JPH0730611Y2 - 写真現像機用送りロール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は写真現像機用送りロールに関する。

［従来の技術］ プラスチックロールは各種の分野で種々の用途に使用さ
れているが、このロールはパイプと異なり内部までプラ
スチックで作成された一体物である。このため大きな機
械的強度を有する長所はあるものの、反面その重量がか
なり大きくなるという欠点がある。この種ロールの用途
の一つに写真現像機用送りロールがある。

現在、撮影済のフィルムを大量に現像する場合において
は、フィルムの現像、停止、定着、水洗、及び乾燥を連
続的に行う所謂自動現像機が用いられている。またフィ
ルムから印画紙写真を得る場合には、印画紙の露光、現
像、停止、定着、水洗、及び乾燥を連続的に行う所謂ラ
ボ、たとえばカラーラボが用いられている。自動現像機
にせよラボにせよ、フィルム、印画紙等を連続的に現像
液中、停止液中、及び定着液中を通過させるために多数
本のプラスチック製送りロールが使用されている。これ
等ロールはその機能上フィルムや印画紙に損傷を与える
ものであってはならず、このためロールの表面平滑性が
要求され、また送りロールとしての機械的強度が保障さ
れるかぎり出来るだけ軽量のものが望ましい。また特に
写真現像機用に使用されるため、露光、現像、停止、定
着等に於いて使用される各種薬液に対し充分なる耐薬品
性が必要となって来る。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、優れた表面平滑性を
損うことなく、且つ使用する薬品に対し充分なる耐薬品
性を有し、しかもかなりの機械的強度を保持すると共に
その重量を軽量となした写真現像機用送りロールを開発
することである。

［課題を解決するための手段］ この課題は写真現像機用送りロールとして、回転軸の外
周面にポリフェニレンオキサイドからなる内層（１）
と、ポリフェニレンオキサイドからなる外層（２）との
二層から成る複合構造となし、且つその内層（１）を発
泡体で作製したロールを使用することによって解決され
る。

［考案の作用］ 本考案の写真現像機用送りロールは、添付図面にも示し
た様に、その内層（１）を、ポリフェニレンオキサイド
からなる発泡体としているために極めて軽量である。ま
た本考案に於いては外層（２）としてにポリフェニレン
オキサイドを使用して、且つ、内層（１）もポリフェニ
レンオキサイドを使用することにより、同種樹脂のため
内層（１）と外層（２）との間での剥離が生じ難く、剥
離が原因で生ずるロールの表面での凹凸発生を防止出
来、惹いては写真現像ムラが解消出来る。またその外層
（２）ばかりでなく、内層（１）もポリフェニレンオキ
サイドから成るので、耐薬品性及び耐熱性に優れ、且つ
表面平滑性は従来品と同様極めて優れたものである。こ
のため写真現像に於いて品質が安定して使用することが
出来る。そして内層（１）と薄い外層（２）との複合体
であるため全体としての機械的強度も特に従来品に比
し、著しく低下することなくかなりの強度を保持し、充
分に実用に耐えるものであり、写真現像用送りロールと
しても充分に使用出来る程度の機械的強度を有してい
る。加えて内層（１）が発泡体であるため安価に製造で
きる利点もある。

本考案の発泡体（１）の発泡倍率は通常1.2〜５倍、好
ましくは1.5〜2.5倍程度が適当である。

本考案のプラスチックロールは、その外径が通常10〜50
mm程度であり、またその外層（２）の厚みは通常0.2〜5
mm、好ましくは0.5〜3mm程度である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案写真現像機用送りロールの一例の斜視図で
ある。 （１）……フェニレンオキサイド発泡体からなる内層 （２）……フェニレンオキサイドからなる外層 （以上）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸の外周面にポリフェニレンオキサイ
   ドからなる内層（１）とポリフェニレンオキサイドから
   成る外層（２）との複合ロール層を形成し、且つ該内層
   （１）を発泡体となしたことを特徴とする写真現像機用
   送りロール