JPH07299550A - 軸受鋼の製造方法 - Google Patents
軸受鋼の製造方法Info
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Abstract
造により鋳造して円形断面をもった鋳片とし、中心固相
率0.3〜0.6の点で圧下率1.0〜3.0%の軽圧下を
行ない、分塊圧延に先立つソーキングを温度1150〜
1250℃、時間2〜5時間の条件で行なう。 【効果】 中心偏析が抑制され、その結果、ボール用の
軸受鋼も連続鋳造で製造でき、レース・コロ用の軸受鋼
の連続鋳造は、より高速の鋳造速度で実施できる。 短
時間のソーキングで巨大炭化物が消失するため、ブルー
ムの加工に先立つスカーフ処理が不要になる。
Description
製造方法に関する。
いという利点があるが、一方で鋳片の中心部にC,P,
Sなどの成分が偏析しやすいという欠点があるため、鋼
種によっては連続鋳造法の採用が困難である。 連続鋳
造が困難な代表は軸受鋼とくにSUJ2のような高炭素
高クロム軸受鋼であって、0.95〜1.10%という
高いC含有量に加えて製造品質に対する高い要求から、
従来は低速の連続鋳造品が軸受部品のうちレースおよび
コロを製造する材料に使用できるだけで、ボール用途に
向ける軸受鋼を連続鋳造により製造することは不可能と
されていた。
として、中心部の凝固に先立って低い圧下率でロール圧
を加える、いわゆる軽圧下が知られている。 軽圧下は
中心部の密着をよくする目的も含めて、しばしば行なわ
れている。
制について研究を進め、鋳片を断面円形に鋳造するとと
もに、中心固相率が0.2〜0.8、好ましくは0.4
〜0.5の範囲にある間にフラットロールで軽圧下を加
えるとよいことを見出して、すでに提案した(特願平6
−15772号)。 軽圧下の度合は、圧下率にして1
〜3%程度が適当であることもわかった。
において固相が占める重量割合を意味する。 連続鋳造
により鋳片が形成される過程では、外側の完全に凝固し
たシェルと中心の液相だけの部分の間に、固相と液相の
混在した領域があり、その混相の存在する領域において
固相がどのくらいの割合を占めているかを示すのが、こ
の語である。 中心固相率は、鋳片の比熱、熱伝導率、
温湯温度等のデータをもとにした伝熱計算によって鋳片
断面温度分布を求め、それから推定する。
ののち、分塊圧延してビレットまたは製品とするが、ビ
レットの線材圧延に先立ってスカーフ処理すなわち火焔
キズ取りを必要としていた。 従来のソーキングは、鋳
片中に析出した巨大炭化物を基地中に溶解させ消失させ
ることを意図して、6時間程度の比較的長い時間行なっ
ていた。一方、ソーキングの間にブルームの表面では脱
炭が進むので、長時間のソーキングが生成させたスケー
ルとともに脱炭層を除去する必要があり、この理由から
もスカーフ処理は欠かせない。
人の開発した上記の軽圧下技術を利用して高炭素軸受鋼
の鋳片を連続鋳造により製造すること、とくにボール用
の材料を連続鋳造で製造できるようにするとともに、レ
ース、コロ用の材料は従来より高速で鋳造できるように
し、しかもスカーフ処理の必要をなくした軸受鋼の製造
方法を提供することにある。
法は、連続鋳造による軸受鋼の製造において、垂直連続
鋳造法により断面が円形の鋳片を鋳造し、水冷鋳型から
引き出される鋳片に対してその中心凝固率が0.3〜
0.6である間に、フラットロールを用いて圧下率1〜
3%の軽圧下を加えて中心偏析を解消し、得られた鋳片
を温度1150〜1260℃に2〜5時間加熱するソー
キングを行なって分塊圧延することにより、スカーフ処
理をすることなく軸受部品に加工可能なビレットまたは
製品を得ることを特徴とする。
るところを説明する。 まず連続鋳造の鋳片の断面形状
を円形とすることは、前記したさきの特許出願に開示し
たように、溶鋼の凝固に伴う体積収縮を考慮に入れて軽
圧下の減面率と内部割れの可能性との関係を円形断面と
正方形断面とで比較すると、後者はコーナー部の引張応
力が大きく内部割れの危険が高いという事実にもとづ
く。 高炭素軸受鋼のように割れ感受性の強い材料は、
円形断面の鋳片を屈曲させずに引き出す垂直連鋳の方法
によるべきことになる。
行なうべきかについては、SUJ2鋼を対象に行なった
連続鋳造において、種々の位置で軽圧下した直径350
mmの円形断面をもつ鋳片(鋳造速度0.36m/min.)の
C中心偏析をしらべた図1の結果にもとづいて決定し
た。 「中心偏析」は、鋳片の中心部におけるC含有量
の、レードル中溶鋼のC含有量に対する比である。 図
1にみるように、C中心偏析の値は中心固相率fs が低
いところで、つまり鋳片内部で凝固が進まないうちに軽
圧下を実施したときに低くなる。 しかし、fs があま
り低いところで軽圧下した鋳片は内部割れが生じるの
で、0.3〜0.6の範囲で軽圧下を行なうべきことが
わかる。
43の点であった。 この値は軸受鋼の組成、鋳片サイ
ズ、鋳造速度などの因子により多少は変動するが、それ
ぞれの場合に応じて容易に見出すことができよう。
許容できる限界は、ボール用で1.1、レース・コロ用
で1.2とされている。 図1は、本発明によればこの
限界内の製品を得るのが容易であることを示している。
2に示すとおりである。 SUJ2鋼を直径350mmの
円形鋳片に種々の鋳造速度で連続鋳造し、図1で知られ
た最適軽圧下位置(fs=0.43)において1.5%の
軽圧下を行なったところ、同じレベルのC中心偏析を達
成するのに、本発明に従う軽圧下を行なえば、より高い
鋳造速度を採用できることがわかった。 具体的には、
0.4m/minより低い鋳造速度ならばC中心偏析1.1
以下の鋳片が得られ、これは上記のように軸受のボール
の材料として使用可能である。 一方、C中心偏析の許
容限界をレース・コロ用の1.2まで拡大するならば、
0.4m/min以上に高めた鋳造速度が採用できる。 こ
れまでSUJ2鋼の連続鋳造の速度がレース・コロ用の
材料でさえ0.3m/minをほとんど超えられなかったこ
ととくらべれば、この鋳造速度の増大は大きな前進であ
る。
の採択理由がわかる。 直径350mmの円形断面の鋳片
に対し、軽圧下を行なわない場合、ソーキングにより巨
大炭化物を消失させるためには、図の細実線で示すノー
ズの範囲内、つまり1200〜1240℃程度の温度に
5〜6時間加熱することが必要とされていたが、本発明
に従って好適な軽圧下を加えた場合、ノーズは太実線で
示すように左へ移動し、短いソーキング時間においても
巨大炭化物のない材料となる。 図から明らかなよう
に、1150℃に達しないソーキング温度ではソーキン
グ時間短縮の効果がなく、一方、1260℃を超える高
い温度では、いったんは消失した巨大炭化物が再度晶出
して来る。 好ましい条件は、温度1200〜1240
℃、時間2.5〜3.0時間である。
前記したように、鋳片表面で脱炭が深く進行しないうち
に分塊圧延にかけることができるし、スケールの発生も
少なくて済む。 分塊圧延により得たブルームをさらに
圧延するに当りグラインダー研削による表面キズ取りを
行なうが、本発明に従って得たブルームの研削は表面の
限られた部分に対して行なえばよい。 それで、従来の
スカーフ処理と全面グラインダー研削をしたものと同じ
成績が得られる。
明に従って軸受鋼の製造を行なえば、高炭素軸受鋼を連
続鋳造しても中心偏析がゼロまたは僅少でボール用に向
けられる鋳片が容易に得られ、レース・コロ用の材料で
あれば従来より鋳造速度を高めても中心偏析が許容限度
内にあるものが得られる。
の半分程度の時間で足りるから、脱炭層が深くまで及ば
ない上にスケールの生成量も少ない。 従って表面は後
の圧延工程で圧延スケールとして脱落する程度であり、
スカーフ処理を行なわなくても、圧延などの加工工程に
送ることができる。
らの軸受製造の生産性を高め、コストを低下させる。
円形断面の鋳片に鋳造する垂直連続鋳造において、軽圧
下の位置と鋳片のC中心偏析との関係を示すグラフ。
C中心偏析との関係を示すグラフ。
圧延に先立つソーキングに関し、種々の時間および温度
において鋳片中に巨大炭化物が存在するか否かを示すグ
ラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 連続鋳造による軸受鋼の製造において、
垂直連続鋳造法により断面が円形の鋳片を鋳造し、水冷
鋳型から引き出される鋳片に対して、その中心凝固率が
0.3〜0.6である間に、フラットロールを用いて圧
下率1〜3%の軽圧下を加えて中心偏析を解消し、得ら
れた鋳片を温度1150〜1260℃に2〜5時間加熱
するソーキングを行なって分塊圧延することにより、ス
カーフ処理をすることなくビレットまたは製品を得るこ
とを特徴とする軸受鋼の製造方法。 - 【請求項2】 軸受鋼が高炭素クロム軸受鋼SUJ1〜
5である請求項1の製造方法。 - 【請求項3】 鋳造速度を0.3〜0.5m/minの範囲
で実施し、C中心偏析比1.2以下の鋳片を得る請求項
2の製造方法。 - 【請求項4】 鋳造速度を0.3〜0.4m/secの範囲
で実施し、C中心偏析比1.1以下のボール用途に向け
得る鋳片を得る請求項2の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09511394A JP3324272B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 軸受鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09511394A JP3324272B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 軸受鋼の製造方法 |
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JPH07299550A true JPH07299550A (ja) | 1995-11-14 |
JP3324272B2 JP3324272B2 (ja) | 2002-09-17 |
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Family Applications (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09300006A (ja) * | 1996-05-15 | 1997-11-25 | Nkk Corp | 難加工性継目無鋼管の製造方法 |
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JP2011161490A (ja) * | 2010-02-10 | 2011-08-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 軸受鋼の製造方法 |
WO2012018239A2 (ko) | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 주식회사 포스코 | 고탄소 크롬 베어링강 및 그 제조방법 |
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CN114669724A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-06-28 | 中天钢铁集团有限公司 | 连铸连轧工艺生产大规格风电轴承钢碳化物的控制方法 |
-
1994
- 1994-05-09 JP JP09511394A patent/JP3324272B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9062359B2 (en) | 2010-08-06 | 2015-06-23 | Posco | High carbon chromium bearing steel, and preparation method thereof |
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CN114669724B (zh) * | 2022-03-31 | 2024-01-23 | 中天钢铁集团有限公司 | 连铸连轧工艺生产大规格风电轴承钢碳化物的控制方法 |
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