JPH07306141A - 蛍光式電気泳動パターン読み取り装置 - Google Patents

蛍光式電気泳動パターン読み取り装置

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JPH07306141A
JPH07306141A JP7137459A JP13745995A JPH07306141A JP H07306141 A JPH07306141 A JP H07306141A JP 7137459 A JP7137459 A JP 7137459A JP 13745995 A JP13745995 A JP 13745995A JP H07306141 A JPH07306141 A JP H07306141A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光法による電気泳動パタ−ン読み取りを効
率的に行い、有効に装置が利用できる蛍光式電気泳動パ
タ−ン読み取り装置を提供する。 【構成】 ゲルを走査して、蛍光標識され泳動分離され
た試料からの蛍光を検出する読み取りユニットは、走査
されるゲルを支持する支持手段と、ゲルの区画に対して
所定の波長の励起光が照射されて、標識され分離された
前記試料成分から発光した異なる波長の蛍光を集光する
集光手段と、ゲルを走査するために前記励起光とゲルと
を互いに相対的に移動させる移動手段と、集光された光
を受光し、前記所定の波長の光を除いて前記異なる波長
の蛍光を通過させる少なくとも1つの光学フィルタと、
前記区画から放射された光を受光し、所定の空間の間で
背景光および散乱光を除いて光を通過させる空間フィル
タと、前記波長フィルタおよび空間フィルタにより通過
した光を受光して、出力信号を出力する光検出手段と、
前記出力信号を受けとり処理を行い、標識され分離され
た試料成分のイメージを出力する出力手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光式電気泳動パタ−
ン読み取り装置に関し、特に、着脱自在の泳動部ユニッ
トを、複数台の電気泳動ユニットに装着し、長時間かか
る電気泳動を並列して行った後、共通の読み取りユニッ
トにより、電気泳動パタ−ンの読み取りを行い、効率的
に電気泳動,電気泳動パタ−ンの読み取りを行う場合の
蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置の読み取りユニッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光法による電気泳動パタ−ン読み取り
装置は、危険で高価な放射性アイソト−プを必要としな
い利点を有している。
【0003】一般に、DNAシ−ケンシング(遺伝子の
塩基配列決定)を含む種々の遺伝子構造解析,アミノ酸
等の蛋白の質量分析,高分子の構造分析を行うために、
蛍光法による電気泳動分析法が用いられる。このような
電気泳動分析法は、蛍光物質で標識した試料の断片を用
いて電気泳動を行い、電気泳動で展開された分布パタ−
ンの解析を行うことにより、試料の分析を行う方法であ
る。
【0004】電気泳動パタ−ン読取装置の代表例とし
て、DNAシ−ケンシング装置を例として説明する。
【0005】DNAシ−ケンシング装置を用いて、DN
Aシ−ケシングを行う場合、構造を決定しようとするD
NAの試料は、まず、制限酵素によって各塩基の部所に
特異的な化学反応の反応率をコントロ−ルし、蛍光物質
で標識してフラグメント(断片)とする。このフラグメ
ントは、種々の長さを持ち、かつそれぞれの切断端に標
識されたアデニン,シトシン,グアニン,チミン(Adeni
ne, Cytosine, Guanine, Thymine;以下、A,C,G,
Tと略称する)の4種のどれか特定の塩基を有する断片
である。フラグメント化されたDNAの試料は、電気泳
動によりその断片の長さに対応して分離できるので、電
気泳動を行い、各断片を分離した後、レ−ザ光を照射
し、各断片に標識されている蛍光物質を励起し、その蛍
光物質から発する蛍光の強度分布を測定することによ
り、各々の塩基の配列を読み取り、DNAの構造を決定
する。
【0006】第13図は、電気泳動を行ったDNA断片
の分布例を示す図である。DNA断片の持つ長さの相違
(分子量の差)により電気泳動される距離が異なるた
め、各々のDNA断片が時間の経過と共に同一分子量の
DNA断片毎に集まり、第13図に示すように、電気泳
動パターン70では、各々の分子量に対応してバンド6
6が形成される。全体としては、各々の塩基のレ−ン7
1,72,73,74にバンド66を有するパタ−ンと
なる。A,G,C,Tの各塩基のDNA断片には必ず1
塩基以上の分子量の差が存在するため、電気泳動される
距離が全て異なる。したがって、A,G,C,Tの各塩
基のレ−ン71〜74における各バンド66が、原理的
に他のレ−ンのバンドと横一列に並ぶことはない。DN
Aシ−ケンシングでは、バンド66の順番をA,G,
C,Tの各塩基のレ−ン71〜74に対して下から順に
たどるパタ−ン読み取りを行い、DNAの配列を解析す
る。
【0007】各々のDNAの塩基の配列を解析するDN
Aシ−ケンシングを例として、電気泳動分析法を説明し
たが、電気泳動分析法は、他の試料に対して電気泳動を
行う場合も同様にして利用できる。解析すベき試料に対
して電気泳動を行うと、試料は各々の分子量に対応して
分離され、それぞれにバンドが形成されるので、形成さ
れたバンドの分布を読み取り、試料の分子量の差を判定
できる。また、電気泳動による試料の断片の移動距離の
測定、所定位置のバンドの有無の判定により、分子量の
推定や所定の分子の有無の判定をすることができる。
【0008】このように、電気泳動を行うベ−スとなる
ゲルに蛍光物質により標識した試料を注入し、ゲルに電
気泳動を行うと、電気泳動を行った後のゲルには、試料
の各々の分子量の相違により分布するバンド分布ができ
るので、このバンド分布を測定する。バンド分布の測定
は、蛍光物質に励起を起こして蛍光を発するレ−ザ光な
どの光等を、電気泳動を行ったゲルに照射し、それに反
応して発する蛍光を光電変換素子で検出することによっ
て、バンドの分布パタ−ンを測定する。
【0009】この種の蛍光検出法による電気泳動装置の
例は、例えば、特開昭61−62843号公報に開示さ
れている。
【0010】次に、このような蛍光法による電気泳動装
置について説明する。第9図は、従来の電気泳動装置の
外観を示す斜視図である。第9図を参照すると、電気泳
動装置は、試料の電気泳動を行い、蛍光の分布を計測す
る泳動計測装置51と、計測したデ−タを基に処理を行
うデ−タ処理装置52、それら相互を接続するケ−ブル
53から構成されている。泳動計測装置51には扉51
aがあり、扉51aを開いて、DNA断片の電気泳動を
行うベ−スとなるゲルの注入を行い、更に電気泳動を行
う試料を所定量だけ注入する。扉51aを閉じて、泳動
開始スイッチを押すと電気泳動が開始される。電気泳動
が開始されると、泳動計測装置51では、操作表示パネ
ル51bにあるモニタに動作状態が表示される。計測さ
れたデ−タは、デ−タ処理装置52に転送され、予めプ
ログラムされている所望のデ−タ処理が行われる。デ−
タ処理装置52は、計算機本体54を中心に構成されて
おり、マイクロプロセッサ,メモリ等を有する計算機本
体54と、人間からの指令などを入力するためのキ−ボ
−ド55と、処理状態や結果を表示するディスプレイ5
6と、処理の結果を記録するプリンタ57から構成され
ている。
【0011】第10図は、泳動計測装置の構成を示すブ
ロック図である。泳動計測装置(51;第9図)の構成
は、第10図に示すように、電気泳動部装置63および
信号処理装置64から構成されており、この2つの装置
がまとめられて、泳動計測装置の全体の装置となってい
る。電気泳動部装置63は、電気泳動を行う泳動部5
と、泳動部5に電圧を印加するための第1電極2aおよ
び第2電極2bと、泳動部5および各電極2a,2bを
支える支柱としての支持板3と、泳動部5に電圧を印加
するための電気泳動用電源装置4と、蛍光物質を励起す
るための光を発光する光源11と、光源11からの光を
導くための光ファイバ12と、蛍光物質から発生した蛍
光13を集光して受光する光学系の集光器14と、特定
の波長を選択的に通す光学フィルタ15と、集光した光
を電気信号に変換するための光センサ16とから構成さ
れている。また、信号処理装置64は、光センサ16か
らの電気信号を受けて増幅する増幅器17と、電気信号
のアナログ信号をディジタルデ−タに変換するアナログ
・ディジタル変換回路18と、ディジタル変換したデ−
タに対して加算平均処理等の前処理を行う信号処理部1
9と、前処理したデ−タを外部のデ−タ処理装置へ送出
するインタフェ−ス処理を行うインタフェ−ス20と、
電気泳動および信号処理の全体を制御するための制御回
路10とから構成されている。この信号処理装置64か
ら出力されるディジタル信号OUTは、デ−タ処理装置
(52;第9図)に送られ、解析処理などのデ−タ処理
が行われる。
【0012】次に、このように構成された電気泳動装置
の動作を説明する。第9図および第10図を参照する。
泳動計測装置51にある扉51aを開き、内部にある泳
動部5にゲルを注入し、更に蛍光物質で標識したDNA
断片の試料を注入する。操作表示パネル51bのスイッ
チを操作して、電気泳動開始を指示すると、電気泳動用
電源装置4からの電圧が電極2a,2bにより泳動部5
に供給されて電気泳動が開始される。電気泳動によっ
て、蛍光物質で標識された試料は、例えば、第13図に
示すように、各々の試料のレ−ン71,72,73,7
4において電気泳動され、試料に含まれる分子の分子量
毎に集まり、それぞれにバンド66を作る。分子量の軽
い分子ほど泳動速度が速いため、同一時間内に泳動され
る距離は大きい。これらのバンド66の検出は、第11
a図に示すように、光源からの光を光ファイバ12に通
して導き、泳動部5中のゲルに光路61上で照射するこ
とにより、ゲル中でバンド66に集まっている標識の蛍
光物質が蛍光13を発する。
【0013】泳動部5は、その正面図を第11a図に、
縦断面図を第11b図に示すように、ポリアクリルアミ
ドなどのゲル5aと、該ゲル5aを両側から挾んで支え
るためのガラスの支持板5b,5cから構成されてお
り、この泳動部5のゲル5aの上部から例えばDNA断
片の試料が注入されて、第1電極2aおよび第2電極2
b(第10図)に泳動電圧が印加されて、電気泳動が行
われる。光源から照射された光、例えばレ−ザ光は、光
ファイバ12からゲル5a中の光路61を通り、光路6
1上の蛍光物質に照射される。これにより、光路61上
に存在する蛍光物質が励起されて蛍光13を発する。蛍
光13はレンズの組合せで構成される光学系の集光器1
4に到達し、集光された後に光学フィルタ15で選択さ
れ、センサ16において電気信号に変換される。センサ
16により得られた電気信号は、増幅器17により希望
するレベルの信号に増幅され、アナログ・ディジタル変
換回路18によりアナログ・ディジタル変換され、信号
処理部19へ送られる。信号処理部19では、信号対雑
音比(S/N比)を向上させるために加算平均処理等の
信号処理が行われる。このようにして信号処理されたデ
ィジタル信号のデ−タは、インタフェ−ス20により、
デ−タ処理装置52に送出される。
【0014】第12a図および第12b図は、泳動計測
装置51から送出されるDNA断片の蛍光強度パタ−ン
信号の例を説明する図である。例えば、第12a図に示
されるように、電気泳動が行われた泳動部5に対してレ
−ザ光が照射されると、光路61上に存在するゲルの蛍
光物質が励起されて、蛍光13を発するので、この蛍光
13を、レ−ン毎に所定の検出位置で電気泳動方向62
の方向に時間の経過と共に検出する。これにより、各レ
−ンのバンド66が光路61上の位置を通過する時に、
蛍光13が検出されることになり、1つのレ−ンにおけ
る蛍光強度のパタ−ン信号が、第12b図に示すよう
に、検出される。バンド66が光路61上の位置を通過
するときに、蛍光強度のピ−クが得られる。したがっ
て、第12b図に示す蛍光強度パタ−ン信号は、電気泳
動方向62の方向におけるバンド66の蛍光強度パタ−
ン信号となっている。
【0015】デ−タ処理装置52では、計算機本体54
により泳動計測装置51から送出されるDNA断片の蛍
光強度パタ−ン信号のデ−タを受けて、蛍光強度パタ−
ンのデ−タから分子量の比較やDNAの塩基配列を決定
するデ−タ処理を行う。デ−タ処理を行い決定された塩
基等の並びは、記号化して出力され、ディスプレイ56
により画面表示し、またはプリンタ57により印刷出力
される。また、デ−タ処理された結果のデ−タは、必要
に応じて磁気記憶媒体に記録される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな電気泳動パタ−ン読取り装置において、電気泳動に
必要とされる時間は、例えば、DNA断片の場合には約
5〜8時間であり、続いて行われる電気泳動されたゲル
における蛍光物質の分布を読み取る時間は30分程度で
ある。このため、DNAシ−ケンシング装置などの電気
泳動法による解析装置において、物質の構造分析を行う
ための処理を開始すると、その処理時間のほとんどが電
気泳動のために費やされている。
【0017】また、この種の電気泳動法による解析装置
と共に用いられ、電気泳動パタ−ンの読み取り結果のデ
−タ処理を行うデ−タ処理装置は、汎用のデ−タ処理装
置が利用できるように別装置として構成されているが、
電気泳動を行って泳動パタ−ンの読み取りを行う泳動計
測装置は、電気泳動を行う電気泳動部装置と、電気泳動
の結果のバンドパタ−ンを読み取って信号処理を行う信
号処理装置とが一体化されたものとなっている。このた
め、一つの試料に対して電気泳動の処理を開始させる
と、当該試料に対して電気泳動を行い、パタ−ン読み取
りを行う一連の解析処理が終了するまで、泳動計測装置
が長時間の間占有される。すなわち、前述したように電
気泳動に必要とされる約5〜8時間の泳動時間と、ゲル
に展開された蛍光物質の分布を読み取る30分の読み取
り時間との合計時間の間、1つの泳動計測装置が占有さ
れてしまい、高価な装置が有効に利用できていないとい
う問題がある。
【0018】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものである。本発明の目的は、蛍光法によ
る電気泳動パタ−ン読み取りを効率的に行い、有効に装
置が利用できる蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置を
提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、蛍光標識した試料断
片の電気泳動を行う電気泳動部と、電気泳動された結果
の蛍光物質の分布を読み取るための読み取り部とを分離
した構成とし、複数の電気泳動部を用いて得られた電気
泳動結果のゲルを同一の読み取り部を用いて読み取り、
効率的に電気泳動パタ−ンの読み取りを可能とする蛍光
式電気泳動パタ−ン読み取り装置の読み取りユニットを
提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段および作用】上記のような
目的を達成するため、本発明の蛍光式電気泳動パタ−ン
読み取り装置は、電気泳動を行うベ−スのゲルおよび該
ゲルを支持するゲル支持体からなる着脱自在な泳動部ユ
ニットと、泳動部ユニットを装着し、蛍光物質で標識し
た試料を与えたゲルに泳動電圧を印加して電気泳動を行
う電気泳動ユニットと、電気泳動を行った後の泳動部ユ
ニットを装着し、ゲルに光を照射し、ゲル上の試料の蛍
光物質から発生した蛍光を受光して、電気泳動パタ−ン
を読み取る読み取りユニットとして、各々のユニットを
分離した構成とする。
【0021】つまり、電気泳動を行うベ−スのゲルおよ
び該ゲルを支持するゲル支持体からなる着脱自在な泳動
部ユニットが構成され、蛍光式電気泳動パタ−ン読み取
り装置は、泳動部ユニットを装着して電気泳動を行う電
気泳動ユニットと、電気泳動を行った泳動部ユニットを
装着して電気泳動パタ−ンを読み取る読み取りユニット
とが分離した構造とされる。
【0022】このため、時間のかかる電気泳動を行う電
気泳動ユニットが、短時間で処理が済む電気泳動パタ−
ン読み取り処理を行う読み取りユニットから分離された
構成となり、電気泳動を行うベ−スのゲル及び該ゲルを
支持するゲル支持体からなる着脱自在な泳動部ユニット
を用いて、電気泳動ユニットの動作及び読み取りユニッ
トの動作を独立して行うことが可能となる。これによ
り、高価な蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置の全体
を長時間の間占有してしてしまうことがなくなる。複雑
で高度な処理機構を有する高価な読み取りユニットは、
安価な電気泳動ユニットの複数単位で共通して用いるこ
とができる。また、電気泳動ユニットの複数単位を用い
て、電気泳動を同時に行い、共通の読み取りユニットで
順次に読み取り、電気泳動による試料の分析を効率よく
行うことができる。
【0023】このように、電気泳動を行うベ−スとなる
ゲルと該ゲルを支持するゲル支持体からなる脱着自在な
泳動部ユニットが設けられ、該泳動部ユニットを電気泳
動ユニットに装着し、ゲルに蛍光物質で標識した試料を
与えて電気泳動を行う。次に、電気泳動が終了してか
ら、泳動部ユニットを電気泳動ユニットから外し、電気
泳動を行った泳動部ユニットのゲルを取り出し、または
ゲルをゲル支持体に支持したまま、更に必要があれば色
素等による着色やゲル乾燥などの処理をして、泳動部ユ
ニットを読み取りユニットに装着する。読み取りユニッ
トでは、泳動部ユニットのゲルの蛍光物質に光を照射
し、光学的にゲル内に分布している蛍光物質の分布を読
み取り、紙またはフィルム、磁気記録媒体等の記録媒体
に画像デ−タとして記録する。
【0024】複数台の電気泳動ユニットに、複数個の泳
動部ユニットを装着して、同時に別の試料や別の条件の
電気泳動を並行して行えば、電気泳動が終了した泳動部
ユニットから順に読み取りユニットに装着して、順次に
ゲル中の蛍光物質の分布デ−タを読み取ることができ、
効率的に電気泳動パタ−ンの読み取りを行うことができ
る。
【0025】したがって、蛍光式電気泳動パタ−ン読み
取り装置として、例えば、複数の研究者が読み取りユニ
ットを共有し、各自が個々に電気泳動ユニットを所有す
る。これにより、各研究者が自己の所有する電気泳動ユ
ニットによって、泳動部ユニットを装着して、長時間の
電気泳動で得られた電気泳動の結果(ゲル)を、共通の
読み取りユニットによって短時間で読み取ることによ
り、効率的に電気泳動分析を行うことができ、例えば、
DNA自動解析システムを経済的に構築することができ
る。
【0026】また、泳動部ユニットのゲルは、ゲルに光
を照射して得られる蛍光物質の分布の生デ−タを、その
ままのイメ−ジで記録媒体に転写することにより、ディ
ジタル解析装置を必要としなくとも、転写資料から直接
人手で解析を行うことが可能となる。これにより、効率
的にする電気泳動パタ−ンを読み取り処理を行うことが
できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。第1図は、本発明の一実施例にかかる蛍
光式電気泳動パタ−ン読み取り装置の全体の構成を説明
する概略構成図である。第1図に示すように、蛍光式電
気泳動パタ−ン読み取り装置は、電気泳動ユニット1と
読み取りユニット6とが分離されて、全体の装置が構成
される。
【0028】泳動部ユニット5は、電気泳動を行うベ−
スとなるゲルと該ゲルをガラス板などで挾み込んで支持
するゲル支持体とから構成される。電気泳動ユニット1
は、装着された該泳動部ユニット(以下、泳動部と略称
する)5に電気泳動電圧を加える第1電極2aおよび第
2電極2bと、この第1電極2aおよび第2電極2bを
支えると共に泳動部5を支える支持板3と、電気泳動電
圧を供給する電気泳動用電源装置4とから構成される。
泳動部5は、前述したように、泳動試料を展開するポリ
アクリルアミドなどのゲルと、該ゲルを両側から挾んで
支持するガラス板などのゲル支持体から構成される(第
11a図,第11b図参照)。電気泳動ユニット1にお
いて、泳動部5が装着され、泳動部5のゲルの上部から
電気泳動する断片化した試料が供給され、電気泳動用電
源装置4から第1電極2aおよび第2電極2bに泳動電
圧が印加され、電気泳動が行われる。電気泳動ユニット
1で電気泳動を行った後の泳動部5は外して、読み取り
ユニット6に載置する。
【0029】読み取りユニット6は、電気泳動を行った
泳動部5を、そのままの状態で(または泳動部5から取
り出したゲルの状態でもよい)載置して、電気泳動パタ
−ンを読み取って、デ−タ処理を行う。読み取りユニッ
ト6は、第1図に示すように、計測部本体7を主要部と
して構成され、デ−タ処理装置8およびイメ−ジプリン
タ9等が付加されて構成される。デ−タ処理装置8およ
びイメ−ジプリンタ9等は、計測部本体7で読み取った
電気泳動パタ−ンデ−タに対して、デ−タ処理,イメ−
ジ処理,判定処理を行い、読み取った電気泳動パタ−ン
デ−タを加工して出力する。
【0030】計測部本体7には、電気泳動ユニット1に
おいて既に電気泳動を行った泳動部(ゲルおよびゲル支
持体からなる泳動部ユニット)5を載置して、読み取る
読み取り台が本体上部の蓋7aの直下に設けられてい
る。電気泳動ユニット1から外した泳動部5は、計測部
本体7において、蓋7aを開けて読み取り台に載置され
る。読み取り対象のゲルを有する泳動部5を載置し、蓋
7aを閉じて、操作表示パネル7bの読み取り開始スイ
ッチを押下すると、計測部本体7が泳動部5のゲルの電
気泳動パタ−ンの読み取りを開始する。電気泳動パタ−
ンの読み取りが開始されると、計測部本体7に内蔵する
点光源からの光を走査し、載置した泳動部5のゲルに励
起光を照射し、蛍光物質を励起させて、蛍光を受光し
て、蛍光物質の分布を計測する。デ−タ処理装置8は計
測部本体7で計測した読み取りデ−タを基にデ−タ処理
を行い、また計測部本体7の制御を行う。デ−タ処理さ
れたデ−タは、イメ−ジプリンタ9などにより可視化さ
れる。
【0031】第2図は、計測部本体の要部の構成を示す
ブロック図であり、第3図は、計測部本体に装着する泳
動部の装着位置を説明する図である。第2図および第3
図を参照して説明する。
【0032】電気泳動パタ−ン読み取り装置を用いて、
試料の電気泳動分析を行う場合、先ず、電気泳動ユニッ
ト1を用いて、蛍光色素で標識した試料の電気泳動を行
う。所定時間の電気泳動の完了の後、泳動部5を電気泳
動ユニット1から取り外す。取り外した泳動部5のゲル
は、そのままの泳動部5の状態で、あるいはゲル支持体
のガラスを外した状態で、第3図に示すように、読み取
りユニット6の計測部本体7の上部の蓋7aを開き、内
部の読み取り台7cの上部に載せる。そして、蓋7aを
閉じて、計測部本体7ヘのセットが完了する。このと
き、電気泳動を行ったゲルが蛍光色素で標識されていな
い試料の場合には、ここで色素をつける処理を施す。ま
た、ゲルの乾燥等の処理も行う。
【0033】次に、電気泳動パタ−ンの読み取り開始を
指示する操作を行う。読み取り開始の操作は、操作表示
パネル7bの読み取り開始スイッチの押圧による開始指
示により、またはデ−タ処理装置8からの読み取り開始
指示により行う。デ−タ処理装置8によって読み取り動
作を開始する場合には、計測部本体7における泳動部ユ
ニットの装着の状態が制御信号線を通してデ−タ処理装
置8の側に送られ、その状態に応じてデ−タ処理装置8
が計測部本体7の動作を制御して行う。この場合には、
読み取り開始の操作が自動的に行われるので、操作者の
スイッチ操作負担が軽減できる。
【0034】読み取られた蛍光色素の分布デ−タは、デ
−タ処理装置8に送られる。デ−タ処理装置8では、蛍
光強度のピ−ク検出処理,泳動距離を求める処理など予
めプログラムしてある所望の処理を行う。デ−タ処理し
た結果デ−タは、必要に応じてイメ−ジプリンタ9によ
り、蛍光強度を濃淡画像で印刷出力し、または蛍光強度
を等高線形式または色や濃度で区分けした画像として印
刷出力する。蛍光強度に応じた濃淡画像で印刷出力した
画像は、従来から用いられている放射性X線フィルム像
と同じ画像となる。また、必要に応じて、デ−タ処理し
た結果デ−タは、磁気的または光学的記録装置にディジ
タルデ−タとして記憶される。
【0035】第2図の計測部本体の構成を示すブロック
図において、光源21から発光されたレ−ザビ−ムは、
振動ミラ−22により図面の表裏方向にスキャンされ、
レンズ23により集光されて、読み取り対象の泳動部5
のゲルに加えられる。振動ミラ−22によりスキャンさ
れ、レンズ23により集光されたレ−ザビ−ムは、泳動
部5内のゲル上で焦点を結ぶ。これにより、スキャンさ
れたレ−ザビ−ムの光路上にある蛍光物質が励起され、
蛍光13を発する。この蛍光13は、散乱された励起光
などと共に集光器24で集められ、光学フィルタ25を
介して、光センサ26で電気信号に変換される。集光器
24には、レンズ,円錐形の筒,光ファイバなどが用い
られ、外部光に対して受光する蛍光の検出感度を高くす
る。
【0036】光学フィルタ25は蛍光の波長成分を選択
的に透過させるもので、受光する蛍光に対して、散乱さ
れた励起光の影響などを除く。このような集光器24お
よび光学フィルタ25により、検出する蛍光の受光感度
を高くし、受光した蛍光を、光センサ26により電気信
号に変換する。光センサ26には光電変換の能率の高い
光電子増倍管を用いて、更に、蛍光の検出感度を高くす
る。光センサ26から得られた電気信号は増幅器27に
より増幅され、増幅された電気信号は、アナログ・ディ
ジタル変換回路28に入力されて、ディジタルデ−タに
変換される。ディジタルデ−タに変換された蛍光検出信
号はメモリ29に記憶され、メモリ29に記録されたデ
−タがインタフェ−ス回路30を通してデ−タ処理装置
8に送られる。このような一連の信号処理の全体の制御
は、制御回路31が行う。
【0037】第4a図,第4b図,第4c図,第4d
図,および第4e図は、計測部本体に装着された泳動部
ユニットの読み取り走査を説明する図である。次に、第
4a図〜第4e図を参照して、計測部本体に装着された
泳動部(泳動部ユニット)5に対する読み取り走査につ
いて説明する。
【0038】計測部本体7に、第3図に示すように、読
み取り対象の泳動部ユニット(泳動部5)が載置され、
読み取り開始の操作がなされると、載置された泳動部5
が、読み取り台7cの上で左右に移動して、ゲルの電気
泳動パタ−ンの読み取りが行われる。まず、最初に泳動
部5は、第4a図に示すような状態の位置にセットされ
る。第4a図において、矢印40は光源からのレ−ザビ
−ムがスキャンされる走査方向であり、第1の走査方向
(主走査方向)である。読み取り開始の操作がなされる
と、泳動部5は、第4b図に示すように、読み取り台7
cの左端まで移動して、主走査方向にレ−ザビ−ムのス
キャンが開始される。泳動部5が左端の位置から所定の
速度で右側に移動しながら読み取られる。泳動部5の読
み取りが開始されると、所定の速度で右側に移動し、第
4c図に示すように、泳動部5が右端まで移動すると、
読み取りが終了する。読み取り台7cにおいて、泳動部
5を移動させるステ−ジの矢印41の移動方向が第2の
走査方向(副走査方向)となる。このようにして結果的
に、泳動部5のゲルの蛍光物質の分布が2次元的に分布
画像として読み取られる。
【0039】このような泳動部5の相対移動による2次
元的な読み取り動作において、読み取り光のレ−ザビ−
ムの走査は、第4d図に示すように、主走査方向(矢印
40の走査方向)と副走査方向(矢印41の移動方向)
で泳動部5の面を走査して読み取られることと等価とな
り、主走査方向を電気泳動方向と同方向として読み取り
を行う。
【0040】このような読み取り走査において、第1の
走査方向(主走査方向)と第2の走査方向(副走査方
向)の走査速度を同じにすると、縦方向と横方向が同じ
サイズで読み取られる。しかし、読み取り対象の泳動部
のゲルの電気泳動のバンドのパタ−ンは、第13図に示
したように、電気泳動方向と直角な方向にバンドが帯状
に広がっているので、塩基配列を求める場合、電気泳動
方向と平行な方向(第1の走査方向)での読み取り分解
能が高く要求される。逆に言えば、第2の走査方向につ
いては、第1の走査方向より低い分解能で十分である。
このため、この読み取り操作においては、第4d図に示
すように、主走査方向を電気泳動の方向と同一とし、更
に、第4e図に示すように、光源からの光32を泳動部
5の読み取り面に対して所定の角度θで入射させて、ゲ
ル35の中の蛍光物質に励起光を与える。泳動部5に対
して、光32の入射側と反対側にミラ−33を設け、ミ
ラ−33からの反射光34により更にゲル35の蛍光物
質に励起のための光を与えるようにしている。このよう
に、泳動部5のガラス36に入射した光32は、ゲル3
5と反対側にあるガラス37を透過してミラ−33で反
射され、再び、ガラス37,ゲル35,およびガラス3
6を透過して、外部に反射光34として出て行く。これ
により、結果として蛍光物質に励起光を与える面積を第
2の走査方向に長くして、第2の走査方向での読み取り
速度を向上することができる。
【0041】第5a図は、読み取り光の走査で反射光を
用いない場合に得られる画素デ−タの例を示す図であ
り、第5b図は、読み取り光の走査で反射光を用いる場
合に得られる画素デ−タの例を示す図である。このよう
に、読み取り光の走査で反射光を用いて、第2の走査方
向でのゲルの蛍光物質の検出の分解能を低くすることに
より、得られる画素デ−タは、第5b図に示すように、
画素サイズが第2の走査方向(電気泳動方向と直交する
方向)で2倍の領域の画素サイズに対して読み取られた
画素デ−タとなる。このような読み取り方法を用いるこ
とにより、塩基配列決定に必要となる第1の走査方向の
読み取り分解能を維持しながら、読み取り速度を高速に
することが可能となる。
【0042】第6a図および第6b図は、所定方向で蛍
光物質の読み取り画素サイズを大きくして、読み取り速
度を高める読み取り方法の他の例を説明する図である。
【0043】他の第1の方法は、例えば、第6a図に示
すように、副走査方向(第2の走査方向)に対して、読
み取り画素サイズを広げるために、副走査方向と直交す
る方向に対して長く、断面が凹レンズ状のシリンドリカ
ルレンズ43を用い、光源から与える励起光42を、シ
リンドリカルレンズ43により副走査方向で広げて、泳
動部5に与えるようにする方法である。
【0044】また、上述の例では、主走査方向(第1の
走査方向)を電気泳動方向と同一方向とする場合を説明
したが、主走査方向を電気泳動方向と直交する方向とし
た場合においても、所定方向で蛍光物質の読み取り画素
サイズを大きくして、読み取り速度を高めることができ
る。この場合には、第6b図に示すように、断面が凸レ
ンズ状のシリンドリカルレンズ44を用いる。すなわ
ち、主走査方向を電気泳動の方向と直角とした場合、断
面が凸レンズ状のシリンドリカルレンズ44を電気泳動
の方向と概ね平行に設置する。これにより、第4e図と
同様にして、励起光42の入射角度,シリンドリカルレ
ンズ44の距離,ミラ−45の位置などを変え、光スポ
ットの縦横の比率を変えることことにより、読み取りの
画素サイズを変えて、読み取り速度を変えることが可能
となる。また、第2の走査方向の分解能が、第1の走査
方向の分解能よりも低くてもよい場合には、読み取った
画素デ−タに対して、デ−タ処理を行う時に、第2の走
査方向である横方向の画素デ−タを間引いて、デ−タ処
理を行う。また、スキャンする位置を1画素以上間引い
て処理する方法とする。これにより、続いて行う画素デ
−タに対するデ−タ処理を高速に行うことができる。
【0045】次に、本実施例の変形例について説明す
る。上述した実施例の説明において、計測部本体7にお
いて、読み取り走査ためのレ−ザビ−ムのスキャンを振
動ミラ−22を用いるスキャン方法としているが、ポリ
ゴンミラ−を用いる方法、または屈折,干渉などの光学
的性質を利用して光軸の方向を変えるスキャン方法を用
いるようにしてもよい。また、スキャンにより泳動部に
照射された励起光により発光された蛍光を検出する光セ
ンサとして、イメ−ジセンサまたはアレイセンサを用い
ることにより、読み取り走査の一部を電子的に行うこと
が可能となり、読み取り走査のためのレ−ザビ−ムのス
キャンの走査機構を簡易なものにすることができる。
【0046】第7図は、泳動部からの蛍光検出を行う受
光部の光センサとして、半導体デバイスのイメ−ジセン
サの一次元センサを用いる場合の要部の構成を説明する
概略構成図である。第7図において、光源21から励起
のための光を受けて発光した蛍光13は、集光部46で
集光され、光学フィルタ47を透過して静電誘導トラン
ジスタ形イメ−ジセンサ48に到達して、電気信号に変
換される。静電誘導トランジスタ形イメ−ジセンサ48
は、暗電流による雑音が数桁低いため、微弱な蛍光など
を受光するのに適してる。また、冷却したCCDセンサ
の一次元イメ−ジセンサを用いる構成としても、同様な
高感度の受光部を構成できる。
【0047】このように、蛍光の読み取りに用いる受光
部の光センサは、一次元のイメ−ジセンサとすることに
より、主走査方向の走査を電子的に行うことができ、読
み取りのための走査の機構が簡易なものとなる。また、
1次元センサを用いることにより、泳動部5の表面のガ
ラスで発生した励起光の散乱光13aは、光学フィルタ
47を透過した成分と蛍光物質からの蛍光13の成分と
物理的な位置で分離することができ、蛍光13の成分の
みを有効に取り出すことが可能となり、蛍光強度パタ−
ン信号の検出の信号対雑音比を向上することができる。
これにより、具体的には1桁程度の蛍光信号の検出限界
を上げることができる。
【0048】第8図は、本実施例の蛍光式電気泳動パタ
−ン読み取り装置を用いて、電気泳動パタ−ンの読み取
りを行う読み取り方法を説明する図である。第8図を参
照して説明すると、この場合には、複数台の電気泳動ユ
ニット1a,1b,…,1nと、一台の読み取りユニッ
ト6(計測部本体7)により構成とされた蛍光式電気泳
動パタ−ン読み取り装置を用いる。そして、まず、複数
台の電気泳動ユニット1a,1b,…,1nに泳動部5
を装着し、泳動部5のそれぞれにおいて、解析する試料
の電気泳動を行い、電気泳動が終った泳動部5を、電気
泳動ユニット1a,1b,…,1nから取り外し、泳動
部5を順次に読み取りユニット6の計測部本体7に載置
して、電気泳動パタ−ンの読み取りを行う。第8図には
図示していないが、読み取りユニット6の計測部本体7
にはデ−タ処理装置(8;第1図)が接続されており、
デ−タ処理装置が、順次に読み取った電気泳動パタ−ン
から試料解析のデ−タ処理を行う。また、ここでの電気
泳動ユニットとして、従来からの電気泳動装置を用い、
電気泳動を行ったゲルを読み取りユニット6に装着し
て、ゲルのバンドのパタ−ンを読み取るようにしても良
い。
【0049】このように、解析するための試料を調製し
て、それぞれを電気泳動ユニット1a,1b,…,1n
に装着した泳動部5にセットし、電気泳動を開始する。
電気泳動は5〜8時間程度必要とする。電気泳動が完了
した電気泳動ユニットから泳動部5を取り外し、読み取
りユニット6の計測部本体7に装着して蛍光物質の分布
を計測する。泳動部5を読み取り台7cの上に載置し
て、蓋7aを閉じて、表示操作パネル7bの読み取り開
始スイッチを押下すると、読み取り窓7dからレ−ザ光
を出力して、セットされた泳動部5をスキャンする。読
取り時間は200mm×400mmの領域で約0.5時間程
度である。
【0050】したがって、各研究者は、それぞれの電気
泳動ユニットを専有して電気泳動を行い、共有する読み
取りユニットを用いて、電気泳動パタ−ンを読み取るこ
とができる。これにより、蛍光式電気泳動装置の全体の
高価な装置が、長時間に渡り占有されることなく、それ
ぞれのユニットを有効に使用できる。
【0051】以上、説明した本実施例の要点を、変形例
および応用例にかかる要点をも含めて、まとめれば、次
のようになる。すなわち、 (1)蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置は、電気泳
動ユニットと、分離して別体とした読み取りユニットと
の組合せから構成される。電気泳動を行うベ−スのゲル
と該ゲルを支持するゲル支持体からなる泳動部ユニット
が用いられ、電気泳動ユニットに泳動部ユニットが装着
されて電気泳動が行われる。電気泳動を行った後の泳動
部ユニットは電気泳動ユニットから外され、読み取りユ
ニットに載置される。読み取りユニットでは、泳動部ユ
ニットのゲルに蛍光物質を励起させる光を照射し、ゲル
上の試料の蛍光物質から発生した蛍光を受光して、電気
泳動パタ−ンを読み取る。電気泳動ユニットには、蛍光
物質で標識した試料を注入したゲルに電気泳動を行う泳
動電圧を印加する電源装置が設けられる。 (2)1台の読み取りユニットに対して、複数台の電気
泳動ユニットが備えられる。すなわち、電気泳動ユニッ
トは読み取りユニットの台数以上が備えられる。 (3)この蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置を使用
して、電気泳動パタ−ンを読み取る場合、まず、ゲルを
支持したゲル支持体からなる泳動部ユニットを電気泳動
ユニットに載置し、電気泳動を行った後、電気泳動した
泳動部ユニットを電気泳動ユニットから外し、当該泳動
部ユニットを読み取りユニットに装着して電気泳動パタ
−ンを読み取る。 (4)複数台の異なる電気泳動ユニットで電気泳動され
た複数個の泳動部ユニットは、共通の読み取りユニット
に順次に載置して、それぞれの泳動部ユニットのゲルの
電気泳動パタ−ンが読み取られる。 (5)読み取りユニットには、蛍光物質の蛍光を励起す
る光を発する点光源と、該点光源からの光を電気泳動の
方向と略平行な方向に走査してゲルに照射する走査部
(振動ミラ−,レンズなど)と、蛍光物質からの蛍光を
受光する受光部を有する読み取り部とが備えられる。 (6)受光部は、1つの態様では一次元のイメ−ジセン
サの受光器を用いて構成され、その受光方向を電気泳動
の方向と略平行とする。 (7)電気泳動方向と略平行な方向を第1の方向とし、
第1の方向と直角な方向を第2の方向とするとき、電気
泳動を行ったゲルの読み取りの画素サイズは、第1の方
向の長さよりも第2の方向の長さを長くして、電気泳動
パタ−ンを読み取る。 (8)電気泳動方向と略平行な方向を第1の方向とし、
第1の方向と直角な方向を第2の方向とするとき、第2
の方向については1画素に相当する距離以上を間引きな
がら、電気泳動パタ−ンを読み取ったデ−タを取得し
て、蛍光物質の分布パタ−ンのデ−タを得る。 (9)読み取りユニットは、点光源からの光をゲルに照
射する際、照射されるエリアの電源泳動方向に平行な方
向の読み取り幅を基準として、その直角方向の幅が略等
倍から十数倍までに広げた光を用いる。 (10)受光部は、静電誘導トランジスタ形イメ−ジセ
ンサの受光器を用いて構成され、その受光方向が電気泳
動の方向と略平行とする。 (11)なお、読み取りユニットからの読み取りデ−タ
は、デ−タ通信路により遠隔に設地されたデ−タ処理装
置に伝送されてデ−タ処理が行われるようにしてもよ
い。
【0052】以上、本発明を実施例にもとづき具体的に
説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、蛍光法によるDNAの構造解析に際して、電気泳動
ユニットのみを、例えば研究者が個人で所有し、読み取
りユニットは共有することにより、高価な蛍光検出形電
気泳動装置全体を占有することなく、電気泳動を行った
DNAの標識の蛍光物質の分布画像を効率的に得ること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の一実施例にかかる蛍光式電気
泳動パタ−ン読み取り装置の全体の構成を説明する概略
構成図、
【図2】第2図は計測部本体の要部の構成を示すブロッ
ク図、
【図3】第3図は計測部本体に装着する泳動部ユニット
の装着位置を説明する図、
【図4】第4a図,第4b図,第4c図,第4d図,お
よび第4e図は計測部本体に装着された泳動部ユニット
の読み取り走査を説明する図、
【図5】第5a図は読み取り光の走査で反射光を用いな
い場合に得られる画素デ−タの例を示す図であり、第5
b図は読み取り光の走査で反射光を用いる場合に得られ
る画素デ−タの例を示す図である。
【図6】第6a図および第6b図は所定方向で蛍光物質
の読み取り画素サイズを大きくして分解能を高める読み
取り方法の他の例を説明する図、
【図7】第7図は泳動部からの蛍光検出を行う受光部と
して、半導体デバイスのイメ−ジセンサの一次元センサ
を用いる場合の要部の構成を説明する概略構成図、
【図8】第8図は本実施例の蛍光式電気泳動パタ−ン読
み取り装置を用いて、電気泳動パタ−ンの読み取りを行
う読み取り方法を説明する図、
【図9】第9図は電気泳動装置の外観を示す斜視図、
【図10】第10図は計測ユニットの構成を示すブロッ
ク図、
【図11】第11a図および第11b図は蛍光法による
電気泳動パタ−ン検出の動作原理を説明する図、
【図12】第12a図および第12b図は計測ユニット
41から送出されるDNA断片の蛍光強度パタ−ン信号
の例を説明する図、
【図13】第13図は電気泳動を行ったDNA断片の分
布例を示す図である。
【符号の説明】
1…電気泳動ユニット、 2a,2b…電極、 3…支持板、 4…電源装置、 5…泳動部ユニット(泳動部)、 6…読み取りユニット、 7…計測部本体、 8…デ−タ処理装置、 9…イメ−ジプリンタ、 10…制御回路、 11…光源、 12…光ファイバ、 13…蛍光、 14…集光器、 15…光学フィルタ、 16…光センサ、 17…増幅器、 18…アナログ・ディジタル変換回路、 19…信号処理部、 20…インタフェ−ス、 21…光源、 22…振動ミラ−、 23…レンズ、 24…集光器、 25…光学フィルタ、 26…光センサ、 27…増幅器、 28…アナログ・ディジタル変換回路、 29…メモリ、 30…インタフェ−ス回路、 31…制御回路、 51…泳動計測装置、 51a…扉、 51b…操作パネル、 52…デ−タ処理装置、 53…ケ−ブル、 54…計算機本体、 55…キ−ボ−ド、 56…ディスプレイ、 57…プリンタ、 63…電気泳動部装置、 64…信号処理装置、 61…光路、 62…電気泳動方向、 66…バンド、 70…電気泳動パターン、 71,72,73,74…レ−ン。
フロントページの続き (72)発明者 奈須 永典 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会 社内 (72)発明者 古賀 恵義 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会 社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置に
    おいて、ゲルを走査して、蛍光標識され泳動分離された
    試料からの蛍光を検出する読み取りユニットであって、 走査されるゲルを支持する支持手段と、 ゲルの区画に対して所定の波長の励起光が照射されて、
    標識され分離された前記試料成分から発光した異なる波
    長の蛍光を集光する集光手段と、 ゲルを走査するために前記励起光とゲルとを互いに相対
    的に移動させる移動手段と、 集光された光を受光し、前記所定の波長の光を除いて前
    記異なる波長の蛍光を通過させる少なくとも1つの光学
    フィルタと、 前記区画から放射された光を受光し、所定の空間の間で
    背景光および散乱光を除いて光を通過させる空間フィル
    タと、 前記波長フィルタおよび空間フィルタにより通過した光
    を受光して、出力信号を出力する光検出手段と、 前記出力信号を受けとり処理を行い、標識され分離され
    た試料成分のイメージを出力する出力手段とを備えるこ
    とを特徴とする読み取りユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、読み取りユニットは、励起光
    を供給するレーザ光源を含んでいることを特徴とする蛍
    光式電気泳動パタ−ン読み取り装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、前記集光手段は、励起光によ
    り第1の方向において試料を走査する走査手段を含み、
    前記移動手段は、前記1の方向と異なる方向に試料を移
    動させることを特徴とする蛍光式電気泳動パタ−ン読み
    取り装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、走査手段が走査する第1の方
    向は、試料の電気泳動方向に対して実質的に平行な方向
    であることを特徴とする蛍光式電気泳動パタ−ン読み取
    り装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、前記集光手段は、照射される
    励起光の光学軸に対して異なる方向に延長されている光
    学軸により蛍光を集光することを特徴とする蛍光式電気
    泳動パタ−ン読み取り装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、前記集光手段において、照射
    される励起光は、電気泳動パターンにより定まるゲルの
    区画の表面の所定の角度により照射されることを特徴と
    する蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、前記集光手段において、照射
    される励起光の光学軸と、蛍光を受光する光学軸とは、
    読み取られる電気泳動パターンのゲルの表面に対して同
    じ側に位置していることを特徴とする蛍光式電気泳動パ
    タ−ン読み取り装置。
  8. 【請求項8】 蛍光物質に第1の波長の光が照射された
    際に第2の波長で蛍光を発光する当該蛍光物質で標識さ
    れた試料における試料面を規定し、該試料面により電気
    泳動パターンを読み取る蛍光式電気泳動パターン読み取
    り装置であって、 電気泳動ユニットから分離された試料を保持し、当該試
    料の試料面を規定する試料保持具と、 当該試料面に対し交差角のある第1の方向で当該試料面
    に第1の波長の光を放射する光源と、 前記試料面に対する第1の方向と当該第1の方向に対し
    て実質的に角のある前記試料面に対する第2の方向で、
    光源と試料保持具とを互いに相対的に移動させて、光源
    の光を前記蛍光物質に照射し、当該蛍光物質を励起し
    て、第2の波長の蛍光を発生させる走査手段と、 光源からの光の方向が、蛍光物質に対して励起光を供給
    するに十分な試料面に対する実質角を有し、その試料面
    での照射される実質角の光の方向に対応して散乱光を除
    く所定の方向において第2の波長で蛍光を集光し、第1
    の波長を除いて第2の波長を通過させる光学フィルタを
    含む集光器と、 走査する時間の間に渡って、前記集光器により蛍光が集
    められ、フィルタされた後の第2の波長での蛍光を検知
    し、受光された第2の波長での蛍光の量に比例したアナ
    ログ量を有する走査位置と相関された電気アナログ信号
    を生成するセンサと、を備える蛍光式電気泳動パタ−ン
    読み取り装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の蛍光式電気泳動パタ−
    ン読み取り装置において、更に、 アナログ信号のアナログ値をディジタル値に変換するア
    ナログ・ディジタル変換器と、 試料の走査に対応して関連するディジタル値の走査出力
    を出力する出力手段とを含むことを特徴とする蛍光式電
    気泳動パタ−ン読み取り装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の蛍光式電気泳動パタ
    −ン読み取り装置において、 前記走査手段は、電気泳動パターンにおける電気泳動の
    方向に平行な第1の方向と、該第1の方向に対して実質
    的に垂直な第2の方向により走査することを特徴とする
    蛍光式電気泳動パタ−ン読み取り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5113298A (en) * 1974-07-23 1976-02-02 Joko Sangyo Kk Reezaaokogentosuru takentainodosokuteihohoto sochi
JPS6313298A (ja) * 1986-07-03 1988-01-20 キヤノン株式会社 照明装置
JPS63313035A (ja) * 1987-06-09 1988-12-21 アプライド バイオシステムズ インコ−ポレイテツド Dna配列決定のための実時間走査電気泳動装置
JPS63317770A (ja) * 1987-06-12 1988-12-26 イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 走査型検出装置

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