JPH0729703A - サーミスタとその製造方法 - Google Patents

サーミスタとその製造方法

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JPH0729703A
JPH0729703A JP17309393A JP17309393A JPH0729703A JP H0729703 A JPH0729703 A JP H0729703A JP 17309393 A JP17309393 A JP 17309393A JP 17309393 A JP17309393 A JP 17309393A JP H0729703 A JPH0729703 A JP H0729703A
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JP
Japan
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thermistor
thermistor element
equation
resistance value
oxide
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JP17309393A
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English (en)
Inventor
Yoko Sakota
洋子 迫田
雅幸 ▲高▼橋
Masayuki Takahashi
Hironori Moriwake
博紀 森分
Takuoki Hata
拓興 畑
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抵抗値の経時変化率の小さい優れたサーミス
タとその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 上記目的を達成するために本発明のサーミス
タは、サーミスタ素子をCo、Cr、Mn、Ni、C
u、Feの酸化物の中から1種類あるいは2種類以上混
合したもの100原子%に対し、O2-との半径比が0.
65以上の2価の陽イオンとなる金属原子を0.1〜1
5原子%添加したもので作成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば液面検出器に用
いるサーミスタとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、NTCサーミスタは、Mn−Ni
系、Mn−Ni−Co系、Mn−Ni−Cu系等の酸化
物を用いて形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
サーミスタ素子は、スピネル構造とNaCl構造の2相
が共存している構成となっている。したがってこのサー
ミスタ素子を用いて液面検出器を形成した場合、サーミ
スタ素子が気中に出た時、自己発熱し相転移を起こし、
抵抗値の経時変化が大きくなるという問題点を有してい
た。
【0004】本発明は上記問題点を解決するもので、抵
抗値の経時変化の小さい安定した特性を有するサーミス
タを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のサーミスタは、サーミスタ素子を、Co、
Cr、Mn、Ni、Cu、Feの酸化物の中から1種類
あるいは2種類以上混合したもの100原子%に対し、
酸素の2価の陰イオン(O2-)との半径比が0.65以
上の2価の陽イオンとなる金属原子を、0.1〜15原
子%添加したものを用いて形成したものである。
【0006】
【作用】スピネル構造はAB24という組成でA:2
価、B:3価のものが一般的である。ccp形式に配列
した酸素イオンが基本構造でその6配位位置の1/2と
4配位位置の1/8に陽イオンが規則的に配列されてい
る。その4配位位置をAサイト、6配位位置をBと呼
ぶ。ccpの充填方向に注目すると、6配位位置のみに
陽イオンが存在する層と4配位位置(図2)、6配位位
置(図3)の両方に陽イオンを配列した層とが交互に重
なっている。
【0007】NaCl構造はMOという組成で、Mは2
価をとり、陰イオン配列がccpで、配位関係が6:6
の場合のものである。
【0008】あるイオン半径rcを持った陽イオンがど
のような配位数をとるかは、陰イオンの半径raとの比
rc/raで判断できる。通常、0.225≦rc/r
a<0.414の場合4配位、0.414≦rc/ra
<0.732の場合6配位をとる。
【0009】スピネル構造とNaCl構造の6配位は同
じ6配位でもスピネル構造の方が、構造が複雑で、4配
位と6配位が混在しているため、6配位をとれる陽イオ
ン半径は小さくなる。0.65≦rc/raとなるイオ
ン半径を持った陽イオンはスピネル構造をとることがで
きない。
【0010】上記構成によると、スピネル構造とNaC
l構造の2相共存になっているサーミスタ素子に、0.
65≦rc/ra(O2-)となるイオン半径rcの2価
の陽イオンとなる金属原子を少なくとも1種類0.1〜
15原子%添加している。添加した金属原子は2価の陽
イオンとなりNaCl相にのみ固溶する。そのためスピ
ネル構造とNaCl構造の相変態が起こりにくくなり、
抵抗値の経時変化を小さくすることができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例について説明す
る。
【0012】酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化カルシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ラジウム、酸
化カドミウム、酸化鉛、酸化錫、酸化ランタン、酸化プ
ラセオジュウムを焼結後の金属原子組成が(表1)、
(表2)、(表3)の組成比になるように配合し、ボー
ルミルで16時間湿式混合した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】その後脱水乾燥し、乳鉢、乳棒を用いて粉
体にした。次にこの粉体を600℃〜1000℃で2時
間仮焼し、これら仮焼物をボールミルで湿式粉砕後、脱
水乾燥し、ポリビニールアルコール(PVA)をバイン
ダーとして添加し、乳鉢、乳棒で顆粒状に造粒した後、
所要量採取してロッド型に加圧成形し成形品を得た。こ
れらを空気中1000℃〜1350℃の温度で2時間焼
結させて図1に示すサーミスタ素子1を形成した。次
に、これらのロッド型のサーミスタ素子1の両端に銀−
パラジウムペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行
い電極2a,2b,2c,2dを形成し、この電極2
a,2b,2c,2d上にリード線3a,3b付きのキ
ャップ4a,4bを圧入した。
【0017】完成した各試料を直流4端子法を用いて2
5℃の抵抗値(R25)、50℃の抵抗値(R50)を
測定し、(数3)を用いて、25℃での比抵抗(ρ25)
を、また(数4)を用いて25℃と50℃間のB定数
(B25/50)を算出した。
【0018】
【数3】
【0019】
【数4】
【0020】また、抵抗変化率は、25℃で抵抗値(R
25A)を測定した試料を300℃に維持した高温槽中
に3000時間放置した後、試料の抵抗値(R25B)
を25℃で再度測定した。放置前後の抵抗値の変化率を
(数5)により求めた。
【0021】
【数5】
【0022】その結果を(表1)、(表2)、(表3)
に示す。(表1)、(表2)、(表3)において*印の
試料は本発明の請求の範囲外のものである。また表を見
てもわかるように、本発明のサーミスタは抵抗値変化率
が±5%以内であるが、請求の範囲外のものはいずれも
抵抗値変化率が大きい。
【0023】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について説明する。
【0024】サーミスタ素子1が(表4)、(表5)、
(表6)に示す組成のサーミスタに、リード線3a,3
b付きキャップ4a,4bを圧入した試料を作成し、2
5℃における抵抗値を測定した。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】そしてこれを実使用条件(電圧12V、電
流130mA)で100時間エージングした後、300
℃に維持した高温槽中に3000時間放置した。そして
25℃での抵抗値を再度測定した。この抵抗値の変化率
を(数5)より求め、(表4)、(表5)、(表6)に
示した。
【0029】(表1)〜(表6)を見ると、本発明のサ
ーミスタに実使用条件でエージングを行った試料は、抵
抗値の経時変化率が5%以下と低い。そしてサーミスタ
素子1の組成が同じならば、エージングを行った試料の
方が、エージングを行っていない試料の方より抵抗値の
経時変化は小さい。
【0030】また本発明の特許請求の範囲外の組成のサ
ーミスタ素子1の試料は、実使用条件でエージングを行
っても、抵抗値の経時変化は±5%以上と大きく、エー
ジング無しのものと差はなかった。
【0031】これは、本発明のサーミスタを実使用温度
でエージングすることにより、結晶構造、気孔濃度やモ
ビリティーが、その温度で平衡状態となり抵抗値の経時
変化が小さくなるのである。
【0032】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について説明する。
【0033】サーミスタ式液面検出器の動作原理はサー
ミスタ素子1の気中と液中における熱放散定数の違いを
利用するもので、その違いが大きい程検出精度はよくな
る。つまり、サーミスタ素子1の自己発熱による抵抗値
の違いを電流または、電圧に変換し液面を検知するもの
である。
【0034】図4は本発明の一実施例でエンジンオイル
用の液面検出器の回路図である。サーミスタ5と警告灯
6とバッテリ7とを直列に接続している。
【0035】図5は本発明の一実施例におけるサーミス
タのI−V特性と電球の負荷曲線の関係図である。
【0036】サーミスタ5は電流が流れると発熱し、抵
抗値が減少する負の抵抗温度特性を持ち、バッテリ7に
より電圧が印加されると共に液中であるか気中であるか
に応じて抵抗値が変化する。そして図5を見てもわかる
ように、気中では飽和点Bが125mA以上、液中では
飽和点Aが60mA以下となる熱放散定数を持ってい
る。
【0037】警告灯6は12V、3.4Wの電球を用
い、サーミスタ5が気中に出た場合、サーミスタ5の抵
抗値が減少し、125mA以上の電流が流れて点灯す
る。そして液中にある場合は60mA以下の電流しか流
れず消灯したままである。バッテリ7には定圧電源を利
用し11±0.4Vの範囲で変動する。この液面検出器
は60〜130℃で使用される。
【0038】しかし、サーミスタ素子が気中にある時、
サーミスタ素子は400℃以上になるので、サーミスタ
素子だけでなく構成部材にも耐熱性が要求される。そし
て液中と気中を行き来するため、400℃以上のサーミ
スタ素子が100℃の液中に入り急冷されることもあ
り、大きな熱衝撃を受ける。
【0039】(表7)に種々の形状のサーミスタ素子を
用いた液面検知器において液中及び気中の熱放散定数と
液面検知機能を果たしたかどうかを示す。
【0040】
【表7】
【0041】(表7)を見てもわかるように本発明のサ
ーミスタ5は、気中及び液中の熱放散定数が(数6)の
関係式で表されると共にサーミスタ素子の直径と長さが
(数7)の関係式で表される。
【0042】
【数6】
【0043】
【数7】
【0044】ロッド型のサーミスタ素子1は、サーミス
タ素子1とリード線3a,3bを、リード線3a,3b
をスポット溶接したキャップ4a,4bをかぶせること
により接合するので、耐熱性に優れる。また、サーミス
タ素子1とキャップ4a,4bの膨張係数を合わせるこ
とにより、熱衝撃を緩和できる。
【0045】ディスク型、樹脂コーティング型では構成
部材の関係上400℃以上の耐熱性が得られない。
【0046】なお、本発明のサーミスタを用いたサーミ
スタ式液面検出器は、エンジンオイルだけでなく他の液
体にも十分使用できるものである。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明のサーミスタは、
サーミスタ素子を、Co、Cr、Mn、Ni、Cu、F
eの酸化物の中から1種類、あるいは2種類以上混合し
たもの100原子%に対し、O2-との半径比が0.65
以上の2価の陽イオンとなる金属原子を少なくとも1種
類0.1〜15原子%添加したもので形成している。
【0048】その結果、添加した金属原子は2価の陽イ
オンとなりNaCl相にのみ固溶する。そしてスピネル
構造とNaCl構造の間で相変態が起こりにくくなり、
抵抗値の経時変化を小さくすることができる。
【0049】そして、サーミスタ素子を実使用温度でエ
ージングすることにより、結晶構造、気孔濃度やモビリ
ティーがその温度で平衡状態となり、さらに抵抗値の経
時変化を小さくできる。
【0050】また、サーミスタ素子の気中及び液中の熱
放散定数が(数6)の関係式で表されかつ、サーミスタ
素子の長さ(L)と直径(D)が(数7)の関係式で表
されるサーミスタを液面検出器に用いる結果、検出精度
のよい液面検出器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるサーミスタの断面図
【図2】ccpの4配位の構造図
【図3】ccpの6配位の構造図
【図4】本発明のサーミスタを用いた液面検出器の電気
回路図
【図5】本発明の一実施例におけるサーミスタのI−V
特性、及び液面検出器に用いる電球の負荷曲線を示す特
性図
【符号の説明】
1 サーミスタ素子 2a,2b,2c,2d 電極 3a,3b リード線 4a,4b キャップ 5 サーミスタ 6 警告灯 7 バッテリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 拓興 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ素子と、このサーミスタ素子
    に設けた電極とを備え、前記サーミスタ素子は、Co、
    Cr、Mn、Ni、Cu、Feの酸化物の中から1種
    類、あるいは2種類以上混合したもの100原子%に対
    し、酸素の2価の陰イオンとの半径比が0.65以上の
    2価の陽イオンとなる金属原子を、0.1〜15原子%
    添加するサーミスタ。
  2. 【請求項2】 添加する金属原子は、Ca、Sr、B
    a、Cd、Pb、Sn、Raの少なくとも一つよりなる
    請求項1に記載のサーミスタ。
  3. 【請求項3】 サーミスタ素子の気中及び液中の熱放散
    定数の関係が(数1)で表される請求項1に記載のサー
    ミスタ。 【数1】
  4. 【請求項4】 サーミスタ素子の長さをL、直径をDと
    したとき、LとDの関係が(数2)で表される請求項3
    に記載のサーミスタ。 【数2】
  5. 【請求項5】 Co、Cr、Mn、Ni、Cu、Feの
    酸化物の中から1種類、あるいは2種類以上混合したも
    の100原子%に対し、酸素の2価の陰イオンとの半径
    比が0.65以上の2価の陽イオンとなる金属原子を、
    0.1〜15原子%添加してサーミスタ素子を形成した
    後に、このサーミスタ素子を実使用温度においてエージ
    ングすることを特徴とするサーミスタの製造方法。
JP17309393A 1993-07-13 1993-07-13 サーミスタとその製造方法 Pending JPH0729703A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114394819A (zh) * 2022-02-10 2022-04-26 广东风华高新科技股份有限公司 一种高可靠性片式ntc热敏电阻材料及其制备方法及用途

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114394819A (zh) * 2022-02-10 2022-04-26 广东风华高新科技股份有限公司 一种高可靠性片式ntc热敏电阻材料及其制备方法及用途
CN114394819B (zh) * 2022-02-10 2022-11-15 广东风华高新科技股份有限公司 一种高可靠性片式ntc热敏电阻材料及其制备方法及用途

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