JPH0730474B2 - カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法 - Google Patents

カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法

Info

Publication number
JPH0730474B2
JPH0730474B2 JP2292102A JP29210290A JPH0730474B2 JP H0730474 B2 JPH0730474 B2 JP H0730474B2 JP 2292102 A JP2292102 A JP 2292102A JP 29210290 A JP29210290 A JP 29210290A JP H0730474 B2 JPH0730474 B2 JP H0730474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potassium
caustic soda
brine
salt
brackish water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2292102A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04168290A (ja
Inventor
康男 田中
良修 田中
正道 辻
光雄 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP2292102A priority Critical patent/JPH0730474B2/ja
Publication of JPH04168290A publication Critical patent/JPH04168290A/ja
Publication of JPH0730474B2 publication Critical patent/JPH0730474B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 海水を濃縮して得られたかん水あるいはカリウムその他
の成分を含有する食塩を溶解して得られたかん水を原料
とするイオン交換膜食塩電解法による苛性ソーダの製造
方法において、不純物として含まれるカリウムを効率的
に除去する方法に関するものである。
(従来の技術) 食塩電解法による苛性ソーダ製造の原料であるかん水に
は不純物として、カルシウム、マグネシウム、カリウム
等の不純物を含んでいる。純粋な苛性ソーダを製造する
ためにはそれらの不純物を除去する必要がある。
カルシウム、マグネシウムの除去方法は、かん水を食塩
電解する前工程として、アルカリを加えて処理すること
により、カルシウムを炭酸カルシウム、マグネシウムを
水酸化マグネシウムとして沈澱濾過する方法、あるいは
キレートイオン交換樹脂層を通過させることにより除去
する方法がとられている。
これに対し、カリウム含量の少ない苛性ソーダを製造す
る方法として、従来から、 純粋のNaclを溶解し、それを食塩分解して、苛性ソー
ダを製造する方法(例えば、ポーランド特許第124,732
号公報参照) あるいは 製造されたカリウムを含む苛性ソーダを、再結晶させ
る工程においてカリウムを除去する方法(例えば、「日
本海水学会誌」1971年、第24巻、第6号、253〜258頁参
照) が知られており、食塩電解法による苛性ソーダの製造工
程とは別の工程においてカリウムの除去が行われてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来技術においては、一旦純粋のNaclを得てから
苛性ソーダを製造するのであり、コスト面で不利とな
る。
従来技術においても、カリウムを含む苛性ソーダから
カリウムを除去する工程が別途必要となるうえ、液体苛
性ソーダの精製には適用できないという課題が存在す
る。
本発明は、これら従来技術に存在した課題を解決せんと
するものであり、海水を濃縮して得られたかん水あるい
はカリウムその他の成分を含有する食塩を溶解して得ら
れたかん水を原料として、それを、食塩電解して苛性ソ
ーダを得る工程において、公知のカリウム選択吸着剤で
あるクリプトメラン型含水酸化マンガンを用いて、一連
の工程の中にカリウム除去工程を組み入れ、かん水から
直接的にカリウム含量の極めて少ない苛性ソーダを効率
的に製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、かん水をマグネシウム(Mg++)及びカルシウ
ム(Ca++)除去工程を通過させ、さらに、カリウム選択
吸着剤であるクリプトメラン型含水酸化マンガンからな
るカリウム(K+)除去工程を通過させた後、電解槽にお
いて食塩電解を行うことを特徴とするカリウムを含まな
い苛性ソーダの製造方法を提供するものである。
原料となるかん水には、Naclが約300g/Lの濃度で溶解し
ている。このかん水中には、マグネシウム(Mg++)、カ
ルシウム(Ca++)及びカリウム(K+)が不純物として混
入しており、純度の高い苛性ソーダを得るためには、こ
れらのMg++、Ca++及びK+を除去しなくてはならない。
最初にかん水からマグネシウム(Mg++)、カルシウム
(Ca++)を除去する工程について説明する。
かん水中のMg++、Ca++を除去するために、まず、従来公
知であるMg++、Ca++除去工程(例えば、特開昭53-91151
号公報参照)を通過させる。
Mg++、Ca++除去工程は、例えば、次のような工程であ
る。
すなわち、かん水にNaOH及びNa2CO3等のアルカリを混入
し、Mg(OH)2及びCaCO3として沈澱させる。NaOH及びNa2C
O3の混入量は、それぞれかん水1L当たり0.35〜0.38g及
び0.35〜0.45gである。次に、上記沈澱物を除去するた
めに濾過するが、濾過剤は、一般に砂濾過槽をもちいる
が、これに限るものではない。これによって、Mg++、Ca
++の濃度は、それぞれ約10ppm及び1ppmのレベルまで減
少する。さらに、Mg++、Ca++を完全に除去するために、
従来公知であるキレート樹脂を通過させ、Mg++、Ca++
除去する(特開昭53-3998号公報参照)。この操作によ
り、かん水中のMg++、Ca++を完全に除去することができ
る。また、このMg++、Ca++除去工程を通過したかん水の
pHは、10〜11である。
次にカリウム(K+)の除去工程について説明する。
前述でMg++、Ca++を完全に除去されたかん水をクリプト
メラン型含水酸化マンガンよりなるカリウム選択的吸着
剤を充填したカラムを通過させることにより、K+を除去
する。このクリプトメラン型含水酸化マンガンの層を通
過させることにより、かん水中のK+濃度は、約90ppmか
ら0.1ppm以下のレベルに減少する。なお、クリプトメラ
ン型含水酸化マンガンの合成方法については、「SOLUVE
NT EXTRACTION and ION EXCHANGE」1984年、Marcel Dek
ker社発行、第2巻、No.2、256〜274頁を参照のこと。
このカリウム除去工程を通過させたかん水は、カリウム
が減少すると同時に、pHが約2のレベルに低下する。即
ち、クリプトメラン型含水酸化マンガンの層を通過させ
ることにより、カリウム(K+)の吸着反応と同時にあら
かじめクリプトメラン型含水酸化マンガンの内部にあっ
たプロトンがカリウムと交換して放出されることによ
り、pHを低下させる効果が発揮される。
このpHを低下させる現象が次の苛性ソーダ製造する食塩
電解を行うに当たり好都合に作用する。
従来のMg++、Ca++除去工程を通過したかん水は、Mg++
Ca++を沈澱として生成させるためにアルカリを添加して
いる。これがMg++、Ca++を除去した後のかん水のpHを高
めている。
苛性ソーダの製造における食塩電解法において、食塩電
解を行うことにより、陰極側から苛性ソーダが得られる
が、同時に副産物として有価の塩素ガスが陽極側から、
水素ガスが陰極側から得ることができる。この場合に食
塩電解の原料となるかん水のpHが高いと塩素ガスではな
く、塩素酸ガスの発生が支配的となるため、食塩電解す
る前に流入させるかん水のpHを調整している。すなわ
ち、電解槽に導入するかん水(食塩溶解液)のpHを3以
下にすることにより、副産物である塩素ガスの純度を高
めることができる。このために従来は、食塩電解前に酸
を添加する工程を設けてpHを調節して純度の高い塩素ガ
スを得られるようにしている。
しかしながら、カリウムを選択的に吸着するクリプトメ
ラン型含水酸化マンガンを通過させたかん水は、pHが約
2に低下しており、従来行われていた酸を添加してpHを
調整する工程を省略して食塩電解することにより、なお
かつ、従来どおりの純度の高い塩素ガスを得ることがで
きる。
これにより、従来のかん水を原料とする食塩電解法によ
る苛性ソーダの製造法において、従来のマグネシウム
(Mg++)及びカルシウム(Ca++)の除去工程だけではな
く、カリウム(K+)除去工程をカリウム選択吸着剤であ
るクリプトメラン型含水酸化マンガンを用いることによ
り、カリウム除去工程を苛性ソーダ製造の一連の工程と
して組み入れることができる。
(作用) 苛性ソーダの原料であるかん水をクリプトメラン型含水
酸化マンガンよりなるカリウム選択吸着剤を通過させる
ことによって、カリウムをほぼ完全に除去することがで
き、同時にかん水のpHを低下させることになるので、酸
を添加せずに食塩電解を行い、カリウムその他の成分を
含むかん水から直接カリウムを含まない苛性ソーダの製
造をすることができると共に副産物として純度の高い塩
素ガスを得ることができる。
(実施例) 本発明による苛性ソーダ製造方法を実施するフローチャ
ートの一例を示す図面に基づいて、さらに詳しく説明す
れば、1は原料塩溶解槽、2は攪拌機、3、5、7、
9、11、16、18はパイプライン、4は薬剤添加槽、6は
砂濾過槽、8はキレート樹脂塔、10はカリウム選択吸着
剤塔、12は食塩電解槽、13、14は電極、15は陽イオン交
換膜、17は濃縮缶である。
原料塩溶解槽1に水と天日塩(オーストラリア産)を投
入し、攪拌機2を作用させて、溶解させた。パイプライ
ン3から取り出されたかん水が本発明の苛性ソーダ製造
方法の原料かん水となる。同かん水に含まれる陽イオン
成分は、第1表に示すとおりであった。
原料かん水は、パイプライン3を経て、薬剤添加槽4に
導入された。薬剤添加槽4において、かん水1L当たり、
NaOH:0.34g,NaCO3:0.38gを混入し、かん水に含まれるMg
++及びCa++をそれぞれMg(OH)2及びCaCO3として沈澱させ
た。同沈澱物を含むかん水は、パイプライン5から取り
出され、砂濾過槽6に導入された。砂濾過槽6で濾過さ
れ、前記沈澱物を取り除かれたかん水は、パイプライン
7から取り出された。この段階で、かん水中のMg++及び
Ca++の濃度は、それぞれ約10ppm及び1ppmであった。
かん水は、さらに、パイプライン7を経て、キレート樹
脂塔8に底部から導入され、キレート樹脂塔8に充填さ
れているキレート樹脂を通過し、この過程において、か
ん水中のMg++及びCa++がほぼ完全に除去された。キレー
ト樹脂塔8の頂部から取り出されたかん水のpHは10であ
った。
次に、かん水は、パイプライン9を経て、カリウム選択
吸着剤塔10の底部に導入された。カリウム選択吸着剤塔
10には、クリプトメラン型含水酸化マンガンよりなるカ
リウム選択吸着剤が充填されている。かん水中のカリウ
ムは、上記カリウム選択吸着剤に吸着され、同濃度は、
90ppmから0.05ppmに低減した。同時にカリウム選択吸着
剤塔10の頂部から取り出されたか水のpHは2に低下し
た。
同かん水は、パイプライン11を経て、食塩電解槽12の低
部に導入された。食塩電解槽12には、両側端に陽極14及
び陰極13を設け、中央に設けた陽イオン交換膜で食塩電
解槽12が陰極室と陽極室に二分されている。食塩電解槽
12に導入されたかん水は、食塩電解され、陰極室からパ
イプライン16によって、H2ガスは、パイプライン16の途
中から、副産物として回収された。得られた苛性ソーダ
溶液を濃縮缶17で濃縮し、液体苛性ソーダをえた。この
液体苛性ソーダを分析した結果、苛性ソーダ含量は、48
%、カリウム含量は、0.08ppmであった。苛性ソーダの
収率(個体換算)は、天日塩1kg当たり680gであり、従
来の製造方法と比べて満足すべきものであった。
また、食塩電解槽12の陽極室からはパイプライン18によ
って、Cl2ガスとともに、食塩電解されなかったNaClを
含む水が取り出された。Cl2ガスは、パイプライン18の
途中から、副産物として回収された。NaClを含む水は、
パイプライン18によって原料塩溶解槽1に導入され、再
利用された。
(発明の効果) 以上述べたとおり、本発明による苛性ソーダ製造方法を
実施することによって、海水を濃縮して得られたかん水
あるいはカリウムその他の成分を含有する食塩を溶解し
て得られたかん水を原料として、一連の工程において直
接的にカリウム含量の極めて少ない苛性ソーダを効率的
に製造することができる。それと同時に、本発明による
製造方法によれば、従来必要とされた酸添加工程を省略
しても、副産物である塩素ガスの純度を低下させること
なく得られることにより、苛性ソーダ製造コストを低減
することができる。また、本発明により得られた苛性ソ
ーダは、不純物が極端に少ない純度の高いものであり、
低レベル放射能の測定などの用途に使用されるガラスあ
るいは集積回路をつくる原料として適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による製造方法を実施する一例となる
フローチャートである。 1……原料塩溶解槽 2……攪拌機 3、5、7、9、11、16、18……パイプライン 4……薬剤添加槽 5……砂濾過槽 8……キレート樹脂塔 10……食塩電解槽 13、14……電極 15……陽イオン交換膜 17……濃縮缶
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−75497(JP,A) 特公 昭62−18630(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】かん水をマグネシウム(Mg++)及びカルシ
    ウム(Ca++)除去工程を通過させ、 さらに、カリウム選択吸着剤であるクリプトメラン型含
    水酸化マンガンからなるカリウム(K+)除去工程を通過
    させた後、 電解槽において食塩電解を行うことを特徴とするカリウ
    ムを含まない苛性ソーダの製造方法。
JP2292102A 1990-10-31 1990-10-31 カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法 Expired - Fee Related JPH0730474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2292102A JPH0730474B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2292102A JPH0730474B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04168290A JPH04168290A (ja) 1992-06-16
JPH0730474B2 true JPH0730474B2 (ja) 1995-04-05

Family

ID=17777575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2292102A Expired - Fee Related JPH0730474B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0730474B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5475497A (en) * 1977-11-29 1979-06-16 Asahi Glass Co Ltd Electrolyzing method for aqueous solution of sodium chloride
JPS6218630A (ja) * 1985-07-18 1987-01-27 Sony Corp 光学式ピツクアツプ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04168290A (ja) 1992-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102479262B1 (ko) 염수로부터 수산화리튬 일수화물을 제조하는 방법
US11649170B2 (en) Preparation of lithium carbonate from lithium chloride containing brines
US9222149B2 (en) Preparation of lithium carbonate from lithium chloride containing brines
JP5269186B2 (ja) 高純度水酸化リチウムと塩酸とを製造する方法
JP3671148B2 (ja) 炭酸リチウムの精製方法
EP0175524B1 (en) Electrolysis of alkali metal chloride solution
CN111394745A (zh) 一种从含锂低镁卤水中制备氢氧化锂的方法
RU2751710C2 (ru) Способ получения моногидрата гидроксида лития высокой степени чистоты из материалов, содержащих карбонат лития или хлорид лития
CA1214429A (en) Removal of chlorate from electrolyte cell brine
KR101165453B1 (ko) 염수로부터 고순도 탄산리튬을 제조하는 방법
JPH033747B2 (ja)
US3536597A (en) Process for recovering mercury from a mercury-containing sludge
US3788960A (en) Recycling of ion exchange regenerant chemicals
JPH07506149A (ja) 隔膜法電解槽から固体重炭酸ナトリウムを回収する方法
CN103305863A (zh) 一种离子膜烧碱卤水深度除碘方法
CN112673119A (zh) 一种改进的锂加工方法
JPH0730474B2 (ja) カリウムを含まない苛性ソーダの製造方法
AU2004319088A1 (en) Method of recovering gallium
WO2021070235A1 (ja) リチウム回収方法及びリチウム回収装置
JP2012091981A (ja) 水酸化ナトリウムの精製方法
JP7518481B2 (ja) 水酸化リチウムの製造方法
RU2769609C2 (ru) Способ получения моногидрата гидроксида лития высокой степени чистоты из материалов, содержащих соли лития
JPS6150884B2 (ja)
WO1995025694A1 (en) Purification of aqueous alkali metal chlorate solutions
JPS6345116A (ja) イオン交換膜法電解用塩水の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees