG、PbSG、SbSG、SOG、
SiON、あるいはこれらの絶縁膜を積層したものを挙
げることができる。
【0041】こうして、図4の(B)に示す構造を得る
ことができる。尚、図4の(B)において、芯層32に
も開口部が形成されているかのように図示されている
が、実際には、芯層32には開口部は形成されていな
い。開口部34は、第2の層間絶縁層33にのみ形成さ
れている。また、図4の(B)においては、パターニン
グされた第1の導電層30の領域の各々の右側の部分に
開口部34が形成された状態を示したが、実際には、パ
ターニングされた第1の導電層30の各々の左側の部分
にも開口部(図示せず)が形成されている。
【0042】[工程−110J]次に、スパッタ法にて
開口部34内を含む第2の層間絶縁層33上に例えばT
iN層(図示せず)を成膜し、更に、その上に例えばブ
ランケットタングステンCVD法でタングステンから成
る第2の導電層35を形成する。TiN層の成膜条件
は、[工程−11C]のTiN層の成膜条件と同様とす
ることができる。第2の導電層の成膜条件 使用ガス : WF6/H2=95/550sccm 成膜温度 : 450゜C 圧力 : 1.1×104Pa 膜厚 : 0.3μm
【0043】[工程−110K]その後、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、第2の
導電層35及びTiN層のパターニングを、[工程−1
10C]のエッチバック条件と同様の条件で行なう。
【0044】尚、ブランケットタングステンCVD法に
よる第2の導電層35の形成の代わりに、スパッタ法や
CVD法で他の金属配線材料を開口部34内を含む第2
の層間絶縁層33上に成膜することで第2の導電層35
を形成することもできる。
【0045】[工程−110L]更に、例えばBPSG
から成る第3の層間絶縁層36を全面に堆積させた後、
加熱による第3の層間絶縁層36の平坦化処理を行う。
こうして、図5の(A)に示す構造を得ることができ
る。第3の層間絶縁層36の成膜条件を以下に例示す
る。 使用ガス : SiH4/PH3/B26/O2/N2=8
0/7/7/1000/32000sccm 成膜温度 : 400゜C 圧力 : 1.0×105Pa 膜厚 : 0.15μm
【0046】尚、第3の層間絶縁層36を構成する材料
はBPSGに限定されず、後に形成する犠牲層をエッチ
ングする際に同時にエッチングされない材料であれば、
如何なる公知の絶縁材料をも用いることができる。
【0047】こうして、例えば鉄からなり電磁石の芯部
(コア部)に相当する芯層32、並びに、コイルに相当
する第1の導電層30と第2の導電層35(これらの層
30,35は開口部34及び図示していない開口部を介
して順次電気的に接続されている)から構成された一種
の電磁石である位置制御手段が完成する。コイルの一端
(パターニングされた第1の導電層30の一部分)は、
開口部21内に埋め込まれたTiN/Ti層22及びタ
ングステン層23を介してMOS型トランジスタ素子の
ソース・ドレイン領域16と電気的に接続されている。
一方、コイルの他端である第2の導電層35の端部(あ
るいは、場合によっては第1の導電層30の他の端部)
は、例えば接地されている(図示せず)。これによっ
て、MOS型トランジスタ素子がオン状態になると、第
1の導電層30と第2の導電層35から構成されたコイ
ルに電流が流れ、磁界が発生する。
【0048】[工程−120]次に、マイクロミラー部
43,42を位置制御手段30,35,32の上方に形
成する。
【0049】[工程−120A]そのために、先ず、全
面に例えばポリシリコンから成るガイド層40を形成す
る。ガイド層40のCVD形成条件を以下に例示する。 使用ガス : SiH4/He=500/50sccm 圧力 : 80Pa 成膜温度 : 400゜C 膜厚 : 0.8μm
【0050】尚、ガイド層を構成する材料として、ポリ
シリコンの代わりに、後に形成する犠牲層をエッチング
する際に同時にエッチングされない材料であって光を反
射しない材料であれば、如何なる公知の材料をも用いる
ことができる。
【0051】[工程−120B]その後、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術によってポリシリ
コンから成るガイド層40に穴部40Aを形成する。
尚、この穴部40Aに、後に形成する支柱が収納され
る。ドライエッチングの条件を、例えば[工程−110
I]と同様とすることができる。
【0052】[工程−120C]次いで、穴部40Aを
含むガイド層40の全面に例えばSiO2から成る犠牲
層(分離層)41を、例えば以下に例示する条件のCV
D法にて形成する(図5の(B)参照)。 使用ガス : SiH4/O2/N2=80/1000/
32000sccm 成膜温度 : 400゜C 圧力 : 1.0×105Pa 膜厚 : 50nm
【0053】[工程−120D]その後、例えば以下の
条件のスパッタ法にて、全面に鉄層を堆積させる。 使用ガス : Ar=100sccm パワー : 4kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 1.0μm
【0054】[工程−120E]そして、この状態で、
別に準備した磁石を鉄層に近づけ、鉄層を磁化させる。
その後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング
技術を用いて、鉄層をパターニングし、穴部40Aの中
に鉄層を残す。ドライエッチング条件は、[工程−11
0H]と同様とすることができる。こうして、図6の
(A)に示す構造を得ることができる。穴部40Aの中
に残された鉄層が支柱42に相当する。また、鉄層から
成る支柱42は永久磁石化される。
【0055】[工程−120F]次に、犠牲層41上及
び支柱42上に例えばAl系合金層をスパッタ法で形成
する。Al系合金層の形成条件を以下に例示する。 使用ガス : Ar=40sccm パワー : 22.5kW 成膜温度 : 500゜C 圧力 : 0.47Pa 膜厚 : 0.3μm
【0056】[工程−120G]その後、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、Al系
合金層をパターニングし、Al系合金層から成るマイク
ロミラー本体43を形成する。ドライエッチングの条件
は[工程−110E]と同様とすることができる。こう
して、図6の(B)に示す構造を得ることができる。
【0057】[工程−120H]次に、マイクロミラー
本体43近傍の犠牲層41に開口部を形成した後、全面
に例えばポリシリコン層を堆積させる。そして、ポリシ
リコン層を選択的に除去し、ガイド部を構成する垂直壁
44Aをポリシリコン層から形成する。次に、例えばS
iO2から成る犠牲層45を全面に堆積させる(図7の
(A)参照)。その後、全面に再びポリシリコン層を堆
積させ、かかるポリシリコン層を選択的に除去して、ガ
イド部を構成する水平方向の突起部44Bを形成する
(図7の(B)参照)。
【0058】[工程−120I]最後に、ドライエッチ
ング法にて、SiO2から成る犠牲層45,41を除去
する。ドライエッチングの条件を以下に例示する。 使用ガス : CF4=100sccm RFパワー: 50W 圧力 : 6Pa
【0059】こうして、図1に示した構造のマイクロミ
ラー素子を作製することができる。
【0060】(実施例2)実施例2は実施例1の変形で
あり、マイクロミラー部の構造が実施例1と相違する。
即ち、実施例2は、マイクロミラー部の下部には一体と
なった支柱が設けられており、このポリシリコンから成
る支柱の底部(実施例2においては支柱の外面の全面)
に永久磁石層50が設けられており、支柱は位置制御手
段の近傍に移動自在に配置されている第2の態様に関す
る。また、マイクロミラー部におけるマイクロミラー本
体は、Al系合金層52及びタングステン層53の2層
構造であり、タングステン層53によって光が反射され
る。
【0061】実施例2のデジタルマイクロミラーデバイ
スの作製においては、位置制御手段の形成まで、即ち、
第3の層間絶縁層36の形成工程までは、実施例1と同
様とすることができる。それ故、マイクロミラー部の形
成方法のみを、以下、図8及び図9を参照して説明す
る。
【0062】[工程−200A]第3の層間絶縁層36
の上に、実施例1の[工程−120A]〜[工程−12
0C]と同様に、例えばポリシリコンから成るガイド層
40を形成した後、ガイド層40に穴部40Aを形成す
る。次いで、穴部40Aを含むガイド層40の全面にS
iO2から成る犠牲層(分離層)41をCVD法にて形
成する(図8の(A)参照)。
【0063】[工程−200B]その後、例えば以下の
条件のスパッタ法にて、全面に鉄層を堆積させる。鉄層
の厚さは、穴部40Aが鉄層で埋め込まれない厚さとす
る。 使用ガス : Ar=100sccm パワー : 4kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 70nm
【0064】[工程−200C]そして、この状態で、
別に準備した磁石を鉄層に近づけ、鉄層を磁化し、鉄層
を永久磁石化する。
【0065】[工程−200D]その後、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、鉄層を
パターニングし、穴部40Aの中に鉄層を残す。ドライ
エッチング条件は、実施例1の[工程−110H]と同
様とすることができる。こうして、永久磁石層50を穴
部40Aの底部及び側壁部に形成することができる。
【0066】[工程−200E]次いで、全面にポリシ
リコン層51を形成する。ポリシリコン層51のCVD
形成条件を、実施例1の[工程−120A]と同様とす
ることができる。
【0067】[工程−200F]その後、ポリシリコン
層51を全面エッチバックし、穴部40Aの内に形成さ
れた永久磁石層50の凹部内にのみポリシリコン層51
を残す。こうして、図8の(B)に示す構造を得ること
ができる。穴部40Aの中に残された永久磁石層50及
びポリシリコン層51が支柱に相当する。言い換えれ
ば、支柱の少なくとも底部(実施例2においては支柱の
外面の全て)に永久磁石層50が設けられる。ポリシリ
コン層のエッチバック条件を以下に例示する。 使用ガス : C2Cl33/SF6=65/5sc
cm マイクロ波パワー: 850W RFパワー : 150W 圧力 : 1.33Pa
【0068】[工程−200G]その後、実施例1の
[工程−120F]と同様の条件で、Al系合金層52
を全面に成膜する。次に、以下に例示するCVD法でA
l系合金層52の上にタングステン層53を成膜する。 使用ガス : WF6/H2=95/550sccm 成膜温度 : 450゜C 圧力 : 1.1×104Pa 膜厚 : 30nm
【0069】[工程−200H]次に、フォトリソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術を用いて、タングス
テン層53及びAl系合金層52を所望のパターンにエ
ッチングする(図8の(C)参照)。エッチング条件を
以下に例示する。 使用ガス : BCl3/Cl2=60/90sc
cm マイクロ波パワー : 1000W RFパワー : 50W 圧力 : 0.016Pa
【0070】[工程−200I]その後、再び全面に厚
さ100nmのタングステン層54を[工程−200
G]と同様の条件のCVD法にて堆積させる。そして、
タングステン層54を、実施例1の[工程−110C]
と同様の条件でエッチバックする。こうして、図9の
(A)に示す構造を得ることができる。Al系合金層5
2は、頂面及び側面がタングステン層53,54で被覆
されており、マイクロミラー本体に高い信頼性を付与す
ることができる。
【0071】[工程−200J]その後、実施例1の
[工程−120H]と同様の方法でマイクロミラー本体
43の近傍にガイド部(図示せず)を形成した後、希釈
フッ酸溶液(HF:H2O=5:100)に例えば5分
間浸漬することで犠牲層41等を除去する。こうして、
図9の(B)に示す構造のマイクロミラー部を作製する
ことができる。尚、最後にAl系合金層52上及び側壁
のタングステン層53,54を以下に例示するプラズマ
エッチング法にて除去してもよい。 使用ガス : CF4=100sccm RFパワー: 50W 圧力 : 6Pa
【0072】(実施例3)実施例3も実施例1の変形で
あり、マイクロミラー部の構造が実施例1と相違する。
即ち、実施例3は、マイクロミラー部の下部には一体と
なった支柱が設けられており、マイクロミラー部の底面
(より具体的には、マイクロミラー本体の底面)及び支
柱の外面に永久磁石層が備えられており、この支柱は位
置制御手段の近傍に移動自在に配置されている第3の態
様に関する。また、マイクロミラー部におけるマイクロ
ミラー本体は、ポリシリコン層62及びAl系合金層6
3の2層構造であり、Al系合金層63によって光が反
射される。実施例1においては犠牲層をSiO2から形
成したが、実施例3においては有機レジスト材料から犠
牲層を形成した。また、永久磁石層はコバルト(Co)
から成る。
【0073】実施例3のデジタルマイクロミラーデバイ
スの作製においては、位置制御手段の形成まで、即ち、
第3の層間絶縁層36の形成工程までは、実施例1と同
様とすることができる。それ故、マイクロミラー部の形
成方法のみを、以下、図10及び図11を参照して説明
する。
【0074】[工程−300A]第3の層間絶縁層36
の上に、実施例1の[工程−120A]〜[工程−12
0B]と同様に、ポリシリコンから成るガイド層40を
形成した後、ガイド層に穴部40Aを形成する。次い
で、穴部40Aを含むガイド層40の全面に有機レジス
ト材料から成る犠牲層(分離層)60をスピンコートに
て形成する(図10の(A)参照)。犠牲層60の形成
条件を以下に例示する。 使用レジスト材料 : OFPR 30cp 塗布コーター回転数 : 2000rpm 塗布後のベーキング : 100゜C
【0075】[工程−300B]その後、例えば以下の
条件のスパッタ法にて、穴部40Aの中を含む犠牲層6
0の上全面にCo層61を堆積させる。 使用ガス : Ar=100sccm パワー : 4kW 圧力 : 0.47Pa 成膜温度 : 150゜C 膜厚 : 0.3μm
【0076】[工程−300C]そして、この状態で、
別に準備した磁石をCo層61に近づけ、Co層61を
磁化し、Co層61を永久磁石化する。即ち、Co層6
1が永久磁石層となる。
【0077】[工程−300D]その後、全面に厚さ
0.5μmのポリシリコン層62を形成する。ポリシリ
コン層62のCVD形成条件は、例えば実施例1の[工
程−120A]と略同様とすることができる。尚、ポリ
シリコン層62は、穴部40A内に堆積したCo層61
の凹部内にも堆積し、かかるポリシリコン層が支柱に相
当する。
【0078】[工程−300E]その後、実施例1の
[工程−120F]と同様の条件で、Al系合金層63
を全面に成膜する。こうして、図10の(B)に示す構
造を得ることができる。マイクロミラー部62,63の
底面及び支柱の外面にCo層61から成る永久磁石層が
備えられる。
【0079】[工程−300F]次に、フォトリソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術を用いて、Al系合
金層63、ポリシリコン層62及びCo層61を、以下
に例示する条件でパターニングする。 Al系合金層のパターニング 使用ガス : BCl3/Cl2=60/90sccm マイクロ波パワー: 1000W RFパワー : 50W 圧力 : 0.016Pa ポリシリコン層のパターニング 使用ガス : C48/Ar=50/10sccm RFパワー : 1200W 圧力 : 2Pa 尚、Co層61は、ポリシリコン層62のドライエッチ
ング後のオーバーエッチングでパターニングすることが
できる。
【0080】[工程−300G]その後、例えば以下の
条件の酸素プラズマアッシャー処理を行い、有機レジス
ト材料から成る犠牲層60を除去する。 使用ガス : O2=20sccm RFプラズマ : 200V 圧力 : 1atm 酸素プラズマアッシャー処理の後、発煙硝酸で犠牲層6
0を完全に除去する。
【0081】以上、本発明のデジタルマイクロミラーデ
バイスを好ましい実施例に基づき説明したが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。各実施例に
て説明した各種成膜条件は例示であり、適宜変更するこ
とができる。成膜方法もスパッタ法とCVD法とを適宜
置き換えることが可能である。
【0082】実施例においては、マイクロミラー部の位
置制御は、専ら位置制御手段に対する上下動によった
が、マイクロミラー部を回動させる(角度変位させる)
ことで位置制御手段に対するマイクロミラー部の位置制
御(角度制御)を行ってもよい。この場合には、例え
ば、ガイド部44を構成する水平方向の突起部44Bと
ガイド層40との間の隙間を、図1のマイクロミラー部
の左側と右側とで相違させればよいし、マイクロミラー
部の1つの辺の近傍にガイド部44を設けてもよい。。
あるいは又、支柱の側壁に1つの突起部又はピン部を設
け、穴部40Aの側壁にかかる突起部又はピン部と緩や
かに係合する孔を形成すればよい。位置制御手段の構造
は例示であり、適宜構造を変更することができる。
【0083】
【発明の効果】従来のデジタルマイクロミラーデバイス
においては、鏡の固定部分が捻れることによって鏡が回
転させられていたために、固定部分が損傷し易く、耐久
性が悪かった。然るに、本発明のデジタルマイクロミラ
ーデバイスにおいては、支柱とマイクロミラー本体が一
体となっており、しかも、マイクロミラー部は位置制御
手段に固定されておらず、移動自在に配置されている。
従って、マイクロミラー部を駆動しても、マイクロミラ
ー部に不所望の力が加わらず、従来のマイクロミラーデ
バイスより耐久性が格段に向上する。また、トランジス
タ素子1つでマイクロミラー部を駆動することができる
ため、マイクロミラー部の集積度が向上する。
【0084】しかも、金属材料からマイクロミラー部の
光反射面を構成しているので、光の反射率はほぼ100
%が得られ、デジタルマイクロミラーデバイスから投影
される映像の輝度は極めて高く、且つ投影装置も軽量化
が図られる。これに対して、従来の液晶デバイスを用い
た表示装置は光の透過率が数%と非常に悪いため、輝度
が低い。特に、HD用モニターの高画質、軽量化、低価
格化を実現することが可能になる。
【0085】更には、従来のクーロン力を用いたデジタ
ルマイクロミラーデバイスよりも、本発明のデジタルマ
イクロミラーデバイスの駆動力は格段に向上するので、
安定した映像の投影を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のデジタルマイクロミラーデバイスに
おけるマイクロミラー素子の模式的な断面図である。
【図2】本発明のデジタルマイクロミラーデバイスの動
作原理を説明する概要図である。
【図3】実施例1のデジタルマイクロミラーデバイスに
おけるマイクロミラー素子の作製方法を説明するための
模式的な断面図である。
【図4】図3に引き続き、実施例1のデジタルマイクロ
ミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製方法
を説明するための模式的な断面図である。
【図5】図4に引き続き、実施例1のデジタルマイクロ
ミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製方法
を説明するための模式的な断面図である。
【図6】図5に引き続き、実施例1のデジタルマイクロ
ミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製方法
を説明するための模式的な断面図である。
【図7】図6に引き続き、実施例1のデジタルマイクロ
ミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製方法
を説明するための模式的な断面図である。
【図8】実施例2のデジタルマイクロミラーデバイスに
おけるマイクロミラー素子の作製方法を説明するための
模式的な断面図である。
【図9】図8に引き続き、実施例2のデジタルマイクロ
ミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製方法
を説明するための模式的な断面図である。
【図10】実施例3のデジタルマイクロミラーデバイス
におけるマイクロミラー素子の作製方法を説明するため
の模式的な断面図である。
【図11】図10に引き続き、実施例2のデジタルマイ
クロミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の作製
方法を説明するための模式的な断面図である。
【図12】従来のデジタルマイクロミラーデバイスの動
作原理を説明する概要図、及び、従来のデジタルマイク
ロミラーデバイスにおけるマイクロミラー素子の模式的
な断面図である。
【符号の説明】
10 シリコン半導体基板 11 素子分離領域 12 ゲート酸化膜 13 ゲート電極 14 ゲートサイドウオール 15 ゲート電極部 16 ソース・ドレイン領域 20 絶縁層 21 開口部 22 TiN/Ti層 23 タングステン層 30,35 導電層 31,33,36 層間絶縁層 32 芯(コア)層 34 開口部 40 ガイド層 40A 穴部 41,60 犠牲層(分離層) 42 支柱 43 マイクロミラー本体 44 ガイド部 50 永久磁石層 51 ポリシリコン層 52 Al系合金層 53,54 タングステン層 61 Co層 62 ポリシリコン層 63 Al系合金層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)1つのマイクロミラー部と、 (ロ)該1つのマイクロミラー部に対応して設けられ
    た、マイクロミラー部の位置を制御するための1つの位
    置制御手段と、 (ハ)該位置制御手段を制御するための1つのトランジ
    スタ素子、 から構成されたマイクロミラー素子を複数配列して成
    り、そして、該マイクロミラー部は位置制御手段に対し
    て移動自在に取り付けられていることを特徴とするデジ
    タルマイクロミラーデバイス。
  2. 【請求項2】マイクロミラー部には永久磁石が備えられ
    ており、位置制御手段は電磁石から成りそしてトランジ
    スタ素子に電気的に接続されており、トランジスタ素子
    の制御により位置制御手段が発生する電磁力によってマ
    イクロミラー部の位置を制御することを特徴とする請求
    項1に記載のデジタルマイクロミラーデバイス。
  3. 【請求項3】マイクロミラー部の下部には一体となった
    支柱が設けられており、該支柱は永久磁石から成り、該
    支柱は位置制御手段の近傍に配置されていることを特徴
    とする請求項2に記載のデジタルマイクロミラーデバイ
    ス。
  4. 【請求項4】マイクロミラー部の下部には一体となった
    支柱が設けられており、該支柱の少なくとも底部に永久
    磁石層が設けられており、該支柱は位置制御手段の近傍
    に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のデ
    ジタルマイクロミラーデバイス。
  5. 【請求項5】マイクロミラー部の下部には一体となった
    支柱が設けられており、該マイクロミラー部の底面及び
    支柱の外面に永久磁石層が備えられており、該支柱は位
    置制御手段の近傍に配置されていることを特徴とする請
    求項2に記載のデジタルマイクロミラーデバイス。
  6. 【請求項6】(イ)半導体基板に形成されたトランジス
    タ素子と、 (ロ)該トランジスタ素子上に形成された絶縁層の上に
    設けられ、トランジスタ素子に電気的に接続された位置
    制御手段と、 (ハ)マイクロミラー本体と支柱とから成り、位置制御
    手段の上に形成されたガイド層の上にマイクロミラー本
    体が配置され、ガイド層に設けられた穴部に支柱が移動
    自在に収納されており、位置制御手段の動作によって支
    柱の位置が制御されるところのマイクロミラー部、 から構成されたマイクロミラー素子を複数配列して成る
    ことを特徴とするデジタルマイクロミラーデバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000047598A1 (en) * 1999-02-10 2000-08-17 Macrogen Inc. Method and apparatus for compound library preparation using optical modulator
US8144380B2 (en) 2002-09-26 2012-03-27 Seiko Epson Corporation Drive mechanism

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WO2000047598A1 (en) * 1999-02-10 2000-08-17 Macrogen Inc. Method and apparatus for compound library preparation using optical modulator
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