JPH07300958A - 笠 木 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は塀、手すり、パラペット等に被
着される笠木を安定に積重ねられるような形状とするこ
とにある。 【構成】笠木１２の両端縁の側板部１４，１５の高さを
等しくし、かつ上板部１３の上面１３Ａと側板部１４，
１５の下面１４Ｂ，１５Ｂとを平行になるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築物の塀、手すり、パ
ラペット等の頂部に被着される笠木に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すように、例えば建築物のベラ
ンダのパラペット(1) の頂部には笠木(2) が被着されて
いる。該笠木(2) は上板部(3) と、該上板部(3) の両端
縁から垂設されている側板部(4,5) とからなり、笠木
(2) 上面(6) にかかった雨が外側へ流下しないように該
上面(6) は内側に傾斜した状態で取付施工されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記笠木(2) は主とし
てパルプ、木片、木毛、木質繊維等の木質繊維とセメン
トとの混合物を成形し、長期間養生して硬化乾燥させる
ことによって製造されるが、図６に示すように成形物(2
A)を積重ねて養生硬化させる時、上段に行くにつれて傾
斜が急になって滑落し易くなり、複数個を安定に積重ね
ることが出来ないので、通常は一本づつ平置きにして養
生硬化させている。しかしこのような成形物(2A)を一本
づつ平置きにすれば養生スペースを広く確保する必要が
あった。また製品の保管輸送でも複数個を積重ねると上
段のものが滑落する危険があり、適当な滑落防止手段を
とる必要があるし、更に梱包しにくいと言う欠点があっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するための手段として、上板部(13)と、該上板部
(13)の両端縁から垂設されている側板部(14,15) とから
なる断面略コの字形であり、該両端縁の側板部(14,15)
の高さを等しくしかつ上板部(13)上面(13A) と両端縁の
側板部(14,15) の下面(14B,15B) とは平行である笠木(1
2)を提供し、更に木質繊維とセメントを主体とした混合
物の硬化物を材料とした笠木(12)を提供するものであ
る。

【０００５】

【実施例】本発明を図１〜図３に示す一実施例によって
説明すれば、笠木(12)は上板部(13)と、該上板部(13)の
両端縁から垂設されている側板部(14,15) とからなり、
該上板部(13)の下面(13B) は水平であり、上面(13A) と
下面(13B) との角度θは該上板部(13)の上面(13A) の傾
斜角度であり、該上板部(13)の下面(13B) と該側板部(1
4,15) の内面(14A,15A) とのなす角αは９０°であり、
また側板部(14)の高さと側板部(15)の高さとは等しく、
更に該側板部(14)と該側板部(15)の下面(14B,15B) とに
沿う線ｌ₂ と該上板部(13)の上面(13A) に沿う線ｌ₁ と
は平行である。なお上板部(13)の下面(13B) と側板部(1
4,15) の内面(14A,15A) とのなす角αは９０°に限定さ
れることなく、肉厚を薄くした鋭角αであっても本発明
の実施を妨げない。

【０００６】上記笠木(12)は図２に示すように、例えば
家屋のベランダのパラペット(11)上部に被着施工される
が、該パラペット(11)の本体は横方向に差渡した下地材
(16)の両側に防水紙(17)を貼り、その外面に複数本の縦
胴縁(18)を所定間隔をおいて止着し、該縦胴縁(18)に外
壁材(19)を止着した構成となっている。そして上記笠木
(12)の上板部(13)の下面(13B) は水平であり、かつ側板
部(14,15) の内面(14A,15A) とは直角をなしているの
で、該笠木(12)はパラペット(11)の本体に取付ける施工
が精度良く簡単に出来る。また該笠木(12)をパラペット
(11)に取付けた状態では、側板部(14,15) の下面(14B,1
5B) が傾斜しているので肉厚感を有し外観が豪華に見え
る。該笠木(12)は取付けた状態で上面(13A) が内側に傾
斜しているので雨水が外側に流下しない。

【０００７】上記笠木(12)は上記したように木質繊維と
セメントを主体とした混合物を押出成形や流し込み成形
等を行なって、図３に示すように成形物(12A) を複数段
積重ねて養生を行なう。原料として、木質繊維とセメン
トに限ることなく軽量材、骨材、添加剤等を適宜添加し
てもよく、成形方法も上記例示に限定されるものではな
い。養生の際上面(20A) と下面(20B) とのなす角度をθ
とした下敷き(20)を基礎Ｇ上に敷いてその上に該成形物
(12A) を積重ねるか、あるいは両端縁の側板部(14,15)
の高さを同じにしているのでそのまゝ積重ねれば垂直状
態に積重ねることが出来、この状態では側板部の下面が
下の成形物(12A) の上板部に接しており、複数段積重ね
ても安定であり、養生スペースを大巾に節減することが
出来る。このような積重ね養生が出来ることは、特に２
次養生としてオートクレーブ養生を行なう時に効果が大
きい。また保管、輸送、梱包の場合にもこのように積重
ねればコンパクトになる。

【０００８】本実施例以外、図４に示すように笠木(22)
の両側側板部(24,25) の外面上部には突出部(24A,25A)
を形成して意匠性を向上させれば、前実施例のような直
線形状から構成された外観上の異質感をなくすことが出
来るし、また上板部(23)の下面に溝(23A) を形成して軽
量化を図っても該笠木(22)は複数段安定に積重ねること
が出来る。

【０００９】

【発明の効果】したがって本発明では、笠木を複数段安
定に積重ねることが出来、養生、保管、輸送等のスペー
スが大巾に削減される。

【図面の簡単な説明】

図１〜図３は本発明の一実施例を示すものであり、図４
は他の実施例を示すものである。

【図１】正面図

【図２】取付け状態説明部分斜視図

【図３】積重ね状態図

【図４】他の実施例の部分斜視図

【図５】パラペット部分斜視図

【図６】従来の積重ね状態図

【符号の説明】

12,22 笠木 13,23 上板部 13A 上面 13B 下面 14,15,24,25 側板部 14A,15A 内面 14B,15B 下面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上板部と、該上板部の両端縁から垂設され
   ている側板部とからなる断面略コの字形であり、該両端
   縁の側板部の高さを等しくしかつ上板部上面と両端縁の
   側板部の下面とは平行であることを特徴とする笠木
2. 【請求項２】木質繊維とセメントを主体とした混合物の
   硬化物を材料とする請求項１に記載の笠木