JPH0729920B2 - 骨粗鬆症治療剤 - Google Patents

骨粗鬆症治療剤

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JPH0729920B2
JPH0729920B2 JP3198887A JP3198887A JPH0729920B2 JP H0729920 B2 JPH0729920 B2 JP H0729920B2 JP 3198887 A JP3198887 A JP 3198887A JP 3198887 A JP3198887 A JP 3198887A JP H0729920 B2 JPH0729920 B2 JP H0729920B2
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幸義 味澤
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の目的は、一般式(I) (式中のR1、R2およびR3は同じでも異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子または炭素原子数1〜3のアルキ
ル基である)で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン誘導体またはそれらの薬理学的に許容
できる塩を含有する骨粗鬆症治療剤を提供するものであ
る。
〔従来の技術〕
骨粗鬆症とは骨の化学的組成に変化を来すことなく、骨
量の減少した病態をいい、骨中の蛋白、カルシウムおよ
びリンの減少がその生理的な特徴である。
骨粗鬆症は加齢とともに増加し、通常脊髄を侵し、腰背
痛および身長の短縮を起こす。特に進行した例では、長
管骨も侵されるので、ときに骨折を起こす場合もある。
老年者にみられる大腿骨骨折の原因のほとんどは老人性
骨粗鬆症によるものであるといわれている。
この骨粗鬆症の原因は内分泌および栄養障害等多種多様
であり、治療剤としてビタミンD製剤、カルシウム製
剤、カルシトニン製剤、リン製剤等が使用されている
が、その効果が確実でないために、より効果が確実な製
剤の開発が強く望まれている。
近年、上記製剤とは化学構造を全く異にするある種の3
−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体
(イソフラボン誘導体)が骨吸収抑制作用を有し、骨粗
鬆症の治療剤として有用であることが報告されている
(特公昭54−13391号、特開昭60−48924号、特開昭60−
54379号、特開昭60−132917号、特開昭60−132976
号)。
しかしながら、本発明の2−フェニル−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン誘導体(フラボン誘導体)またはそれ
らの薬理学的に許容できる塩が骨吸収抑制作用を示し、
骨粗鬆症治療剤として有用であることは今まで全く報告
されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記特許出願に開示されている3−フェニル−4H−1−
ベンゾピラン−4−オン誘導体(イソフラボン誘導体)
の骨吸収抑制作用は弱く、骨粗鬆症の治療剤としては決
して満足できるものではない。それ故、本発明者らはベ
ンゾピラン−4−オン誘導体の骨吸収抑制作用について
鋭意検討したところ、ある種の2−フェニル−4H−1−
ベンゾピラン−4−オン誘導体(フラボン誘導体)また
はそれらの薬理学的に許容できる塩が強い骨吸収抑制作
用を有し、かつ骨形成促進作用をも示し、より優れた骨
粗鬆症治療剤になり得ることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づくものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体(フラボン誘導
体)またはそれらの薬理学的に許容できる塩が強い骨吸
収抑制作用と骨形成促進作用を示し、安全性の高い骨粗
鬆症治療剤として有用である。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体は公知化合物であ
り、文献記載の方法またはその類似方法に従い製造する
ことができる。例えば、オルガニック シンセシス コ
レクティブ ボリュウム IV、478〜481ページ(Org.Sy
n.Coll.Vol.IV,478〜481);プロシーディングズ オブ
ザ インディアン アカデミー オブ サイエンスズ
(Proc.Indian Acad.Sci.)37A、629ページ、(1953
年);ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル
ソサエティ、(J.A.C.S.)77巻、5390ページ(1955
年);日本化学雑誌19巻、12号 1270ページ(1969年)
等の方法またはその類似方法により容易に製造すること
ができる。
すなわち、前記一般式(I)で表される2−フェニル−
4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体は、一般式 (式中のR1、R2およびR3は前記と同じ意味をもつ)で表
されるアセトフェノン誘導体を塩化ベンゾイルと反応さ
せて、一般式 (式中のR4、R5およびR6はベンゾイル基または炭素数1
〜3のアルキル基である)で表されるベンゾイルオキシ
アセトフェノン誘導体を得たのち、このものをベイカー
ベンカタラマン転位(Baker Venkataraman rearrangeme
nt)により、一般式 (式中のR4、R5およびR6は前記と同じ意味をもつ)で表
されるジベンゾイルメタン誘導体とし、次いで酢酸中酢
酸ナトリウムの存在下で脱水閉環させ、必要ならば加水
分解することにより製造することができる。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体の5位のアルコキ
シ基は適当な酸性条件により選択的に脱アルキル化する
ことができ、ハイドロオキシ体とすることができる。
また、本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニ
ル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体でR1、R2
よびR3が炭素数1〜3のアルキル基である化合物は、
R1、R2およびR3のうち少なくとも1つが水素原子である
本発明の2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オ
ン誘導体をアルキルハライドと反応させることにより製
造することもできる。
本製造方法において、原料として使用する前記一般式
(II)で表されるアセトフェノン誘導体は公知化合物で
あり、文献記載の方法、例えばジャーナル オブ ザ
ケミカル ソサエティー(J.C.S.)1941年、662ページ
〜、記載の方法またはその類似方法に従い製造すること
ができる。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体で、R1、R2および
R3のうち少なくとも1つが水素原子である化合物は、常
法に従い薬理学的に許容できる塩とすることができる。
例えば、本発明の一般式(I)で表される2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体をこれと当量
の水酸化ナトリウムを溶解したアルコール溶液に加え、
加温したのち、減圧下に濃縮することによりナトリウム
塩とすることができる。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体は常法に従い、医
薬品製剤とすることができる。すなわち、通常用いられ
る賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を
混合し、常法に従い調剤し種々の製剤、例えば錠剤、散
剤、カプセル剤等とすることができる。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体を骨粗鬆症治療剤
として用いる場合、大人1日当り約10〜1000mgを適宜な
剤型、例えば錠剤、散剤、カプセル剤などにし、分服経
口投与するか、または大人1日当り約10〜100mgを注射
剤等にして非経口投与する。
本発明の前記一般式(I)で表される2−フェニル−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体またはそれらの薬
理学的に許容できる塩は鶏胚大腿骨を用いた試験管内実
験において、強い骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を示
し、かつカルシウム欠乏食餌を与えた時に生じるラット
の骨中のカルシウムおよびリンの含有量の減少を著しく
抑制させる作用を有し、安全性の高い骨粗鬆症治療剤と
して有用である。
〔実施例〕
本発明をさらに詳述するために以下に実施例をあげる。
なお、実施例中の化合物の融点は未補正である。
実施例 1 5,7−ジメトキシ−6−ハイドロオキシ−2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (a) 3,6−ジベンゾイルオキシ−2,4−ジメトキシア
セトフェノン 3,6−ジハイドロオキシ−2,4−ジメトキシアセトフェノ
ン34gを乾燥ピリジン70mlに溶解し、この溶液に塩化ベ
ンゾイル40mlを加え、水浴上で30分間加温する。反応液
を冷却後、希塩酸で酸性とし析出結晶をろ取する。析出
結晶をクロロホルム1に溶解し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥する。減圧下でクロロホルム溶液を約300mlま
で濃縮し、この溶液にメタノール500mlを加え一夜放置
する。析出結晶をろ取し、3,6−ジベンゾイルオキシ−
2,4−ジメトキシアセトフェノン51.6gを得る。
融点:153〜155℃ (b) 3−ベンゾイルオキシ−2,4−ジメトキシ−6
−ハイドロオキシジベンゾイルメタン 3,6−ジベンゾイルオキシ−2,4−ジメトキシアセトフェ
ノン162.2gを乾燥N,N−ジメチルホルムアミドに溶解
し、この溶液に55%水素化ナトリウム(油性)20.3gを
撹拌下に少量ずつ加える。その後約30分間撹拌したの
ち、水3中に反応液を注ぎ、希塩酸で酸性とする。析
出する結晶をろ取し水洗後、クロロホルム1.5に溶解
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮す
る。残渣にn−ヘキサンを加え、析出した褐色ゲル状物
質をろ去したのち、析出結晶をろ取し、3−ベンゾイル
オキシ−2,4−ジメトキシ−6−ハイドロオキシジベン
ゾイルメタン120.8gを得る。
融点:139〜141℃ (c) 6−ベンゾイルオキシ−5,7−ジメトキシ−2
−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 3−ベンゾイルオキシ−2,4−ジメトキシ−6−ハイド
ロオキシジベンゾイルメタン30.0g、酢酸ナトリウム
(油性)30gおよび酢酸170mlの混合物を3時間加熱還流
する。反応液を氷水中に注ぎ、析出結晶をろ取する。こ
の結晶をメタノールで再結晶して6−ベンゾイルオキシ
−5,7−ジメトキシ−2−フェニル−4H−1−ベンゾピ
ラン−4−オン20.5gを得る。
融点:216〜218℃ (d) 5,7−ジメトキシ−6−ハイドロオキシ−2−
フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 6−ベンゾイルオキシ−5,7−ジメトキシ−2−フェニ
ル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン56.6gをメタノー
ル8にけんだくし、このけんだく液に水酸化カリウム
57gを含む水溶液120mlを加え、水浴上で加温し溶解す
る。反応液を減圧下で濃縮し、残渣を1の水に溶か
し、氷冷し析出結晶をろ取する。この結晶をメタノール
で再結晶して5,7−ジメトキシ−6−ハイドロオキシ−
2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン28.3g
を得る。
融点:217〜219℃ 元素分析値:(C17H14O5として) C% H% 計算値 68.45 4.73 実測値 68.42 4.62 実施例 2 2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン 5,7−ジメトキシ−6−ハイドロオキシ−2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン2g、無水炭酸カリウ
ム7g、ヨウ化メチル7mlおよび乾燥アセトン70mlの混合
物を24時間加熱還流する。反応液をろ過し、不溶物をろ
去し、ろ液を濃縮する。残渣をエタノールから再結晶
し、2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベ
ンゾピラン−4−オン1.7gを得る。
融点:167〜170℃ 元素分析値:(C18H16O5として) C% H% 計算値 69.22 5.16 実測値 69.03 5.16 実施例 3 6,7−ジメトキシ−5−ハイドロオキシ−2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン1gを酢酸および塩酸の混合物(1:1)5
0mlに加え2時間加熱還流する。反応液を水500ml中に注
ぎ、減圧下に約100〜150mlになるまで濃縮する。析出結
晶をろ取し、これをエタノールで再結晶して6,7−ジメ
トキシ−5−ハイドロオキシ−2−フェニル−4H−1−
ベンゾピラン−4−オン0.5gを得る。
融点:158〜160℃ 元素分析値:(C17H14O5として) C% H% 計算値 68.45 4.73 実測値 68.36 4.72 実施例 4 5,6−ジハイドロオキシ−7−メトキシ−2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 5,7−ジメトキシ−6−ハイドロオキシ−2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン1gを酢酸および塩酸
の混合物(1:1)50mlに加え、2時間加熱還流する。反
応液を冷却後水500ml中に注ぎ、次いで減圧下に約100〜
150mlになるまで濃縮する。析出結晶をろ取し、水洗し
たのち、エタノールで3回再結晶し、5,6−ジハイドロ
オキシ−7−メトキシ−2−フェニル−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン500mgを得る。
融点:219〜222℃ 元素分析値:(C16H12O5として) C% H% 計算値 67.60 4.26 実測値 67.63 4.25 実施例 5 骨吸収抑制作用 骨吸収抑制作用を「組織培養応用研究法」ページ111〜1
14(山根績、遠藤浩良編集、ソフトサイエンス社出版,1
985年)記載の方法に従い測定した。
孵卵10〜11日の鶏胚大腿骨を摘出し、骨に付着する柔組
織をよく取り除いた後、本発明の2−フェニル−4H−1
−ベンゾピラン−4−オン誘導体を添加したフェノール
レッドを含有しないBGJb−HW2培養液(以下培養液とい
う)1mlを用いて37℃で1日間回転培養法により前培養
を行う。なお、本発明の化合物は一旦、ジメチルスルホ
キサイドに溶解して、0.1モル濃度の溶液を製し、これ
を培養液で1000倍希釈し、10-4モル濃度とする。また、
対照群は同容量のジメチルスルホキサイドのみを加えて
培養を行う。
翌日、新鮮な培養液に45CaCl2を1μCi/mlの濃度に溶解
し、前培養した鶏胚大腿骨をその1mlに浸漬し、37℃に
て2時間振盪培養する。これにより培養骨中の骨塩は45
Caで標識される。培養終了後ただちにあらかじめ37℃に
加温しておいたリン酸緩衝生理食塩水で培養骨を洗浄し
て骨に付着している45Caを取り除く。この45Caの標識培
養骨を再び培養液で回転培養法(10回転/時)により培
養する。12、24、48、72時間ごとに培養液から正確に一
定量の培養液を分取し、同時に残りの培養液を捨て、新
しい培養液を加える。分取した培養液中の45Ca放射活性
を液体シンチレーションカウターで測定し、全培養液中
45Caの放射活性を計算する。培養終了後、骨組織を1
規定塩酸中に1日放置し、全カルシウムを溶出させ、そ
の放射活性を測定し、培養骨中の最終残存放射活性とす
る。
得られた測定値から、最初に骨組織に取り込まれた全放
射活性に対する培養骨中に残存している放射活性の割合
を算出し、24時間以降の培養骨中の放射活性残存減衰曲
線で破骨細胞による骨塩溶出を直線回帰し、得られた直
線の勾配より、培養骨へ沈着した骨塩中のカルシウムの
ターンオーバー率を生物学的半減期T1/2として求める。
本発明の化合物群および対照群は各々1群5例で実施し
た。
対照群のT1/2の値と比較して、本発明の化合物群のT1/2
の値が大きい値を示した場合、本発明の化合物は骨吸収
抑制作用を有することを示す。本発明の化合物の骨吸収
抑制作用の効力をT1/2の値を用い、以下の式により求め
る。
結果を以下に示す。
化合物 骨吸収抑制作用の効力 5,7−ジメトキシ−6−ハイド ロオキシ−2−フェニル−4H− 1−ベンゾピラン−4−オン 1.76 5,6−ジハイドロオキシ−7− メトキシ−2−フェニル−4H− 1−ベンゾピラン−4−オン 1.20 2−フェニル−5,6,7−トリ メトキシ−4H−1−ベンゾピラ ン−4−オン 1.81 実施例 6 骨形成促進作用 骨形成促進作用を「組織培養応用研究法」ページ103〜1
11(山根績、遠藤浩良編集、ソフトサイエンス社出版,1
985年)記載の方法に従い測定した。
孵卵9日の鶏胚大腿骨を摘出し、骨に付着する柔組織を
よく取り除き、1個体の左右の大腿骨のうち一方を本発
明の2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘
導体群、地方を対照群として用い、培養用平角試験管の
内面に一本ずつ付着させ、これにBGJb−HW2培養液(以
下培養液という)2mlを加えシリコン栓で密栓し、37℃
で回転培養(10回転/時間)する。本発明の化合物は一
旦、ジメチルスルホキサイドに溶解して0.1モル濃度の
溶液を製し、これを、培養液で10-4モル濃度になるよう
1000倍希釈する。また、対照群には同容量のジメチルス
ルホキサイドのみを加えて培養を行う。
1日毎に骨の長さを測定しつつ、新鮮な培養液で交換し
ながら骨培養を6日間継続する。
培養終了後に培養骨をリン酸緩衝生理食塩水で洗い、1
規定塩酸中に1日放置して、骨組織からカルシウムを溶
出させ、溶出したCa量をオルトクレゾールフタレインに
よりキレート法で定量する。
本実験は各群6例で実施した。
本発明の化合物の骨形成促進作用の効力を以下の式によ
り求めた。
結果を以下に示す。
化合物 骨吸収抑制作用の効力 2−フェニル−5,6,7−トリ メトキシ−4H−1−ベンゾピラ ン−4−オン 1.25 実施例 7 Ca欠乏食餌で飼育されたラット骨中のカルシウムおよび
リン量に対する効力 3週齢のウィスター系雄性ラット20匹を1群10匹ずつ2
群に分け、1群に本発明の2−フェニル−5,6,7−トリ
メトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン300mg/kgを
CMC懸濁液で1日1回、毎日強制的に経口投与し、他の
1群には同容量のCMCのみを投与して、それぞれCa欠乏
食を与えて2週間飼育し、大腿骨の中のカルシウムおよ
びリン量を測定した。
結果を以下に示す。
実施例 8 急性毒性 2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オンをCMCにけんだくし、7週齢ICR系マウ
ス雌雄各10匹を用い、1000、2000、3000mg/kgを経口投
与し、7日間観察した。いずれの群においても死亡例は
なく、中毒症状も認められなかった。
実施例 9 製剤の製造 (a) 錠剤 2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン100g、乳糖95gおよびトウモロコシデ
ンプン40gを混合し、次いで5%ハイドロオキシプロピ
ルセルロース水溶液を加えて練合したのち、乾燥し、乾
燥物にカルボキシメチルセルロースカルシウム8gおよび
ステアリン酸カルシウム7gを加え混合したのち、1000錠
に成形する。
(b) カプセル剤 2−フェニル−5,6,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン100g、乳糖59gおよびトウモロコシデ
ンプン35gを混合し、さらに混合物にタルク6gを加えて
混合したのち、硬カプセル1000カプセルに充填する。
〔発明の効果〕
本発明の一般式(I)で表される2−フェニル−4H−1
−ベンゾピラン−4−オン誘導体およびそれらの薬理学
的に許容できる塩は鶏胚大腿骨を用いた試験管内実験に
おいて、強い骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を示し、
また、カルシウム欠乏食餌を与えた時に生じるラットの
骨中のカルシウムおよびリン含有量の減少を著しく抑制
する。
従って、本発明の一般式(I)で表される2−フェニル
−4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体は骨粗鬆症治
療剤として有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のR1、R2およびR3は同じでも異なっていてもよ
    く、それぞれ水素原子または炭素原子数1〜3のアルキ
    ル基である)で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾ
    ピラン−4−オン誘導体またはそれらの薬理学的に許容
    できる塩を有効成分として含有する骨粗鬆症治療剤。
  2. 【請求項2】式 で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−
    オン誘導体またはその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分として含有する特許請求の範囲第1項記載の骨粗鬆症
    治療剤。
  3. 【請求項3】式 で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−
    オン誘導体またはその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分として含有する特許請求の範囲第1項記載の骨粗鬆症
    治療剤。
  4. 【請求項4】式 で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−
    オン誘導体またはその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分として含有する特許請求の範囲第1項記載の骨粗鬆症
    治療剤。
  5. 【請求項5】式 で表される2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−
    オン誘導体を有効成分として含有する特許請求の範囲第
    1項記載の骨粗鬆症治療剤。
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