JPH0730169A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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JPH0730169A
JPH0730169A JP5174373A JP17437393A JPH0730169A JP H0730169 A JPH0730169 A JP H0730169A JP 5174373 A JP5174373 A JP 5174373A JP 17437393 A JP17437393 A JP 17437393A JP H0730169 A JPH0730169 A JP H0730169A
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Masashi Otsu
誠志 大津
Fumikazu Yamane
文和 山根
Masaharu Kanbara
正治 神原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気機械結合係数及び耐熱性が高く、経時変
化の小さい圧電磁器素子を得る。 【構成】 圧電磁器の組成を一般式:(Pb1-XMeX
[(Mg1/3Nb2/3a(Yb1/2Nb1/2bTiC
d 3(但し、MeはBa,Sr,Caから選ばれた
少なくとも1つ、また、a+b+c+d=1)で示さ
れ、0.95≦x≦1.020.01≦a≦0.15,0.
01≦b≦0.10,0.30≦c≦0.60,0.25≦
d≦0.68とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電磁器組成物、特に、
セラミック発振子、セラミックディスクリミネータ、セ
ラミックフィルタ、弾性表面波素子に好適な圧電磁器組
成物に係る。
【0002】
【従来の技術】従来の、この種の圧電素子に用いる材料
としては、PbTiO3-PbZrO3の二成分系に、C
23、MnO2、Fe23、Bi23などを添加する
ことにより圧電特性を改善したもの、あるいは、PbT
iO3−PbZrO3の二成分系に、Pb(Co1/3Nb
2/3 )O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn
1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3などを加
え三成分系とし、圧電特性を改善した圧電磁器組成物、
さらに、PbTiO3−PbZrO3−Pb(Yb1/2
1/2)O3(特公昭45−10311号公報)などが提
案されている。
【0003】近年電子装置の小型化に伴い表面実装が盛
んに行われるようになり、それに対応して電子部品のチ
ップ化が進められている。本願発明が係る圧電素子部品
もその例に洩れず、表面実装用の圧電素子チップ部品が
開発されている。従来のセラミック発振子、セラミック
フィルタ等の圧電素子部品はリードタイプの樹脂モール
ド品であり、半田付け温度は200℃以下であったた
め、圧電素子に対する熱の影響はあまり大きな問題では
なかった。しかし、チップ部品の形態を採る圧電素子チ
ップ部品は電子装置に実装する際の半田付け時のリフロ
ー炉において250℃前後の温度にさらされる。
【0004】前に述べたような組成を有する従来の圧電
磁器組成物は、200℃以上の温度にさらされることは
想定していない。そのため、電子装置に実装する際の半
田付け時のリフロー炉において250℃前後の温度にさ
らされると機械的品質係数(Qm)、電気機械結合係数
(kp)が悪化するため、耐熱性において信頼性の高い
圧電素子チップ部品を得ることはできなかった。
【0005】また、従来の圧電材料をセラミック発振子
等に用いた場合、素子の経時変化により、共振周波数が
初期の周波数から大きく変動するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願発明はこれらの問
題を解決することができる圧電磁器組成物、すなわち、
200℃以上の温度にさらされても特性が悪化すること
なく、経時変化の小さい圧電磁器組成物を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために「一般式:(Pb1-XMeX)[(Mg1/3
Nb2/3a(Yb1/2Nb1/2bTiCZrd]03(但
し、MeはBa,Sr,Caから選ばれた少なくとも1
つ、また、a+b+c+d=1)で示され、0.95≦
x≦1.02,0.01≦a≦0.15,0.01≦b≦
0.10,0.30≦c≦0.60,0.25≦d≦0.6
8であることを特徴とする圧電磁器組成物」であること
を構成とする発明を提供する。
【0008】
【作用】本発明の圧電磁器組成物を使用した圧電磁器素
子によれば、高い電気機械結合係数が得らるとともに耐
熱性が改善される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図及び表を用いて説
明する。
【表1】
【表2】
【0010】図1に本発明に係る圧電磁器組成物は以下
に記した工程により製造される。 (1)出発原料としてPbO、MgCO3、Yb23、N
23、TiO2、ZrO2を用い、これらを表1に示す
組成になるように秤量する。 (2)秤量された原料をボールミルで湿式混合する。 (3)湿式混合されたものを乾燥する。 (4)乾燥されたものを750℃〜900℃で仮焼する。 (5)仮焼成されたものをボールミルで湿式粉砕する。 (6)得られた粉末に有機バインダを適量加えて造粒す
る。 (7)造粒されたものを4ton/cm2の圧力で加圧成
形する。 (8)成形体を1130℃〜1250℃で焼結する。 (9)焼結体の両表面に、銀電極を焼付・形成する。 (10)50℃〜120℃のシリコーン油中において2〜
3MV/mの直流電界を1時間印加して分極処理する。
【0011】このようにして得られた形状が直径14.
3mm、厚さ0.6mmの圧電磁器円板について、密度
(ρ),電気機械結合係数(kp),誘電率(ε),共
振周波数の温度係数(frTC)及び機械的品質係数(Q
m)を測定した結果を表1に示す。
【0012】圧電特性は、インピーダンスアナライザー
を用いて、共振・反共振周波数を測定した結果から計算
により求めた。また、共振周波数の温度係数(frT
C)は、次式で示される。 frTC(ppm/℃)=[(fr1−fr2)/(fr2×
125)]×106 ここで、fr1,fr2はそれぞれ−40℃〜85℃の温
度範囲における共振周波数の最大値,最小値であり、f
2は25℃における共振周波数である。kp変化率は耐
熱性の評価方法であり、250℃の半田槽に円板素子を
1分間浸漬させ、その前後におけるkpの変化を測定し
た値で、次式で示される。 kp変化率(%)=[(kp−kpi)/kpi]×100 ここで、kpiは半田槽浸漬前の電気機械結合係数であ
り、kpは半田槽浸漬1時間後の電気機械結合係数であ
る。
【0013】これらの測定結果の評価は電気機械結合係
数(kp),電気機械結合係数変化率及び共振周波数の
温度係数(frTC)について行い、電気機械結合係数に
ついては50%以上、電気機械結合係数変化率について
は−3%以上のもの、共振周波数の温度係数は200pp
m以下のものを良好と判定し、その他のものを不良と判
定した。
【0014】その結果、電気機械結合係数については、
試料5,11,18,21,24を不良、電気機械結合
係数変化率については、試料1,5,11,14,1
5,18,19,21,24を不良、共振周波数の温度
係数については試料1を不良と判定した。そして、総合
して試料2,3,4,6,7,8,9,10,12,1
3,16,17,20,22,23を良好と判定した。
【0015】この判定結果に基づいて試料の組成範囲を
整理すると、xに関しては0.12<x、aに関しては
a<0.01,0.15<a、bに関してはb<0.0
1,0.10<b、cに関してはc<0.30,0.60
<c、dに関してはd<0.25,0.68<dの組成範
囲のものは不良であり、したがってxに関しては0<x
≦0.12、aに関しては0.01≦a≦0.15、bに
関しては0.01≦b≦0.10、cに関しては0.30
≦c≦0.60、dに関しては0.25≦d≦0.68の
組成範囲のものは良好である。
【0016】表1から明らかなように、従来の圧電磁器
組成物では、250℃の半田熱による電気機械結合係数
の変化率が−20%前後であったが、本発明に係る圧電
磁器組成物では、PbTiO3−PbZrO3に第3成
分、第4成分として、(Mg1/ 3Nb2/3)O3、(Yb
1/2Nb1/2)O3を同時に固溶させることにより、−3
%以下と大幅に改善することができる。さらに、Pbの
一部をBa,Sr,Caから選ばれた少なくとも一種で
置換することにより、耐熱性と経時変化を劣化させるこ
となく共振周波数の温度係数(frTC)を大幅に向上さ
せることができる。
【0017】本発明の実施例である試料3と従来例の時
間経過に伴う共振周波数の変化を図2に示す。なお、共
振周波数の変化率は、次式で示される。 共振周波変化率(%)=[(fr−fri)/fri]×1
00 ここで、friは初期(分極1時間後)における共振周波
数であり、frは分極後一定時間経過後における共振周
波数である。この図から明らかなように、従来の圧電磁
器組成物に比べ、本発明の圧電磁器組成物は、共振周波
数の変化率が0.1%/Time decade以下と極めて小さな
値にすることができる。しかも、組成比を選ぶことによ
り、電気機械結合係数(kp)が60%以上の優れた圧
電磁器材料を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る圧電磁器組成物を用いることにより、電気機械結
合係数(kp)が高く、耐熱性が高く、耐熱性を向上さ
せたまま共振周波数の温度係数を良くすることができ、
しかも、経時変化の極めて小さい圧電磁器素子を得るこ
とができる。従って、表面実装の際に、250℃前後の
温度にさらされても圧電特性の劣化することが少ないチ
ップ部品を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電磁器組成物を用いた圧電素子の製
造工程図。
【図2】本発明の圧電磁器組成物と従来例の共振周波数
の経時変化率を示すグラフ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために「一般式:(Pb 1-X Me X )[(Mg1/3
Nb2/3a(Yb1/2Nb1/2bTiCZrd 3(但
し、MeはBa,Sr,Caから選ばれた少なくとも1
つ、また、a+b+c+d=1)で示され、0.95≦
x≦1.02,0.01≦a≦0.15,0.01≦b≦
0.10,0.30≦c≦0.60,0.25≦d≦0.6
8であることを特徴とする圧電磁器組成物」であること
を構成とする発明を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 図1に本発明に係る圧電磁器組成物は以
下に記した工程により製造される。 (1)出発原料としてPbO、MgCO3、Yb23
25 、TiO2、ZrO2を用い、これらを表1に示す
組成になるように秤量する。なお、この表においてaは
MgCO3とNb25を1:1のモル比で混合したも
の、bはYb23とNb25を1:1のモル比で混合し
たものを秤量する。 (2)秤量された原料をボールミルで湿式混合する。 (3)湿式混合されたものを乾燥する。 (4)乾燥されたものを750℃〜900℃で仮焼する。 (5)仮焼成されたものをボールミルで湿式粉砕する。 (6)得られた粉末に有機バインダを適量加えて造粒す
る。 (7)造粒されたものを4ton/cm2の圧力で加圧成
形する。 (8)成形体を1130℃〜1250℃で焼結する。 (9)焼結体の両表面に、銀電極を焼付・形成する。 (10)50℃〜120℃のシリコーン油中において2〜
3MV/mの直流電界を1時間印加して分極処理する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: (Pb1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3a(Yb1/2Nb
    1/2bTiCZrd]03 (但し、MeはBa,Sr,Caから選ばれた少なくと
    も1つ、また、a+b+c+d=1)で示され、 0.95≦x≦1.02 0.01≦a≦0.15 0.01≦b≦0.10 0.30≦c≦0.60 0.25≦d≦0.68 であることを特徴とする圧電磁器組成物。
JP5174373A 1993-07-14 1993-07-14 圧電磁器組成物 Expired - Fee Related JP3003087B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6207070B1 (en) 1998-08-19 2001-03-27 Tdk Corporation Composition for piezoelectric ceramics

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6207070B1 (en) 1998-08-19 2001-03-27 Tdk Corporation Composition for piezoelectric ceramics

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