JPH0730258B2 - カーサミンの抽出方法 - Google Patents
カーサミンの抽出方法Info
- Publication number
- JPH0730258B2 JPH0730258B2 JP29992688A JP29992688A JPH0730258B2 JP H0730258 B2 JPH0730258 B2 JP H0730258B2 JP 29992688 A JP29992688 A JP 29992688A JP 29992688 A JP29992688 A JP 29992688A JP H0730258 B2 JPH0730258 B2 JP H0730258B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cursamine
- petals
- safflower
- carsamine
- water
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Saccharide Compounds (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は簡便な手段で、かつ工業的有利に高純度のカー
サミンを得る紅花からカーサミンを抽出する方法に関す
る。
サミンを得る紅花からカーサミンを抽出する方法に関す
る。
[従来の技術] 紅花の赤色色素(カーサミン)を採取する伝統的方法
は、紅花を水に浸漬し、黄色色素を除き、残渣を灰汁に
浸漬して紅花の色素を浸出せしめる。ついで該浸出液に
梅酢を入れてpHを下げ紅花色素を沈澱せしめ、沈澱した
色素を絹布で過し、乾燥させて採取す方法である。
は、紅花を水に浸漬し、黄色色素を除き、残渣を灰汁に
浸漬して紅花の色素を浸出せしめる。ついで該浸出液に
梅酢を入れてpHを下げ紅花色素を沈澱せしめ、沈澱した
色素を絹布で過し、乾燥させて採取す方法である。
かかる伝統的方法を改善する方法として、例えば、含水
有機溶剤により紅花からカーサミンを抽出する方法(特
公昭30−8943号公報)、含水有機溶剤で紅花からカーサ
ミンを抽出し、溶剤除去後、−10℃でカーサミンを析出
させ、テトラヒドロフランとベンゼンおよび水の混合溶
剤でカーサミンを抽出する方法(特公昭47−50762号公
報)、紅花からカーサミンを抽出したアルカリ溶液を酸
性にした後、キトサンおよび/またはセルロースに吸着
させ、アルカリ溶液または有機溶媒で処理してカーサミ
ンを得る方法(特開昭63−117069号公報)および紅花か
らカーサミンを抽出したアルカリ溶液にシリカゲルを加
えてカーサミンを吸着させ、酸で不溶化後含水アセトン
で抽出して精製カーサミンを得る方法(特開昭62−5337
5号公報)等が提案されている。
有機溶剤により紅花からカーサミンを抽出する方法(特
公昭30−8943号公報)、含水有機溶剤で紅花からカーサ
ミンを抽出し、溶剤除去後、−10℃でカーサミンを析出
させ、テトラヒドロフランとベンゼンおよび水の混合溶
剤でカーサミンを抽出する方法(特公昭47−50762号公
報)、紅花からカーサミンを抽出したアルカリ溶液を酸
性にした後、キトサンおよび/またはセルロースに吸着
させ、アルカリ溶液または有機溶媒で処理してカーサミ
ンを得る方法(特開昭63−117069号公報)および紅花か
らカーサミンを抽出したアルカリ溶液にシリカゲルを加
えてカーサミンを吸着させ、酸で不溶化後含水アセトン
で抽出して精製カーサミンを得る方法(特開昭62−5337
5号公報)等が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 溶媒抽出による方法は、不純物も一緒に抽出されるこ
と、および該不純物の分離が困難であるという欠点を有
していた。またアルカリ抽出による方法、(イ)紅花を
アルカリ溶液で処理した後、(ロ)花弁と抽出液を分離
し、(ハ)得られた抽出液にセルロース、シリカゲル等
の吸着剤を添加してカーサミンを吸着させ、(ニ)水洗
により不純物を除去した後、(ホ)アルカリまたは有機
溶媒によりカーサミンを溶出させるという繁雑な多くの
工程を必要とする欠点があった。
と、および該不純物の分離が困難であるという欠点を有
していた。またアルカリ抽出による方法、(イ)紅花を
アルカリ溶液で処理した後、(ロ)花弁と抽出液を分離
し、(ハ)得られた抽出液にセルロース、シリカゲル等
の吸着剤を添加してカーサミンを吸着させ、(ニ)水洗
により不純物を除去した後、(ホ)アルカリまたは有機
溶媒によりカーサミンを溶出させるという繁雑な多くの
工程を必要とする欠点があった。
本発明は上記従来技術の欠点を解決し、簡便な工程によ
り、かつ高純度のカーサミンを分離抽出する紅花からの
カーサミンの抽出方法を提供する。
り、かつ高純度のカーサミンを分離抽出する紅花からの
カーサミンの抽出方法を提供する。
[課題を解決するための手段] 本発明は、紅花の花弁を含むアルカリ性水溶液を酸性に
して該花弁にカーサミンを吸着させ、該酸性液から分離
した花弁から不純物を除去し、該花弁をアルカリ溶液ま
たは有機溶媒で処理してカーサミンを抽出するカーサミ
ンの抽出方法を提供する。
して該花弁にカーサミンを吸着させ、該酸性液から分離
した花弁から不純物を除去し、該花弁をアルカリ溶液ま
たは有機溶媒で処理してカーサミンを抽出するカーサミ
ンの抽出方法を提供する。
本発明によれば、従来方法により得られたカーサミンと
比較して全く遜色のない高純度のカーサミンが提供され
る。
比較して全く遜色のない高純度のカーサミンが提供され
る。
本発明で用いる紅花花弁としては、紅花、乾燥紅花、紅
餅等を例示できる。これらの原料からカーサミンを抽出
するアルカリ性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の
0.1%〜10%水溶液が好ましく用いられる。アルカリ性
水溶液の使用量としては、乾燥紅花花弁1重量部に対し
て約10〜20重量部の量を好ましい例として例示できる。
餅等を例示できる。これらの原料からカーサミンを抽出
するアルカリ性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の
0.1%〜10%水溶液が好ましく用いられる。アルカリ性
水溶液の使用量としては、乾燥紅花花弁1重量部に対し
て約10〜20重量部の量を好ましい例として例示できる。
アルカリ性水溶液によるカーサミン抽出処理条件として
は、紅花花弁を投入したアルカリ性水溶液を約0〜30℃
で約10分〜2時間程度攪拌する条件を好ましい例として
例示できる。
は、紅花花弁を投入したアルカリ性水溶液を約0〜30℃
で約10分〜2時間程度攪拌する条件を好ましい例として
例示できる。
抽出処理後、紅花花弁を含むアルカリ性水溶液に酸を添
加混合し、好ましくはpH約2〜3に調整し、そのまま攪
拌または静置して紅花花弁にカーサミンを吸着せしめ
る。攪拌または静置の条件としては約0〜30℃で約10分
〜2時間程度を好ましい例として例示できる。
加混合し、好ましくはpH約2〜3に調整し、そのまま攪
拌または静置して紅花花弁にカーサミンを吸着せしめ
る。攪拌または静置の条件としては約0〜30℃で約10分
〜2時間程度を好ましい例として例示できる。
pH調整に用いる酸類としては、塩酸、リン酸、炭酸等の
無機酸類、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機
酸類を例示できるが、これらの酸類に限定されるもので
はない。
無機酸類、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機
酸類を例示できるが、これらの酸類に限定されるもので
はない。
カーサミンを吸着した花弁を、過、遠心分離等の公知
の方法により上記酸性液から分離し、好ましくはさらに
数回水洗する。
の方法により上記酸性液から分離し、好ましくはさらに
数回水洗する。
紅花花弁に吸着されたカーサミンを、アルカリ溶液また
は含水率約50重量%以下のメタノール、エタノール、ア
セトン等を水混和性有機溶媒により抽出する。本発明に
おいてアルカリ溶液とは、前記したアルカリ性水溶液ま
たは含水率60%以下の水混和性有機溶媒のアルカリ性溶
液をいう。抽出は、該花弁に対し約5〜20倍重量のアル
カリ溶液または水混和性有機溶媒を用いることが好まし
い。抽出手段としてバッチ式またはカラムを用いた連続
抽出等の手段を任意に採用できる。
は含水率約50重量%以下のメタノール、エタノール、ア
セトン等を水混和性有機溶媒により抽出する。本発明に
おいてアルカリ溶液とは、前記したアルカリ性水溶液ま
たは含水率60%以下の水混和性有機溶媒のアルカリ性溶
液をいう。抽出は、該花弁に対し約5〜20倍重量のアル
カリ溶液または水混和性有機溶媒を用いることが好まし
い。抽出手段としてバッチ式またはカラムを用いた連続
抽出等の手段を任意に採用できる。
得られた抽出液からは公知常用の酸による不溶化、溶媒
除去等により高純度、高収率で精製カーサミンを回収で
きる。得られた抽出液を、pH8〜9に調整した後、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸エステ
ル重合体等の多孔性重合樹脂と接触させてカーサミンを
吸着させ、水洗し、ついで含水有機溶媒を用いて溶離
し、さらに一層高純度のカーサミンを回収してもよい。
除去等により高純度、高収率で精製カーサミンを回収で
きる。得られた抽出液を、pH8〜9に調整した後、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸エステ
ル重合体等の多孔性重合樹脂と接触させてカーサミンを
吸着させ、水洗し、ついで含水有機溶媒を用いて溶離
し、さらに一層高純度のカーサミンを回収してもよい。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以
下%はとくに断りのない限り重量%を意味する。
下%はとくに断りのない限り重量%を意味する。
実施例1 乾燥紅花100gに2%炭酸ナトリウム水溶液2000gを加え
て30分間攪拌した後、花弁を分離することなく6N塩酸を
用いてpH3.0に調整した。色素を吸着した花弁を遠心分
離法によって分離し、十分に水洗した。ついでこの花弁
に4%炭酸ナトリウム水溶液1000gを加えてカーサミン
を抽出した。得られたカーサミン抽出液を6N塩酸でpH8.
5に調整した後、多孔性重合樹脂SP−207(三菱化成社
製)50mlを充填したカラムにSV約2で通液してカーサミ
ンを吸着させた。
て30分間攪拌した後、花弁を分離することなく6N塩酸を
用いてpH3.0に調整した。色素を吸着した花弁を遠心分
離法によって分離し、十分に水洗した。ついでこの花弁
に4%炭酸ナトリウム水溶液1000gを加えてカーサミン
を抽出した。得られたカーサミン抽出液を6N塩酸でpH8.
5に調整した後、多孔性重合樹脂SP−207(三菱化成社
製)50mlを充填したカラムにSV約2で通液してカーサミ
ンを吸着させた。
ついで水および20%濃度のメタノールで洗浄した後、80
%濃度のメタノールで脱着した。得られたカーサミンの
メタノール溶液を減圧蒸留してメタノールを除去し、精
製カーサミン120mgを得た。
%濃度のメタノールで脱着した。得られたカーサミンの
メタノール溶液を減圧蒸留してメタノールを除去し、精
製カーサミン120mgを得た。
実施例2 乾燥紅花300gに2%炭酸カリウム水溶液6000gを加え、
室温で30分間攪拌した後、花弁を分離することなく6N塩
酸を用いてpH3.0に調整した。色素を吸着した花弁を遠
心分離法によって分離し、水洗後、遠心分離法により脱
水した。
室温で30分間攪拌した後、花弁を分離することなく6N塩
酸を用いてpH3.0に調整した。色素を吸着した花弁を遠
心分離法によって分離し、水洗後、遠心分離法により脱
水した。
得られた花弁にアセトン1400gを加え30分間撹拌してカ
ーサミンを溶出させ、減圧蒸留によりアセトンを除去し
て精製カーサミン600mgを得た。
ーサミンを溶出させ、減圧蒸留によりアセトンを除去し
て精製カーサミン600mgを得た。
[発明の効果] 本発明によれば、紅花から抽出したカーサミンのアルカ
リ性水溶液を酸性にしてカーサミンを吸着せしめる吸着
剤として、紅花の花弁をそのまま利用することができる
カーサミンの抽出方法が提供される。このためカーサミ
ンを含むアルカリ性水溶液から花弁を分離する必要がな
く、またセルロースやシリカゲル等の高価な吸着剤を使
用する必要もない。
リ性水溶液を酸性にしてカーサミンを吸着せしめる吸着
剤として、紅花の花弁をそのまま利用することができる
カーサミンの抽出方法が提供される。このためカーサミ
ンを含むアルカリ性水溶液から花弁を分離する必要がな
く、またセルロースやシリカゲル等の高価な吸着剤を使
用する必要もない。
本発明によれば、紅花の花弁を吸着剤としてそのまま利
用する簡便な方法であるにも拘わらず、従来公知のカー
サミン抽出法に劣らない高純度のカーサミンを極めて高
収率で得られるカーサミンの抽出方法が提供される。
用する簡便な方法であるにも拘わらず、従来公知のカー
サミン抽出法に劣らない高純度のカーサミンを極めて高
収率で得られるカーサミンの抽出方法が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】紅花の花弁を含むアルカリ性水溶液を酸性
にして該花弁にカーサミンを吸着させ、該酸性液から分
離した花弁から不純物を除去した後、該花弁をアルカリ
溶液または有機溶媒で処理してカーサミンを抽出するこ
とを特徴とするカーサミンの抽出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29992688A JPH0730258B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | カーサミンの抽出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29992688A JPH0730258B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | カーサミンの抽出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145657A JPH02145657A (ja) | 1990-06-05 |
JPH0730258B2 true JPH0730258B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=17878600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29992688A Expired - Lifetime JPH0730258B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | カーサミンの抽出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0730258B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4500564B2 (ja) * | 2004-03-09 | 2010-07-14 | ヤヱガキ醗酵技研株式会社 | ベニバナ赤色素とその精製方法 |
-
1988
- 1988-11-28 JP JP29992688A patent/JPH0730258B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145657A (ja) | 1990-06-05 |
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