JPH07305232A - 熱接着性を有する熱収縮性複合繊維 - Google Patents

熱接着性を有する熱収縮性複合繊維

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JPH07305232A
JPH07305232A JP12171394A JP12171394A JPH07305232A JP H07305232 A JPH07305232 A JP H07305232A JP 12171394 A JP12171394 A JP 12171394A JP 12171394 A JP12171394 A JP 12171394A JP H07305232 A JPH07305232 A JP H07305232A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱接着性と熱収縮性を併有し、かつ熱接着作
用と熱収縮作用が二段階の熱処理によって個々に発揮さ
れるような繊維を提供する。 【構成】 エチレン−プロピレンランダム共重合体及び
/又はエチレン−ブテン−1 −プロピレン共重合体を7
0重量%以上含むポリマーを第一成分、ビニル系カルボ
ン酸のモノマー及び/又はビニル系カルボン酸エステル
のモノマー5〜30重量%とエチレン95〜70重量%
からなるエチレン共重合体を第二成分とし、第一成分お
よび第二成分が共に繊維の長さ方向に連続し、第二成分
が少なくとも繊維表面の一部を占めるように溶融紡糸し
て、熱接着性と熱収縮性を併有する複合繊維を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱接着性を有する熱収
縮性複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱接着性繊維に関しては、特開
昭62−69822号、特開平5−9809号公報に記
載されている通り、熱処理による接着の際に不織布に皺
が生じるのを防ぐべく、それ自体は収縮しにくいもの、
つまり熱収縮率の小さな繊維が主に提案されている。
【0003】また、最近、オレフィン系共重合体や、エ
ステル系共重合体等の熱収縮率の大きなポリマーを利用
した繊維が種々開発されており、本出願人も、特開平5
−44108号公報においてエチレン−プロピレン共重
合体からなる熱収縮性繊維を提案している。
【0004】これら熱収縮性繊維のみからなる、もしく
は熱収縮性繊維とその他の繊維とが混合されてなる不織
布に熱処理を施し、熱収縮性繊維を収縮させることによ
って高密度な不織布を得ることができる。また、その収
縮特性を利用して、不織布表面にクレープ状の凹凸を発
生させた嵩高な不織布も多く提案されており、その殆ど
は、非収縮性繊維層と収縮性繊維層を一体化させた後、
熱処理により収縮性繊維層を収縮させると同時に非収縮
性繊維層に皺を発生させることによって得られるもので
ある。
【0005】上記、高密度不織布および嵩高不織布いず
れの場合も、不織布の形態を維持せしめ、ある程度強力
を有するものにしようとするならば、構成繊維間もしく
は各繊維層間が何らかの形で結合していなければならな
い。結合は、一般的には、例えば、ニードルパンチング
や高圧水流噴射処理によって繊維間を交絡させる方法、
あるいは何らかの接着成分によって繊維間もしくは層間
を接合させる方法を適用することによって達成される。
繊維間あるいは層間を接合させる場合に一般に使用され
る接着成分は、熱処理によって溶融・軟化する熱接着成
分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が先に提案し
た繊維は、それ自身熱接着性を持たないため、熱処理に
よって繊維間もしく繊維層間を結合させたい場合には、
熱接着成分として熱接着性繊維を混合する必要がある。
しかし、2種類以上の繊維を混合する工程、いわゆる混
綿工程は、コスト面で好ましいことではない。その上、
2種類以上の繊維が均一に混合されていなければ、得ら
れる不織布の均質性が損なわれ、品質上の問題が生じる
場合もある。そこで、本発明者は、熱接着性と熱収縮性
を併有する繊維があれば、これらの問題は生じないと考
え、熱収縮成分と熱接着成分とからなり、二段階の熱処
理によって熱接着と熱収縮が行われる複合繊維を得るべ
く鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、融解ピ
ーク温度(Tm℃)が130<Tm<145のエチレン
−プロピレンランダム共重合体及び/又はエチレン−ブ
テン−1 −プロピレン三元共重合体を70重量%以上含
むポリマーを第一成分に、ビニル系カルボン酸のモノマ
ー及び/又はビニル系カルボン酸エステルのモノマー5
〜30重量%とエチレン95〜70重量%からなるエチ
レン共重合体を第二成分とすることを特徴とする熱接着
性と熱収縮性を併有する複合繊維である。
【0008】本発明の複合繊維において、熱収縮成分た
る第一成分は融解ピーク温度(Tm℃)が130<Tm
<145のエチレン−プロピレンランダム共重合体及び
/又はエチレン−ブテン−1 −プロピレン三元共重合体
を70重量%以上含むポリマーで構成される。ここで融
解ピーク温度とは、示差走査熱量計(DSC)によりポ
リマーの融解熱測定を行ったときにDSC曲線が最高値
を示す温度をいう。第一成分に用いられるエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体およびエチレン−ブテン−1
−プロピレン三元共重合体の融解ピーク温度が130℃
未満であると、後述する第二成分たる熱接着成分の選択
範囲が狭くなり、145℃を超えると繊維の乾熱収縮性
が通常のポリプロピレン繊維程度になってしまうので好
ましくない。
【0009】エチレンープロピレンランダム共重合体お
よびエチレン−ブテン−1 −プロピレン三元共重合体
は、熱収縮率が非常に大きい。例えば、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体のみからなる3倍程度に延伸さ
れた繊維は、融点直下の135℃で1分以内に93%の
熱収縮率を示す。同様に、エチレン−ブテン−1 −プロ
ピレン三元共重合体のみからなる3倍程度に延伸された
繊維は、融点直下の135℃で80%の熱収縮率を示
す。よって、熱収縮性を制御するために他のポリマーを
混合することができるが、本願発明においては第一成分
中に含まれるエチレン−プロピレンランダム共重合体及
び/又はエチレン−ブテン−1 −プロピレン三元共重合
体の割合は70重量%以上であることが好ましい。70
重量%未満であると、得られる複合繊維の最大熱収縮率
が50%未満となり、熱収縮が不十分となるからであ
る。ここで最大熱収縮率とは、145℃の雰囲気下に1
分間置いた場合に示す収縮率であり、以下、特に断りの
ない限り「熱収縮率」というときはこの条件下の最大熱
収縮率を指すものとする。
【0010】エチレン−プロピレン共重合体及び/又は
エチレン−ブテン−1 −プロピレン三元共重合体と混合
するポリマーは特に限定されず、これらのポリマーより
も熱収縮性の劣るポリプロピレン等のポリオレフィン系
ポリマーを用いることができる。
【0011】本発明の複合繊維の第二成分は熱接着成分
で構成される。この熱接着成分は、その融点がエチレン
−プロピレンランダム共重合体の収縮開始温度よりも低
いポリマーで構成されなければならない。但し、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体の熱収縮は、90℃程
度の雰囲気下でも僅かではあるが開始するので、ここで
いう収縮開始温度を厳密に解する必要はなく、その熱収
縮率が10%以内であるような温度であれば収縮開始温
度よりも低い温度であるとみなせる。第二成分に適用し
うるポリマーとしては、ビニル系カルボン酸のモノマー
及び/又はビニル系カルボン酸エステルのモノマー5〜
30重量%とエチレン95〜70重量%からなる融点が
80〜100℃のエチレン共重合体が挙げられる。ここ
でビニル系カルボン酸には、アクリル酸やメタクリル酸
等のモノカルボン酸や、マレイン酸等のジカルボン酸が
含まれ、そのエステルにはアクリル酸メチルや、アクリ
ル酸エチルが含まれる。具体的にはエチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル
共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸共
重合体等を使用することができる。中でもエチレン−ア
クリル酸メチル共重合体は、融点が低く、アクリル繊維
等の非オレフィン系繊維への熱接着性も良好であること
から最も好ましく適用できる。
【0012】本発明の複合繊維は、第二成分が少なくと
も繊維表面の一部を占めているような構造であれば良
い。例えば、その繊維断面において第一成分と第二成分
が交互に平行に配列された並列型や、第一成分と第二成
分が交互に菊花状に配列されたもの、あるいは第一成分
を芯成分、第二成分を鞘成分とした芯鞘型等から任意に
選択することができる。中でも、芯鞘型とすることが、
接着性の点から最も望ましい。また、両成分の複合比は
容積比で、第一成分/第二成分が3/7〜7/3の範囲
内にあることが、溶融紡糸性および得られる繊維の接着
力、収縮効果、強力の点から望ましい。
【0013】本発明の複合繊維は、紡糸温度190〜3
00℃の範囲で溶融複合紡糸することにより得られる。
また、この温度範囲内において両成分のメルトフローレ
ート値(MFR)が13以上100未満であることが望
ましい。紡糸温度が190℃未満であると溶融紡糸性が
悪くなるため好ましくなく、300℃を超えるとポリマ
ー中に添加されている熱安定剤が分解するため好ましく
ない。また、溶融紡糸の際の両成分のMFRが13未満
では流動性が不十分であり、100を超えると流動性が
大きくなりすぎるため紡糸性が悪くなる。従って、本発
明の複合繊維を紡糸する際には、MFRが13〜100
となるような温度を190〜300℃の範囲で選定し、
その温度で溶融紡糸すればよい。
【0014】このようにして得られた本発明の複合繊維
は、熱接着及び熱収縮という二つの機能を併有するもの
である。この二つの機能は、二段階の熱処理を経ること
によってそれぞれ個々に発揮される。即ち、まず熱接着
成分の融点より高くかつ熱収縮成分の収縮開始温度より
も低い温度で熱処理することによって、熱接着成分を溶
融して繊維間を接着する。この温度では、熱収縮成分の
熱収縮は10%以内に抑えられているので、熱接着時の
繊維の熱収縮によって発生する種々の問題、例えば不織
布中のクモの巣状の密度ムラ等が生じることもなく、本
発明の複合繊維は専ら熱接着性繊維として働き、均質な
熱接着が可能となる。熱接着の際の具体的に望ましい加
熱温度は90〜100℃である。100℃を超えると熱
収縮成分の収縮が開始するためである。
【0015】続いて、熱収縮成分の収縮開始温度よりも
高い温度で熱処理を施し、積極的に熱収縮させる。この
熱収縮は、すでに熱接着が完了された状態で行われるた
め、もはや熱収縮により発生する密度ムラ等を考慮する
必要がなく、均一な状態で達成される。熱収縮の際の具
体的に望ましい加熱温度(T℃)は、100<T<=T
m+30の範囲内である。100℃未満では、熱収縮が
不十分であり、Tm+30℃を超えると繊維が完全に溶
融し収縮応力が著しく低下するためである。
【0016】本発明の複合繊維は、種々の態様で使用す
ることができ、他の繊維と混綿して使用してもよい。例
えば、他の合成繊維と本発明の複合繊維を混綿してウェ
ブとした後に熱処理を施せば、高密度な熱接着不織布を
得ることができ、レーヨンやパルプ等と混綿して湿式抄
造し、この抄造シートに熱処理を施せば、嵩高な湿式不
織布もしくは紙を得ることができる。また、本発明の複
合繊維を含む繊維層と非収縮性繊維からなる繊維層を積
層し、これを熱接着により一体化した後、本発明の繊維
を熱収縮させれば、非収縮性繊維層の表面に多数の皺が
形成された多皺不織布となすことができる。
【0017】
【作用】本発明において、第一成分は熱収縮成分として
作用し、第二成分は熱接着成分として作用する。よって
この繊維を使用して不織布を構成した場合、第二成分
は、熱処理によって繊維間を熱接着し、不織布の強力を
決定する要素となり、第一成分は、収縮して不織布の密
度を高める働きをする。また、本発明の複合繊維を含む
繊維層と、非収縮性繊維からなる繊維層を積層して不織
布とする場合にあっては、第二成分は、繊維間および繊
維層間の熱接着に専ら寄与し、第一成分は熱収縮して非
収縮性繊維層の表面に多数の皺や凹凸を形成せしめ、不
織布全体を嵩高にする役割を果たすものとなる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
もとより本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0019】[実施例1〜3]融点が133℃、136
℃、140℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体
(EP)をそれぞれ第一成分とし、融点92℃のエチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)を第二成分と
して、第一成分(芯成分)/第二成分(鞘成分)の容積
比が5/5になるように芯鞘型複合繊維を紡糸温度26
0℃で溶融紡糸した。これを50℃の温水中で3.4倍
に延伸し、続いて常温の帯電防止用繊維処理剤を付与し
た。さらにスタッファボックスで機械捲縮加工した後、
60℃のネットコンベヤー式熱風貫通型乾燥機で乾燥
し、51mmの長さに切断してステープル繊維となし
た。ここではエチレン−プロピレンランダム共重合体の
融点が133℃のものを実施例1、136℃のものを実
施例2、140℃のものを実施例3とする。
【0020】[実施例4]融点が136℃のエチレン−
プロピレンランダム共重合体を第一成分、融点82℃の
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)を第二
成分として、第一成分(芯成分)/第二成分(鞘成分)
の容積比が5/5となるように芯鞘型複合繊維を紡糸温
度260℃で溶融紡糸した。これを上記実施例1〜3と
同様の用法で後処理を施し、51mmのステープル繊維
となし、実施例4とした。
【0021】[実施例5〜7]融点が136℃のエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体を第一成分とし、エチ
レン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル
酸メチル−アクリル酸共重合体(EMAA)、から選ん
だ一種のポリマーを第二成分として、第一成分(芯成
分)/第二成分(鞘成分)の容積比が5/5になるよう
に、芯鞘型複合繊維を紡糸温度260℃で溶融紡糸し
た。これに上記実施例1〜3と同様の方法で後処理を施
し、51mmの長さに切断してステープル繊維となし
た。ここでは、第二成分がエチレン−アクリル酸共重合
体であるものを実施例5、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体であるものを実施例6、エチレン−アクリル酸
メチル−アクリル酸共重合体であるものを実施例7とす
る。
【0022】[実施例8]エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(EP)70重量%とポリプロピレン(P
P)30重量%とを混合したポリマーを第一成分とし、
エチレン−アクリル酸メチル(EMA)を第二成分とし
て、第一成分(芯成分)/第二成分(鞘成分)が5/5
になるように芯鞘型複合繊維を紡糸温度260℃で溶融
紡糸した。これを上記実施例1〜3と同様の方法で後処
理し、51mmのステープル繊維となした。これを実施
例8とする。
【0023】[実施例9]エチレン−ブテン−1 −プロ
ピレン三元共重合体(EBP)を第一成分とし、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)を第二成分と
して、第一成分(芯成分)/第二成分(鞘成分)が5/
5になるように芯鞘型複合繊維を紡糸温度260℃で溶
融紡糸した。これを上記実施例1〜3と同様の方法で後
処理し、51mmのステープル繊維となした。これを実
施例9とする。
【0024】[比較例1〜2]高結晶ポリプロピレン
(HCPP)、ポリプロピレン(PP)をそれぞれ第一
成分とし、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EM
A)を第二成分として、第一成分(芯成分)/第二成分
(鞘成分)が5/5になるように芯鞘型複合繊維を紡糸
温度260℃で溶融紡糸した。これを上記実施例1〜3
と同様の方法で後処理し、51mmのステープル繊維と
なした。ここで、高結晶ポリプロピレンを第一成分とし
たものを比較例1、ポリプロピレンを第一成分としたも
のを比較例2とする。
【0025】[比較例3]エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(EP)を第一成分、高結晶ポリエチレン
(HDPE)を第二成分として、第一成分(芯成分)/
第二成分(鞘成分)が5/5になるように芯鞘型複合繊
維を紡糸温度260℃で溶融紡糸した。これを上記実施
例1〜3と同様の方法で後処理し、51mmのステープ
ル繊維となした。これを比較例3とする。
【0026】ここで上記実施例1〜9および比較例1〜
3の繊維の繊維性能を表1および表2に示す。ここで参
考例として、エチレン−プロピレンランダム共重合体の
みからなる繊維の繊維性能を併せて表2中に示す。ま
た、表中の熱収縮率はいずれもその温度の雰囲気下に繊
維を1分間置いたときの値である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】[実施例10]実施例1の繊維のみを用い
て、パラレルカードでウェブを作成し、95℃、線圧
0.1kg/cmの熱ロール間にウェブを供給すること
により複合繊維の熱接着成分を溶融させて繊維間を接着
し、目付40g/m2 の不織布を得た。得られた不織布
の強力は2.5kg/cmであった。さらに、この不織布を
熱風貫通型熱加工機を用いて140℃で1分間処理した
ところ、面積が60%収縮すると同時に密度が40%増
加しており、高密度な不織布を得ることができた。
【0030】[実施例11]実施例1の繊維のみを用い
て、パラレルカードで目付30g/m2 のウェブを形成
した。これをポリプロピレンからなる目付40g/m2
のスパンボンド不織布と重ね合わせて、95℃、線圧
0.1kg/cmの熱ロール間に供給することにより、
ウェブ中の繊維間およびウェブとスパンボンド不織布間
を熱接着させて両者が一体化した不織布となした。さら
にこの不織布を熱風貫通型熱加工機を用いて140℃で
1分間処理したところ、実施例1の繊維が熱収縮し、そ
の収縮力によりスパンボンド不織布とウェブ間に部分的
な剥離が生じたために、スパンボンド不織布に多数の皺
が形成された多皺不織布を得ることができた。
【0031】[実施例12]実施例1および表2中の参
考例と同一の繊維を溶融紡糸し、延伸した後、紙用分散
性改良繊維処理剤を付与し、6mm長に切断してそれぞ
れ紙用原料とした。この実施例1の繊維からなる紙用原
料15部と、参考例の繊維からなる紙用原料15部、お
よびパルプ70部を水中に入れ、さらにサイジング剤と
表面張力低下剤を添加してよく攪拌した後、抄造した。
この抄造シートを100℃のヤンキードライヤーで乾燥
した後、135℃の熱風貫通型熱加工機中で処理したと
ころ、厚みが熱処理前の1.5倍となり、嵩高な紙を得
ることができた。
【0032】
【発明の効果】本発明は、熱接着性および熱収縮性を併
有する複合繊維であり、熱接着成分の融点で熱処理をし
た後に熱収縮成分の収縮温度で熱処理をする、つまり二
段階の熱処理を施すことによって、熱接着処理と熱収縮
処理を分離して行うことができるという特徴を有する。
従って、これを用いて不織布を形成する場合、熱接着性
繊維を混綿する必要がなく、また、熱接着の際に熱収縮
の影響を受けないので、均質な熱接着不織布を得ること
ができる。そして、熱接着後は、熱収縮繊維として利用
することができ、従来より知られている方法でもって、
高密度不織布や嵩高紙、多皺不織布となすことができる
のである。
【0033】このように本発明の複合繊維は、熱収縮性
繊維の熱接着不織布への汎用を可能にしたものである。
そしてその熱収縮特性を利用することにより、例えば、
濾過材、クッション材、ワイパー、おしぼり、壁材、包
装資材などに適した高密度不織布や多皺不織布、あるい
は嵩高紙を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融解ピーク温度(Tm℃)が130<T
    m<145のエチレン−プロピレンランダム共重合体及
    び/又はエチレン−ブテン−1 −プロピレン三元共重合
    体を70重量%以上含むポリマーを第一成分、アクリル
    酸やメタクリル酸もしくはマレイン酸等のビニル系カル
    ボン酸のモノマー及び/又はビニル系カルボン酸エステ
    ルのモノマー5〜30重量%とエチレン95〜70重量
    %からなるエチレン共重合体を第二成分とし、第一成分
    および第二成分が共に繊維の長さ方向に連続し、第二成
    分が少なくとも繊維表面の一部を占めることを特徴とす
    る熱収縮性複合繊維。
  2. 【請求項2】 第一成分が芯成分、第二成分が鞘成分で
    ある芯鞘型複合繊維であることを特徴とする請求項1の
    熱収縮性複合繊維。
JP12171394A 1994-05-10 1994-05-10 熱接着性を有する熱収縮性複合繊維 Expired - Lifetime JP2984542B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1478510A4 (en) * 2002-01-30 2007-10-10 Spunfab Ltd ADHESIVE MATERIALS AND ITEMS CONTAINING THEREOF
JP2008101285A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Kao Corp 不織布の製造方法

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