JPH07305218A - 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法 - Google Patents

再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法

Info

Publication number
JPH07305218A
JPH07305218A JP9461694A JP9461694A JPH07305218A JP H07305218 A JPH07305218 A JP H07305218A JP 9461694 A JP9461694 A JP 9461694A JP 9461694 A JP9461694 A JP 9461694A JP H07305218 A JPH07305218 A JP H07305218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
regenerated cellulose
filament
wet
filament yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9461694A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuko Ishibuchi
哲子 石渕
Kazunari Nishiyama
和成 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9461694A priority Critical patent/JPH07305218A/ja
Publication of JPH07305218A publication Critical patent/JPH07305218A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便で容易な方法で強度や湿潤物性の改善さ
れた再生セルロースフィラメント糸の生産ができる湿式
処理方法を提供する。 【構成】 3級アミンオキサイドと水を含有する処理液
を再生セルロースフイラメント糸に付与し、そのフイラ
メント糸を膨潤させた後に延伸することを特徴とする湿
式処理方法。乾燥履歴のない再生セルロースフイラメン
ト糸を用いるとさらに好ましい。 【効果】 従来から生産されている普通レーヨンフイラ
メント糸の強度や湿潤物性を工程内処理または、後処理
でその湿潤物性を大きく改善できる。つまり、簡便な装
置と工程を従来の製造工程に付加することで容易に実施
でき、新たな原液設備や紡糸設備を造る必要がないの
で、既存の再生セルロースフイラメント糸の製造工程や
後加工工程などに用いられて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は再生セルロースフィラメ
ント糸の湿式処理方法に関する。さらに詳しくは、ビス
コース法レーヨン、銅安法レーヨンなどの再生セルロー
スフイラメント糸をその湿式紡糸過程や後工程で湿式処
理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】再生セルロースフィラメント糸は古くか
ら生産されており、衣料用、産業資材用など広い用途に
用いられている。その工業的な生産方法として、ビスコ
ース法、銅安法、硝化法が従来から用いられていたが、
硝化法はその製造上の危険性などから現在は用いられて
いない。通常的に製造されている方法は謂ゆるビスコー
ス法や銅安法と呼ばれる湿式紡糸方法である。これらの
方法で製造された再生セルロース繊維は、その独特の風
合いや光沢などで現在も高く評価されているが、反面、
強度が低い、湿潤時の物性低下が著しい、湿潤弾性率が
小さいなどの欠点がある。特に湿潤物性が小さいことと
水膨潤度が大きいために織布工程や染色時の寸法変化や
製品の耐洗濯性が悪いなどの欠点がある。これらの欠点
を改善するために通常は樹脂加工などが後工程で施され
るのが一般的である。
【0003】これらの欠点を改善したフイラメント糸を
製造する方法は古くから多くの研究が続けられており、
多数の提案がある。例えば、ビスコース法では、湿潤物
性改善を主な目的として、ビスコースの変態剤と言われ
る添加物を混合し、低凝固状態で延伸して紡糸してスキ
ン層の比率を上げた謂ゆるポリノジックと呼ばれる改良
ビスコース糸が生産されているが、その生産速度は一般
に低く、フィラメント糸の工業的な生産には問題の多い
方法であった(例えば、特公昭28−1407号公報、
特公昭38−216号公報、特公昭38−15959号
公報、特公昭38−18561号公報、特公昭43−5
174号公報、特公昭45−24687号公報、特公昭
47−3848号公報など)。
【0004】また、ビスコースを比較的濃度の高い硫酸
溶液(65〜75%硫酸など)を凝固液に用いて紡糸し
つつ延伸を行う方法(謂ゆるリリエンフェルド法)など
も提案されたが、生産性が低い、設備の保守が困難、特
殊な用途にしか適用できないなどの理由で現在では生産
もされていない(例えば、日本特許第77001号公
報、特公昭27−3467号公報など)。
【0005】銅安法では、比較的重合度の高い原料を用
いて緊張延伸紡糸することが容易なため、ビスコース法
普通レーヨンに比べればその湿潤物性が向上した繊維が
供給されてはいるが、その物性では、実用の用途には不
十分なものであり、一層の改善が望まれるものであっ
た。その一方で、普通レーヨン糸を製造する方法は、生
産性が大きく向上しており、600〜800m/分での
紡糸も行われている。特に銅安法レーヨンはその紡糸方
式の特徴から、高速生産性に優れており、1500m/
分の生産速度も公表されている(例えば特公昭47−2
9927号公報、特開昭59−228016号公報、特
開昭61−19805号公報、特開平1−111005
号公報、特開平1−124609号公報、特開平1−1
24610号公報など)。
【0006】他方、セルロースを別の新しい溶媒系を用
いて溶かしたドープから紡糸する方法も近年多く提案さ
れている。その溶媒としては、例えばN−メチルモルホ
リン−N−オキサイド(以下、NMMOと略称する)、
二酸化硫黄/アミン、二酸化窒素/ジメチルスルホキサ
イド、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム、チオシア
ン酸アンモニウム、銅エチレンジアミン錯塩水溶液、N
N−ジメチルホルムアミド/二酸化窒素、ジメチルスル
ホキサイド/パラホルムアルデヒド、苛性ソーダなど種
々のものがある。これらの中には湿潤物性が改善された
フイラメント糸が得られるものもあるが、溶媒の安全性
や紡糸性などの問題を多く内在するものが多い。それら
の中で、例えば、NMMOを溶媒に用いて湿式紡糸する
ことによってその溶媒特有の作用によって湿潤物性の改
善された再生セルロース繊維の製造も可能になっている
(特公昭60−28848号公報、特公昭57−496
56号公報、特開平5−117970号公報、特開平5
−279318号公報など)。
【0007】上記のような、再生セルロースの湿潤挙動
や湿潤物性を改善する工夫は、ステープルファイバーの
製造には一部利用されているものもあるが、フィラメン
ト糸の場合は特に、その紡糸速度の低さや多大の設備投
資が必要などの問題があってなかなか工業的に採用する
ことは難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のビスコース法を
中心とした強度や湿潤物性を改善する製造方法では紡糸
設備の設計や生産性に大きな問題があり、フィラメント
糸の製造には適用しにくいものであった。銅安法でも生
産性は高いものの、その湿潤挙動は十分なものではない
という問題があった。
【0009】また、NMMO系ドープなどの新溶媒系を
用いた場合では、例えばそのドープ粘度が極めて高いこ
と、流動配向性が高いなどのために溶解や取扱い性が従
来のドープと大きく異なり、多大の設備費用を要すると
いう問題や紡糸速度や生産性を上げるための技術や設備
の開発が必要になり、容易にフィラメント糸を製造する
ことが難しいという問題があった。
【0010】本発明の目的は、このような問題のない、
簡便で容易な方法で湿潤物性の改善された再生セルロー
スフィラメント糸の生産ができる湿式処理方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、再生セル
ロースフイラメント糸の特性、紡糸過程、特に凝固後の
再生セルロースフイラメント糸の構造とその物性挙動、
機械物性との関係について鋭意検討を行った結果、凝固
後の再生セルロースフイラメント糸の溶媒中での膨潤や
延伸のされ方が、得られた再生セルロースフイラメント
糸の湿潤物性や強度に極めて大きく影響することを見い
だし本発明に到った。
【0012】すなわち、本発明は、3級アミンオキサイ
ドと水を含有する処理液を再生セルロースフイラメント
糸に付与し、該フイラメント糸を膨潤させた後に延伸す
ることを特徴とする再生セルロースフィラメント糸の湿
式処理方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】まず、本発明に言う「再生セルロースフイ
ラメント糸」とは、セルロースを一旦溶媒に溶解したド
ープを作り、その後そのドープ中のセルロース分を水や
酸などの凝固剤を用いて固化させてフイラメント糸状と
したものを総称したものをいう。例えば、セルロースの
ザンテートを苛性ソーダに溶解したドープを硫酸などで
凝固、再生させて製造された謂ゆるビスコース法レーヨ
ン、セルロースを銅/アンモニア錯体溶液に溶解したド
ープを水で凝固させて製造された謂ゆる銅安法レーヨン
などが通常生産されており、一般に普通レーヨン、強力
レーヨン、ポリノジック、キュプラなどの名称で表され
ている。
【0014】本発明の湿式処理には、3級アミンオキサ
イドと水を含有する混合液を用いて膨潤させることが特
徴である。「3級アミンオキサイド」とは、第3級アミ
ンのN−オキサイド物を総称したものであり、本発明に
用いる3級アミンオキサイドとしては、例えばN−メチ
ルモルホリン−N−オキサイド、N,N−ジメチル−エ
タノールアミン−N−オキサイド、N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミン−N−オキサイド、N,N,N−ト
リエチルアミン−N−オキサイド、N−メチルピペリジ
ン−N−オキサイド、N,N−ジメチルベンジルアミン
−N−オキサイド、2(2−ヒドロキシプロポキシ)−
N−エチル−N,N−ジメチルアミン−N−オキサイド
など種々のものを用いることができる。これらの3級ア
ミンオキサイドは単独または2種類以上混合して特定の
濃度の水と混合された系で処理液として用いられてよ
い。これらの中でNMMOはセルロース繊維の処理液と
して安定性や溶解性も比較的高く好ましい薬品の一つで
ある。
【0015】本発明に用いる「3級アミンオキサイドと
水を含有する処理液」は、アミンオキサイドと水のみか
らなるものだけでなく、その他にアルコール類や用いる
アミンオキサイドや水と相溶性のある物質を含有したも
のであってもよい。また、通常試薬に含有されているも
の(例えば微量の着色物質や分解によって生成された成
分など)や製造工程で使用された試薬の微量成分や少量
の安定剤や触媒などを含有するものも含むものを言う。
【0016】処理液の組成や添加物は、その混合される
物質の溶解性や性質に合わせて適宜選択されてよいが、
アミンオキサイドや水と蒸留などで分離がしやすいもの
などが好ましい。採用する3級アミンオキサイドについ
ては、現在知られているものの中から選択されてよい
が、溶媒それぞれに溶解能や粘度、凝固条件などが異な
るため製造条件や適用する装置の特性に合わせて選択さ
れるべきである。より好ましいものはセルロース溶解能
が高い、溶剤成分が少ない、溶媒の安定性が高い、セル
ロースの解重合性が少ない、などの性質のものが適す
る。
【0017】しかし、工業的に実施するには、溶媒の安
全性(可燃性や毒性など)や安定性の高いものが好まし
く、溶剤の回収、再利用を考慮すれば、凝固や再生の際
に試薬が分解したり、化学反応を伴わないものを選択す
ることが好ましい。また、単一組成の溶剤やその水溶液
であるものが好ましく、例えばNMMOと水との混合
液、ジエタノールアミンオキサイドと水の混合液などが
特に好ましい。
【0018】本発明の方法は、湿式処理中に処理液を含
浸させて膨潤させた後に延伸することが特徴である。溶
剤を含浸させるときの組成は、セルロースの溶解能力が
無いか、低い条件で含浸させる方が好ましい。これによ
って、含浸させる溶媒の粘度がドープにして含浸させる
方法に比べて非常に低いものを用いることができるので
含浸が容易でかつ均一性を格段に向上させることができ
る。
【0019】次に、含浸した溶媒の組成をセルロースを
強く膨潤させる条件に移行させて処理を行うとより好ま
しい。これによって、単糸の非晶部分の構造を大幅に変
化、再構築させることができると考えているが、極めて
短い時間での動的変化であるためにその機構を解明する
には至っていない。処理液中で膨潤させることで、一旦
形成された水素結合を緩め、無理な張力や抵抗などによ
ってできた歪を緩和させる作用も起きていると考えられ
る。これを延伸することによって直接ドープを作製して
紡糸や延伸した場合と同様の構造、性質を付与すること
ができる。3級アミンオキサイドと水を含有する混合液
は、それらが特定の濃度や温度領域ではセルロースの溶
解作用があり、その溶解作用は臨界的におきやすい傾向
を示すため、その条件を制御して処理を行うことによっ
てセルロース繊維の構造(特に非晶部分の水素結合や高
次構造)を再構築させることが可能になったと考えてい
る。このことは、3級アミンオキサイドと水の混合物が
セルロースの水酸基との特異な状態を作り、その結果と
して、脱溶媒後のセルロースの高次構造が強固にできた
ためと推定される。
【0020】延伸の程度は用途や要求特性に応じて処理
工程中で適宜に行われてよいが、5〜40%の範囲で行
われるのが好ましい。過度の延伸は、湿潤物性や強度の
向上は達成できるものの単糸の切断(毛羽の発生)や物
性の糸長方向の斑を起こし易いので避けた方がよい。本
発明に用いるフイラメント糸は、謂ゆるビスコース法で
紡糸されたフイラメント糸、銅安法で紡糸されたフイラ
メント糸、NMMOドープから紡糸されたフイラメント
糸などのいずれであってもよいが、特に銅安法が生産速
度が高くできる点で好ましい。
【0021】本発明に用いるフイラメント糸は乾燥糸、
製造工程の途中段階にある糸のいずれでもよく、また、
本発明の処理を行う位置は、紡糸後から乾燥工程に入る
までの間の製造工程中のいずれの位置で行われてもよ
い。また、巻き取られたフイラメント糸を集めて紡糸工
程とは別にバッチ方式で行われてもよい。しかし、紡糸
の初期凝固過程つまり凝固液中で凝固と同時に本発明の
処理を行うことは、工程が短くなるという面からは好ま
しいが、新たな紡糸条件の設定や装置の開発が必要にな
ったり、凝固液と処理液の混合が起きるために避けた方
がよい。
【0022】本発明の処理には、紡糸されて未だ乾燥履
歴のないフイラメント糸を用いて処理するとより好まし
い。特に、紡糸されたフイラメント糸から凝固液が概ね
除去された後(精練が行われた後)に処理を行うのが好
ましい。再生セルロースフイラメント糸の構造はその乾
燥過程でその水酸基間に分子内または分子間の水素結合
が起こり、強固で安定な構造を作る傾向があるために、
乾燥履歴の無いフイラメント糸の方がより穏和な条件で
も十分な処理効果が得られる。
【0023】乾燥履歴のあるフイラメント糸を用いて処
理を行うときは、乾燥費用が二重にかかるという不利が
あるが、生産性や取扱い性は優れており、より高速度で
高密度処理が可能になる。なお、乾燥履歴の無いフイラ
メント糸を原料に用いる場合に比較してより強く膨潤す
る処理液の条件に設定する必要があり、単糸の膠着が起
きやすくなる傾向になるので慎重な条件の設定が肝要で
ある。
【0024】本発明のフィラメント糸の繊度は特に限定
されるものではないが、長繊維としてそのまま使用され
る場合は、20〜1000デニールの範囲が好ましい。
更に好ましくは30〜600デニールの範囲であり、用
途に合わせて設計されてよい。処理後のフィラメント糸
あるいはトウを数cmの長さに切断して短繊維として用
いられる場合は、繊度を更に大きく(例えば数万デニー
ル)して処理が行われてもよい。
【0025】本発明に用いられるフイラメント単糸の大
きさは特に限定されるものではないが、1〜30デニー
ルのものが好ましい。特に1.5〜5デニールのものが
好ましい。単糸の繊度が過度に大きいと表面積が相対的
に小さくなり、単糸の内層部分への処理効果が小さくな
る傾向になるため、十分な効果が得にくくなる傾向にに
なるので好ましくない。また、単糸の繊度が過度に小さ
いと、フイラメント糸の表層に位置した単糸が完全に溶
解してしまったり、膠着したり、結晶構造が破壊された
りしやすくなるので好ましくない。
【0026】処理液の付与手段としては、処理液槽に浸
漬させる方法、処理液を柱状に流動させてその液柱へ接
触させる方法、ピンノズルから噴射させて液を付与する
方法など処理の方式や位置にあわせて適当な装置を用い
てよいが、走行抵抗を低くできる方式を用いる方が好ま
しい。延伸の手段としては、速度の異なる2つのニップ
ロール間を走行させる方法、テーパーを付けた対ロール
上をスパイラル状に走行させる方法、速度の異なる2群
の平行ロールなどを用いて行われてよい。
【0027】得られたフイラメント糸は、常法により精
練、乾燥を行う。精練、乾燥の方式は用いられる用途に
合わせて、通常再生繊維の製造で用いられている方法
(例えば対ロール式、ネット式などの連続式や綛式、ケ
ーク式などのバッチ式など)を用いて行われて良い。工
業的生産を容易にする面からは、連続紡糸工程(例え
ば、特公昭29−4661号公報に示されているような
謂ゆるホフマン式紡糸装置)の精練工程中に本発明の処
理領域を入れて連続的に製造する方法や、多数のチーズ
やケーク状に巻き取られた糸をクリールにセットして一
斉に走行させて高密度に本発明の処理を行うなどの方法
が好ましい。
【0028】
【実施例】以下に本発明の一実施例を記載し、本発明を
具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限する
ものではない。なお、百分率は特に断らない限り重量に
よるものである。本発明に記載された各物性の測定方法
について以下に説明する。 (1)強度、伸度、弾性率 JIS−L1013(1981)に従って糸長25c
m、引っ張り速度20cm/分で測定し、そのS−Sチ
ャートから計算する。 (2)水膨潤度 十分に乾燥した再生セルロースフイラメント糸1gを水
に浸漬し、次いで内径が200mmφの遠心式脱水機を
用いて3000回転/分で5分間脱水した後の重量を測
定し、その差(水の重量)を元の乾燥した試料重量で除
した値を百分率で表したものである。水に濡れたときの
含水の程度を示しており、製品(織物や編物など)の湿
潤挙動に対する影響度合いを表す指標として実用性をよ
く表している。この値が小さい方が一般に良好な傾向を
示す。
【0029】
【実施例1】ビスコースドープ(セルロース8.0%、
苛性ソーダ6.0%、γ価40)を紡糸ノズルから直接
凝固液(硫酸11%、硫酸ナトリウム20%、硫酸亜鉛
1.0%、温度55℃)に押し出してビスコースレーヨ
ンフイラメント普通糸(75d/33f)を紡糸しケー
ク状に巻き取った。常法によって精練、脱水を行った糸
を原料糸として用いた。ケークを遠心式脱水機を用いて
NMMOの60%水溶液を注液しながら3000回転/
分で含浸と脱水を行った。得られたケーク1000個を
クリールにセットし、100m/分の速度で一斉に解除
しながら湿式処理を行った。2つの槽を直列に並べてそ
の中に処理液などを溜めたものを用い、その液中を糸条
を走行させながら処理を行った。第一の槽は90℃のN
MMO85%水溶液、第二の槽は50℃の温水を用いて
連続的に膨潤と延伸を行った。延伸率は、第一槽の入口
及び第二槽出口に設置した2対のニップロールの周速を
変えて20%になるようにした。その後、常法に従って
精練、乾燥、油剤付与を行い、フィラメント糸を巻き取
った。物性などは表1に示したように、湿潤物性や水膨
潤度が改善された良好なものであった。
【0030】
【実施例2】銅アンモニアドープ(セルロース10%、
アンモニア7.2%、銅3.6%)を紡糸ノズルから直
接凝固液(温水)に押し出して、従来より通常用いられ
ている謂ゆる流下緊張紡糸法によって銅安法レーヨンフ
イラメント普通糸(75d/54f)を紡糸した。紡糸
装置は特公昭29−4661号公報に示されているよう
な連続紡糸装置を用いた。通常の精練工程の途中にピン
ノズル状の付与装置を2組設置し、第一組のピンノズル
から70℃の60%NMMO水溶液を、第二組のピンノ
ズルから80℃のNMMOの75%水溶液を走行してい
る糸条に付与した。実施例1と同様にピンノズルの前後
にニップロールを設置し、その周速を調整して延伸率が
25%になるようにして連続的に処理した。その後、常
法に従って、精練、中和、乾燥を行い、フィラメント糸
を120m/分の速度で巻き取った。物性などは表1に
示したように、湿潤物性や水膨潤度が改善された良好な
ものであった。
【0031】
【比較例1】実施例1で原料糸として用いたフイラメン
ト糸を以後の湿式処理を施さずにそのまま常法に従って
油剤付与と乾燥を行った。得られたフイラメント糸の物
性は表1に示す。
【0032】
【比較例2】ピンノズルによる処理液の付与と延伸を行
わない他は実施例2と同様にして銅安法レーヨンフイラ
メント糸を紡糸した。得られたフイラメント糸の物性は
表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の方法は、ビスコース法や銅安法
などの既存の生産技術が確立している紡糸方法で得られ
たフイラメント糸を用いて、その湿潤物性や強度を大幅
に改善できる。また、簡便な装置と工程を従来の工程に
付加することで容易に製造することができるので、高速
紡糸プロセスや高密度処理の後処理プロセスなどに適用
することもでき、生産性の高い製造法が提供できる点で
優れている。
【0035】つまり、本発明の方法は、新たなドープ製
造設備や紡糸設備などを造る必要がない上に、そのドー
プからの高速紡糸方法の開発を行う必要もなく、既存の
再生セルロースフイラメント糸の製造工程や後加工工程
などに用いられて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3級アミンオキサイドと水を含有する処
    理液を再生セルロースフイラメント糸に付与し、該フイ
    ラメント糸を膨潤させた後に延伸することを特徴とする
    再生セルロースフィラメント糸の湿式処理方法。
JP9461694A 1994-05-09 1994-05-09 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法 Withdrawn JPH07305218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9461694A JPH07305218A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9461694A JPH07305218A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07305218A true JPH07305218A (ja) 1995-11-21

Family

ID=14115191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9461694A Withdrawn JPH07305218A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07305218A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997036028A1 (de) * 1996-03-23 1997-10-02 Akzo Nobel Nv Verfahren zur herstellung von cellulosischen fasern mit verringerter fibrillierungsneigung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997036028A1 (de) * 1996-03-23 1997-10-02 Akzo Nobel Nv Verfahren zur herstellung von cellulosischen fasern mit verringerter fibrillierungsneigung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1080779C (zh) 再生纤维素纤维及其制造方法
Ozipek et al. Wet spinning of synthetic polymer fibers
JP5340277B2 (ja) タイヤコード用ライオセル繊維およびこれを含むタイヤコード
JPH10204719A (ja) セルロース系繊維の製造法およびセルロース系繊維
JP2019500515A (ja) リヨセル繊維及びその製造方法
US2249745A (en) Cellulosic structures and method of producing same
TW202314071A (zh) 用於製造再生纖維素纖維之冷鹼法的改良
JPH08508555A (ja) セルロース成形体の製造方法
US4173613A (en) Process for producing cellulosic shaped articles
JP3460128B2 (ja) 絹フイブロイン繊維の製造法
JPH07305218A (ja) 再生セルロースフイラメント糸の湿式処理方法
US2004271A (en) Production of artificial filaments, threads, ribbons, films, and the like
US1930803A (en) Manufacture of artificial filaments
US2810658A (en) Process for spinning modified viscose solution
US2178741A (en) Manufacture of artificial filaments, threads, yarns, and the like
US3494996A (en) Method for producing high tenacity rayon
JPH10158924A (ja) 異形断面再生セルロース繊維およびその製法
US2515889A (en) Process for producing artificial filaments
US2475879A (en) Process for the continuous spinning and stretching of zein filaments
US4314959A (en) Process for the preparation of regenerated cellulose formed bodies from solutions of cellulose derivatives in organic solvents
JPH0931744A (ja) 人造セルロース繊維
US2849274A (en) Producing all skin viscose rayon
US2855321A (en) Viscose process
RU2766477C1 (ru) Способ удаления жидкости из пряжи или волокон с целлюлозными нитями
US3073670A (en) Process for the wet-spinning of acrylonitrile polymers

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010731