JPH07303406A - 野菜移植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移植筒の下部に開閉自在として備えたくちば
しに土が付着するのは防止する。 【構成】 昇降自在でかつ下降時に畝を穿孔する開閉自
在なくちばし３を有する移植筒１を備えている。前記く
ちばし３が植付け穴１１を穿孔するとき、該くちばし３
に沿って接触しているとともに該くちばし３が拡開する
とき該くちばし３より離反するスクレーパー１９をくち
ばし３の開閉動作に連動して備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、キャベツ、レタス等を
畝に植付けていく野菜移植機に係り、より具体的には移
植筒のくちばしの付着土をスクレープするようにしたも
のに関する。

【０００２】

【従来の技術】昇降自在でかつ下降時に畝に植付け穴を
穿孔して内部に装填された苗を植付ける移植筒を備え、
この移植筒は下部に開閉自在なくちばしを有するととも
に該くちばしの外周の付着土を剥離するスクレーパーを
備えている野菜移植機は実開昭５９−１６３１５号公報
で公知であり、付着土を剥離することから植付け穴を拡
穴することがなく、これにより、苗倒れを防止できるよ
うにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述公報で開示の技術
は、昇降アームに一方のスクレーパーを設け、他方のス
クレーパーは昇降アームに連杆を介して設けた作動アー
ムに設けており、対のスクレーパーはそれぞれ別部材に
備えられていたため、対のスクレーパーの動作に狂いが
生じ易いものであった。

【０００４】また、スクレーパーはくちばしの先端に接
触しているだけであり、くちばしが穿孔作業するときく
ちばしより徐々に離れて拡開状となっていることから
（同公報第２図参照）、植付け穴がスクレーパーによっ
て拡大されるという課題があり、これは苗倒れの要因と
なっていた。そこで本発明は、くちばしの形状に沿って
スクレーパーを設けることで該くちばしが畝に突刺るこ
とでの植付け穴の穿孔作業が植付け穴の拡大を招くこと
がなく、しかも、くちばしの開閉動作に連動させること
で狂いのないスクレープをできるようにしたことを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、昇降自在でか
つ下降時に畝１０に植付け穴１１を穿孔して内部に装填
された苗９を植付ける移植筒１を備え、この移植筒１は
下部に開閉自在な対のくちばし３を有するとともに該く
ちばし３の外周の付着土Ａを剥離するスクレーパー１９
を備えている野菜移植機において、前述の目的を達成す
るために、次の技術的手段を講じている。

【０００６】すなわち、請求項１に係る本発明では、前
記くちばし３が植付け穴１１を穿孔するとき、該くちば
し３に沿って接触しているとともに該くちばし３が拡開
するとき該くちばし３より離反するスクレーパー１９を
くちばし３の開閉動作に連動して備えていることを特徴
とするものである。また、請求項２に係る本発明では、
スクレーパー１９は移植筒１に取付けたブラケット１７
に開閉支点１８を有し、該開閉支点１８はくちばし３と
は逆方向のくちばし３に沿って延伸していることを特徴
とするものである。

【０００７】

【作用】下部に開閉自在な穿孔用くちばし３を有する移
植筒１は、昇降リンク手段６によって昇降軌跡５に沿っ
て昇降され、その上死点で苗９を受け入れ、下死点にて
くちばし３により植付け穴７を穿孔して後、該くちばし
３を開きつつ上昇することで畝６に苗９を移植して行
く。

【０００８】くちばし３が畝１０に突刺るとき、スクレ
ーパー１９はくちばし３に沿って接触しているので、突
刺り抵抗はスクレーパー１９を備えても差程大きくなる
ことはなく、植付け穴１１の拡大も差程生じることはな
い。畝１０にくちばし３が突刺ってから上昇するとき該
くちばし３は支点２を中心に徐々に開くがこの開き動作
に連動して開閉支点１８を中心にスクレーパー１９は徐
々に揺動してくちばし３より離反し、これによってくち
ばし３の外周面の付着土Ａは剥離される。

【０００９】くちばし３はこれが上死点に到る前に閉動
作するが、この動作に連動してスクレーパー１９も閉動
作し、その略全体がくちばし３に接触していく。

【００１０】

【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例を説明す
ると、移植筒１は平面視で角形又は丸形の筒体であり、
その下部に支点ピン２を中心に開閉動作する対の穿孔用
くちばし３を有し、該くちばし３は移植筒１の前後に中
継支点４を介して揺動する開閉リンク５に備えられてい
る。

【００１１】移植筒１には昇降リンク手段６の先端がピ
ボットされていて、該昇降リンク手段６をカム、クラン
ク等によって昇降動作することで移植筒１は昇降軌跡７
に沿って上死点から下死点に到る閉ループの運動が可能
である。移植筒１はその上死点で苗載置台８からの苗、
実施例では土付苗９を受入れ可能であり、受入れた苗９
はくちばし３の閉姿勢で収容し、移植筒１が下降時にく
ちばし３によって畝１０に植付け穴１１を穿孔するよう
になっている。

【００１２】くちばし３の開閉リンク５には、開閉アー
ム１２がピボットされていて、該開閉アーム１２はこれ
が昇降動作するとき、具体的には、くちばし３が畝１０
に突刺って上昇過程に移行するとき、該くちばし３を徐
々に開き、移植筒１が上死点に至るとくちばし３を完全
に閉じるようにしている。なお、図示の実施例では、く
ちばし３による穿孔に先立って、畝１０に被せているマ
ルチフィルム１３を孔明けするバーナー手段１４が昇降
自在に備えられていて、該バーナー手段１４の上部には
図１では防熱板１５が、図２ではバーナー手段１４の周
りに防熱筒１６が備えられていずれも苗載置台８等に熱
気に伝播するのを防止している。

【００１３】移植筒１の下部にブラケット１７が固着さ
れていて該ブラケット１７には、開閉支点１８を介して
対のスクレーパー１９が揺動自在に装着されている。ス
クレーパー１９の開閉支点１８は、くちばし３の重ね合
せ線３Ａを線対象とする前後位置にあり、該開閉支点１
８はくちばし３とは逆方向に位置している。すなわち、
前くちばし３をスクレープする前スクレーパー１９の開
閉支点１８は後であり、後くちばし３をスクレープする
後スクレーパー１９の開閉支点１８は前であり、この開
閉支点１８より下方にＬ字形として前後スクレーパー１
９はくちばし３に沿って接触しており、前後スクレーパ
ー１９の上部は、開閉支点１８より逆方向の延伸されて
それぞれ中継支点４に連結されていて、ここに、くちば
し３の開閉動作に連動してスクレーパー１９はくちばし
３に対して接離自在である。

【００１４】すなわち、くちばし３が閉じ姿勢で下降す
るときは、スクレーパー１９はくちばし３に沿って接触
しており、くちばし３が畝１０を穿孔してから、上昇過
程に移行するときスクレーパー１９は徐々にくちばし３
より離反し、この離反によってくちばし３の外周に付着
した土Ａを剥離するようになっており、くちばし３が上
死点に到る前に閉じると、スクレーパー１９も閉じてく
ちばし３に接触するようになっている。

【００１５】なお、以上説明した図示の実施例におい
て、苗載置台８はシャッタ手段８Ａを有する回転テーブ
ル形であるが、これは縦横ポット部を有する苗箱から苗
を突出す形式でも、ベルト形式であっても構わない。ま
た、本発明は歩行形移植機でも乗用形移植機にも適用可
能である。更に、スクレーパー１９はそのスクレープ部
分１９Ａを弾性変形可能な棒材、帯材で構成することに
よって、スクレープ機能を増進することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、くち
ばしで畝を穿孔するとき、スクレーパーはくちばしに沿
う形状で接触しているので、穿孔抵抗は差程大きくなら
ないし、植付け孔も差程大きくなることはない。また、
くちばしの開動作で植付けた後には、該くちばしよりス
クレーパーが離反するので付着土は確実に剥離できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を動作とともに示す側面図
である。

【図２】本発明の第２実施例を動作とともに示す側面図
である。

【符号の説明】

１ 移植筒 ３ くちばし １７ ブラケット １８ 開閉支点 １９ スクレーパー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降自在でかつ下降時に畝（１０）に植
   付け穴（１１）を穿孔して内部に装填された苗（９）を
   植付ける移植筒（１）を備え、この移植筒（１）は下部
   に開閉自在な対のくちばし（３）を有するとともに該く
   ちばし（３）の外周の付着土（Ａ）を剥離するスクレー
   パー（１９）を備えている野菜移植機において、 前記くちばし（３）が植付け穴（１１）を穿孔すると
   き、該くちばし（３）に沿って接触しているとともに該
   くちばし（３）が拡開するとき該くちばし（３）より離
   反するスクレーパー（１９）をくちばし（３）の開閉動
   作に連動して備えていることを特徴とする野菜移植機。
2. 【請求項２】 スクレーパー（１９）は移植筒（１）に
   取付けたブラケット（１７）に開閉支点（１８）を有
   し、該開閉支点（１８）はくちばし（３）とは逆方向の
   くちばし（３）に沿って延伸していることを特徴とする
   請求項１記載の野菜移植機。