JPH07299757A - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JPH07299757A
JPH07299757A JP8950694A JP8950694A JPH07299757A JP H07299757 A JPH07299757 A JP H07299757A JP 8950694 A JP8950694 A JP 8950694A JP 8950694 A JP8950694 A JP 8950694A JP H07299757 A JPH07299757 A JP H07299757A
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plug
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドリルによる破壊やプラグに衝撃を加える破
壊を防止するシリンダ錠を提供することを目的とする。 【構成】 ケース15のドライバピンの前方に、ケース
15の内周面15aに交差する受圧面18と、受圧面1
8よりケース15の前面に伸びる大径内周面19を設
け、プラグ21の外周面に、受圧面18及び大径内周面
19に滑り接触する膨出部24を設け、膨出部24に、
プラグ21の外周面の延長線上に位置する鋼球26,2
8を収容する鋼球収容室25,27を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ錠の前面から
ドリル加工により、或いは、プラグに衝撃力を加える剪
断加工により、シリンダ錠の機能を破壊する悪質な犯罪
を防止するシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】施錠されているシリンダ錠は、ドライバ
ピン孔内のドライバピンがプラグのタンブラピン孔に係
入し、プラグの回動を阻止している。鍵孔に正規のキー
を挿入すると、キーに押されたタンブラピンがドライバ
ピンを押動し、ドライバピンの端面がシャーライン(プ
ラグ外周面)と一致するので、プラグが回動可能にな
り、解錠角度に回動して解錠することができる。
【0003】施錠中のシリンダ錠を不正解錠するため
に、シリンダ錠の前面からドリル加工したり、プラグに
衝撃力を加えて剪断加工する悪質な犯罪が発生すること
があるので、シリンダ錠には、このような犯罪を防止で
きる防盗性の高いものでなければならない。ドリル加工
による犯罪を防止するため、シリンダ錠のドライバピン
孔及びタンブラピン孔の前方に、鋼球収容室を設け、高
い表面硬度を有する鋼球を鋼球収容室に回動可能に収容
し、ドリルによる穿孔を防止する手段が古くから知られ
ている(イギリス特許第6783号参照)。
【0004】この穿孔防止手段を設けたシリンダ錠は、
図5の縦断面図に示すように、筒状のケース1には半径
方向に伸びる複数のドライバピン孔2がケース1の軸方
向に配列して設けられ、ドライバピン孔2の中には、ド
ライバピン3と、ドライバピン3をケース1の内周面よ
り突出する方向に付勢するスプリング4が挿入される。
ドライバピン孔2の前方には、ケース1の内周面に開口
する鋼球収容室5が設けられ、鋼球収容室5内には表面
の硬度が高い鋼球6が挿入される。
【0005】ケース1内に回動可能に挿入されるプラグ
7には前面に開口する鍵孔8と、鍵孔8からプラグ7の
外周面に貫通し、プラグ7が施錠角度にあるときにドラ
イバピン3に相対するタンブラピン孔9が設けられ、タ
ンブラピン孔9にタンブラピン10が挿入される。タン
ブラピン孔9の前方には、プラグ7の外周面に開口する
鋼球収容室11が設けられ、鋼球収容室11内には表面
の硬度が高い鋼球12が挿入される。
【0006】鍵孔8にキーが挿入されていない施錠状態
では、スプリング4に押されたドライバピン3の端部が
タンブラピン孔9に係入してプラグ7の回動を阻止し、
ドライバピン3に押動されたタンブラピン10の端部が
鍵孔8に突出している。鍵孔8に正規のキーを挿入する
と、キーに押されたタンブラピン10がドライバピン3
を押動し、タンブラピン10とドライバピン3の接触面
が、プラグ7の外周面に一致するのでプラグが回動可能
となり、キーを解錠角度に回動すると、プラグ7の端部
に固着されたタング13と固定側の係止部材(図示しな
い)との係合が解除される。
【0007】シリンダ錠の施錠中に、シリンダ錠の前面
からシリンダ錠のシャーライン及びその近傍をドリルで
穿孔して不正解錠しようとしても、ドリルの刃先に当た
った鋼球6,12が空転してドリルの切削加工を阻止す
る。鋼球6,12の表面硬度は、ドリルの刃先を受付な
い高い硬度を有するので、鋼球6,12を切削すること
もできない。かくして、ドリルによるシリンダ錠の破壊
が防止される。
【0008】プラグ7に衝撃力を加えるシリンダ錠の破
壊は、工具などによりプラグ7の前面に矢印P方向の衝
撃力を加え、シャーラインに係入しているドライバピン
3を剪断し、プラグ7を回動可能にするものである。プ
ラグ7の前面にシャーラインを被覆する被覆段部14が
設けられているが、この被覆段部14も剪断される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ケース1に鋼球6を収
容する鋼球収容室5を設け、プラグ7に鋼球12を収容
する鋼球収容室11を設けたシリンダ錠では、ドリルに
よる穿孔破壊を防止することはできるが、シリンダ錠の
構造が複雑になる欠点がある。又、プラグ7に衝撃力を
加えてシャーラインを破壊する悪質犯罪を防止すること
はできない。本発明は、ドリルによる穿孔破壊を防止す
ると共に、プラグに衝撃を加える破壊をも防止すること
ができる防盗性に優れたシリンダ錠を提供することを第
1の目的とし、しかも、防盗性に優れたシリンダ錠をコ
ンパクトで使用し易い構造とすることを第2の目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、筒状に形成され、内周面より半径方向に
伸びるドライバピン孔にドライバピンが挿入されるケー
スと、該ケースに回動可能に挿入され、前面に鍵孔が開
口し、該鍵孔より外周面に貫通し上記ドライバピン孔に
相対するタンブラピン孔にタンブラピンが挿入されるプ
ラグとを備えたシリンダ錠において、上記ケースの前面
と上記ドライバピン孔の間に、上記ケースの内周面に交
差する受圧面と、該受圧面より上記ケースの前面に伸び
る大径内周面を設け、上記プラグの外周面に、上記受圧
面に滑り接触する膨出部を設けると共に、該膨出部に、
上記プラグの外周面の延長線上に位置する鋼球を回動可
能に収容する鋼球収容室を設けたことを特徴とするもの
である。
【0011】上記膨出部の前端部に、上記大径内周面を
被覆する被覆段部を設けることができる。又、上記タン
ブラピン孔は、上記鍵孔に相対して配列され、上記鍵孔
の断面形状を、上記タンブラピン孔の軸心方向に厚さを
有するほぼ偏平形状とすることが望ましい。
【0012】
【作用】上記のように構成されたシリンダ錠は、従来の
シリンダ錠と同様に施錠,解錠される。施錠中に、シリ
ンダ錠の前面にドリルを当てて、シリンダ錠のシャーラ
インを穿孔破壊しようとしても、ドリルの刃先がプラグ
の鋼球収容室内の鋼球に当たるので、切削が阻止され
る。
【0013】プラグに衝撃力を加えてシリンダ錠の後方
に押し込み、シャーラインに係合するドライバピンを剪
断しようとしても、ケースの受圧面がこの衝撃力を受け
止めるので、プラグが押し込まれてドライバピンが剪断
される虞はない。
【0014】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
すると、図1はシリンダ錠の縦断面図、図2は図1のX
−X断面図、図3はシリンダ錠の一部破断正面図であ
る。図1に示すように、筒状のケース15の上下2箇所
には、複数のドライバピン孔2がケース15の軸方向に
配列して設けられる。
【0015】ケース15の外面の上端部及び下端部に
は、各ドライバピン孔2に重なる溝16が設けられ、溝
16の底面には、各ドライバピン孔2を被覆するカバー
17が嵌着され、ドライバピン孔2の中に挿入されるド
ライバピン3とカバー17との間に、スプリング4が挿
入され、ドライバピン3はケース1の内周面より突出す
る方向に付勢される(図1参照)。上記のような上下2
列のドライバピン3と同様に、図3に示す矢印Yに平行
な軸心を有する複数のドライバピン(図示しない)がケ
ース15の長手方向に配列される第3のドライバピン列
が設けられる。
【0016】上下のドライバピン孔2の列の前方には、
ケース15の内周面15aに対して直角な受圧面18
が、内周面15aより外方に向けて設けられ、受圧面1
8の周縁部からシリンダ錠の前面に伸びる大径内周面1
9が設けられる。大径内周面19の前端部には、大径内
周面19よりも大きい径を有する段部20が設けられ
る。
【0017】ケース15内に回動可能に挿入されるプラ
グ21には、前面に開口する鍵孔22と、鍵孔22から
プラグ21の外周面21aに貫通し、プラグ21が施錠
角度にあるときにドライバピン3に相対するタンブラピ
ン孔9が設けられ、タンブラピン孔9にタンブラピン1
0が挿入されることは従来例と同様である(図1参
照)。鍵孔22の断面形状は、タンブラピン孔9の軸心
方向に厚さを有する偏平形状であるので、タンブラピン
孔9の軸心方向に鍵孔の巾を有するシリンダ錠に比較し
て、プラグ21の外径を小さくすることができ、シリン
ダ錠全体をコンパクトにすることができる利点がある。
【0018】ドライバピン3に相対するタンブラピン1
0と同様に、第3のドライバピン列の各ドライバピンに
相対するタンブラピン23(図3参照)が設けられる。
図2に示すように、鍵孔22が矢印Yの反対方向に偏位
しているので、鍵孔22の巾方向の延長線上に第3のタ
ンブラピン23列を設けるスペースが生じる。この第3
のタンブラピン23列は、キーコードを増加させるため
に設けたものであり、本発明には直接関係はない。
【0019】プラグ21の外周面には、受圧面18及び
大径内周面19に滑り接触する膨出部24が設けられ、
膨出部24の前端部には、ケース15の段部20に挿入
される被覆段部29が設けられる。この被覆段部29
は、大径内周面19と膨出部24の内面を被覆して保護
するカバーの役目を果たす。
【0020】膨出部24には、上下のタンブラピン10
の前方に位置する有底の鋼球収容室25と、第3列目の
タンブラピン23の前方に位置する有底の鋼球収容室2
6が設けられ(図2参照)、鋼球収容室25,26に
は、表面硬度が切削工具を受付ない高硬度に加工された
鋼球27,28が挿入される。鋼球27,28の大きさ
は、鋼球収容室25,26よりも僅かに小さいので、鋼
球27,28は鋼球収容室25,26内で回動可能であ
る。
【0021】プラグ21の後部側の外周面に環状凹部3
1を周設し、環状凹部31にストッパリング32を嵌着
する。従って、プラグ21はケース15の軸方向には移
動不能である。プラグ21の後端部に設けられる軸部3
3は、外周面を切欠する2つの平面部34により非円形
に形成され、外周面に雄ねじ35が設けられる(図4参
照)。
【0022】軸部35には、同形状の非円形孔を有する
回動量規制カム36と、従来のタング13と同様のタン
グ(図示しない)が挿通され、雄ねじ35に螺合するナ
ット(図示しない)によって軸部35に締着される。回
動量規制カム36には、プラグ21を解錠角度から施錠
角度までの回動に規制するカム面36aが設けられる。
【0023】次に、以上のように構成されたシリンダ錠
の作用を説明する。施錠中のシリンダ錠の鍵孔22にキ
ーKを挿入すると、キーKの表面及び裏面に配列して設
けられたキーコード用の凹部30がタンブラピン10を
押動し、キーKの一方の端面に設けられたキーコード用
の凹部(図示しない)がタンブラピン23を押動する。
【0024】押動されたタンブラピン10,23の端面
がシャーラインと一致し、プラグ21が回動可能とな
り、キーKによってプラグ21を解錠角度に回動する
と、プラグ21の後端部に設けられたタングのロックが
解除され、開扉可能になる。プラグ21を施錠角度に回
動してキーKを抜き取ると、ドライバピン3がタンブラ
ピン孔9に係入し(第3列のドライバピンも同様に動作
し)シリンダ錠が施錠状態になる。
【0025】施錠中に、シリンダ錠の前面にドリルを当
てて、シリンダ錠のシャーラインを穿孔破壊しようとし
ても、ドリルの刃先が鋼球26,28に当たり、高硬度
の鋼球26,28が空転するので、ドリルによってシリ
ンダ錠を不正解錠する犯罪が阻止される。
【0026】プラグ21に衝撃力を加えてシリンダ錠の
後方に押し込み、シャーラインに係合するドライバピン
3(第3列のドライバピンを含む)を剪断しようとして
も、ケース15の受圧面18がこの衝撃力を受け止める
ので、ドライバピン3が剪断される虞はない。図1に示
すように、ケース15は、受圧面18から後面までの距
離が長いので、ケース15が剪断される虞はない。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、下記に示すように効果を奏する。 (1) 鋼球がシャーラインを保護する位置にあるので、ド
リルを使用した不正解錠を阻止する構造が簡単になる。 (2) ケースに受圧面を設けたので、プラグに衝撃力を与
えてシャーライン上のドライバピンを破壊する不正解錠
も阻止される。 上記いずれの不正解錠も阻止されるので、シリンダ錠の
防盗性が極めて高くなる。 (3) 鍵孔の巾方向を、タンブラピンに対して直角にした
ので、防盗性の極めて高いシリンダ錠をコンパクトにす
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ錠の縦断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】シリンダ錠の一部破断正面図である。
【図4】シリンダ錠の背面図である。
【図5】穿孔防止型のシリンダ錠の従来例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
2 ドライバピン孔 3 ドライバピン 9 タンブラピン孔 10 タンブラピン 15 ケース 15a 内周面 18 受圧面 19 大径内周面 21 プラグ 22 鍵孔 24 膨出部 25,27 鋼球収容室 26,28 鋼球 29 被覆段部 33 軸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状に形成され、内周面より半径方向に
    伸びるドライバピン孔にドライバピンが挿入されるケー
    スと、該ケースに回動可能に挿入され、前面に鍵孔が開
    口し、該鍵孔より外周面に貫通し上記ドライバピン孔に
    相対するタンブラピン孔にタンブラピンが挿入されるプ
    ラグとを備えたシリンダ錠において、 上記ケースの前面と上記ドライバピン孔の間に、上記ケ
    ースの内周面に交差する受圧面と、該受圧面より上記ケ
    ースの前面に伸びる大径内周面を設け、 上記プラグの外周面に、上記受圧面に滑り接触する膨出
    部を設けると共に、該膨出部に、上記プラグの外周面の
    延長線上に位置する鋼球を回動可能に収容する鋼球収容
    室を設けたことを特徴とするシリンダ錠。
  2. 【請求項2】 上記膨出部の前端部に、上記大径内周面
    を被覆する被覆段部を設けたことを特徴とする請求項1
    記載のシリンダ錠。
  3. 【請求項3】 上記タンブラピン孔は上記鍵孔に相対し
    て配列され、上記鍵孔の断面形状は、上記タンブラピン
    孔の軸心方向に厚さを有するほぼ偏平形状であることを
    特徴とする請求項1又は2記載のシリンダ錠。
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