JPH0730191B2 - ポリエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法 - Google Patents

ポリエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法

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JPH0730191B2
JPH0730191B2 JP17041591A JP17041591A JPH0730191B2 JP H0730191 B2 JPH0730191 B2 JP H0730191B2 JP 17041591 A JP17041591 A JP 17041591A JP 17041591 A JP17041591 A JP 17041591A JP H0730191 B2 JPH0730191 B2 JP H0730191B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエチレン系空洞含有
延伸成形物の製造方法に関する。さらにくわしくは、高
密度ポリエチレンと特定のシクロペンタジエン系樹脂と
を配合してなる真珠様光沢を有する空洞含有延伸成形物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空洞含有成形物は、軽量で、かつ、その
不透明感、遮光性、装飾性、真珠様光沢、紙ライクなど
の特性を有することからフィルム、シートないし成形体
として一般包装材料、装飾材料、書写印刷紙などに、ま
たテープ、リボンまたはフィラメントとして梱包材料、
織糸などに広く用いられている。
【0003】従来、空洞含有延伸成形物を製造する方法
としては、(1)成形時に発泡剤を添加して多数の起泡
を形成させる方法、(2)特公昭63−24532号公
報、特開昭63−117043号公報などに記載される
ごとく無機充填剤を多量に添加した組成物を延伸し、ボ
イドを形成させる方法などが知られている。しかし、こ
れらの方法はつぎのような欠点を有する。すなわち、
(1)については、起泡が粗大になりやすく光沢が低下
したり、フィルムなどの薄膜や細い繊維状物では均一で
微細な発泡体が得難く、特に高倍率延伸が必要な一軸な
いし二軸延伸では延伸破断しやすく薄膜は製造しがたい
という欠点を有する。(2)については無機充填剤を多
量に添加することにより延伸時に空洞が多発するという
利点があるが、反面、押出し時の樹脂の流動性の低下、
スクリーンパックの目詰り、無機充填剤に起因する吸湿
や粗大発泡化、分散不良によるムラの発生、樹脂の置換
の困難さ、薄膜延伸の際の延伸破断などの生産性の大幅
低下を来し、また、得られた製品も光沢度が低く、ダル
化したものしか得られず、耐衝撃性、強度も低いという
欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の従来法の欠点を解消し、生産性が高く、かつ、無機充
填剤高添加系では得難い均一で微細なボイドを形成させ
た空洞含有延伸成形物の製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、驚くべきこと
に特定のポリエチレンに特定の高軟化点樹脂またはその
水素化物を特定量配合した組成物を特定条件下で延伸す
ることによって新規な空洞含有延伸成形物が得られる方
法を見いだし、先に特願平2−228213号(特開平
4−110331号公報)で提案した。しかし、この方
法は薄膜の均一延伸性や高倍率に延伸した場合に延伸破
断し易いなど生産性の面で課題が残されていた。本発明
者は、さらに鋭意研究を重ねた結果、前記組成物を延伸
前にその一部を架橋処理することによって、その成形品
の特性を維持しつつ、きわめて生産性の向上した空洞含
有延伸成形物の製造方法を見出だし、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明の構成はつぎの1)〜
3)からなる。 1) シクロペンタジエン系単量体を主成分として重合
して得られる重合体、該重合体を水素化した水素化樹
脂、または該重合体および該水素化樹脂からなる標準ポ
リスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が700以上
および軟化点(環球法)が170℃以上の値を有するシ
クロペンタジエン系樹脂10〜100重量部および密度
0.940g/cm 3 以上の高密度ポリエチレン100重量
部を配合して該軟化点以上で加熱処理した組成物を、溶
融押出し法により未延伸原反を成形したのち、該原反の
少なくとも一方の面に電子線を照射し、引き続いて少な
くとも一方向に3倍以上延伸することにより、その見掛
け密度を0.92g/cm 3 以下とすることを特徴とするポ
リエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法。
【0007】2) シクロペンタジエン系樹脂が、シク
ロペンタジエン系単量体(A)とビニル芳香族炭化水素
(B)との重量組成比率(B)/(A)が0〜0.3で
ある成分を重合して得られた重合体、該重合体を水素化
した水素化樹脂、または該重合体および該水素化樹脂で
あり、その標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(M
w)が、式 Mw≧700+2200X (たゞし、Xは組成比率[(B)/(A)+(B)]で
表す。の値を有する1)項記載のポリエチレン系空洞含
有延伸成形物の製造方法。
【0008】3) シクロペンタジエン系単量体を主成
分として得られた重合体を水素化した水素化樹脂が紫外
線吸光度1.0以下、ヨウ素価30以下である2)項記
載のポリエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法。
【0009】本発明の製造方法で用いる高密度ポリエチ
レンは、いわゆるチーグラー触媒、遷移金属酸化物触
媒、金属配位の触媒もしくは有機金属触媒の存在下に、
エチレン単独または少量のプロピレン、ブテン‐1、ペ
ンテン‐1、4‐メチル‐ペンテン‐1、オクテン‐1
などのα‐オレフィンとエチレンとを、中圧下もしくは
低圧下で重合して得られる重合体、共重合体あるいはそ
れら重合体の混合物のうち、その密度が0.940g/cm
3 以上のものである。この高密度ポリエチレンは、X線
回折で高度の結晶性を示すのが特徴であることが公知で
あり、このうち、その密度が0.945〜0.965g/
cm 3 の範囲にあり、かつ、JIS K7210−197
6の試験条件4(190℃、2.16kgf )で測定した
メルトフローレート(以下、MFRと記す。)が0.1
〜30の範囲のものが好ましい。
【0010】本発明の製造方法で用いるシクロペンタジ
エン系単量体を主成分として得られる重合体の原料とし
ては、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、そ
れらの多量体などのシクロペンタジエン系単量体または
それらの混合物を主成分としたもの、または石油ナフサ
などを熱分解してエチレンを製造する際の副生成留分か
ら得られるシクロペンタジエン系単量体を70重量%以
上を含む留分(以下、CPD留分と称す。)を用いるこ
とができる。
【0011】このCPD留分は、主成分のシクロペンタ
ジエン系単量体以外の大部分は重合に不活性な飽和炭化
水素であるが、この他に重合成分としてシクロペンタジ
エン系単量体などと共重合可能な成分として脂肪族オレ
フィン、脂肪族ジオレフィン、環状オレフィンなどを含
む場合があるが、その濃度は低い方が望ましく、重量換
算で該シクロペンタジエン系単量体の1/10以下が望
ましい。このシクロペンタジエン単量体と共重合可能な
成分としては、スチレン、ビニルトルエン、α,β‐メ
チルスチレン、インデン、アルキル置換インデンなどの
ビニル芳香族炭化水素およびCPD留分と同様に石油ナ
フサを熱分解してエチレンを製造する場合に副生する上
記ビニル芳香族炭化水素を主成分とする留分いわゆるC
9 留分をあげることができるが、これら共重合成分の量
は、全重合成分の30%未満、好ましくは10%以下で
ある。
【0012】本発明の製造方法に用いるシクロペンタジ
エン系単量体を主成分として得られる重合体の調製は、
該シクロペンタジエン系単量体、または少量の共重合可
能な成分を含むシクロペンタジエン系単量体を例えばベ
ンゼン、キシレン、トルエン、n‐ヘキサンあるいはケ
ロシンなどの溶剤の存在下または不存在下に、窒素など
の不活性ガスの雰囲気下で重合を行う。重合条件として
重合温度220〜320℃、重合時間0.2〜10時間
程度、重合系を液相に保持し得る以上の圧力下が好まし
い。このような重合は一段でも良いが二段以上の繰返し
て行っても良く、また重合平均分子量を調節するため
に、この反応系へラジカル開始剤などの添加を行っても
良い。このような一連の重合反応はバッチ式、半バッチ
式あるいは連続式のいずれの方法で行うこともできる。
この重合反応で重量平均分子量が高く、かつ、高軟化点
の重合体または共重合体を得るには、好ましくは230
℃以上の高温で3時間以上の高温・長時間重合を行う
か、一段目の重合を行ったのち未反応成分や溶剤を留出
させたのち減圧下で、230℃以上の高温で数時間保持
し、二段目の重合を行うなどの二段以上の多段重合が好
ましい。
【0013】シクロペンタジエン系単量体を主成分とし
て得られる重合体は、シクロペンタジエン系単量体成分
量が高い程本発明の目的とする空洞形成能が高く、該成
分が70重量%以上含有するものが望ましく、90重量
%以上含有するものが特に望ましい。
【0014】本発明の製造方法に用いる水素化樹脂は、
前記のシクロペンタジエン系単量体を主成分と得られる
重合体を従来公知の方法によって水素化することにより
得ることができる。この水素化の方法としては、上記重
合体を溶融状態にして、例えばニッケル、パラジウム、
コバルトなどの金属または金属酸化物などの水素化触媒
を用い、好ましくは150〜300℃の温度、10〜1
50kg/cm2 の水素圧の条件下で水素化する。
【0015】本発明のシクロペンタジエン系樹脂は、上
述の方法で得られる重合体、水素化樹脂のうち重量平均
分子量(Mw)が700以上で、かつ、軟化点(環球
法)が170℃以上のものに限定される。重合度、共重
合組成によって、そのMw、軟化点を変えることができ
るが、本発明においては、そのMwが700に達しない
と本発明の目的である空洞形成能が不足し、700を越
えてもその軟化点が170℃以下のものは同様に空洞形
成能が不足し、軟化点が150℃以下のものは殆ど空洞
を形成せず、ポリエチレン単独のものよりかえって透明
化する傾向を示す。本発明のシクロペンタジエン系樹脂
としては、シクロペンタジエン系単量体(A)とビニル
芳香族炭化水素単量体(B)との重量組成比率(B)/
(A)が0〜0.3である成分を重合して得られた重合
体、該重合体を水素化した水素化樹脂、または該重合体
および該水素化樹脂であり、その標準ポリスチレン換算
のMwが、式 Mw≧700+2200X (但し、Xは組成比率[(B)/(A)+(B)]で表
す。)の値に該当するものが好ましい。すなわち、シク
ロペンタジエン系の単独重合体ないしその水素化樹脂の
場合はMw700でも軟化点が170℃を越え、使用で
きるが、シクロペンタジエン系単量体とビニル芳香族炭
化水素単量体との共重合体またはその水素化樹脂の場合
は、ビニル芳香族炭化水素単量体に比例して一定の比率
でMwを大きくすることが好ましい。このうち、紫外線
吸光度1.0以下、ヨウ素価30以下に水素化した水素
化樹脂がポリエチレンと相溶性に優れ、安定して加工が
でき、かつ、白色度および空洞形成効果が高く、軽量
化、不透明化が顕著で特に好ましい。従来、水素化石油
樹脂をポリエチレンに添加することによって、ポリエチ
レンを透明化することが知られているが、本発明で用い
る水素化樹脂はMwが大きく、軟化点が高いためにその
効果は全く異なり、延伸によって成形品に空洞(ボイ
ド)を無数に発生させ、軽量化、白化・不透明化させる
という従来技術とは全く異なる特異な性質を有する成形
品を得ることができる。なお、本発明の製造方法におけ
る重量平均分子量Mwは、通常のゲルパーミュエーショ
ン(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算値で表
示する。すなわち、本発明ではGPC(東ソー(株)製
HLC−802型)を用いて以下の測定条件で測定した
ものである。 カラム;GH8P+G400H8+G300H8+G2
000H8X2 溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、カラム恒温槽温
度:40℃ THF流量:1.2ml/min 、試料濃度:0.005g
/1ccTHF 検出器:示差屈折計
【0016】本発明の製造方法で用いる組成物は、高密
度ポリエチレン100重量部に対し、該シクロペンタジ
エン系樹脂を5〜100重量部配合し、該シクロペンタ
ジエン系樹脂の軟化点以上で加熱処理したものである。
生産性に優れ、広い成形範囲で安定した成形物を得る空
洞含有延伸成形物の製造方法とするには、7〜80重量
部の範囲で配合するのが好ましく、10〜50重量部の
範囲で添加するのが特に好ましい。配合量が10重量部
未満では空洞形成効果が不足し、100重量部を越える
と成形時に押出しムラや延伸破断が激しくなり実質的に
成形が困難になり好ましくない。上記組成物中には、必
要に応じてポリエチレンに添加することが公知な各種添
加剤、例えば加工安定剤、酸化防止剤、滑剤、スリップ
剤、帯電防止剤、各種ポリマー類、無機充填剤などを配
合しても良い。
【0017】この組成物を製造する方法は、通常のブレ
ンダーまたはミキサーなどで所定量の高密度ポリエチレ
ンとシクロペンタジエン系樹脂とを固体状態で混合した
のち、軟化点(環球法)以上の温度で加熱処理する。具
体的には押出機、バンバリーミキサーなどを用いて該樹
脂の軟化点以上で、かつポリエチレンの溶融温度以上の
温度で溶融混練する。実用的には溶融混練後、冷却、カ
ットしてペレット状の組成物とするのが特に好ましい。
また、該樹脂をポリエチレンに多量に配合し、マスター
バッチ化した組成物とした後、ポリエチレンと配合し混
合組成物として用いる方法も有用である。こうして得ら
れた組成物は、押出機およびダイ(またはノズル)を用
いて溶融押出法にて未延伸原反を成形した後、該未延伸
原反の少なくとも一方の面に電子線を照射する。これに
よって原反の一部が架橋される。この電子線照射の方法
は、特公平2−47334号公報に記載されている公知
の方法でよいが、本発明の場合は特に不活性ガスの雰囲
気で行う必要は無く、空気の存在下で照射を行って良
い。この電子線照射による架橋度の度合いは、未延伸原
反のポリエチレン成分のゲル分率が5%以上になるよう
に照射するのが好ましい。
【0018】次に、この電子線照射をした未延伸原反を
加熱し、通常のロール法、テンター法またはチューブラ
ー法によって所定の倍率で一軸または二軸方向に延伸し
て空洞含有延伸成形物を得る。この延伸は一段でも良い
し、多段でも良い。また、二軸延伸の場合は同時または
逐次延伸のどちらでもよい。延伸温度は、該ポリエチレ
ンの融点以下、好ましくは樹脂の軟化点から融点の範囲
で、具体的には70〜135℃、好ましくは100〜1
30℃である。この延伸温度が70℃未満では樹脂の軟
化が不十分で均一で安定な延伸を行うことができず、一
方、ポリエチレンの融点を越えると均一には伸びるが延
伸配向しないため空洞形成が不足し、本発明の目的とす
る成形物が得られない。また、延伸倍率は一方向または
縦および横方向に3倍以上、好ましくは4倍以上で行う
ことが望ましい。延伸倍率が3倍未満では、均一な延伸
が困難で、厚みや空洞形成にムラが激しく好ましくな
い。
【0019】なお、本発明の製造方法により得られる延
伸成形物は、通常の延伸成形物と同様に延伸後必要に応
じて緊張ないし数%弛緩しつつ該ポリエチレンの融点以
下の温度で熱処理したり、空気、酸素、窒素などの雰囲
気下でコロナ処理、プラズマ処理などの公知の表面処理
を施すこともできる。本発明の製造方法で得られた延伸
成形物は、成形品内部に無数のボイド(空隙)を形成し
ており、その見掛け密度は0.92g/cm 3 以下、好まし
くは0.89g/cm 3 以下、特に好ましくは0.85g/cm
3 以下と従来の高密度ポリエチレン延伸成形物に比して
著しく軽量化されており、かつ、成形品は全光線透過率
が30%以下に不透明化され、表面光沢に優れ、独特の
真珠様光沢を有するものである。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により制約される
ものではない。なお、本発明でいう特性値は以下の方法
で評価した。 軟化点(環球法):JIS K2207に準拠する。
たゞし、軟化点が140℃以上のものはシリコン浴で測
定する。(単位;℃) 密度:JIS K6760−1981 ポリエチレン
試験方法の4.2に基づく。(単位;g/cm3 ) 見掛け密度:成形物1m2 当たりの重量を測定し、1
cm2 当りに換算し、厚さcmで序した値(単位;g/c
m3 ) 紫外線吸光度:0.1gの重合体を分光用メチルシク
ロヘキサン100mlに溶解し、紫外線吸収スペクトルを
測定し、波長265〜276nmの範囲の吸光度の最大値
で示す。 ヨウ素価:JIS K0070−1966による。試
料100g中の不飽和成分に付加されるヨウ素のg数を
示す。 メルトフローレート(MFR):JIS K7210
−1976の試験条件4(190℃、2.16kgf )に
よる。(単位;g/10min ) 全光線透過率:JIS K6714による。(単位;
%) ゲル分率:沸騰キシレン中で6時間抽出処理したもの
の抽出残分で表す。(単位;%)
【0021】実施例、比較例に用いるシクロペンタジエ
ン系樹脂は、つぎのようにして得た。 シクロペンタジエン系単量体を主成分として得られる重
合体:石油ナフサのスチームクラッキングより得られた
ジシクロペンタジエン75重量%と飽和炭化水素からな
る留分を、公知の方法でキシレン中で窒素雰囲気下で熱
重合し、未反応原料、溶剤を除去し、さらに2段目の重
合として減圧下、200℃以上の温度で一定時間保持
し、その後冷却固化して得た石油樹脂(表1*1) シクロペンタジエン系単量体を主成分として得られる重
合体を水素化した水素化樹脂:前記の石油樹脂を、本文
中に記載した公知の方法で水素化して得た(表1*2
【0022】実施例1〜5 密度0.956g/cm 3 、MFR1.5の高密度ポリエチ
レン粉末100重量部、酸化防止剤としてトリス(2,
4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)フォスファイト0.1重
量部、ステアリン酸カルシウム0.2重量部、およびシ
クロペンタジエン系樹脂(表1* )を所定量配合し、ヘ
ンシェルミキサーで3分間混合したのち単軸押出機を用
いて200℃で溶融混合し、冷却、カットして組成物を
得た。得られた組成物をそれぞれTダイ押出シート成形
機を用いて230℃で溶融押出、70℃の冷却ロールで
急冷して厚さ0.5mmのシートを作成した。このシート
を電子線照射装置を用い、その表裏両面に空気中で20
メガラットの電子線を照射し、原反シートを得た。次に
この原反シートをパンタグラフ型二軸延伸機を用いて1
15〜120℃の温度で縦、横同時二方向におのおの
3.5倍延伸し、同温度で3%弛緩しつつ30秒間熱処
理して二軸延伸フィルムを得た。原反シートのゲル分
率、得られたフィルムの特性値を表1に示す。
【0023】比較例1 シクロペンタジエン系樹脂を用いない以外は実施例に準
拠して行なった。結果を表1に示す。
【0024】比較例2 軟化点が170℃未満のシクロペンタジエン系樹脂を用
いる以外は実施例1に準拠して行なった。結果を表1に
示す。
【0025】比較例3 シクロペンタジエン系樹脂にかえて脂環族樹脂を用いる
以外は、実施例5に準拠して行なった。結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】 表1から明らかなごとく、高密度ポリエチレンのみから
なるフィルムは密度が高く、全光線透過率が高く透明で
あるが、本発明のフィルムは密度、全光線透過率共にき
わめて低く高度に空洞が含有する軽量で不透明なフィル
ムであることがわかる。
【0027】実施例6 密度0.960g/cm 3 、MFR0.8の高密度ポリエチ
レン粉末に対し実施例1で用いた酸化防止剤およびステ
アリン酸カルシウムを同量および実施例1で用いた水素
化樹脂を30重量部配合し、温度200℃で押出機を用
いて溶融混合し、冷却、カットしてペレット状の組成物
を得た。得られた組成物を実施例1と同様にTダイ押出
シート装置を用いて220℃で溶融押出し、80℃の冷
却ロールで急冷して厚さ0.3mmのシートを成形し、同
様に電子線照射装置を用いてシートの表裏両面に20メ
ガラットの電子線を照射し、ゲル分率が10%の原反シ
ートを得た。次に、この原反シートをロール延伸機を用
いて110℃のロール上で縦方向に6.5倍延伸し、熱
処理、冷却して巻取り一軸延伸フィルムを得た。このフ
ィルムは、厚さ55μ、見掛け密度0.81g/cm 3 、全
光線透過率26%と高度に空洞を含有し、不透明であ
り、顕微鏡で断面を観察した結果、微細空洞を無数に含
有していることが認められた。
【0028】比較例4 実施例1で用いた組成物を用いて実施例1と同じ方法で
厚さ0.5mmのシートを作成し、このシートを9cm幅の
正方形に裁断し、原反シートとしてパンタグラフ型二軸
延伸機で115〜125℃の範囲で最も均一延伸性の良
好な温度を選択して縦、横を同時二方向に3.5倍延伸
し、同温度で5%弛緩しつつ30秒間熱処理して平均厚
み約45μの二軸延伸フィルムを得た。この原反シート
は20枚延伸して13枚が延伸破断し、得られた延伸フ
ィルムは、中央部10cm平方の厚みむら(平均値からの
変動幅)が7枚平均で56%と不良であった。なお、実
施例1と同じ原反シートは、20枚延伸して延伸破断が
2枚と非常に少なく、厚みむらも18枚平均で14%と
良好であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法により、従来技術で問
題とされていた空洞含有延伸成形物の生産性、均一性問
題が解消できる。しかも、高密度ポリエチレン特有の強
度、剛性を保持し、かつ、軽量化、不透明化および真珠
様光沢などの優れた特徴が付加され、フィルム、シー
ト、テープ、ヤーン、繊維および中空容器などとして包
装材料、装飾材料、梱包材料や合成紙、不織布等広範囲
の用途に使用できる工業的にもきわめて優位なものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエン系単量体を主成分と
    して得られる重合体、該重合体を水素化した水素化樹
    脂、または該重合体および該水素化樹脂からなる標準ポ
    リスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が700以上
    および軟化点(環球法)が170℃以上の値を有するシ
    クロペンタジエン系樹脂10〜100重量部および密度
    0.940g/cm 3 以上の高密度ポリエチレン100重量
    部を配合して該軟化点以上で加熱処理した組成物を、溶
    融押出し法により未延伸原反を成形したのち、該原反の
    少なくとも一方の面に電子線を照射し、引き続いて少な
    くとも一方向に3倍以上延伸することにより、その見掛
    け密度を0.92g/cm 3 以下とすることを特徴とするポ
    リエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 シクロペンタジエン系樹脂が、シクロペ
    ンタジエン系単量体(A)とビニル芳香族炭化水素
    (B)との重量組成比率(B)/(A)が0〜0.3で
    ある成分を重合して得られた重合体、該重合体を水素化
    した水素化樹脂、または該重合体および該水素化樹脂で
    あり、その標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(M
    w)が、式 Mw≧700+2200X (たゞし、Xは組成比率[(B)/(A)+(B)]で
    表す。 の値を有する請求項1記載のポリエチレン系空洞含有延
    伸成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 シクロペンタジエン系単量体を主成分と
    して得られる重合体を水素化した水素化樹脂が紫外線吸
    光度1.0以下、ヨウ素価30以下である請求項2記載
    のポリエチレン系空洞含有延伸成形物の製造方法。
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