JPH07297012A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JPH07297012A
JPH07297012A JP6112075A JP11207594A JPH07297012A JP H07297012 A JPH07297012 A JP H07297012A JP 6112075 A JP6112075 A JP 6112075A JP 11207594 A JP11207594 A JP 11207594A JP H07297012 A JPH07297012 A JP H07297012A
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JP
Japan
Prior art keywords
powder
wave absorber
radio wave
solution
copper
Prior art date
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Pending
Application number
JP6112075A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Fujimura
美一 藤村
Tsutomu Otsuka
努 大塚
Etsuo Otsuki
悦夫 大槻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
Priority to JP6112075A priority Critical patent/JPH07297012A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で吸収特性に優れた電波吸収体を供す
る。 【構成】 鉄を必須とし、ニッケル、銅、亜鉛、マンガ
ンのうち、少なくとも二種以上を含む硝酸塩とアミノ酸
との錯体の溶液を加熱して得られた酸化物磁性粉末によ
って構成する電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物磁性粉末を使用
した電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁ノイズが精密機器等に及ぼす
影響が大きな問題となっており、この電磁ノイズの測
定、評価には、電波暗室が多く使用されている。その電
波暗室等で使用される電波吸収体は、対象とする周波数
帯域により異なる材料が用いられている。このうち、高
周波帯域での電磁波の吸収には、高周波帯域での透磁率
が大きいフェライト材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、電波吸収体とし
て使用されている主なフェライト材料は、Mn−Zn系
フェライトおよびNi−Zn系フェライトである。これ
らは、通常、従来からの粉末冶金的な工程で製造されて
おり、この工程が長いためにコストの低減が難しいとい
う欠点があった。又、高性能な材料を得るためには、原
料が均一に混合されており、かつ不純物の混入量が少な
いことが必要である。よって、本発明が解決しようとす
る課題の一つは、製造工程を短縮化することによって、
製造コストを低減した安価な電波吸収体を提供すること
であり、もう一つの課題は、原料が均一に混合されてお
り、又、不純物の混入量を極端に減少させたフェライト
粉末を用いることによって、特性の優れた電波吸収体を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の電波吸収体に用
いられる酸化物磁性粉末は、鉄を必須とし、ニッケル、
銅、亜鉛、マンガンのうち、少なくとも二種以上用を含
む硝酸塩溶液と、アミノ酸溶液を混合、加熱して得られ
た。
【0005】上述の酸化物磁性粉末は、その製造工程に
おいて、それぞれの金属成分がイオンとして溶液中で均
一に混合しているので、原子レベルで組成が均一な酸化
物磁性粉末である。又、スピネル単相で微細な粉末であ
ることから、この粉末を塗料に混合して用いれば、その
まま電波吸収体として使用することができる。更に、必
要に応じて、塗料との混合工程で銅粉等の金属粉末を加
えて同時に混合することで、周波数がMHz以下の帯域
でも有効な広い周波数帯域で吸収特性に優れた電波吸収
体を得ることができる。又、従来のフェライト材料の製
造方法のような予焼、粉砕、造粒、成形、焼結といった
工程が必要ないため、大幅に製造プロセスを短縮でき、
製造コストを低減することができる。更に、粉砕工程を
必要としないことにより、粉砕時に不純物が混入する心
配がない。これらのことから、高性能で安価な酸化物磁
性粉末の製造が可能であり、従来よりも特性に優れて安
価な電波吸収体を提供することができる。
【0006】
【作用】本発明の電波吸収体に用いられる酸化物磁性粉
末の製造工程は、原料である硝酸塩とアミノ酢酸の溶媒
への溶解、溶液の混合、溶媒を蒸発させるための400
℃以下での加熱、乾燥、又は噴霧・乾燥するという極め
て少ない工程より成り、溶媒が蒸発することによって残
存する残留物は自己発火して、この反応後に酸化物磁性
粉末となる。
【0007】このようにして得られた酸化物磁性粉末
は、電波吸収体として使用するのに適した粉末粒径を有
し、溶液の加熱手段として、特に、加熱、乾燥を噴霧・
乾燥によると、より均一な粒径の粉末が得られる。又、
それぞれの金属成分は、イオンとして溶液中で均一に混
合されるので、原子レベルで組成が均一な酸化物磁性粉
末が得られる。更に、原料溶液を加熱し、溶媒が蒸発し
た後、自己発火が起こるが、その時の反応は高温で短時
間であり、局所的な反応なので、スピネル単相の微細
で、均一な粒径の粉末が得られる。又、電波吸収体とし
て使用するのに適した粉末粒径の粉末が、粉砕工程を経
ることなく、直接得られるために、粉砕工程で必然的に
おこる不純物の混入がない。以上の理由により、本発明
の粉末を使用した電波吸収体の電波吸収特性は、優れた
ものとなる。
【0008】本発明による酸化物磁性粉末は、スピネル
単相の微細で、均一な粒径の粉末が直接得られたものな
ので、この粉末を塗料に混合して用いれば、そのまま電
波吸収体として使用することができる。更に、必要に応
じて塗料との混合工程で銅粉等の金属粉末を同時に混合
することで、MHz以下の帯域から高い周波数にわたる
広い周波数帯域で吸収特性のよい電波吸収体を得ること
ができる。また、従来の粉末冶金的なフェライト材料の
製造方法における予焼、粉砕、造粒、成形、焼結といっ
た工程は必要なく、大幅に製造プロセスが短縮化でき、
製造コストを低減することができる。
【0009】更に、本発明による酸化物磁性粉末は、電
波吸収体に使用するのに適した粉末粒径の粉末が直接得
られ、必要な加熱温度は400℃以下で十分である。加
熱温度が400℃以上であってももちろん酸化物磁性粉
末は得られるが、設備費やランニングコストが高価にな
り、何等利点はない。
【0010】以上のことより、本発明による酸化物磁性
粉末は、高性能で安価であり、又、この粉末を使用した
電波吸収体は、従来よりも安価で特性に優れる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0012】(実施例1)高純度の硝酸鉄、硝酸ニッケ
ル、硝酸亜鉛を酸化物換算で18NiO−32ZnO−
50Fe23(mol%)となるように秤量し、純水中
に溶解した。この溶液中にアミノ酢酸を硝酸鉄、硝酸ニ
ッケル、硝酸亜鉛の総重量に対して、15wt%となる
ように添加し、充分に混合した。次に、この溶液を30
0℃の加熱雰囲気中に噴霧し、酸化物磁性粉末(Ni−
Znフェライト粉末)を得た。このNi−Znフェライ
ト粉末の平均粒径は0.50μmであり、スピネル率は
100%であった。一方、比較材として、上記と同組成
となるように酸化鉄、酸化ニッケル、酸化亜鉛を秤量
し、従来の工程により、混合−乾燥−整粒−焼成(13
00℃、1時間、大気中)して得られたNi−Znフェ
ライト粉末をボールミルで120時間粉砕し、平均粒径
を0.55μmとした粉末を得た。こちらも、スピネル
率は100%であった。
【0013】これらのフェライト粉末に、バインダーと
してPVA5%水溶液を10wt%添加し、らいかい機
で混合、造粒し、次いで、外径10mm、内径6mm、
高さ1mmのリングコアをプレス成形した。プレス圧力
は、2ton/cm2であった。このコア(成形体)を
用いて初透磁率を測定した。表1に、これらの100k
Hzでのμiを示す。
【0014】
【表1】
【0015】次に、上記の各々のフェライト粉末とポリ
ウレタンのメチルエチルケトン溶液とを各々50wt%
の割合で混合し、ペーストを作製した。このペースト
を、外径7mm、内径3mmのポリエチレン板上に10
μmの厚さで塗布した。次に、ネットワークアナライザ
ーを用いて、これらの試料の100MHzでの電波の反
射係数を測定した。その結果も表1に示している。表1
は、本発明の電波吸収体が、比較材に比べて、優れた電
波吸収特性を有すること示している。
【0016】(実施例2)高純度の硝酸鉄、硝酸ニッケ
ル、硝酸亜鉛を酸化物換算で15NiO−35ZnO−
50Fe23(mol%)となるように秤量し、純水中
に溶解した。この溶液中にアミノ酢酸を硝酸鉄、硝酸ニ
ッケル、硝酸亜鉛の総重量に対して、15wt%となる
ように添加し、充分に混合した。次に、この溶液を30
0℃の加熱雰囲気中に噴霧し、酸化物磁性粉末(Ni−
Znフェライト粉末)を得た。このNi−Znフェライ
ト粉末の平均粒径は0.50μmであり、スピネル率は
100%であった。次に、上記工程によって得られたN
i−Znフェライト粉末と、平均粒径2μmの銅粉末、
及びポリウレタンのメチルエチルケトン溶液を、それぞ
れ40wt%、10wt%、50wt%の割合とし、混
合した。このペーストを外径7mm、内径3mmのポリ
エチレン板上に10μmの厚さで塗布した。
【0017】比較のために、銅粉末を混合しないNi−
Znフェライト50wt%のペーストも作製し、同様に
して、試料を作製した。この二つの試料の1MHz及び
50MHzでの電波の反射係数をネットワークアナライ
ザーを用いて測定した。その結果を表2に示す。表2か
ら、銅粉を混合することで、より低い周波数領域に至る
広い周波数範囲で電波吸収特性が向上することがわか
る。
【0018】
【表2】
【0019】(実施例3)高純度の硝酸鉄、硝酸マンガ
ン、硝酸亜鉛を酸化物換算で35MnO−13ZnO−
52Fe23(mol%)となるように秤量し、純水中
に溶解した。この溶液中にアミノ酢酸を硝酸鉄、硝酸マ
ンガン、硝酸亜鉛の総重量に対して、15wt%となる
ように添加し、充分に混合した。次に、この溶液を30
0℃の加熱雰囲気中に噴霧し、酸化物磁性粉末(Mn−
Znフェライト粉末)を得た。この粉末の平均粒径は
0.50μmであり、スピネル率は100%であった。
一方、比較材は、上記と同組成となるように酸化鉄、酸
化マンガン、酸化亜鉛を秤量し、従来の工程により、混
合−乾燥−整粒−焼成(1300℃、1時間、酸素分圧
5%の窒素・酸素混合雰囲気)した粉末をボールミルで
120時間粉砕し、平均粒径を0.55μmとした粉末
を用いている。こちらも、スピネル率は100%であっ
た。
【0020】次に、上記各々のフェライト粉末とポリウ
レタンのメチルエチルケトン溶液とを各々50wt%の
割合で混合し、ペーストを作製した。このペーストを、
外径7mm、内径3mmのポリエチレン板上に10μm
の厚さで塗布した。次に、ネットワークアナライザーを
用いて、これらの試料の2MHzでの電波の反射係数を
測定した。その結果を表3に示す。表3から、本発明の
電波吸収体が、比較材に比べて、同等以上の電波吸収体
特性を有することがわかる。
【0021】
【表3】
【0022】(実施例4)高純度の硝酸鉄、硝酸マンガ
ン、硝酸亜鉛を酸化物換算で35MnO−13ZnO−
52Fe23(mol%)となるように秤量し、純水中
に溶解した。この溶液中にアミノ酢酸を硝酸鉄、硝酸ニ
ッケル、硝酸亜鉛の総重量に対して、15wt%となる
ように添加し、よく混合した。次に、この溶液を300
℃の加熱雰囲気中に噴霧し、酸化物磁性粉末(Mn−Z
nフェライト粉末)を得た。この粉末の平均粒径は0.
50μmであり、スピネル率は100%であった。次
に、上記工程によって得られた粉末と、平均粒径2μm
の銅粉末、及びポリウレタンのメチルエチルケトン溶液
を、それぞれ40wt%、10wt%、50wt%と
し、混合した。このペーストを外径7mm、内径3mm
のポリエチレン板上に10μmの厚さで塗布した。
【0023】比較のために、銅粉末を混合しないMn−
Znフェライト50wt%のペーストも作製し、同様に
して、試料を作製した。この二つの試料の100kH
z、500kHz、及び2MHzでの電波の反射係数を
ネットワークアナライザーを用いて測定した。その結果
を表4に示す。表4から、銅粉を混合することで、より
低い周波数領域に至る広い周波数範囲で電波吸収特性が
向上することがわかる。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】実施例で述べた如く、本発明によれば、
鉄を必須とし、ニッケル、銅、亜鉛、マンガンのうち、
少なくとも二種以上を含む硝酸塩とアミノ酸との錯体の
溶液を、溶媒の沸点以上から400℃以下の温度で加熱
して得られる粉末を用いることで、従来よりも電波吸収
特性の優れた電波吸収体を得ることができることがわか
った。これは、本発明によって製造される粉末が微細、
かつ原子レベルで組成が均一であり、不純物の混入量が
少ないためであると思われる。よって、本発明によって
製造される粉末を用いることで、従来よりも特性の優れ
た安価な電波吸収体を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 9/00 M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄を必須とし、ニッケル、銅、亜鉛、マ
    ンガンのうち、少なくとも二種以上を含む硝酸塩とアミ
    ノ酸との錯体の溶液を加熱して得られた酸化物磁性粉末
    によって構成されたことを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 鉄を必須とし、ニッケル、銅、亜鉛、マ
    ンガンのうち、少なくとも二種以上を含む硝酸塩とアミ
    ノ酸との錯体の溶液を加熱して得られた酸化物磁性粉末
    と金属粉末とによって構成されたことを特徴とする電波
    吸収体。
JP6112075A 1994-04-26 1994-04-26 電波吸収体 Pending JPH07297012A (ja)

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