JPH07302455A - カセット装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カセットの蓋ロック部材の作動方向と異なる
方向から、カセット収納部へのカセットの装着が容易に
可能となるようにする。 【構成】 前面外装１の開口１１から水平に突出及び収
納自在のトレイ２に、カセット３を装着するホルダ４が
支持されている。カセット３の蓋ロック部材３４を作動
させるためのロック解除部材８が、ホルダ４に解除位置
と非解除位置との間で移動可能に設けられている。ホル
ダ４にカセット３が装着された状態では、ロック解除部
材８が非解除位置へ移動されており、ホルダ４が記録ま
たは再生可能な位置へ移動される動作中に、ロック解除
部材８が解除位置へ移動されて解除部８６により蓋ロッ
ク部材３４が作動される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＶＴＲ等の記録再生装
置のカセット装着装置に係り、例えば、カセットをリー
ル軸方向に沿ってカセット収納部に装着して記録再生装
置本体に引き込む、いわゆるトレイローディング方式に
最適なカセット装着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばＶＴＲのカセット装着装置
においては、カセット装着位置と記録または再生可能な
位置との間で移動自在のカセット収納部を備え、装着位
置に移動されているカセット収納部にカセットを装着し
た後、カセット収納部を記録または再生可能な位置に移
動させることによって、カセットをＶＴＲのメカニズム
に装着するようにしている。

【０００３】また、ＶＴＲ用のカセットは、その前端に
カセット蓋が回動自在に設けられており、非使用時には
カセット蓋が蓋ロック部材により閉蓋状態でロックさ
れ、カセット装着装置のカセット収納部への装着時に蓋
ロック部材の解除によりカセット蓋が開蓋可能となる。

【０００４】そして、従来のカセット装着装置において
は、カセットの蓋ロック部材を解除するロック解除部材
がカセット収納部に固定されており、カセット収納部へ
のカセットの装着動作によって蓋ロック部材を作動させ
るように構成されている。また、ロック解除部材が可動
の場合でも、カセットをカセット収納部に装着した段階
では、ロック解除部材によってカセット蓋のロックが解
除されるように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、カセット収納部へのカセットの装着動作
で蓋ロック部材を作動させる構造では、蓋ロック部材の
作動方向と異なる方向からカセットをカセット収納部に
装着する構成にしようとする場合、次のような問題点が
あった。即ち、ロック解除部材が固定のものでは、蓋ロ
ック部材の作動が不可能になる。また、ロック解除部材
が可動のものでは、蓋ロック部材の作動が可能ではある
が、カセットの装着に伴ってロック解除部材の作動方向
及び作動タイミングを変換する複雑な機構が必要とな
る。

【０００６】そこで本発明は、カセットの蓋ロック部材
の作動方向と異なる方向から、カセット収納部へのカセ
ットの装着が容易に可能となるカセット装着装置を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるカセット装着装置は、カセット装着位
置とカセットに収納された記録媒体に対して情報を記録
または再生可能な位置との間で移動自在に構成されたカ
セット収納部に、カセットの蓋ロック部材を作動させる
ためのロック解除部材を解除位置と非解除位置との間で
移動可能に設け、前記カセット収納部が前記カセット装
着位置へ移動された状態では、前記ロック解除部材が非
解除位置へ移動されており、前記カセット収納部が前記
記録または再生可能な位置へ移動される動作中に、前記
ロック解除部材が解除位置へ移動されるように構成した
ものである。

【０００８】なお、前記ロック解除部材の非解除位置
が、前記カセット収納部に装着可能なカセットの装着範
囲外に設定されているとよい。

【０００９】

【作用】上記のように構成された本発明によれば、カセ
ット収納部に設けたロック解除部材を、解除位置と非解
除位置との間で可動とし、ロック解除部材による蓋ロッ
ク部材の解除動作を、カセット収納部にカセットを装着
した後の記録または再生可能な位置への移動動作中に行
うことによって、カセット蓋のロック部材の作動方向と
異なる方向から、カセット収納部へのカセットの装着が
容易に可能となる。

【００１０】なお、ロック解除部材の非解除位置を、カ
セット収納部に装着可能なカセットの装着範囲外に設定
すると、大きさの異なる複数のカセットにも対応するこ
とができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明をＶＴＲにおけるトレイローデ
ィング方式のカセット装着装置に適用した実施例につい
て図面を参照して説明する。

【００１２】まず、図６及び図７は本実施例の装置に適
合するカセットの側面図及び底面図である。

【００１３】カセット３において、３１はテープを収納
したカセット筐体、３２はカセット蓋である。カセット
蓋３２は支軸３３を中心に矢印ａ及びａ′方向へ回動自
在であり、不図示の閉蓋用バネにより矢印ａ方向に閉蓋
付勢されている。３４は蓋ロック部材で、矢印ｂ方向へ
移動付勢された状態でカセット蓋３２を開蓋不可にロッ
クしており、矢印ｂ′方向へ押圧されることによりロッ
ク解除されてカセット蓋３２が開蓋可能となる。

【００１４】次に、図１は本実施例装置におけるトレイ
の突出状態の平面図、図２はその拡大側面図、図３はト
レイの収納途中の拡大側面図、図４はトレイの収納状態
でカセット上昇時の拡大側面図、図５はトレイの収納状
態でカセット降下時の拡大側面図である。

【００１５】１はＶＴＲの前面外装で、開口１１が設け
られ、開口１１の下側には立曲げ部１２が形成されてい
る。２はトレイで、後端板２１と左右両側端板２２とに
より平面略コ字状に形成され、開口１１から突出する突
出位置（図１及び図２）と開口１１内へ収納された収納
位置（図４及び図５）との間で、不図示のローディング
機構により矢印ｃ及びｃ′方向へ水平に移動可能に構成
されている。

【００１６】３は前記カセット、４はカセット３が装着
されるカセット収納部（以下ホルダと記載）である。ホ
ルダ４は、底面板４１とそれぞれ立曲げからなる後端板
４２、左右両側端板４３、前端ストッパ４４、４５とに
より形成され、これらで図２の上方（矢印ｄ方向）から
降下装着されるカセット３の位置を略規制すると共に、
底面板４１の開孔４１ａ〜４ｇを介してカセット３内の
リール等とＶＴＲ側のリール台等のメカニズムとの係合
を可能とする。即ち、本実施例装置においては、前述し
たカセット３の蓋ロック部材３４の作動方向に対して、
ホルダ４へのカセット３の装着方向が異なっている。

【００１７】５及び６は一対のホルダアームである。ホ
ルダアーム５は、一端５１がトレイ２の側端板２２のガ
イド長孔２２ａにスライド可能に係合され、他端５２が
ホルダ４の側端板４３に回動可能に係合されている。ま
た、ホルダアーム６は、一端６１がホルダ４の側端板４
３のガイド長孔４３ａにスライド可能に係合され、他端
６２がトレイ２の側端板２２に回動可能に係合されてい
る。ホルダアーム５及び６は支軸５３により回動可能に
連結され、支軸５３の外周に巻装されたねじりコイル式
のアップバネ５４の両端がそれぞれホルダアーム５及び
６に係止されている。これにより、ホルダアーム５の段
曲げ部５５とホルダアーム６の段曲げ部６３とが互いに
当接するように回動付勢されている。

【００１８】７はホルダクランパで、トレイ２の後端板
２１の裏側で側端板２２間に固定されたシャフト７１の
外周に回動自在に挿通されている。７２はシャフト７１
の外周に巻装された捩じりコイル式のクランパバネで、
一端がトレイ２の後端板２１に他端がホルダクランパ７
に係止され、ホルダクランパ７を図２及び図３の矢印ｅ
方向へ回動付勢している。ホルダクランパ７の凸部７３
は前面外装１の立曲げ部１２と当接可能である。また、
ホルダクランパ７のフック部７４はホルダ４の底面板４
１の下側に係合可能である。

【００１９】なお、ホルダアーム５及び６の機構、ホル
ダクランパ７の機構は、図１に示すように、ホルダ４に
左右対称に構成されている。

【００２０】８はカセット蓋ロック解除部材（以下ロッ
ク解除部材と記載）で、そのガイド長孔８１及び８２が
ホルダ４の底面板４１に植立した軸４６及び４７に係合
され、ホルダ４の底面板４１の裏側で矢印ｆ及びｆ′方
向へスライド可能に設置されている。ロック解除部材８
の前端は立曲げからなるストッパ部８３となっており、
前面外装１の立曲げ部１２と当接可能である。ロック解
除部材８のフック８４とホルダ４の底面板４１のフック
４８との間には引張コイル式の解除バネ８５が張架さ
れ、ロック解除部材８を矢印ｆ方向へ移動付勢してい
る。ロック解除部材８には立曲げからなる解除部８６が
設けられ、ホルダ４の底面板４１の長孔４９から上方へ
突出している。解除部８６は、図１の上方にある時はカ
セット３の装着平面の範囲外であり、下方にある時はカ
セット３の溝部３５（図７参照）を通じてカセット３の
蓋ロック部材３４と当接可能である。

【００２１】９はプッシュレバーで、不図示の動力によ
り支軸９１を中心に図４及び図５の位置へ回動可能であ
る。また、１０は蓋当接部材で、カセット３のカセット
蓋３２における図１の左上部と当接可能な位置で不図示
のシャーシ上に植立されている。

【００２２】以上のように構成された本実施例装置にお
いて、図２に示すように、突出しているトレイ２内のホ
ルダ４にカセット３を上方（矢印ｄ方向）から装着す
る。この時、ロック解除部材８は、そのストッパ部８３
が前面外装１の立曲げ部１２に当接されているので、解
除バネ８５に抗してホルダ４に対して矢印ｆ′方向に移
動された位置で停止している。これにより、ロック解除
部材８の解除部８６はカセット３の装着範囲外にあるの
で、カセット３をホルダ４に矢印ｄ方向から装着するこ
とができる。なお、本実施例では、ロック解除部材８の
立曲げからなるストッパ部８３を前面外装１の立曲げ部
１２に当接させることにより、ロック解除部材８の位置
規制を行っているので、その位置規制のための構造が極
めて簡単である。

【００２３】そして、不図示のローディングスイッチを
操作すると、ローディング機構によりトレイ２が矢印
ｃ′方向に移動されてゆく。この間、ロック解除部材８
は解除バネ８５でホルダ４に対して矢印ｆ方向に移動付
勢されているが、ロック解除部材８のストッパ部８３が
前面外装１の立曲げ部１２と当接しているので、この当
接状態のまま、トレイ２即ちホルダ４が矢印ｃ′方向へ
移動されてゆく。従って、相対的にロック解除部材８の
解除部８６がホルダ４の長孔４９内に沿ってカセット３
の溝部３５内を移動してゆく。

【００２４】そして、図３に示すように、解除部８６
は、ホルダ４の後端板４２の下部と当接して停止してい
るカセット３の蓋ロック部材３４を当接駆動し、カセッ
ト蓋３２は開蓋方向へ回動可能となる。このロック解除
時は、解除部８６がホルダ４の長孔４９の後端と当接し
た時点でもあり、この後は、ロック解除部材８がホルダ
４と一体となり矢印ｃ′方向へ移動されてゆく。

【００２５】トレイ２は更に移動し、図４の収納位置で
停止する。この時、ホルダクランパ７の凸部７３が前面
外装１の立曲げ部１２と当接駆動されることで、ホルダ
クランパ７はクランプバネ７２の力に抗して矢印ｅ′方
向に回動され、フック部７４とホルダ４の底面板４１と
の係合が解除されている。

【００２６】次に、プッシュレバー９が矢印ｇ方向に回
動され、カセット３の上面を押圧し、アップバネ５４の
力に抗してホルダ４を押し下げ、図５の位置で停止す
る。この途中、カセット蓋３２の下端が蓋当接部材１０
に当接され、カセット蓋３２が矢印ａ′方向へ開蓋され
てテープが開口部に露出する。この状態でカセット３は
不図示のリール台等と係合し、テープ引出し可能となっ
ている。この位置が記録または再生可能な位置であり、
テープが回転ドラム等にローディングされて所望の記録
または再生が行われる。

【００２７】次に、不図示の取出ボタンが操作される
と、図５でプッシュレバー９が矢印ｇ′方向へ回動さ
れ、図４の位置となる。ホルダ４はアップバネ５４の力
で上昇し、カセット３とリール台等との係合が解除さ
れ、カセット蓋３２も蓋当接部材１０と離間して矢印ａ
方向へ閉蓋される。

【００２８】続いて、トレイ２がローディング機構によ
り矢印ｃ方向に移動を始める。すると、ホルダクランパ
７の凸部７３は前面外装１の立曲げ部１２から離間する
ので、ホルダクランパ７はクランパバネ７２の力で矢印
ｅ方向へ回動され、フック部７４がホルダ４の底面板４
１の下側に係合し、ホルダ４は下降不可となる。

【００２９】さらに、トレイ２が矢印ｃ方向へ移動され
てゆくと、図３に示すように、ロック解除部材８のスト
ッパ部８３が前面外装１の立曲げ部１２に当接され、ロ
ック解除部材８が前面外装１に対して停止する。この後
は、ホルダ４つまりカセット３の矢印ｃ方向への移動に
対して、ロック解除部材８は相対的に矢印ｆ′方向へ移
動されることになるので、解除部８６はロック部材３４
から離れ、カセット蓋３２はロックされる。そして、図
２の状態でトレイ２は停止し、ホルダ４からカセット３
を上方に取出し可能となる。

【００３０】なお、大きさの異なる複数のカセットを選
択的に使用可能なカセット装着装置においては、上述し
たような構成で、各カセットに対応するロック解除部材
の非解除位置を複数カセットの装着範囲外とすればよ
い。

【００３１】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されることなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の有効な変更並びに応用が
可能である。例えば、実施例においては、蓋ロック部材
の作動方向がカセットの前後方向であるカセットをカセ
ット収納部に上方から装着する例について説明したが、
本発明は、要するに、カセットを装着した後のカセット
収納部の移動中にロック解除部材を解除位置へ移動させ
ればよいので、カセット収納部へのカセットの装着方向
と蓋ロック部材の作動方向とは、様々な組み合わせが可
能である。また、実施例では、カセット収納部が記録再
生装置本体から突出する構成について説明したが、カセ
ット装着位置と記録または再生可能な位置との間でのカ
セット収納部の移動が記録再生装置本体の内部だけで行
われるものであってもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カセットをカセット収納部に装着した段階ではロック解
除部材を非解除位置とし、カセット収納部の記録または
再生可能な位置への移動動作中にロック解除部材を解除
位置へ移動させることによって、カセット収納部へのカ
セットの装着方向を、カセットの蓋ロック部材の作動方
向と異ならせることが容易に可能となる。

【００３３】また、ロック解除部材の非解除位置をその
位置で使用可能なカセットの装着範囲外とすることによ
って、大きさの異なる複数のカセットにも対応すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例によるカセット装着装置におけ
るトレイの突出状態の平面図である。

【図２】上記実施例装置におけるトレイの突出状態の拡
大側面図である。

【図３】上記実施例装置におけるトレイの収納途中の拡
大側面図である。

【図４】上記実施例装置におけるトレイの収納状態でカ
セット上昇時の拡大側面図である。

【図５】上記実施例装置におけるトレイの収納状態でカ
セット降下時の拡大側面図である。

【図６】上記実施例装置に適合するカセットの側面図で
ある。

【図７】上記カセットの底面図である。

【符号の説明】

１ 前面外装 １１ 開口 １２ 立曲げ部 ２ トレイ ３ カセット ３２ カセット蓋 ３４ 蓋ロック部材 ４ ホルダ ５、６ ホルダアーム ５４ アップバネ ７ ホルダクランパ ７２ クランパバネ ８ ロック解除部材 ８３ ストッパ部 ８５ 解除バネ ８６ 解除部 ９ プッシュレバー １０ 蓋当接部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセット装着位置とカセットに収納され
   た記録媒体に対して情報を記録または再生可能な位置と
   の間で移動自在に構成されたカセット収納部に、カセッ
   トの蓋ロック部材を作動させるためのロック解除部材を
   解除位置と非解除位置との間で移動可能に設け、 前記カセット収納部が前記カセット装着位置へ移動され
   た状態では、前記ロック解除部材が非解除位置へ移動さ
   れており、前記カセット収納部が前記記録または再生可
   能な位置へ移動される動作中に、前記ロック解除部材が
   解除位置へ移動されるように構成したことを特徴とする
   カセット装着装置。
2. 【請求項２】 前記ロック解除部材の非解除位置が、前
   記カセット収納部に装着可能なカセットの装着範囲外に
   設定されていることを特徴とする請求項１記載のカセッ
   ト装着装置。